プロトコール型テクニカルノート blotting.pdf際に、protein ladder...
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目次
ページ- はじめに - 4ウエスタンブロッティングの流れ 4
転写 5
ブロッティング方式の比較 5 ブロッティングメンブレンの比較 5 実験プロトコール ( セミドライ式ブロッティング・PVDF メンブレン ) 5 トラブルシューティング 7
転写確認 8
実験プロトコール (CBB stain One を用いたメンブレンの染色 ) 8 実験プロトコール (Rapid Stain CBB Kit を用いたメンブレンの染色 ) 9
ブロッキング 10
代表的なブロッキング剤の比較 10 実験プロトコール(Blocking One) 10 実施例 10 例 1)Blocking One 例 2)Blocking One-P Q&A
検出 11
化学発光検出 11 実験プロトコール(Chemi-Lumi One Super) 11 実施例 13 例 1)Chemi-Lumi One Markers Kit を用いた Chemi-Lumi One Super による検出 13 例 2)Chemi-Lumi One L による HL-60 細胞抽出物中のβ -Actin の検出 13 例 3)Chemi-Lumi One Markers Kit を用いた Chemi-Lumi One L による検出 13 トラブルシューティング 14
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目次
検出 ページ
発色検出 1- ① Peroxidase Stain Kit # 26652-70 15 実験プロトコール 15 実施例 15 HRP 標識抗体を使用し、Peroxidase Stain Kit で発色発色検出 1- ② Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) #25985-50 16 実験プロトコール 16 実施例 16 HRP 標識抗体を使用し、Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) で発色 16発色検出 1- ③ Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) #25985-50 と Metal Enhancer for DAB Stain#07388-24 との組合せによる高感度 Gray 染色 17 実験プロトコール 17 感度比較 17発色検出 2 BCIP-NBT Solution Kit #03937-60 18 実験プロトコール 18 実施例 18 ALP 標識抗体を使用し、BCIP-NBT Solution Kit で発色 18Streptavidin Biotin Complex Peroxidase Kit #30462-30 を用いた増感検出法 19 実験プロトコールSignal Enhancer HIKARI(抗原抗体反応促進剤)#02267-41 50ml / #02270-81 250ml) 20 実験プロトコール 20 実施例 20 例 1)検出感度や特異性への影響 20 例 2)Chemi-Lumi One Super および Chemi-Lumi One L と HIKARI の組み合わせによる検出感度の向上 20他社高感度製品との比較 21 実験プロトコール 21 検出反応プロトコール 21 増感反応プロトコール 21 結果 21 条件 21 評価 21
ストリッピング 22
各手法の比較 22 実験プロトコール 22 実施例 23 例 1)HRP 標識抗体を使用し、Chemi-Lumi One L による化学発光にて検出 23 例 2)WB Strippng Solution 23 例 3)WB Stripping Solution と WB Stripping Solution Strong の 違い 24 使用上の注意 24
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- はじめに -ウェスタンブロッティングは複数のタンパク質を含むサンプルを電気泳動により分離した後、ニトロセルロースメンブレンや PVDF メンブレンに転写し、メンブレンに吸着したタンパク質を、特異的な抗体を使って免疫反応させることにより、目的のタンパク質がサンプルに含まれているかどうかを確認する方法です。ブロッティングの手法は Edwin Mellor Southern が考案し、その名前に由来する DNA 検出法のサザンブロッティング(南)に始まり、その後、開発されたRNA 検出法のノーザンブロッティング(北)の流れから、タンパク質検出法である本手法は、ウェスタン(西)ブロッティングと名づけられています。
ウェスタンブロッティングの流れウェスタンブロッティングの操作は、おおまかに以下の実験の流れとなります。①ゲルからメンブレンへの転写②メンブレンのブロッキング③抗体反応④検出
各操作段階でさまざまな手法が存在し、ベストな結果を得るためには適切な方法や試薬の選択、注意点などがあります。本冊子では、実験の流れに従い実験手法の相違点や操作上の注意点などを中心に紹介します。
SDS-PAGE
転写
ストリッピング
一次抗体、二次抗体
ブロッキング
ブロッキング
検出 :発光 , 発色 , 蛍光
転写確認
発色検出実施後はストリッピング操作はできません!
異なる抗体反応一次抗体、二次抗体
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実験プロトコール ( セミドライ式ブロッティング・PVDF メンブレン )1. 転写膜の準備(トレイ 1)①清潔なトレイ(ディスポトレイなど)に 100%メタノールを約 50ml 注ぎ込み、 PVDF メンブレンの端から順次液中に浸み込ませる要領で浸し、約 1 分間振 とうします。
②約 1 分振とう後メタノールを完全に捨て、セミドライウェスタンブロッティ ング用転写緩衝液約 50ml を注ぎ込み、10 ~ 20 分振とうさせて PVDF メン ブレンを緩衝液で平衡化させます。
2. ポリアクリルアミドゲルの準備(トレイ 2)①トレイ 1 とは別に、清潔なトレイを準備します。セミドライウェスタンブロッ ティング用転写緩衝液約 50ml を注ぎ込み、電気泳動したポリアクリルアミ ドゲルを浸して、10 ~ 20 分振とうさせてゲルを緩衝液で平衡化させます。
ニトロセルロースメンブレンを使用する場合は 100%メタノールに浸す必要はありません。
PVDF メンブレン・ろ紙を切るときは、手のタンパク質がつかないように、手袋を着用して行います。
Semi-dry Blotting Buffer Solution for Western Blotting ( # 30650-31)
転写は下記の 2 つの方法がありますが、転写時間が短い等の利点があるセミドライ式ブロッティングがよく使用されています。また、メンブレンは PVDF メンブレンの方がタンパク質の結合力が強く、そのままアミノ酸シークエンサーにアプライできることから PVDF メンブレンを用いることが多くなっています。詳細は下記出典をご参照ください。
タンク式ブロッティング セミドライ式ブロッティング使用する転写緩衝液量 多い 少ない
発熱転写緩衝液にて冷却されるので発熱量は少ない。冷却しながら転写することが多い。
