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25
職種定義 建具
ワールドスキルズインターナショナルは、その技術委員会の決議のもと、総則、運営規則および競技規則に基づいて、ワールドスキルズ競技大会のこの職種の最低要求事項を採択している。
当該職種の定義(競技内容、運営等)は以下の内容で構成されている。
WSC2015_TD25_EN
Date: 2014/08/14 – 第5版
1
序文
・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2
WS標準仕様(WSSS)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
3
評価戦略と仕様
・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
4
採点評価スキーム(採点方法、手順、要求事項等)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
5
競技課題
・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
6
職種管理及び情報伝達
・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
7
職種限定の安全要求事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
8
材料および装置(機材)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
9
訪問者とマスコミに対する職種の広報活動
・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
10
持続可能性
・・・・・・・・・・・・・・・・・
30
2014年08月12日から有効(第5版)
ステファン・プラシュル 技術委員会 委員長 マイケル・ファン 技術委員会 副委員長
1 序文
1.1 職種競技の名称と説明
1.1.1 この職種の名称は
建具
1.1.2関連する職務または仕事の定義
建具師は、一般に商業上の住居関連の仕事です。顧客から支払われる対価に見合った完成品質と性能が求められる。
そのため、建具師は、顧客の要求事項を満たすよう継続的なプロの責任を果たし、そうすることで仕事の質が向上する。建具は家具製作や建築大工、その他の建設関連業と密接に関連し、建設関連の多くの製品と同様、商業目的のものである。
建具師は、様々な接合部の製作に専門機械を必要とするため、作業場に通常拠点を置くが、時々顧客の自宅や、建設現場で作業を行う。建具師は図面を解釈し、建具師は、図面を解釈し、測定、切断、ジョイントを作り、組み立て、高水準のものを仕立てる。建具師は、通常、内外のドア、ウインドウ、階段、テーブルや本棚等を生産する。
組織内で自己管理をし、コミュニケーション及び対人関係のスキル、問題解決能力、開発力や創造力等、正確に職務を行う事が、建具師に求められる特徴である。建具師が単独で、またはチーム内で働くかどうかにかかわらず、各個人には高い責任能力と自己管理能力が求められる。
優れた結果を残すため、安全対策に始まり、優れた計画、組織力、正確性で細部に細心の注意を払い集中することが、重要である。間違いは、取消し不能な場合、大きいマイナスになる。
国際的な人的交流の中で、建具師の仕事の機会や挑戦の幅は拡大している。優秀な建具師にとって、国際的にビジネス機会に恵まれているが、これは同時に多様な文化と多様性のなかで仕事をし値ければならないことを意味する。
このように建具師のスキルに関連した技術の多様性はますます拡大しそうだ。
1.2 この文書の位置づけ及び重要性
この文書は、この技能競技大会で競うために要求される規準及び評価指針、大会運営の方法と手続きに関する情報を含む。全てのエキスパートと選手は、この職種定義について理解しておく必要がある。
「職種定義」の異なる言語間の解釈の相違に際しては、英語版が優先される。
1.3 関連書類
この職種定義には職種特有の情報しか含まれないので、以下のものと共に用いられなければならない。
· WSI-競技規則
· WSI – WS標準仕様概略
· WSI – WS評価戦略(可能な場合)
· WSI – 当文書に記されているオンライン情報源
· 開催国 – 安全衛生規則
2 WS標準仕様 (WSSS)
2.1 WSSSに関する一般事項
WSSSは、技能及び職能の世界最高の実演を支える知識、理解及び特定な技能について詳述している。
それは産業やビジネスを代表する関連職務、職業について、国際的に共有される理解を反映したものでなければならない。(www.worldskills.org/WSSS)
技能大会はWSSSの記述により、国際的に最も優れた技能を出来る限り反映することを意図している。
標準仕様(WSSS)は、それゆえ、大会に要求される訓練や準備のためのガイドでもある。
技能大会に於いて、知識や理解の評価は、競技でのパフォーマンスを評価することにより行われる。ゆえに、知識や理解力のテストを別途行うことはない。
標準仕様はタイトル付きの詳細項目に分けられ、項目番号が付加されている。
各々の項目は、全評価項目に占める相対的重要性に基づき、パーセンテージで配点が与えられる。
合計値は100%となる。
評価スキーム及び競技課題は、標準仕様に記載された技能にのみ適用される。
それらは、技能競技会の制約の範囲内で、標準仕様を出来るだけ包括的に反映するよう作られたものである。
評価スキーム及び競技課題は、標準仕様にある点数配分に実現可能な限り従うものである。
(但し)標準仕様で規定されている(配点の)ウェイトを根底から損なわないという条件で、5%程度の変動は許容されている。
2.2 WS技能レベルの標準仕様
セクション
相対重要性配点率(%)
1
作業組織と個々の自己管理
10%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 仕事の手順をコントロールする健康と安全に関する規則、義務及び規則
