ちとせたい...ちとせたい 学校だより 第 12 号 令和2年 3月17日...

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ちとせたい 学校だより 第 12 号 令和2年 3月17日 六ヶ所村立千歳平小学校 文責:教頭 君たちは夢 校長 澁田健太 長期休業といえば夏休みや冬休みが思い浮かびます。夏休みは海,山,祭りなどレジャーへ のわくわく感,休み明けの日焼けした肌がお約束の休み。冬休みは,クリスマスやお正月へのな んともいえないイベント感,休み明けはケーキや餅を食べすぎたことによる太り気味の顔つきで教 室に戻ってくるのがいつもの風景です。どちらの休みにも共通するのは,同じ仲間と同じ先生が 顔を合わせ,さあ今学期もがんばっていきましょうという連続感です。 しかし,春休みに入る直前は,それまでの1年を振り返り,成長を確かめ,それぞれのがんばりを たたえあう独特の空気があります。たった数日先にある,それでも見える景色がなんとなく違うであ ろう新しい学年への期待感があふれるのが春休みです。でも,誰も想定しない春休みがやって きました。 2月28日金曜日,いつもどおりの朝が来て,いつもどおりの学校が始まり,翌日土曜日は2月 29日という4年に一度のうるう年ということで「この日に生まれると誕生日が4年に1回しかない よ,いつまでも若くいられていいなあ」などと誰も笑わないギャグを得意げに話す学級担任がいた はずです。 あの日の午後,突然「今日をもって令和元年度は終了です,明日から春休みです」と告げら れた子どもたちは何の心の整理もできず,事の重大さを理解できないまま茫然としていたのでは ないでしょうか。ここでやらねば誰がやる,と5年生が突貫工事なみに30分で体育館の装飾を行 い,次の週に予定していた6年生を送る会を実現させてくれました。これが6年生との最後の思い 出づくりということもあり,全員が笑顔で心を寄せ合い交流のひとときを過ごしていました。優しく温 かな空気が満ちあふれる体育館は,まるで陽だまりのようでした。6年生も在校生の気持ちにこた えようと会を精いっぱい盛り上げていました。私が理想として追い求めている子どもたちの姿がそこ にありました。私は胸が熱く,苦しくなりました。「なんと素敵な子どもたちなんだろう」。行事の写真 係としていつもシャッターを切っている私ですが,オートフォーカスのカメラのはずなのにファインダ ーをのぞいてもピントが合わず,子どもたちの笑顔がぼやけてしょうがありませんでした。 どんな子が好きですか?と問われたら,私は胸を張って「千歳平小学校の子どもたちのように 笑顔と優しさにあふれた子どもです」と答えます。そのようなお子様を育てていただいた保護者の 皆様方に心から感謝いたします。 語りつくせない思い出や喜びがつまった令和元年度はいきなり幕を閉じましたが,決して夢では なく,子どもたちが確かな学力を身に付け,豊かな心を育んだ1年でした。人生は甘いばかりでは 飽きてしまいます。ほろ苦い経験もまた成長の過程では必要なアクセントです。ぽっかりとあいた3 月は,神様が私たちにくれた自分と向き合う時間だったのかもしれません。でも,どんな夜でも朝 はくるものです。窓の外は雪から雨に変わりました。例年よりも一足もふた足も早く各教室から子ど もたちの作品や,掲示物が外されました。季節も学校も次のステージへと動き始めています。 ふきのとうが芽を出し,桜のつぼみがふくらむ春がもうそこまで来ています。光あふれる希望の季 節がまたやってきます。 子どもたちの笑顔と歓声が満ちる学校が再び動き出すことを心待ちにして,今年度最後の学校 だよりのあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。 ■ 夢の続きをバトンタッチ! 【 2/13:後期 こうき 児童会 じどうかい 総会 そうかい 一年間がんばってきた児童会活動も,後輩へ夢のバトンを渡す時が きました。この一年,全校を引っ張ってきた6年生の委員長から,来 年度担当する5年生の新委員長へ引継ぎがなされました。 後輩たちは,メモをとる時も真剣そのもの。受け継いだ伝統ある母 校をより高めていこうとする意欲に満ちていましたよ。 ■ 緊 急 きんきゅう 開催 かいさい 2/28: 6年生を送る会本当は3月に予 定されていた「送 る会」 だれの頭 の中にも「中止」 がよぎりましたが, 在校生の努力と卒 業生の熱意で開催 が実現! 最後の 最後に笑顔と涙の ひと時を作り出せ ました。本当に, 感謝!感謝!です。 ■ 資料 しりょう 『開拓物語 かいたくものがたり 』できました! 来春,講堂(体育館)が取り壊されるにあたり,掲示してある卒業記念制作について のご意見を,小紙6号(9月号)でお伺いしていました。すべての作品を,というわけ にはいきませんでしたが,その中で,地区の開拓時代を扱った平成6年度の版画紙芝居 『開拓物語』を,総合的な学習の時間で使う資料としてフォトブック形式にまとめるこ とができました。 私たちが受け継ぐ「拓魂」のルーツを知る貴重な伝承として, ↓ 表紙です。 ↓ 資料の一部です。 今後,活用していきます。 ちとせたい

