windows azure のスケーラビリティを背景に、コンテンツ管理...

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株式会社産経デジタル ( 以下、産経デジタル) 2005 11 月、国内の主要新聞社 初のデジタル事業専業子会社として設立。翌 2006 2 月から、本格的な活動を開 始しました。以来、新聞、雑誌をはじめとするバラエティー豊かな媒体展開を図る産 経新聞グループならではのコア コンピタンスを活かしながら、その一翼を担うメディア として、速報性や自在性などデジタル媒体のメリットをフルに駆使しながら、ユーザー にとって有益な情報の提供を目指した活動を続けています。 また、同社と日本マイクロソフト株式会社が共同運営する『MSN 産経ニュース 』 (http// sankei.jp.msn.com) は、本紙に先行した形でスクープ記事を掲載するなど、独自の速 報性を発揮。紙面と Web のニュース編集体制の統合を図り、さらに高質なニュース サイトの構築を実現しています ( 画面 1)同サイトは、 2011 1 月のリニューアルを契機に、サイト内の新サービスとして『MSN 産経フォト』の提供を開始しました。このサービス形成には、高画質を尊重しながら速 報性やアーカイブ性、検索性などを最大限に発揮、一般のアマチュア カメラマンから の投稿などにも対応する柔軟性とスケー ラビリティが求められました。そこで、ク ラウドに対応した Web コンテンツ管理シ ステム (Contents Management System = CMS) であ る「Sitecore CMS Azure Edition」を採用。Windows Azure なら ではの開発生産性を背景に、初期投資を 抑えながら短期間での構築を実現し、現 在もアクセス数を拡大し続けています。 導入の背景とねらい 写真を愛する人たちが一堂に会し、 写真を介した交流の場を築く 撮影したフィルムをラボに持ち込んだり、プリントしたりという手間もなく、撮ったその場ですぐ に確認したり、メールを介して配布、共有することができるデジタル カメラの普及で、だれもが 気軽に写真を楽しむ文化が定着してきました。事実、携帯電話で「写メ」を撮るのは、すっかり 日常生活の一部分となった観があります。さらに出かけるときに は必ずカメラを携行し、目についたものを何でも被写体として撮 る人も増えています。 産経新聞 東京本社 写真報道局デジタル担当動画推進室 後藤 徹二 氏は、こう語ります。 「私たちは、3 年ほど前から写真総合サイトを構想していました。 つまり、写真がより身近になった時代趨勢に応えて、アマチュア からプロのカメラマンに至るまで、写真を愛する人たちが立場や ロケーション、国境をも越えて一堂に会し、自ら撮影した写真の 発表や共有を実現することができる、そんな総合写真サイトを築 こう、というのが MSN 産経フォトそもそもの発想だったのです」。 ソリューション概要 ○プロファイル 国内の主要新聞社初のデジタル事業専業子会 社として設立された株式会社産経デジタルは、 報道用ニュース情報の収集、販売、ニュース イトやデジタル コンテンツ、モバイル コンテン ツの企画制作運営などをトータルに推進してい ます。産経新聞本紙と協調しながら、日本マイ クロソフトと共同運営する『MSN 産経ニュース 』 Web 媒体ならではの特性を発揮。『MSN 経ニュース 』のリニューアルを契機に、同サイト 内に総合写真サービス『MSN 産経フォト』の提 供を開始しました。 ○ソフトウェアとサービス Windows Azure Platform ○パートナー企業 シグマコンサルティング株式会社 サイトコア株式会社 ○メリット アクセスの急増やトラフィックの変動に柔軟 に対応 コンテンツ サイズを最適化させ、大量配信も スムーズに実行 初期投資や開発期間、運用負荷加等を抑え た構築を実現 ○ユーザー コメント 「今回、できるだけ大きくきれいな画像データを 保持し、しかも容易な操作性や検索性、快適 なレスポンスの実現という難 題をお願いしまし た。『MSN 産経フォト』は、コンテンツ量やア クセス数の急増を背景に、作りながら考え、さ らに機能を向上させながら走る、というスパイ ラルな成長性を持ったサイトとして動き続けてい ますが、今後さらにその姿勢を堅持し、時代ニー ズを先取りした新サービスを拡大していきたいと 思います」 産経新聞 東京本社 写真報道局デジタル担当動画推進室 後藤 徹二 株式会社産経デジタル Windows Azure のスケーラビリティを背景に、コンテンツ管理 システム Sitecore CMS で自在性を確保。掲載、投稿、閲覧、 蓄積をスムーズに行う総合写真サイト『MSN 産経フォト』を構築。 株式会社産経デジタル 画面 1 MSN 産経フォト トップ画面