やや発熱するが、温度調節の必要はない。
転写時間 長時間かかる(4 時間以上 ) 短時間で済む(2 時間以内)
転写ムラなど 比較的均一な転写が期待できる やや起こりやすい
転写効率低電圧で長時間かけて転写するために高分子量から低分子量タンパク質にかけて効率よく転写される。
高電圧で短時間に転写するために、高分子量タンパク質と低分子量タンパク質の転写効率に差が生じる。
ブロッティング方式の比較
ブロッティングメンブレンの比較PVDF(Polyvinylidene Difluoride)
メンブレン ニトロセルロースメンブレン
性質 疎水性 親水性
強度 強い 弱い(ちぎれやすい)
タンパク質保持力 250 μ g/cm2 程度 100 μ g/cm2 程度
値段 高価 安価
出典:バイオ実験で失敗しない!検出と定量のコツ 森山達哉 p.41 より改変
出典:バイオ実験で失敗しない!検出と定量のコツ 森山達哉 p.41 より改変
転写
※最近は PVDF メンブレンが主流となってきている。
Dispotray(#06563-44)
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転写
⑥電極板(陰極)を取り付け(この時、PVDF メンブレン、ゲルは下図のようにセッ トされています)、 電源とブロッティング装置を結線し、定電流 0.8 ~ 1mA/ cm2 で 1 ~ 1.5 時間通電します。 (ミニゲルで(10cm x10cm)1 枚を転写する 場合)
3. 電極板へのセット① PVDF メンブレンよりも一回り大きく切ったろ紙 12 枚を準備します。
②トレイ 1、2 とは別に、清潔なトレイを準備します(トレイ 3)。 セミドライウェスタンブロッティ ング用転写緩衝液約 50 ml を注ぎ込みます。
③ろ紙を一枚ずつトレイ 3 の転写用緩衝液に浸し、トレイ壁で余分な液を拭って 電極版(陽極)上にろ紙端から順次密着させる要領で置いていきます。 あとの 5 枚も同様の操作を繰り返します(合計 6 枚のろ紙を重ねます)。
④ PVDF メンブレンをろ紙同様の要領でろ紙上におきます。
⑤ゲルを転写膜の上に重ねて、ゲルの裏表および端がわかるようにボールペンで 印をつけます。残りのろ紙も、同じ要領でゲルの上に重ねていきます。
⑦電源とブロッティング装置の結線を取り除き、電極板(陰極)側から順次剥が す要領でろ紙を取り除きます。転写が終了したメンブレンを t-PBS、t-TBS 等に浸し、 次の工程に進みます。(作業を中断する場合は、メンブレンが乾か ないように t-TBS に浸します。)
ろ紙は Whatman 3MM Chr がよく使用されています。
メンブレンの表裏がわかるようにボールペンで印を付けてください。
転写膜を重ねる時、気泡が入らないように注意してゆっくり重ねてください。気泡が入った部分は転写されなくなります。
(P7 トラブルシューティング参照)
最適な通電時間は、装置の種類、使用するろ紙の種類・枚数により異なります。あらかじめ、予備実験により最適条件の設定を行ってください。
電極でろ紙・転写膜・ゲルをサンドイッチし、その後、電線をつなぐタイプの装置の場合、ゲルから転写膜にタンパク質が移るように、プラスマイナスを間違えないようにします。逆につないでしまうと、ゲルからろ紙にタンパク質が転写されます。
一度に 2 枚セットする場合は、電流値を 2 倍にします。
りん酸化抗体を用いる場合は、t-TBS を使用してください。
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転写
気泡が入った例
トラブルシューティング
①矢印(ピンク)で示しますように、ゲルと PVDF メンブレンの間に気泡が入ると、 そこだけ転写されません。
4.PVDF メンブレンの洗浄①転写された PVDF メンブレンをディスポーサブルのトレイにのせ、そこに t-TBS をそそぎ、 シェイカーで 5 分間振とうします。これをもう一度繰り 返します。
問題点 原因 解決策
① バンド中に未転写部分が入る
ゲルと PVDF メンブレンの間に気泡が入りその部分が転写されていない
転写膜を重ねるとき、気泡が入らないように注意してゆっくり重ねる
② 低分子量タンパク質の転写効率が悪い 高電圧で短時間に転写
するために高分子量タンパク質と低分子量タンパク質の転写効率に差が生じている
・目的タンパク質付近の転写効率 が良くなるよう転写時間を増 減する
・すべての分子量領域で転写効率 を均一にしたい場合は、タン ク式ブロッティングを行う③ 高分子量タンパク質の転写効率
が悪い
転写の確認には、SDS-PAG を行う際に、Protein Ladder One,Triple-color(#09547-74) 等の、Pre-stained Marker を使用すると便利です。その他にも、サンプルの転写の確認はメンブレンを CBB 染色で行うこともできます。詳細は p9 を参照ください。
Pre-stained Protein Markers(Broad Range)
(#02525-35)
Protein Ladder One,Triple-color(Broad Range)(#09547-74)
Protein Ladder One,Multi-color(Broad Range)(#09549-25)
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転写確認SDS-PAGE などの電気泳動後のゲルをニトロセルロースメンブレンや PVDF メンブレンに転写したのち、そのメンブレン上で転写された全てのバンドを検出したい場合がある。例えば、目的タンパク質の発現量を比較したい場合などは、レーンごとに転写ムラがあっては困る。このようなときにはゲルからメンブレンへのタンパク質の転写後に、転写ムラがないかどうか確認した方が安心できる。また、転写されたタンパク質バンドの N 末端シークエンスを行う場合は、目的のタンパク質バンドの位置を確認するためにポンソー S によって染色する。さらにウェスタンブロッティングのシグナル検出後に、対応する位置のタンパク質バンドを確認したい場合なども多い。出典:バイオ実験で失敗しない!検出と定量のコツ 森山達哉 p.88 より改変
メンブレンの CBB 染色には、染色液や脱色液に酢酸やメタノール、エタノールなどの有機溶媒を含むものと含まない染色方法があり、弊社では以下の 2 製品を用意しています。また、染色後のメンブレンの脱色には、Rapid CBB Destain Kit を用意しています。CBB Stain One を用いた染色法では、脱色の操作が抗原抗体反応を行うために必要な染色像の完全脱色 1 ステップのみで完了し、簡便です。
製品名 CBB Stain One Rapid Stain CBB kit
染色液 有機溶媒不含 有機溶媒含有染色時間 25 分間(水洗時間 5 分 x2 を含む) 1 分間脱色操作 -1
(バックグラウンドの脱色)不要(染色液の性質から、バックグラウンドが低く、脱色不要で染色像が確認可能) 15 分間
脱色操作 -2(染色像の完全脱色) 5 分間 5-10 分間
実験プロトコール (CBB Stain One を用いたメンブレンの染色 )1. メンブレンの染色と染色像の確認
1 2 32. メンブレンの完全脱色
1 2 3
Albumin →(66kDa)
← 65
← 45
← 65
← 45Globulin →
2 3M.W.
