活動最終報告 青年海外協力隊(セネガル) 澤田霞_2013-12-16
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活動最終報告
ー食生活のイノベーションを目指してー
J O C V 2 3 - 2 セネガル村落開発普及員 チャメヌ村
澤田霞2 0 1 3 . 1 2 . 1 6
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アウトライン
市場から離れた村落部における野菜摂取量の増加
不安定・限定的流通低品質高価格 購入資金不足
供給側 住民側
野菜栽培の普及給水塔
野菜販売
レタス栽培×養鶏
×宗教行事
地場生産 収入創出新規流通開始
目標設定
課題分析
解決策実行
成果課題
・おわりに
村人は野菜を食べていない? ・はじめに
食生活のイノベーションを目指して
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はじめに
・配属先
ルーガ県農村開発事務所
( SDDR )
・出向先
コキ郡農村開発センター
・任地
チャメヌ村
農村自立発展プロジェク
ト
( 2008年 3月~ 2012年 3月 )
延長フェーズ選定サイト
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援助の現場に住んで
ニーズに合わなくても成立してしまう援助
ニーズを「聞き出す」のは難しい
村で生活する自分がやりたいと思ったことを
やる
生活実感の共有
村でのおしゃべり、昼寝、お茶。。。
援助の茶番劇スタッフの前では
嘘や演技ばかりの村人・・・
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目標設定
市場から離れた村落部における野菜摂取量の増加
不安定・限定的流通低品質高価格 購入資金不足
供給側 住民側
野菜栽培の普及給水塔
野菜販売
レタス栽培×養鶏
×宗教行事
地場生産 収入創出新規流通開始
目標設定
課題分析
解決策実行
成果課題
村人は野菜を食べていない?
食生活のイノベーションを目指して
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一般セネガル料理
最近食べたセネガル料理は何ですか?
チェブ・ジェン赤・白
マフェ スープカンジャ ヤッサ
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村の食事
村人は ( 豆 ) ご飯を食べ、野菜を全く摂取しない日
も多い
豆ご飯
村人は野菜を食べたがっていると確信*たまに野菜があるとがっつく
・・・米?
村人が食べたいものを食べれるようにする活動
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目標設定
「市場から離れた村落部の野菜摂取量増加」
市場から 7 - 1 0 k m 離れた 3 村の野菜摂取率平均
1 - 5 月 ( 乾季 ) : 48.6% 8 - 1 0 月 ( 雨季 ) :
13.3%
活動地域:市場から 5 - 1 0 km★ 市場
★ 市場
市場から 5 km の有名マラブ村
野菜摂取率 ( )※
・ 1 - 5 月 ( 乾季 ) : 7 1 . 3 %
・ 8 - 1 0 月 ( 雨季 ) : 4 8 . 2 %
※ 月末に地域の全世帯を訪問し、3日間の食事内容を聞き取った。少しで
も野菜を食べた日数の割合を算出
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課題分析
市場から離れた村落部における野菜摂取量の増加
不安定・限定的流通低品質高価格 購入資金不足
供給側 住民側
野菜栽培の普及給水塔
野菜販売
レタス栽培×養鶏
×宗教行事
地場生産 収入創出新規流通開始
目標設定
課題分析
解決策実行
成果課題
村人は野菜を食べていない?
食生活のイノベーションを目指して
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課題分析
野菜摂取を妨げる主な課題
不安定・限定的流通低品質高価格 購入資金不足
供給側 住民側
・魚商人による馬 車 巡 回販売(限定地域)
・乾季週 3 - 5 回、雨季は週 0 - 3 回
・乾季は市場の二 倍の価格(雨季は同価格)
・週一度 買いだめされた質の悪い野菜
そもそも手に入らないケースが多く、流通が本質
的課題
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解決策実行
市場から離れた村落部における野菜摂取量の増加
不安定・限定的流通低品質高価格 購入資金不足
供給側 住民側
地場生産 収入創出新規流通開始
目標設定
課題分析
解決策実行
成果課題
村人は野菜を食べていない?
