x 線衛星あすかによる smc サーベイ最終報告

1
X X 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 SMC SMC 線線線線線線線線 線線線線線線線線 http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/jun/job/phd/ http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/jun/job/phd/ Abstract Abstract 線線線 線線線線線線線 線線線線 「」 SMC 線線線線線線線線線線線線線線線 106 線線 線線線線線線線 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 一一体 線線 線線線線線線線線線線線 。。 線線線線線線 8 線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線 HMXB 線線線線 線線線線線線線線 +) 8 線線線線 SNR 線線 X 線線線線線線 線線 5 線線線線線線線 線線 SNR 線線線線線線線 3 線線 O, Ne, Mg 線線線線線線線 type-II 線線線線線 HMXB 線線線 SNR 線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線「」 線線 線線線線線線「」 HMXB 線線線 SNR 線線線線線線線線線 HMXB 線 SNR 線線線線 線線 線線線 体、 AGN 線線線線 線線線線線線線線線線線線線線 HMXB 線 main body 線 wing 線線線線線線線 SNR 線 HMXB 線線線線線線線 SNR 線線線線線線線線線線type-II 線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線SMC 線線線線線線線線線 SMC 線線 HMXB 線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線 SNR 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線 、? 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 SMC SMC X X 線線線線線線 線線線線線線 線 : 2-7keV 線 : 0.7-2keV 線線線線線線線 体、 線線線線線線線線線 体。 線線線 106 線S/N>5 X X 線線 線線線線線線線線 体? 線線 線線線線線線線線 体? 線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線 SNR 線線線線線線線 線線線 X 線線線 線 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線 線線線線線 「」。 、 線線線 線線線 線線線線線線線線線線線線線線線 線線線 線線線線線線 X体。、X体( “ population study” 線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 線 線線線 線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 線線 線線線線 、、X体X、。体、 線線線線線線 (type-Ia SNR) 線線線線線線線 (type-II SNR) 線線線線線線 (Crab- like 線線線線 ) 線線線線線線 (HMXB) 線線線線 (LMXB) 線線線線 線線線線線線線線 線線線線 。、 線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 X、。 線線線線線 線線線線 線線線線線 線線線線 SMC SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 、一。 SMC 線線線線 線線線線 線線線 、、 線線線線 線線線線線線 3 線線 線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線 、。 X X 線線線 線線線線 「」 線線線 線線線線 「」 線線線線線線 「」、 SMC 線線線線線X 線線 線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線 2 線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線 、「」。 0.5-10keV 線線線 線線線 ~arcmin 線線線線 線線 50’ 線線線線線線線線線線2%@6keV 線線線線線線線~0.5s, 60ms 線線線線線線線線線線 線線SNR 線 type 線線線線線線ROSAT 線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 「」 線線線線線線線線 「」 線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線 、。 線線線線線線線 線線線線 () 線線 type-Ia 線線線線線 線線線線線線線線線線 線線線線線線 :1 線線線線線線線線線 40ks 80ks 線 180ks 線線線線線線線線線線線線線 線線線線線 線線線線線線 線線線線線線 線線線線線線線 (Gotthelf et al. 2000) 線線ROSAT 線線線線線線線線線 GIS 線線線線線線線線 40’ 線線線線線線 ~40” 線線線線線線線 線線線線線線線 20’ 線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線 、。 Timing Timing 線線 線線線線線 (、 線線 線線線線線 (、 LMXB LMXB 線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線 FFT 線線線線 線線線線線線線 線 ()。 →17 線 線線線線線線線 線線 8 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線 線線線 、体 線線線線線線 線線線線線線線 (、) → 線線線線 HMXB Crab-like 線線線線線線線線線線 一、 LMXB 線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線 体。 →SMC 線 LMXB 線線線 線線線線線線線線線 () 線線線線線線線線線線線線線線SNR SNR type type 線線線線線線線線8 線線線線 SNR 線線 X 線線線線線線線 線線線 線線 5 線線線線線線線線線線線線線線 SNR 線線線線線 線線線線 3 線線 O, Ne, Mg 線線 overabundant 線線線type-II 線線線線線 線線線線線線 線線線 線 ()。 線線線線線線 線線 線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 線線線線 線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 LMXB 線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 (~172s) 線線線線線線線線線線線線SMC 線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線 80 線線線線線線線線線SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 LMC 線線線線 8 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線 線線線線 () 線線 線線線線線 ・・ 西 線線線線 線線線線 西 線線線線R. Corbet 線線線SNR 0102-723 (Hayashi et al. 1994) O Ne Mg Si Discussion (3) – X Discussion (3) – X 線線 線線線線線 線線 線線線線線 線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線 、「」 ROSAT 線 線線線線線 線線 )、 X 線線 線線線線線線線線線線線線線 体。 SMC 線線線線線線 線線線線線線線線線線線 LMC 線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 線 。