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40
PAN ® 25 – 機械式 スライドキャリパディスクブレーキ 取付・保守説明書

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機械式 スライドキャリパディスクブレーキ 取付・保守説明書

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PAN®25 – 機械式スライドキャリパディスクブレーキ

取付・保守説明書

PAN®25機械式スライドキャリパディスクブレーキ

取付・保守説明書

第 2版

本印刷物は文書管理システムの対象外となっています。最新バージョンは、

http://www.wabco.info/8151801923

© 2013/2014 WABCO Europe BVBA – 全権利を留保します。

表記の内容を予告なく変更することがあります。Version 1/05.2013(ja)

815 180 192 3

2

PAN®25

1 重要指示および安全上の注意. . . . . . . . . . 3

1.1 一般的な注意事項 . . . . . . . . . . . . 3

1.2 安全注意事項 . . . . . . . . . . . . . . 3

1.2.1 事故の危険 . . . . . . . . . . . . 3

1.2.2 負傷の危険 . . . . . . . . . . . . 3

1.3 修理と保守にあたっての注意 . . . . . . . 4

2 機械式スライドキャリパディスクブレーキの説明 .5

3 ブレーキのチェック. . . . . . . . . . . . . . 8

3.1 再調整ネジのチェック . . . . . . . . . . 8

3.2 ブレーキパッドのチェック . . . . . . . . 9

3.3 ブレーキディスクのチェック . . . . . . . 9

3.3.1 ブレーキディスクのチェック . . . 10

3.3.2 ブレーキディスクのチェック . . . 10

3.4 ガイドボルトのベアリングのあそびのチェック. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

4 ブレーキパッドの交換. . . . . . . . . . . . 12

4.1 ブレーキパッドの取り外し . . . . . . . 12

4.2 ブレーキキャリパの保護キャップと移動可能性のチェック . . . . . . . . . . . . . 14

4.3 ブレーキパッドの取り付け . . . . . . . 15

5 ブレーキの交換. . . . . . . . . . . . . . . 18

5.1 ブレーキの取り外し . . . . . . . . . . 18

5.2 ブレーキの取り付け . . . . . . . . . . 18

6 シーリングの交換. . . . . . . . . . . . . . 20

6.1 ガイドボルトの保護キャップとブッシュの交換. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20

6.1.1 取り外し . . . . . . . . . . . . 20

6.1.2 取付 . . . . . . . . . . . . . . 21

6.2 再調整ネジの保護キャップの交換. . . . 25

6.2.1 保護キャップの取り外し . . . . . 25

6.2.2 保護キャップの取り付け . . . . . 26

6.3 再調整ネジの六角部の保護キャップの交換. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27

6.3.1 保護キャップの取り外し . . . . . 27

6.3.2 保護キャップの取り付け . . . . . 27

7 ブレーキシリンダの交換. . . . . . . . . . . 29

7.1 ブレーキシリンダの取り外し. . . . . . 29

7.2 ブレーキシリンダの取り付け. . . . . . 29

8 ブレーキディスクの交換. . . . . . . . . . . 31

8.1 ブレーキディスクの取り外し. . . . . . 31

8.2 ブレーキディスクの取り付け. . . . . . 31

9 付録. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 32

9.1 WABCO 工具. . . . . . . . . . . . . . 32

9.2 開口幅と締付トルク. . . . . . . . . . 33

9.3 交換部品の分解図. . . . . . . . . . . 35

9.4 交換パーツの調達と処分. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 36

9.4.1 交換パーツの調達 . . . . . . . . 36

9.4.2 ブレーキ部品の処分 . . . . . . . 36

1

目次

3

1PAN®25重要指示および安全上の注意

1 重要指示および安全上の注意

1.1 一般的な注意事項

同印刷物では、ディスクブレーキ「PAN®25 」の保守および修理方法、修理キットの使用による個々の部品の交換手順を説明しています。

ホイールブレーキの製品番号:

同印刷物は商用車用修理工場に携わる、相応の教育を受けた専門スタッフを対象としています。

– 保守、修理、部品の交換等の作業を開始する前に、本書に記載された安全上の注意と修理・保守にあたっての注意をよくお読みください。これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

– WABCO は、全ての指示、注意事項、安全上の注意が守られている場合にのみ自社の製品およびシステムの安全性、信頼性、性能を保証します。

車両上での作業(修理、保守、部品の交換等)を開始する前に、必ず以下の点を確認してください。– 車両の修理作業には、研修を受け、相応の資格を有

する専門スタッフを起用してください。

– 車軸メーカーまたは車両メーカーによる指定および指示事項に従ってください。

– 事業所内の事故防止規定および国内規定に従ってください。

– 必要に応じて、適切な保護作業服を着用してください。

– 作業場には、湿気がないこと、充分な照明と換気がなされていることが大切です。

1.2 安全上のご注意

1.2.1 事故の危険

警告!ブレーキ作用の低下またはブレーキの故障

– ブレーキパッドとブレーキディスクの摩耗限界を監視してください。

– 摩耗し、擦り切れた、または焼けた、ガラス状になった、もしくはオイル状になったブレーキパッドは直ちに交換してください。

– 摩耗し、擦り切れた、または破損したブレーキディスクは交換してください。

– ブレーキパッドは必ず車軸ごとに交換し、ブレーキパッドのホールドダウンシステムと圧力プレートを新しく取り換えてください。

警告!車両のころがり

– 車両が平坦な面にない場合、車両が動かないように輪止めを置いてください。

– 車両の輪留めおよび固定には、認定された機器のみをご使用ください。

– シフトが「ニュートラル」に入っていること、駐車ブレーキが作動していることを確認してください。

警告!車両のころがり

– 保守・取り付け作業が完了したら、スプリングアキュムレーターシリンダの緩めネジを完全にねじ込まれていることを確認し、パーキングブレーキの機能をチェックしてください。

1.2.2 負傷の危険

注意 !危険な粉塵

– ブレーキ付近の汚れは圧縮空気やその他の高圧装置で掃除しないでください。

注意 !重負荷

– 車両上でのブレーキの取り外しおよび取り付けには、もう一人の作業員による補助が必要です。

640 250 004 0

640 250 005 0

4

1 PAN®25 重要指示および安全上の注意

注意 !ブレーキ上での作業中のブレーキ作動

– 車両上での作業を実施中であり、ブレーキを作動させてはならないという注意書きをハンドル上にわかりやすく掲示してください。

注意 !指を挟む危険

– ブレーキキャリパを移動させる場合、またはブレーキ上での作業を行なう場合には、ブレーキの外側だけを手で触れてください。

– モーター駆動式のスクリュードライバーやトルク工具を使用しないでください。

注意 !ブレーキ部品の落下、強すぎる締付・緩めトルク

– 車両の外側で修理作業を行なう際には、ブレーキを適切な冶具(万力等)で固定してください。

1.3 修理と保守にあたっての注意

ディスクブレーキが正常な技術的状態を維持していなければ、優れた走行特性や安定したブレーキ特性は得られません。

– 鋳造部品が強度に破損していたり摩耗していたりする場合(ひび等)には、説明書に従ってブレーキ全体を交換してください。

– パッドホールドダウンブラケット (38) が破損する恐れがありますので、この部品をハンドルやリフト装置への固定用として使用しないでください。

– ブレーキキャリパをクランプユニットから分解したり、ブレーキキャリパのカバーに装備されている固定ネジを緩めたりしないでください。

– ブレーキパッドが取り外された状態でブレーキを作動させないでください。

– ブレーキまたは車両上で掃除作業を行なう際には、圧縮空気やその他の高圧装置の使用はお避けください。これを行なうと、危険な粉塵が飛散して負傷する恐れがあります。さらに、ブレーキのゴム部品が破損する恐れがあります。