· 電気機器またはツールを安全に使いこなす基準
· 緊急時の対応、及び事故、応急手当て、火事の際の情報伝達
· 個人の保護用保護具(PPE)を使用すべき状況
· ツール、機械と器材の使用法、手入れ、メンテナンス
· 材料保管時の安全確保
· ワークエリアの整理整頓
· ゴミの最小化と製造プロセスのコスト管理
· 環境持続性を意識した『グリーン』材料の使用及びリサイクル意識
· 建具の主要作業に要する標準的時間の把握
· 協力して仕事を遂行する意識とその方法
· 計画の重要性、すべての作業工程における正確性、検査、細部への注意
· 仕事を成功するための個々の役割
· 自身の専門性を高める意欲及び価値観
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 健康と安全衛生基準(規約)に従う
· 安全な作業環境を維持する
· 安全靴、耳や目の保護、粉塵対策等、適切な個人用保護具を使用する
· 手動、電動の器材等を適切に選択、使用、管理、保存する
· 全ての材料を適切に保管する
· ワークエリアの効率性を重視した計画とし、定期的な整理整頓のもとで維持する
· 測定を正確に行い、無駄を省くこと
· 無駄な出費を避けるよう作業の効率性及び進展を定期的に見直すこと
· 自身の仕事を批判的に評価できること
セクション
相対重要性配点率(%)
2
コミュニケーションに関する個人のスキル
5%
各自は以下を理解する必要がある。
· 顧客との信用・信頼を築くことの重要性
· 言語外のコミュニケーション
· 交渉過程
· 建築士及び、関係する取引の役割や要求事項、最も望ましいコミュニケーション方法
· 電気機器またはツールで問題なく働く原則
· 同僚や上司との職場関係を良好に築くこと
· 誤解や要求事項の相違の迅速な解決方法
· 報告方法の進歩
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 顧客の信用や要求事項、期待に積極的に応えること
· 顧客の希望の視覚化、デザイン・予算上の要望に応えるアドバイスや選択肢の提案
· 積極的なサポートを行い、決定プロセスへとしっかり導くこと
· 価格や注文の交渉をスムーズに行う業者との連携
· 顧客に価格・時間の見積もりを行う
· 顧客の要求事項を支持するに建築士や関係者を紹介する
· 建築士や関係筋からの変更事項に敬意を払い、適応させる
· 建築現場などでは積極的なチーム行動で一致団結し、コミュニュケーションを円滑に取る
· 製図及び、書類の変更性、就業規則が要求される現場での同僚との明確なやり取り
· 規則、締切りの遵守、適切なフォーマットに沿ったレポート業務
3
問題解決、イノベーションと創造力
5%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 作業過程に通常起こり得る問題(例 壁配列の乱れ)
· 問題解決における無秩序なアプローチ
· 復元プロジェクトのやりがい
· 産業発展の経緯
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 作業を定期的に特に正確性や規格に留意して見直し、後工程での問題を最小化する
· 迅速に問題点を把握し、自己解決に向け努力する
· 不確実な情報を指摘し問題の発生を防ぐ
· 復元プロジェクトの際の問題にクリエイティブな解決法を見出す
· 完成品の性能を向上させ一般的な顧客満足度を得るアイディアを引出すことで、機積極的に機会をとらえる
· 産業の変化に追いつくこと
· 新たな方法にトライし変化を積極的に受け入れる姿勢を示す
4
問題解決、イノベーションと創造力
5%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 割り当てられた製図に含まれる必須の情報
· 遵守すべきISO規格
· 寸法サイズや三角法の知識
· 正確な建具製作の基礎である製図図面のチェックの重要性
· 不足情報やエラーのチェックし率先して対処する
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 完成品の位置や環境の確認(設置場所の湿度等)
· 設置床レベルやタイプ
· 完成品が設置される場所の正確な測定と記録(顧客のキッチン等)
· 建具の配置ライン(ストレート、明確、正確)、垂直交差か、適当な重量等
· ラインの製作(オブジェクト、フレッシュ、ヒデン、破線等)
· 結合の詳細(正確性、正しい割合等)
· 測定が仕様書に合致していること
· 製図上のエラー、説明を要するアイテム
· 建設に必要な材料とその量の決定
5
問題解決、イノベーションと創造力
5%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 異なる材料とそれらの製造工程には以下のものを含む
· 硬材(ニレ、ブナ、灰、オーク、マホガニー、カエデ)、軟材(トウヒ、アメリカスギ、米松(アメリカトガサクラ))、材木加工板(チップボード、ブロック、laminラミン板、合板)、熱保護やノイズ除去のための他種板
· 材木の特徴、材木加工板、材料には:耐久性、重さ、被加工性、他材料との互換性、防腐剤の使用、仕上がり
· 木材とその(使用)根拠の間の誤りの程度
· 高いエコ意識、エコ資材を使用することの重要性
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 如何なる欠陥・傷を見つけた際の材料の徹底的な調査(欠陥として、ノット、割れ、裂け目、しなり、歪み、腐り、髄、シミ、樹液、ねじれ、虫食い、硬化等)
· 材料リストを検査しどの程度の乾燥が必要か見積もり
· 『正方形』と厚みを確保した平滑化
· 追加材料の選択、注文、購入。(例:ドア材、ガラス、プラスティック、接着剤)
6
インテリア--内部ジョイントの作製
15%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 異なる接合部の種類として;ほぞ穴とほぞ, あいつぎ, 埋込連結器具(biscuit),継手と仕口