(kDa)
3. 影響の検証
①清潔なトレイに CBB Stain One を注ぎタンパク質 を転写したメンブレンを浸して、約 15 分間浸します。②染色したメンブレンは水で約 5 分間 x2 洗浄します。
<実験条件>SDS-PAGE :12%ゲル
サンプル : 1; Protein Markers(#29458-24) 2; ヒト血清 3;Pre-stained Protein Markers(Broad Range) (#02525-35)
メンブレン :PVDF メンブレン
① Dispotray に Rapid CBB Destain Kit の A 液 20 容量、 B 液 10 容量、およびイオン交換水 30 容量を注ぎ 込んで混合します。 約 10cm x 10cm のメンブレンに適用する場合、 CBB 脱色液 50ml 程度が適量です。② CBB 染色したメンブレンをトレイの脱色液に浸して 振とうします。通常約 5 分程度で完全に脱色できま す。
脱色後のメンブレンを使用し、一次抗体とペルオキシダーゼ標識抗体を反応させた後、目的とするタンパク質を高感度に検出できます。左図の結果から、CBB Stain One および Rapid CBB Destain Kit の使用により、抗原抗体反応に影響を与えずに目的のタンパク質を検出できました。
CBB Stain One(Ready To Use)(#04543-51)
Rapid CBB Destain Kit (#30046-74)
Protein Markers(M.W. 6,500~200,000)(10x)(#29458-24)
Pre-stained Protein Markers(Broad Range) (#02525-35)
Dispotray (#06563-44)
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転写確認実験プロトコール (Rapid Stain CBB Kit を用いたメンブレンの染色 )1. メンブレンの CBB 染色
2.CBB 染色像の確認
①清潔なトレイ(Dispotray など)に Rapid CBB Destain Kit の A 液 20 容量、B 液 10 容量、およびイオン交換水 30 容量を注ぎ込んで混合します。 約 10cm x10cm メンブレ ンに適用する場合、CBB 脱色液 50ml 程度が適量です。② CBB 染色したメンブレンをトレイの脱色液に浸して振と うします。 適当な泳動像が得られるまで脱色します。 通常は 3 ~ 5 分間が適当です。③ CBB 染色したメンブレンは、t-PBS で十分洗浄します。④必要に応じてデータの取り込みや、写真撮影を実施し ます。
CBB 染色したメンブレン上のタンパク質泳動像を確認できる程度に残し、メンブレン自体に吸着した CBB 色素を除去します。
3.CBB 染色像の完全脱色
CBB 染色されたタンパク質泳動像を観察した後、抗原抗体反応による検出を妨害しないように、CBB 染色像を完全に脱色します。
①約 10cm x10cm メンブレンに適用する場合、清潔なトレ イ(Dispotray など)に Rapid CBB Destain Kit の A 液 25 容量と B 液 25 容量を注ぎ込んで混合します。②メンブレンをトレイの脱色液に浸して振とうします。 通常 5 ~ 10 分 間程度で完全に脱色できます。③トレイの脱色液を捨て、t-PBS を注いで振とうします。
1 2 3 4 5 6
1 2 3 4 5 6
116,250 →
66,200 →
45,000 →
31,000 →
1 2 3 4 5 6
①精製水(脱イオン水または蒸留水)3 容量に A 液1容 量を混ぜ合わせた後、B 液1容量を混ぜ合わせ、 CBB 染 色液を調製します。約 10cm x10cm メンブレンに適用 する場合、CBB 染色液 50ml 程度が適量です。染色液 は用時調製してください。②清潔なトレイ(Dispotray など)に CBB 染色液を注ぎ、 タンパク質を転写したメンブレンを浸して正確に 1 分 間振とうします。③ CBB 染色したメンブレンは、t-PBS で十分洗浄します。
メンブレン上に固定した抗原に、ペルオキシダーゼ標識抗体を反応させた後、目的とするタンパク質を検出します。
1 2 3 4 5 6
Albumin →
4. 影響の検証
左 図 の 結 果 か ら、Rapid Stain CBB Kit お よ び Rapid CBB Destain Kit の使用により、抗原抗体反応に影響を与えずに目的のタンパク質を検出できました。
Rapid Stain CBB Kit (#30035-14)
Dispotray (#06563-44)
Rapid CBB Destain Kit (#30046-74)
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ブロッキング
実験プロトコール(Blocking One)1. 清潔なトレイに Blocking One(原液)を PVDF メンブレンが浸る程度に 注ぎます。
2. 室温、30 分間シェイカーで振とうします。
3.t-TBS でメンブレンを洗浄します。(5 分間 x2 回)
質問 対応策
一次抗体および二次抗体反応時にも Blocking One も し く は Blocking One-P を用いて希釈した方がよいのですか?
抗体希釈液にブロッキング溶液を加えなくても問題はありません。しかし、バックグラウンドや非特異的バンドを抑えるだけでなく、サンプルチューブやブロッティング中のトレイなどへの非特異吸着を減らし抗体を無駄なく使用する意味でも、本製品の 20 倍希釈をお薦めします。なお本製品を希釈せずに抗体希釈に用いた場合、実験例はありませんが過剰量のブロッキング剤により本来の抗体反応が妨害される可能性があります。
Q&A
タンパク質をメンブレンに転写した後、抗体が非特異的に結合しないように、タンパク質が存在しない部分をあらかじめマスクする必要があり、この操作をブロッキングといいます。不十分なブロッキングは、高いバックグラウンドの原因となります。ブロッキング剤には BSA ベースのものや、ミルク(カゼイン)ベースのもの、魚由来のもの、タンパク質以外の高分子由来のものなどがあり、サンプルの由来や価格などを考慮して検討します。以下に主なブロッキング剤を記載します。
代表的なブロッキング剤の比較名称 説明 ブロッキング
時間
Blocking One 合成高分子化合物ベースのブロッキング試薬で、迅速かつ効果的なブロッキングが可能。 30 分程度
Blocking One-P上記ブロッキングワンのりん酸化タンパク質検出用の製品で、カゼインフリー、内因性ホスファターゼが含まれていないことを保証。
30 分程度
BSA チロシンのりん酸化の検出の場合は、1 ~ 5% の濃度で使用される。 1 時間程度
スキムミルク 最もよく使用されているブロッキング剤で、5% スキムミルク /t-TBS の組成で良く使用される。 1 時間程度
実施例
<実験条件>サンプル:タンパク質マーカー (Biotin 標識 )100 倍希釈 5 μ lMouse 血清 1000 倍希釈1; 2.5 μ l2; 5 μ l3; 10 μ l
例 1)Blocking One 例 2)Blocking One-PMouse 血清からの IgG の検出
Blocking One (#03953-95)
Blocking One-P (#05999-84)
M 1 2 3
<実験条件>サンプル :HeLa 細胞 1.0x107 個
+ RIPA Buffer(#08714-04(1ml) 1; 5 μ l、2; 10 μ l
検出に用いた抗体一次抗体 :Anti-p-Tyr(PY20)(Mouse), Monoclonal
(SantaCruz #sc-508)2,000 倍希釈
