商 品 広 告 が お 客 さ ん の 注 文 に 与 え る 影

響 に 関 す る 研 究1510190120

柳田雅輝

要 旨

私は焼き鳥居酒屋でアルバイトをしている。私のアルバイト先には約 20 種

類程の焼き鳥串のメニューがある。当然の事ながらそれぞれの串によって注文

数はバラバラである。ある時私は串ごとの注文数のバラつきにはお客さんの好

み以外何か他の要因もあるのではないかと考えた。本論文はその「他の要因」

を視覚的情報だと仮定してアルバイト先を検証場所とし、お客さんに特定の商

品に関する様々な形式の商品広告を見せて注文数にどのような影響がでるのか、

お客さん様々な形式の広告をみてどのように感じるのかを分析・考察していく。

行った検証は特定の商品に関する文字のみの広告、写真のみの広告、文字と写

真が付いている広告、この 3 種類の広告を作成して 1 週間ごとにそれぞれの広告を店内に掲載する、これを広告なし週も合わせて 8 週間行い広告の対象となった商品の注文数にどのような変化が出るのか調べる検証である。結果は対

象の商品の注文数を一番伸ばしたのは文字と写真付き広告となった。この検証

で得たデータとこの検証と同時平行で行っていたヒアリング調査のデータを基

に、広告の対象となった商品の注文本数、焼き鳥全種類の注文本数、ヒアリン

グ調査という 3 つの視点から分析・考察していく。

商 品 広 告 が お 客 さ ん の 注 文 に 与 え る 影

響 に 関 す る 研 究1510190120

柳田雅輝

目 次

第 1 章 はじめに

１． 目

的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1２． 分析・調査方

法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1３． 結

論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2４． 意

義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

第 2 章 広告について

１．　広告の種

類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 ～ 3２．　広告の特

徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

第 3 章　検証概要　　　　１．検証①広告を使った検証概要・・・・・・・・・・・・・・・・

5　　　　２．検証②写真を使った検証概要・・・・・・・・・・・・・・・・

5　　　　３．検証③ヒアリング調査概要・・・・・・・・・・・・・・・・・

5

第４章　検証結果・考察

　　　　１．検証結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6 ～ 7２．きも串の注文本数から考える分析・考察・・・・・・・・・・・

8３．焼き鳥全種類の注文本数から考える分析・考察・・・・・・・・

8

４．３の考察の検証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

9５．ヒアリング調査から考える分析・考察・・・・・・・・・・・・

9 ～ 10

第５章　まとめ

　　　　１．反省・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11　　　　２．結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

第６章　参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

第７章　資料写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ～ 13

第 １ 章 　 は じ め に

１ ． 目 的

　私は現在、地元の焼き鳥居酒屋でアルバイトをしている。私のアルバイト先

には約２０種類程の焼き鳥串のメニューがある。当然のことながら串によって

注文数にバラつきがあり、たくさん出る串もあれば出ない串もある、私はこの

串ごとの注文数のバラつきはお客さんの好みによるものだと考えていたが、あ

る時このバラつきには「好み以外にも何か原因があるのではないか」と考え、

私はお客さんが注文する時好み以外の他の要因があるのではないか、何がお客

さんの購買意欲を駆り立てるのかと考えたこの論文ではその何かを視覚的情報

と仮定して、アルバイト先協力のもとお客さんに特定の商品に関する様々な形

式の商品広告を見せて注文数にどのような影響がでるのか視覚的情報が商品の

注文数に与える影響を分析して今後のアルバイト先の広告作りに生かせる発見

を見つける事を目的とする。

２ ． 分 析 方 法

　①広告を使った検証

　　　文字だけの広告、写真だけの広告、文字と写真両方使った広告、 3 種類の広告を作成、この 3 種類の広告を広告なし週も含めて 1 週間毎に交代でお店の各テーブルに掲載していく。これを 2 か月間行い営業後の商品の注文数を記録しておきそれぞれの広告の注文数を比べて分析する。