( :L:S = 100:10:1 線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線 、。。 HMXB 線線線線 SMC 線線線線線線HMXB 線線線線線線線線線線線線線線線 → 線線線線線線 SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線 LMXB 線線線線線線線線線線線線線SMC 線線線線線線線線線線線線)。 LMXB 線線線線線線線線線線線線線線 → 線線線線線線線線線線 3 線線線線線線線線線線線線線線線線 HMXB 線 SNR 線線線線 SMC 線線線線線線線線SNR 線線 type-Ia 線 線線線線線線線線線線線線線 type-II 線 線線線線線線線線線線線線線線 2 線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線 type 線線線線線線線線線 SMC 線 SNR 線線線線 type-II 線線線線線線 線線線線線線線線線線 (: Discussion (2) 線線 LMC 線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線 type-II 線線線線線線線線 LMC 線線線 SNR 線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 。、 SNR 線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線 、) 線線線線 type 線線線線線線線[HMXB]/[type-II SNR] 線線線線線線線線SMC 線 3.4, LMC 線 0.7, 線線線線 0.5 線線線SMC 線線線 [HMXB]/[type-II SNR] 線線線線線線線線線線HMXB 線 type-II SNR 線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 、、 X 線線 線線線線線線線線線線線線線線 体( HMXB 線 100-1000 線線SNR 線線線 10 線線 線線線線 )。、 [HMXB]/[type-II SNR] 線線 線線 1000 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 SMC 線線線線線線線線線線線線 1000 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線 LMC 線線線線 SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線HMXB SNR LMXB SMC 71 21 0 LMC 18 50 1 線線線 83 330 130 HMXB SNR LMXB SMC 71 21 0 L/10 1.8 5.0 0.1 線 /100 0.83 3.3 1.3 線線線 線線線線線線線線 LMC 線線線線線線線線線 SMC 線線線線線線線線 線線線線 線線線線 ? Discussion (1) – Discussion (1) – 線線線線線線線 線線線線線線線 線線線線線線線線 線線線線線線線線線線 線線線 「」 HMXB 線線線線線線線 SNR 線線線線線 線線線 線線線線線線 。、 AGN 線線線線線線線線線線線 線線線線線線 7 線線線 線線線 線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線 。。 線線線線線X 線線線線線線線線線 HMXB 線線線線線線線線線線線 SNR 線線線線線線線線X 線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線 」。 hardness ratio (HR) 線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 、。 HR = (H-S)/(H+S); H, S 線線線線線 2-7keV, 0.7-2keV 線 photon 線線線線線 HR 線 Lobs 線 線線線線線線線線線線 luminosity 線線線線線線線線線線線線線 線線線線 HMXB 線線線線線線 SNR AGN 線線線線線線線線 HR 線線線 線線線線線線 HMXB 線線線線線線線 SNR 線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線 線線線線 線線線線 線 )。体()、 HMXB 線線線線線線線 SNR 線線線線線線線線線 線線線線 線線線線線線 体。 線線線 HR 線線線線 線線線線 線 体体 33 線線線線 線線 HR 線線線線線線線 線AGN 線線線線線線線線LMXB BH Crab-like 線線線線線線線線線 線線線 AGN 線 logN-logS 線線線線33 線線線線線線線線 AGN 線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線 : HMXB 線線線線 ○: 線線 SNR ◇: AGN 線線線線 □: 線線線線線線 △: HMXB 線線線線線○: SNR 線線線線線線線線○: 線線線線 線線線線線 () Discussion (2) – Discussion (2) – 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 HMXB SNR AGN 線 3 線線線線線線線線線線線線Discussion (1) 線線線線線線線線 線線 体、 ROSAT 線線線線線線線 HMXB 線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線 。、。 HMXB 線線線線線線線線SNR 線線線線線線線線AGN 線線線線線線線線 HMXB 線 main body 線 wing 線線線線線線線HMXB 線線線線線線線線線線線線線線線 → 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線 Maragoudaki et al. 2001 線線線線 線線線線 main body 線 wing 線線線線線線線線線線線線線線線線 SNR 線 HMXB 線線線線線線線線線線線線線SNR 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 → 線線線 SNR 線線線線 type-II 線線線 AGN 線線線線 線線線線線線線線線 一。 AGN 線 SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線◇線 線線線 HR 線線線 33 線線線 線線線線線 体、 logN-logS 線線線線線線線線線線線線 AGN 線線線線線線線線線線線 Discussion (1) 線線 線線線線線線線線線線 線線線線線 )。、 AGN 線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線 線 線 線線線・・・」「・・・」 SMC 線 LMC 線線線 線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線 一。、 線線線線線線線線線線線線SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線SMC 線 LMC 線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線 線線線線線線 、( + 線線線線 system 線線線線線線線LMC 線線線線線線線線線 SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 LMC 線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線 SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線2002 線 3 線 24 線 線線線 線線 p.s. 線線線線線線線線線線線線SMC 線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線線 線線線線線線線線線線線線線線線 。。 SMC 線線線線線 線線線線線線線 線線線線線線線 HMXB( 線線線線 線線線線 ) 線線 線線線線線線線 線線線線線 線線線線線線 (Crab-like 線線線線 ) LMXB( 線線線線 線線線線 ) 線線線線線線線線線線線 線線線線 > 線線線 線線線線 線線線線線線線 線線線線線 線線線線 線線線線線 線線線線 SNR(type-II) SNR(type-Ia) 線 線線線線線 線線線 X 線線線 R12b R12b 1 2 3 4 5 6 7 8