· 接合部が堅固に組み合わさり、接着部の表面が円滑であること
· 接合部が、必要以上の力を不要で済むよう、きつ過ぎず組み合わされていること
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 接合部のほぞ穴を正確に手動または電動工具できちんと作れる(穴開け機械等)
· ほぞ穴を平行にカッターやドリル穴を欠かなくともあけることができる
· ほぞを手作業または電動工具で上手に作ること(伝統式ほぞ用のこぎり、日本式のこぎり、)
· 平行でうねりのないほぞの製作
· ぴったり合うほぞ穴の製作とほぞ継ぎ(接合部)”押し込み嵌め”
· 内部接合部と製図サイズが『合って』いることを確認:ほぞの長さ、ほぞ穴、
· 金属/真鍮ロック(鍵)の適合
7
組み立て
10%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 部材の接合にフィットした完璧な接合部の必要性
· 異なる種類の接着剤とその目的
· いくつかの木材で生じる接着に伴う不適合
· スクリュー等を利用した金属部品
· 失敗時のコスト
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· ギャップのない完璧な結合性、製図図面の確認、やり直しの手間を省くための試作組み立ての実施
· 内部のやすりかけ、接着剤の適切な選択
· 保護(木、プラスチック等)のために、四隅(エッジ)を整える;均一に接着剤を塗布し縁を付ける、『ねじれ』がなく、反りのない四角であること
· 接合部の仕上げ、仕上げに必要時は充填剤を使用
8
仕上げ
15%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 紙やすりの種類(木材用、研磨用)
· 異なる処置の理由(硬木材が事前に水分を必要とする理由は、着色しないためであり、オーク/クルミ/サクランボは金属で化学反応を起こす等)
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· 製品を製図仕様に完成する
· 顧客の要望する規格の質を実現する(例えば着色、絵画、ラッカー掛け/研磨、オイル掛け)
· 品質基準を決定してください
· ヤスリ仕上げ、手動、電動機械を使用し滑らかな表面、カーブ、型と角(エッジ)を作る
· やすり仕上げの間、端の平滑性(ばりのないこと)に留意
· 表面出来上がりをチェック(接着剤の付着、チップや傷のないことを確認)
9
設 置
5%
各自は以下を認識、理解する必要がある。
· 固定の様々な技巧
· 接着の範囲と準備
· 結露(凝固)とその防止
各自は以下のことをできる資質と能力を備えていること
· すべての構成部品の品質と完全性をチェック
· 輸送について計画する際、すべての器具や機械が現場で利用可能であることを検査
· 設置場所の場所を検査(例として水道管と配線、配管の位置確認のためには、配管工、電気技術者、他業界に連絡を取る)
· 顧客と位置決め固定等の変更点をチェックし、必要あれば、他の選択肢について議論する
· 必要に応じて設置エリア(例えば床材の保護)
· フローリングや壁の状態に損害を与えない
· 顧客に混乱・迷惑を与える所作は顧客の要望にできるだけ沿って行う(コンクリートの穴あけ等)
· ワークエリアの安全の維持
· 顧客及び業界ニーズや期待に沿った設置を行う
3評価戦略と仕様
3.1 一般的指導
評価(アセスメント)はWSの評価戦略に基づいて統括遂行される。 この“戦略書”は、WSの評価の規範となるべき規律と技術を確立している。
エキスパートによる評価は、大会の中核、心臓部である。このため、常に専門的な改善と見直しの対象となっている。
評価における専門知識の進展は、評価スキーム、競技課題、CIS(競技情報システム)としてWSCで将来用いられ、主な評価方法の方向性を示唆する情報の源となっている:
WS大会の評価は、大まかに2つの分野:測定と判定に分かれ、これらはそれぞれ“客観(採点)”と“主観(採点)”と呼ばれる。これら2つの評価に際して、どの面が重視されるべきか、またその評価作業の明確な指標となるべきベンチマークを使うことが、(作業・結果の)品位品質を保証するために肝要である。
採点スキームは標準仕様に記載された重点配分計画に従わねばならない。 競技課題は技能大会の評価媒体であり、かつ標準仕様に従うものである。
CIS(大会情報システム)は、採点記録をタイムリーかつ正確に記録するもので、その適用範囲は拡大している。
採点スキームは、概ね、競技課題策定の過程でその指標となり、その後、技能別の標準仕様と評価戦略が作られる。 これらの文書の整合性を確保するため、採点スキームと競技課題は繰り返し設計され、改善される。 それらはエキスパートの同意を得て、品質面と標準仕様準拠の実証を得るため、WSIに提出される。WSI承認を得る前に、評価スキームと競技課題はCISの実効性を確保するためWSIのスキルアドバイザーに送られて意見を求められる。
4採点スキーム
4.1 一般的ガイダンス
採点スキームの役割と位置づけについて、すなわち、競技者による競技課題の実技、手順、要求される事項をエキスパートが、どう評価したか、この章では記述する。
採点スキームは、WSCの極めて重要な道具であり、技能を表すところの標準と評価を結びつけるものである。それは標準仕様における重みづけに従って、それぞれ評価された採点を割り当てるようデザインされている。
競技課題をデザインする際に、採点スキームが指標となり、標準仕様にお重みづけが反映される。技能の性質と評価ニーズによっては、競技課題のデザインするための手引きとして、最初に採点スキームをより詳細に開発することは適切かもしれない。あるいは最初の競技課題は採点スキームのアウトラインに基づいてデザインできるかもしれない。このような観点からも採点スキームと競技課題は同時に開発されるべきである。
