安井 至 国際連合大学名誉副学長・東京大学名誉教授...
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食の将来と21世紀型リスク感覚 10月20日2009年. 安井 至 国際連合大学名誉副学長・東京大学名誉教授 (独)製品評価技術基盤機構( NITE )理事長. http://www.yasuienv.net/. 「リスク」は未来を見る汎用の概念. 環境問題の解とは =現代の共通の課題 =現世代だけでなく、未来世代に渡る長期間(300年?)のリスクをできるだけ公平に低減したい。. なぜ食糧自給率を高める必要があるのか?. リスク的観点からの答えは、 =食糧自給率を高めることが、日本人の生存のリスクが下がるからだ =リスクは本当に下がるのか? - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
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安井 至国際連合大学名誉副学長・東京大学名誉教授(独)製品評価技術基盤機構( NITE )理事
長http://www.yasuienv.net/
食の将来と21世紀型リスク感覚
10月20日2009年
「リスク」は未来を見る汎用の概念
環境問題の解とは=現代の共通の課題=現世代だけでなく、未来世代に渡る長
期間(300年?)のリスクをできるだけ公平に低減したい。
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なぜ食糧自給率を高める必要があるのか?
リスク的観点からの答えは、 =食糧自給率を高めることが、日本人
の生存のリスクが下がるからだ =リスクは本当に下がるのか? =なぜ海外に多くの食糧を依存するこ
とが大きなリスクなのか?
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輸入食糧品への過度の依存というリスク?
1.健康被害が出るリスク? 2.供給不安になるリスク? 4.日本の特徴的な食文化消滅? 5.日本や世界の地域産品の消滅? 6.国内農業生産者の絶滅? 7.食品の無用な廃棄量増大? 8.食品輸入のための貿易収支に関する?
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一般論:食品の健康被害の観点からリスクの分類
1)故意の有害物混入による傷害罪に相当するような食品のリスク 2)農薬がポジティブリスト化され事故と判定される食品のリスク 3)産地偽装・食品偽装にともなって付随的に発生する食品のリスク 4)残留農薬や食品添加物のような人為的な物質による食品のリスク 5)細菌やウイルスによって汚染された食品のリスク 6)自然界のメカニズムによって有害物質を含む食品のリスク 7)健康食品として有効成分を含むゆえに生じる食品のリスク 8)ダイエットを促進する機構があるために生じる食品のリスク 9)ヒトの消化メカニズムとの関係で生ずる食品(獣脂など)のリス
ク ------------ 10)上記以外の食品で完全に安全なもの
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1)故意の有害物混入による傷害罪に相当するような食品のリスク これはもともと犯罪行為なので、防御
の方法は無い。食品こそ、性善説しか通用しない世界。
中国ギョーザ以来、中国の信用が揺らいでいる。
犯罪行為を除けば、中国食品の安全性は、日本製品と大差はない。
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ゼロとは言えないが危険とも言えない
2)農薬がポジティブリスト化され事故と判定される食品のリスク
3)産地偽装・食品偽装にともなって付随的に発生する食品のリスク
4)残留農薬や食品添加物のような人為的な物質による食品のリスク
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5)細菌、カビやウイルスなどによって汚染された食品のリスク 依然として、食品最大のリスクだろう
。 米国だとサルモネラ菌 生卵が食べられる国 日本だとノロウイルス、カンピロバクター
さらに、アフラトキシンか
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輸入食品の最大のリスクか?
アフラトキシン カビ毒
小児がんの最大の原因? 日本の規制値は10ppbで不十分?
