windows 7 pc 開発しやすさとハードウェアの選択...

4
宮崎県都城市と鹿児島県鹿児島市の 2 つの拠点で最先端の眼科医療を提供している 宮田眼科病院。常に医療の質の向上を目指している宮田眼科病院では、2002 年に導 入している予約業務を主体とする院内リソース マネジメント システム「M-Magic」を 皮切りに、「院内総合電子化」を目指して独自のシステムを構築しています。その一環 として、院内のさまざまな場所での情報共有を行うため、Windows 7 搭載のスレート PC ASUS Eee Slate B121 」を採用。医師だけでなく、検査技師や看護師の観点から も医療業務を効率化することによって、さらなる医療サービスの向上を目指しています。 導入背景とねらい 医療の質とパフォーマンス向上のため 院内業務を連携できるシステム作りを目指す 2 つの病院で年間 8,000 件以上の手術を行い、十数人の担当医がいる大規模な眼科病院であ る宮田眼科病院は、都城市と鹿児島市の地域に密着しながら、東京や大阪などの大都市と同等 以上の医療を提供し続けています。白内障や緑内障などの専門外来も確立し、特別な疾病のエ キスパートである各大学の教授を迎え、月に一度の特別専門外来診察を行っていることも、他の 眼科病院にはない大きな特長です。そのため、都城市や鹿児島市などから同院に通院する患者は、 特別な手術や治療のために東京などに行くことなく、受けることができます。また、多くの学会 発表や研究発表も行っており、最先端の医療を診察に活かせるような研究開発が積極的に行わ れています。新たな医療技術は、研究と臨床によって生まれてきますが、大学と同じレベルの研 究を臨床の機会が多い宮田眼科病院が行うことによって、より実際の診療に使いやすい医療技 術を作り出すことも目指しています。 宮田眼科病院では、2002 年に独自に開発した「M-Magic」の導入の際、電子カルテや院内の 情報共有システムの導入も検討しましたが、当時の技術、製品では、要求を満たす機能、操作性 は実現できないと判断し、実現には至らなかったと言います。宮田眼科病院にとって患者情報な どのデータは、「地域に高度な医療を提供する」「最新医療を診療で有効に使えるようにする」と いう目標と共に同院が目指している、「大学ではできない研究を行う」という目標のためには非常 に重要なものでした。大都市の大学病院では、最先端の治療法を使っても、その患者を長期的 にフォローアップすることが難しい傾向にあります。しかし、大都市に比べて住民の移動が少ない 地域で医療を行っている宮田眼科病院では、同じ患者を長期的に診察し、1 つの治療法の長期 データを取ってその後の対処やフォローアップ、治療法の改善などに役立てることができるのです。 これらの目的を満たし、医療業務を効率化して質の 向上を目指すには、患者情報をベースにして、病院 内のさまざまなシステムで横断的に連携ができるしく みが必要となります。しかし当時は、これらのニーズ を満たすような既存のシステムはなかったと宮田眼科 病院院長の宮田 和典 氏は話します。「医療業務の無 駄を省くために、予約システムは絶対に必要と考え、 ソリューション概要 ○プロファイル 宮田眼科病院と鹿児島宮田眼科は、南九州に ありながら大都市と変わらない高度な眼科医療 を提供し、宮崎や鹿児島はもちろん、九州全域 から眼科の名病院として高い評価を受けていま す。71 床の病室と年間 8,000 件を超える手術 を行う手術室、最新の診療機器と研究室も備え られています。人工角膜や角膜移植が専門の宮 田院長をはじめ、緑内障や白内障などの症状に 合わせて各大学の教授の専門外来を受診できる のも大きな特長となっています。 ○ソフトウェアとサービス Windows ® 7 Professional ○メリット 電子カルテの導入とともに、スレート PC 含めたシステムで院内総合電子化を進めるこ とによって、患者情報をベースとしたシステム 連携を実現。 タイムリーで正確な情報を使うことによって、 スムーズな業務連携を行うことができ、業務 の無駄や無理をなくすことで医療サービスと 病院パフォーマンスの向上を目指す。 12.1 インチのディスプレイで必要な情報を取 得でき、付属のペンで手書き文字入力や図の 作成を紙のメモと同じような感覚でスムーズに 行うことができる、文字認識にも対応。 ○ユーザー コメント 「院内の情報共有を行うには持ち運べる端末が 必要ですが、BPR をしっかりとやった結果を踏 まえてシステムを作る中で、Windows 7 搭載ス レート PC ASUS Eee Slate B121 を選択しま した。ミッション クリティカルな医療現場で使 うので、Windows 7 の安定性も決め手の 1 です。12.1 インチのディスプレイとワコムのペ ンテクノロジーを使い、スタッフの意見を取り入 れながらゼロからシステムを作ることで、データ を有効活用して業務効率を向上させ、医療の質 の向上や患者および従業員の満足度向上に貢 献できることを期待しています」 医療法人明和会宮田眼科病院 CIO/ 技術士 ( 情報工学部門 ) 杉浦 和史 医療法人明和会 宮田眼科病院 安定性の高い Windows 7 搭載スレート PC が、ミッション クリティカルな医療現場を支える 開発しやすさとハードウェアの選択肢の広さで BPR を考え たシステム作りを実現 医療法人明和会 宮田眼科病院