– WABCO 純正交換部品、承認ブレーキパッドおよびブレーキパッドホールドダウンシステム、圧力プレートのみを使用してください。交換部品の分解ズは本冊子の付録に記載されています ( 参照章 9.3 „ 交換部品の分解図“, ページ 35)。

– 修理キットに含まれているグリスのみを使用してください。

– 修理作業には必ず推奨工具をご使用ください ( 参照章 9.1 „WABCO 工具 “, ページ 32)。モーター駆動式のスクリュードライバーやトルク工具を使用しないでください。

– ネジやナットの締付作業には指定中のキーレンチのみを使用してください。この際、指定中の締付トルクを守ってください。位置に関しては付録の表を参照してください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク“, ページ 33)。

– 修理作業が完了したら、ローラーテストスタンドで最終検査を実施してください。ローラーテストスタンドがない場合には、テスト走行を行なってブレーキテストを実施してください。

– ブレーキパッドが新品の場合、最初の 50 km ではフルブレーキをかけないでください(非常時を除く)。同様に、長時間にわたるブレーキの作動もお避けください。これに関してはドライバーにもお伝えください。

5

2PAN®25機械式スライドキャリパディスクブレーキの

2 機械式スライドキャリパディスクブレーキの説明

ブレーキ PAN®25 は、空圧式ピストンディスクブレーキ

です。これは商用車の前軸およびリアアクスルに 25 イ

ンチリム用として使用します。このブレーキはサービ

スブレーキ、補助ブレーキ、パーキングブレーキとし

て使用することができます。このブレーキはメンブラ

ンシリンダまたはスプリングアキュムレーターシリン

ダを通じて機械的に作動します。これはブレーキキャ

リパに直接固定されます。このため、ブレーキにおけ

る軸方向の構造長が短くなります。これによって、組

込スペースの最適活用が実現します。

ディスクブレーキ全体は、ブレーキシリンダ、ブレー

キキャリパ (1) およびブレーキキャリア (2) で構成さ

れています。

図 . ディスクブレーキ全体

1 ブレーキキャリパ

2 ブレーキキャリア

矢印 ブレーキキャリパの移動方向

機能説明

次のページの図も参照してください。

ブレーキキャリパ (1) がブレーキキャリア (2) のガイドボルト (8、9) 上を軸方向に移動します。ブレーキパッド (35、36) はブレーキキャリア内で軸方向に移動可能な形で支持されています。ブレーキパッドの固定は、パッドホールドダウンブラケット (38) とホールドダウンスプリング (37) で行なわれます。

ブレーキパッドの交換を簡単かつ迅速におこなえるよう、ブレーキキャリパではラジアル方向にオープンな構造が採用されています。交換間隔を延長させるため、摩耗量の大きいブレーキパッドが使用されます。

パッド摩耗量を修正するため、ブレーキの作動装置には力量に依存する、無段階方式による自動再調整装置が装備されています。これによって、負荷や使用条件とは関係なく指定中のブレーキあそびが一定に保たれます。これにより、さらにブレーキキャリパの安定した、かつ頑丈な構造によって、ブレーキ作動時の安定したブレーキ作用と非常ブレーキ時の予備ストロークの確保が向上します。

ブレーキの全てのゴム部品およびグリスフィリングは破損しない、メンテナンスフリー部品です。

ディスクブレーキにはオプションとして電動式の摩耗インジケータ(限界表示)を装備することも可能です。

パッドの残余厚さに達すると、車両内のコントロール表示が点灯します。この場合、修理工場で摩耗したブレーキパッドを交換させてください。

6

2 PAN®25 機械式スライドキャリパディスクブレーキの

図. 上面および断面(左側のブレーキ)

1 ブレーキキャリパ2 ブレーキキャリア6 内径六角ネジ8 ガイドボルト ( ロング )9 ガイドボルト ( ショート )11 蓋 ( ショート )11.1 蓋 ( ロング )13 再調整ネジの保護キャップ19 圧力プレート

22 再調整ネジの六角部35 ブレーキパッド リム側36 ブレーキパッド シリンダ側37 シューホールドダウンスプリング38 パッドホールドダウンブラケット39 六角ボルト40 摩耗インジケータ付きケーブルガイドプレート41 ケーブルクリップA 前進、回転方向

7

2PAN®25機械式スライドキャリパディスクブレーキの

図 . 側面および断面(左側のブレーキ)

1 ブレーキキャリパ2 ブレーキキャリア5 ガイドボルト用保護キャップ11.1 蓋 ( ロング )12 再調整ネジ栓19 圧力プレート

35 ブレーキパッド リム側36 ブレーキパッド シリンダ側37 シューホールドダウンスプリング38 パッドホールドダウンブラケット39 六角ボルトA 前進、回転方向

8

3 PAN®25 ブレーキのチェック

3 ブレーキのチェック

注意 !負傷の危険

– 安全上の注意、修理と保守にあたっての注意の全ての事項に注意してください ( 参照章 1 „ 重要指示および安全上の注意 “, ページ 3)。

– これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

!ブレーキのチェックを行なう際、ブレーキシリンダを取り外す必要はありません。図上ではブレーキシリンダが取り外された状態のブレーキが表示されていますが、これはあくまでもわかりやすくするためです。

3.1 再調整ネジのチェック

!再調整ネジの六角部の回転方向およびトルク は、付録資料の表に記載されています ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、 ポジション I)。

再調整ネジのチェックには、ブレーキパッドと圧力プレートが取り付けられていることが必要です。

– 再調整ネジの栓 (12) を慎重に取り外してください。

!この際、工具(ドライバー等)は再調整ネジの栓 (12) だけにあてがい、再調整ネジの保護キャップ

(13) やブレーキキャリパは破損しないようにご注意ください。

– 保護キャップ (13) が摩耗または破損していないかを確認してください。

– 再調整ネジの保護キャップ (13) が破損したら、これを交換してください ( 参照章 6.3 „ 再調整ネジの六角部の保護キャップの交換 “, ページ 27)。

– リングレンチ ( 工具 12 および 13) で再調整部の六角ボルト (22) を時計方向に ½ 回転させてください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション I)。

!再調整ネジのチェックは、あそびが大きい場合にのみ可能です。

差し込んだリングレンチのためのスペースは、再調整中に回転してもこれを妨害するものが何もない程度に必要です。

再調整ネジの六角部 (22) の回転のために開口スパナを使用しないでください。また、この六角部に強

9

3PAN®25ブレーキのチェック

い負荷を与えないでください。負荷を与えすぎると六角部が破損する恐れがあります。

– ブレーキを軽く 5 回作動させてください(ブレーキ圧力 約 1 bar)。

再調整ネジが正常に機能している場合、リングレンチが時計と反対方向に少しずつ回転します。

!再調整が進むと、、差し込まれているリングレンチの回転角が次第に小さくなっていきます。上記のようにリングレンチが時計と反対方向へ回転するようであれば、再調整機能は正常です。

発生が考えられるエラー:

差し込まれているリングレンチが

• 回転しない

• 最初の作動時だけ回転する

• 作動のたびに少し進んで、再び戻る

この場合、再調整部に異常があります。ブレーキを交換する必要があります ( 参照章 5 „ ブレーキの交換“, ページ 18)。

– 確認後、再調整部のエアギャップを再び 1 mm に設定してください (参照章 4.3 „ ブレーキパッドの取り付け “, ページ 15)。

– リングレンチ ( 工具 12 および 13) を再調整部の六角ボルト (22) から取り外してください。

– 再調整ネジの栓 (12) を差し込み、これがしっかりと密閉していることを確認してください。

3.2 ブレーキパッドのチェック

!ブレーキパッド厚は車両の使用状況に応じて、保守間隔および法的規制に従って定期的にチェックしてください。

ブレーキパッドが焼きついている、ガラス化している、またはこれにオイルが付着している場合には直ちに交換する必要があります。

ブレーキパッドの交換は必ず車軸ごとに行なってください。この際、ブレーキパッドホールドダウンシステムと圧力プレートも新しく取り換えてください。

ブレーキディスクの破損を防ぐため、ブレーキパッドの最も弱い箇所で摩耗限界に到達したらブレーキパッドを交換してください。パッドの残余厚さはパッドキャリアから 2 mm を下回ってはいけません。

– ブレーキパッドを取り外してください ( 参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し “, ページ 12)。

– ブレーキキャリア (F) とブレーキパッド (G) から厚さ合計を計測してください。

A 磨耗したブレーキパッドの総厚 ( ブレーキキャリア込み、限界 11 mm)

B 新しいブレーキパッドの総厚 ( 限界 32 mm)

C 磨耗したブレーキパッドの厚さ ( 残余厚さ限界2 mm)

F ブレーキキャリア

G ブレーキパッド

– 磨耗限度 (A < 11 mm) に達した、またはこれを上回った場合、ブレーキパッドを交換してください (参照章 4 „ ブレーキパッドの交換 “, ページ 12)。

3.3 ブレーキディスクのチェック

!ブレーキパッドとブレーキディスクの摩耗限界を監視してください。

ブレーキパッドおよびブレーキディスクの摩耗が進むと、ブレーキ作用は低下し、ブレーキに故障が発生する危険が高まります。ブレーキディスクとブレーキパッドを交換してください。

ブレーキディスクは必ず車軸ごとに交換してください。

ブレーキディスクを掃除し、油脂分がない状態にしてください。

新品のブレーキディスクを取り付けた場合には、ブレーキパッドも新品のものと取り換えることをお勧めします。

– ブレーキパッドを取り外してください ( 参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し “, ページ 12)。

10

3 PAN®25 ブレーキのチェック

– ブレーキパッドと接触する領域でブレーキディスク厚を計測してください。

D 新品ブレーキディスクの厚さ合計 (41 mm)

E 摩耗限界 ( 最低 33 mm)

– 最も薄い場所の磨耗限度が 33 mm に達したら、ブレーキディスクを交換してください ( 参照章 8 „ ブレーキディスクの交換 “, ページ 31)。

3.3.1 ブレーキディスク状態のチェック

A 網目状のひび : 合格

B ハブの方向に向かう 幅 0.5 mm 以下のひび : 合格

C ディスク表面の凸凹 深さ最大 1.5 mm: 合格

D 貫通しているひび : 不合格

a ブレーキ表面の幅

– ブレーキディスクのひび発生状態と表面状態を確認してください。

– ブレーキディスクに貫通するひびが発生していたり、凸凹または深さ最大限度を超えるひびが発生していたりする場合には、ブレーキディスクを交換してください。 ( 参照章 8 „ ブレーキディスクの交換“, ページ 31).

3.3.2 ブレーキディスクの振れチェック

– ブレーキキャリアに計測計を固定してください。

– ブレーキディスクを取り付けた状態で、ホイールハブを回転させることによってブレーキディスクの振れを確認してください。限界値:0.15 mm

– ブレーキディスクの振れが 0.15 mm を超える場合、ブレーキディスクを交換または正しく修繕させてください (参照章 8 „ ブレーキディスクの交換 “, ページ 31)。

– ブレーキパッドを取り付け、エアギャップを調整してください ( 参照章 4.3 „ ブレーキパッドの取り付け “, ページ 15)。

11

3PAN®25ブレーキのチェック

3.4 ガイドボルトのベアリングのあそびのチェック

– 車輪を取り外し、ブレーキパッドと圧力プレートを取り外してください ( 参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し “, ページ 12)。

– ブレーキキャリパを完全にリム側へずらしてください。

– 計測計の磁石スタンドをブレーキキャリアまたは車軸に固定してください。

– 測定点を掃除してください。測定点とは、リム側のブレーキキャリパにある鋳造部品のエッジ部分にあたります。

– 計測計をブレーキキャリパの測定点(矢印)の方向へ押しつけてください。

– ブレーキキャリパを軽く、可能な限り傾けてください(方向に関しては図を参照してください)。さらに、計測計の値をゼロにしてください。

– ブレーキキャリパを反対の方向へ可能な限り傾けてください。

– 計測計の値を読み取ってください。ベアリングのあそびは 2.0 mm を超えてはいけません。

– 測定装置を取り外してください。

– ベアリングのあそびを測定した結果、これが 2 mm を超えた場合 、ガイドボルトのブッシュを交換してください ( 参照章 6.1 „ ガイドボルトの保護キャップとブッシュの交換 “, ページ 20)。

– 圧力プレートとブレーキパッドを取り付け、エアギャップを調整してから、車輪を取り付けてください ( 参照章 4.3 „ ブレーキパッドの取り付け “, ページ 15)。

1

12

4 PAN®25 ブレーキパッドの交換

4 ブレーキパッドの交換

注意 !負傷の危険

– 安全上の注意、修理と保守にあたっての注意の全ての事項に注意してください ( 参照章 1 „ 重要指示および安全上の注意 “, ページ 3)。

– これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

!ブレーキパッドの交換を行なう際、ブレーキシリンダを取り外す必要はありません。図上ではブレーキシリンダが取り外された状態のブレーキが表示されていますが、これはあくまでもわかりやすくするためです。

ブレーキパッドは必ず車軸ごとに交換し、ブレーキパッドホールドダウンシステムと圧力プレートも新しく取り換えてください。

4.1 ブレーキパッドの取り外し

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従って車両ホイールを取り外してください。

– 摩耗インジケータのプラグ接続(矢印)を遮断してください (40)。

– パッドホールドダウンブラケット (38) から六角ボルト (39) を取り外してください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション II)。

– パッドホールドダウンブラケット (38) をブレーキキャリパ (1) から引き出してください。

– ホールドダウンスプリング (37) をブレーキパッド (35、36) と圧力プレート (19) から取り外してください。

– ケーブルガイドプレート (40) と摩耗インジケータを取り外してください。

– ケーブルクリップ (41) をブレーキキャリパから取り外してください。

– 再調整ネジの栓 (12) を慎重に取り外してください。

!この際、工具(ドライバー等)は再調整ネジの栓だけにあてがい、再調整ネジの保護キャップ (13) やブレーキキャリパは破損しないようにご注意ください。

– 保護キャップ (13) が摩耗または破損していないかを確認してください。

– 再調整ネジの保護キャップ (13) が破損したら、これを交換してください ( 参照章 6.3 „ 再調整ネジの六角部の保護キャップの交換 “, ページ 27)。

1

13

4PAN®25ブレーキパッドの交換

– 再調整ネジの六角部 (22) をリングレンチ (工具 12 および 13) で時計方向へ完全に回してください。その後、時計反対方向へ再び 90° 回してください。

– 六角部 (22) を回しながら、圧力プレート (19) を手でシリンダ方向へずらしてください。この際、再調整ネジ (21) のねじれ防止ピンが圧力プレートの固定ナットから滑り落ちないように注意してください。