　②写真を使った検証

　　　①の検証の写真広告で使った「きも串」の写真をお客さんに見てもらい

焼き鳥、きも串どちらの広告だと思うかアンケートを取る。

③ ヒアリング調査1

1ヶ月目1週目　広告なし2週目　文字の広告3週目　写真の広告4週目　文字と写真の広告

2か月目1週目　文字の広告2週目　写真の広告3週目　文字と写真の広告4週目　広告なし

　　　お客さんに直接①の検証で使った広告に対する反応や意見を伺う。

3． 結 論

広告の対象にした焼き鳥串の注文数を一番伸ばしたのはやはり文字と写真付

きの広告であった。文字広告、写真広告の注文数はあまり変わらず予想通りの

結果となったしかし写真広告の週にヒアリング調査を行っている時「焼き鳥が

食べたくなった」「美味しそうな焼き鳥の写真」等焼き鳥というワードが多く

出ている事に気が付いた。そこで焼き鳥メニュー全種類の注文数を数えると一

番注文数が多かったのは写真付きの広告の週であった。これは文字が入ると対

象の串の広告と認識され、その串を食べるか食べないかという思考になるが、

写真だけだとその串の広告では無く焼き鳥の広告と認識され焼き鳥を食べるか

食べないかとなりこのような結果になったのではないかと考察できる。検証の

結果から結論を述べると広告対象の串の注文数を伸ばすには文字と写真付きの

広告が一番効果的だが、焼き鳥全体の注文数を伸ばすには写真広告が一番効果

的である。またヒアリング調査の結果から私のアルバイト先に来店されるお客

さんは広告に対して興味が引かれる演出を求めている事が分かった。

４ ． 意 義

　広告という物は商品を消費者に購入してもらう為に欠かせない物だと私は考

えている。私のアルバイト先でも新メニューが出来ると、そのメニューに関す

る広告を作成して店内に掲載している。今回私は本論文を作成する為に様々な

種類の広告による注文数の変化やアルバイト先に来店されるお客さんが広告に

対してどう感じているのかを調査する検証を行った。今回この検証で得たデー

タをしっかり分析・考察しアルバイト先の今後の広告作りに少しでも役立ても

らう為、検証に協力してもらったお礼として提供する事を意義とする。

第 ２ 章 　 広 告 に つ い て

　この章では現在世の中にあるたくさんの広告の細かい種類や特徴について述

べたいと思う。（引用文献第６章掲載）

１ ． 広 告 の 種 類

　現在世の中には紙媒体のものから映像を使ったもの等たくさんの広告がある

が、広告の種類は大きく分けると３種類に分類することが出来る。インター

ネット広告、マス広告、 SP 広告というものである、まずはこの 3 種類から述べていく。

① インターネット広告　インターネット広告はWEB広告と言う事も出来、その名の通りネット上の

2

ウェブサイトやソーシャルメディア、メールやアプリを用いて配信される広

告手法である。またインターネット広告は、他の２つの広告（マス広告、

SP 広告）と比べて高度なターゲティングや効果をグラフや表等にしやすく、

可視化してリアルタイムな改善が行えるため、費用対効果が非常に高いとさ

れている。

② マス広告　マス広告とは、マスメディアの広告を指す言葉で、ラジオ・テレビ・新聞・

雑誌の４つの媒体に掲載される広告の事です、なので幅広い年齢層の消費者

の認知を得たい場合や、特定の視聴者・読者に向けて広告配信を行いたい場

合に効果的な広告手法である。

③SP 広告　 SP 広告とは、セールスプロモーション広告を指す言葉である。消費者を購

買行動へ動かす販売促進を主な役割としており、マス広告とインターネット

広告に区分されない広告が含まれる。

以上のように広告という物は大きく分けるとこの３種類に分けることが出来る

が、細

かく分けるともっとたくさんの種類の広告がある。それらをまとめたものが以

下の

表である。

表①　広告の分類と名前

インターネッ

ト広告

リスティング

広告

アフィリエイ

ト

広告

アドネット

ワーク広告

ソーシャルメ

ディア広告

掲載型広告 DSP 広告

ネイティブ広

告

バナー広告 メール広告

リワード広告 RSS 広告マス広告 テレビ広告 ラジオ広告 新聞広告

雑誌広告

SP 広告

DM （ダイレ

クト

メー

ル）

折り込み広告

（チラシ）

イベント・

キャンペー

ン

