チチ ョョ ッッ ププ chop療法の手引き‚’含んだ治療(r-chop...

20
CCHHOOPP 療療法法のの手手引引きき 201 1 年4月 国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科・薬剤部・看護部

Upload: hoangxuyen

Post on 17-May-2018

227 views

Category:

Documents


1 download

TRANSCRIPT

CCCHHHOOOPPPチチチ ョョョ ッッッ プププ

療療療法法法ののの手手手引引引ききき

2011 年4月

国立がん研究センター中央病院

血 液 腫 瘍 科 ・ 薬 剤 部 ・ 看 護 部

1

はじめに

悪性リンパ腫の治療法には、化学療法、放射線療法、抗体療法、造血幹

細胞移植などがあります。悪性リンパ腫のタイプや病気の進行状況などに

より、このうちのひとつ、あるいはこれらを組み合わせた治療が行われま

す。

CHOP 療法は悪性リンパ腫の代表的な化学療法で、3 種類の抗がん剤

(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン)に副腎皮質ホ

ルモン(プレドニゾロン)を組み合わせた治療です。最近では、悪性リン

パ腫のタイプのうち B 細胞由来の腫瘍の場合、抗体薬であるリツキシマブ

を含んだ治療(R-CHOP 療法)がよく行われます。これらの治療は、ほ

とんどの場合、通院で実施できるのが特徴です。

この小冊子では、CHOP 療法によって起こり得る主な副作用とその対策

についてまとめました。これから CHOP 療法を開始される皆様が、安心

して治療を受けられるために、この小冊子を尐しでも役立てていただけれ

ば幸いです。

国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科

2

方法

《1 サイクル 21日間の治療スケジュール》

1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6~21日目

C:シクロフォスファミド (点滴) ○

H:ドキソルビシン (点滴) ○

O:ビンクリスチン (点滴) ○

P:プレドニゾロン (内服) ○ ○ ○ ○ ○

休 薬

上記スケジュールに沿って、原則3週間ごとに治療を行います。

治療を何サイクル行うかは、病気のタイプや進行状況で異なります。

患者さんの状態によりプレドニゾロンの服用方法が異なることがあり

ますので、担当医師に服用方法をご確認ください。

《点滴(1日目)のスケジュール》

以下の5つの注射剤を順番に投不します。

注射剤の内容 投与時間

ビンクリスチン注 (抗がん剤) 約1分

グラニセトロン注 (吐き気止め) 約15分

ドキソルビシン注 (抗がん剤) 約30分

シクロフォスファミド注 (抗がん剤) 約90分

生理食塩水 (点滴管内の抗がん剤を洗い流す) 約5分

点滴にかかる時間は、点滴開始から約2時間30分です。

(点滴当日は血液検査を行い、検査結果を確認した上で開始します。)

3

プレドニゾロン錠 5mg 副腎皮質ホルモン剤

朝食後 錠 昼食後 錠 点滴1日目より 日間服用

※徍々に内服量を減らす方法・・・□あり または □なし

※内服量と日数は医師や看護師に確認してご記入ください

マグミット錠 330mg 緩下剤

朝昼夕食後 1~2 錠ずつ服用

お通じの硬さや出にくさに応じて調節してください

バクタ配合錠 ニューモシスチス肺炎の予防

□朝食後に 1 錠ずつ服用

□1 週間のうち 2 日間 曜日と 曜日のみ

朝食後に 2 錠と夕食後に 2 錠服用

□服用なし(治療の途中より服用開始になることがあります)

※指定の内服方法に印をつけてください

シプロフロキサシン錠 200mg 抗菌薬

38℃以上の発熱時に開始

1日3回毎食後 1 錠ずつで7日間飲みきる

(発熱後3日経っても熱が下がらない時や、食事ができないな

ど明らかに体調が悪い時は、病院へ連絡して下さい)