二次抗体 :Anti-Mouse IgG-HRP (SantaCruz #sc-2005) 10,000 倍希釈
転写膜の染色 :CBB Stain One(#04543-51)
化学発光検出 :Chemi-Lumi One L(#07880-70)
Hela 細胞ライセートからのりん酸化タンパク質の検出
1 2
11
検出
1. 前準備一次抗体反応①一次抗体を t-TBS で希釈し、シェイカーで振とうしながら室温で 1 時間反応 させます。② t-TBS でメンブレンを洗浄します。(5 分間 x2 回)
二次抗体反応① 二次抗体を t-TBS で希釈し、シェイカーで振とうしながら室温で 1 時間反応 させます。② t-TBS でメンブレンを洗浄します。(5 分間 x2 回)
抗体の希釈倍率は、抗体に添付されている Data Sheet を参考に、適宜検討を行ってください。
化学発光検出
実験プロトコール(Chemi-Lumi One Super)
2. Chemi-Lumi One Super の Solution A と Solution B を 1:1 の割合で混合し、 検出液とします。
3. プラスチック製ラップフィルムを机上に敷きます。メンブレンをピンセット でつまみ、メンブレンの角をキムワイプ ® などに当て、緩衝液を取り除きます。
4. 敷いておいたプラスチック製ラップフィルムの上に、メンブレンをタンパク 質吸着面が上側になるように置きます。その後、検出液を上からかけ、1 分 間反応させます。
5. メンブレンをピンセットでつまみ、メンブレンの角をキムワイプ ® などに当て、 余分な検出液を取り除きます。
気泡が入らないように、プラスチック製ラップフィルムの上にメンブレンを置いてください。
混合液はブロッティングしたメンブレンに対し約 0.125ml /cm2
になる量を使用します。
弊社では化学発光検出キットとして、高感度かつ迅速なタンパク質の検出に適した Chemi-Lumi One Super、測定レンジが広くサンプル中の目的タンパク質の量が不明な際の検出に適した Chemi-Lumi One L を用意しています。
製品名 感度 測定レンジ
Chemi-Lumi One Super 0.04pg 0.04pg-2.5pg
Chemi-Lumi One L 0.63pg 0.63pg-10pg
* 感度や測定レンジの値は、サンプルにビオチン標識タンパク質マーカー、ラベリングに HRP 標識ストレプトアビジンを用いて、LAS-3000、露光時間:2 分、検出感度:High の条件で算出しています。
Chemi-Lumi One Super (#02230-30)
Solution A Solution B
Chemi-Lumi One L (#07880-70)
抗 体 希 釈 を、Signal Enhancer HIKARI を 用 い て 行 う と 検 出 感度、特異性が向上します。詳細は P19 を参照ください。
12
検出6. メンブレンを充分に包める程度の大きさの新しいプラスチック製ラップフィル ムを敷きます。その上にタンパク質吸着面が下側になるようにメンブレンを置 き、プラスチック製ラップフィルムでメンブレンを包んでください。
タンパク質吸着面
7. タンパク質吸着面を上にしてメンブレンをフィルムカセットに入れます。
(以後の作業は暗室内で行ってください)
8. 暗室内で、プラスチック製ラップフィルムで包んだメンブレンの上に X 線フィ ルムを置き、フィルムカセットを閉め、感光させます。
タンパク質吸着面
9. X線フィルムを現像液につけ、像が確認できるまで現像します。
10. X線フィルムを停止液(0.3%酢酸水溶液)につけます。11. X線フィルムを定着液につけます。
12. X線フィルムを流水で注ぎ、定着液を落とします。その後、X線フィルム が重なり合わないように乾かします。
気泡が入らないように、プラスチック製ラップフィルムの上にメンブレンを置いてください。また、プラスチック製ラップフィルムでメンブレンを包むときは、プラスチック製ラップフィルムの折れやシワに気をつけてください。
感光時間は実験条件により異なります。適した感光時間の検討を行ってください。
現像液および定着液として GBX Developer and Fixer(コダック:製品番号 6610091)などが販売されています。また、現像液および定着液の処理能力には限界があり、その限界はパッケージなどに記載されています。
停止液には 0.3%酢酸水溶液を使用してください。停止液は何度か繰り返し使用することができますが劣化していきますので、用時調製することをお薦めします。
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<実験条件>サンプル :1;Chemi-Lumi One Markers 2;HL-60 細胞タンパク質抽出液 (1.6 μ g/ レーン )メンブレン :PVDF メンブレンブロッキング :Blocking One 30 分 室温一次抗体 :Anti- β -Actin 1 時間 室温 (1:10,000 Santa Cruz)二次抗体 :Anti-Mouse IgG HRP conjugated 1 時間 室温 (1:400 Santa Cruz)検出試薬 :Chemi-Lumi One L
検出
例 3)Chemi-Lumi One Markers Kit を用いた Chemi-Lumi One L による検出
通常の Protein Ladder One,(Triple-color #09547-74 /Multi-color #09549-25) は化学発光法では検出できませんが、Chemi-Lumi One Markers Kit(#06456-70) を使用すると、サンプルと同じフィルム上での検出が可能になります。※ただし、マーカータンパク質にはビオチンが標識されているため、未修飾のマーカータンパク質と多少泳動状況が異なる場合があります。正確な分子量を測定する場合は Protein Markers(M.W. 6,500~200,000)(10x)(#29458-24) を使用してください。
<実験条件>サンプル :HL-60 細胞タンパク質抽出液 (1.6 μg / レーン )メンブレン :PVDF メンブレンブロッキング :Blocking One 30 分 室温一次抗体 :Anti- β -Actin 1 時間 室温 (1:10,000 Santa Cruz)
二次抗体 :Anti-Mouse IgG HRP conjugated 1 時間 室温 (1:10,000 Santa Cruz)
検出試薬 :Chemi-Lumi One L撮影 :LAS-3000
例 2)Chemi-Lumi One L による HL-60 細胞抽出物中のβ -Actin の検出
実施例
<実験条件>サンプル :Chemi-Lumi One Markers 2.5 μ l / well電気泳動 :8% アクリルアミドゲルで SDS-PAGE、35 mA で 55 分泳動転写 :セミドライ式ウェスタンブロッティングブロッキング :Blocking One 30 分 室温ラベリング :Streptavidin (HRP conjugate)、t-TBS で 7500 倍に希釈、
室温で 120 分反応検出 :LAS-3000、露光時間:2 分、検出感度:High
例 1)Chemi-Lumi One Markers Kit を用いた Chemi-Lumi One Super による検出
←β -Actin
1 2
Chemi-Lumi One Super (#02230-30)
Blocking One (#03953-95)
Chemi-Lumi One L (#07880-70)
Chemi-Lumi One Markers Kit(#06456-70)
Chemi-Lumi One Markers Kit(#06456-70) のキット構成