交通広告 POP 広告 フリーペー

パー

3

屋外広告（看

板）

4

１ － ２ ． 広 告 の 特 徴

　１－１ではたくさんの広告の種類を紹介したが広告には種類ごとに特徴が異

なる、ここでは紙媒体の広告に限定して特徴を述べる。紙媒体に限定した理由

は、この論文を書くにあたりアルバイト先で行った検証が紙媒体の広告を使っ

た検証だったからである。まず先ほど述べた広告の中で紙媒体の広告は新聞広

告、雑誌広告、折り込み広告、交通広告、 POP 広告、フリーペーパーの６種類である。

① 新聞広告　　新聞の広告スペースへ掲載される広告、１ページまるまる使った「全面記

事」各紙面の記事の下部に掲載される「記事下広告」１面の題字の下など

記事中に小型サイズで掲載される「小型広告」出版や求人や臨時等に掲載

される「用途別広告」がある。社会的信頼性が高いメディアであり、企業

の信頼性を得やすい。

　②雑誌広告

　　美容、グルメ、趣味、ファッションなど生活者の特定のジャンルに特化し

た紙メディアへ掲載される広告。雑誌広告は「編集タイアップ広告」「記

事型広告」の２種類ある。編集タイアップ広告は、広告が掲載される雑誌

の編集者が作成する広告でその雑誌のコンテンツとして扱われる為、読者

の信頼を得やすい広告手法。

　③折り込み広告

　　新聞販売店を介して届けられる、新聞に折り込まれているチラシ。配達地

域を決められるためエリアマーケティングに強く、配布日を指定すること

が出来、安価に制作することができる。また新聞に折り込まれているため

視認性も高く食品、衣料品、家電製品などの販売店やエステなどのサービ

ス業、地域の求人案内等に活用されている。

　④交通広告

　　電車やバスの車内外や飛行機や船など公共交通機関で掲載される広告。通

勤、通学などの移動時に、毎日使用する事もあり、一定時間同じ場所にと

どまるため視認性や接触頻度が高い広告。

　⑤ POP 広告　　 Point of purchase advertisingの頭文字をとった略語で、紙に商品名や価格、

キャチコピーや説明文などが記載された広告で、主に商店で用いられる広

告手法。 POP 広告は店頭ビジネスでは重要な認知、販促ツールである。　⑥フリーペーパー

　　駅構内やコンビニ、スーパーなどで、無料で配布される紙メディア。雑誌

や新聞と異なり、無料という点から読者にとってもらいやすく特定の地域

や年齢層向けに作られているものが多く、ターゲットとなる読者に向けて

広告を作成する事が出来る。5

6

第 ３ 章 　 検 証 概 要

１ ． 検 証 ① 広 告 を 使 っ た 検 証 の 概 要

　検証①は私のアルバイト先の焼き鳥メニューにあるきも串を広告対象にして

文字だけの広告、写真だけの広告、文字と写真両方を使った広告と形式の違う

３種類の広告を作成して、９月３日から１０月２８日までの８週間の間、広告

無掲載週も含めて１週間交代で順番に各テーブル内に掲載して３種類の広告掲

載週のきも串の注文数がどのように変化するのか確かめる検証である。作成し

た広告と広告掲載テーブル風景は第７章に掲載している。今回検証の対象にき

も串を選んだのは普段から人気のある串メニューは広告がなくても大量に注文

されるので広告を作った所であまり影響が出ない可能性があり、注文数が増え

たとしても普段から人気なので広告の影響かどうか判断しにくいと考え普段あ

まり人気がないきも串を対象にした。実施期間を８週間設けたのは私のアルバ

イト先は毎週売り上げが同じ訳ではなく給料日近くは忙しい、というように忙

しい週もあれば忙しくない週もあるのでお客さんの来店数によってきも串注文

数が変化したとならない為２か月目は１か月目と掲載する順番を１周ずらして

検証をおこなう為である。詳しくは第１章２の①掲載。対象月が９月と１０月

になったのはアルバイト先の検証実施許可が下りたのが９月 10 月だったから

である。

２ ． 検 証 ② 写 真 を 使 っ た 検 証

　今回行った検証は一つ目の検証の写真広告で使った写真と同じものをアルバ

イト先のお客さんに見てもらい焼き鳥か、きも串どちらの広告と思ったか答え

てもらうという検証である。尚この検証は先に「きも串」という言葉を出して

しまうとほとんどの人が写真を見る前からきも串の広告と認識してしまう可能

