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利根川上流河川事務所 利根川上流河川事務所

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Page 1: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

交通のご案内車をご利用の場合

国道354号線三国橋より北西約3Km東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分

東武鉄道ご利用の場合

東武日光線新古河駅、柳生駅、板倉東洋大駅前、藤岡駅 下車(浅草駅~板倉東洋大前駅:約1時間)(東武宇都宮駅~板倉東洋大前駅:約1時間)

JRご利用の場合

JR宇都宮線古河駅、野木駅 下車(上野駅~古河駅:約1時間)(宇都宮駅~古河駅:約40分)

国土交通省 関東地方整備局

利根川上流河川事務所利根川上流河川事務所利根川上流河川事務所

板倉東洋大前

藤岡

柳生新古河

栗橋

古河

野木

間々田

至 浅草至 上野至 東京

至 栃木IC

佐野藤岡IC

加須IC

館林IC県道佐野古河線

至 宇都宮 至 宇都宮

国道50号線

国道354号線

県道古河加須線

県道藤岡乙女線

利根川

渡良瀬川

東武日光線

東武日光線

JR宇都宮線

東北自動車道

巴波川

思川

熊谷

足利

渡良瀬遊水地渡良瀬遊水地

県道藤岡乙女線

〒349-1198 埼玉県久喜市栗橋北2丁目19番1号TEL.0480-52-3959/FAX.0480-52-3963ホームページアドレス http://www.ktr.mlit.go.jp/tonejo

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渡良瀬遊水地のしくみ

渡良瀬貯水池

(谷中湖)

第1調節池

第3調節池

第2調節池第1調節池

第3調節池

第2調節池

渡良瀬貯水池

(谷中湖)

名 称 河 川 所在地 面積(km2)容積(百万m3)

渡良瀬遊水地 利根川上流 栃木県藤岡町他 33 171.8

一関遊水地 北上川上流 岩手県一関市他 14.5 124.5

母子島遊水地 小貝川 茨城県下館市他 0.16 5.0

鶴見川多目的遊水地 鶴見川 神奈川県横浜市 0.01 3.9

■他の遊水地との比較

洪水が収まるまで、遊水地内で水を貯め込む

普段は湿地や草原が広がっている

洪水時には越流堤より遊水地内へ水が流れ込み下流に流れる水の量を減らす

渡良瀬遊水地のしくみ

■遊水地直下流ハイドロ(モデル)

面 積 5.0km2  容 量 35.6(百万m3)

第2調節池

渡良瀬川と思川、巴波川に囲まれた調節池。思川に面して越流堤があります。一部の耕作地以外は広大なヨシ原となっています。また、湿地環境の保全・再生を進めるため、掘削による湿地再生を行っています。

面 積 2.8km2  容 量 19.1(百万m3)

第3調節池

面  積  33km2  容  量  171.8百万m3

遊水地(全体) 

※33km2は、第1~第3調節池の他、遊水地内の河川や 河川敷を含めた数字です。

面 積 15.0km2  容 量 117.1(百万m3)

第1調節池

渡良瀬遊水地の中で最も大きな調節池。南側には谷中湖、北側には広大なヨシ原が広がっており、一部はグラウンドやゴルフ場にも利用されています。

①遊水地がない場合 の流出量

②調節池化前流出量 (自然遊水)

③調節池化後流出量

調節池化効果

湛水開始

時間T0 T1 T2 T3 T4

流量

図-1 調節池化前湛水量

調節池化後湛水量

渡良瀬川

第1上流越流堤

第1排水門

第3排水門

第2排水門

第1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤 巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川

第1上流越流堤

第1排水門

第3排水門

第2排水門

第1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤 巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川第1上流越流堤

1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川第1上流越流堤

第第第第第第第第第1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川巴波川

思川

谷田川

洪水が収まると排水門をあけて遊水地内に貯まった水を川に流す

渡良瀬川

第1

排水門

2排水門

巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川

第1排水門排水門排水排水排排排水門

第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第33333333333333333333333333排水門

第第第第第第第第第第第第第第第第第第第2排水門

巴波川

思川

谷田川

■貯水池諸元

非洪水期水位 Y.P.+15.00m洪水期満水位   Y.P.+13.90m治水容量   1,000万m3

貯水池底高   Y.P.+8.50m

非洪水期利水容量   2,640万m3

総貯水容量 2,640万m3

6.5m

3.0m

3.5m

洪水期制限水位   Y.P.+11.50m洪水期利水容量   1,220万m3

3つの調節池の中で最も小さい調節池。巴波川の改修状況に合わせ、平成9年6月に概成しました。池内はほとんど利用されておらず、高木のアカメヤナギ群落や湿地のスゲ群落などが見られます。

遊水地からひろがる

 渡良瀬遊水地が位置しているのは利根川の中

流部付近。渡良瀬川、思川、巴波川の3河川が流入

し、すぐ下流で利根川と合流しています。

 渡良瀬遊水地は栃木、群馬、埼玉、茨城4県の県

境にまたがる、広大な遊水地です。その下流に多く

の資産が集中する利根川水系にあって、治水の上

で大きな役割を果たしています。

 渡良瀬遊水地が現在のような形に改修されたの

は明治43年(1910)から大正11年(1922)に

かけての渡良瀬川の改修工事によるものです。

 この後、遊水地をより効果的に活用するため※囲繞堤や※越流堤を設ける「調節池化事業」や、

洪水調節や都市用水の供給、流水の正常な機能

の維持を行うための多目的貯水池を掘削する「貯

水池化事業(総合開発事業)」が行われ、現在に

至っています。

 このように、渡良瀬遊水地は3,300haという日

本最大の面積を活かして洪水に備えるだけでなく

生活用水の確保にまではたらきを広げることで利

根川流域の人々の暮らしを支えています。 

いぎょうてい えつりゅうてい

渡良瀬遊水地とは

※ P8参照 

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渡良瀬遊水地のしくみ

渡良瀬貯水池

(谷中湖)

第1調節池

第3調節池

第2調節池第1調節池

第3調節池

第2調節池

渡良瀬貯水池

(谷中湖)

名 称 河 川 所在地 面積(km2)容積(百万m3)

渡良瀬遊水地 利根川上流 栃木県藤岡町他 33 171.8

一関遊水地 北上川上流 岩手県一関市他 14.5 124.5

母子島遊水地 小貝川 茨城県下館市他 0.16 5.0

鶴見川多目的遊水地 鶴見川 神奈川県横浜市 0.01 3.9

■他の遊水地との比較

洪水が収まるまで、遊水地内で水を貯め込む

普段は湿地や草原が広がっている

洪水時には越流堤より遊水地内へ水が流れ込み下流に流れる水の量を減らす

渡良瀬遊水地のしくみ

■遊水地直下流ハイドロ(モデル)

面 積 5.0km2  容 量 35.6(百万m3)

第2調節池

渡良瀬川と思川、巴波川に囲まれた調節池。思川に面して越流堤があります。一部の耕作地以外は広大なヨシ原となっています。また、湿地環境の保全・再生を進めるため、掘削による湿地再生を行っています。

面 積 2.8km2  容 量 19.1(百万m3)

第3調節池

面  積  33km2  容  量  171.8百万m3

遊水地(全体) 

※33km2は、第1~第3調節池の他、遊水地内の河川や 河川敷を含めた数字です。

面 積 15.0km2  容 量 117.1(百万m3)

第1調節池

渡良瀬遊水地の中で最も大きな調節池。南側には谷中湖、北側には広大なヨシ原が広がっており、一部はグラウンドやゴルフ場にも利用されています。

①遊水地がない場合 の流出量

②調節池化前流出量 (自然遊水)

③調節池化後流出量

調節池化効果

湛水開始

時間T0 T1 T2 T3 T4

流量

図-1 調節池化前湛水量

調節池化後湛水量

渡良瀬川

第1上流越流堤

第1排水門

第3排水門

第2排水門

第1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤 巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川

第1上流越流堤

第1排水門

第3排水門

第2排水門

第1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤 巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川第1上流越流堤

1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川第1上流越流堤

第第第第第第第第第1下流越流堤

第2越流堤

第3越流堤巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川巴波川

思川

谷田川

洪水が収まると排水門をあけて遊水地内に貯まった水を川に流す

渡良瀬川

第1

排水門

2排水門

巴波川

思川

谷田川

渡良瀬川

第1排水門排水門排水排水排排排水門

第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第第33333333333333333333333333排水門

第第第第第第第第第第第第第第第第第第第2排水門

巴波川

思川

谷田川

■貯水池諸元

非洪水期水位 Y.P.+15.00m洪水期満水位   Y.P.+13.90m治水容量   1,000万m3

貯水池底高   Y.P.+8.50m

非洪水期利水容量   2,640万m3

総貯水容量 2,640万m3

6.5m

3.0m

3.5m

洪水期制限水位   Y.P.+11.50m洪水期利水容量   1,220万m3

3つの調節池の中で最も小さい調節池。巴波川の改修状況に合わせ、平成9年6月に概成しました。池内はほとんど利用されておらず、高木のアカメヤナギ群落や湿地のスゲ群落などが見られます。