上記2-1の記述を 採点スキームと競技会台に適用することは、もし実行可能な代替案が無ければ標準仕様において与えられている重み付けから離れてしまうかもしれない。採点スキームと競技課題は(1または数人、あるいは全てのエキスパートによって開発されている。)
採点スキームが詳細化され、最終版となるためには、独立した品質保証のため、すべてのエキスパーっと審判に承認されなければならない。このプロセスの例外は、採点スキームと競技課題の開発に外部のデザイナーを使用する競技職種である。
さらにエキスパートは終盤になって後悔しないよう、すべてのエキスパートと審判に承認されなければならない。
テストプロジェクトについて、事前の仮承認を得ておくことが奨励される。彼らはまたCISの可能性を最大限引き出すため、中間段階でCISのチームで作業することが望ましい。
採点スキームの完成を承認するためには、競技大会の遅くとも8週間前までにCIS標準スプレッドシートと他の合意された手法が使用されなければならない。
4.2 評価規準
採点スキームの主要見出しは、評価規準(項目)である。 これらの見出しは競技課題から派生している。ある技能大会において、評価規準が標準仕様のタイトルと類似していることもあれば、他の大会では全く異なっていることもあろう。
通常5から9つの評価項目がある。 それらの項目は、題目が合致する、しないに係わらず、標準仕様の順点配分(重みづけ)を反映したものでなければならない。
評価基準項目は採点スキームの作成者により考案され、彼らは、自由に評価や競技課題の採点に最適であると考える評価項目を、自由に定義できる。 各評価項目はAからIまでのアルファベットで示される。
このCISにより作られた評価サマリーのフォームは、評価項目のリストを構成する。
各々の項目に割り当てられた点数はCISにより計算される。そして点数の合計値が、各項目の評価欄に記載される。
4.3 サブ クライテリア(副基準項目)
各評価項目は一つ以上の副項目に分けられる。各々の副項目はワールドスキルの採点表のタイトルになる。
各採点フォーム(サブ項目)は、採点日が指定されている。 その内容により、客観的または主観的評価のどちらかを含む。 いくつかの副項目は、客観・主観の両面を併せ持ち、その場合評価フォームには両方が記載される。
4.4評論(評価の論評)
それぞれの評価評論に際しては、その項目が単体で評価され、その点数が加点されていくのか、もしくは、どのように点数が与えられるのか、詳細に渡って、明確に示さなければならない。
評価評論は、客観的または主観的になされ、適切に採点表に記載されていく。
この採点リストは、詳しくは、各項目が配分された点数の範囲で採点され、この標準仕様に見られる技能項目への参照項目となるべきもの(でなければならない)。
各項目に配分された評点の合計は、標準仕様の技能項目で指定された点数範囲を超えてはならない。
これは、以下のフォーマットに示すようなCISの採点配分シートに記載される。 この評点スキームは大会8週間からレビューされる。
基準
合計評点
/セクション
標準仕様 セクション
合計評点 各基準
100
4.5 主観的採点
主観的採点は下記の10ポイントスケールを使用。
厳格で不変のスケールとするため、主観的採点においては以下を使用する
· ベンチマーク(基準);項目判断の際の指標
· 採点の指標
· 0 :不履行
· 1-4 :業界水準以下
· 5-8 :業界水準(同等またはそれ以上)
· 9-10 :優秀
4.6 客観的採点
最低3人以上のエキスパートが各項目について採点する。 特に記されていない場合には、その中の最高点、又は0点が与えられる。 もし分割して採点する場合には、評価規定集に明記せねばならない。
4.7 客観的および主観的採点の活用
客観的および主観的採点の最終版は、採点スキームと競技課題が最終決定された時に、合意承認されて配備される。
下記の表は競技課題及び採点スキーム作成の際の参考まで(応用例として)。
項目
基 準
得 点
主観的
客観的
合 計
A
設計--製図
3
2
5
B
内部接合
20
0
20
C
外部接合
0
25
25
D
仕上がり及び外観
14
6
20
E
適合性
0
5
5
F
寸法測定
0
20
20
G
材料
0
5
5
合計
37
63
100
4.8 職種評価仕様の完成
客観的および主観的採点の最終版は、採点スキームと競技課題が最終決定された時に、合意承認されて配備される。
下記の表は競技課題及び採点スキーム作成の際の参考まで(応用例として)。
項目
基 準
得 点
平面モジュール
3Dモジュール
主観的
客観的
主観的
客観的
計
A
設計製図
3
2
0
0
55
B
内部接合
10
0
10
0
20
C
外部接合
0
12.5
0
12.5
25
D
仕上がり及び外観
7
3
7
3
20
E
適合性
0
2.5
0
2.5
5
F
寸法測定
0
7.5
0
12.5
20
G
材料
0
2.5
0
2.5
5
合計
20
30
17
33
100
A:設計製図
ここでは、競技課題を設計製図する能力を競技者がどの程度有するか、との視点で採点する。設計製図は平面モジュールにおいてのみ必要とされ、3Dモジュールでは必要とされない。評価対象には以下が含まれる
・ 線の引き方
・ 接合部の詳細図
・ 図面精度
線の引き方:主観的採点
採点の基準(注:フルサイズのCAD図面を参照用に提供あるいは持ち込むことが可能である)は以下のとおりである。
・線の濃淡が一定である。
・各種の線が表現されている:外形線、隠れ線、破断線
・線の太さが適切である。
・線の美しさ
・線は、レイアウトの端から、角度、サイズ、接合部の位置やその他工作物の詳細が明らかになるよう、レイアウトの端からきっちり延びるよう引くことができるが50mmを超えてはならない。 またオブジェクトと線をきちんと区別できるようにしなければならない。
接合部詳細図:客観的採点
採点時には以下の点を考慮する:
・ 接合部の幾何学的な形状および比率が正確に示されている。
精度:主観的採点
採点時には以下の点を考慮する;
・ 図面精度が1mm以内 満点の100%;
・ 図面精度が1mm超え‐2mm以内 満点の50%;
・ 図面精度が2mm超え 0点.
