確率と統計 2011 - 確率編 - 平成 23 年 10 月 13 日 ( 木 )....
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確率と統計 2011- 確率編 -
平成 23 年 10 月 13 日 ( 木 )
記述統計から推測統計へ記述統計から推測統計へ
今日はまずいろいろな現象を観察してみましょう。– サイコロ振り
2確率と統計 2011 (4 回目 )
サイコロ振りサイコロ振り
サイコロを– 10回振ったとき– 100回振ったとき– 10000回振ったとき
3確率と統計 2011 (4 回目 )
出る目 1 2 3 4 5 6 合計
頻度 171 160 170 153 180 166 1000
表.サイコロを1000回振って出た目の度数分布表
平均値= 3.509 分散=___
自分で計算してみよう!
自分で計算してみよう!
推測のための統計の構造推測のための統計の構造
母集団
標本
サンプリング
推測
4確率と統計 2011 (4 回目 )
確率と統計 2011 (4 回目 )
さて、... 今日から「確率」の話しをします。 高校までの「確率」の知識は必要ありません。 この授業で「確率」の基礎を身に付けましょ
う。 とても難しい話 ? も少ししますが、そこは
聞いているだけでもまずは結構です。わかる人はもちろんしっかり理解してください。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
ある質問 イタリアのある貴族が Galileo(1564-
1642) にこう尋ねた。「3つのサイコロを投げるとき、その目の和が9になる場合と、10になる場合の数は等しいと思っているので、そのどちらに賭けても同じであると気にしなかったが、実際には10になる方が少し多く感じられるのはどうしたことか?」
Galileo に代りあなたは答えられますか?
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確率と統計 2011 (4 回目 )
それでは本題に入りましょう。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
不規則現象(偶然現象) 例:
サイコロ投げの結果 コイン投げの結果 明日の天気 測定誤差 雑音 手書き文字・発話音声
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確率と統計 2011 (4 回目 )
確率はこのような不規則現象(偶然現象)を取り扱う、数学の1分野である。
以下では、まず確率の基本用語を定義しよう。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
用語の定義 試行 (trial) 標本点 ω (sample) 標本空間 Ω (sample space) 事象 E (event) 単一事象 (simple event) 複合事象 (composite even)
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ちょっと一言現代ギリシア文字 (24 文字 ) の本当の読み方
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Α α アルファ Ι ι イョタ Ρ ρ ロ
Β β ヴィタ Κ κ カパ Σ σ ς シグマ
Γ γ ガンマ Λ λ ラムザ Τ τ タフ
Δ δ ゼルタ Μ μ ミ Υ υ イプシロン
Ε ε エプシロン Ν ν ニ Φ φ フィ
Ζ ζ ズィタ Ξ ξ クシ Χ χ ヒ
Η η イタ Ο ο オミクロン Ψ ψ プシ
Θ θ シタ Π π ピ Ω ω オメガ留学生の諸君へ: 日本ではギリシャ文字の読み方が人によりバラバラです。 通常はギリシア文字を英語読みしたものを採用しています。 確率と統計 2011 (4 回目 )
確率と統計 2011 (4 回目 )
試行 実験や観測において、繰り返えされる
行為のこと。
例えば、コイン投げで、「表が出たか裏が出たかを調べ
る」行為。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
標本点 ω
試行により起こる結果のこと。
例えば,コイン投げでは、「表が出る」 とか 「裏が出る」
といった試行の各結果のこと。
< 注 > 標本点を根元事象と呼ぶこともある。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
標本空間 Ω すべての標本点からなる集合のこと。
例えば、コイン投げでは、{ H, T }
ただし、H: 表が出るT: 裏が出る
を表す。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
まず、ここまでのことを例題で確認しよう。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題1 サイコロ投げ 試行: サイコロを投げ、出る目を記録す
る。 標本点:
1の目が出る (① と記す )2の目が出る (② と記す )3の目が出る (③ と記す )4の目が出る (④ と記す )5の目が出る (⑤ と記す )6の目が出る (⑥ と記す )
標本空間: Ω={ ①, ②, ③, ④, ⑤, ⑥ }16
確率と統計 2011 (4 回目 )
例題2 2個のコイン投げ 試行: コイン2個を同時に投げ、
出る面を記録する。 標本点:
「表が出る 」を H 、「裏が出る」を T と記すと、HH, HT, TH, TT
標本空間: Ω={ HH, HT, TH, TT }
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題3 くじ引き 設定: 当たり1枚、はずれ2枚 試行: くじを1枚引く 標本点: A, H1, H2
A: 当たりくじH1, H2: はずれくじ
標本空間: Ω={ A, H1, H2 }
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題4 じゃんけん 設定:2人、1回勝負 試行:じゃんけんをし、それぞれが何を
出したかを記録する。 標本点: (G, G), (G, C), (G, P),
(C, G), (C, C), (C, P), (P, G), (P, C), (P, P)
標本空間 Ω={ (G, G), (G, C), (G, P),(C, G), (C, C), (C, P), (P, G), (P, C), (P, P) }
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題5 2個のサイコロ投げ 試行: 標本点: 標本空間:
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自分で考えてみよう!