遊水地からひろがる

 渡良瀬遊水地が位置しているのは利根川の中

流部付近。渡良瀬川、思川、巴波川の3河川が流入

し、すぐ下流で利根川と合流しています。

 渡良瀬遊水地は栃木、群馬、埼玉、茨城4県の県

境にまたがる、広大な遊水地です。その下流に多く

の資産が集中する利根川水系にあって、治水の上

で大きな役割を果たしています。

 渡良瀬遊水地が現在のような形に改修されたの

は明治43年(1910)から大正11年(1922)に

かけての渡良瀬川の改修工事によるものです。

 この後、遊水地をより効果的に活用するため※囲繞堤や※越流堤を設ける「調節池化事業」や、

洪水調節や都市用水の供給、流水の正常な機能

の維持を行うための多目的貯水池を掘削する「貯

水池化事業(総合開発事業)」が行われ、現在に

至っています。

 このように、渡良瀬遊水地は3,300haという日

本最大の面積を活かして洪水に備えるだけでなく

生活用水の確保にまではたらきを広げることで利

根川流域の人々の暮らしを支えています。 

いぎょうてい えつりゅうてい

渡良瀬遊水地とは

※ P8参照 

Page 4: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

物語る・渡良瀬遊水地の歴史

豊かな谷中村の暮らし 谷中村は渡良瀬川と思川に挟まれ、沼地や湿地

が広がる地域にあった3つの村が合併して明治22

年(1889)に誕生しました。

 元々、沼地や湿地が広がる地域で、洪水常襲地

帯でした。このため集落の多くは、微高地や自然堤

防上にあり、集落と耕地を囲む囲堤に囲まれてい

ました。各民家では、水害対策として多数の水塚(洪

水被害を最小限にとどめるため家屋の地盤を高く

土を盛った場所)や水害防備林を設け、揚げ舟(洪

水時の脱出や移動に使う舟)を常備していました。

現在でも50近い水塚の点在が確認されています。

 養蚕業や漁業なども盛んで、明治20年代にはウ

ナギやコイ、フナなどを捕って暮らす人々が大勢い

ました。さらに洪水がもたらす土を使った煉瓦製造

業も営まれており、全体に谷中村の人々は豊かに暮

らしていました。

みづか

かこいづつみ

延命院跡

谷中村雷電神社

谷中村成立前の様子

■およそ100年前の谷中村の姿

役場跡の水塚

谷中村の囲堤

谷中村水塚分布図 0 20m

明神宮

八幡宮

日枝神社

谷中村役場

雷電神社

延命寺

牛頭天王社

龍蔵院

稲荷神社

稲荷神社

八幡宮

凡 例

堤   塘

水 路 川

宅   地

山   林

荒   地

昭和34年平面図に地籍図と下宮村縮図より土地利用を作成

■渡良瀬川・思川・巴波川周辺の囲堤■渡良瀬川・思川・巴波川周辺の囲堤

Page 5: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

物語る・渡良瀬遊水地の歴史

豊かな谷中村の暮らし 谷中村は渡良瀬川と思川に挟まれ、沼地や湿地

が広がる地域にあった3つの村が合併して明治22

年(1889)に誕生しました。

 元々、沼地や湿地が広がる地域で、洪水常襲地

帯でした。このため集落の多くは、微高地や自然堤

防上にあり、集落と耕地を囲む囲堤に囲まれてい

ました。各民家では、水害対策として多数の水塚(洪

水被害を最小限にとどめるため家屋の地盤を高く

土を盛った場所)や水害防備林を設け、揚げ舟(洪

水時の脱出や移動に使う舟)を常備していました。

現在でも50近い水塚の点在が確認されています。

 養蚕業や漁業なども盛んで、明治20年代にはウ

ナギやコイ、フナなどを捕って暮らす人々が大勢い

ました。さらに洪水がもたらす土を使った煉瓦製造

業も営まれており、全体に谷中村の人々は豊かに暮

らしていました。

みづか

かこいづつみ

延命院跡

谷中村雷電神社

谷中村成立前の様子

■およそ100年前の谷中村の姿

役場跡の水塚

谷中村の囲堤

谷中村水塚分布図 0 20m

明神宮

八幡宮

日枝神社

谷中村役場

雷電神社

延命寺

牛頭天王社

龍蔵院

稲荷神社

稲荷神社

八幡宮

凡 例

堤   塘

水 路 川

宅   地

山   林

荒   地

昭和34年平面図に地籍図と下宮村縮図より土地利用を作成

■渡良瀬川・思川・巴波川周辺の囲堤■渡良瀬川・思川・巴波川周辺の囲堤

Page 6: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

物語る・渡良瀬遊水地の歴史

谷中廃村と遊水地化 明治になって産銅量が飛躍的に伸び、精錬に

必要な木炭を得るために乱伐を重ねた水源の山々

は保水力を失い、頻発する洪水によって鉱毒被

害が渡良瀬川をはじめとする下流域に広がりま

した。

 明治23年(1890)、明治29年(1896)の洪水

では、氾濫水とともに鉱滓等が中・下流域の農地に

流出し、被害が広範囲に及び、鉱毒反対運動が、大

きく広がっていった。

 谷中村では排水器の設置などを行いましたが、

思うように機能せず、村はさらに追いつめられ孤立

していきます。さらに明治35年(1902)の洪水で

谷中村は水没し、村は沼のような状態になります。

 明治36年(1903)、第二次鉱毒調査委員会は、

「足尾銅山に関する調査報告書」を政府に提出し、

谷中村の遊水地化案が具体化しました。

 その後谷中村民の移住がはじまり、多くは周辺町

村に移り住みましたが、遠くでは栃木県那須郡、塩

谷郡、さらに北海道佐呂間へも及びました。

 移住先では原野の開墾など様々な苦労を強いら

れました。

 やがて、明治39年(1906)に谷中村は廃村とな

りました。

 渡良瀬遊水地はこのように、人々の大きな犠牲

のもとにつくられたのです。

足尾銅山(明治18年頃)

鉱毒で枯れた麦

洪水で水没した谷中村 明治37年(1904)頃

今も残る排水器跡

鉱毒被害の範囲谷中村民の最初の主な移転先

谷中村・遊水地略年表明治29年(1896)

明治30年(1897)

明治33年(1900)

明治33年(1900)

明治34年(1901)

明治35年(1902)

明治38年(1905)

明治40年(1907)

明治43年(1910)

明治44年(1911)

大正 7 年(1918)

大正11年(1922)

昭和14年(1939)

昭和16年(1941)

昭和22年(1947)

昭和24年(1949)

昭和38年(1963)

昭和45年(1970)

昭和47年(1972)

昭和51年(1976)

平成 2年(1990)3月

平成 3年(1991)4月

平成 7年(1995)

平成 8年(1996)12月

平成 9年(1997)

平成12年(2000)3月

平成15年(2003)3月

平成18年(2006)2月

平成18年(2006)6月

洪水による大被害

政府による第一次鉱毒調査委員会の設置

鉱毒被害民第4回大挙誓願途中、川俣地先で警官隊と衝突(川俣事件)

利根川改修計画策定される

田中正造が明治天皇に直訴

政府による第二次鉱毒調査委員会設置。遊水地買収構想が具体化

栃木県による谷中村の買収が始まる(370戸~380戸、人口2,500人程度、明治40年まで)

10数戸の強制執行が行われる

渡良瀬川が直轄となり改修工事が始まる。洪水による大被害

利根川改修計画が改訂され、渡良瀬遊水地が計画に位置づけられる

渡良瀬川付け替え工事完了

遊水地完成

利根川増補計画策定される

洪水による大被害

カスリーン台風による大被害

利根川改修計画の変更

調節池化事業に着工

第1調節池が供用開始

第2調節池が供用開始

渡良瀬遊水地総合開発事業が着工

渡良瀬第1貯水池(谷中湖)が供用開始

谷中湖周辺が一般公開される

渡良瀬遊水地総合開発事業(Ⅱ期事業)審議会

渡良瀬遊水地総合開発事業(Ⅱ期事業)答申(中断)

第3調節池が供用開始

「渡良瀬遊水地の自然保全と自然を生かしたグランドデザイン」提言

渡良瀬遊水地総合開発事業完了(Ⅱ期事業は中止)

「利根川水系河川整備基本方針」策定

6月30日 谷中村廃村から100年目を迎え谷中メモリアル100を開催

参考引用文献『藤岡町史資料編・谷中村』藤岡町史編さん委員会/藤岡町『田中正造の生涯』林 竹二/講談社『NHK市民大学・田中正造』由井正臣/日本放送出版協会『谷中村事件』大鹿 卓/新泉社

