図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4...

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2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査 1) 平成 25 年度春季 (1) 調査範囲 調査地点は、これまでに実施された調査結果を勘案し、踏査によってスイショ ウガイ分布を把握した後に、定量的観察の地点を設定した。踏査地点及び定量的 観察地点を図 2.4.1-1 に示す。 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境 調査 調査実施地点(平成 25 年度春季) 〔広域図〕 踏査 定量的観察 S127 S089 S107 S090 S108 S109 S105 S111 S112 S128 S096 S088 S098 S126 S097 S134 S110 S091 S083 S114 S116 S117 S132 S106 S118 S124 S122 S130 S113 S123 S125 S131 S087 S102 S129 3-378

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Page 1: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査

2.4.1 分布状況調査

1) 平成 25 年度春季

(1) 調査範囲

調査地点は、これまでに実施された調査結果を勘案し、踏査によってスイショ

ウガイ分布を把握した後に、定量的観察の地点を設定した。踏査地点及び定量的

観察地点を図 2.4.1-1 に示す。

図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 調査実施地点(平成 25 年度春季)

〔広域図〕

● 踏査

● 定量的観察

S127

S089

S107

S090

S108

S109

S105

S111

S112

S128

S096 S088

S098

S126

S097

S134

S110

S091

S083

S114

S116

S117

S132

S106

S118

S124

S122

S130

S113

S123

S125

S131

S087

S102

S129

3-378

Page 2: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(2) スイショウガイの分布

スイショウガイの分布を図 2.4.1-2 に示す。

調査対象とした計35地点中14地点で合計566個体のスイショウガイが記録さ

れ、記録された地点では 1~308 個体/100m2の密度であった。

図 2.4.1-2 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの分布(平成 25 年度春季)

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

1個体以上/100㎡

出現無し

3-379

Page 3: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(3) スイショウガイに付着するキクメイシモドキの分布

キクメイシモドキの付着したスイショウガイの分布を図 2.4.1-3 に示す。

キクメイシモドキの付着したスイショウガイは、6 地点で確認された。確認さ

れた地点での個体数は 1~9 個体/100m2であり、合計 23 個体であった。今回の調

査での確認数から、スイショウガイに対するキクメイシモドキの付着率を求める

と約 4.1%であった。

図 2.4.1-3 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 キクメイシモドキの付着したスイショウガイの分布(平成 25 年度春季)

キクメイシモドキ付着

のスイショウガイ出現

スイショウガイ出現

出現無し

3-380

Page 4: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(4) スイショウガイの幼貝の分布

スイショウガイ幼貝の分布を図 2.4.1-4 に示す。

外唇部の薄い幼貝は 2地点で 3 個体が確認され、水深 3~4m 付近の地点でみら

れた。

図 2.4.1-4 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの幼貝の分布(平成 25 年度春季)

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

1個体以上/100㎡

成貝の出現

3-381

Page 5: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2) 平成 25 年度夏季

(1) 調査範囲

調査地点は、これまでに実施された調査結果を勘案し、踏査によってスイショ

ウガイ分布を把握した後に、定量的観察の地点を設定した。踏査地点及び定量的

観察地点を図 2.4.1-5 に示す。

図 2.4.1-5 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 調査実施地点(平成 25 年度夏季)

〔広域図〕

● 踏査

● 定量的観察

S104

S089

S107

S090

S108

S109

S105

S111

S112

S128

S096 S088

S098

S126

S097

S134

S110

S091

S083

S114

S116

S117

S106

S118

S132S122

S113

S123

S082

S131S127

S129S099

S130

S125

3-382

Page 6: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(2) スイショウガイの分布

スイショウガイの分布を図 2.4.1-6 に示す。

調査対象とした計40地点中19地点で合計578個体のスイショウガイが記録さ

れ、記録された地点では 1~166 個体/100m2の密度であった。

図 2.4.1-6 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの分布(平成 25 年度夏季)

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

1個体以上/100㎡

出現無し

3-383

Page 7: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(3) スイショウガイに付着するキクメイシモドキの分布