Upload: others

Post on 28-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Windows 7 PC 開発しやすさとハードウェアの選択 …download.microsoft.com/download/4/3/9/4393FE16-189E-4B08...Windows 7 ベ ースの レ トPC であるE eSlat B 12

宮崎県都城市と鹿児島県鹿児島市の 2 つの拠点で最先端の眼科医療を提供している宮田眼科病院。常に医療の質の向上を目指している宮田眼科病院では、2002 年に導入している予約業務を主体とする院内リソース マネジメント システム「M-Magic」を皮切りに、「院内総合電子化」を目指して独自のシステムを構築しています。その一環として、院内のさまざまな場所での情報共有を行うため、Windows 7 搭載のスレート

PC「ASUS Eee Slate B121」を採用。医師だけでなく、検査技師や看護師の観点からも医療業務を効率化することによって、さらなる医療サービスの向上を目指しています。

導入背景とねらい医療の質とパフォーマンス向上のため 院内業務を連携できるシステム作りを目指す

2 つの病院で年間 8,000 件以上の手術を行い、十数人の担当医がいる大規模な眼科病院であ

る宮田眼科病院は、都城市と鹿児島市の地域に密着しながら、東京や大阪などの大都市と同等

以上の医療を提供し続けています。白内障や緑内障などの専門外来も確立し、特別な疾病のエ

キスパートである各大学の教授を迎え、月に一度の特別専門外来診察を行っていることも、他の

眼科病院にはない大きな特長です。そのため、都城市や鹿児島市などから同院に通院する患者は、

特別な手術や治療のために東京などに行くことなく、受けることができます。また、多くの学会

発表や研究発表も行っており、最先端の医療を診察に活かせるような研究開発が積極的に行わ

れています。新たな医療技術は、研究と臨床によって生まれてきますが、大学と同じレベルの研

究を臨床の機会が多い宮田眼科病院が行うことによって、より実際の診療に使いやすい医療技

術を作り出すことも目指しています。

宮田眼科病院では、2002 年に独自に開発した「M-Magic」の導入の際、電子カルテや院内の

情報共有システムの導入も検討しましたが、当時の技術、製品では、要求を満たす機能、操作性

は実現できないと判断し、実現には至らなかったと言います。宮田眼科病院にとって患者情報な

どのデータは、「地域に高度な医療を提供する」「最新医療を診療で有効に使えるようにする」と

いう目標と共に同院が目指している、「大学ではできない研究を行う」という目標のためには非常

に重要なものでした。大都市の大学病院では、最先端の治療法を使っても、その患者を長期的

にフォローアップすることが難しい傾向にあります。しかし、大都市に比べて住民の移動が少ない

地域で医療を行っている宮田眼科病院では、同じ患者を長期的に診察し、1 つの治療法の長期

データを取ってその後の対処やフォローアップ、治療法の改善などに役立てることができるのです。

これらの目的を満たし、医療業務を効率化して質の

向上を目指すには、患者情報をベースにして、病院

内のさまざまなシステムで横断的に連携ができるしく

みが必要となります。しかし当時は、これらのニーズ

を満たすような既存のシステムはなかったと宮田眼科

病院院長の宮田 和典 氏は話します。「医療業務の無

駄を省くために、予約システムは絶対に必要と考え、

ソリューション概要○プロファイル宮田眼科病院と鹿児島宮田眼科は、南九州にありながら大都市と変わらない高度な眼科医療を提供し、宮崎や鹿児島はもちろん、九州全域から眼科の名病院として高い評価を受けています。71 床の病室と年間 8,000 件を超える手術を行う手術室、最新の診療機器と研究室も備えられています。人工角膜や角膜移植が専門の宮田院長をはじめ、緑内障や白内障などの症状に合わせて各大学の教授の専門外来を受診できるのも大きな特長となっています。