Upload: kalani

Post on 19-Mar-2016

48 views

Category:

Documents


0 download

DESCRIPTION

数十億年. 白色矮星へ 質量降着. 小質量星の連星. 超新星爆発. SNR(type-Ia). R12b. SNR(type-II). 数千万年. 超新星爆発. 単独中性子星 (Crab-like パルサー). ガス. 単独の大質量星. 数千万年. 一方が超新星爆発. HMXB (中性子星+大質量星). 大質量星の連星. > 数億年. 中性子星. 小質量星と遭遇?. LMXB (中性子星+小質量星). □: 正体不明天体 △: HMXB ( パルスなし) ○: SNR ( 熱的かどうか不明) ○: パルサー (素性不明). - PowerPoint PPT Presentation

TRANSCRIPT

Page 1: X 線衛星あすかによる SMC サーベイ最終報告

XX 線衛星あすかによる線衛星あすかによるSMCSMC サーベイ最終報告サーベイ最終報告

http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/jun/job/phd/http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/jun/job/phd/

AbstractAbstractX線衛星「あすか」により、近傍銀河 SMC のサーベイを完遂した。検出された 106 個のX線ソースに対し、一つ一つ詳しい解析を加え、どういう種族の天体であるかを明らかにした。主な結果を以下に記す。

新パルサーを 8 個も発見した。 長期的強度変動を示すものがほとんど = HMXB (大質量星+中性子星の連星)

8 個の電波 SNR から X 線を検出した。 うち 5 個は輝線を示す = 熱的 SNR さらにそのうち 3 個は O, Ne, Mg 等の輝線が強い = type-II 超新星起源(     )

HMXB と熱的 SNR は「色」でクッキリ分離できることを示した。 逆に「色」を用いて、 HMXB や熱的 SNR の候補を選出できる HMXB と SNR 以外の天体は、大半が AGN のようだ

種族ごとの空間分布を調査した。 HMXB は main body と wing に局在している SNR は HMXB とよく似ている = SNR の大半は若い星の死骸( type-II )だろう!