キクメイシモドキの付着したスイショウガイの分布を図 2.4.1-7 に示す。

キクメイシモドキの付着したスイショウガイは、5 地点で確認された。確認さ

れた地点での個体数は 2~8 個体/100m2であり、合計 19 個体であった。今回の調

査での確認数から、スイショウガイに対するキクメイシモドキの付着率を求める

と約 3.3%であった。

図 2.4.1-7 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 キクメイシモドキの付着したスイショウガイの分布(平成 25 年度夏季)

キクメイシモドキ付着

のスイショウガイ出現

スイショウガイ出現

出現無し

3-384

Page 8: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(4) スイショウガイの幼貝の分布

スイショウガイ幼貝の分布を図 2.4.1-8 に示す。

外唇部の薄い幼貝は 11 地点で 23 個体が確認され、水深 1~10m 付近と幅広い

範囲でみられた。

図 2.4.1-8 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの幼貝の分布(平成 25 年度夏季)

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

1個体以上/100㎡

成貝の出現

3-385

Page 9: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

3) 平成 25 年度秋季

(1) 調査範囲

調査地点は、これまでに実施された調査結果を勘案し、踏査によってスイショ

ウガイ分布を把握した後に、定量的観察の地点を設定した。踏査地点及び定量的

観察地点を図 2.4.1-9 に示す。

図 2.4.1-9 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 調査実施地点(平成 25 年度秋季)

〔広域図〕

● 踏査

● 定量的観察

S127

S089

S107

S090

S108

S109

S105

S111

S112

S128

S096 S088

S126

S097 S110

S091

S099

S114

S116

S117

S106

S118

S103

S122

S130

S113

S082

S135

S102

S129

S104

3-386

Page 10: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(2) スイショウガイの分布

スイショウガイの分布を図 2.4.1-10 に示す。

調査対象とした計 31 地点中 8 地点で合計 532 個体のスイショウガイが記録さ

れ、記録された地点では 1~345 個体/100m2の密度であった。

図 2.4.1-10 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの分布(平成 25 年度秋季)

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

1個体以上/100㎡

出現無し

3-387

Page 11: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(3) スイショウガイに付着するキクメイシモドキの分布

キクメイシモドキの付着したスイショウガイの分布を図 2.4.1-11 に示す。

キクメイシモドキの付着したスイショウガイは、4 地点で確認された。確認さ

れた地点での個体数は 1~27 個体/100m2であり、合計 34 個体であった。今回の

調査での確認数から、スイショウガイに対するキクメイシモドキの付着率を求め

ると約 6.4%であった。

図 2.4.1-11 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 キクメイシモドキの付着したスイショウガイの分布(平成 25 年度秋季)

キクメイシモドキ付着

のスイショウガイ出現

スイショウガイ出現

出現無し

3-388

Page 12: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

(4) スイショウガイの幼貝の分布

スイショウガイ幼貝の分布を図 2.4.1-12 に示す。

外唇部の薄い幼貝は 3 地点で 6 個体が確認され、水深 2m 付近の地点でみられ

た。

図 2.4.1-12 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの幼貝の分布(平成 25 年度秋季)

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

1個体以上/100㎡

成貝の出現

3-389

Page 13: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2.4.2 定量的観察

1) スイショウガイの個体数とキクメイシモドキの付着の状況

平成 25 年度春季~秋季の定量的観察では、図 2.4.2-1 に示す 19 地点を対象

とし、各季 10 地点ずつ行った。

図 2.4.2-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 定量的観察を実施した調査地点(平成 25 年度春季~秋季)

・定量調査地点

〔広域図〕

S089

S107

S090

S108

S109

S105

S111

S112

S096

S126

S097 S110

S091

S114

S116

S106

S122

S113

S088

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Page 14: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

キクメイシモドキの付着がみられたスイショウガイそれぞれについて、その個

体へのキクメイシモドキの付着の状況を観察した。観察は、キクメイシモドキ群

体の被覆規模として、群体の長径と短径及び被覆率(スイショウガイを通常匍匐

活動をしている向きに置き、上面(背面)からみた面積を 100%としたときの被覆

割合)を記録した。また、キクメイシモドキのポリプ数と、最大・最小のポリプ

径を計測した。

平成 25 年度春季~秋季の定量的観察結果を表 2.4.2-1、表 2.4.2-2 に示す。

スイショウガイの定量的観察において、観察されたスイショウガイは 3季の合

計で成貝は 904 個体、貝殻の外唇部分が肥厚していない幼貝(図 2.4.2-2 参照)