・Chemi-Lumi One Markers・Streptavidin (HRP conjugate)
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<実験条件>サンプル :HL-60 細胞タンパク質抽出液 (6.4 μg / レーン )メンブレン :PVDF メンブレンブロッキング :Blocking One (#03953-95) 15 分 室温一次抗体 :Anti- β -Actin 1 時間 室温 (1:1,000 Santa Cruz)二次抗体 :Anti-Mouse IgG HRP conjugated 1 時間 室温 (1:2,000 Santa Cruz)検出試薬 :Chemi-Lumi One L (#07880-70)撮影 :LAS-3000
検出
トラブルシューティング
問題点 原因 解決策① バ ン ド が 白 抜 け
している・SDS-PAGE 時、泳動するサンプ ル 量が多い
・一次抗体の濃度が高い・二次抗体の濃度が高い
泳動するサンプル量を減らす、一次抗体、二次抗体の濃度を下げてみるなど実験条件を再検討してください。
② 非 特 異 的 バ ン ドが多い
・SDS-PAGE 時、泳動するサンプ ル 量が多い
・ 一次抗体の濃度が高い
泳動するサンプル量を減らす、一次抗体の濃度を下げてみるなど実験条件を再検討してください。
③ バ ッ ク グ ラ ン ドが高い
・ブロッキングが不十分である 十分なブロッキングがされているか、適当なブロッキング剤が使用されているか確認してください。特にりん酸化部位を認識する抗体を使用する際は、カゼインフリーのブロッキング剤(カゼインは高度にりん酸化されています)を使用する必要があります。りん酸化検出実験にはりん酸基不含を保証した、Blocking One-P(#05999-84) をお試しください。
・二次抗体の濃度が高い 二次抗体の濃度を下げるなど実験条件を再検討してください。
・洗浄過程がきちんと行われてい ない
洗浄(特に二次抗体反応終了時)を十分な量の t-TBS で行うなど適切に洗浄を行ってみてください。
④ 全くバンドがでない
・一次抗体と二次抗体の組み合わ せが違っている (例:一次抗体にマウスモノク ローナル抗体を使用し、二次抗 体に抗ウサギ抗体を使用するな ど)
一次抗体と二次抗体の組み合わせが間違っていないか確認してください。
・現像液が古くなっている 現像液が濃い黄色に変色している場合は、液が酸化し劣化してしまっています。また、変色していない場合でも現像液の処理能力が限界を超えている可能性があります。現像液を新しく作製しなおしてください。
・一次抗体および二次抗体の濃度 が 低い、泳動したサンプル量 が極端に少ない
泳動時のサンプル量を増やす、一次抗体、二次抗体の濃度を上げてみるなど実験条件を再検討してください。
①
②
③
←β -Actin
15
検出
発色検出 1- ① Peroxidase Stain Kit # 26652-70
実施例
実験プロトコール1. 試薬の調製試薬の調製は使用直前に行い、調製後 10 分間以内に発色反応を開始してください。試薬の調製後 30 分間以上経過すると、良好な染色性能が得られない可能性があります。
【発色液の調製(10 cm x10 cm メンブレン用)】①まず、緩衝液を十分に転倒攪拌してください。② 清潔な 50 ~ 100 ml 用メスシリンダーに緩衝液 50ml を分取し、マイクロ ピペットで発色原液 2.5 ml を加えて十分に混和してください。
120,000 →97,000 →
50,000 →
36,000 →
27,500 →
20,000 →
泳動先端→マーカー
M.Wマーカー 1 2 3 4 5
← Albumin← IgG,H 鎖
← IgG,L 鎖
タンパク質の分離
メンブレンへの転写
ブロッキング
一次抗体インキュベーション
洗浄
CBB 染色
発色反応
Peroxidase Stain Kit (#26652-70)
120,000 →97,000 →
50,000 →
36,000 →
27,500 →
20,000 →
泳動先端→マーカー
M.W
マーカー 1 2 3 4 5
← IgG,H 鎖
← IgG,L 鎖
<実験条件>サンプル :ヒト血清サンプル量
:1; 5 μ g、2; 1.7 μ g、3; 0.55 μ g、 4; 0.2 μ g、5; 60ng
一次抗体 :POD 標識ヤギ抗ヒト IgG 電気泳動 :12.5% SDS-PAGE(35 mA,40 分間)メンブレン :PVDF メンブレン発色時間 :60 分間
Dispotray (#06563-44)
上記以外のスケールで発色液を調製する場合は、緩衝液 20 容量と発色原液 1 容量の割合で混和してください。
・発色液を入れるトレイは、 プラスチック製を推奨します。 ステンレス製トレイを用いた 場合、トレイに色素が析出す る場合があります。
2. 操作手順①メンブレン上に固定した抗原に一次抗体を反応させた後、t-TBS で十分に洗 浄します。(二次抗体を使用しない場合は一次抗体としてペルオキシダーゼ 標識抗体を使用し③に進む)②二次抗体となるペルオキシダーゼ標識抗体を反応させた後、t-TBS で 十分に洗浄します。③調製した発色液を清潔なプラスチック製トレイに入れ、洗浄したメンブレ ンを浸して室温で静置又は振とうします。④メンブレン上に泳動像の適当な染色が得られたら、メンブレンを発色液か ら取り出して流水で10分間以上洗浄して反応を停止します。
HRP 標識抗体を使用し、Peroxidase Stain Kit で発色
16
検出
上記製品について
Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain)(# 25985-50)
Dispotray (#06563-44)
変異原性物質を含んでいます ので、取り扱いにはゴム手袋および保護メガネなどを着用してください。
・
発色液を入れるトレイは、プラスチック製を推奨します。ステンレス製トレイを用いた場合、トレイに色素が析出す る場合があります。
・
<実験条件>サンプル :HL-60 細胞タンパク質抽出液(1.6 μg / レーン)メンブレン :PVDF メンブレンブロッキング :Blocking One 30 分 室温一次抗体 :Anti- β -Actin 1 時間 室温(1:5,000 Santa Cruz)二次抗体 :Anti-Mouse IgG HRP conjugated 1 時間 室温 (1:10,000 Santa Cruz)検出試薬 : Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain)
発色検出 1- ② Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) #25985-50
実験プロトコール
1. 試薬の調製試薬の調製は使用直前に行い、調製後 10 分間以内に発色反応を開始します。試薬の調製後 30 分間以上経過すると、良好な染色性能が得られない可能性があります。
【発色液の調製 (10 cm x10 cm のメンブレン用)】清潔な 50 ~ 100 ml 用メスシリンダーにイオン交換水 40 ml を分取します。点眼容器のキャップおよび中栓を取り、緩衝液 900 μl、発色原液 900 μl、基質試薬 900 μlを加えて十分に混和します。
2. 操作手順①メンブレン上に固定した抗原にペルオキシダーゼ標識抗体を反応させた後、 t-PBS または t-TBS で十分に洗浄します。②調製した発色液を清潔なプラスチック製トレイ(Dispotray など)に入れ、 洗浄したメンブレンを浸して 10 ~ 60 分間室温で振とうします。③メンブレン上に泳動像の適当な染色が得られたら、メンブレンを発色液から 取り出して流水で 10 分間以上洗浄して反応を停止します。
実施例