○ソフトウェアとサービス・ Windows® 7 Professional

○メリット・ 電子カルテの導入とともに、スレート PC を含めたシステムで院内総合電子化を進めることによって、患者情報をベースとしたシステム連携を実現。

・ タイムリーで正確な情報を使うことによって、スムーズな業務連携を行うことができ、業務の無駄や無理をなくすことで医療サービスと病院パフォーマンスの向上を目指す。

・ 12.1 インチのディスプレイで必要な情報を取得でき、付属のペンで手書き文字入力や図の作成を紙のメモと同じような感覚でスムーズに行うことができる、文字認識にも対応。

○ユーザー コメント「院内の情報共有を行うには持ち運べる端末が必要ですが、BPR をしっかりとやった結果を踏まえてシステムを作る中で、Windows 7 搭載スレート PC の ASUS Eee Slate B121 を選択しました。ミッション クリティカルな医療現場で使うので、Windows 7 の安定性も決め手の 1 つです。12.1 インチのディスプレイとワコムのペンテクノロジーを使い、スタッフの意見を取り入れながらゼロからシステムを作ることで、データを有効活用して業務効率を向上させ、医療の質の向上や患者および従業員の満足度向上に貢献できることを期待しています」

医療法人明和会宮田眼科病院CIO/技術士 (情報工学部門 )杉浦 和史 氏

医療法人明和会 宮田眼科病院

安定性の高い Windows 7 搭載スレート PC が、ミッションクリティカルな医療現場を支える開発しやすさとハードウェアの選択肢の広さで BPR を考えたシステム作りを実現

医療法人明和会 宮田眼科病院

Page 2: Windows 7 PC 開発しやすさとハードウェアの選択 …download.microsoft.com/download/4/3/9/4393FE16-189E-4B08...Windows 7 ベ ースの レ トPC であるE eSlat B 12