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株式会社産経デジタル (以下、産経デジタル) は 2005 年 11 月、国内の主要新聞社初のデジタル事業専業子会社として設立。翌 2006 年 2 月から、本格的な活動を開始しました。以来、新聞、雑誌をはじめとするバラエティー豊かな媒体展開を図る産経新聞グループならではのコア コンピタンスを活かしながら、その一翼を担うメディアとして、速報性や自在性などデジタル媒体のメリットをフルに駆使しながら、ユーザーにとって有益な情報の提供を目指した活動を続けています。また、同社と日本マイクロソフト株式会社が共同運営する『MSN 産経ニュース』(http//

sankei.jp.msn.com) は、本紙に先行した形でスクープ記事を掲載するなど、独自の速報性を発揮。紙面と Web のニュース編集体制の統合を図り、さらに高質なニュース

サイトの構築を実現しています (画面 1)。同サイトは、 2011 年 1 月のリニューアルを契機に、サイト内の新サービスとして『MSN

産経フォト』の提供を開始しました。このサービス形成には、高画質を尊重しながら速報性やアーカイブ性、検索性などを最大限に発揮、一般のアマチュア カメラマンからの投稿などにも対応する柔軟性とスケーラビリティが求められました。そこで、クラウドに対応した Web コンテンツ管理システム (Contents Management System

= CMS) である「Sitecore CMS Azure

Edition」を採用。Windows Azure ならではの開発生産性を背景に、初期投資を抑えながら短期間での構築を実現し、現在もアクセス数を拡大し続けています。

導入の背景とねらい写真を愛する人たちが一堂に会し、写真を介した交流の場を築く

撮影したフィルムをラボに持ち込んだり、プリントしたりという手間もなく、撮ったその場ですぐ

に確認したり、メールを介して配布、共有することができるデジタル カメラの普及で、だれもが

気軽に写真を楽しむ文化が定着してきました。事実、携帯電話で「写メ」を撮るのは、すっかり

日常生活の一部分となった観があります。さらに出かけるときに

は必ずカメラを携行し、目についたものを何でも被写体として撮

る人も増えています。

産経新聞 東京本社 写真報道局デジタル担当動画推進室 後藤

徹二 氏は、こう語ります。

「私たちは、3 年ほど前から写真総合サイトを構想していました。

つまり、写真がより身近になった時代趨勢に応えて、アマチュア

からプロのカメラマンに至るまで、写真を愛する人たちが立場や

ロケーション、国境をも越えて一堂に会し、自ら撮影した写真の

発表や共有を実現することができる、そんな総合写真サイトを築

こう、というのが MSN 産経フォトそもそもの発想だったのです」。

ソリューション概要

○プロファイル国内の主要新聞社初のデジタル事業専業子会社として設立された株式会社産経デジタルは、報道用ニュース情報の収集、販売、ニュース サイトやデジタル コンテンツ、モバイル コンテンツの企画制作運営などをトータルに推進しています。産経新聞本紙と協調しながら、日本マイクロソフトと共同運営する『MSN 産経ニュース』でWeb 媒体ならではの特性を発揮。『MSN 産経ニュース』のリニューアルを契機に、同サイト内に総合写真サービス『MSN 産経フォト』の提供を開始しました。

○ソフトウェアとサービス・ Windows Azure™ Platform

○パートナー企業シグマコンサルティング株式会社サイトコア株式会社

○メリット・ アクセスの急増やトラフィックの変動に柔軟に対応

・ コンテンツ サイズを最適化させ、大量配信もスムーズに実行

・ 初期投資や開発期間、運用負荷加等を抑えた構築を実現

○ユーザー コメント「今回、できるだけ大きくきれいな画像データを保持し、しかも容易な操作性や検索性、快適なレスポンスの実現という難題をお願いしました。『MSN 産経フォト』は、コンテンツ量やアクセス数の急増を背景に、作りながら考え、さらに機能を向上させながら走る、というスパイラルな成長性を持ったサイトとして動き続けていますが、今後さらにその姿勢を堅持し、時代ニーズを先取りした新サービスを拡大していきたいと思います」