は 21 個体であった。このうち、キクメイシモドキが付着していたのは成貝だけ

であり、その個体数は 45 個体であった。

表 2.4.2-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの

生息環境調査 確認されたスイショウガイの数

成貝 幼貝 成貝 幼貝春季 S091 17 0 0 0 H25.4 S096 17 0 3 0

S097 0 2 0 0 S109 116 1 3 0 S111 37 0 1 0 S113 36 0 4 0 S114 1 0 0 0 小計 224 3 11 0

夏季 S106 12 0 0 0 H25.8 S108 2 5 0 0

S112 96 3 2 0 S113 72 2 3 0 S114 6 1 0 0 S116 1 5 0 0 S122 114 0 2 0 小計 303 16 7 0

秋季 S089 5 0 0 0 H25.11 S096 370 2 27 0

S105 1 0 0 0 S109 1 0 0 0 小計 377 2 27 0

904 21 45 0

調査季地点番号

スイショウガイの個体数

(A)

Aのうち、キクメイシモド

キ付着の個体数

合計

3-391

Page 15: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

<成貝> <幼貝>

外唇部分が肥厚している 外唇部分が肥厚していない

図 2.4.2-2 スイショウガイの成貝及び幼貝の区別点

図 2.4.2-3 キクメイシモドキが付着したスイショウガイ

外唇 外唇

3-392

Page 16: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

付着がみられたスイショウガイの殻長は、54~70mm(平均 60mm)であり、殻

幅は 37~47mm(平均 41mm)、外唇厚は 5.6~8.7mm(平均 7.4mm)であった。付着

していたキクメイシモドキの被覆率は 5~100%(平均 38%)であり、ポリプ数

は 1~126(平均 30)であった。

表 2.4.2-2 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの

生息環境調査 キクメイシモドキの付着状況

地点番号

幼/成 殻長 殻幅 外唇厚 被覆率 長径 短径 数 最大 最小 備考

春季 S096 1 成 62mm 43mm 7.2mm 70% 44.2mm 37.2mm 45 10.5mm 2.3mm

H25.4 2 成 65mm 42mm 5.6mm 50% 32.7mm 31.8mm 41 7.7mm 3.4mm

3 成 59mm 40mm 6.6mm 30% 24.9mm 22.3mm 18 7.3mm 3.3mm

S109 1 成 60mm 42mm 7.8mm 15% 18.9mm 15.4mm 11 6.0mm 3.2mm

2 成 62mm 41mm 8.0mm 40% 29.3mm 28.4mm 29 7.9mm 2.9mm

3 成 57mm 38mm 7.1mm 5% 7.5mm 7.5mm 1 7.5mm 7.5mm

S111 1 成 63mm 43mm 8.2mm 10% 23.3mm 19.5mm 11 7.7mm 2.0mm

S113 1 成 59mm 38mm 7.5mm 30% 32.1mm 24.2mm 27 6.8mm 2.9mm

2 成 57mm 38mm 7.7mm 15% 27.4mm 18.0mm 13 8.4mm 4.8mm 部分死亡

3 成 54mm 37mm 7.3mm 40% 27.8mm 27.5mm 29 7.0mm 2.1mm 部分死亡

4 成 58mm 40mm 6.8mm 10% 21.6mm 15.4mm 10 6.7mm 3.6mm

夏季 S112 1 成 61mm 40mm 7.8mm 20% 25.2mm 23.2mm 23 8.3mm 1.9mm

H25.8 2 成 59mm 38mm 8.1mm 40% 32.5mm 25.6mm 32 7.3mm 2.4mm

S113 1 成 56mm 39mm 6.0mm 30% 31.4mm 25.8mm 20 8.3mm 3.2mm

2 成 63mm 43mm 6.8mm 20% 27.5mm 23.0mm 27 6.5mm 1.6mm

3 成 60mm 37mm 6.5mm 10% 18.4mm 16.6mm 8 7.3mm 3.2mm

S122 1 成 61mm 39mm 6.9mm 30% 31.8mm 23.8mm 34 7.8mm 1.4mm

2 成 60mm 45mm 7.5mm 20% 22.9mm 20.1mm 18 7.6mm 2.0mm

秋季 S096 1 成 58mm 42mm 7.8mm 100% 55.8mm 38.9mm 126 9.8mm 1.3mm

