yaskawa news summer2010 no...yaskawa news summer2010 no.291 author 株式会社 安川電機 created...
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昨今の環境問題に対する意識の高まりから、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車
(EV)などの電動車両が大きな注目を集めています。当社が産業用モータドライブのパイ
オニアとして長年蓄積してきた技術も、これらの電動車両に展開でき、また独自の高効率
技術を適用することで更なる環境調和につながると期待しています。今回は電動車両用に
開発したモータドライブシステム「QMET(クメット)ドライブ」をご紹介します。
本特集のお問い合わせ先: 技術開発本部 電気駆動システム事業推進室 ��� �� ��������� ��� �� ���������
QMET DRIVEとは、��������� �!"�#�
���$#%"�$ �%�"&'�&&�"の略で、その意味は自動車
用に最適化された電磁トランスミッションです。その
核となるのは電子式巻線切替技術です。具体的には、
巻線切替モータ、電子式巻線切替回路及び巻線
切替時のモータ制御機能により構成されています。
低速から高速まで必要なトルクの確保と高効率を
両立し、スムーズな加減速を実現しています。
●電子式巻線切替技術の構成
巻線切替IPMモータ
モータ制御用インバータ
巻線切替技術は、当社のモータドライブの主なアプリケーションの
一つである工作機械において、広い定出力範囲の制御が求められ、
それに対応する技術として開発されました。
この巻線切替方式では、用いる機械式接点に動作遅れ時間があり、
巻線切替動作の瞬間に一旦モータ電流を遮断し、切替動作を行った
後、再度モータを引き込み運転するということを行っていました。
電子式巻線切替技術は、この巻線切替時に発生する無駄時間を短縮
し、工作機械としての生産性を高めることを目的としたものです。その
ため、()*�*を用いた半導体スイッチ回路を巻線切替スイッチとして
用いています。
電子式巻線切替では、従来の機械式接点を用いた巻線切替と比較し、
切替時にモータ電流を遮断することなくスムーズに切り替える技術
が最大のポイントであり、これによって切替動作時の複雑な上位の
シーケンスをなくすことが可能になりました。
この電子式巻線切替技術は、電動車両用モータドライブシステム
QMET DRIVEのベースとなっています。
● 機械式巻線切替の動作シーケンスと電流値
● 電子式巻線切替の動作波形(例)
*("&���#�� )�#� *�+��% �%�"&�&#%(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の略です。 半導体素子の一つで、電力制御の用途で使用されます。
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モータ電源遮断
()*�ゲートブロック
機械式リレーの動作
コイル
スイッチ
巻線切替完了信号
モータパラメータ
モータ電流
切替開始 切替完了
再起動
巻線切替信号
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モータ側 インバータ側
スイッチボックス
インバータ
モータ
切替信号
低速運転 高速運転
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電力
機械駆動力
パワーコントロールユニット (インバータ/コンバータ)
水素ロータリ エンジン バッテリ
モータ
*:���(������� ��������� ������)はロータの
内部に永久磁石を埋め込んだ構造で、効率良く出力
トルクを得られるため、省エネ用途で適用が急速に
拡大しています。
巻線切替技術を自動車に応用する場合は、切替時のトルク変動が運転
感覚に直接影響するため、半導体パワー素子を用いた超高速切替と、
新開発の電流制御技術の組合せによって、全く違和感のないスムーズ
な自動車の加減速を実現しました。
また、これによって中・高速運転でのモータ効率も大幅に改善しています。
マツダ株式会社様からリース販売が開始された「プレマシーハイドロジェン
�� ハイブリッド」はシリーズハイブリッド方式を採用している���で、
エンジンは発電機との組合せでモータに必要な電力を作り、車両の
全駆動を電気モータが担います。
QMETドライブは自動車関連の展示会に出展されています。
�� �年 月��日(水)~��(金)の三日間、東京ビッグサイト
で開催された「第 回��・��� 駆動システム技術展(�������)」では、「ドライブ」のシミュレータを展示し、多く
のお客様にその加減速性能を実際に体感していただきました。
また、�� �年�月 �日(水)~� (金)において、パシフィコ
横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」にも出展し、
自動車業界へ��していきます。
「プレマシーハイドロジェン RE ハイブリッド」に 電子式巻線切替技術を適用
ジェネレータ (発電機)
広い定出力範囲を実現できるモータドライブは、工作機械に
限らず、様々な用途に広く応用が可能です。その一つとして、電気
自動車やハイブリッド電気自動車には巻線切替技術が適している
といえます。環境に優しい製品という開発コンセプトのもと、
電子式巻線切替技術を適用
した自動車向けの電気駆動
システム��� !����が
誕生しました。
����年に、マツダ株式会社様
からリース販売が開始された
「プレマシーハイドロジェン ��
ハイブリッド」には、この���
!����が活躍しています。
��� !����の最大の
特長は、高効率駆動領域が
広いことです。巻線切替IPM
モータ*は、低速モータと高速
モータの二つの特性を併せ
持つと同時に、二つのモータ
での高効率領域を確保できる
ため、低速運転でも高速運転
でも効率のよいモータドライブを実現しています。
車載した電子式巻線切替技術の難点は、巻線切替であるが故の
パワーケーブルの多さと、それに伴う重量の増加です。それを
解決するために、従来パワーコントロールユニットに内蔵されて
いた巻線切替用の半導体
スイッチ部をモータ側に移動
し、パワーケーブルの本数を
削減することでシステム全体
の軽量化を実現しました。
さらに、巻線切替であり
ながら、通常のモータを使う
感覚に近づけるように工夫し、
スムーズな加減速を可能に
しました。
今後、事業化に向けて、
��� 技術をさらに高め、
当社独自の技術優位性を確保
していきたいと考えています。
運転席外観
● ��� !����の特長: 全速度領域での高出力・高効率を実現
一般産業用機器の小形・高効率モータとして
定評のある���モータをベースに、正回転の
頻度が多い自動車に適した高効率モータを
開発しました。
正回転の効率を重視した設計にするために、
���モータ構造(モータの磁石配置)の最適化
を図り、モータ内損失を極限まで低減ました。
正回転の頻度が多い自動車に適した高効率モータを実現
低速モータドライブは、 高トルクを実現するが、 高い回転数が出せない。
高速モータドライブは、 高い回転数を実現するが、 高トルクが出せない。
QMETドライブは、 低速モータと高速モータ の二つの特性を併せ持つ ことを実現し、高効率 駆動領域を広げた。
効率��"以上の領域
効率��"以上の領域 効率��"以上の領域
モータ回転速度 モータ回転速度
モータ回転速度
トルク
トルク
トルク
低速モータドライブ 高速モータドライブ
QMETドライブ
低速モータ
高速モータ
従来の磁石配置
永久磁石
正回転
最適な磁石配置
永久磁石
正回転
QMETドライブのシミュレータ
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電流値﹇A
rms
﹈
位相[° ]
正回転と逆回転の電流比較(定トルク時)
同じトルクても、正回転時の電流は小さい。
逆回転
正回転
● 自動車用���モータへの工夫:
●事例:
プレマシーハイドロジェン RE ハイブリッド