医療法人明和会 宮田眼科病院

独自に M-Magic を開発しました。しかし、電子

カルテなどに関しては、今の医療の質やパフォー

マンスを維持できるとはとても思えないと感じま

した」。

「電子化を行うなら、紙のカルテをあらゆる要素

で超えるものがなければ、変える意味がない」と

話す宮田 氏は、当時のシステムでは情報の入力

や取り出しにかえって時間がかかると判断し、電

子化は行わず紙のカルテのままにしたと言いま

す。また、さまざまなメーカーのシステムを組み

合わせて使った場合、連携が難しく、安定性も

担保できないと考えたことを宮田眼科病院CIO

の杉浦 和史 氏も明かします。

「電子カルテは診療業務のためのもので、院内の

業務の 1 つに過ぎません。病院は医師以外にも

看護師や栄養士、検査技師、医事会計などもあ

る職能集団で構成されているため、診察のほか

に外来、手術、病棟の業務もあります。電子カ

ルテありきではなく、ベースとなる情報をさまざ

まな職務の角度から活用できるようにシステムを

作っていかなければならないと考えています」。

導入の経緯業務に合ったハードウェア特性や安定性 入力しやすさからスレート PC を採用

宮田眼科病院が院内総合電子化を推し進めて、診療や看護師の業務の

電子化を行い始めた理由の 1 つには、IT 環境の高度化により、電子カ

ルテとワコムのペン入力の組み合わせがより自然に使えるようになってき

たことが背景となっています。「紙のカルテにかなり近い感覚で使えるよ

うになってきた」と宮田 氏が言うように、手書き認識やペンの使い勝手

の向上によって、宮田眼科病院は据え置き型のワコム液晶ペンタブレッ

ト DTU-2231 を導入し、電子カルテ システムを独自に開発することを決

めました。

「紙ベースなら紙ベースで、電子化するなら人間ならではの部分を除いて

すべてを電子化しなければ、手作業とシステム化された作業が混在して

複雑になり、人的ミスが発生しやすくなってしまいます」と話す杉浦 氏

は、診療業務の電子化と共に、入院患者の術前、術後、予後の観察を

十分に行うため、看護師が訪室する際に電子化された情報をすぐに取り

出して患者の変化をすぐに書き込めるような持ち運べる端末としくみが必

要になったと言います。「だからと言って、最近話題になっているようなタ

ブレット端末を使おうという考えはしませんでした。我々は BPR (Business

Process Reengineering) をしっかりとやって、それを実現する技術は何

かと考えます。シーズ依存ではなく、ニーズに沿ったものを作ることが重

要で、ハードウェアの選択肢が少ないものや、開発しにくいものは選択肢

とはなりえませんでした」 (杉浦 氏 )。

そこで、宮田眼科病院が注目したのが Windows 7 Professional を搭載

し、インテル® Core™ i5-470UM プロセッサーの高いパフォーマンスを

持つ ASUS 製のスレート PC「Eee Slate B121」でした。Eee Slate B121

には、「Wacom® feel IT technologies」が採用されており、EMR® ペン

(ワコム独自の電磁誘導方式採用 ) でワコムの液晶ペンタブレットと同じ

ように自然で直感的なペン入力による筆圧機能などを利用することができ

ます。また、ディスプレイが 12.1 インチであることも導入の決め手となり

ました。「Wacom feel IT technologies」が搭載されたスレート PC には

10.1 インチの製品も出ていましたが、業務フローから最低限必要な情報

源を絞り込んでも、12.1 インチのディスプレイが必要だったと言います。

「Windows 7 ベースのスレート PC である Eee Slate B121 を選択した理

由は、開発環境が整っていて、技術が蓄積されていることも大きかった

と思います。医療と言うミッション クリティカルな業務に利用するため、

安定性は必要不可欠な要素です。Windows 7 には安定感があり、これ

までの技術の蓄積と実績があるので、安心して利用できます」 (杉浦 氏 )。

宮田眼科病院では、Eee Slate B121 を 2012 年 3 月現在で 7 台導入し

てソフトウェアの開発を行い、最終的には 2012 年 9 月導入を目指して

数十台の導入を予定しています。既存のシステムやアプリケーションに頼

らずに独自に開発を行うことについて宮田 氏は、「既存のシステムは少な

くとも眼科医のことを考えて作られていないし、我々のような病院に合う

ものではないと考えています」と話します。また、杉浦 氏も「業務に合う

医療法人明和会宮田眼科病院理事長 兼 病院長宮崎大学医学部眼科 臨床教授東京大学医学部眼科 講師宮田 和典 氏

業務フロー (仕様書作成など ) の開発現場 看護師自らが PowerPoint でシステムの画面設定を行い、業務フローの見直しを行っている

医療法人明和会宮田眼科病院CIO/技術士 (情報工学部門 )杉浦 和史 氏

Page 3: Windows 7 PC 開発しやすさとハードウェアの選択 …download.microsoft.com/download/4/3/9/4393FE16-189E-4B08...Windows 7 ベ ースの レ トPC であるE eSlat B 12

