w3c における ipv6 への取り組み

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Page 1: W3C における IPv6 への取り組み

W3Cにおける IPv6への取り組み

W3Cアジア地域事業開発リーダー /慶應義塾大学政策・メディア研究科

中田潤也

[email protected]

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.1/21

Page 2: W3C における IPv6 への取り組み

IPv4アドレスが枯渇しました

IANA Unallocated Address Pool Exhaustion 03-Feb-2011(IANA の未割当アドレス在庫がなくなった日)Projected RIR Address Pool Exhaustion Dates (APNIC) 19-Apr-2011(APNIC の未割当アドレス在庫がなくなった日)

枯渇するしないと騒がれていましたが、本当に枯渇してしまいました。ただ現実には ISP がある程度の在庫を確保しているので、本当のエンドユーザーレベルで枯渇する日

まではもう少し時間があります。(http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html)

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.2/21

Page 3: W3C における IPv6 への取り組み

IPアドレスって誰が割り当てるの?

IANA (Internet Assigned Number Authority)

RIR (Regional Internet Registry)アジア・太平洋: APNIC

JPNIC(各国の NIC)

End-host

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.3/21

Page 4: W3C における IPv6 への取り組み

じゃぁどうすればいい?

IPv4の延命とは言っても明日 IPv6に移行できるわけではないので、システムを使えるようになんとかして IPv4を使い続ける。ただし、もう新しい IPv4アドレスはないので、だましだまし使う。

IPv6の導入・移行IPv4に比べて広大なアドレス空間 [2128]ただ本質的に IPv4とは互換性がないプロトコルなので、トラブルを起こさないように導入する必要がある。

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.4/21

Page 5: W3C における IPv6 への取り組み

ISP的な視点

IPv4の延命CGN [Carrier Grade NAT, RFC 6264] (aka Large-scale NAT)を導入して、IPv4アドレスの消費を抑える

IPv6の導入フレッツ光ネクストにおいて IPv6 PPPoEの提供を開始2011年 6月 11日からKDDI auひかりホームで IPv6接続を開始2011年 4月以降一部エリアで開始

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.5/21

Page 6: W3C における IPv6 への取り組み

CGNって何?

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.6/21

Page 7: W3C における IPv6 への取り組み

CGNで解決では?

CGNを導入することで、エンドホストに割り当てる IPアドレスが不要になる

すでに CATVでは割と一般的な手法NTTドコモの SPモードなども同じ手法

↓CGNで起こる面倒な問題もある

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.7/21

Page 8: W3C における IPv6 への取り組み

CGNで起こりうる問題点

掲示板のアクセスログ

今までは IPアドレスを記録しておけばよかったCGNでは IPアドレスだけでは個人を特定することは困難→ IPアドレス+ポート番号も記録する必要があるRBL [Real-time Blackhole List]隣のユーザが SPAM送ったら、他のユーザも SPAMer扱い→ Outbound Port 25 Blockingで何とかはなる。

DDNSで自宅サーバそもそも何人かに一人しか TCP/80は使えない

SIPSIPの NAT越え [しかも多段]→なかなか険しそう・・

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.8/21

Page 9: W3C における IPv6 への取り組み

なぜW3Cが IPv6?

IPv6はネットワーク層の話HTTPプロトコルやさらに上位の HTMLから見ると下のレイヤーのお話。

どちらかというと ISPがなんとかしてくれるから、コンテンツ側はあんまり意識してこなかった。

きっと IPv4アドレスは枯渇しないだろう

↓W3C内部でも割と無関心+領域外

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.9/21

Page 10: W3C における IPv6 への取り組み

WebSocket

HTML5で追加された新しい仕様正確には HTML5の仕様からは切り離されているWHATWGで議論されている IETFの仕様案

ブラウザとサーバー間でリアルタイムに双方向通信を可能にするプロトコル

現時点で実装されているブラウザ

Chrome 4Safari 5Mozilla Firefox 4Opera 11

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.10/21

Page 11: W3C における IPv6 への取り組み

XMLHttpRequest

リクエストごとに HTTPのセッションを張っていた → TCPのセッション

HTTPプロトコルのオーバーヘッドが大きいため、なかなか素早いレスポンスが得られなかった

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.11/21

Page 12: W3C における IPv6 への取り組み

WebSocket

一度WebSocketのセッションを張ればその中で何度でもデータのやりとりが行える。

TCPのセッションも無駄遣いしなくて済む。

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.12/21

Page 13: W3C における IPv6 への取り組み

World IPv6 Day

Google, Facebook, Yahoo!, Akamai, Limelight Networksが呼びかけて主要サイトで 24時間 IPv6を有効にして、その影響やWebサイトで問題を発見しようという技術的なイベント

2011年 6月 8日に実施おおむね問題が起こらず終了

W3Cも参加秋にもどうやらやるみたいです

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.13/21

Page 14: W3C における IPv6 への取り組み

World IPv6 Day at W3C

www.w3.orgを IPv6-enabledにしたそのほかに DNSや SMTPなども有効にして、IPv6でサービスを提供する場合の問題の洗い出しを行った

IPv6に関連した大きなトラブルはなく終了DNS、SMTPは現在も IPv6を有効にしたまま運用中

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.14/21

Page 15: W3C における IPv6 への取り組み

まとめ

IPv6への対応IPv4が枯渇してしまった今、IPv6に移行せざるを得ない状況が着実に進んでいます。なかなか急には移行できないので、新規サービスから対応させるなど徐々に対応させる必要があるプロトコルが誕生してから 10年以上がたつが、まだまだ新しい技術なので、日々変化しています

IPv4の延命CGNなど IPv4アドレスを最大限使って、何とか IPv6が普及・浸透する前に IPv4アドレスが足りなくなってインターネットにつなげられなくなる事態を避けようとしていますただ CGNでできることは限られていて、かつ技術的・法律的に超えなければならない壁もありますWebSocketなど新しい技術を使うことで解決できる問題も

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.15/21

Page 16: W3C における IPv6 への取り組み

まとめ

IPv6/IPv4と向き合うIPv6への対応を進めつつ、IPv4を退役させられるように準備を進める必要があるWebSocketなど今までのレイヤーにとらわれるのではなく、いい意味でレイヤーを縦断する方法が求められているぜひこの機会に IPv4から IPv6への移行を考えてみてください

ありがとうございました

2011/08/20 Open Source Conference Nagoya – p.16/21