《CHOP療法の際に使用する 主な内服薬 》

※ ジェネリック医薬品など、上記の医薬品名や写真と異なる場合があります。

4

注射薬名 : シクロホスファミド注

シ ク ロ ホ ス フ ァ ミ ド は 、腫 瘍 細 胞 の DNA に く っ つ き 、そ の

細 胞 の 成 長 を 止 め た り 、 死 滅 さ せ る 作 用 を 持 つ 薬 で す 。

こ の 薬 は 、 体 の 中 で 分 解 さ れ 、 尿 に

含 ま れ て 排 泄 さ れ ま す 。

こ の 尿 の 中 の 分 解 物 が 膀 胱 内 に 長 時

間 た ま る と 、 膀 胱 に 炎 症 を 起 こ す こ と

が あ り ま す 。

薬 を 注 射 し て か ら 1 ~ 2 日 の 間 は 、

普 段 よ り 多 め に 水 分 を 取 り 、 排 尿 の 回

数 を 多 く す る と よ い で し ょ う 。

無 色 透 明

5

赤 色 透 明

注射薬名 : ドキソルビシン注

ド キ ソ ル ビ シ ン は 、腫 瘍 細 胞 の DNA の 間 に 入 り 込 み 、そ の

細 胞 の 成 長 を 止 め た り 、 死 滅 さ せ る 作 用 を 持 つ 薬 で す 。

薬 は 赤 色 を し て い ま す 。薬 を 注 射 し て か ら 1 ~ 2 日 の 間 、尿

や 汗 に 色( 赤 色・桃 色・橙 色 等 )が つ く こ と が あ り ま す が 心 配

い り ま せ ん 。 そ の 後 、 元 に 戻 り ま す 。

も し 点 滴 中 に 、点 滴 用 の 針 を 刺 し て い る 部 位 の 付 近 に 痛 み や

違 和 感 な ど を 伴 う よ う な こ と が あ り ま し た ら 、す ぐ に 対 処 が 必

要 な 場 合 も あ り ま す の で 、 た だ ち に 看 護 師 に ご 相 談 く だ さ い 。

既 往 に 心 臓 疾 患 が あ る 方 は 、

C H O P 療 法 開 始 前 に 担 当 医 師 へ

ご 相 談 く だ さ い 。

6

注射薬名 : ビンクリスチン 注

ビンクリスチンは、ニチニチソウという植物に含まれる成分から作り

出された抗がん剤で、細胞が分裂する際に必要な細胞構成成分のひ

とつである微小管びしょうかん

に作用します。そして、微小管を構成している

チュブリンという蛋白質の結合を阻害することにより、腫瘍細胞

の増殖を阻害したり、死滅させます。

CHOP 療法におけるビンクリスチン注は点滴ではなく、

短時間で静脈内注射します。

注 射 部 位 に 違 和 感 や 痛 み を 伴 う よ う な こ と

がありましたら、ただちに看 護 師 に ご 相 談 く だ

さ い 。

無 色 透 明

7

内服薬名 : プレドニゾロン錠

プレドニゾロンは、生体内で作り出される副腎皮質ホル

モン(ステロイド)を薬にしたものです。ステロイドにはさまざ

まな作用があることから、治療の場で広く使用されています。

ステロイドはリンパ球を傷害する効果が期待できることから、

リンパ系腫瘍の抗腫瘍薬として、他の抗がん剤と併用して使用さ

れます。

その他に、食欲増進作用や、吐き気止めとし

ての作用も期待されます。

医師の説明どおりに決められた期間しっかり

服用することが重要です。自己判断で中止しないようにしてくだ

さい。

食後になるべく多目の水または白湯で服用するようにしましょう。

服用した際に苦味を感じることがあります。オブラ

ートなど服用補助用品を使用することで苦味を軽減

できるかもしれません。服用に苦慮されている方は、

医師、看護師、薬剤師に ご 相 談 く だ さ い 。

8

【 副 作 用 と そ の 対 策 】

以 下 に ご 説 明 す る CHOP 療 法 後 の 副 作 用