古 河 市

藤 岡 町

野 木 町

板 倉 町

北川辺町

壬 生 町

那 須 町

塩 谷 郡

東  京

小 山 市

北 海 道

下宮 内野 恵下野 計

(戸数)

95

23

14

9

11

3

14

2

7

0

4

26

47

7

24

6

4

29

3

2

2

0

2

25

46

3

0

0

0

0

2

7

0

123

95

67

36

17

7

43

5

11

9

4

現在の栃木県佐野市に生まれる

栃木県会議員

衆議院議員に当選

帝国議会で鉱毒問題を取り上げる

数千人の被害民と銅山の操業停止を請願するため上京(東京押出し)。国は足尾銅山に「鉱毒予防工事命令」を出す

川俣事件(農民による上京行動を警察隊が阻止しようと川俣で衝突)をきっかけに、翌34年、議員辞職

明治天皇に直訴を試みるが失敗

政府直轄による治水事業始まる(鉱毒被害は洪水氾濫がその主たるものとして)

死去

1841年(天保12年)

1880年(明治13年)

1890年(明治23年)

1891年(明治24年)

1897年(明治30年)

1900年(明治33年)

1901年(明治34年)

1910年(明治43年)

1913年(大正 2 年)

田中正造

昭和61年『旧谷中村縁故者名簿』(旧谷中村合同慰霊碑奉賛会・藤岡町)を集計して作成/ただし、昭和57年栃木部落史編集委員会編『栃木のあゆみ』の中で、北海道へは17戸と記載されている

「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」策定

渡良瀬遊水地が「ラムサール条約湿地」に登録

「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画」策定

平成22年(2010)3月

平成24年(2012)7月

平成25年(2013)5月

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物語る・渡良瀬遊水地の歴史

谷中廃村と遊水地化 明治になって産銅量が飛躍的に伸び、精錬に

必要な木炭を得るために乱伐を重ねた水源の山々

は保水力を失い、頻発する洪水によって鉱毒被

害が渡良瀬川をはじめとする下流域に広がりま

した。

 明治23年(1890)、明治29年(1896)の洪水

では、氾濫水とともに鉱滓等が中・下流域の農地に

流出し、被害が広範囲に及び、鉱毒反対運動が、大

きく広がっていった。

 谷中村では排水器の設置などを行いましたが、

思うように機能せず、村はさらに追いつめられ孤立

していきます。さらに明治35年(1902)の洪水で

谷中村は水没し、村は沼のような状態になります。

 明治36年(1903)、第二次鉱毒調査委員会は、

「足尾銅山に関する調査報告書」を政府に提出し、

谷中村の遊水地化案が具体化しました。

 その後谷中村民の移住がはじまり、多くは周辺町

村に移り住みましたが、遠くでは栃木県那須郡、塩

谷郡、さらに北海道佐呂間へも及びました。

 移住先では原野の開墾など様々な苦労を強いら

れました。

 やがて、明治39年(1906)に谷中村は廃村とな

りました。

 渡良瀬遊水地はこのように、人々の大きな犠牲

のもとにつくられたのです。

足尾銅山(明治18年頃)

鉱毒で枯れた麦

洪水で水没した谷中村 明治37年(1904)頃

今も残る排水器跡

鉱毒被害の範囲谷中村民の最初の主な移転先

谷中村・遊水地略年表明治29年(1896)

明治30年(1897)

明治33年(1900)

明治33年(1900)

明治34年(1901)

明治35年(1902)

明治38年(1905)

明治40年(1907)

明治43年(1910)

明治44年(1911)

大正 7 年(1918)

大正11年(1922)

昭和14年(1939)

昭和16年(1941)

昭和22年(1947)

昭和24年(1949)

昭和38年(1963)

昭和45年(1970)

昭和47年(1972)

昭和51年(1976)

平成 2年(1990)3月

平成 3年(1991)4月

平成 7年(1995)

平成 8年(1996)12月

平成 9年(1997)

平成12年(2000)3月

平成15年(2003)3月

平成18年(2006)2月

平成18年(2006)6月

洪水による大被害

政府による第一次鉱毒調査委員会の設置

鉱毒被害民第4回大挙誓願途中、川俣地先で警官隊と衝突(川俣事件)

利根川改修計画策定される

田中正造が明治天皇に直訴

政府による第二次鉱毒調査委員会設置。遊水地買収構想が具体化

栃木県による谷中村の買収が始まる(370戸~380戸、人口2,500人程度、明治40年まで)

10数戸の強制執行が行われる

渡良瀬川が直轄となり改修工事が始まる。洪水による大被害

利根川改修計画が改訂され、渡良瀬遊水地が計画に位置づけられる

渡良瀬川付け替え工事完了

遊水地完成

利根川増補計画策定される

洪水による大被害

カスリーン台風による大被害

利根川改修計画の変更

調節池化事業に着工

第1調節池が供用開始

第2調節池が供用開始

渡良瀬遊水地総合開発事業が着工

渡良瀬第1貯水池(谷中湖)が供用開始

谷中湖周辺が一般公開される

渡良瀬遊水地総合開発事業(Ⅱ期事業)審議会

渡良瀬遊水地総合開発事業(Ⅱ期事業)答申(中断)

第3調節池が供用開始

「渡良瀬遊水地の自然保全と自然を生かしたグランドデザイン」提言

渡良瀬遊水地総合開発事業完了(Ⅱ期事業は中止)

「利根川水系河川整備基本方針」策定

6月30日 谷中村廃村から100年目を迎え谷中メモリアル100を開催

参考引用文献『藤岡町史資料編・谷中村』藤岡町史編さん委員会/藤岡町『田中正造の生涯』林 竹二/講談社『NHK市民大学・田中正造』由井正臣/日本放送出版協会『谷中村事件』大鹿 卓/新泉社

古 河 市

藤 岡 町

野 木 町

板 倉 町

北川辺町

壬 生 町

那 須 町

塩 谷 郡

東  京

小 山 市

北 海 道

下宮 内野 恵下野 計

(戸数)

95

23

14

9

11

3

14

2

7

0

4

26

47

7

24

6

4

29

3

2

2

0

2

25

46

3

0

0

0

0

2

7

0

123

95

67

36

17

7

43

5

11

9

4

現在の栃木県佐野市に生まれる

栃木県会議員

衆議院議員に当選

帝国議会で鉱毒問題を取り上げる

数千人の被害民と銅山の操業停止を請願するため上京(東京押出し)。国は足尾銅山に「鉱毒予防工事命令」を出す

川俣事件(農民による上京行動を警察隊が阻止しようと川俣で衝突)をきっかけに、翌34年、議員辞職

明治天皇に直訴を試みるが失敗

政府直轄による治水事業始まる(鉱毒被害は洪水氾濫がその主たるものとして)

死去

1841年(天保12年)

1880年(明治13年)

1890年(明治23年)

1891年(明治24年)

1897年(明治30年)

1900年(明治33年)

1901年(明治34年)

1910年(明治43年)

1913年(大正 2 年)

田中正造

昭和61年『旧谷中村縁故者名簿』(旧谷中村合同慰霊碑奉賛会・藤岡町)を集計して作成/ただし、昭和57年栃木部落史編集委員会編『栃木のあゆみ』の中で、北海道へは17戸と記載されている

「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」策定

渡良瀬遊水地が「ラムサール条約湿地」に登録

「利根川水系利根川・江戸川河川整備計画」策定

平成22年(2010)3月

平成24年(2012)7月

平成25年(2013)5月

Page 8: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

利根川

利根川

役立てる・渡良瀬遊水地のはたらき

利根川水系の治水の要として 渡良瀬遊水地の治水のための施設

越流状況

■渡良瀬遊水地では過去12回の 洪水調節実績があります

平常時 出水時

 昭和22年(1947)のカスリーン台風による洪

水は関東各地に計り知れない被害をもたらしました。

このカスリーン級の台風による洪水に備えて上流

のダム群による洪水調節と河道整備、洪水調節池

などの整備が利根川や渡良瀬川などの支川群で行

われてきました。

 渡良瀬遊水地は利根川上流の7つのダムとともに、

洪水調節の大切な役割を担っています。渡良瀬川、

思川・巴波川の洪水をいったん引き受けて利根川

本川の計画高水流量(洪水のときに流れる量)に影

響を与えないように位置付けられています。

遊水地全体を囲う堤防で、人々の住む所(堤内地)と河川(堤外地)を分けています。この部分が壊れると住宅地が浸水するため、重要な堤防です。

調節地内にたまった水をすみやかに排出するための水路です。

周囲堤(しゅういてい)

池内水路(ちないすいろ)

平常時

越流堤(えつりゅうてい)