種族ごとの個数を銀河系と比較した。 SMC は銀河系と全然違う。 SMC には HMXB が極端に多い = 数千万年前に星生成率が非常に高かった SNR はそんなに多くない = もう少し最近になって、急に星生成率が落ちた? この辺の議論は面白いけどややこしいので、横川を捕まえて聞いて下さい

SMCSMC のの XX 線カラー画像線カラー画像青 : 2-7keV赤 : 0.7-2keV

多くの青い天体と、少数の赤い天体がある。全部で 106 個( S/N>5 )

XX 線天体の種族分類とは?線天体の種族分類とは?単なる博物学的趣味ではアリマセン単なる博物学的趣味ではアリマセン

SNR や中性子星など、明るい X 線天体は「星の死骸」である。代表的なものの進化過程は右図参照:要するに、異なる星は異なるX線天体になるのである。したがって、X線天体の種族分類(“population study” )で過去の星生成活動を探査することができる。

また、都合のよいことに、X線天体は種族ごとにX線放射の特徴が異なるので、観測的に種族を識別できる。具体的には、鉄などの輝線 (type-Ia SNR) 、酸素などの輝線 (type-II SNR) 、短周期パルス (Crab-like パルサー ) 、長周期パルス (HMXB) 、バースト (LMXB) などなど。識別のためには、高エネルギーX線に対する感度と、高いエネルギー分解能が必須である。

ターゲット:近傍銀河ターゲット:近傍銀河 SMCSMC種族分類研究で最大の効果を上げるには、一つの銀河の無バイアスサーベイを行うのがよい。 SMC は近距離、高銀緯、手頃な大きさの「X線サーベイ 3拍子」を兼ね備えており、非常に良いターゲットである。

XX 線衛星「あすか」線衛星「あすか」「あすか」は、 SMC のサーベイ、X 線天体の種族分類に必要十分な性能を備えている。特徴の異なる検出器が 2 種類ありますが、以下は「いいとこどり」の説明です。

0.5-10keV の結像(分解能 ~arcmin ) 広い視野(直径 50’) 高いエネルギー分解能( 2%@6keV ) 高い時間分解能( ~0.5s, 60ms など)

→ 中性子星の探査・識別、 SNR の type判別といった、 ROSAT 衛星では困難だった種族分類が容易にできる。

「あすか」観測領域「あすか」観測領域以下のようにモザイク状に観測を行い、全領域をほぼ覆った。

稼働中のあすか(想像図)

逆に type-Ia 的なものはまだ見つかっていない

○:1回の観測視野積分時間はたいてい 40ks( 80ks や 180ks の部分も少数あり)

データ解析データ解析 位置決定精度位置決定精度

最新の位置補正 (Gotthelf et al. 2000) の後、 ROSAT カタログと照合した。→ GIS 検出器の内側直径40’の領域で精度 ~40”だと分かった。 従来は内側直径 20’しか調べられていなかったので、大きな進歩と言える。

TimingTiming 解析(パルサー、解析(パルサー、 LMXBLMXB の探査)の探査)周期性を検出するため、ライトカーブに FFT を施した(パルサー探査)。→17 天体から周期を検出、うち 8 個は新発見。

ほぼ全てのパルサーは長期変動、光学対応天体を持つ(アーカイブ、文献調査より)。→これらは HMXB だ( Crab-like パルサーではない)

一方、 LMXB に特有のバースト現象はどの天体からも検出されなかった。→ SMC に LMXB はない(あるとは言えない)

スペクトル解析(スペクトル解析( SNRSNR のの typetype判別など)判別など)8 個の電波 SNR から X 線を検出した。統計のよい 5 個は輝線を示していたので、熱的 SNRに分類した。そのうち 3 個は O, Ne, Mg 等がoverabundant なので、 type-II 超新星起源だと結論した(右図)。

その他の天体も、種族に応じたモデルでスペクトルパラメータを求め、カタログにまとめた。

ちなみに、「いかにもブラックホール」「いかにも LMXB 」のようなスペクトルを示すものは見つからなかった。

検出の例 (~172s)

これは結構スゴイことです!