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Page 1: ちとせたい...ちとせたい 学校だより 第 12 号 令和2年 3月17日 六ヶ所村立千歳平小学校 文責:教頭 君たちは夢 校長 澁田健太 長期休業といえば夏休みや冬休みが思い浮かびます。夏休みは海,山,祭りなどレジャーへ

ちとせたい 学校だより 第 12 号 令和2年 3月17日 六ヶ所村立千歳平小学校

文責:教頭

君たちは夢 校長 澁田健太 長期休業といえば夏休みや冬休みが思い浮かびます。夏休みは海,山,祭りなどレジャーへのわくわく感,休み明けの日焼けした肌がお約束の休み。冬休みは,クリスマスやお正月へのなんともいえないイベント感,休み明けはケーキや餅を食べすぎたことによる太り気味の顔つきで教室に戻ってくるのがいつもの風景です。どちらの休みにも共通するのは,同じ仲間と同じ先生が顔を合わせ,さあ今学期もがんばっていきましょうという連続感です。 しかし,春休みに入る直前は,それまでの1年を振り返り,成長を確かめ,それぞれのがんばりをたたえあう独特の空気があります。たった数日先にある,それでも見える景色がなんとなく違うであろう新しい学年への期待感があふれるのが春休みです。でも,誰も想定しない春休みがやってきました。 2月28日金曜日,いつもどおりの朝が来て,いつもどおりの学校が始まり,翌日土曜日は2月29日という4年に一度のうるう年ということで「この日に生まれると誕生日が4年に1回しかないよ,いつまでも若くいられていいなあ」などと誰も笑わないギャグを得意げに話す学級担任がいたはずです。 あの日の午後,突然「今日をもって令和元年度は終了です,明日から春休みです」と告げられた子どもたちは何の心の整理もできず,事の重大さを理解できないまま茫然としていたのではないでしょうか。ここでやらねば誰がやる,と5年生が突貫工事なみに30分で体育館の装飾を行い,次の週に予定していた6年生を送る会を実現させてくれました。これが6年生との最後の思い出づくりということもあり,全員が笑顔で心を寄せ合い交流のひとときを過ごしていました。優しく温かな空気が満ちあふれる体育館は,まるで陽だまりのようでした。6年生も在校生の気持ちにこたえようと会を精いっぱい盛り上げていました。私が理想として追い求めている子どもたちの姿がそこにありました。私は胸が熱く,苦しくなりました。「なんと素敵な子どもたちなんだろう」。行事の写真係としていつもシャッターを切っている私ですが,オートフォーカスのカメラのはずなのにファインダーをのぞいてもピントが合わず,子どもたちの笑顔がぼやけてしょうがありませんでした。 どんな子が好きですか?と問われたら,私は胸を張って「千歳平小学校の子どもたちのように笑顔と優しさにあふれた子どもです」と答えます。そのようなお子様を育てていただいた保護者の皆様方に心から感謝いたします。 語りつくせない思い出や喜びがつまった令和元年度はいきなり幕を閉じましたが,決して夢ではなく,子どもたちが確かな学力を身に付け,豊かな心を育んだ1年でした。人生は甘いばかりでは飽きてしまいます。ほろ苦い経験もまた成長の過程では必要なアクセントです。ぽっかりとあいた3月は,神様が私たちにくれた自分と向き合う時間だったのかもしれません。でも,どんな夜でも朝はくるものです。窓の外は雪から雨に変わりました。例年よりも一足もふた足も早く各教室から子どもたちの作品や,掲示物が外されました。季節も学校も次のステージへと動き始めています。 ふきのとうが芽を出し,桜のつぼみがふくらむ春がもうそこまで来ています。光あふれる希望の季節がまたやってきます。 子どもたちの笑顔と歓声が満ちる学校が再び動き出すことを心待ちにして,今年度最後の学校だよりのあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。