H25.11 2 成 62mm 43mm 8.3mm 75% 48.7mm 35.9mm 73 8.8mm 2.4mm

3 成 66mm 43mm 8.6mm 25% 39.0mm 25.1mm 21 8.7mm 3.1mm

4 成 65mm 44mm 6.5mm 95% 49.0mm 36.7mm 81 7.3mm 2.0mm

5 成 61mm 43mm 8.1mm 15% 28.8mm 18.1mm 15 8.4mm 4.2mm

6 成 62mm 42mm 7.1mm 20% 25.0mm 20.2mm 21 8.4mm 2.2mm

7 成 59mm 37mm 8.1mm 10% 15.7mm 12.2mm 12 7.7mm 2.1mm

8 成 61mm 43mm 7.0mm 15% 23.7mm 20.4mm 14 9.1mm 1.9mm

9 成 60mm 42mm 8.0mm 75% 41.3mm 32.4mm 53 7.6mm 2.4mm

10 成 60mm 41mm 7.2mm 80% 46.8mm 37.9mm 70 8.2mm 2.3mm

11 成 58mm 41mm 6.9mm 45% 38.1mm 31.1mm 26 8.2mm 2.9mm

12 成 66mm 45mm 6.2mm 55% 40.3mm 36.0mm 48 7.6mm 2.2mm

13 成 57mm 39mm 7.5mm 30% 33.3mm 29.1mm 27 8.9mm 2.4mm

14 成 62mm 47mm 8.3mm 100% 55.1mm 42.6mm 74 7.5mm 2.3mm

15 成 61mm 41mm 6.6mm 90% 49.8mm 40.6mm 50 8.4mm 2.2mm

16 成 60mm 43mm 8.0mm 40% 34.4mm 27.7mm 35 8.9mm 2.0mm

17 成 56mm 39mm 7.2mm 35% 25.1mm 22.9mm 26 6.2mm 2.0mm

18 成 64mm 46mm 8.2mm 95% 52.2mm 41.0mm 36 9.8mm 2.6mm

19 成 58mm 43mm 8.5mm 60% 36.2mm 34.6mm 37 8.7mm 1.8mm

20 成 63mm 43mm 8.7mm 25% 28.8mm 24.6mm 25 5.9mm 2.3mm

21 成 70mm 47mm 7.1mm 55% 38.8mm 33.5mm 42 6.2mm 2.4mm

15% 22.2mm 18.1mm 9 7.6mm 2.6mm

5% 7.3mm 5.6mm 2 4.9mm 2.4mm

23 成 57mm 37mm 6.8mm 25% 7.9mm 7.0mm 6 5.7mm 1.9mm

24 成 58mm 40mm 7.6mm 5% 15.0mm 18.7mm 8 7.1mm 2.5mm

25 成 62mm 43mm 7.6mm 35% 31.3mm 28.0mm 26 8.3mm 2.1mm

26 成 60mm 38mm 7.2mm 10% 20.4mm 17.4mm 8 7.5mm 2.6mm

27 成 58mm 39mm 6.6mm 30% 28.6mm 22.6mm 17 7.4mm 1.8mm

- 60mm 41mm 7.4mm 38% 30.8mm 25.3mm 30 7.7mm 2.6mm

注)Noは地点におけるスイショウガイの計測番号。

22 成 61mm 43mm 7.9mm1個体に2群体付着

平均

調査季 No.スイショウガイ

キクメイシモドキ

群体 ポリプ

3-393

Page 17: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2) 底質分析結果

定量的観察を行った各季 10 地点で採取した底質の分析結果より、シルト・粘

土分の比率と有機物の指標である強熱減量との相関を図 2.4.2-4 に、分析結果

を表 2.4.2-3 に示す。

粒度組成の分析結果をみると、定量的観察を行った範囲は概ねシルト・粘土分

の比率が 40~80%と粒径の細かい底質であった。

強熱減量は概ね 5~10%の範囲でみられ、春季はシルト・粘土分に比例して高

い値でみられたが、夏季・秋季はシルト・粘土との明瞭な関係はみられなかった。

一般にシルト・粘土分と強熱減量は、正の相関を示すことが知られており、過

年度の調査結果においてもその傾向は確認されている。

本年度の夏季・秋季のシルト・粘土分と強熱減量が正の相関を明瞭に示さなか

った原因としては、本年度は夏季から秋季にかけて台風の通過が相次いたため、

台風による波浪の影響により、底質が断続的に撹拌を受け続けていた可能性が考

えられた。

図 2.4.2-4 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 底質のシルト・粘土分と強熱減量の関係