SMC のパルサー発見の歴史☆:本研究で発見したもの○:本研究で位置を正確に決めたもの

全天でも 80 個程度しかないのに、SMC で短期間に大量に発見されている!(ちなみに LMC にもまだ 8 個しかない)「パルサーラッシュ」と呼んでいます。

横川淳(京大理)今西健介・辻本匡弘・小山勝二・西内満美子・長瀬文昭・ R. Corbet・鳥居研一

SNR 0102-723 (Hayashi et al. 1994)

ONe

Mg

Si

Discussion (3) – XDiscussion (3) – X 線天体の個数比較線天体の個数比較可能な限り文献を調査し、「あすか」以外の結果( ROSAT 等)も加味し、各種 X 線天体の個数を銀河間で比較する。 SMC と銀河系の他、若干調査不足ではあるが LMC も対象とする。以下のように銀河の質量比(銀 :L:S = 100:10:1 )で規格化するのが、最も単純な比較方法であろう。枠で囲った部分について議論する。

HMXB の個数が SMC に極端に多い。HMXB は数千万年前に生まれた星の死骸 → 数千万年前に SMC だけ星生成率が極めて高かったのだろう

LMXB の個数はどの銀河も大差ない( SMC で特別少ないとは言えない)。LMXB は数億年前に生まれた星の死骸 → 数億年前の星生成率は 3 銀河とも同じぐらいだったのだろう

HMXB と SNR の比率が SMC だけ逆転している。SNR には type-Ia (数億年前に生まれた星の死骸)と type-II (数千万年前に生まれた星の死骸)の 2 種あるので、時代ごとの星生成活動を論じる前に type 分けせねばならない。

SMC の SNR はすべて type-II と仮定できる(空間分布の議論より: Discussion (2) 参照)LMC と銀河系のはよく分からないが、単純に半分が type-II だと仮定してみる( LMC の若い SNR は実際に半々になっている。銀河系についても、 SNR の多くが銀河面に集中していることから、まあ妥当な仮定だろう)

これらの type 分けの仮定から、 [HMXB]/[type-II SNR] の比率を求めると、

SMC で 3.4, LMC で 0.7, 銀河系で 0.5

となり、 SMC だけで [HMXB]/[type-II SNR] 比が高いことがわかる。

HMXB も type-II SNR も、星が生まれて数千万年後に残る死骸であるが、 X 線天体として輝く時間がかなり違う( HMXB は 100-1000 万年、 SNR は高々 10 万年)。つまり、 [HMXB]/[type-II SNR] 比は、直近 1000 万年ぐらいの星生成率の変化を表しているのではないか? SMC でこの比が高いということは、 1000 万年ぐらい前に星生成率がグッと落ちたと推測できる。

  以上をまとめると、銀河系や LMC に対する SMC の相対的な星生成率は右のようになる  と考えられる。

HMXB SNR LMXB

SMC 71 21 0

LMC 18 50 1

銀河系 83 330 130

HMXB SNR LMXB

SMC 71 21 0

L/10 1.8 5.0 0.1

銀 /100 0.83 3.3 1.3

規格化

(あくまで銀河系や LMC に対する相対値)

時間

SMC の相対的星生成率

現在一千万年前数千万年前

数億年前

銀河系と同レベル

?