洪水が一定の水位以上になった場合に、調節池内に流入させるために調節池内の囲繞堤の一部を低くしてある所が越流堤です。渡良瀬遊水地には4箇所の越流堤があり、これらは越流に耐えられるよう表面がアスファルトで舗装されています。

周囲堤で囲まれた遊水地内部の河道部と調節池を区切る堤防です。洪水の水位が高くなった最も危険な時に大きな調節効果を発揮します。

囲繞堤(いぎょうてい)

洪水の初期に水門を閉め、調節池内に洪水を取り入れるための容量を確保します。洪水が十分に収まった後に、排水門を開けて調節池内の水を排出します。各調節池に1つずつあります。

排水門(はいすいもん)

渡良瀬貯水池(谷中湖)は、7月から9月の3ヶ月間水位を下げて洪水調節のための容量を増やすことに役だっています。越流堤から流入した洪水は、調節池東側の「流入堤」から貯水池内に流入します。

貯水池(谷中湖)と洪水調節

※写真下部堤防が囲繞堤、上部アスファルト部は越流堤。

平成14年7月洪水第1調節池越流堤から池内に流れ込む濁流(上流側より)

栃木県

思川巴

波川

渡良瀬川

鬼怒川

茨城県小貝川

千葉県東京都利根川江

戸川

東京湾

埼玉県

群馬

渡良瀬遊水地

第1下流越流堤

第1排水門

第2排水門

第3排水門

第3調節池

第2調節池第1調節池

昭和47年9月(台風20号)

昭和57年8月(台風10号)

昭和57年9月(台風18号)

平成 3年8月(台風12号)

平成10年8月(前 線)

平成10年9月(台風5号)

平成11年8月(熱帯低気圧)

平成13年8月(台風11号)

平成13年9月(台風15号)

平成14年7月(台風6号)

平成19年9月(台風9号)

平成23年9月(台風15号)

洪水名

第1上流越流堤

第3越流堤

第2越流堤

洪水時(平成14年7月11日)の利根川

【利根川・栗橋水位観測所】

平成14年7月洪水

巴波川

渡良瀬川

思川

巴波川

渡良瀬川

思川

■計画高水流量図■利根川上流8ダム中に占める治水容量

渡良瀬遊水地は利根川水系の中でも最大の治水容量をもっている

渡 良 瀬 遊 水 地 の 概 要

(単位m3/s)

巴波川 1,200

思川 3,700

栗橋地点

利根川 17,500

調節池

渡良瀬川 4,500

矢木沢藤原

相俣薗原

下久保

草木

奈良俣

22.121.29.414.1

35.0134.8

20.013.0

171.8171.8

渡良瀬遊水地 利根川上流8ダム治水容量

(306.6百万m3)(56%)

単位:百万m3

Page 9: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

利根川

利根川

役立てる・渡良瀬遊水地のはたらき

利根川水系の治水の要として 渡良瀬遊水地の治水のための施設

越流状況

■渡良瀬遊水地では過去12回の 洪水調節実績があります

平常時 出水時

 昭和22年(1947)のカスリーン台風による洪

水は関東各地に計り知れない被害をもたらしました。

このカスリーン級の台風による洪水に備えて上流

のダム群による洪水調節と河道整備、洪水調節池

などの整備が利根川や渡良瀬川などの支川群で行

われてきました。

 渡良瀬遊水地は利根川上流の7つのダムとともに、

洪水調節の大切な役割を担っています。渡良瀬川、

思川・巴波川の洪水をいったん引き受けて利根川

本川の計画高水流量(洪水のときに流れる量)に影

響を与えないように位置付けられています。

遊水地全体を囲う堤防で、人々の住む所(堤内地)と河川(堤外地)を分けています。この部分が壊れると住宅地が浸水するため、重要な堤防です。

調節地内にたまった水をすみやかに排出するための水路です。

周囲堤(しゅういてい)

池内水路(ちないすいろ)

平常時

越流堤(えつりゅうてい)

洪水が一定の水位以上になった場合に、調節池内に流入させるために調節池内の囲繞堤の一部を低くしてある所が越流堤です。渡良瀬遊水地には4箇所の越流堤があり、これらは越流に耐えられるよう表面がアスファルトで舗装されています。

周囲堤で囲まれた遊水地内部の河道部と調節池を区切る堤防です。洪水の水位が高くなった最も危険な時に大きな調節効果を発揮します。

囲繞堤(いぎょうてい)

洪水の初期に水門を閉め、調節池内に洪水を取り入れるための容量を確保します。洪水が十分に収まった後に、排水門を開けて調節池内の水を排出します。各調節池に1つずつあります。

排水門(はいすいもん)

渡良瀬貯水池(谷中湖)は、7月から9月の3ヶ月間水位を下げて洪水調節のための容量を増やすことに役だっています。越流堤から流入した洪水は、調節池東側の「流入堤」から貯水池内に流入します。

貯水池(谷中湖)と洪水調節

※写真下部堤防が囲繞堤、上部アスファルト部は越流堤。

平成14年7月洪水第1調節池越流堤から池内に流れ込む濁流(上流側より)

栃木県

思川巴

波川

渡良瀬川

鬼怒川

茨城県小貝川

千葉県東京都利根川江

戸川

東京湾

埼玉県

群馬

渡良瀬遊水地

第1下流越流堤

第1排水門

第2排水門

第3排水門

第3調節池

第2調節池第1調節池

昭和47年9月(台風20号)

昭和57年8月(台風10号)

昭和57年9月(台風18号)

平成 3年8月(台風12号)

平成10年8月(前 線)

平成10年9月(台風5号)

平成11年8月(熱帯低気圧)

平成13年8月(台風11号)

平成13年9月(台風15号)

平成14年7月(台風6号)

平成19年9月(台風9号)

平成23年9月(台風15号)

洪水名

第1上流越流堤

第3越流堤

第2越流堤

洪水時(平成14年7月11日)の利根川

【利根川・栗橋水位観測所】

平成14年7月洪水

巴波川

渡良瀬川

思川

巴波川

渡良瀬川

思川

■計画高水流量図■利根川上流8ダム中に占める治水容量

渡良瀬遊水地は利根川水系の中でも最大の治水容量をもっている

渡 良 瀬 遊 水 地 の 概 要

(単位m3/s)

巴波川 1,200

思川 3,700

栗橋地点

利根川 17,500

調節池

渡良瀬川 4,500

矢木沢藤原

相俣薗原

下久保

草木

奈良俣

22.121.29.414.1

35.0134.8

20.013.0

171.8171.8

渡良瀬遊水地 利根川上流8ダム治水容量

(306.6百万m3)(56%)

単位:百万m3

Page 10: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

渡良瀬遊水地

谷田川

池内水路

渡良瀬川

谷田川分離施設

役立てる・渡良瀬遊水地のはたらき

取水・補給のしくみと水質浄化対策

首都圏などの水がめとして

■渇水状況と年別補給量

■渡良瀬貯水池(谷中湖)規模

■利水容量

■貯水池の干し上げ

 取水・補給は貯水池と渡良瀬川を結ぶ「貯水池機場」に備えられたポンプで行われます(毎秒20m3揚水)。また赤字で記された箇所において水質浄化対策にも取り組んでいます。

「干し上げ」とは、貯水池の最低水位(YP+8.5m)より水位を下げることを言います。干し上げ水位YP+8.3m時でも、深場があることから水面が2割程度残るため、谷中湖の魚は、この間そこで生息することができます。

護岸部、湖底部を日光にさらし、カビ臭物質の原因となる植物プランクトン(フォルミディウム)を死滅、減少させることにより、植物プランクトン(フォルミディウム)の発生時期を遅らせ春季のカビ臭物質の発生を減少させます。

渡良瀬貯水池に貯留する取水河川のうち水質の悪い谷田川を分離し、栄養塩類(窒素・リン)の取水負荷量を軽減します。

 渡良瀬貯水池(谷中湖)は、利根川上流の7つのダムとともに

生活用水の補給を行っています。

 首都圏では※取水制限を伴う渇水が2、3年に1度の割合で発

生しています。

 渡良瀬貯水池(谷中湖)は、日本で初めての「平地型ダム」とし

て平成2年に運用を開始しました。

水源地

供給地

ダム

貯水池

渡良瀬貯水池(谷中湖)のメリット

矢木沢

藤原相俣薗原

下久保

草木

奈良俣

115.5

85.0

31.020.0

120.0

50.5

26.4

13.2

渡良瀬貯水池  

利根川上流8ダム利水容量

(461.6百万m3)

年 補給量(万m3)

平成 2年 1,520平成 3年 0平成 4年 660平成 5年 140平成 6年 900平成 7年 1,710平成 8年 1,390平成 9年 3,260平成10年 1,710平成11年 1,490平成12年 2,420平成13年 2,270平成14年 1,870平成15年 1,270平成16年 1,680平成17年 2,450平成18年 520平成19年 2,880平成20年 2,490平成21年 2,290平成22年 2,730平成23年 2,880平成24年  5,190(※)  計 43,720