自分で考えてみよう!
確率と統計 2011 (4 回目 )
例題6 壺からの球の取出し(1)
設定:赤球2個、白球1個。 試行:球を1個取り出し、球の色を記録
する。 標本点:① , ②, ① 標本空間 Ω={ ①, ②, ① }
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題 7 壺からの球の取出し( 2 )
設定:赤球2個、白球1個。 2個を同時に取り出す。
試行:球を 2 個取り出し、球の色を記録する。
標本点: {①, ②}, {①, ①}, {②,①} 標本空間
Ω={ {①, ②}, {①, ①}, {②,①} }
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確率と統計 2011 (4 回目 )
用語の定義 (2)
試行 (trial) 標本点 ω (sample) 標本空間 Ω (sample space) 事象 E (event) 単一事象 (simple event) 複合事象 (composite even)
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確率と統計 2011 (4 回目 )
用語の定義 試行 (trial) 標本点 ω (sample) 標本空間 Ω (sample space) 事象 E (event) 単一事象 (simple event) 複合事象 (composite even)
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確率と統計 2011 (4 回目 )
事象 標本空間 Ω の部分集合のこと。
例えば、コイン投げでは、{H}, {T}, {H, T}などはすべて事象である。
{H} は「表が出る出来事」と解釈でき、
{H,T} は「表が出るか裏が出る出来事」と解釈できる。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
単一事象と複合事象 単一事象:要素が1個の事象 複合事象:要素が2個以上の事象
例えば、 Ω={HH, HT, TH, TT} に対して、単一事象: {HH}, {HT}, {TH}, {TT}複合事象: {HH,HT}, {HH,TH}, {HH,TT}, {HT,TH}, {HT,TT}, {TH,TT}, {HH,HT,TH},{HH,HT,TT},{HH,TH,TT}, HT,TH,TT}
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確率と統計 2011 (4 回目 )
ここまでのことをまとめると…
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題8 コイン投げ 標本空間 Ω={H, T} 事象の集合 F={φ, {H}, {T}, Ω}
{H}: 単一事象{T}: 単一事象φ: 空事象 Ω: 全事象
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題9 2個のコイン投げ Ω={HH, HT, TH, TT} F={φ, {HH}, {HT}, {TH}, {TT},
{HH, HT}, {HH, TH}, {HH, TT}, {HT, TH}, {HT, TT}, {TH, TT}, {HH, HT, TH}, {HH, HT, TT}, {HH, TH, TT}, {HT, TH, TT}, Ω}
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題9 2個のコイン投げ Ω={HH, HT, TH, TT} F={φ, {HH}, {HT}, {TH}, {TT},
{HH, HT}, {HH, TH}, {HH, TT}, {HT, TH}, {HT, TT}, {TH, TT}, {HH, HT, TH}, {HH, HT, TT}, {HH, TH, TT}, {HT, TH, TT}, Ω}
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確率と統計 2011 (4 回目 )
ここまで準備ができれば後は簡単。
確率を定義しよう!
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確率と統計 2011 (4 回目 )
確率の定義 ある試行で起こりうる単一事象の総数
(標本点の個数と同じ)が N で、これらの単一事象がすべて同じ確からしさ(蓋然性)で起こるものとする。このとき、ある事象 A がn個の単一事象からなるならば、その事象 A の起こる確率は、
P(A) = n / Nである。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
確率の定義(2) P(A)=#A / #Ω
ただし、 #S とは集合 S の要素の個数を表す。
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題10 サイコロ投げ Ω={ ①, ②, ③, ④, ⑤, ⑥ } 1の目が出る確率:
P({①}) = #{①} / #Ω = 1 / 6 奇数の目が出る確率:
P({①,③,⑤}) = #{①,③,⑤} / #Ω = 3 / 6 = 1 /2
5以上の目が出る確率:P({⑤,⑥}) = 2 / 6 = 1 / 3
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確率と統計 2011 (4 回目 )
例題10 サイコロ投げ (2)
①
②
③
④
⑤
⑥
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確率と統計 2011 (4 回目 )
自由研究 Galileo 問題 3個のサイコロを投げるとき、その目の
和を T とする。このとき、 P(T=10) = P(T=9) ? P(T=10) < P(T=9) ? P(T=10) > P(T=9) ?
実際にサイコロを投げて調べてみよう。(理論値は次回説明します。)
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確認 来週は休講です。 次回までに「レポート No.1 」を やっておいてください。
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