0

2

4

6

8

10

12

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

強熱減

量(%)

シルト・粘土(%)

H25春

H25夏

H25秋

3-394

Page 18: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

表 2.4.2-3 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 底質分析結果

St.S089 St.S090 St.S091 St.S096 St.S097 St.S105 St.S109 St.S111 St.S113 St.S114

7.4 7.5 8.7 5.3 6.3 5.9 10.2 10.5 9.4 6.7

粗礫 19~75mm - - - - - - - - - -

粒 中礫 4.75~19mm - - - - - 0.3 - - - 0.1

度 細礫 2~4.75mm - 0.3 0.2 0.1 0.2 1.0 0.1 0.4 0.1 0.6

組 粗砂 0.85~2mm 0.2 0.3 0.3 0.3 0.4 0.5 0.4 0.4 0.2 0.9

成 中砂 0.25~0.85mm 1.1 1.6 0.4 2.1 1.4 2.1 1.0 1.0 0.9 4.6

細砂 0.075~0.25mm 34.2 41.7 28.3 57.9 54.8 50.2 27.1 31.5 19.1 45.9

(%) シルト分 0.005~0.075mm 42.9 36.2 43.4 28.5 28.7 29.6 50.1 47.0 57.9 30.0

粘土分 0.005mm未満 21.6 19.9 27.4 11.1 14.5 16.3 21.3 19.7 21.8 17.9

St.S106 St.S107 St.S108 St.S110 St.S112 St.S113 St.S114 St.S116 St.S122 St.S126

4.5 6.8 7.2 8.7 9.8 8.4 7.7 6.3 5.5 6.7

粗礫 19~75mm - - - - - - - - - -

粒 中礫 4.75~19mm - - - - - - - - - -

度 細礫 2~4.75mm 0.2 0.1 0.1 0.3 0.6 0.3 0.3 0.3 0.3 0.1

組 粗砂 0.85~2mm 0.5 0.5 0.2 0.6 0.5 0.4 0.3 0.5 0.3 0.3

成 中砂 0.25~0.85mm 2.7 2.8 1.2 0.5 1.5 1.2 1.6 2.4 2.3 2.4

細砂 0.075~0.25mm 63.2 42.5 34.3 21.1 19.5 15.0 28.3 41.7 44.9 37.1

(%) シルト分 0.005~0.075mm 26.5 40.9 44.5 52.3 53.6 58.0 48.3 38.1 43.2 46.0

粘土分 0.005mm未満 6.9 13.2 19.7 25.2 24.3 25.1 21.2 17.0 9.0 14.1

St.S088 St.S089 St.S090 St.S091 St.S096 St.S105 St.S109 St.S111 St.S113 St.S114

3.1 6.2 7.1 8.0 4.8 5.8 6.2 8.1 7.6 6.9

粗礫 19~75mm - - - - - - - - - -

粒 中礫 4.75~19mm - - - - - - - - - -

度 細礫 2~4.75mm - 0.7 0.1 0.3 0.1 0.4 0.6 - 0.1 0.2

組 粗砂 0.85~2mm 0.5 0.2 0.5 0.1 0.4 0.6 0.5 0.4 0.1 0.3

成 中砂 0.25~0.85mm 5.0 0.8 0.9 0.7 2.5 3.1 2.5 1.0 1.5 6.8

細砂 0.075~0.25mm 80.9 32.9 33.5 14.2 62.5 44.5 52.8 17.0 19.0 27.7

(%) シルト分 0.005~0.075mm 10.3 44.4 41.2 57.0 23.6 32.9 29.8 52.3 52.3 40.5

粘土分 0.005mm未満 3.3 21.0 23.8 27.7 10.9 18.5 13.8 29.3 27.0 24.5

項目\調査地点平成25年度秋季

強熱減量(%)