年取水制限

影響範囲期 間 最大制限率%

昭和47年 6/24~7/15 15昭和48年 8/16~9/6 20昭和53年 8/10~10/6 20昭和54年 7/9~8/18 10昭和55年 7/5~7/8 10昭和57年 7/20~8/10 10昭和62年 6/16~8/25 30

平成 2年 7/23~9/5 20

平成 6年 7/22~9/19 30

平成 8年 1/12~3/27 10 8/16~9/25 30

平成 9年 2/1~3/25 10

平成13年 8/10~8/14 10平成24年 9/11~10/3 10

東京都、埼玉県、千葉県

東京都、埼玉県、千葉県群馬県、栃木県、茨城県

東京都、埼玉県、千葉県

(※)水質事故対応の緊急放流を含む

群馬県、栃木県、茨城県

東京都、埼玉県、千葉県群馬県

(5.7%)

総貯水容量

外   周

面   積

2,640万m3 東京ドーム約21杯分約9.2km 一周200mの校庭を約46周分4.5km2 東京ドーム約100個分

集水面積が大きい

ヨシ原浄化施設

谷田川分離施設

干し上げ状況

人工浮島

ダム

※取水制限…渇水のため、普段より許可されている使用水量に制限をかけること。

供給地に近くその日のうち(約5時間)に水がとどく。山にあるダムからでは2日程かかる。

谷中湖の水質対策 平成2年に運用を開始し、8月の渇水補給時に植物プランク

トン(主にフォルミディウム)増殖に起因すると思われるカビ臭

が発し、下流の水道用水に影響を与えたため、水質改善対策施

設として、谷田川分離施設、ヨシ原浄化施設等を実施しましたが、

さらなるカビ臭の低減が必要であり、平成15年度(平成16年

1月)から干し上げを実施しています。

■カビ臭(2-MIB)の発生状況(ng/L)

ヨシ原浄化施設は、貯水池の水を遊水地に自生しているヨシ原に通して、窒素やリン等を吸着、沈澱、吸収などによって取り除いて水質の自然浄化を図り、貯水池の水質を保全します。

■ヨシ原浄化施設

■谷田川分離施設

渡良瀬遊水地

谷田川

谷田川

取 水

常時満水位 Y.P.15.0m

貯水地底高 Y.P.8.5m

池内水路

谷中湖

池内水路

貯水池機場

ヨシ原浄化施設

人工浮島

谷田川分離施設

干し上げ

Page 11: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

渡良瀬遊水地

谷田川

池内水路

渡良瀬川

谷田川分離施設

役立てる・渡良瀬遊水地のはたらき

取水・補給のしくみと水質浄化対策

首都圏などの水がめとして

■渇水状況と年別補給量

■渡良瀬貯水池(谷中湖)規模

■利水容量

■貯水池の干し上げ

 取水・補給は貯水池と渡良瀬川を結ぶ「貯水池機場」に備えられたポンプで行われます(毎秒20m3揚水)。また赤字で記された箇所において水質浄化対策にも取り組んでいます。

「干し上げ」とは、貯水池の最低水位(YP+8.5m)より水位を下げることを言います。干し上げ水位YP+8.3m時でも、深場があることから水面が2割程度残るため、谷中湖の魚は、この間そこで生息することができます。

護岸部、湖底部を日光にさらし、カビ臭物質の原因となる植物プランクトン(フォルミディウム)を死滅、減少させることにより、植物プランクトン(フォルミディウム)の発生時期を遅らせ春季のカビ臭物質の発生を減少させます。

渡良瀬貯水池に貯留する取水河川のうち水質の悪い谷田川を分離し、栄養塩類(窒素・リン)の取水負荷量を軽減します。

 渡良瀬貯水池(谷中湖)は、利根川上流の7つのダムとともに

生活用水の補給を行っています。

 首都圏では※取水制限を伴う渇水が2、3年に1度の割合で発

生しています。

 渡良瀬貯水池(谷中湖)は、日本で初めての「平地型ダム」とし

て平成2年に運用を開始しました。

水源地

供給地

ダム

貯水池

渡良瀬貯水池(谷中湖)のメリット

矢木沢

藤原相俣薗原

下久保

草木

奈良俣

115.5

85.0

31.020.0

120.0

50.5

26.4

13.2

渡良瀬貯水池  

利根川上流8ダム利水容量

(461.6百万m3)

年 補給量(万m3)

平成 2年 1,520平成 3年 0平成 4年 660平成 5年 140平成 6年 900平成 7年 1,710平成 8年 1,390平成 9年 3,260平成10年 1,710平成11年 1,490平成12年 2,420平成13年 2,270平成14年 1,870平成15年 1,270平成16年 1,680平成17年 2,450平成18年 520平成19年 2,880平成20年 2,490平成21年 2,290平成22年 2,730平成23年 2,880平成24年  5,190(※)  計 43,720

年取水制限

影響範囲期 間 最大制限率%

昭和47年 6/24~7/15 15昭和48年 8/16~9/6 20昭和53年 8/10~10/6 20昭和54年 7/9~8/18 10昭和55年 7/5~7/8 10昭和57年 7/20~8/10 10昭和62年 6/16~8/25 30

平成 2年 7/23~9/5 20

平成 6年 7/22~9/19 30

平成 8年 1/12~3/27 10 8/16~9/25 30

平成 9年 2/1~3/25 10

平成13年 8/10~8/14 10平成24年 9/11~10/3 10

東京都、埼玉県、千葉県

東京都、埼玉県、千葉県群馬県、栃木県、茨城県

東京都、埼玉県、千葉県

(※)水質事故対応の緊急放流を含む

群馬県、栃木県、茨城県

東京都、埼玉県、千葉県群馬県

(5.7%)

総貯水容量

外   周

面   積

2,640万m3 東京ドーム約21杯分約9.2km 一周200mの校庭を約46周分4.5km2 東京ドーム約100個分

集水面積が大きい

ヨシ原浄化施設

谷田川分離施設

干し上げ状況

人工浮島

ダム

※取水制限…渇水のため、普段より許可されている使用水量に制限をかけること。

供給地に近くその日のうち(約5時間)に水がとどく。山にあるダムからでは2日程かかる。

谷中湖の水質対策 平成2年に運用を開始し、8月の渇水補給時に植物プランク

トン(主にフォルミディウム)増殖に起因すると思われるカビ臭

が発し、下流の水道用水に影響を与えたため、水質改善対策施

設として、谷田川分離施設、ヨシ原浄化施設等を実施しましたが、

さらなるカビ臭の低減が必要であり、平成15年度(平成16年

1月)から干し上げを実施しています。

■カビ臭(2-MIB)の発生状況(ng/L)

ヨシ原浄化施設は、貯水池の水を遊水地に自生しているヨシ原に通して、窒素やリン等を吸着、沈澱、吸収などによって取り除いて水質の自然浄化を図り、貯水池の水質を保全します。

■ヨシ原浄化施設

■谷田川分離施設

渡良瀬遊水地

谷田川

谷田川

取 水

常時満水位 Y.P.15.0m

貯水地底高 Y.P.8.5m

池内水路

谷中湖

池内水路

貯水池機場

ヨシ原浄化施設

人工浮島

谷田川分離施設

干し上げ

Page 12: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

サロベツ原野濤沸湖

風蓮湖・春国岱

雨竜沼湿原

野付半島・野付湾

阿寒湖

仏沼

蕪栗沼・周辺水田

奥日光の湿原

尾瀬

串本沿岸海域

中海宍道湖

秋吉台地下水系

藺牟田池

三方五湖

ウトナイ湖 釧路湿原

厚岸湖・別寒辺牛湿原

霧多布湿原宮島沼

クッチャロ湖

伊豆沼・内沼

佐潟

片野鴨池

谷津干潟藤前干潟

琵琶湖

名蔵アンパル

屋久島永田浜

慶良間諸島海域漫湖

化女沼

大山上池・下池

瓢湖

久米島の渓流・湿地

与那覇湾

立山弥陀ヶ原・大日平

渡良瀬遊水地

大沼

中池見湿地

東海丘陵湧水湿地群

宮島

荒尾干潟

円山川下流域・周辺水田

くじゅう坊ガツル・タデ原湿原

12

多様な動植物の生息地

ヨシ焼きで維持されるトネハナヤスリ

ヨシ焼きをしないため樹林化した場所

■ヨシ原面積

シムラニンジン

■生態系模式図

■渡良瀬遊水地のすみ場区分と特徴的な植生タイプ

■全国のラムサール条約湿地登録地

生物生息空間からみた湿地環境(特徴的な植生タイプ)