産経新聞 東京本社写真報道局デジタル担当動画推進室後藤 徹二 氏

株式会社産経デジタル

Windows Azure™ のスケーラビリティを背景に、コンテンツ管理システム Sitecore CMS で自在性を確保。掲載、投稿、閲覧、蓄積をスムーズに行う総合写真サイト『MSN 産経フォト』を構築。

株式会社産経デジタル

画面 1 MSN 産経フォト トップ画面

株式会社産経デジタル

日本マイクロソフト株式会社 コンシューマー &

オンライン事業部 MSNサービス部 シニアプロ

デューサー 東郷 龍一は、そんな構想をビジネス

パートナーとして以下のように受け止めました。

「スムーズなサイト運営やレスポンスの実現、さ

らにコスト リダクションという二律背反要素を両

立させること。さらに、新聞社として写真品質に

こだわるマインドに最大限応えるためにはどうす

れば良いのかがポイントでした」。

当初、取材現場を飛び回るカメラマンや記者な

どの意向を汲むために、スクラッチ ベースのシス

テム開発も考慮されました。しかし、続 と々蓄積

されていく画像データや、一般からの投稿の拡大

を予測し、サーバーやストレージなどのハードウェ

ア資産を、常に過不足なく確保しておくのは容易

ではありません。

そこでハードウェア リソースをローカルに保有す

るのではなく、必要に応じて、必要なだけネット

の向こう側から調達するクラウド コンピューティ

ングが正解であるという結論を得たのです。

「私たちは、さらに汎用性が高く、優れたパッケー

ジ ソリューションを活用することで、開発コスト

と期間の圧縮を狙うことが得策であると考えた

のです」 (東郷 )。

システム導入の経緯クラウドを背景に、自由度が高く即応性や拡張性を実現するポータルを築く

MSN 産経フォトの構築にあたっては、.NET ベースの業務システム開発

や Windows Azure を活用した企業向けクラウド コンピューティングに

多くの実績を有しているシグマコンサルティング株式会社 (以下、シグマ

コンサルティング ) を、システム構築のパートナーに選定。同社 代表取

締役 橋本 圭一 氏のアドバイスを仰ぎました。橋本 氏は、その経緯を以

下のように回想します。

「今回のご要望は、画像の大きさや品質を重視して、写真の解像度は高

く保ちたい。その一方で、自由度が高く、特別

な技術や習熟を問わず、誰でも自在なレイアウ

ト等が図れるシステムにしたいというものでした。

しかも、2010 年の 11 月にご相談いただいたの

ですが、翌 2011 年の 1 月 17 日のサービス開

始は規定事項となっていたのです」。

時々刻々と変化する社会を睨む報道機関の

Web サイトとして、高頻度で追加、更新される

画像データの処理を、高い操作性の下に実行で

きること。しかも、それを 2 か月強という短期

間で完成させるためには、Windows Azure に対応し、高い機能性や操

作性、さらに確かな実績の下に信頼性が確保された Web コンテンツ管

理システムを活用することが求められていました。

橋本 氏は、以上の観点からさまざまな製品を吟味。その結果、ますま

す複雑化する Web サイトの構築、管理、運用をシンプルにするコンテン

ツ管理ソリューションとして、Sitecore CMS が最適であるという結論に

達しました。

デンマークに本社を置くサイトコア社の Sitecore CMS は、他に先駆けて

いち早く.NET フレームワークを採用した Web コンテンツ マネジメント

システムです。チケット販売とオンライン マーケティングを複合させた英

国『マンチェスター シティ フットボール クラブ』のサイトなど、世界各国

で大規模な Web サイト構築、運営を実現してきた実績を誇っています。

その日本法人であるサイトコア株式会社 マーケティング & テクノロジー

担当 取締役副社長 高沢 冬樹 氏は、MSN 産経

フォト立ち上げの際の打診について、こう語ります。

「今回のシステムは、私たちのコンテンツ管理シ

ステムを、写真入稿のためのポータル的な仕組み

として使いたいというものでした。スケーラブル

な Windows Azure をプラットフォームに、ニュー

スに求められるスピード感やコンテンツの多さ、

さらに将来に向かう逐次的な拡張性と高い自由

度の実現など、要件が非常に高度で、デンマー

ク本社を含めワールド ワイドのサイトコア全体か

らも注目を集める案件だったのです」。

システムの概要スケーラブルなWindows Azure 環境下で高い自由度を発揮

ニュース性の高いテーマを扱う報道サイトは、大きなトピックがあれば一

気にアクセスが上がります。そこで、本システムには急激なトラフィックの

変動にも耐え得るフレキシビリティが求められていました。

「私自身、本格的な Sitecore CMS Azure Edition の活用は初めての経