これが起こると、再調整ネジが一緒に回転し、保護キャップ (10) が破壊されてしまう恐れがあります。

– ブレーキキャリパ (1) を手でリム側へずらしてください(矢印)。

– ブレーキパッド (35) をリム方向で取り外してください。

– ブレーキキャリパ (1) を手でシリンダ側へずらしてください(矢印)。

– シリンダ側のブレーキパッド (36) と圧力プレート (19) を取り外してください。

!ブレーキパッドが取り外された状態でブレーキを作動させないでください。この際、負傷やブレーキ破損の危険があります。

– 圧力プレート (19) の腐食状態を確認してください。破損が確認されたら、圧力プレートを交換してください。圧力プレートの交換は必ず車軸ごとに行なってください。

– 圧力プレート、パッド収納部、圧力プレート案内部をワイヤブラシで掃除し、これらの部品から腐食を除去してください。

保護キャップ (5、10) の掃除の際にこれを破損させないでください。

!ブレーキキャリアのパッド収納部にあるガイド面は汚れや油脂分のない状態であることが必要です。

1

14

4 PAN®25 ブレーキパッドの交換

4.2 ブレーキキャリパの保護キャップと移動可能性のチェック

– ブレーキキャリパ (1) をシリンダ側方向へずらしてください(矢印)。

– ガイドボルト (8、9) と再調整ネジ (21) の保護キャップ (5、10) が摩耗または破損していないかを確認してください。

– 破損した保護キャップ ( 参照章 6.1 „ ガイドボルトの保護キャップとブッシュの交換 “, ページ 20 および参照章 6.2 „ 再調整ネジの保護キャップの交換“, ページ 25) を交換してください。

!保護キャップ (10) が破損している場合には、既に侵入していた汚れや湿気が原因となってブレーキ内部やブレーキキャリパのシーリングシートが腐食され、これが破損につながっていたのかを確認してください。

破損や腐食が確認されたら、ブレーキを交換してください ( 参照章 5 „ ブレーキの交換 “, ページ 18)。

保護キャップがブレーキのサービス作業中に破損した場合、これを交換してください。

– ブレーキキャリパを移動路全体を手で移動させてガ

イドボルト上へずらしてください。この際にスムー

ズな移動が可能であるかを確認してください。

!ブレーキキャリパの移動中、ガイドボルトの保護

キャップがブレーキキャリア上で押し潰されないよ

うにしてください。

– ブレーキキャリアがスムーズに動かない場合には、

ブッシュ、ガイドボルト、保護キャップを交換して

ください (参照章 6.1 „ ガイドボルトの保護キャッ

プとブッシュの交換“, ページ 20)。

– 手で再調整ネジをチェックしてください。

!このチェック中、および六角部 (22) の回転中は再

調整ネジ (21) が回らないように、再調整ネジ用ピ

ン(矢印)をしっかりと持つことで固定してくださ

い。

21

1

15

4PAN®25ブレーキパッドの交換

– 再調整ボルト (21) が約 30 mm 押し出されるまで、リングレンチ ( 工具 12 および 13) で再調整部の六角ボルト (22) を時計方向に回してください。

!再調整ネジの六角部 (22) の回転のために開口スパナを使用しないでください。また、この六角部に強い負荷を与えないでください。負荷を与えすぎると六角部が破損する恐れがあります。

– リングレンチで六角部 (22) を再び時計方向へ、完全に回らなくなるまで回してください。

(時計方向へ)戻す場合は、時計反対方向へ回す際よりも回転トルクが大きくなります。

– 必要に応じて、再調整機能を確認してください ( 参照章 3.1 „ 再調整ネジのチェック “, ページ 8)。

4.3 ブレーキパッドの取り付け

– シリンダ側で圧力プレートとブレーキパッドを挿入するため、ブレーキディスクまでの間隔が充分に確保できるようになるまでブレーキキャリパをシリンダ側へずらしてください。

– 圧力プレート (19) をブレーキキャリア内へセットし、この圧力プレートを再調整ネジ (21) の方向へ押してください。

!圧力プレートがブレーキキャリアのガイドナットの中に収まり、ブレーキキャリアのガイドレール内に完全に入っていることを確認してください。これが正しく入っていないと、圧力プレートがガイドからすべり出ることがあります。

必要に応じて、ブレーキキャリパをややリム側へずらしてください。

再調整ネジのピンが圧力プレートの溝(小さな矢印)にはまっていることが必要です。これが行なわれていないと再調整は正常に機能しません。ピンが圧力プレートの溝にはまるまで、再調整ネジを回してください。その際、保護キャップがねじれないように注意してください。

16

4 PAN®25 ブレーキパッドの交換

– 新品のブレーキパッド (36) をシリンダ側へ入れてください。

– シリンダ側のブレーキパッド (36) がブレーキディスクにあたるよう、ブレーキキャリパをリム側の方向へずらしてください。

– 新品のブレーキパッド (35) をリム側へ入れてください。

– 厚さ 1 mm のすきまゲージ(矢印)であそびを調整してください。この際、すきまゲージをリム側のブレーキパッドとブレーキキャリパの間に入れてください。リングレンチ ( 工具 12 と 13) で再調整ネジの六角部 (22) を、両方のブレーキパッドがブレーキディスク上にあたるまで時計反対方向に回してください。

!すきまゲージをブレーキキャリパ (1) とブレーキ

キャリア (35) の間のブレーキ中央に挿入してくだ

さい。

再調整ネジの六角部 (22) の回転のために開口スパ

ナを使用しないでください。また、この六角部に強

い負荷を与えないでください。負荷を与えすぎると

六角部が破損する恐れがあります。

あそびを調整した後で、パッドホールドダウンブラ

ケットを取り付けてください。

– すきまゲージを取り外してください。

– 新品のケーブルクリップ (41) をブレーキキャリパ

内へ挿入してください。

– 新品のケーブルガイドプレート (40) と新品の、事

前に取り付けられた摩耗インジケータをブレーキ

キャリパ上に設置し、インジケータ ( 丸印 ) をブ

レーキパッド内へ差し込んでください。

!インジケータの摩耗する側の両方がブレーキディス

クの方向へ向き、インジケータがブレーキパッド内

に完全に差し込まれていることが大切です。

– ケーブルガイドプレート (40) と摩耗インジケータ

のケーブル末端をブレーキキャリパ上に置いてくだ

さい。

!ケーブルを配線する際には、ケーブルがブレーキ

パッドに触れないように注意してください。

17

4PAN®25ブレーキパッドの交換

– 3 個の新品のホールドダウンスプリング (37) をブレーキパッドと圧力プレート上のケーブルガイドプレート (40) 上に設置してください。

– 新品のパッドホールドダウンブラケット (38) を、ケーブルガイドプレートの開口部に通し、ブレーキキャリパの開口部(矢印) に通してください。

– ホールドダウンスプリングのラジアル方向の端がパッドホールドダウンブラケットにはまるように、ブラケットを押さえてください。

– 新品の 六角ボルト (39) をブレーキキャリパに固定してください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク“, ページ 33、ポジション II)。