HRP 標識抗体を使用し、Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) で発色
17
検出
発色検出 1- ③ Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) #25985-50 と Metal Enhancer for DAB Stain#07388-24 との組合せによる高感度 Gray 染色
上記製品について
Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain)(# 25985-50)
Metal Enhancer for DAB Stain(#07388-24)
Dispotray (#06563-44)
変異原性物質を含んでいます ので、取り扱いにはゴム手袋および保護メガネなどを着用してください。
・
発色液を入れるトレイは、プラスチック製を推奨します。ステンレス製トレイを用いた場合、トレイに色素が析出す る場合があります。
・
Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) #25985-50 と Metal Enhancer for DAB Stain#07388-24 を併用することでグレイに染色できます。また、Peroxidase Stain DAB Kit(Brown Stain) 単独での使用よりも感度が 2 倍上昇します。
実験プロトコール
1. 試薬の調製試薬の調製は使用直前に行い、調製後 10 分間以内に発色反応を開始してください。
【メンブレン発色用溶液の調製 (10 cm x10 cm のメンブレン用)】50 ~ 100 ml 用メスシリンダーに Metal Enhancer for DAB Stain 40 ml を分取し、ペルオキシダーゼ染色 DAB キット(Brown Stain)の緩衝液 900 μl、発色原液900 μl、基質試薬 900 μlを加えて十分に混和してください。
2. 操作手順①ウエスタンブロッティングやドットブロッティングでメンブレン上に固定した 抗原にペルオキシダーゼ標識抗体を反応させた後、界面活性剤を含むりん酸 緩衝生理食塩水(PBS)またはトリス緩衝生理食塩水(TBS)で十分に洗浄します。②調製した発色液を Dispotray(# 06563-44)に入れ、洗浄したメンブレンを 浸して 5 ~ 60 分間室温で振とうします。③メンブレン上に泳動像の適当な染色が得られたら、メンブレンを発色液から 取り出して流水で 10 分間以上洗浄して反応を停止します。
感度比較
ドットブロットによる DAB 染色液の性能比較
HRP conjugated antibody (pg)
(A社) 汎用品(Ni+)
(A社) 汎用品(Ni-)
(A社) 高感度品
(B社) 高感度品
(C社) 1 液タイプ品
(D社) 錠剤タイプ品
400
(ナカライテスク) Brown キット + エンハンサー
(ナカライテスク) Brown キット
200 100 2550
エンハンサーを併用することにより、未使用に比べて感度が 2 倍程度上昇します。もちろん Brown 単独でも、他社製品よりも感度よく検出できます。
18
ブロッキング
検出
発色検出 2 BCIP-NBT Solution Kit #03937-60
実験プロトコール1. 試薬の調製試薬の調製は使用直前に行い、調製後 10 分間以内に発色反応を開始します。試薬の調製後 30 分間以上経過すると、良好な染色性能が得られない可能性があります。2. 発色液の調製(10 cm x10 cmのメンブレン用)① まず、緩衝液を十分に転倒攪拌します。② 清潔な 50 ~ 100 ml 用メスシリンダーに緩衝液 50 ml を分取し、マイクロ ピペットで発色原液 0.5 ml を加えて十分に混和します。
3. 操作手順①メンブレン上に固定した抗原に一次抗体を反応させた後、t-TBS で十分に洗 浄します。(二次抗体を使用しない場合は一次抗体としてアルカリホスファ ターゼ標識抗体を使用し③に進む)②二次抗体となるアルカリホスファターゼ標識抗体を反応させた後、t-TBS で 十分に洗浄します。③調製した発色液を清潔なプラスチック製トレイに入れ、洗浄したメンブレ ンを浸して室温で静置又は振とうします。④メンブレン上に泳動像の適当な染色が得られたら、メンブレンを発色液か ら取り出して流水で 10 分間以上洗浄して反応を停止します。
実施例
マーカー
← IgG,H 鎖
← IgG,L 鎖
120,000 →
50,000 →
36,000 →
27,500 →
20,000 →
泳動先端→マーカー
M.W マーカー
1 2 3 4 5 6 7
← Albumin← IgG,H 鎖
← IgG,L 鎖
タンパク質の分離
メンブレンへの転写
一次抗体インキュベーション
洗浄
CBB 染色
発色反応
120,000 →
50,000 →
27,500 →
20,000 →
泳動先端→マーカー
M.W<実験条件>サンプル :ヒト血清サンプル量
:1; プレステインドマーカー 2;5 μ g、 3;1.7 μ g、4;0.55 μ g、5;0.2 μ g、 6;60ng、7;20ng
メンブレン :PVDF メンブレン一次抗体 :ヤギ抗ヒト IgG二次抗体 :ALP 標識ウサギ抗ヤギ IgG 発色時間 :30 分電気泳動 :12.5% SDS-PAGE(35 mA,40 分間 )
・アルカリホスファターゼ標識 抗体を反応させた後のメンブ レン洗浄に、t-PBS を使用する ことはできません。 アルカリホスファターゼが りん酸と反応することによ り酵素活性を失います。 メンブレンの洗浄は、 t-TBS で 行ってください。
上記以外のスケールで発色液を調製する場合は、緩衝液 100 容量と発色原液 1容量の割合で混和します。
二次抗体インキュベーション
Dispotray (#06563-44)
BCIP-NBT Solution Kit(# 03937-60)
ALP 標識抗体を使用し、BCIP-NBT Solution Kit で発色
1 2 3 4 5 6 7
19
検出
Streptavidin Biotin Complex Peroxidase Kit #30462-30 を用いた増感検出法
実験プロトコール Streptavidin Biotin Complex Peroxidase Kit(#30462-30)1. 試薬の調製
【ストレプト ABC Working 溶液の調製】(Working 溶液は、冷蔵保存で数日間安定)①キットに含まれる A液、B液の混合用容器 Cに t-PBS を 5 ml 分取する。② A液 2滴および B液 2滴を加え、キットに含まれる A液、B液の混合用容器 C のフタをして転倒混和により混合し、30 分間放置後使用する。
【Chemi-Lumi One L Working溶液の調製】(Working溶液は、使用直前に調製してください。)Solution A と Solution B を 1:1の割合で混合します。(Working 溶液量はブロッティングしたメンブレンに対して約 0.125ml/cm2 に相当する量を使用します。)
2. 前準備一次抗体反応① 一次抗体を t-TBS で希釈し、シェイカーで振とうしながら室温で 1時間反応 させます。② t-TBS でメンブレンを洗浄します。(5分間 x2 回)
二次抗体反応① ビオチン標識抗体を反応させます。(室温1時間)② t-TBS でメンブレンを洗浄します。(5分間 x2 回)