◆ヨ◆シ◆焼◆き◆の◆効◆果◆

ヨシ原の樹林への遷移を抑制し、ヨシ原を保全するヨシが繁茂する前に生長する、多様な春植物の発芽に必要な十分な日照を確保する野火の防止などになる

渡良瀬遊水地では、ヨシズ作りに必要な良質なヨシを育てるた

め、毎年3月にほぼ全域にわたり、「ヨシ焼き」が行われます。こ

のヨシ焼きは、よいヨシを育てる以外に、自然環境を保全する

次のような効果を持つことが注目されています。

 また、渡良瀬遊水地のヨシ焼きは、平成23年3月11日の東日本大震災の影響で

平成23年、24年と中止になりましたが、「渡良瀬遊水地ヨシ焼き再開検討協議会」

により再開の是非を議論した結果、平成25年3月に3年振りに再開しました。

 湿地は、広大な空間と緑、そして水がさまざまな動植物をはぐくむ場所として注目を浴びています。日本をはじめ世界で報告される湿地の減少がその貴重さをさらに際だたせています。 そうした中で、渡良瀬遊水地は東京から60km圏内にありながら、3,300haという広大な敷地に湿地環境が保たれており、貴重な空間となっています。特にヨシ原は1,500haと、本州では最大の面積を誇っています。 こうした豊かな環境には、さまざまな動植物が見られます。チュウヒなどの猛禽類をはじめとする鳥類、また、トネハナヤスリをはじめ900種以上に及ぶ植物が見られ、まさに自然の宝庫といえるでしょう。 しかしながら、近年乾燥化が進み池沼の減少、抽水植物の減少、オギ群落の増加等がおきています。 また、ヨシ焼きなど人が手を加えることで自然を生かす営みも昔通りに続けられています。 この渡良瀬遊水地の湿地環境をより良い姿で残すため様々な事を行っていく必要があります。 また、渡良瀬遊水地は、平成24年7月にラムサール条約湿地に登録されました。 ラムサール条約は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で、目的は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びそこに生息する動植物の保全と、その適正な利用(ワイズ・ユース)の促進」となっています。 エビネ

point

point

3point

ハタケテンツキ

チュウヒ

ハイイロチュウヒ

エキサイゼリ

オオハクチョウ

【鳥類】(猛禽類)チュウヒ、

オオタカ、ノスリ

落葉、生物の破片・死骸・排出物など

【鳥 類】オオヨシキリ、バン、カルガモ、カワセミ【両生類】ウシガエル、アマガエル【哺乳類】ハタネズミ、イタチ【は虫類】シマヘビ、カナヘビ【昆虫類】アジアイトトンボ、ゴミムシ【魚 類】コイ、フナ、モツゴ

【昆虫類】  コオロギ、バッタ類、チョウ類、ウンカ・ヨコバイ類

ヤナギ類、クワ類、エノキ類、オギ類、ヨシ類、スゲ類、マコモ類

植 物生 産 者

渡良瀬遊水地渡良瀬遊水地

一次消費者

二次消費者

高次消費者

渡良瀬遊水地

ヨシ原面積(ha)

琵琶湖

片野鴨池

霞ヶ浦浮島湿原

伊豆沼・内沼

ウトナイ湖

釧路湿原

風蓮湖

クッチャロ湖

サロベツ原野

0 5000 10000

樹 林 オギ群落 ヨシ群落 スゲ群落 開水面・マコモ群落

シジュウカラ

ホオジロ

チュウヒ

コヨシキリ

オオヨシキリ オオジュリン

ツバメ

クサシギヨシゴイ

ハクセキレイ カワセミ

バン カルガモ

①ヤマグワ・エノキ群落

②ヤナギ群落③オギ群落

④ヨシ・コウヤワラビ群落⑤多様な立地に点在する草地

⑥平坦地ヨシ群落

シジュウカラ

ホオジロ

チュウヒ

コヨシキリ

オオヨシキリ オオジュリン

ツバメ

クサシギヨシゴイ

ハクセキレイ カワセミ

バン カルガモ

①ヤマグワ・エノキ群落

②ヤナギ群落③オギ群落

④ヨシ・コウヤワラビ群落⑤多様な立地に点在する草地

⑥平坦地ヨシ群落

⑧低地ヨシ群落⑨池沼跡地の湿性草地

⑩冠水・陸地の変動の 大きい低茎草地

⑫開水面⑪抽水植物群落凡 例

水分条件

乾 湿 潤 飽和

⑦河川氾濫跡の湿性草地

渡良瀬遊水地のチュウヒ チュウヒはヨシ原にすむ中型の猛禽類で、渡良瀬遊水地には毎年20~30羽が冬鳥として飛来し我が国最大の越冬地となっています。 チュウヒは、その生活のほとんどをヨシ原に依存しており、ヨシ原のネズミや鳥類を捕え、また、ヨシ原にねぐらをつくります。まさに渡良瀬遊水地の生態系を象徴する鳥類といえます。

渡良瀬遊水地の貴重な植物 渡良瀬遊水地は遊水地として明治時代に買収されて以降手つかずの自然が多く残されていて、他とは全く異なる植物相を見ることができます。 レッドデータブック(2012年)に掲載されている種も約60種以上確認されています。トネハナヤスリは春の代表植物で、一面に繁茂します。

谷中湖とカモ類 谷中湖は平成2年にできた多目的貯水池です。ここには毎年多くのカモ類が越冬のために飛来し、その数は5000~10,000羽にものぼります。マガモ、コガモ、カルガモなどが多くマガンやオオハクチョウも時折やってきます。

⑧低地ヨシ群落⑨池沼跡地の湿性草地

⑩冠水・陸地の変動の 大きい低茎草地

⑫開水面⑪抽水植物群落

⑦河川氾濫跡の湿性草地

 

萌えいづる・渡良瀬遊水地の環境

Page 13: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

サロベツ原野濤沸湖

風蓮湖・春国岱

雨竜沼湿原

野付半島・野付湾

阿寒湖

仏沼

蕪栗沼・周辺水田

奥日光の湿原

尾瀬

串本沿岸海域

中海宍道湖

秋吉台地下水系

藺牟田池

三方五湖

ウトナイ湖 釧路湿原

厚岸湖・別寒辺牛湿原

霧多布湿原宮島沼

クッチャロ湖

伊豆沼・内沼

佐潟

片野鴨池

谷津干潟藤前干潟

琵琶湖

名蔵アンパル

屋久島永田浜

慶良間諸島海域漫湖

化女沼

大山上池・下池

瓢湖

久米島の渓流・湿地

与那覇湾

立山弥陀ヶ原・大日平

渡良瀬遊水地

大沼

中池見湿地

東海丘陵湧水湿地群

宮島

荒尾干潟

円山川下流域・周辺水田

くじゅう坊ガツル・タデ原湿原

12

多様な動植物の生息地

ヨシ焼きで維持されるトネハナヤスリ

ヨシ焼きをしないため樹林化した場所

■ヨシ原面積

シムラニンジン

■生態系模式図

■渡良瀬遊水地のすみ場区分と特徴的な植生タイプ

■全国のラムサール条約湿地登録地

生物生息空間からみた湿地環境(特徴的な植生タイプ)

◆ヨ◆シ◆焼◆き◆の◆効◆果◆

ヨシ原の樹林への遷移を抑制し、ヨシ原を保全するヨシが繁茂する前に生長する、多様な春植物の発芽に必要な十分な日照を確保する野火の防止などになる

渡良瀬遊水地では、ヨシズ作りに必要な良質なヨシを育てるた

め、毎年3月にほぼ全域にわたり、「ヨシ焼き」が行われます。こ

のヨシ焼きは、よいヨシを育てる以外に、自然環境を保全する

次のような効果を持つことが注目されています。

 また、渡良瀬遊水地のヨシ焼きは、平成23年3月11日の東日本大震災の影響で

平成23年、24年と中止になりましたが、「渡良瀬遊水地ヨシ焼き再開検討協議会」

により再開の是非を議論した結果、平成25年3月に3年振りに再開しました。

 湿地は、広大な空間と緑、そして水がさまざまな動植物をはぐくむ場所として注目を浴びています。日本をはじめ世界で報告される湿地の減少がその貴重さをさらに際だたせています。 そうした中で、渡良瀬遊水地は東京から60km圏内にありながら、3,300haという広大な敷地に湿地環境が保たれており、貴重な空間となっています。特にヨシ原は1,500haと、本州では最大の面積を誇っています。 こうした豊かな環境には、さまざまな動植物が見られます。チュウヒなどの猛禽類をはじめとする鳥類、また、トネハナヤスリをはじめ900種以上に及ぶ植物が見られ、まさに自然の宝庫といえるでしょう。 しかしながら、近年乾燥化が進み池沼の減少、抽水植物の減少、オギ群落の増加等がおきています。 また、ヨシ焼きなど人が手を加えることで自然を生かす営みも昔通りに続けられています。 この渡良瀬遊水地の湿地環境をより良い姿で残すため様々な事を行っていく必要があります。 また、渡良瀬遊水地は、平成24年7月にラムサール条約湿地に登録されました。 ラムサール条約は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で、目的は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びそこに生息する動植物の保全と、その適正な利用(ワイズ・ユース)の促進」となっています。 エビネ

point

point

3point

ハタケテンツキ

チュウヒ

ハイイロチュウヒ

エキサイゼリ

オオハクチョウ

【鳥類】(猛禽類)チュウヒ、

オオタカ、ノスリ

落葉、生物の破片・死骸・排出物など

【鳥 類】オオヨシキリ、バン、カルガモ、カワセミ【両生類】ウシガエル、アマガエル【哺乳類】ハタネズミ、イタチ【は虫類】シマヘビ、カナヘビ【昆虫類】アジアイトトンボ、ゴミムシ【魚 類】コイ、フナ、モツゴ