験でした。そこで Windows Azure における Sitecore CMS の性能など

を検証しながら、構築を進めていきました。その過程で、Azure 環境下で

も十全の機能が発揮できる、という確信が膨らんでいきました」 (橋本 氏) 。

こうして、 2 か月強という開発期間の中で、最大のパフォーマンスを出す

ための挑戦が続けられました。たとえばアクセスが一気に集中した場合

にも、レスポンスを落とさないためにさまざまな試行を繰り返し、その一

環として 12 月末には北米にあったノードを香港に変更。その努力が功を

奏し、レスポンスが大きく向上しました。さらに、大量のコンテンツをよ

り軽く扱うために、コンテンツ サイズの最適化を進め、検索のしくみな

ども新たに作り込みました (図 1)。

コンテンツ サイズの側面では、印刷に耐えうる画質をキープしたいという

のが、報道メディアとしての産経デジタルの要望でした。

「さらに画像品質とともに、キャプションなどの付加データも極力たくさ

日本マイクロソフト株式会社コンシューマー & オンライン事業部MSNサービス部シニアプロデューサー東郷 龍一

サイトコア株式会社マーケティング & テクノロジー担当 取締役副社長高沢 冬樹 氏

産経新聞 東京本社写真報道局デジタル担当動画推進室後藤 徹二 氏

シグマコンサルティング株式会社代表取締役橋本 圭一 氏

ユーザー

産経デジタル社内環境

Windows Azure Platformデータ センター

Sitecore CMSAzure Editionアクセス数の増減に

応じて配信サーバー数を柔軟に変更

社内環境から公開用コンテンツを発行

CDN により月間 2,000 万 PV 以上のアクセスに対応インターネット

AzureCDN

コンテンツ管理サーバー

編集者

図 1 Sitecore CMS Azure Editionを使用した「MSN 産経フォト」サイト構成概要図

株式会社産経デジタル

ん盛り込みたいとお願いし、さまざまな技術的ご尽力をいただきました。

一方、当初は絞りやシャッター速度、レンズの焦点距離などの画像情

報や撮影日時などの付加情報を記した Exif (Exchangeable Image File

Format) データは、写真ファンにとってマスト要素だと考えていました。

ところが、MSN 産経フォトのサービス開始後にわかったことなのですが、

自ら写真撮影するという積極的な写真ファン以外の方にも裾野が広がり、

必ずしも多くの方が撮影データを気にしているわけではないことがわかり

ました」 (後藤 氏 ) 。

「他方で、ご覧になる方はさまざまな環境やデバイスからアクセスして来

られるのです。そこで、スマートフォンで閲覧したときにも満足できるク

オリティを基準にしました。このあたりも、マルチ デバイスに対応した

Sitecore CMS に助けられました」 (橋本 氏 ) 。

導入の成果コンテンツやアクセスの急増にクラウドの柔軟性が大きく貢献

こうした努力を積み重ね、MSN 産経フォトは当初の予定どおり 2011 年

1 月 17 日にサービスを開始。世界中から選りすぐりの写真を紹介する

コーナーや、ユーザーの投稿サービスをはじめ、女性ならではの視点で

捉えた写真や、新製品情報コーナー、デジタル カメラのハイビジョン動

画撮影機能を使った映像など、写真の楽しさをさらに拡大してくれるコン

テンツが溢れるサイトとなりました。

中でも、マウスやタッチ パッドの簡単な操作だけで、景色を 360 度グル

リと回転させることができる「パノラマ写真」機能は、このサイトならで

はの独自サービスで、世界各地からアクセスが殺到する人気コーナーと

なっています。

「MSN 産経フォトは、サービス イン後も恒常的なブラッシュ アップを継

続しており、さらに大きな画像コンテンツの大量配信をスムーズに実行す

るために、CDN (Contents Delivery Network) なども考慮しています。

2011 年 2 月にはノードへのアクセスやそれに伴う I/O スループットを軽

減するために、日本にキャッシュを置くなどの工夫を凝らしました」 (橋本

氏 ) 。

「私たちは、これでサイトが完成したとは思っていません。走りながら考え、

作り上げていく意識を大切に、常に『現状はベータ版である』という気持

ちで、精力的な実験を続けていきたいと考えているのです。たとえばパノ

ラマ写真は、あたかも自分がその景色の中心にいるような気分にさせてく

れるユニークなコーナーですが、いつも『このサイトでしか見られない』と

いうコンテンツの価値や感動を大切に、それらをより効果的に見せる工

夫を継続していきたいと考えています」 (東郷 ) 。

折しも、サービス開始から 2 か月を経た 2011 年 3 月 11 日、東日本大

震災が起こりました。世界中が見守る現地の状況をリアル タイムで伝え、