– 摩耗インジケータのコネクタに運搬用保護キャップが付いている場合には、これを取り外してください。

– 摩耗インジケータのコネクタを車両または車軸のソケットに差し込んでください。

– ブレーキキャリパのケーブルクリップ (41) にケーブルを固定してください。

– ケーブルが正しく配線されているかを確認し、ケーブルバインダーでケーブルを固定してください。

– 新品の栓 (12) をブレーキキャリパの開口部へ押し入れてください。栓に漏れがないかを確認してください。

– ホイールハブがスムーズに動くかを確認してください。

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従って車両ホイールを取り付けてください。

!作業完了後、ローラーテストスタンドでブレーキを検査してください。

18

5 PAN®25 ブレーキの交換

5 ブレーキの交換

注意 !負傷の危険

– 安全上の注意、修理と保守にあたっての注意の全ての事項に注意してください ( 参照章 1 „ 重要指示および安全上の注意 “, ページ 3)。

– これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

!パッドホールドダウンブラケット (38) が破損する恐れがありますので、この部品をハンドルやリフト装置へのブレーキ固定用として使用しないでください。

ブレーキパッドのない新品のブレーキが事前に装備されており、ブレーキキャリアを使用して全て一緒に車軸上へ取り付けることができます。

左側のブレーキ (L) と右側のブレーキ (R) は、車軸への取り付け時、左右取り違えないようにしてください。ブレーキの左右車軸への取り付けは、次の特徴に注意して行なってください。

• ブレーキキャリパ上の矢印 (A) は、前進走行時のブレーキディスクの回転方向を示しています。

• 長い蓋 (11.1) の付いた長いガイドボルト (8) は、必ず前進走行時のブレーキディスク入口側にあります。

5.1 ブレーキの取り外し

!ブレーキキャリアの図はあくまでも一例であり、実際のブレーキ仕様に応じてやや異なることがあります。

– 車両ホイールを取り外してください。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーによる取付にあたっての指示に従ってください。

– 摩耗インジケータのプラグ接続を遮断してください。

– ブレーキパッドを取り外してください ( 参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し“, ページ 12)。

– ブレーキキャリパからブレーキシリンダを取り外してください ( 参照章 7.1 „ ブレーキシリンダの取り外し “, ページ 29)。

– ブレーキキャリパキャリパとブレーキキャリアを車軸から取り外してくださいい (参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク“, ページ 33、ポジション III)。

– ブレーキディスクを確認してください ( 参照章 3.3 „ ブレーキディスクのチェック “, ページ 9)。

– 取り外したブレーキパッドを確認し、必要に応じて交換してください ( 参照章 3.2 „ ブレーキパッドのチェック “, ページ 9)。

– 車軸の固定フランジが摩耗または破損していないかを確認してください。

– 車軸上の固定フランジを掃除し、汚れ、錆および油脂分を除去してください。

5.2 ブレーキの取り付け

!ブレーキの取り付けの際には、車軸メーカーまたは車両メーカーの取り付け指示に従い、左右のブレーキを取り違えないように注意してください。

19

5PAN®25ブレーキの交換

– ブレーキとブレーキキャリアをブレーキディスク上に設置し、ブレーキを車軸に取り付けてください。

– 六角ボルトを硬く締めてください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション III)。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーの取り付け指示に注意し、必ずこれに従ってください。

– 全ての 運搬用保護材を新品のブレーキから取り外してください。ブレーキキャリパの運搬用保護キャップ(矢印)または保護シートがシリンダ固定領域から完全に除去される必要があります。

– 圧力プレートを取り付け、摩耗インジケータとエアギャップを調整してください (参照章 4.3 „ ブレーキパッドの取り付け “, ページ 15)。

– 摩耗インジケータのコネクタを車両または車軸のソケットと接続し、ケーブルをブレーキキャリパのケーブルクリップ (41) に固定してください。

– ケーブルが正しく配線されているかを確認し、ケー

ブルバインダーでケーブルを固定してください。

– (特にピストンロッドシーリング内部で)ブレーキ

シリンダに破損がないかを確認してください。破損

が確認されたら、ブレーキシリンダを交換してくだ

さい ( 参照章 7 „ ブレーキシリンダの交換 “, ペー

ジ 29)。破損したブレーキシリンダは再度取り付け

ないでください。

– ブレーキシリンダのシール部とフランジ面を掃除し

てください。

– ブレーキキャリパにブレーキシリンダを取り付けて

ください ( 参照章 7.2 „ ブレーキシリンダの取り付

け “, ページ 29)。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーの取り付

け指示に注意し、必ずこれに従ってください。

!ブレーキの取り付け状況に応じて、ブレーキシリン

ダにある、下の道路側にある排出口が開いているこ

とが必要です。

ブレーキシリンダタイプに応じて、その他の排出口

を開いたままにしたり、栓で密閉することが必要と

なったりします。ブレーキシリンダのメーカーの指

示に従ってください。

– ホイールハブが自由に回転するかを確認してくださ

い。

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従ってホ

イールを取り付けてください。

!作業完了後、ローラーテストスタンドでブレーキを

検査してください。

20

6 PAN®25 シーリングの交換

6 シーリングの交換

注意 !負傷の危険

– 安全上の注意、修理と保守にあたっての注意の全ての事項に注意してください ( 参照章 1 „ 重要指示および安全上の注意 “, ページ 3)。

– これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

!パッドホールドダウンブラケット (38) が破損する恐れがありますので、この部品をハンドルやリフト装置へのブレーキ固定用として使用しないでください。

ブレーキキャリパの全てのシーリングが交換されたら、、ガイドボルトの保護キャップとブッシュ、再調整ネジの保護キャップのそれぞれの交換作業を全て一緒に実施することができるようになります。

シーリングを個別に交換する場合、作業手順 (Kapitel 6.1 および Kapitel 6.2) に従って個々に行なってください。

図はあくまでも一例であり、実際の仕様に応じてやや異なることがあります。

6.1 ガイドボルトの保護キャップとブッシュの交換

6.1.1 取り外し

– 車両ホイールを取り外してください。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーによる取付にあたっての指示に従ってください。

– 摩耗インジケータのプラグ接続を遮断してください。

– ブレーキパッドを取り外してください ( 参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し “, ページ 12)。

– ブレーキキャリパからブレーキシリンダを取り外してください ( 参照章 7.1 „ ブレーキシリンダの取り外し “, ページ 29)。

– ブレーキキャリパキャリパとブレーキキャリアを車軸から取り外してくださいい ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション III)。

– 適切な冶具(万力等)を使用し、ブレーキをブレーキキャリアへ固定してください。

– ボルトガイド (8、9) の蓋 (11, 11.1) をブレーキ

キャリパ (1) から取り外してください。

!この際、工具(チゼル等)は蓋だけにあてがい、ブ

レーキキャリパの蓋の穴を破損しないようにご注意

ください。

– ネジ (6) ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “,

ページ 33、ポジション IV) を緩め、ブレーキキャ

リパ (1) をブレーキキャリア (2) から取り外して

ください。

!負傷の危険!ゆるんだブレーキキャリパに挟まれる

恐れがあります!