【昆虫類】  コオロギ、バッタ類、チョウ類、ウンカ・ヨコバイ類

ヤナギ類、クワ類、エノキ類、オギ類、ヨシ類、スゲ類、マコモ類

植 物生 産 者

渡良瀬遊水地渡良瀬遊水地

一次消費者

二次消費者

高次消費者

渡良瀬遊水地

ヨシ原面積(ha)

琵琶湖

片野鴨池

霞ヶ浦浮島湿原

伊豆沼・内沼

ウトナイ湖

釧路湿原

風蓮湖

クッチャロ湖

サロベツ原野

0 5000 10000

樹 林 オギ群落 ヨシ群落 スゲ群落 開水面・マコモ群落

シジュウカラ

ホオジロ

チュウヒ

コヨシキリ

オオヨシキリ オオジュリン

ツバメ

クサシギヨシゴイ

ハクセキレイ カワセミ

バン カルガモ

①ヤマグワ・エノキ群落

②ヤナギ群落③オギ群落

④ヨシ・コウヤワラビ群落⑤多様な立地に点在する草地

⑥平坦地ヨシ群落

シジュウカラ

ホオジロ

チュウヒ

コヨシキリ

オオヨシキリ オオジュリン

ツバメ

クサシギヨシゴイ

ハクセキレイ カワセミ

バン カルガモ

①ヤマグワ・エノキ群落

②ヤナギ群落③オギ群落

④ヨシ・コウヤワラビ群落⑤多様な立地に点在する草地

⑥平坦地ヨシ群落

⑧低地ヨシ群落⑨池沼跡地の湿性草地

⑩冠水・陸地の変動の 大きい低茎草地

⑫開水面⑪抽水植物群落凡 例

水分条件

乾 湿 潤 飽和

⑦河川氾濫跡の湿性草地

渡良瀬遊水地のチュウヒ チュウヒはヨシ原にすむ中型の猛禽類で、渡良瀬遊水地には毎年20~30羽が冬鳥として飛来し我が国最大の越冬地となっています。 チュウヒは、その生活のほとんどをヨシ原に依存しており、ヨシ原のネズミや鳥類を捕え、また、ヨシ原にねぐらをつくります。まさに渡良瀬遊水地の生態系を象徴する鳥類といえます。

渡良瀬遊水地の貴重な植物 渡良瀬遊水地は遊水地として明治時代に買収されて以降手つかずの自然が多く残されていて、他とは全く異なる植物相を見ることができます。 レッドデータブック(2012年)に掲載されている種も約60種以上確認されています。トネハナヤスリは春の代表植物で、一面に繁茂します。

谷中湖とカモ類 谷中湖は平成2年にできた多目的貯水池です。ここには毎年多くのカモ類が越冬のために飛来し、その数は5000~10,000羽にものぼります。マガモ、コガモ、カルガモなどが多くマガンやオオハクチョウも時折やってきます。

⑧低地ヨシ群落⑨池沼跡地の湿性草地

⑩冠水・陸地の変動の 大きい低茎草地

⑫開水面⑪抽水植物群落

⑦河川氾濫跡の湿性草地

 

萌えいづる・渡良瀬遊水地の環境

Page 14: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

萌えいづる・渡良瀬遊水地の環境

積極的に環境を創る ■ヨシ原浄化施設

■谷中湖 護岸の緑化

■人工浮島

貯水池の水を遊水地内に自生しているヨシ原に通じて、窒素やリン、植物プランクトン等を吸着、沈澱、吸収などによって取り除いて、水質の自然浄化を図り、貯水池の水質を保全します。

ヨシ原による浄化メカニズム

ヨシ原浄化施設

 渡良瀬遊水地では、積極的に良い環境を創り出

す試みがなされています。

ヨシ原浄化施設 ヨシ原に水路を掘削し、小山を築くといったことで、

陸上からエコトーン(水域から陸域へ移る途中の、

推移帯をいう)とし、さらに水辺に変化をつけて、さ

まざまな植物の生育環境を造りました。また、ヨシ

が窒素やリン、植物プランクトンなどを吸着する性

質を利用して水質の浄化も併せて行っています。

人工浮島 人工浮島は、浮島本体による遮光効果等により、

植物プランクトンの増殖を抑制するための対策です。

 加えて魚類や鳥類の採餌・休憩の場、多様な生態

環境の創出といった効果もあります。

護岸の緑化 コンクリートブロックに覆土(上から土を盛る)こ

とによって湖岸を緑化し生態系の多様化と景観の

向上を図っています。

多自然池 ほとんど起伏がなく、生物相も比較的単調なヨシ

原に、池や小山をつくることによって地形に変化を

持たせ、動植物の生態系を多様化させることを図っ

ています。

植生の単調化及び遊水地の乾燥化の現状 明治の頃には渡良瀬遊水地北部には赤麻沼をはじめ赤渋沼など多数の池や沼がありました。しかし、渡良瀬川の付け替えなどによって沼や池はほとんど消滅し、乾燥化が進んだと考えられ、50年間に約50種の水辺を好む植物が遊水地から姿を消しています。

グランドデザイン 渡良瀬遊水地の自然について、またその利用について将来あるべき姿を考えるために平成12年3月に「渡良瀬遊水地の自然保全と自然を生かしたグランドデザイン」が提言されました。この中で、乾燥化に起因する湿地の減少が遊水地における自然環境上の課題として位置づけられ、昭和30年代の遊水地の姿を将来のイメージとした湿地再生の必要性が説かれています。

湿地保全・再生基本計画~湿地再生へのとりくみ~ 第2調節池を対象とした湿地環境の保全・再生を進めるため、平成14年度より「渡良瀬遊水地湿地保全・再生検討委員会」を設立し、専門家による具体策の検討、湿地再生試験などを進めてきました。このような取り組みにより、平成22年3月に「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」が策定されました。また、順応的管理を行うにあたり、適切なモニタリングとするための議論の場として、「渡良瀬遊水地湿地保全・再生モニタリング委員会」を平成22年10月に設立しました。

掘削による湿地再生 現在、第2調節池では、堆積した土砂などを掘削により取り除くことで湿地の再生を進めています。乾燥化が進んでいる一方で、現在の良好な湿地環境を保全すべき地区も多く残っているため、基本計画では、第2調節池全体を「現況を保全する地区」、「緩衝帯地区」、「湿地の再生を進める地区」の3つ考え方でゾーニングしました。「現況を保全する地区」では現在の環境を保存するため最小限の掘削に留めます。「湿地の再生を進める地区」では地下水位を考慮し、掘削する深さに変化を与えることで湿地や池沼などの多様な湿地環境の創出を積極的に進めます。掘削にあたっては、事前に調査を行い、希少種に対する配慮をしています。

今後の展開 「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」に基づき、現存する良好な環境の保全と、治水機能の向上に配慮しながら、湿地保全・再

生を進めるとともに、掘削による影響を評価するためのモニタリングを実施し、順応的な管理に努めます。

■水面の減少

明治17年 昭和4年

昭和35年 平成6年

■確認種(50年間)の変化

■掘削による湿地再生断面イメージ

■第2調節池の掘削による湿地再生イメージ

乾性草地ゴマノハグサクマツヅラトモエソウノカラマツニオイタデマイヅルテンナンショウハナヤスリ

水辺林タチヤナギアカメヤナギジャヤナギカワヤナギイヌコリヤナギネコヤナギコリヤナギコゴメヤナギ

水辺、湿草地タカアザミフジバカマハナムグラムシクサミゾコウジュチョウジソウサクラソウタガラシサデクサオオイヌタデギョウギシバオギオトコゼリハマヒエガエリ

抽水植物キクモオランダガラシハスミノゴメマコモヘラオモダカオモダカミクリガマミズアオイコナギイポクサコウホネマルバオモダカサジオモダカアギナシ

浮葉植物アサザヒシヒツジグサヒルムシロヒシモドキガガブタヒメビシオニバスウキシバコバノヒルムシロテンジソウ

浮遊植物ウキクサタヌキモヒメタヌキモトチカガミアオウキクサアカウキクササンショウモ

沈水植物ミズハコベミズオオバコホッスモトリゲモエビモミズニラホザキノフサモタチモフサモミズユキノシタキンギョモヤナギスブタスブタクロモセキショウモイバラモイトモセンニンモササバモヤナギモ