B:内部接合
ここでは、競技会課題図面の指示通りに継手接合形状を手作業または機械加工によって正確に加工する能力を競技者がどの程度有するか、といった視点で採点する。各接合部はその複雑さに応じた配点とされる。
採点用に提出する部材には、競技者は識別用に自分のベンチ番号のみを記入するものとする。エキスパートは採点を終えた接合内側部に対して識別用にスタンプまたはカラーマーカーで印をつける。
採点時には以下の点を考慮する:
・ 接合内部の接触面が密着するように組み立てられている。ただし組み立てに過大な外力を必要とするほどきつくはない。
・ ホゾが並行
・ ホゾ穴が並行
・ ホゾの肩部がアンダーカットされていない。
・ ホゾの長さ、ホゾ穴の深さなど接合内部の形状が図面通り仕上がっている。
・ 接触面が美しく均一にせん断されている、すなわち凹凸のない切断木目に仕上がっている。
・ 接合内部へのシリコン、ワックス、その他材料の使用は許容されず、純粋な木材接触とする。
--
C:外部接合
ここでは、課題となる組み立て品を堅固にかつ隙間が生じないように組み上げる能力を競技者がどの程度保有するか、といった視点で採点する。
採点時には以下の点を考慮する:
・ 外部接合の隙間を調べる
・ 接合部が図面通りに仕上がっている。
・ 接合が完全である。
精 度
得 点
0.15mm以内
100%
0.15mm超え0.3mm以内
50%
0.3mm超え
0%
備考
・ 隙間に充填物および破片が詰められている場合: 0%
・ シリコン、ワックス、その他が接合内部に使われている場合: 0%
D:仕上がりおよび外観
ここでは、競技課題を視覚的および構造的に優れた外観を持ったものに仕上げる能力を競技者がどの程度保有するか、といった視点で採点する。以下のような採点項目がある。
・ 部材のねじれ
・ 部材表面の仕上がり
・ 部材端面の仕上がり
・ 部材の直角度
・ パネルの収まり具合
・ 部材の組み立て精度
・ 競技課題の特質によって追加またはいくつかの削除もあり得る。
ねじれおよび直角度:客観的評価
精 度
得 点
1mm以内
100%
1mm超え2mm以内
70%
2mm超え 3mm以内
40%
3mm超え
0
E:整合性
ここでは、競技課題を図面の指示通りに正確に組み上げる能力を競技者がどの程度保有するか、といった視点から採点する。以下のような減点があり得るが、最終版はCE、DCE、競技会期間中の採点小委員会で決定される。
採点時には以下の点を考慮する:
・ パネルの失敗
・ フレーム部材の失敗
・ その他の不適合、例えば補修
・ 最大5点までの減点
F:寸法測定
ここでは、完成した競技課題の寸法精度がどうか、といった視点から採点し、以下のように得点を与える。
1次寸法
・ 1mm以内の精度 100%
・ 1mm超え、2mm以内 50%
・ 2mm超え 0%
2次寸法
・ 1mm以内の精度 100%
・ 1mm超え 0%
G:材料
ここでは、使用不可能な部材の取り替えに対して減点する
減点対象は以下の通りとする:
· 1回目の部材取り替えに対して 2点減点
· その後の部材取り替えに対して 1点減点
· 最大5点までを減点する。
4.9 職種評価の手順
· 競技会に出席したエキスパートは、採点基準の項目ごとの評価採点グループに分かれる。エキスパートを分ける際には、モジュール設定グループの構成を考慮する。
· チーフおよび副チーフエキスパートは、採点スキームの各分野に関して、エキスパートが競技者の作品を評価する際の視点について理解するようエキスパートを指導する。
· チーフエキスパートは、判定に先立ち採点規準に示された各項目の評価方法について議論し、整合性および一貫性を保証する。
· すべてのエキスパートが以下の条件の一つを満足しなければならない。
o 現役の木工業界作業者
o 現役の木工業界指導者
o 木工業界の資格保有者
5競技課題
5.1 一般留意事項
第3節および第4節は、競技課題の改訂に関する定めである。これらの事項は補足です。
それがひとつの個体か、又はいくつかの独立形のシリーズか、又は繋がったモジュールであるかどうかにかかわらず、競技課題はWSSSの各セクションの技能評価を行うことができるようにする。
評価スキームと共に、競技課題の目的は、標準仕様全体に渡って、最大限バランスのよい評価と採点の機会を提供することにある。 競技課題、採点スキームと標準仕様の関連性が、質的レベルを左右することになろう。
競技課題は、標準仕様外の分野を網羅するものではない。 そうでなければ、第2節によって示された環境以外で、標準仕様に当てはまる配点バランスに影響を与えてしまうだろう。
競技課題は、実際の作業での応用力を通じて、選手の知識や理解力を全体的に評価できうるものであること。
この競技課題は、WSのルールや規則に関する知識を評価するものではない。
この職種定義は、競技課題の範囲に影響するいかなる課題をも書きとめ、職種定義に照らし、あらゆる評価の裏付け及びサポートを行うものである。
第0節を照会のこと。
5.2 競技課題の構成/構造
すべてのセクション・サイズは標準的に切り分けられたセクションとし、たとえば、250 40の大まかなサイズは、最大240x32とする。
5.3 競技課題の設計上の要求事項
競技課題は2つのモジュールからなる。各モジュールは2次元(平面)または3次元のエキスパートグループのうち別々の1グループからもたらされる。
エキスパートグループは競技大会の9ヵ月前に技術担当ディレクターの投票によって選定する。
平面課題の最大寸法は1㎡または0.15㎥とする。3次元課題は平面モジュールよりも大きい容積でよい。例えば750×500×400は0.15㎥に等しい。
一般的にモジュールは、ある範囲の手作業および機械加工のスキルを競技者に実証させるものでなければならない。
各モジュールは、もっとも能力的に劣る競技者であってもある程度の成績を収められ、一方で熟練した競技者が能力をフルに発揮しても100点には届かないように設計しなければならない。
全ての競技課題は二つの言語によって提案するものとし、一つは設計者の国または地域の言語、もう一つは英語を使用する。英語圏の設計者の場合、他の言語はドイツ語またはフランス語としなければならない。