性があると考えた為お客さんには先に写真を見てもらい何の広告か考えても

らった後できも串、焼き鳥どちらの広告だと感じたかという質問をして答えて

もらっている。

３ ． 検 証 ③ ヒ ア リ ン グ 調 査 概 要

　今回行ったヒアリング調査は検証①を行っている８週間の間で私がアルバイ

ト勤務中に行ったもので調査の仕方はランダムでお客さんの席に伺い広告を見

てどう感じたか意見をもらいこの意見をメモ帳に書き留めておくというもので

ある。私が検証中に勤務した日数は２８日であった。質問内容はシンプルに話

し言葉のような形で「その広告みてどう思いますか？」という内容だけである。

7

第 ４ 章 　 検 証 結 果 ・ 考 察

１ ． 検 証 結 果

　今回私は、この論文を書くにあたり自分のアルバイト先に協力してもらい検

証を行

った。特定の串メニューに関する文字、写真、文字＋写真とタイプの違う３種

類の広

告を作成してその広告を１週間交代で順番にお店の各テーブルに掲載し営業終

わりに

対象の串の本数を記録といった事を、広告無掲載週を合わせて９月３日から１

０月２

８日まで８週間行いそれぞれの広告がどのような影響を与えたのかを分析する

検証

だ。この章では検証で使用した３種類の広告の与えた影響を「各広告のきも串

の注文

数」「焼き鳥全種類の合計注文数」「ヒアリング調査の結果」という３つの観

点から

分析・考察していく。

検証結果（９月３日～１０月２８日実施）

検証環境情報　場所　　　焼き鳥居酒屋

席数　　　３４席（喫煙席 10 席）収容人数　最低１６６人営業時間　平日 17 時～ 23 時　休日 16 時～ 23 時

表②　各広告掲載日の注文本数結果

種

類

日程 月 火 水 木 金 土 日

広

告

な

し

93/

9~

１

１

381

８

337１

９　

494

１６

429２

５

766

２７

1132３

６

1018

文

字

10~16

１

８

393

１２

349２

０

382

２３

448２

２

862

３７

1061３

４

808写

真

17~23

２

７

906

１４

417２

１

489

１８

397２

３

895

３１

1193２

９

1104

8

文

字

と

写

真

24~30

３

４

826

２５

354１

５

311

１７

418２

６

911

３８

1086４

７

988

文

字

10/1~7

１

５

411

１０

407２

２

394

２４

459３

６

883

４１

1091３

９

856写

真

8~14 ２

１

927

１３

381１

６

501

２０

374１

８

873

３７

1018３

２

1009

文

字

と

写

真

15~21

２

０

483

１８

353３

０

492

２５

401３

１

722

４９

1099３

３

1014

広

告

な

し

22~28

２

３

479

２０

340１

２

486

２２

456１

９

837

３４

1043２

８

968

＊上の数字が「きも串」の注文本数、下の数字が焼き鳥全種類の合計注文本数

図①

9月 １０月 合計050

100150200250300350400450

142 158

300

166 187

353

163 157

320

202 206

408

各広告の「きも串」本数

広告なし 文字写真 文字と写真

9

図②

9月 １０月 合計0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

4557 4609

9166

4303 4509

8812

5401 5083

10484

4894 4564

9458

焼き鳥全種類の合計注文本数

広告なし 文字写真 文字と写真

２ ． 「 き も 串 」 の 注 文 数 か ら 考 え る 分

析 ・ 考 察

表②、図①を見て分かるように広告なし週と比べてきも串の注文数が一番上

がったのは文字と写真広告という結果になった。この結果は予想通りの結果

なっているが、検証前の予想では文字広告と写真広告の注文数にも大きな差が