項目\調査地点

強熱減量(%)

項目\調査地点

強熱減量(%)

平成25年度春季

平成25年度夏季

3-395

Page 19: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

定量的観察を行った各地点におけるシルト・粘土分の平均値を表 2.4.2-4に、

分布図を図 2.4.2-5 に示す。各地点のシルト・粘土分は、複数回調査している

地点ではその平均値を用いて分布図を作成した。

シルト・粘土分の含有率の高い場所は、水深の深い切れ込み部分に、モザイク

状に分布している状況がうかがえた。

表 2.4.2-4 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する

キクメイシモドキの生息環境調査 シルト・粘土分の平均値

図 2.4.2-5 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する

キクメイシモドキの生息環境調査 シルト・粘土分の分布

70%

60%

80%

地点名 St.S088 St.S089 St.S090 St.S091 St.S096 St.S097 St.S105シルト+粘土(%) 13.6 65.0 60.6 77.8 37.1 43.2 48.7

地点名 St.S106 St.S107 St.S108 St.S109 St.S110 St.S111 St.S112シルト+粘土(%) 33.4 54.1 64.2 57.5 77.5 74.2 77.9

地点名 St.S113 St.S114 St.S116 St.S122 St.S126シルト+粘土(%) 80.7 60.8 55.1 52.2 60.1

3-396

Page 20: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2.4.3 スイショウガイに付着するキクメイシモドキに関する整理・解析

1) スイショウガイの分布について

平成25年度春季~秋季の調査におけるスイショウガイの分布を図 2.4.3-1に、

このうちキクメイシモドキが付着した個体の分布を図 2.4.3-2 に示す。

スイショウガイは、春季には水深 1~11m の広い範囲に分布し、水深 3~5m の

範囲に多くみられた。夏季では春季と同様に水深 0~11m の広い範囲に分布して

いたが、多くの個体がみられた地点は水深 2m 付近であった。秋季には大半が水

深 5m 以浅に分布し、その中でも水深 1~2m の地点で多くみられた。

キクメイシモドキが付着したスイショウガイは、観察個体数が少なかったがス

イショウガイ(キクメイシモドキの付着ない個体)と概ね同様の分布であった。

以上のことより、スイショウガイはキクメイシモドキの付着にかかわらず、春

季から夏季には浅所から深所まで広く分布し、秋季には浅所に分布するという季

節的な分布の偏りがあるものと推察された。なお、この傾向はこれまでの既往調

査※の結果と同様の傾向であった。

※参照した過年度の調査を以下に示す。 シュワブ(H18)環境現況調査(その 3) シュワブ(H18)環境現況追加調査(その 3-1) シュワブ(H18)環境現況追加調査(その 3-2) シュワブ(H21)水域生物等調査 シュワブ(H22)水域生物等調査 シュワブ(H23)水域生物等調査

3-397

Page 21: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

図 2.4.3-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 スイショウガイの分布状況の推移

図 2.4.3-2 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 キクメイシモドキが付着したスイショウガイの分布状況の推移

100個体以上/100㎡

50個体以上/100㎡

10個体以上/100㎡

  1個体以上/100㎡

 出現無し

キクメイシモドキ付着のスイショウガイ出現

 スイショウガイ出現

 出現無し

平成 25 年度秋季 平成 25 年度夏季 平成 25 年度春季

平成 25 年度秋季 平成 25 年度夏季 平成 25 年度春季

3-398

Page 22: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

定量的観察を行った各季 10 地点のシルト・粘土分の比率と、平成 25 年度春季

~秋季までのスイショウガイの個体数を図 2.4.3-3 に示す。

スイショウガイはシルト・粘土分が約 35~80%の範囲で多くみられたが、シル

ト・粘土分がその範囲内にあっても全くみられない地点もあったため、本調査結

果からはシルト・粘土分とスイショウガイの分布に明瞭な関係はみられなかった。

図 2.4.3-3 サンゴ類調査 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境

調査 底質のシルト・粘土分とスイショウガイ個体数

0

50

100

150

200

250

300

350

400

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

スイ

ショ

ウガイ

の個

体数

シルト・粘土(%)