■ 夢の続きをバトンタッチ! 【 2/13:後期こ う き

児童会じどうかい

総会そうかい

一年間がんばってきた児童会活動も,後輩へ夢のバトンを渡す時が きました。この一年,全校を引っ張ってきた6年生の委員長から,来 年度担当する5年生の新委員長へ引継ぎがなされました。 後輩たちは,メモをとる時も真剣そのもの。受け継いだ伝統ある母 校をより高めていこうとする意欲に満ちていましたよ。

■ 緊急きんきゅう

開催かいさい

! 【 2/28:

6年生を送る会】 本当は3月に予 定されていた「送 る会」 だれの頭 の中にも「中止」 がよぎりましたが, 在校生の努力と卒 業生の熱意で開催 が実現! 最後の 最後に笑顔と涙の ひと時を作り出せ ました。本当に, 感謝!感謝!です。

■ 資料しりょう

『開拓物語かいたくものがたり

』できました!

来春,講堂(体育館)が取り壊されるにあたり,掲示してある卒業記念制作について のご意見を,小紙6号(9月号)でお伺いしていました。すべての作品を,というわけ にはいきませんでしたが,その中で,地区の開拓時代を扱った平成6年度の版画紙芝居 『開拓物語』を,総合的な学習の時間で使う資料としてフォトブック形式にまとめるこ とができました。 私たちが受け継ぐ「拓魂」のルーツを知る貴重な伝承として, ↓ 表紙です。 ↓ 資料の一部です。 今後,活用していきます。

ちとせたい

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英語に親しんでます!【Angelエ ン ジ ェ ル

さん奮闘中】PART-2 ALT(英語の勉強の時など,指導の補助をしてくださる先生)のAngelさんへのインタビュー の続きです。まじめなAngelさんが,今回もものすごくしっかり長文で答えてくれまし た。拙(つたな)い英語力で正しいニュアンスを伝えられるか不安ですが,ご覧ください。 Q.3 Angel 先生は日本語を勉強しています。他にも色々な言葉がわかるそう

ですね。新しい言語を覚えることの魅力は何ですか Learning a new language helps you to think differently than you normally would. A language is an insight into a people’s culture and how they think and see the world. Learning a new language allows for more than just communication, it helps you to take part in their culture and see the world from their perspective. I love studying culture and learning a language is key to understanding who a people are. 新しい言語を学ぶことは,普段と違う考え方をするのに役立ちます。その言語を使う人たちの

文化と,その人たちが世界をどのように考え捉えているかを教えてくれるので,単なるコミュニケーション以上のものになります。その人々の存在意義を知る鍵になることが分かるので,私は文化や新しい言語を学ぶことが大好きです。 Q.4 子どもたちが新しい外国語を覚えようとするときに大切なことは何ですか? Learning a foreign language helps you to better understand your own language and appreciate your own culture. You get to see how different people see the world and how your own culture views the world. It helps you understand more than just their words; it helps you understand their minds. In my experience, just knowing a little of a person’s native language can help you make new and interesting friends from all around the world. It helps you to understand what makes us similar and simultaneously unique. 外国語を学ぶことは,まず自分の国の言語や文化をよりよく知ることに役立ちます。その上

で,さまざまな人が,そして自分たちがどのように世界を見ているのか知ることができます。言葉を知れば,その意味以上のものがわかります。言葉を知れば,それを話す人の心を知ることに役立ちます。私の経験では,その人の母国語を少し知っているだけで,世界中に新しくおもしろい友達を作れました。世界中の人たちが,どこか似てるけどどこか違っているわけを知ることの手助けになりますよ。 ぜひ子どもたちにアドバイスをください。