3. 操作手順① Streptavidin Biotin Complex Peroxidase Kit(#30462-30) の Working 溶液を、 t-TBS で 10 倍希釈し、メンブレン上のビオチン標識抗体と反応させます。② t-TBS を用いてメンブレンを洗浄します。(5分間 x4 回)③ Chemi-Lumi One L の Working 溶液を調製します。④ブロッティングメンブレンの端をキムワイプ ®などに接触させて、洗浄後の残 存液を十分に除去します。⑤プラスチック製ラップフィルムを机上に敷き、その上にタンパク質吸着側が上 側になるようにブロッティングメンブレンを置きます。⑥上からWorking 溶液をゆっくりと注いでメンブレンを浸し、1分間反応させ ます。⑦メンブレンの端をキムワイプ ®などに接触させて、余分な液を取り除き、メン ブレンを十分に包める程度の大きさの新しいプラスチック製ラップフィルムに タンパク質吸着側の面が下側になるようにブロッティングメンブレンを置きま す。⑧プラスチック製ラップフィルムでブロッティングメンブレンを包み、タンパク 質吸着側の面を上にしてフィルムカセットにいれます。⑨暗室内で、プラスチック製ラップフィルムで包んだブロッティングメンブレン の上にX線フィルムを置き、フィルムカセットを閉め、3分間感光させます。⑩X線フィルムを現像液につけ、像が確認できるまで現像します。⑪X線フィルムを停止液(0.3%酢酸水溶液)につけ、現像を停止します。⑫X線フィルムを定着液につけ、像を定着させます。⑬X線フィルムを暗室から出し、結果を確認します。
ブロッキングに Blocking One を使用された場合のご注意アビジン・ビオチン反応を利用した検出系では、Blocking One に含まれるウシ由来タンパク質とアビジンが交差反応する可能性があります。使用に先立って、交差反応の有無をご確認ください。
Chemi-Lumi One L (#07880-70)
メンブレンとプラスチック製ラップフィルムの間に気泡が入らないよう、またプラスチック製ラップフィルムの折れやシワが表面にできないように注意してください。
20
検出
Signal Enhancer HIKARI(抗原抗体反応促進剤)(#02267-41 50ml / #02270-81 250ml)
本製品を従来の t-TBS や t-PBS などの一次抗体および二次抗体の反応液 ( 希釈液 ) の代わりに使用するだけで、ウェスタンブロッティングにおける感度・特異性が向上します。
実施例例 1)検出感度や特異性への影響
例 2) Chemi-Lumi One Super および Chemi-Lumi One L と HIKARI の組み合わせによる検出感度の向上
Chemi-Lumi One Super および Chemi-Lumi One L を Signal Enhancer HIKARI for Western Blotting and ELISA と併用することで、高感度かつ低バックグラウンドに検出できることが示されています。
<実験条件>サンプル :HeLa 細胞抽出物 一次抗体 :Anti- β -Actin(C4)(mouse)(SantaCruz 社 #SC-4778)サンプル量
:1;1667ng/well、2;333ng/well、 3;67ng/well、4;13ng/well、 5;3ng/well
二次抗体 :Anti-Mouse IgG(Goat), HRP conjugate (Santa Cruz 社 #SC-2005)
メンブレン :PVDF メンブレン 検出 :LAS-3000、露光時間 3分転写 :15V、50 分間
Signal Enhancer HIKARI(#02267-41 50ml)(#02270-81 250ml)
実験プロトコール1. 操作手順①転写後、ブロッキングまでが終了した転写膜を準備します。②一次抗体を A液で希釈します。(二次抗体を使用しない場合は B液を用いて 希釈します)抗体の希釈倍率は抗体メーカーの推奨する希釈倍率を参照し最 適化してください。③一次抗体を反応させます。(室温、1時間)④ t-TBS を用いてメンブレンを洗浄します。(10 分間 x3 回 )( 二次抗体を使用 しない場合は⑧に進んでください。)⑤二次抗体をB液で希釈します。抗体の希釈倍率は抗体メーカーの推奨する希 釈倍率を参照し最適化してください。⑥二次抗体を反応させます。(室温1時間)⑦ t-TBS を用いてメンブレンを洗浄します。(10 分間 x3 回 )⑧検出操作に入ります。
■特異性と検出感度の向上
データご提供:Dr.S.Matsuzawa, Signal Transduction, NCI Cancer Center, Burnham Institute for Medical Research
一次抗体:Anti-pJNK(1:1000)二次抗体:Anti-Rabbit IgG-HRP (1:5000)サンプル:マウス胎児線維芽細胞検出試薬:SuperSignal West Pico (Thermo Fisher Scientific(Pierce))
R
pJNK -
HIKARI 3% BSA / TBS-T
Non-specific- band
t-TBS
)
T
■検出感度の向上
一次抗体:Anti-Rac1(1:1000)二次抗体:Anti-Mouse IgG-HRP(1:2500サンプル:ラット初代皮質ニューロン検出試薬:ECL(GE Healthcare)
データご提供:Dr.K.Ishizuka, Department of Psychiatry, Johns Hopkins University School of Medicine
38 -
28 -
17 -14 -
Total protein:Skim Milk / PBS-
1μg 2μg 3μgHIKARI
1μg 2μg 3μgt-PBS
Chemi-Lumi One L (#07880-70)
Chemi-Lumi One Super (#02230-30)
(#02267-41 50ml)(#02270-81 250ml)
21
検出
他社高感度製品との比較
結果
Signal Enhancer HIKARI(#02267-41 50ml)(#02270-81 250ml)
実験プロトコール検出反応プロトコール A(結果データ中)は P11 の Chemi-Lumi One Super をご参照ください。
増感反応プロトコール B(結果データ中)は P19 の Signal Enhancer HIKARI(抗原抗体反応促進剤) をご参照ください。
Chemi-Lumi One Super (#02230-30)
(#02267-41 50ml)(#02270-81 250ml)
A
B
条件)gμ521.0:3、gμ52.0:2、gμ5.0:1( 質クパンタ出抽胞細06-LH: ルプンサ
ブロッキング試薬:各検出試薬推奨ブロッキング剤を使用(ブロッキング時間は各ブロッキング剤推奨処置時間で処置)
釈希倍000,1 )87774-cs:zurC atnaS( 体抗ンチクアβ抗スウマ: 体抗次一釈希倍000,01 )5002-cs:zurC atnaS( GgIスウマ抗識標PRH: 体抗次二
、)応反間分1( repuS enO imuL-imehC、)応反間分1( L enO imuL-imehC: 薬試出検)応反間分5( 薬試出検度感高社A、)応反間分5( 薬試出検度感高規新社A
)定測に後分2りよ了終応反( 分01びよお分1間時光露、hgiH度感出検、0003-SAL: 出検
評価Chemi-Lumi One Super は Chemi-Lumi One L および A社高感度検出試薬よりも感度が高く、A社新規高感度検出試薬と同等の感度を示しています。また、感度を上げるため露光時間の延長もしくはシグナルエンハンサー HIKARI を使用すると、A社新規高感度検出試薬と A社高感度検出用ブロッキング剤の組み合わせでは顕著なバックグラウンドの上昇が見られますが、Chemi-Lumi One Super と Blocking One の組み合わせの場合、より低バックグラウンドで検出できます。
低バックグラウンドで高感度検出が可能
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ストリッピング