各モジュールには少なくとも4種類以上の接合、例えば、通しホゾ接合、割り楔ホゾ接合、2枚ホゾ接合、dovetail(蟻つぎ)などを使用するものとしなければならない。モジュールの接合部の10%以下であればダボ接合およびビスケット接合を使用してもよい。
目安とする設計指針として1接合箇所当たりの所要時間を約1時間と考える。すなわち9時間のモジュールで最大9接合部が可能となる。
各モジュールの断面形状は、面取り、相欠き、溝の3種類の形状に限定する。つまり、各競技課題に合計3種類以上の形状があってはならない。例えば、ある競技課題が2種類の面取り形状を持つ場合は、それ以外の形状としては1種類、すなわち1種類の相欠きまたは1種類の溝に限定される。
すべての接合部は以下のいずれかまたは全部を使って加工するものとする:手作業、可搬ルータ、マイター・ソー、ホゾ穴加工機、バンドソー。(ホゾ加工機がインフラストラクチュアリストから削除されたことに注意)
競技課題案を、ISO標準に対応し、コンピュータを使った図面フォーマットで提出する。
参加国・地域ごとに提示される競技課題案には以下の事項を詳細に記し、これを添付しなければならない。
1. 表紙
2. 目次
3. 作業指図書
4. フルサイズ(1:1)の施工図
5. セクションの詳細図
6. 複合接合の分解詳細図
7. CISフォーマットでの詳細な採点基準
8. 3次元課題のためにA-GおよびB-G分割を提示する選手のための採点基準 (3次元課題のための図面がない)
9. 採点のための接合を示した立面図
10. 採点のための寸法を示した立面図
11. ワークショップ・スーパーバイザーが材料を準備するための材料のリスト
12. 課題材料を表す立面図
13. 課題が作成されたことを示す写真の提供
選手が好む如何なる材料でも持ち込むことができる、例えばMDF、PlyとSolid材木シート材料1.5m²、プロジェクトとは異なる材木0.05m²等。
5.4 競技課題の作成
競技課題は、ワールドスキルズインターナショナルが提供するテンプレートを用いて提出されねばならない (http://www.worldskills.org/competitionpreparation)。テキスト文書にはWordテンプレートを、図面にはDWGテンプレートを使用すること。
5.4.1 競技課題/モジュールの作成者
競技課題/モジュールの設定は、独立した2組のエキスパートグループが担当する。
2Dモジュールは、11時間で完成可能な構造設計とするが、この11時間に図面作成に要する約1時間が含まれる。平面課題を設計する場合、図面作成完了後に競技者が課題を組み立てるために与えられる時間が約10時間であることを忘れてはならない。3D課題は作図の必要がなく、11時間が完成のための制限時間となる。
5.4.2 競技課題/モジュールの作成方法および作成場所
各グループは、以下の手順に基づき、内輪の/非公開のグループとして、ディスカッションフォーラムにおいて他とは独立して作業するものとする。
ディスカッションフォーラムにおける2組の非公開グループでの課題選定の場合、チーフエキスパートおよびチーフエキスパート代理が各グループの司会をする。チーフエキスパートもチーフエキスパート代理も他の組とは接触しない。
5.4.3 競技課題の作成時期
競技課題/モジュールは、競技会に先立ち各エキスパートが考案し、建具に関するディスカッションフォーラムにおいて当該の非公開会議に諮られる。
競技課題は下記のタイムラインに沿って作成される。
TIME
ACTIVITY
競技大会の9カ月前から7ヵ月前の間
· エキスパートが2組のモジュール設定グループに分かれる。
· チーフエキスパートが各グループ1回ずつ非公開フォーラムを開催する。
· 再選されたエキスパートは、競技会後にグループを変わる。
· 新人のエキスパートがどちらのグループ(平面または3D)に入るかはチーフエキスパートが決める。
· この時期のフォーラムで、競技課題を設定する期日を厳密に定めた工程表を採択しなければならない。
· エキスパートは、割り当てられたグループの課題のみデザインできる
競技大会の4カ月前から2ヵ月前の間
· すべての3Dと平面課題は、ディスカションフォーラムで議論される。
· エキスパートは、提案された3Dと平面課題を議論しそれらが職種定義5.3に順守しているかどうかを確認する。
· 不適合なモジュールを提案したエキスパートにも、それらを適合した者に修正して、再提出することチャンスが与えられる。
· 全てのディスカッションフォーラム上の3D・平面課題はエキスパートや選手がアクセスでき、選手がそうしたいのであれば実践できるものである。
· (大会の9~8週前の)1週間の投票期間。
· 投票者は、チーフ、副チーフ、競技課題の提案をするエキスパートと新エキスパート。
TIME
ACTIVITY
競技大会の8週間前
· 有資格のエキスパート全員が、それぞれの非公開フォーラムで1つの3D課題または1つの平面課題に投票する。
· 技術担当ディレクターは、選ばれた3D課題および平面課題をエキスパート全員に提示するため公開フォーラムを開く。
· 選ばれた競技課題モジュールおよび材料リストがワークショップ・スーパバイザーに提供される。
· 選手は3D・平面の投票された課題にアクセスし実践することができる
競技大会の7週間前
· 各非公開グループ(3Dおよび平面)のエキスパートは、30%修正の提案を準備する。30%修正提案では材料リストの変更はできない。エキスパートは30%修正提案を選手と共有することはできない。
· この時点で公式のCIS集計用紙が作成され、公式3言語へ翻訳される。この完了後であれば、各選手が選択した言語への翻訳が可能となる。
注意:30%の変更は最小値で最大値は100%。
TIME
ACTIVITY
競技大会‐運営初日
· 3Dおよび平面の両課題への30%修正に対して全有資格エキスパートの投票を実施する。
· 30%修正の提案はその一切が承認され、他の提案を取り入れて修正されることはない。
· この時点で30%修正を反映してCISを修正する。
· エキスパートは30%修正提案を選手と共有することはできない。
· 提案は競技第4日目の競技の前にエキスパートに提示される。