出来るだろうと予想していた、しかし結果は、差は出来ているが少しの差しか

なく予想を反する結果となった。写真広告の注文数が予想より高かったのでは

無く、文字広告の注文数が予想より低かったのである。今回このような結果に

なったのは文字広告、写真広告共にお客さんの興味を引く事が出来なかったか

らであると考察する。今回、広告の対象にしたきも串というメニューは検証以

前から私のアルバイト先にあるメニューで他の焼き鳥店でも置いてあるのをよ

く見るメニューなのに加えて検証で使用した広告は文字のみの広告は商品名し

か書いていない、写真のみの広告は商品がお皿に乗っている写真のみという簡

単な広告だった為、広告に対して「新鮮さ」や「珍しさ」をお客さんが感じる

ことが出来なかったのだと考える。文字のみの広告でも健康効果等のキャッチ

コピーや写真のみの広告でもただ写真を貼っておくだけでなく写真の周りを装10

飾する等、お客さんの興味を引かせるような演出をお客さんは求めているので

はないか、演出があれば文字のみ、写真のみの広告でも、もっと注文数を伸ば

せるのではないかと考察する。

３ ． 焼 き 鳥 全 種 類 の 合 計 注 文 数 か ら 考

え る 分 析 ・ 考 察

　写真広告で検証を行った週のヒアリング調査の結果を見ていると他の広告の

週より「焼き鳥」というワードが多く出ていると感じた、そこで焼き鳥全メ

ニューの串の合計本数も出してみることにした。表②、図②を見てもらって分

かるように焼き鳥全種類の合計注文本数が広告なしの週に比べて一番上がった

のは写真広告の週だった。広告の対象にしている「きも串」の注文数を一番上

げたのは文字と写真広告であったが、焼き鳥全集類の注文数を見てみると写真

広告が一番、注文数を上げており、他の 2 つの広告は焼き鳥全種類の注文数に関しては広告がない週とあまり変わらないという結果になった。この結果から

お客さんは「きも串」と書かれている広告を見ると「きも串」の広告と認識し

て「きも串」を食べるか食べないかの判断になり「きも串」が嫌いなお客さん

にはそもそも受け入れられないが写真だけの広告だと「きも串」と認識するお

客さんもいれば「焼き鳥」と認識するお客さんもいて後者の認識をしたお客さ

んは「焼き鳥」を食べるか食べないかの判断になり「きも串」が嫌いなお客さ

んや今は食べようと思わないお客さんに受け入れられ、写真広告が焼き鳥全種

類の合計注文数を上げることが出来たと考察する事が出来、写真のみ広告だと

上記のような影響を与えることが考えられる。

４ ． ３ の 考 察 の 検 証

　焼き鳥全種類の合計注文数が一番伸びたのは写真広告の週だった結果から

「お客さんは写真だけの広告だときも串ではなく焼き鳥の広告と認識した」と

いう考察をたてた。私はこの考察から実際にお客さんは写真だけの広告だとど

のような認識をするのか調べる為に写真広告を使って検証②（第３章掲載）を

行った。

検証実施日時　 11 月 17 日 18 時～ 19 時

　　　　　　　 11 月 18 日 18 時～ 19 時検証人数　　　 60 人（各日 30 人）検証場所　　　焼き鳥居酒屋

検証結果　　　　　　　　　　　　　表③11

2018 年 11月 17 日

2018 日 11月 18 日

合計

焼き鳥 17 人 19 人 36 人

きも串 13 人 11 人 24 人

検証の結果６０人中、半分以上の人が焼き鳥の広告だと思ったと答えてくれた。

今回の検証では写真だけだときも串ではなく、焼き鳥の広告だと感じた人がい

る事を確認でき、またその認識が少数派ではない事が分かった。

５ ． ヒ ア リ ン グ 調 査 か ら 考 え る 分 析 ・

考 察

　ヒアリング調査は広告を使った検証中、私がアルバイト勤務した時に行った

ものである。私が検証中に勤務した日数は２８日で伺えた意見は全部で８４７

個であった、この意見を使ってどう分析するか悩んだが今回はこの８４７個の

意見をプラスの意見とマイナスの意見に分けてみる事にした。また８４７個の

意見全てを本論文に掲載すると大変な量になるのでよく出ていた意見を一部掲

載する。

図③

356491

お客さんに伺った意見合計８４７個

プラス意見 マイナス意見プラス意見

　・もう少し何か食べたいと迷った時に広告があると頼みやすい。（３１人）