EUなどは2ppb
対策できないリスク 6)自然界のメカニズムによって有害
物質を含む食品のリスク 植物性の食品に共通するもの
9)ヒトの消化メカニズムとの関係で生ずる食品(獣脂など)のリスク
動物性の食品に共通するもの
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人類が食べる植物 葉はもともと食べられる方が不思議 理由:ヒト用に作られたものではないから 理由:植物は動けないから
野菜とは、奇形の植物で、たまたま毒性が低くなった人工物
従って、人が虫から守る必要がある
なぜ牛は、野菜でない草を食べられるのか
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7)健康食品として有効成分を含むゆえに生じる食品のリスク
8)ダイエットを促進する機構があるために生じる食品のリスク
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エコナと特定保健用食品 もともとエコナの主成分ジアシルグリセロールに発がん性があるかどうか、が問題だった。
ところが、脱臭過程のグリシドール脂肪酸エステルに強い発がん性があるのではないか、との疑問が出された。
確かに、最悪のケースを考えればあり得るが、グリシドール脂肪酸エステルは、天然の植物油にも含まれている。
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エコナ問題の化合物
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子どもにサプリメント 日本経済新聞 07.31.2009 利用実態 1533人中15%の228人が子
どもにサプリメントを与えている ビタミンやミネラル 154人 その他のサプリメント 74人
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サプリメント理解のための最低限の知識
(1)通常の薬などは、口から摂取したままの形で吸収されるが、それは、腸壁などを通ることができる小さな分子だからである。
(2)タンパク質は、アミノ酸という小さな分子に分解されて吸収される。
(3)でんぷんなどは、糖が数多く結合したものであるが、これは糖に分解されてから吸収される。
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(4)脂肪類は、脂肪酸に分解され吸収される。 (5)サプリメントには食品に近いもの、例えば消化されるコラーゲンのようなものと、そのまま吸収されるアミノ酸のようなものがある。
(6)アミノ酸や糖類のように50~100個ぐらいまでの原子からなる分子であれば、そのまま吸収される可能性が高い。
(7)しかし、多糖類と呼ばれる物質や、タンパク質は、分解されてしまうので、単に原料を供給する役割しか果たせない。合成して元の物質に戻せるかどうか、それは人の合成機能に掛かっている。老化していれば、その機能も老化している。
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(8)若い人が、サプリメントを長期間摂取し続けると、有用物質を合成する能力が低下してしまう危険性がある。
(9)妊娠中、授乳中は、サプリメント類を避けるべきである。
(10)食品というものは、単一の食品を大量に、しかも、そればかり摂取すると、害が生ずることが普通である。 サプリメントを摂取し続けるということは、これをやっていることと同じである。
(11)食品は、大量に摂取すると有害なものでも、少量ずつ摂取するのであれば、かえって有用であることも多い。すなわち、多種類の食品をバランスよく摂取すること、これが、食に関するほぼ唯一の正解である。
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(12)ダイエット系のサプリメントも、機能は限られている。 なぜなら、体重は次の量で決まるからである。
体重増加=摂取した食物の熱量 -排泄によって未消化状態で体外に出る熱量 -体温維持・運動によって消費した熱量
(熱量=カロリー)
(13)ダイエット系のサプリメントの機能としては、排泄によって体外に出る量を増やすものが多い。すなわち、下痢症状を引き起こすという効果である。
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サプリメントを正しく使うには
1.正しい情報 2.治療中は医師などに
相談 3.食習慣見直し 4.ライフスタイルの
見直し 5.貰わない 6.キャッチコピー排除 7.成分量を吟味 8.必要性を判断
9.医薬品と勘違いしない
10.訪問販売、キャッチ販売、通信販売に注意
11.自分で選べる知識を身につける
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By 山崎大治昭和女子大准教授
演者の意見:11だけで十分。大体中身を分かって飲んでいるの?
柄本三代子講師(東京国際大学)
母親は被害者だ。子どもの健康のためという「健康神話」にあおられているに過ぎない。
子ども用のサプリメントを作る食品メーカーや、栄養機能食品にお墨付きを与える厚生労働省に矛先が向かないのはなぜ。
「健康神話」は金のなる木。健康の追求には終わりがないからだ。
こうした「健康神話」を生み出す社会構造について、きちんと考えるべきだ。
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実リスクの定義 実リスク =現象の危険度( Hazard ) × 現象に遭遇する確率( Exposure ) {× 対象の脆弱さ( Vulnerability) }
主観的リスクとは?????=現象の危険なイメージ × 不条理
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リスク:最近の読むべき本 「リスクにあなたは騙されるー恐怖を操る論
理」ダン・ガードナー、早川書房、2009年5月20日、 ISBN978-4-15-209036-2
「メディア・バイアス」、松永和紀、光文社新書、2007年4月20日、 ISBN978-4-334-03398-9
「誤解だらけの「危ない話」」、小島正美、エネルギーフォーラム、 2008/09 、 ISBN978-4-885-55352-3
川島の本 26
過去最高の安全 =先進国のヒトはYes
先進国のヒトは、かつてない長寿 乳児死亡率もかつてなく低い
途上国は? 恐らく Yes だが、先進国との差が余りにも大きい
地球全体は? ヒト以外が怪しい DDT は復活したが、野生動物への影響?
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絶滅速度は地球史上有数 ヒトは、生態系なしに生きることは不可能
最近、ミツバチが居なくなっている 受粉ができなくなって、収穫が下がる
どこまで生態系を壊して良いのか? → かなり壊しても大丈夫? Ex.水田 → 誰も分からないが、どのようなやり
方でも、「農林業が最大の環境破壊行為」
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ヒトの生存条件とは? 必須条件は(4+1)種である。
1.空気の質と量 2.水の質と量 3.食料の質と量 4.エネルギーの質と量 +1.経済活動
付随する条件。人、それぞれ。 文化、伝統、文明、人口、仲間、家族、生き甲斐、 経済活動を支える人材とその育成、、、 生存可能な社会システム 医療、社会保障、、
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日本で、 自給可能
自給可能?自給不可能
自給絶対不能これまではOK
必須条件のリスクを大別すると環境問題、経済問題、その他
日本の環境問題 1.空気の質:現状でもまずまずか 2.水の質:現状でもまずまずか 水の量:農業と気候変動次第 3.食料の質:良すぎる(除く、犯罪行為) 食料の量:不足気味だが。。。 4.エネルギーの質:良すぎる エネルギーの量:自給率は大問題 α.廃棄物処理・処分:なんとかなるが。。。
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経済に関わるリスク 内容は、食料自給、エネルギー自給 国際収支に関すること 結果的には、
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貿易に関することが大部分
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エネルギー関係合計 19兆円
資源関係合計 5兆円
この他に食料合計 6兆円
2倍増
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輸送機器関係合計 20兆円
電子部品機器類合計 9兆円
鉄鋼・化学類合計 9兆円
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2億トン/年以上
石油連盟http://www.paj.gr.jp/statis/data.html
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トウモロコシを1600万トン
世界の輸出入の1/4は日本へ シカゴの市場価格が$2.5/bsh.だと仮定
約250円/8ガロン トウモロコシだと 1bsh.=25.4kg 250円/25.4kg = 結局、10円/kg 日本だとそれに輸送費などが加算
cf.ポップコーン用トウモロコシは? ¥400/kg cf.米をスーパーで買うと?
