west syndrome for_parents

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Health & Medicine


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ウエスト症候群説明用資料 より詳しい内容は成書・文献をあたって下さい

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Page 1: West syndrome for_parents

ウエスト症候群(点頭てんかん)について

群馬県立小児医療センター神経内科椎原 隆

2013年 5月 20日

1. ウエスト症候群とは特徴的な、発作(トニック・スパスム)と脳波異常(ヒプスアリスミア)を呈し、通常1歳までに発症する年齢依存性のてんかん症候群発達の停滞や退行を来す頻度は 2000人から 4000人に1人といわれている当院で年間5人前後

2. 原因症候性ウエスト症候群:7−8割周産期障害や髄膜炎,脳奇形,代謝異常に伴って発症あるいは点頭てんかん発症以前に、発達の遅れなど神経学的異常を認める

潜因性ウエスト症候群:2−3割いろいろ調べても原因がはっきりしない従来原因がわからなかった潜因性ウエスト症候群の一部で、何らかの遺伝子異常を認めることがある(一般的にできる検査ではなく、研究レベル)

3.治療ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)注射が最も有効(5-7割)だが、肥満・不機嫌・易感染性などの副作用がある事と、ACTH注射を行う場合は入院治療が必要になる事から、最初は経口薬剤を投与し無効な場合はACTH治療を行うのが一般的

経口薬剤 ビタミン B6 -> バルプロ酸 が標準的

他にゾニサミドやベンゾジアゼピン系あるいはより新規の抗てんかん薬を投与することもある

ACTHの投与方法当院では従来0.0125 mg/回 連日二週間->隔日二週間->週二回・一週間->週一回・一週間計六週間の投与を基本にしてきたが、効果を見ながら可能ならより早く投与終了することがある発作・脳波改善具合、副作用の程度で投与量・投与期間を変更する

4.予後ACTH投与まで行えば、一旦は発作消失・脳波改善が見られる事が多いが、ウエスト症候群再発、ウエスト症候群以外のてんかん発症、あるいは精神遅滞を来す事も稀ではない