· 全ての提案は、職種定義の3.3.2に概要を記載した14段階の手順を踏み、完成されたものでなければならない。
· 現在平面課題フォーラムにいるエキスパートは平面課題の30%修正提案を作成し、3D課題フォーラムにいるエキスパートは3D課題の30%修正提案を作成する。それぞれの非公開フォーラムで提案をすることなく再選されたエキスパートは30%修正提案を提示することができる。
· 図面を競技場で修正することはできない。エキスパートは図面が正確で完全であることを保証する。
· 競技第4日目に、投票によって1つの平面および1つの3Dの30%修正提案を選ぶことができる(これらは競技の時に実際に作成する課題である)。
· あなたに投票する資格があるのは、新しいエキスパートまたは30%修正提案を提示した現在のエキスパートである。
5.5 競技課題の認証
競技課題モジュールを適合性のあるものとするためには、以下の要求事項を満足しなければならない。
· 職種定義に挙げたすべての要求事項を満足する。
· 3Dモジュールおよび平面モジュールともに11時間の制限時間内で組み立てられる。平面モジュールの11時間には、完成に約1時間を必要とする設計製図作業が含まれる。
· 競技課題は、設計したエキスパートの監督の下で、競技者と同等の能力を有する人間によって組み立てられるものでなければならない。
5.6 競技課題の選択
適合するモジュールのみが投票の対象となる。
競技課題の選定は、競技会の4カ月前のディスカッションフォーラムにおいて各非公開グループの有資格エキスパートの投票によって決定する。テクニカルディレクタが、どのエキスパートが有資格者であるかを通知する。
テクニカルディレクタは有資格エキスパートによる投票を監視するとともに、平面および3Dモジュールの各々で選ばれたモジュールをすべてのエキスパートが見られるように公開フォーラムの会場に掲示する。
5.7 競技課題の公示
競技課題はワールドスキルズインターナショナルのウェブサイトを通じて以下のように公示される。
モジュールは、今競技会の3カ月前にワールドスキルのウェブサイトですべてのエキスパートに公示される。
5.8 競技課題の調整(競技大会の準備)
競技課題の調整は、建具ディスカッションフォーラムにおいて非公開の課題選定グループのまとめ役を果たすチーフエキスパートおよび副チーフエキスパートがおこなう。
5.9 競技大会での競技課題の変更
競技会の3カ月前に各グループ(3Dおよび平面)のエキスパートが30%修正の案を準備する。平面の非公開フォーラムに所属するエキスパートは平面モジュールの30%修正に、3Dの非公開フォーラムに所属するエキスパートは3Dモジュールの30%修正に関わる。課題に対する修正提案は、インフラストラクチュアリストに記載された材料の範囲内で修正するものでなければならない。競技会において、3Dおよび平面モジュールの両課題の30%修正案を投票で決定する。
30%修正案はその一切が承認されるものとし、他の提案内容を加味した修正はおこなわない。
5.10 材料又は製造業者の仕様
課題モジュールに使用する材料として、無垢材、既製のパネル製品、およびこれらの組合せが考えられる。化粧仕上げを施された材料の場合は、ワークショップ・スーパーバイザーが高品質と判断した材料が、0.5mmのオーバサイズおよび開催国の通常の水分含量という条件で支給される。高度に「グリーンで、地球にやさしく、エコを意識した」材料を使用するよう特別の配慮を求められる。材料のサンプルは競技会の6カ月前にエキスパートおよび競技者全員に送付される。
ワークショップ・スーパーバイザーは、自身の裁量により、競技大会の間、専門のまたは優秀な1人の機械製作者に形削り盤(シェーパー)のモニターを行わせる。この点に関しては、1人の専門家が対応するシェーパーの数として2台から最大で3台が望ましい。学生や初心者はこの任に適さない。
シェーパーには全て手動で2方向、すなわち機械の床方向(下方)とシェーパーのフェンスに対し水平方向に圧を掛けるホールドダウン式の装置が付いている。
金型費を節減するため、シェーパーの頭部(カッター)は以下の形に制限する。
A-45度の面取り
B-ラベット(さねはぎ)
C-溝切り
マスタールールは、全選手の測定器具をチェックするのに用いる。選手の習慣に合わない場合、選手の競技課題における測定評価の間、選手の測定器具を用いて測定を行う。
6 職種管理および情報伝達
6.1 ディスカッションフォーラム
職種に関する議論、情報伝達、協力および決定の全ては、競技大会前に職種限定のディスカッションフォーラムで実行されねばならない(http://www.worldskills.org/forums)。全ての職種関連の決定および情報伝達は、フォーラムで実行された場合のみ有効である。チーフエキスパート(又はチーフエキスパートが指名したエキスパート)が、このフォーラムの議長となる。情報伝達および競技進行の要求事項に関する予定表については、競技規則を参照すること。
6.2 競技者情報
登録された競技者の情報は全て、競技者センターで入手できる(http://www.worldskills.org/competitocentre)
この情報としては以下のものが含まれる:
· 競技規則
· 職種定義、
· 評価スキーム
· 競技課題
· インフラリスト
· 安全衛生
· その他の競技大会関連の情報
6.3 競技課題
公示された競技課題は、ウェブサイトworldskills.or (http://www.worldskills.org/testprojects)
および競技者センター(http://www.worldskills.org/competitocentre)で入手できる。
6.4 日々の管理
各日の管理は、チーフエキスパートが指揮する職種管理チームが作成した職種管理計画に定められている。職種管理チームは、審判長、チーフエキスパートおよび副チーフエキスパートで構成される。職種管理計画は、競技大会の6ヶ月前に順次作成され、競技大会時に完成される(エキスバートが合意し、技術委員会の委員長/副委員長に提出される)。チーフエキスパートは、フォーラムを通して最新の職種管理計画の情報を定期的に共有しなければならない。 (www.worldskills.org/expertcentre)
