フレッシュマンセミナー (2004)

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フフフフフフフフフフフ 2004-07-07 国国国国

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Page 1: フレッシュマンセミナー (2004)

フレッシュマンセミナー

2004-07-07国島丈生

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自己紹介• 知能メディア工学講座(横田研究室)助教授• 担当講義

– 情報通信工学演習 I ・情報通信工学実験 B– 計算機言語 I ( 2 年次)– コンパイラ・計算機言語 II ( 3 年次)– 形式言語理論(修士 1 年次)

• 私人として– 雑誌「 FreeBSD PRESS 」に連載(昨年まで)– 全国的に有名な WWW サイト運営(合唱の部屋)

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自己紹介

• 京都大学工学部情報工学科卒業 (1989)• 奈良先端科学技術大学院大学情報科学

研究科助手 (1994 〜 1997)• 岡山県立大学助教授 (1997 〜 )• 興味のある分野

– 構造化文書 (XML) 、データベース、プログラミング言語、 WWW 技術

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情報工学科を選んだ理由

• 高校までコンピュータとは無縁– 友達のコンピュータでゲームをした程度

• なぜ情報工学科?– 数学が好きだった– 理学部の数学科だと就職に困りそう– 数理工学科と情報工学科で偏差値の高い方を選択– コンピュータに興味があったわけではない

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で、実際はどうだった?

• 物理が結構必要だった (-_-;)– 電気回路・電子回路など ( もう忘れた )

• 学部の情報工学では高校数学(の延長)はあまり出てこなかった– むしろパズルの考え方に近い– 集合や代数は必要になることも

• プログラムを書くことの楽しみ– 自分で考えたものが動いたときの喜び

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情報工学の二面性• 計算機科学

– 計算機そのものの構成に関する分野– 物理現象が関わってくる– どちらかというと物理寄り

• 情報科学– 計算機の上で問題を解く分野– 計算手順、アルゴリズム– どちらかというと数学寄り

• カリキュラムには両方含まれている– 情報技術者の常識として両方知っておいてほしい

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情報数学的パズル (1)• 次の制約の下で、狼、山羊、キャベツを川の反対側の岸に運ぶ最短手順を求めよ。– 船は一艘だけで、人が操縦しなければならない。

また、一度には高々一つのものしか運べない。– 狼と山羊(山羊とキャベツ)を同時に岸に残した

まま、岸を離れてはいけない。• 応用:すべての手順を網羅的に記述せよ。• 題材:有限オートマトン

– 関連講義:情報数学、コンパイラ、形式言語理論

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情報数学的パズル (2)• ハノイの塔

– 台の上に 3本の棒 (左から順に A, B, C) が固定されており、 Aに n 枚の円盤がはまっている。円盤は下に行くほど半径が大きくなっている。次のルールを満たしながら、円盤をすべて B に移す手順を考えよ。• 一度に一枚の円盤しか移動できない• 移動の途中で円盤の大小を逆にしてはいけない• 棒以外のところに円盤を置いてはいけない

• 題材:再帰アルゴリズム– 関連講義:計算機言語 I

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情報数学的パズル (3)• 天国と地獄の分かれ道に 2 人の人がいる。標識がないので、どちらが天国への道か聞こうと思う。どのような質問をすればよいか。– 2 人の人はチャーチルとヒットラー。ただし、ど

ちらがどちらかは分からない。– チャーチルは必ず本当のことを言う。ヒットラー

は必ず本当と反対のことを言う。– 質問は 1 回だけ。どちらかの人にしかできない。

• 題材:論理– 関連科目:人工知能

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情報数学的パズル (3’)

• (3) の変形として、次の状況を考えよ。– 分かれ道にいるのはチャーチル、ヒット

ラー、スターリン。誰が誰かは分からない– スターリンは本当と嘘 (本当と反対のこ

と ) をランダムに言う。– 2 回質問可能。違う人に質問してもよい。

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高校数学と何が違う?• 問題を解く手順(計算、アルゴリズム)を考

える– しかもコンピュータができる範囲で

• 0/1 の数学(離散数学)– 実数のような連続値はあまり扱わない

• 問題対象の近似(モデル化)– コンピュータで解けるように問題を抽象化・単純

化する作業が重要– ソフトウェアにも多少はハードウェアの知識が必

要(逆も然り)

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未来は神のみぞ知る

• 回り道して学んだことが今の興味対象 ( 文書処理 ) につながる– 有限オートマトン、文脈自由文法 (B4 〜 M2)– データ工学、論理 (D)– HTML, WWW( 助手 )– 関数型言語 , Java, 形式言語 ( 県立大 )

• ちゃんと学んでおけばよかった(反省)– 教養の数学(群論など)

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本を読もう

• 時間のあるうちに• インターネットに頼るだけでは知識の底が浅

くなる• 情報科学関係のお勧め例

– コンピュータの名著・古典 100冊(インプレス)– プログラム書法(共立出版)– 素人のように考え、玄人として実行する( PHP 出版)

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レポート課題

• この講義で挙げた「情報数学的パズル」のいずれか 1 問以上を解いてレポートにまとめよ。–ハノイの塔は n=3, n=4 のときだけでもよい– なるべく自分が知らなかった問題をやって

みること– A4 レポート用紙にまとめ、 7/13(火 ) 17:00

までに 2610 に提出のこと。

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ヒント

• (2)…漸化式の考え方に近い– 大きさ nの円盤を Aから B に移動する手

順を fn(A→B) とする

– f n+1(A→B) を fnなどで表現すると…– 漸化式を解かなくてもよい

• (3’)…1 回目の質問でスターリン以外の人を発見することを考える