– ブレーキキャリア (2) とガイドボルトの接触部(固

定フランジ)を掃除してください。

21

6PAN®25シーリングの交換

– ガイドボルト (8、9) をブレーキキャリパ (1) から取り出してください。

– 保護キャップ (5) をブレーキキャリパのリングナット (1) から取り出してください。

– ブッシュ (4) を押し出すため、ブレーキキャリパ (1) を硬い面上へ置いてください。この際、ブレーキキャリパの開口部が上を向いていることが必要です。

!ブッシュ交換の際には、WABCO 工具 ( 参照章 9.1 „WABCO 工具 “, ページ 32) をご使用ください。

– 工具 10、11、21 を使用してブッシュ (4) をブレーキキャリパ (1) から押し出してください。

– ブレーキキャリパの穴を掃除してください。

6.1.2 取付

長いガイドボルト用の新品のブッシュ 2 個を押し入れてください。

– 工具 10、11、25 で内側のブッシュ (4) をブレーキキャリパ (1) のブレーキディスク入口側の穴に、工具のストッパーにぶつかるまで押し入れてください。

22

6 PAN®25 シーリングの交換

– 工具 10、11、22 で外側のブッシュ (4) を工具のストッパーにぶつかるまでこの穴へ押し込んでください。

– ブッシュのすべり面と両方のブッシュ間のスペースにグリスを塗布してください。

– 工具 10、11、25 で新品の短い穴用ブッシュ (4) をブレーキキャリパ (1) のブレーキディスク出口側の穴に、工具のストッパーにぶつかるまで押し入れてください。

– ブッシュのすべり面にグリスを塗布してください。

– ブレーキキャリパの保護キャップ用シーリングシート(リングナット)を掃除して下さい。洗浄されたシーリングシートは清潔で油脂が付着していないことが必要です。

– 新品の緑色の保護キャップ (5) を、ブレーキキャリパ (1) のシーリングシート ( リングナット、矢印 ) の中に手で押しこんでください。

!保護キャップ (5) は、均等かつ皺のない状態でブレーキキャリパ (1) のシーリングシート内へ入っていることが必要です。

– ガイドボルト (8、9) の走行面と保護キャップ (5) の縁にグリスを塗布してください。

– 新品の長いガイドボルト (8) をシリンダ側からブレーキキャリパ内へ通してください(ブレーキディスクの入口側)。

– 新品の短いガイドボルト (9) をシリンダ側からブレーキキャリパ内へ通してください(ブレーキディスクの出口側)。

– 保護キャップ (5) を両方のガイドボルト上に取り付けてください。

– 保護キャップ (5) の縁をガイドボルト (8、9) のシーリングシート ( リングナット ) の中に入れてください。この際、平リング(矢印)が保護キャップから外れないように注意してください。

!保護キャップ (5) は、均等かつ皺のない状態でガイドボルト (8、9) のシーリングシート内へ入っていることが必要です。

– はみ出たグリスは除去してください。ガイドボルトのブレーキキャリア側の面とブレーキキャリア上の

23

6PAN®25シーリングの交換

接触面は清潔で油脂分のない状態であることが必要です。

– ガイドボルトを移動路全体を手で移動させてブッシュ上へ軽く往復運動させてください。この際にスムーズな移動が可能であるかを確認してください。

– ブレーキキャリパ (1) をブレーキキャリパ (2) 上へ、中に押し込めたガイドボルト (8、9) を固定フランジ内へ入れてください。

– 2 個の新品のネジ (6) をブレーキキャリパ (1) の中に入れたガイドボルトに通してください。

– ブレーキキャリア (2) のネジをやや締めてください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション IV)。

!取り付けの際には、保護キャップ (5) を破損しないよう、さらにネジ (6) を締める際にはこれがねじれないように注意してください。

必ず、スナグフィットの付いた長い方のガイドボルト (8) を先に締めてから、あそびのある短い方おのガイドボルト (9) を硬く締めてください。

保守作業中にガイドボルト (8、9) がブレーキキャリア (2) から外れた場合、組立の際に新品のネジ (6) を使用してください。

– ブレーキキャリパを移動路全体を手で複数回移動させてガイドボルト (8、9) 上へずらしてください。この際にスムーズな移動が可能であるかを確認してください。

!ブレーキキャリパの移動中、ガイドボルトの保護キャップがブレーキキャリア上で押し潰されないようにしてください。

– ブレーキキャリア (1) の蓋 (11、11.1) のための穴にグリスを塗布してください。

– ブレーキキャリパ (1) をブレーキキャリアに押しつけてください。

– 新品の蓋 (11、11.1) をブレーキキャリパ (1) の穴に入れてください。この際、長いガイドボルト (8) には長い方の蓋 (11.1) を、短いガイドボルト (9) には短い方の蓋 (11) を使用してください。

– 工具 10、11、27 を使用して、蓋がしっかりと止まるまで押し入れてください。

24

6 PAN®25 シーリングの交換

!この際、蓋が破損しないように注意してください。

– 車軸の固定フランジやブレーキキャリア上の接続面を確認し、ここに付着している汚れ、錆、油脂分を取り除いてください。

– ブレーキとブレーキキャリアをブレーキディスク上に設置し、ブレーキを車軸に取り付けてください (参照章 5.2 „ ブレーキの取り付け “, ページ 18)。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーの取り付け指示に注意し、必ずこれに従ってください。

– 圧力プレートを取り付け、摩耗インジケータとエアギャップを調整してください ( 参照章 4.3 „ ブレーキパッドの取り付け “, ページ 15)。

– ブレーキキャリパのシーリング面 (A) とフランジ面 (B) を掃除し、ブレーキレバー (C) のキャップにグリスを塗布してください。

!掃除の際には汚れや湿気がブレーキ内へ侵入しないように注意してください。

– (特にピストンロッドシーリング内部で)ブレーキシリンダに破損がないかを確認してください。破損

が確認されたら、ブレーキシリンダを交換してください ( 参照章 7 „ ブレーキシリンダの交換 “, ページ 29)。破損したブレーキシリンダは再度取り付けないでください。

– ブレーキシリンダのシール部とフランジ面を掃除してください。

– ブレーキキャリパにブレーキシリンダを取り付けてください (参照章 7.2 „ ブレーキシリンダの取り付け “, ページ 29)。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーの取り付け指示に注意し、必ずこれに従ってください。

!ブレーキの取り付け状況に応じて、ブレーキシリンダにある、下の道路側にある排出口が開いていることが必要です。

ブレーキシリンダタイプに応じて、その他の排出口を開いたままにしたり、栓で密閉することが必要となったりします。ブレーキシリンダのメーカーの指示に従ってください。

– ホイールハブが自由に回転するかを確認してください。

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従ってホイールを取り付けてください。

!作業完了後、ローラーテストスタンドでブレーキを検査してください。

25

6PAN®25シーリングの交換

6.2 再調整ネジの保護キャップの交換

!保護キャップを別々に取り外す場合、ブレーキキャリパやブレーキシリンダの取り外しは不要です。

6.2.1 保護キャップの取り外し

– ブレーキパッドと圧力プレートを取り外してください (参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し“, ページ 12)。

– ブレーキキャリパを手で完全にシリンダ側へずらしてください。

– 保護キャップ (10) を再調整ネジのシーリングシート(リングナット) (21) から取り出してください。

– ネジドライバーを使用して、保護キャップ (10) をブレーキキャリパのシーリングシートから取り外してください。ブレーキキャリパの保護キャップのシーリングシートが破損されないように注意してください。

– ブレーキキャリパをチェックしてください。汚れや湿気がブレーキの中へ侵入したり、ブレーキキャリパのシーリングシートまたは再調整ネジのネジ部 (21) が破損したりした場合には、ブレーキを交換してください ( 参照章 5 „ ブレーキの交換 “, ページ 18)。

– 再調整ネジが再調整機構から落下しないよう、ブレーキパッドをパッド収納部のリム側に挿入してください。

– 再調整ネジ (21) をピンで固定し、ねじれを防いでください。

– 再調整ネジがおよそ 30 mm 押し出されるまで、六角部 (22) を工具 12 と 13 で時計反対方向に回してください。 ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション I)。