医療法人明和会 宮田眼科病院

ようパッケージをカスタマイズするなら、ゼロから作ったほうがコストを低

く抑え、使い勝手の良いものを作ることができます」と続けます。

そのため、宮田眼科病院では、開発会社にすべてを任せるのではなく、

仕様書を現場の看護師、検査員、医事会計課員が作成しています。看護

師が自らワークフローを見直し、画面設計を Microsoft® PowerPoint®

で書き、プロトタイプ開発に回し、できあがったプロトタイプのテストと

ブラッシュアップも現場のスタッフが行うことで、業務とユーザー目線に

立ったシステム作りが行われています。「既存のシステムはユーザーが関与

せずに作られているという印象があります。少なくとも医師の目線には立っ

ても、看護師の目線では作られていません。業務を一番よく知っているの

は看護師をはじめとするスタッフです。スタッフがシステムを考えることに

よって、当たり前だと思っていた業務を見直すことができることもねらい

の 1 つです。IT に投資する意味の半分は、スタッフの教育のためだと言っ

ても過言ではありません」と宮田 氏は話してくれました。

導入効果業務の無駄や無理を低減することで 目に見えない医療の向上も生まれる

今後、本格導入される Eee Slate B121 のシステ

ムによって、宮田眼科病院では業務の無駄をな

くし、大幅な業務効率の向上を期待しています。

最新の患者情報を参照しながら、患者の容態を

観察し、要望などをその場で入力できるようにな

れば、転記ミスや記入漏れなどのミスを防ぐこと

ができ、タイムリーに正しい情報を修正蓄積し、

利用することでそれぞれの業務の中でスムーズな

連携ができるようになります。「診療の質を保ち

ながら、無理や無駄を省いて病院全体のパフォー

マンスを上げるために、Eee Slate B121 を含め

た院内統合電子化が役立つと考えています。診療時間を短縮するのでは

なく、スムーズな連携を行うことによって診療に時間をかけられるように

することが目的です」と話す杉浦 氏。同様に、宮田眼科病院事務長の

丸目 秀信 氏も「今回のシステム導入で負荷が軽減され、スタッフは余裕

を持って患者さんに接することができるようになります。その中で、Eee

Slate B121 の果たす役割は大きいと思います」と続け、医療の質の向上

だけではなく、患者満足度や従業員満足度の向上にも貢献できることを

明かしてくれました。

このようなシステムを作るにあたっては「トップ ダウンでビジョンを作って、

ボトムアップでアクションするという役割分担が重要です」と丸目 氏は話

します。「現場のスタッフの声を一方的に聞くだけでなく、考え方を示し

修正を行う優れたコーディネーターがいなければよいシステムは作れませ

ん。我々はその体制ができているので、よいシステムで業務改革ができる

と確信しています」。

また、Eee Slate B121 は看護師の業務をサポートするだけでなく、さま

宮田眼科病院が導入した製品

ASUS「Eee Slate B121」 ソフトウェア:Windows 7 ProfessionalCPU:インテル® Core™ i5-470UMプロセッサー (1.33GHz)インテル® Core™ i5-470UMプロセッサーに加え、ワコムの直感的なユーザー インターフェイス技術「Wacom feel IT technologies」を採用するなど、業務での活用に十分応えられるスペックを備えたパワフルな高性能スレート PC。滑らかな書きごこちの専用 EMR ペンが付属し、文字認識の高さと入力のしやすさも実現している。

ワコム液晶ペンタブレット DTU-223121.5 型、フル HD ワイド液晶を搭載したペンタブレット。大画面で高品位な表示を実現し、電子カルテの操作もスピーディで正確な入力を可能にしている。

最新の医療機器を備えた診察室 スレート PC を活用した診察風景

医療法人明和会宮田眼科病院事務長丸目 秀信 氏

Page 4: Windows 7 PC 開発しやすさとハードウェアの選択 …download.microsoft.com/download/4/3/9/4393FE16-189E-4B08...Windows 7 ベ ースの レ トPC であるE eSlat B 12

医療法人明和会 宮田眼科病院

〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー

導入についてのお問い合わせ

5304-SE1

本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2012 年 4 月) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:30 ~ 12:00、13:00 ~ 19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除く)※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。

*Microsoft、PowerPoint、Windows は、米国 Microsoft Corporation および、またはその関連会社の商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

ざまな場面で活用できると杉浦 氏は言います。「現在紙で持ち運んでい

る情報の参照はもちろんですが、新鮮な情報をタイムリーに利用したいと

いうニーズは、多種多様です。手術の術前処置や外来処置、医師の診

察中の説明にも Eee Slate B121 は使えると考えており、そのためのシス

テムも開発しています」と話す杉浦 氏。現場の声から業務を見直して行く

ことで、同じ情報をベースとした違う使い方が次 と々生まれていることが

うかがえます。さらに、音声認識による情報の入力も宮田眼科病院は計

画しています。これが実現すれば、病室内や問診時に両手がふさがってペ

ン入力しにくい場合などに便利に使うことができます。

今後の展望情報共有のシステムや最新の診療方法を 都城市から全国に広げていく

今後は、今回作っているシステムやしくみを全国に広げて行きたいと杉浦

氏は考えているようです。同様に宮田 氏も「我々の業務フローが他の病

院でそのまま使えるとは限らないし、ある程度のカスタマイズは必要でしょ

うが、現場の声が反映されているシステムなので、少なくとも眼科では利

用してほしいですね」と話します。

一方で、導入後の課題についても既に目を向けているようです。「システ

ムが出来上がったらすべてうまくいく、とは考えていません。初めてのシス

テムなので評価しながら進めていく必要があるし、改善を繰り返すことで

より品質の高いものにしていかなければなりません。紙のカルテを持ち運

ぶ手間がなくなったら、その手間をどのように他の業務に使えるかも考え

ていく必要もあります。情報共有によってすべてのデータが見えてくれば、

スタッフの勤怠状況も見えてくるので、それを給与に反映させるなどのス

タッフのモチベーションを上げるしくみも考えていきます」と宮田 氏は話し

ます。

宮田眼科病院のシステム作りは、経営側とスタッフと患者の 3 者にメリッ

トがあり、3 者が満足するものとなるように進められています。「院内総

合電子化ができあがることで、私が目標としてきた眼科医療の第一章が

終わり、次のステップに進めると感じています。これまでも、高度な眼科

医療を地域に提供するために、研究室の設置や各大学の教授による専

門外来などの試みを行ってきましたが、医療を動かすためのしくみやスタ

イルがやっとできあがることになります」と話す宮田 氏。今後はこれらを

ベースにさらに高度な医療を地域に還元し、地方発信で実際の診療に根

ざした新たな技術の探求を宮田眼科病院は行っていきます。

看護師がスレート PC を使って診察記録を入力 医師がワコム液晶ペンタブレットを使って電子カルテを操作

スレートPCは、診察室、病室、手術室、受付などのあらゆるシーンでの活用が考えられ、宮田眼科病院ではそれぞれの業務フローに合わせたシステム作りが行われている