食生活のイノベーションを目指して
野菜栽培の普及 給水塔
野菜販売
レタス栽培×養鶏
×宗教行事
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解決策:供給側の課題
アプローチ①地場生産
野菜栽培の普及
安価で
不安定・限定的
流通低品質高価格
新鮮な野菜を 村内で毎日供給する
・活動4村で野菜栽培を導入
・うち一村で野菜販売所の設立
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① 地場生産
従 来流通より 25 %安価で、新鮮な野菜を村内に供給
野菜栽培適 期 ( 2 - 4
月)は村の半分の世帯が
野菜を
買いに来る
※ 一時 期のみ気 候 条 件の制 約、病 害 虫・・・
地場生産で安定供給は難しい
→ アプローチの切り替え:
② 新規流通開始
↑ 人参 以 外の野菜は全て村の生産物
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② 新規流通の開始
プル族を含 む 周 辺村民が集まる給水塔での商売野菜販売
利 益が出て、継 続できる
※ プル族:牧 畜民族。家 畜は高額で取引 され、他民族より現金を多く持つ傾向。
多くの人に野菜を安定供給できる
※ 給水塔:北部セネガルに点 在する給水施設。プル族が家 畜の給水を行う他、周 辺村民が生活用水を汲 みに来たり、携帯電 話を充 電しに来る。多くの人が集まる場所。
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② 給水塔での野菜販売
全く野菜流通のない地域の給水塔の商店で野菜販売を開始
・週一度定期市で商品仕入れの際に野菜購入
( 運 搬 費 用・手間なし)
・価格は店主が決定
( 基 本 3 0 0 F / k g で仕入れ、 1 5 0 F / 2 5 0 g で販売)
商店 経 営 者を説 得・野菜販売を開始
給水塔商店
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 110
5000
10000
15000
20000
25000
0
10
20
30
40
50
60
23.2%
34.3%38%
42.9%40%
50%47.5%
33.3%
14人
30人
16人11人
22人
9人
21人
40人
仕入れ額 (Fcfa)
売り上げ (Fcfa)
利益率 (% )
購入人数実施週
仕入れ・売上額(Fcfa)
利益率(%)・購入人数
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② 野菜販売結果
野菜価格が高騰する雨季にも関わらず、販売は利 益を上
げた仕入額・売上 額・利 益率・購入人数推 移
店主仕入れ拒否
タバス
キの
影響で
野菜流通なし
タマハ リ ( イスラム新年祭 )
9月 10月 11月
雨季 乾季
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② 野菜摂取量は増加したか
(給水塔を生活圏とする地域 5 村全 5 1 世帯)週平均のべ 2 0 . 4 世帯に野菜を供給
給水塔での野菜販売開始
後
流通がなく野菜へのアクセスが難しかった人が野菜を購入し始めた
条 件が良くなる乾季に向け、
店主は継 続・拡 大に意 欲
野菜安定供給への第一歩
課題:雨季の安定供給( 腐 敗で週の半分のみの販売)
→ 保 存 法の検 討 ( 土がめ冷 蔵 庫の導入)
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③ 収入創出レタス栽培 × 養鶏 × 宗教行事
解決策:住民側の課題
購入資金不足
肉の需要が多いイスラム教の行事に合わせた
計画的レタス・鶏肉生産を提案
一度の昼食に必 要な野菜購入資金
約 300 - 6 0 0FCFA
その日に持 ち合わせているか?
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③ 収入創出
村落部で儲かるレタス栽培・養鶏
イスラム教宗教行事時に最大 化
レタス・鶏肉は運 搬に耐 えられず、他地域から流通しない
地域の有力 者・レストランを中 心に大きな需 要
一村に鶏舎 導入、レタス栽培・養鶏実施
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③ レタス × 鶏肉 × 宗教行事
生産技術 さ えあれば確実に儲かる手 段
近隣 2村にも広がる
生産者の野菜購入資金に回ら
ず・・・
養鶏の普及には、初 期 投資の課題
・地域のガンモでは 1 8 万 F c f a 以 上売上 ( 2 0 1 3 年 3 月 )
・タマハ リ 2013 では 2 6 万 F c f a 以 上 ( 2 0 1 3 年 1 1 月 )
宗教行事時は村内で消 費 され、
レタスの消 費量は増えた、、
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成果・課題
市場から離れた村落部における野菜摂取量の増加
不安定・限定的流通低品質高価格 購入資金不足
供給側 住民側
野菜栽培の普及給水塔
野菜販売
レタス栽培×養鶏
×宗教行事
地場生産 収入創出新規流通開始
目標設定
課題分析
解決策実行
成果課題
村人は野菜を食べていない?
食生活のイノベーションを目指して
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活動成果
豆ご飯に野菜が少しずつ入るという個 々の小 さな変 化
地場生産 収入創出新規流通開始
野菜栽培の普及 給水塔
野菜販売
レタス栽培×養鶏
×宗教行事
食生活の変化に向けた、小さな、着実な第一歩を踏み出した村人が食べたいものを食べれるようにする
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大きな変 化に向けて
大きな変 化は今 後の自分への課題
さらに乗り越 えるべき課題・・・
雨季の野菜価格高騰、農業生産性、野菜保 存、魚流通
e t cただの村人ファンから、プロになって戻ってきます
食生活のイノベーションを本物にす
る
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おわりに
現場の生活実感を共有できること
一見 非 効率に見 える、
村人と過ごす何もない時間を
大 切にしたこと
長いスパンで見たら効率的でした
ニーズ把 握は難しいが、、、
協 力 隊員一番の強 み
ご清 聴ありがとうございました
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