– ネジの回転中は、再調整ネジ (21) のネジ部が腐食または破損していないかを確認してください。ボルトおよび(または)可視状態にある内側のブレーキ部品 が破損または腐食した場合、ブレーキを交換してください ( 参照章 5 „ ブレーキの交換 “, ページ 18)。

26

6 PAN®25 シーリングの交換

!シーリングシートを通じてブレーキキャリパ内に汚れや液体が侵入していないことが確認された場合、またはサービス業務中に保護キャップが破損した場合には、保護キャップ (10) を交換してください。

– ブレーキキャリパの保護キャップ (10) と再調整ネジのリングナット (21) にあるシーリングシート (矢印 ) を掃除してください。

!掃除の際には汚れや湿気がブレーキ内へ侵入しないように注意してください。ブレーキキャリパの保護キャップ (10) のためのシーリングシートは清潔で油脂分のない状態にあることが必要です。

– 再調整ネジ (21) のネジ部にグリスを塗布してください。

– 再調整ネジがやや戻るようになるまで、リングレンチを使用して六角ボルト (22) を時計の反対方向へ回してください。再調整ネジのピンは押し出される前と同じポジションに戻る必要があります。

– ブレーキパッドをリム側のパッド収納部から取り出してください。

6.2.2 保護キャップの取り付け

– 新品の、油脂分のない保護キャップ (10) を再調整ネジ上に押し入れてください。

– 保護キャップを中心に置き、これをブレーキキャリパ (1) のシーリングシート内に手で押し入れてください。

– 保護キャップ (10) の内縁に少量のグリスを塗布してください。

– 保護キャップ (10) の縁を再調整ネジ (21) のシーリングシート ( 矢印 ) の中に入れてください。

!ブレーキキャリパ (1) 内にシーリングシートが正しく入っていること、保護キャップ (10) の縁が皺のない状態で再調整ネジ (21) のリングナット内に座っていることを確認してください。

– 圧力プレートとブレーキパッドを取り付け、エアギャップの調整を行なってください ( 参照章 4.3 „ブレーキパッドの取り付け“, ページ 15)。

27

6PAN®25シーリングの交換

6.3 再調整ネジの六角部の保護キャップの交換

!保護キャップを別々に取り外す場合、ブレーキキャリパやブレーキシリンダの取り外しは不要です。

6.3.1 保護キャップの取り外し

– 再調整ネジの栓 (12) を取り外してください。

– 工具(ネジドライバー等)を使用して保護キャップ (13) をブレーキキャリパのシートから押し出し、保護キャップ (13) を再調整ネジの六角ボルト (22) から取り外してください。

– ブレーキキャリパにある保護キャップ (13) のシー

リングシート(矢印)を掃除してください。

!掃除の際には汚れや湿気がブレーキ内へ侵入しない

ように注意してください。

– ブレーキキャリパをチェックしてください。汚れや

湿気がブレーキの中へ侵入したり、ブレーキキャリ

パのシーリングシートまたは再調整部の六角ネジ

(22) が破損したりした場合には、ブレーキを交換し

てください ( 参照章 5 „ ブレーキの交換 “, ペー

ジ 18)。

!シーリングシートを通じてブレーキキャリパ内に汚

れや液体が侵入していないことが明らかな場合、ま

たはサービス業務中に保護キャップが破損した場合

には、保護キャップ (13) を交換することができま

す。

6.3.2 保護キャップの取り付け

– 取り付けキャップ (A) を再調整部の六角ボルト

(22) 上に載せ、このキャップを完全に押し込んでく

ださい。

28

6 PAN®25 シーリングの交換

– 新品の保護キャップ (13) は、内部のシーリング縁 ( 矢印 ) のみに少量のグリスを塗布してください。

– 保護キャップ (13) を取り付けキャップ (A) 上へ載せてください。

– 保護キャップ (13) をブレーキキャリパのシート内へ手で完全に押し込んでください。

– 取り付けスリーブ (B) を取り付けキャップ (A) 上へ載せてください。

– 内部のシーリング縁が再調整機構のリングナット内に入るまで、取り付けスリーブ (B) を保護キャップ (13) の内部シーリング縁に押しつけてください。

– 取り付けスリーブ (B) と取り付けキャップ (A) を取り外してください。

– 保護キャップ (13) がブレーキキャリパのシーリングシートおよび再調整機構のリングナット ( 矢印 ) に完全に入っていることを確認してください。

– 新品の栓 (12) を再調整ネジの保護キャップ (13) の中へ押し入れてください。この際、栓 (12) に漏れがないかを確認してください。

29

7PAN®25ブレーキシリンダの交換

7 ブレーキシリンダの交換

注意 !負傷の危険

– 安全上の注意、修理と保守にあたっての注意の全ての事項に注意してください ( 参照章 1 „ 重要指示および安全上の注意 “, ページ 3)。

– これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

!車軸メーカーまたは車両メーカーの指定に従ったブレーキシリンダのみを使用してください。

ブレーキシリンダの交換についての説明は一般的情報です。ブレーキシリンダメーカーによる取り付け、チェック、組立についての指示に注意し、これに必ず従ってください。

図はあくまでも一例であり、実際の仕様に応じてやや異なることがあります。

7.1 ブレーキシリンダの取り外し

– エアコネクタをブレーキシリンダから取り外してください。

!ブレーキシリンダのエアコネクタが無圧状態になっていることを確認してください。

– ブレーキシリンダのナットを緩めてください (参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション V)。

– ブレーキキャリパからブレーキシリンダを取り外してください。

!ブレーキシリンダの取り外しの際には汚れや湿気がブレーキ内へ侵入しないように注意してください。

7.2 ブレーキシリンダの取り付け

– ブレーキキャリパのシーリング面 (A) とフランジ面 (B) を掃除し、ブレーキレバー (C) のキャップにグリスを塗布してください。

!掃除の際には汚れや湿気がブレーキ内へ侵入しないように注意してください。

– ブレーキシリンダをブレーキキャリパにあてがい、ブレーキシリンダの面が完全にブレーキキャリパに接触するまで、新品の固定ナットを手で回しながらブレーキシリンダを固定してください。

– 約 120 Nm の締付トルクでブレーキシリンダを固定してください。

– 固定ナットを約 210 – 30 Nm の締め付けトルクで締めてください ( 参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク“, ページ 33、ポジション V)。

!ブレーキシリンダの取り付けの際には、必ず新品の固定ナットを使用してください。

30

7 PAN®25 ブレーキシリンダの交換

ブレーキの取り付け状況に応じて、ブレーキシリンダにある、下の道路側にある排出口が開いていることが必要です。

– ブレーキシリンダタイプに応じて、その他の排出口を開いたままにしたり、栓で密閉することが必要となったりします。ブレーキシリンダのメーカーの指示に従ってください。

– エアコネクタをブレーキシリンダに取り付けてください。

!この際、ブレーキシリンダのメーカーの指示に従ってください。

– ブレーキホースにねじれがないこと、さらに他の部品との摩擦が生じないことを確認してください。

– ブレーキホースがブレーキキャリパのすべり機能に圧力を与えないこと、さらにブレーキキャリパの動作が全ての移動ストロークを通じて妨害されないことを確認してください。