　・写真を見ると食欲がわく。（５９人）

　・ここのお店の売りはきも串なのかと思い頼みました。（４４人）

　・各席に広告があると店内が賑やかに見える。（１６人）

　・注文しやすい。（６８人）

マイナス意見

12

　・前からあるのを知っていたので特に何も感じなかった。（４６人）

　・商品名を書いていて欲しい。（５５人）

　・もう少し何か付け加えると良いと思う。（２７人）

　・理由はないが何も思わない。（５１人）

　・普段から注文しないので広告あるなと思うぐらい。（６２人）

検証の結果きも串の注文数に変化がみられ、ヒアリング調査中もプラス意見の

方が印象に残っていたのでプラス意見の方が多いと予想していたがしっかりと

分けてみると、マイナス意見の方が多いという結果になった。マイナス意見の

ほとんどが広告に対して興味が持てないという類の意見が多くみられた。もう

１つ予想を反したのが広告に対して興味がもてないという意見が文字と写真つ

きの広告掲載の週にも出ていた事である。３つの作成した広告の中では１番き

も串の注文数を伸ばす事が出来たが文字と写真つきの広告も商品の写真と商品

名しか書いていない簡単な広告であった。この事からも第３章の１で述べたと

おり、やはりお客さんは興味を引かれるような演出を求めているのである。プ

ラス意見の方に目を向けると広告がある事で「このお店はきも串が売りなのか

と思い頼みました」のような意見があり広告に興味が向いているお客さんに

とっては広告が商品を頼むきっかけになっていると感じた。また写真広告を掲

載している週のお客さんの意見のみを分析すると「写真を見て食欲がわく」

「焼き鳥が食べたくなる」という意見も多く出ていることが分かり先ほど２で

述べた写真だけの広告だと「焼き鳥」の広告と認識するお客さんがいてそのよ

うなお客さんは「焼き鳥」を食べるか食べないかの判断になり「きも串」が嫌

いなお客さんや今は食べようと思わないお客さんに受け入れられ、写真広告が

焼き鳥全種類の合計注文数を上げることが出来たのではないかという考察の信

頼性を高めることが出来たと感じた。

第 5章 　 ま と め

１ ． 反 省

今回、私は検証で得た結果の深 堀が出来なかったと感じている。 8 週間の広告を使った検証とヒアリング調査を行い様々な考察をする事が出来たがこの考

察をさらに深める事が出来なかった。例えば文字のみの広告だとお客さんから13

の興味を引く事が出来ず注文数アップに繋がらなかったという考察もキャッチ

コピーを付けたり、色等装飾を付けた広告を作成してもう一度検証すれば違っ

た考察が考えられたり、先ほど述べた考察の信頼性を高める事が出来たと考え

る。このように一つの検証から得た結果をもとに別の検証を行うことが出来な

かった為、結果の深 堀をする事が出来ず本論文を作成するにあたり物足りなさ

を感じた。この原因は検証を実施するのが遅かった事であると反省している。

アルバイト先から許可が下りたのが９月、１０月だったのでその点は仕方がな

いが、もう少し早く私がアルバイト先に提案出来ていれば実施期間も早める事

が出来たかもしれない、またこの検証だけで全てが分かると考えていた私の計

画性の甘さを反省しなければならないと感じている。

２ ． 結 論

今回行った３つの検証の結果から結論を出すと。きも串のように特定のメ

ニューの売り上げを伸ばすには文字と写真付きの広告が１番効果的であるが、

写真だけの広告を掲載すると、きも串の広告を写真だけだと焼き鳥の広告と判

断したお客さんがいたように広告の対象にしたメニューが嫌いな人や注文しよ

うと思ってなかった人にも受け入れられメニュー全体の注文数を伸ばす事が期

待出来ることが分かった。しかしどちらもお客さんの興味を引く演出が必要で

ある。今回結果の深 堀が出来なかったという反省点が生まれたがこの反省は次

に生かし、今回得たお客さんの意見、データ、私の考察が少しでもアルバイト

先に役立つ事を願って本論文を締めたいと思う。

第 ５ 章 　 参 考 文 献

広告の種類・特徴　markehack.jp/ad-types/

第 6章 　 資 料 写 真

１枚目　文字広告掲載時のテーブル風景

２枚目　写真広告掲載時のテーブル風景

３枚目　文字と写真広告掲載時のテーブル風景

14

15

＊広告の右下に白い文字できも串と書かれている。

16