ディジタル信号処理 試験解説 2013年実施分

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Page 1: ディジタル信号処理 試験解説 2013年実施分

2013年度試験問題解説あくまでも参考程度に

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問 1• フーリエ変換と離散フーリエの関係

• フーリエ変換をコンピュータ上で扱うためには…• 離散化しなければならない• 有限の信号を扱わなければならない

• 時間領域で周期的な信号は周波数領域では離散になる点に着目• 信号を周期関数化する

• さらに周期関数化することにより無限の信号も有限として扱える(問題文の離散フーリエ変換の基本定理Ⅰ)

• 離散信号であるので,時間領域,周波数領域ともに周期関数となるが,離散フーリエ変換はその周期関数を抜き出したもの

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問 2• 逆フィルタの問題(講義資料 No.3)

画像の場合で考える• 元のきれいな画像 f(t)にノイズ h(t)が重畳されて劣化した画像 g(t)となった時, g(t)=f(t)*h(t)のようになる

• フーリエ変換して周波数領域で表すと G(ω)=F(ω)H(ω)となるのでノイズの乗った画像をフーリエ変換したものG(ω)に 1/H(ω)を掛けて逆フーリエ変換すると,元のきれいな画像が得られるのではないかというのが逆フィルタの基本的な考え

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問 2• ただし 1/H(ω)が推定できるようなものでなくてはならない.つまり講義資料にあるようなピンボケや横方向のブレはモデル化できるが、適当に撮影した風景画像などは場所によってボケの度合いが異なるのでモデル化することができない

• 問題点は Hが非常に小さな場合は雑音成分が非常に大きくなることである.講義資料に出てくるウィーナフィルタなどはそれらの問題を解決している

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問 3• 短時間フーリエ変換 (講義資料 No.7)

• 信号を入力として時間、周波数、パワーを軸とするスペクトログラムを出力とすればよい

• 入力した信号を切り出し、切り出した信号をフーリエ変換する.そして切り出す部分を少しずつ変化させて繰り返すことにより出力が得られる

• ただし信号を普通に切り出すと異なる周波数成分が発生するので,ハミング窓などの窓関数を用いて切り出す

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問 4• 離散信号の畳み込み(講義資料 No.5)

• 畳み込みは周波数領域ならば掛け算になるので周波数領域で計算するのが良いが、 x[n]が半無限長の場合,周期関数化できないので x[n]を長さ Lの部分系列に分けることによってこの問題を解決している.演習課題 27は部分系列に分けてから足し合わせても問題がないことを証明している.

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問 5• 符号化による圧縮方法(講義資料 No.8)

• 種類としては波形符号化と変換符号化とメディア符号化がある.

• 波形符号化は波形自体の性質の規則性から圧縮を行っている.例えばスカラ量子化の差分符号化は 1サンプル前の波形と値がほぼ同じであることを利用しており,予測符号化は前nサンプルから次のサンプルを予測し,誤差を記録することによりデータを圧縮している.こうすることによりデータ変化が小さくなりまたベクトル量子化は複数このサンプルを、あらかじめコードブックに記録されたデータから最も近いものを選び出力する.この時コードブックの中でよく使われるものをあらかじめ

Page 8: ディジタル信号処理 試験解説 2013年実施分

問 5• 学習しておき、それらを短い符号に置き換えることによりデータを圧縮する.

• 変換符号化はある信号を別の表現方法で表す方法である.例えば主成分分析は図のように、青い矢印から赤い矢印を軸としてとることにより 2次元で表現していたものを 1次元で表現している.

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問 5• メディア符号化は人間の視覚や聴覚の特性を利用して圧縮を行う.例えば JPEGは高周波成分を知覚しにくいことを利用して高周波成分の削減を行う.MP3は人間の可聴強度範囲を利用して音の削減を行う

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問 6• LTIシステム(講義資料 :No.9、 10)

• 前半は LTI離散時間システムの基礎式の証明参照( No.9の 31枚目)

• 後半は畳み込みの式の入力信号にある特定の周波数を入力するとその信号の振幅と位相のみが変化した信号が出力される.よって特定の周波数を一通り変化させることによりフィルタの特性を振幅と位相だけで完全に記述できる( No.10の 11枚目)…といったことを書けばよい

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問 7• ディジタルフィルタの設計(講義資料 No.11、 12)

• FIRで作るか IIRで作るか(どちらかひとつ書けばよい)

• FIRで作る場合→窓関数法• 所望の振幅特性( 100Hz以上が1、それ以外は 0)と位相特性(直線位相)を逆フーリエ変換する.→窓関数を掛けて有限に切り出す→因果性を満たすようにインパルス応答をシフト(講義資料 No.11  40枚目)

Page 12: ディジタル信号処理 試験解説 2013年実施分

問 7• IIRで作る場合• 元となる関数をどれにするか決める(バターワース、チェビシェフ etc)→カットオフ周波数の変換 (s→s/ωc)→ディジタルフィルタにするために双一次変換

• 双 2次フィルタを基として作ってもよい(変換方法はNo.12の 43枚目)

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問 7• 正規化角周波数とは 1サンプルで何 rad 進むか、のことである.しかし実際に用いられる物理的角周波数は 1秒あたりに何 rad進むかなのでこれを変換しなければならない

• 正規化角周波数と物理的角周波数との関係は Ω=ωTと定義されている(講義資料第 4回  31枚目)

• サンプリング周波数を fs(Hz)とすると T=1/fs,物理的周波数を fとすると ω=2πfであるから代入して

• ω=2πf/fs,ゆえに f=ωfs/2πと変換すればよい

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問 8• 講義資料の最初に復習などが掲載されているのでそれらをたどっていけばよい