7 職種限定の安全要求事項
開催国の規約として開催国の安全衛生規則を参照すること。
· すべての競技者は目を傷つける破片や切れ端を発生させる可能性がある手工具、駆動工具、機械工 具または機器を使用する場合は保護眼鏡を着用しなければならない。
· 競技会期間中は救急箱および洗眼場所を準備しなければならない。
· エキスパートは、機械加工エリアおよび競技者作業エリアにおいて点検、確認、作業する場合は適切な個人保護器具を使用する。
· すべての競技者は、ダストを発生させる手工具または駆動機器を使用する場合、呼吸用保護具を使用しなければならない。
· すべての機械には、その製造業者仕様を満足する必要な安全ガード、工具取り付け部、吸引装置、補助機器、抽出システムを装備する。
· ワークショップ・スーパーバイザーは、機械の工具の段取りおよび交換に対して責任を負う。ワークショップ・スーパーバイザーは、機械を調整することは許容されないが、監督監視業務をおこなうよう求められる。
· 作業台での照度は500ルクス以上とする。
· 競技会場の床面は、平滑、平坦、水平でなければならない。さらに大きな亀裂、隙間、凹凸、その他つまずきの原因となるものがあってはならない。
8 材料および装置
8.1 インフラリスト
インフラリストには、競技大会主催者が提供する装置、材料および設備の全てが列挙されていること。
インフラリストは、オンラインで公開されている。(http://www.worldskills.org/infrastructure/)
インフラリストには、次回競技のためにエキスパートが要求した品目と数量が指定されている。競技大会主催者は、順次この品目の実際の数量、種類、ブランド/型式を指定したインフラリストを更新する。競技大会主催者が提供する品目は別欄に示されている。
エキスパートは、各競技で次回に備えてインフラリストを再検討し、更新しなければならない。 エキスパートは、スペース及び(または)機材の増加について事務総長に報告しなければならない。
技術監督官は、各競技に於いて、その競技で使用されたインフラリストを監査せねばならない。
インフラリストには、競技選手、及び/又はエキスパートが持参する必要のある品目、及び競技選手が持込みを禁止されている品目を含んではいけない。-それらは以下に特定されている品目である。
8.2 競技者が持参する各自の工具箱中の材料、装置および工具
競技者は、以下の工具を競技会に持参することができる。このリストは単に参考として示すもので、これに限定するものではない。ただし作業台固定型の動力工具は2台のみが許容される。
· 電動丸のこ盤は、必要な安全ガードが付いたベンチを装着したようなもの。
· スライド装置付きで、奥行きが調節でき、他の選手、公衆およびエキスパートを埃や飛散物から保護するための適当な背面ガードの付いた、のこぎりを留め継ぎする組み合わせ型の携帯式工具
· 選手の作業区域に持ち込める固定式の機械は、ベンチを装着した丸のこ盤とスタンドの付いた卓上丸のこ盤(ドロップソー(角度切り用丸のこ盤 miter saw)だけである。他の電動工具は全て携帯式でなくてはならない。
· 携帯式ルータ
· サンダー
· 既成のジグ、または接合に使う電動工具の保持用の器具は競技場に持ち込めない。
· 製図用具セット
· 千枚通し
· かんな
· のみ
· シェーパ工具
· 相欠きはぎかんな
· しゃくりかんな
· ゲージ
· 直定規
· 木槌
· ドリルビット
· ハンマ
· スクリュドライバ
· 手動刃砥ぎ機
· 楕円コンパス
· 携帯用万力
· 最大250グリッドの研磨紙;
· 懐中電灯
· 大会開催時に、委員会は、全ての材料について、それがジグ製作や機械の複雑で精密な部品を作るために必要であると必要かつ適切であると考えるならば、それらを選手に利用できるようにしなければならない。
· 選手は既に固定または組み立てられたジグ、固定具および型板を持ち込むことはできない。
· 競技場で使用するための、接合用の既成のジグや保持用の器具を持ち込むことはできない。
備考:工具箱を開けたときの高さが1.5mを超えてはなたない。競技者エリア内ではその他の物体も高さが1.5mを超えてはならない。
· クランプは1500mmを超えるが、クランプ・スタンドでないこと;
· 供給されるベンチライト、配管パイプ、フレーム、小さな旗竿は、高さ1500mmを超えることができる
· 競技会場には余分の証明が無く、主催国は天井光と、一人の選手につき一個のベンチライトを配る
· 水、油、ワックス等がジョイントに使用する時は、完成ジョイントの採点は50%を最大値とする。
· いかなる電動ツール(斜めのこぎり、ルータ、やすり等)から生じる粉塵は、他の大会エリアや外部の雑貨店エリアに入らないこと
工具が到着し開梱した直後に、競技者は、競技を開始前の検証のため工具点検チームに対して工具を見せ、すべての冶具およびテンプレートについて説明する。
8.3 エキスパートが提供する材料、器具および工具
8.4参照
8.4 職種エリアで禁止された材料および器具
競技会期間中、競技者は、携帯電話、カメラ、音楽視聴機器、ラジオ、その他エキスパートが周囲の作業の妨げになると判断した機器の使用を禁止される。
8.5 ワークショップおよび作業場のレイアウトの案
全大会の作業場レイアウトは以下から入手できる。(www.worldskills.org/sitelayout)
9 訪問者とマスコミに対する職種の広報活動
建具の競技会会場では、見学者及びメディアの関心を喚起するため、エリア内に以下のコーナを設けるものとする。
・ 体験コーナ: 見学者およびメディアが建具に関連する技能を体験するエリア
・ CNCルータの実演
・ 映写スクリーン: 建具課題の映像を映すとともに、就職情報や競技者の横顔を紹介するスリーン
・ 競技課題の説明: 公表済み競技課題の掲示
・ 完成モジュールの展示: 評価完了後にモジュール1を展示する
10 持続可能性
持続可能性は、以下の通り建具の大会各エリアで実践される
· リサイクル用ごみ箱を、紙、缶、ビン用に設ける
· 大会文書を印刷する際には再生紙を利用する
· 大会のプロジェクトで使われる木材は、持続可能な資源から調達する
CISからの採点表(サンプル)