湿地植物ホソバオグルマオオアブノメヒメシロメシロネサルダヒコハッカヒメナミキイヌゴマエキサイゼリシムラニンジンタチスミレミズワラビコイヌガラシミズトラノオヒメハッカクサレダマムカゴニンジンヌマゼリ

アゼオトギリノウルシタコノアシアヅマツメクサヤナギタデボントクタデミゾソバサクラタデシロバナサクラタデホッスガヤヨシヒエガエリコキツネノボタンシソクサイトハコベヤナギヌカボヒナザサミズオトギリ

■多自然池

※50年前と比較して赤字の植物が現在確認されなくなっています。

P

P

P

ヨシ原浄化施設

人工浮島

護岸の緑化

多自然池

南ブロック

池内水路

谷田川

谷中ブロック北ブロック

北水門

貯水池機場

渡良瀬川

掘削前

掘削後

Page 15: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

萌えいづる・渡良瀬遊水地の環境

積極的に環境を創る ■ヨシ原浄化施設

■谷中湖 護岸の緑化

■人工浮島

貯水池の水を遊水地内に自生しているヨシ原に通じて、窒素やリン、植物プランクトン等を吸着、沈澱、吸収などによって取り除いて、水質の自然浄化を図り、貯水池の水質を保全します。

ヨシ原による浄化メカニズム

ヨシ原浄化施設

 渡良瀬遊水地では、積極的に良い環境を創り出

す試みがなされています。

ヨシ原浄化施設 ヨシ原に水路を掘削し、小山を築くといったことで、

陸上からエコトーン(水域から陸域へ移る途中の、

推移帯をいう)とし、さらに水辺に変化をつけて、さ

まざまな植物の生育環境を造りました。また、ヨシ

が窒素やリン、植物プランクトンなどを吸着する性

質を利用して水質の浄化も併せて行っています。

人工浮島 人工浮島は、浮島本体による遮光効果等により、

植物プランクトンの増殖を抑制するための対策です。

 加えて魚類や鳥類の採餌・休憩の場、多様な生態

環境の創出といった効果もあります。

護岸の緑化 コンクリートブロックに覆土(上から土を盛る)こ

とによって湖岸を緑化し生態系の多様化と景観の

向上を図っています。

多自然池 ほとんど起伏がなく、生物相も比較的単調なヨシ

原に、池や小山をつくることによって地形に変化を

持たせ、動植物の生態系を多様化させることを図っ

ています。

植生の単調化及び遊水地の乾燥化の現状 明治の頃には渡良瀬遊水地北部には赤麻沼をはじめ赤渋沼など多数の池や沼がありました。しかし、渡良瀬川の付け替えなどによって沼や池はほとんど消滅し、乾燥化が進んだと考えられ、50年間に約50種の水辺を好む植物が遊水地から姿を消しています。

グランドデザイン 渡良瀬遊水地の自然について、またその利用について将来あるべき姿を考えるために平成12年3月に「渡良瀬遊水地の自然保全と自然を生かしたグランドデザイン」が提言されました。この中で、乾燥化に起因する湿地の減少が遊水地における自然環境上の課題として位置づけられ、昭和30年代の遊水地の姿を将来のイメージとした湿地再生の必要性が説かれています。

湿地保全・再生基本計画~湿地再生へのとりくみ~ 第2調節池を対象とした湿地環境の保全・再生を進めるため、平成14年度より「渡良瀬遊水地湿地保全・再生検討委員会」を設立し、専門家による具体策の検討、湿地再生試験などを進めてきました。このような取り組みにより、平成22年3月に「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」が策定されました。また、順応的管理を行うにあたり、適切なモニタリングとするための議論の場として、「渡良瀬遊水地湿地保全・再生モニタリング委員会」を平成22年10月に設立しました。

掘削による湿地再生 現在、第2調節池では、堆積した土砂などを掘削により取り除くことで湿地の再生を進めています。乾燥化が進んでいる一方で、現在の良好な湿地環境を保全すべき地区も多く残っているため、基本計画では、第2調節池全体を「現況を保全する地区」、「緩衝帯地区」、「湿地の再生を進める地区」の3つ考え方でゾーニングしました。「現況を保全する地区」では現在の環境を保存するため最小限の掘削に留めます。「湿地の再生を進める地区」では地下水位を考慮し、掘削する深さに変化を与えることで湿地や池沼などの多様な湿地環境の創出を積極的に進めます。掘削にあたっては、事前に調査を行い、希少種に対する配慮をしています。

今後の展開 「渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画」に基づき、現存する良好な環境の保全と、治水機能の向上に配慮しながら、湿地保全・再

生を進めるとともに、掘削による影響を評価するためのモニタリングを実施し、順応的な管理に努めます。

■水面の減少

明治17年 昭和4年

昭和35年 平成6年

■確認種(50年間)の変化

■掘削による湿地再生断面イメージ

■第2調節池の掘削による湿地再生イメージ

乾性草地ゴマノハグサクマツヅラトモエソウノカラマツニオイタデマイヅルテンナンショウハナヤスリ

水辺林タチヤナギアカメヤナギジャヤナギカワヤナギイヌコリヤナギネコヤナギコリヤナギコゴメヤナギ

水辺、湿草地タカアザミフジバカマハナムグラムシクサミゾコウジュチョウジソウサクラソウタガラシサデクサオオイヌタデギョウギシバオギオトコゼリハマヒエガエリ

抽水植物キクモオランダガラシハスミノゴメマコモヘラオモダカオモダカミクリガマミズアオイコナギイポクサコウホネマルバオモダカサジオモダカアギナシ

浮葉植物アサザヒシヒツジグサヒルムシロヒシモドキガガブタヒメビシオニバスウキシバコバノヒルムシロテンジソウ

浮遊植物ウキクサタヌキモヒメタヌキモトチカガミアオウキクサアカウキクササンショウモ

沈水植物ミズハコベミズオオバコホッスモトリゲモエビモミズニラホザキノフサモタチモフサモミズユキノシタキンギョモヤナギスブタスブタクロモセキショウモイバラモイトモセンニンモササバモヤナギモ

湿地植物ホソバオグルマオオアブノメヒメシロメシロネサルダヒコハッカヒメナミキイヌゴマエキサイゼリシムラニンジンタチスミレミズワラビコイヌガラシミズトラノオヒメハッカクサレダマムカゴニンジンヌマゼリ

アゼオトギリノウルシタコノアシアヅマツメクサヤナギタデボントクタデミゾソバサクラタデシロバナサクラタデホッスガヤヨシヒエガエリコキツネノボタンシソクサイトハコベヤナギヌカボヒナザサミズオトギリ

■多自然池

※50年前と比較して赤字の植物が現在確認されなくなっています。

P

P

P

ヨシ原浄化施設

人工浮島

護岸の緑化

多自然池

南ブロック

池内水路

谷田川

谷中ブロック北ブロック

北水門

貯水池機場

渡良瀬川

掘削前

掘削後

Page 16: 交通のご案内º¤通のご案内 車をご利用の場合 国道354号線三国橋より北西約3Km 東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分 東武鉄道ご利用の場合

交通のご案内車をご利用の場合

国道354号線三国橋より北西約3Km東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分

東武鉄道ご利用の場合

東武日光線新古河駅、柳生駅、板倉東洋大駅前、藤岡駅 下車(浅草駅~板倉東洋大前駅:約1時間)(東武宇都宮駅~板倉東洋大前駅:約1時間)

JRご利用の場合

JR宇都宮線古河駅、野木駅 下車(上野駅~古河駅:約1時間)(宇都宮駅~古河駅:約40分)

国土交通省 関東地方整備局

利根川上流河川事務所利根川上流河川事務所利根川上流河川事務所

板倉東洋大前

藤岡

柳生新古河

栗橋

古河

野木

間々田

至 浅草至 上野至 東京

至 栃木IC

佐野藤岡IC

加須IC

館林IC県道佐野古河線

至 宇都宮 至 宇都宮

国道50号線

国道354号線

県道古河加須線

県道藤岡乙女線

利根川

渡良瀬川

東武日光線

東武日光線

JR宇都宮線

東北自動車道

巴波川

思川

熊谷

足利

渡良瀬遊水地渡良瀬遊水地

県道藤岡乙女線

〒349-1198 埼玉県久喜市栗橋北2丁目19番1号TEL.0480-52-3959/FAX.0480-52-3963ホームページアドレス http://www.ktr.mlit.go.jp/tonejo