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総発電量推移
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リスクを適正に判断できない理由
理由: リスクの大きさに対するイメージが何も無い。 イメージが無いと、少しのリスクも不
安であるが、他のものとの比較が可能になると、「このぐらいか」、という理解ができる。
安全圏というものの理解ができるようになる。
ある程度諦めるということが、生命の本質であることを思い出す。
「ローカルリスク低減」の理解
絶対安全絶対安全
実質安全実質安全
適正な
対応・国際標準
発展途上国先進国の過剰
な対策
対策の強化
リスク
別のリスクが増大する
これがしばしばグローバルリスク
危険残留危険残留
安全圏
リスクのモノサシ by中谷内 様々なモノサシがあるが、人口10万人
あたり、1年間での推定死亡者数という指標 を使うことにする。
日本人の人口を1億2700万人 例:日本で毎年1270人が死亡する。 10万人あたりだと 1人
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理由: ヒトの死なない社会 日本は、ヒトの死なない世界を達成 乳児死亡率 平均寿命の延び 現在の高齢者は特別
GDP vs. 平均寿命 1995年
日本人の平均余命推移
理由:自分の体は繊細 自分はヒトである ヒトは高級哺乳類だから繊細
真実:ヒトは、最高性能の自己防衛システムを備えている
真実:だから、これほど蔓延ることができる
ただし、ある人々は、以前よりも繊細かもしれない=乳児死亡率の推移
乳児死亡率、死産率推移
理由: 思い上がり 人類には、安全で上等な専用の食料が用意さ
れている。 リスクゼロというゴールがある。 事実
人類は、歴史の中で試行錯誤をしながら、比較的危険の少ない他の生命を食べてきた。
最後の最後に登場したホモサピエンスのために「専用の贈り物」を用意するほど、地球は優しい天体ではない。
ヒトのメカニズムに内在するリスク 女性ホルモンが発がん物質であること 活性酸素がアポトーシスを誘導している
いずれも、次世代のヒトを作るために必須な要素である。
ヒトは、次世代を作るために構造的に最適化されており、命を長く保つように最適化されている訳ではない。
1)故意の有害物混入による障害罪に相当するような食品のリスク
2)農薬がポジティブリスト化され事故と判定される食品のリスク
3)産地偽装・食品偽装にともなって付随的に発生する食品のリスク
4)残留農薬や食品添加物のような人為的な物質による食品のリスク
5)細菌やウイルスによって汚染された食品のリスク 6)自然界のメカニズムによって有害物質を含む食品のリスク 7)健康食品として有効成分を含むゆえに生じる食品のリスク 8)ダイエットを促進する機構があるために生じる食品のリスク 9)ヒトの消化メカニズムとの関係で生ずる食品(獣脂など)の
リスク ------------ 10)上記以外の食品で完全に安全なもの
食品を危険性の観点から分類
56実はそんなものはな
い
食の安全と安心を考える視点 食を巡るリスクとは? 1.健康被害が出るかどうか まずNo 2.供給に不安がでるかどうか ややYes 3.安価な輸入品への過度の依存 Yes 4.日本の特徴的な食文化消滅 Yes 5.地域産品の消滅 Yes 6.生産者の絶滅 ややYes
7.食品の無用な廃棄量増大 Yes 8.食品輸入のための貿易収支 重要
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持続可能は継続可能と違う
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継続可能 持続可能持続可能とは、継続不可能な個体が次世代と連続性を保ちながら、継続していくこと。
なぜ、あなた個人は生きる? 現時点、先進国の住民は、あらゆる意味で、過去
もっとも安全な状況にある 食品は、ほぼすべてが安全圏にある 安全性に特段の配慮することは無用
現時点、先進国の住民は、あらゆる意味で、過去、もっとも健康な状態にある 食品に対する配慮をすることで、より健康になるのは
、ほぼ不可能である むしろ、自らの命をどのように考えるか、これが
もっとも重要である 個とは何か? 種とは何か? 人種とは何か?
国とは何か? 次世代に何を残すのか? 59