– エアコネクタに漏れがないかをチェックしてください。

– ブレーキの機能チェックと作用チェックを実施してください。

31

8PAN®25ブレーキディスクの交換

8 ブレーキディスクの交換

注意 !負傷の危険

– 安全上の注意、修理と保守にあたっての注意の全ての事項に注意してください ( 参照章 1 „ 重要指示および安全上の注意 “, ページ 3)。

– これらの注意を必ず守り、人的・物的損害の発生を回避してください。

!ブレーキパッドとブレーキディスクの摩耗限界を監視してください (参照章 3.2 „ ブレーキパッドのチェック “, ページ 9 および参照章 3.3 „ ブレーキディスクのチェック “, ページ 9)。

ブレーキパッドおよびブレーキディスクの摩耗が進むと、ブレーキ作用は低下し、ブレーキに故障が発生する危険が高まります。ブレーキディスクとブレーキパッドを交換してください。

ブレーキディスクは必ず車軸ごとに交換してください。

ブレーキディスクを掃除し、油脂分がない状態にしてください。

新品のブレーキディスクを取り付けた場合には、ブレーキパッドも新品のものと取り換えることをお勧めします。

8.1 ブレーキディスクの取り外し

– 車両ホイールを取り外してください。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーによる取付にあたっての指示に従ってください。

– 摩耗インジケータのプラグ接続を遮断してください。

– ブレーキパッドを取り外してください ( 参照章 4.1 „ ブレーキパッドの取り外し “, ページ 12)。

– ブレーキキャリパからブレーキシリンダを取り外してください ( 参照章 7.1 „ ブレーキシリンダの取り外し “, ページ 29)。

– ブレーキキャリパキャリパとブレーキキャリアを車軸から取り外してくださいい (参照章 9.2 „ 開口幅と締付トルク “, ページ 33、ポジション III)。

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従ってホイールハブとブレーキディスクを取り外してください。

8.2 ブレーキディスクの取り付け

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従ってブレーキディスクとホイールハブを取り付けてください。

– ブレーキディスクを掃除し、油脂分を除去してください。ブレーキディスクには油脂分が付着していないことが必要です。

– ブレーキディスクを取り付けた状態で、横方向への最大振れを確認してください ( 参照章 3.3.2 „ ブレーキディスクの振れチェック “, ページ 10)。

– 車軸メーカーまたは車両メーカーの指示に従ってABS センサーを設定してください。

– ブレーキとブレーキキャリアをブレーキディスク上に設置し、ブレーキを車軸に取り付けてください (参照章 5.2 „ ブレーキの取り付け “, ページ 18)。

– 圧力プレートを取り付け、摩耗インジケータとエアギャップを調整してください ( 参照章 4.3 „ ブレーキパッドの取り付け “, ページ 15)。

– ブレーキキャリパにブレーキシリンダを取り付けてください ( 参照章 7.2 „ ブレーキシリンダの取り付け “, ページ 29)。

– ホイールハブが自由に回転するかを確認してください。

– 車両ホイールを取り付けてください。

この際、車軸メーカーまたは車両メーカーによる取付にあたっての指示に従ってください。

!作業完了後、ローラーテストスタンドでブレーキを検査してください。

32

9 PAN®25 付録

9 付録

9.1 WABCO 工具

WABCO 基本工具 ( 工具セット 640 195 522 2)WABCO 圧縮空気セットブレーキを購入した仕様車向け

PAN®25 用 WABCO 工具 ( 工具セット 640 195 521 2)さらに、WABCO 基本工具 ( 工具セット 640 195 522 2) も必要です。

*) この工具は、工具セットに含まれますが、ブレーキタイプ PAN®25 には使用しません。

ポジション 名前 表示

10 ハンドル

11 アダプター

12 リングレンチ / ラッチ

13 延長材

ポジション 名前 表示

21 ブッシュ

22 ブッシュ ロング 1

25 ブッシュ ロング 2

26* ブッシュ ショート *

27 ブッシュ カバー

28* ブッシュ ショート *

33

9PAN®25付録

9.2 開口幅と締付トルク

(次頁の図面も参照してください)

!モーター駆動式のスクリュードライバーやトルク工具を使用しないでください。

1) 締め付けトルクは純正 WABCO シリンダに適用されます

ポジション

名前

開口幅六角ボルト 締付トルク (Nm)

備考外付け 内寸

I 六角部 再調整ネジ 8 –

六角部の回転方向:• 時計反対方向 ( 左 ) へ、最高 3 Nm、あそび

が小さくなります。• 時計方向 ( 右 ) へ、最高 12 Nm、あそびが大

きくなります。

llパッドホールドダウンブラケットのネジ

17 – 40 + 5 Nm

III ブレーキ固定ネジ 27 –

推奨:オイル塗布されたネジの場合、425 ± 25 Nm車軸メーカーまたは車両メーカーによる取り付けにあたっての指示に従ってください。

IV ガイドボルト用ネジ – 14

130 Nm + 90° 回転角締付ガイドボルトの締付順序 :• 1. フィットボルト ( 内径六角ボルト付き )• 2. あそびボルト(内径六角ボルト付き)

Vブレーキシリンダ用ネジ

24 –

210 – 30 Nm1)

• ブレーキシリンダの全面が接触するまで、固定ナットを手で回します。

• 固定ナットを約 120 Nm で仮締めします。• 固定ナットを 210 – 30 Nm で固締めします。固定ナットの使用は 1 回に限ってください!

34

9 PAN®25 付録

Abb. 開口幅と締付トルクのポジション図

35

9PAN®25付録

9.3 交換部品の分解図WABCO 修理キットに関する情報およびサービス書類は、インターネット(www.wabco-auto.com)の製品カタログINFORM に掲載されています。

Abb. 左側ブレーキの交換パーツ

1 事前に取り付けられたブレーキキャリパ (1) とテンショニングユニット、ブレーキキャリア (2) と圧力プレート (19) 付き

4 ガイドボルト用ブッシュ5 ガイドボルト用保護キャップ6 内径六角ネジ8 ガイドボルト ( ロング )9 ガイドボルト ( ショート )10 再調整ネジの保護キャップ11 蓋 ( ショート )11.1 蓋 ( ロング )

12 再調整ネジ栓13 再調整ネジの六角部の保護キャップ19 圧力プレート35 ブレーキパッド リム側36 ブレーキパッド シリンダ側37 ホールドダウンスプリング38 パッドホールドダウンブラケット39 パッドホールドダウンブラケット用六角ネジ40 摩耗インジケータ付きケーブルガイドプレート

(事前に装備されています)41 ケーブルクリップ

36

9 PAN®25 付録

9.4 交換パーツの調達と処分

9.4.1 交換パーツの調達

– WABCO 部品番号でブレーキを確認してください。

Abb. WABCO 銘板

A 車両メーカーの部品番号B 製造日C 組立番号D WABCO 部品番号

– www.wabco-auto.com で INFORM を開いてください。

– ブレーキキャリパの WABCO 部品番号を入力してください。

– 「修理」をクリックしてください。

– 交換パーツシートを開いてください。

9.4.2 ブレーキ部品の処分

– 使用済みの部品は環境にやさしい、国内または地域に定められた法規に従った方法で処分してください。

!通常、ブレーキ部品はスクラップ処分することができます。

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013/

2014

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3に使用される最先端の電子・機械・メカトロニック技術の開発に携わっています。2013年、27億ドルの売り上げを計上したWABCOは、ベルギーのブリュッセルに本社を置いています。

www.wabco-auto.com

WABCO (NYSE:WBC) は、商用車の安全と効率を向上するテクノロジーと制御システムの分野で世界をリードしています。WABCOはおよそ150年前に創業されました。それ以来、世界有数のトラック、トレーラ、バスメーカーのお客様のために、ブレーキシステム、スタビリティシステム、自動ドライブシステム