Discussion (1) – Discussion (1) – 種族推定の方法種族推定の方法ここまでの解析で、「あすか」で検出した天体を主に HMXB パルサーと熱的 SNR に分類した。また、位置相関から AGN や手前の星も選別できる。しかしまだ約 7割の天体は未分類である。何とかしてこれらの種族を推定したい。

よく見ると、 X 線カラー画像上では HMXB パルサーはみな青く、熱的 SNR はみな赤い。これは「 X 線カラー」による種族分類の可能性を示唆する。そこで hardness ratio (HR) という簡単な量を定義し、種族ごとにその値を調べた。

HR = (H-S)/(H+S); H, S はそれぞれ 2-7keV, 0.7-2keV の photon カウント数

HR と Lobs (吸収を補正していない luminosity )の関係を左下のグラフに示す。明らかに HMXB パルサー、熱的SNR 、 AGN・手前の星が異なる HR を示している(特に HMXB パルサーと熱的 SNR はクッキリ分かれている)。この上に素性の不明な天体を重ね(右下図)、 HMXB パルサーや熱的 SNR の帯に入ったものを、その候補天体に認定した。

中間の HR を持つ正体不明天体は 33 個あるが、この HR領域に入る天体は AGN・手前の星以外にも、 LMXB 、 BH 、 Crab-like パルサーなどがある。しかし AGN の logN-logS関係から、 33 個のうち大部分はAGN だと結論した。

素性の不明な天体も一緒にプロット

☆: HMXB パルサー○: 熱的 SNR◇: AGN・手前の星

□: 正体不明天体△: HMXB (パルスなし)

○: SNR (熱的かどうか不明)

○: パルサー(素性不明)・+

Discussion (2) – Discussion (2) – 種族ごとの空間分布種族ごとの空間分布HMXB 、 SNR 、 AGN の 3 種族の空間分布を調査した。 Discussion (1) で選出した候補天体や、 ROSAT 等で認定された HMXB 候補などを広く収集し、統計を上げた。以下では、それぞれの特徴について議論する。

HMXB(背景は可視光画像)

SNR(背景は可視光画像)

AGN(背景は可視光画像)

HMXB は main body と wing に局在している。HMXB は数千万年前に生まれた星の死骸 → 数千万年前の星生成活動がこの領域に偏在していたのだろう(実際Maragoudaki et al. 2001 等により、若い星は main body と wing に局在していることが示されている)

SNR は HMXB とよく似た分布を示している。SNR もまた数千万年前に生まれた星の死骸だろう → つまり SNR の大半は type-II だろう

AGN はかなり一様に分布している。AGN は SMC と無関係なので当たり前?実は上図の小さい◇は、中間の HR を持つ 33 個の天体であって、 logN-logS のおおざっぱな見積もりで AGN候補になっているだけ( Discussion (1) 参照)。この空間分布により、より濃厚な AGN 候補になったと言える。

最後に雑感最後に雑感 「マゼラン雲では星生成が活発に起きており・・・」「マゼラン雲の金属量は低く・・・」など、 SMC と LMCはよく一緒に扱われますね。確かに共通する部分は多いのですが、本ポスターで示したように、 SMC だけ極端に違う部分もあるようです。 SMC は LMC よりかなり小さいので、進化過程における外的擾乱の影響が最もよく現れているのかもしれませんね? そんなわけで、マゼラン雲( + 銀河系の system )を理解するには、 LMC と同じくらい熱心に SMC も研究しないと大きな見落としをする可能性があると思うんです。 LMC の研究の延長としてではなく、全く新しい研究対象として SMC を捉えることが大切なんじゃないかなと思っています。

2002 年 3月 24日 横川淳 記す 

p.s. 横川は業界からは出ますが、 SMC に関してはなるべくがんばってアフターサービスするつもりです。何かありましたらご連絡下さい。

SMC の可視光像

大質量星の連星 一方が超新星爆発 HMXB(中性子星+大質量星 )

ガス 単独の大質量星 超新星爆発 単独中性子星 (Crab-like パルサー )

LMXB(中性子星+小質量星 )小質量星と遭遇?中性子星

数千万年

> 数億年

数千万年

小質量星の連星 超新星爆発

数十億年

白色矮星へ質量降着

SNR(type-II)

SNR(type-Ia)

*青字は全て 明るい X 線天体

R12bR12b

1 2

3 4 5

6

7

8