My advice is to keep striving to learn new challenging things about the language, the subtleties, the slang. It gets you out of your comfort zone and you will try more things that you like than you would otherwise think. I have a motto: I will always try something twice. I may not like it the first time, but it’s amazing how often I enjoy something the second time. And even if I don’t, I can still say I tried it. 微妙な言葉や,普段使いの言葉も含めて,新しい挑戦的なことを学ぶ

ように努力し続けることです。そうすることが「もういいや,楽しちゃ おう」と思っているところからあなたを引っ張り出して(引き上げて)く れます。あれこれ考えるよりも,あなたが好きなやり方を試すことです。 私にはモットー(座右の銘)があります。それは,いつも「2回はやっ

てみよう」ということです。1回目の結果が気にくわなくても,2 回目 ではおどろくほど楽しめることが多いです。たとえそれほどではないと しても「ちゃんとやってみたよ!」ということができるのですから。

■ 臨時休校りんじきゅうこう

措置を実施しています 各地で新型コロナウィルスによる感染が広まり,六ヶ所村は 3/2~4/6の 予定で臨時休業とすることとなり,本校も休校措置を実施しています。 1か月にも及ぶ休業ですが,事情が事情だけに,友達と遊ぶわけにもいか ず,不要不急の外出も避けるなど,こどもたちにとってはストレスのたまる 期間になります。なるべく早い終息を期待するものですが,それまでは,イ ンフルエンザのシーズンでもありますし,手洗い・うがい・睡眠・栄養に注 意し,家での学習や運動に自分で目標をもって過ごしていくことが大切です。 また元気に学校で顔を合わせることができるよう,がんばりましょう!

★ 2/14 村教育奨励賞・スポーツ賞授与式

今年度も活躍が認められ,本校の子どもたちが表彰を受けました。

☆ 教育奨励賞(東奥少年少女文芸大賞・短歌部門 秀逸)

2年 桜 井 結 菜

☆ 教育奨励賞(第12回全国こども版画コンクール in 滋賀 特選)

2年 嶋 中 矢 子

☆ 教育奨励賞(日本子どもの版画コンクール 特選)

2年 福 岡 優 2年 木 村 楓 2年 藤 谷 翔 (*)

3年 小 泉 那 月 3年 田 村 友 真 3年 栁 田 伊 吹

3年 鈴 木 朱 里

5年 小 泉 漣 5年 佐 藤 大 斗 5年 栁 田 祐 月

5年 阿 部 礼 愛 5年 小 泉 心 優 5年 駒 形 萌 桃

6年 小 泉 優 斗 6年 岡 部 菜 々 6年 松 橋 美 麗 (*)

6年 田 村 紗 妃 6年 酒 井 麗 奈 6年 桜 井 永 悟 (*)

☆ 教育奨励賞(世界児童画展 特選) ☆ スポーツ奨励賞

6年 桜 井 永 悟(*重複受賞) 2年 藤 谷 翔(*重複受賞)

5年 田 中 太 耀

6年 松 橋 美 麗(*重複受賞)

★ 3/11 東日本大震災から9年 9年前,みなさんの住んでいるこの東北で,とてもとても大きな地震と津波が起きまし

た。2万人以上の人が亡くなったり行方不明になったりしました。 9年たってもまだ4万7千人以上の人たちが自分の家にもどれなくて,仮の家や病院な

どにくらしているほど被害の大きかった災害です。「東日本大震災」といいます。 これからも起きる災害に,「いつも備える気持ちを忘れない」ように,「震災で苦しい

思いをしている人たちのことを思いやれる」ように, 「災害の前よりももっと元気な日本になっていく」 ように,考える一日に!

★ 3月24日,卒業式をもって本校一年間の教育活動が終わります▼在校生に,一年間の思い を込めた言葉をかけられないのは不本意ながら,次の学年でも,変わらず学びにチャレンジし 続けてくれる千歳平っ子であることを望んでいます▼子どもたちが,元気に登校し,安全・安 心な学校生活を送ることができたのは,保護者の皆様,地域の皆様のご支援ご協力のおかげで す。本年度最後の学校だよりをしめくくるにあたり,御礼申し上げます▼本年度も小紙をお読 みくださり,本当にありがとうございました。

"Some people are always grumbling because roses have thorns; I am thankful that thorns have roses."

(バ

ラにとげがあることに文句を言う人がいます。私は,とげのある茎にバラが咲くことにこそ,とても感謝しています。

) by Alphonse

Karr