実験プロトコールWB Stripping Solution WB Stripping Solution Strong
使 用 量 ブロッティングメンブレン(ミニゲルサイズ)には本製品 20ml を使用してください。
洗 浄
化学発光法の検出に使用したブロッティングメンブレンは、0.05% (V/V) t-PBSまたは t-TBS により洗浄(5分間程度)してください。
化学発光法の検出に使用したブロッティングメンブレンは、イオン交換水により洗浄(1分間程度)してください。
処 理
室温に戻した本製品はブロッティングメンブレンが浸る程度の液量を樹脂製トレイ等の容器へ注いでください。
ブロッティングメンブレンを浸して室温で緩やかに振とう (5 ~ 15 分間 ) します。
洗 浄 本製品を廃液した後、0.05% (V/V)t-PBS または t-TBS により洗浄(5分間程度)してください。
反 応 洗浄したブロッティングメンブレンは新たな抗体反応を行うことができます。
残存抗体の 確認方法
下記の何れの場合もブロッティングメンブレンに抗体が残存していると、以前の検出像が検出されます。
標識抗体の残存は、本製品で処理した後のブロッティングメンブレンをそのまま化学発光法で検出することにより確認することができます。
未標識抗体の残存は、本製品で処理した後のブロッティングメンブレンを二次抗体(標識抗体)と反応させた後、化学発光法で検出することにより確認できます。
WB Stripping Solution(#05364-55)
WB Stripping Solution Strong(#05677-65)
ストリッピング法は、ウェスタンブロッティングで目的タンパク質を複数の異なる抗体で検出することや、複数の異なるタンパク質を検出することを可能にし、貴重・微量なタンパク質を扱う研究者にとって、重要な実験プロセスです。
従来は毒物である 2- メルカプトエタノール (2ME) を含む試薬を用いて、高温処理が必要でしたが、弊社では加温が不要なWB Stripping Solution 、WB Stripping Solution Strong を用意しています。
各手法の比較
手法 従来法 WB Stripping Solution & WB Stripping Solution Strong
2ME( 毒物 ) 含有 不含(不快な匂いがしない)加温 50℃ 不要処理時間 30 分 15 分程度 ( 場合により適宜増減してください )
使用可能なメンブレン PVDF メンブレン
トレイやピンセット等は金属・樹脂製品ともに使用できます。
トレイやピンセット等は樹脂製品を使用してください。
23
ストリッピング
例 1)HRP 標識抗体を使用し、Chemi-Lumi One L による化学発光にて検出β -Actin β -Tubulin
例 2)WB Strippng Solution (データご提供:東京工業大学生命理工学部 赤池研究室)
<実験条件>サンプル :HL-60 細胞タンパク質抽出液(3.2 μg / レーン)メンブレン :PVDF メンブレンブロッキング :Blocking One 30 分 室温一次抗体 :Anti- β -Actin 1 時間 室温 )zurC atnaS 000,01:1( 二次抗体 :Anti-Mouse IgG HRP conjugated 1 時間 室温 )zurC atnaS 000,01:1( 検出試薬 :Chemi-Lumi One L撮影 :LAS-3000・・・ 左図↓ストリッピングWB Stripping Solution Strong 60 分↓ブロッキング :Blocking One 30 分 室温一次抗体 :Anti- β -Tubulin 1 時間 室温 (1:200 Santa Cruz)二次抗体 :Anti-Mouse IgG HRP conjugated 1 時間 室温
(1:10,000 Santa Cruz)検出試薬 :Chemi-Lumi One L撮影 :LAS-3000・・・ 右図
<実験条件>ブロッキング :Blocking One 30 分 洗浄 :t-TBS一次抗体 :Anti-paxillin (mouse IgG)二次抗体 :Anti-mouse IgG-POD検出 :光学発光検出キット↓ストリッピングWB Stripping Solution 室温 15分処理↓ブロッキング :Blocking One 30 分
洗浄 :t-TBS一次抗体 :Anti-vinculin (mouse IgG)
Anti-actin (mouse IgG)二次抗体 :Anti-mouse IgG-POD検出試薬 :Chemi-Lumi One (#05027-20)
1 回目
2回目
Blocking One (#03953-95)
Chemi-Lumi One L (#07880-70)
WB Stripping Solution Strong(#05677-65)
WB Stripping Solution(#05364-55)
ストリッピング例 3)WB Stripping Solution と WB Stripping Solution Strong の 違い
5000ng, 500ng, 50ng, 5ng の抗原 (c-Myc-GST) を結合させた PVDF メンブレンを HRP 標識抗 GST 抗体で反応させて下記の各溶液を用いて室温で 緩やかに振とう (10 分間 ) 処理した。
使用上の注意WB Stripping Solution WB Stripping Solution Strong
容 器 等本製品を分注するトレイやピンセット等は金属・樹脂製品ともに使用できます。
本製品を分注するトレイやピンセット等は樹脂製品を使用してください。金属製品は本製品の性能を劣化させます。
組 成 本製品は酸性(pH2 ~ 3)の水溶液です。 本製品は還元性を有しています。
保 護使用時は、保護着、保護メガネ、保護手袋等の保護具を着用してご使用ください。身体等に付着した場合は大量の水で洗い流して必要に応じて医師の診察を受けてください。
使 用 時本製品は室温に戻してからご使用ください。本製品は冷蔵保存ですが、保存環境によっては界面活性剤が析出する場合があります。析出物が存在すると組成濃度が変化しますので、析出物を溶解させてから使用してください。
適 応本製品は、TMB、DAB、4 -Chloro-1 -naphtol 等の発色検出法で染色されたブロッティングメンブレンの再利用には適していません。また、発色検出法の染色像は消えません。
混合使用
両製品を混合すると反応して白い沈殿を生じます。両製品を交互に使用される場合は、剥離したブロッティングメンブレンを適当な緩衝液、あるいは精製水で充分に洗浄(3 ~ 5 回程度)して試液を完全に取り除いてから次の製品を使用してください。なお、使用されるトレイ等はそれぞれ別のものを用いてください。
a. 0.05%(V/V)、t- PBSb. 2%(W/V) SDS, 100mM 2-Mercaptoethanol, 62.5mM Tris-HCl(pH 6.7)c. WB Stripping Solutiond. WB Stripping Solution Strong
その後、PVDF メンブレンに残存した HRP 標識抗 GST 抗体を検出するため、t- PBS で 1 分間洗浄後、化学発光検出した。
e. は、d. を HRP 標識抗 c-Myc 抗体で再検出した結果 a. とほぼ同様の結果が得られた。
WB Stripping Solution(#05364-55)
WB Stripping Solution Strong(#05677-65)
ご注意 試験・研究用以外には使用しないでください。※記載の内容は、'11 年 9 月現在の情報に基づいております。※価格に消費税は含まれておりません。
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