新聞が届かなくなったエリアにも、視覚情報を含めた状況を届けることが

できるメディアとして、同サイトへのアクセスはさらに急増したのです。

事実 3 月末の時点で、1 年後に想定していたページ ビュー数に到達。

このようなコンテンツやアクセスの急増への対応にも、クラウドの柔軟性

が大きく貢献してくれました。ハードウェア資産をローカルに置いたオン

プレミス環境では、このような事態への対応は難しかったはずです。

現地に入ったカメラマンたちからは、地震とその後の津波で大きな被害を

受けた東北各地の様子が、刻 と々伝えられてきました。パノラマ写真など

他の媒体にはない表現によって、世界の人々が被害の大きさを身をもって

知ることができ、今後の継続的な支援の必要性を痛感しました。また、

記者やカメラマン達が「この現状をしっかり伝えてください」と、被災した

多くの方々から逆に励まされている光景にも遭遇しました。

後藤 氏は、このような経験を通じて、現場の記者やカメラマンの意識も

大きく変わったと語ります。

「従来の紙媒体は、締め切りや紙面スペースなどの時間的、空間的制限

から、せっかくの取材成果が発表できないケースも少なくなかったのです。

しかし、Web を基盤とする『MSN 産経フォト』ならば、そのような物理

株式会社産経デジタル

〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー

導入についてのお問い合わせ

5100-WI1

本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/showcase/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2011 年 6 月) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:30 ~ 12:00、13:00 ~ 19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除く)※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。

*Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporation および、またはその関連会社の商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

的条件に縛られることなく、リアル タイムな成果を全世界に向けて随時

発信することができ、それがアーカイブされていくのです。この事実は、

報道人としてのモラル アップやモチベーション アップにも大きく貢献して

くれました」。

今後の期待現場ニーズや利用者の声に耳を傾け、成長し続けるシステムとして育てていきたい

社会は日々動いており、それを伝える報道サービスもまた生き物なのです。

したがって Web サイトにも、必要に応じて高頻度の更新が求められます。

そのためには、だれもが容易に変更できるハンドリング性が不可欠な要

素でした。

「私たちのサービスでは、1 つのページを複数の担当者が分担して構成す

ることも多いのですが、Sitecore CMS を基盤とするこのシステムは、各

自が担当分だけを簡単に変更できるので助かっています。旧来のように、

HTML の記述に依拠していたのでは、迅速な更新が阻害されますからね」

(東郷 )。

「操作性という意味では、習熟度を問わない直感的なインターフェイスも

大きな魅力です。現在、主に現場のカメラマンや記者自身がページ作り

や更新を担当していますが、彼らの多くは特別な訓練やトレーニングを受

けていない、初めてシステムに触る人たちでした」 (後藤 氏 ) 。

「今回の案件は、シグマコンサルティングさんの高い技術力によって、

Sitecore CMS Azure Edition に新たな可能性を拓くことができました。

その意味でも、大変感謝しています。スケーラブルな Windows Azure

Platform を舞台に、日々拡大し続ける膨大な報道データの管理を行うと

いうミッションに対して、柔軟で自由度の高いソリューションをこの日本か

ら築くことができ、私たちの製品をさらに鍛えることもできました」 (高沢

氏 ) 。

産経デジタルでは、今後さらに新聞本紙との連動性を深めながら、MSN

産経フォトを Web ならではの即応性や拡張性、インタラクティブ性を発

揮したサイトとして成長させていきたい、としています。

そんな要望に技術で応えるのが自らの使命とする橋本 氏は、今後の展望

をこう締めくくりました。

「さまざまな現場の要望や利用者の声を、具体的なシステムに迅速に反映

させることが私の仕事です。今後とも、Windows Azure のスピード感や

Sitecore CMS の柔軟性やデータ管理の容易性が、それを後押ししてくれ

るものと確信しています」。