H25春

H25夏

H25秋

3-399

Page 23: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2) キクメイシモドキの付着について

スイショウガイの殻長と外唇厚を、キクメイシモドキ付着の有無別に図

2.4.3-4 に示す。

外唇の薄いスイショウガイ(幼貝)には、殻長にかかわらずキクメイシモドキ

の付着はみられず、外唇の厚みが増したスイショウガイ(成貝)にのみ、キクメ

イシモドキの付着がみられた。このうちキクメイシモドキの付着がみられた個体

は、外唇厚 5.6mm 以上であり、キクメイシモドキはある一定の成長段階以上のス

イショウガイに付着していると考えられた。

巻貝類であるスイショウガイは、成長期に「回転成長」と呼ばれる、匍匐移動

する際の上面が回転しながら成長し、ある程度の大きさまでに成長すると、回転

成長が止まり、これ以降は外唇が肥大する。

以上のことから、キクメイシモドキは、回転成長中のスイショウガイ(幼貝)

に付着した場合、徐々に回転して底面に移動してしまうので生存できないが、回

転成長が止まり、上面が移動しなくなったスイショウガイ(成貝)に付着すると

生存・増殖できるものと考えられた。

図 2.4.3-4 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する

キクメイシモドキの生息環境調査 スイショウガイの殻長と外唇厚の関係

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

12.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

外唇

厚(m

m)

殻長 (mm)

キクメイシモドキ付着なし

キクメイシモドキ付着

外唇厚の薄い幼貝には

キクメイシモドキの付着がみられない

外唇厚 5.6mm 以上で

キクメイシモドキの付着あり

外唇厚が肥大

しはじめた成貝

3-400

Page 24: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

2.5 調査期間中の海水温の推移とサンゴ類の白化について

2.5.1 調査の目的・方法

サンゴ類の白化の原因の 1 つとして高水温が知られており、一般に水温が 28~

30℃を超えると白化の危険性が高まるといわれていることから、調査対象海域の海

水温の推移を把握しておくことは、サンゴ類の白化状況等の考察を行うにあたり重

要なデータになるものと考えられた。

本調査では、現地調査対象期間であ

る平成 25 年度春季から秋季にかけて、

現地調査のため調査船を出港させた

際に併せて、図 2.5.1-1 に示す大浦

湾中央の地点において海水温の測定

を実施した。

図 2.5.1-1 水温計測地点

2.5.2 調査結果

水深 5m の水温の経時変化を図 2.5.2-1 に、鉛直分布を図 2.5.2-2 に示す。

水温の経時変化をみると、水温は 4 月より上昇し 7 月から 9 月中まで 28℃を下

回ることはなく、7 月、8 月には 30℃以上に達した時期もみられた。その後 10 月

から 11 月にかけて徐々に低下した。鉛直分布をみると、どの時期においても表層

から底層までほぼ一定であり、水温躍層の存在はみられなかった。

図 2.5.2-1 平成 25 年度春季~秋季の大浦湾中央での水温の経時変化

20.0

22.0

24.0

26.0

28.0

30.0

32.0

平成25年3月

平成25年4月

平成25年5月

平成25年6月

平成25年7月

平成25年8月

平成25年9月

平成

25年10月

平成

25年11月

水温

(℃)

調査対象期間

秋季 春季 夏季

3-401

Page 25: 図 2.4.1-1 サンゴ類調査 スイショウガイに付着する …2.4 スイショウガイに付着するキクメイシモドキの生息環境調査 2.4.1 分布状況調査

図 2.5.2-2(1) 大浦湾中央での水温の鉛直分布(平成 25 年度春季)

図 2.5.2-2(2) 大浦湾中央での水温の鉛直分布(平成 25 年度夏季)

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

15.0 20.0 25.0 30.0 35.0

水深(m)

水温(℃) 6/18

6/19

6/22

6/23

6/24

7/2

7/9

7/15

7/20

7/22

7/29

7/24

7/29

8/13

8/24

8/26

9/4

9/9

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

15.0 17.0 19.0 21.0 23.0 25.0 27.0

水深

(m)

水温(℃)

3/19

3/25

4/1

5/28

3-402