は 、 全 て の 方 に 起 こ る わ け で は あ り ま せ ん 。

そ の 程 度 に は 個 人 差 が あ り ま す 。

< 予 測 さ れ る 主 な 副 作 用 >

自 覚 症 状 が あ る も の

食 欲 丌 振 、 吐 き 気 ・ 嘔 吐 、 便 秘 、 倦 怠 感 、

手 足 の し び れ 、 の ど の 痛 み 、 発 熱 、 脱 毛 な ど

自 覚 症 状 が な い も の

骨 髄 抑 制 ( 白 血 球 減 尐 ・ 赤 血 球 減 尐 ・ 血 小 板 減 尐 な ど )、

肝 機 能 低 下 、 腎 機 能 低 下 な ど

< 副 作 用 の 発 現 時 期 >

吐き気 ・ 嘔吐 ・

食欲丌振

倦怠感

便秘

CHOP療法点滴 1 週間 2 週間 3 週間

脱毛

口内炎

手足のしびれ 回数を重ねるごとに症状がなおりにくくなる

ことがあります

骨髄抑制

9

骨 髄 抑 制 : 抗 が ん 剤 を 使 用 す る と 血 液 を 作 る 骨 髄 も 影 響

を 受 け 、白 血 球・赤 血 球・血 小 板 と い っ た 血 液 成 分 が 尐 な く な

っ て し ま い ま す 。 CHOP 療 法 の 場 合 は 特 に 、 白 血 球 減 尐 が 最

も 強 く 出 ま す 。

白血球の減尐 ~感染症にかかりやすくなります~

白 血 球 は 、病 原 体 か ら 身 体 を 守 る( 感 染 を 防 ぐ )働 き を 持 っ

た 血 液 成 分 の 1 つ で す 。一 般 的 に 、注 射 し て か ら 1 ~ 2 週 間 目

に 白 血 球 の 数 が 尐 な く な り 、 次 の 治 療 が 始 ま る 3 週 後 ま で に

回 復 し ま す 。白 血 球 が 減 尐 す る と 細 菌 に 対 す る 防 御 能 が 低 下 し 、

発 熱 や 感 染 を 起 こ す 場 合 が あ り ま す 。白 血 球 が 減 っ て い る 時 期

に は 予 防 策 が 大 切 で す 。

ま た 扁 桃 炎 ・ 虫 歯 ・ 歯 槽 膿 漏 ・ 膀 胱 炎 ・ 痔 な ど が あ る 方 は 、

C H O P 療 法 開 始 前 に 担 当 医 師 へ ご 相 談

く だ さ い 。

対 策 :

・ 自 分 の 血 液 検 査 結 果 に 関 心 を 持 ち ま し ょ う 。

・ 外 出 後 や 食 事 の 前 、ト イ レ 後 に 石 鹸 を 使 用 し た 手 洗 い 、外

出 後 や 食 事 の 前 の う が い を 習 慣 化 し ま し ょ う 。

10

CHOP 療 法 で は 、 多 く の 方 で 白 血 球 数 が

1,000/μL 以 下 、白 血 球 の 成 分 で あ る 好 中 球 数

が 500/μL 以 下 に な り ま す 。

こ の 状 態 で は 、 感 染 症 が 発 現 し や す く な り ま す 。

も し 38℃ 以 上 の 熱 が で た 場 合 は 、

処 方 さ れ た 抗 菌 薬 ( シ プ ロ フ ロ キ サ シ ン ) を 服 用 し ま し ょ う 。

3 日 間 服 用 し て も 熱 が 下 が ら な い 時 や 下 痢 な ど そ の 他 の 症 状

が 重 な り 、 つ ら い 時 は 病 院 へ 連 絡 し て く だ さ い 。

赤血球減尐 ~貧血症状につながります~

め ま い・立 ち く ら み 、冷 え 、だ る さ 、息 切 れ 、動 悸 な ど の 症

状 が あ り ま す 。

血 小 板 減 尐 ~ 出 血 し や す く な り ま す ~

血 小 板 は 、血 液 を 固 ま り や す く す る 働 き が あ り ま す 。血 小 板

の 数 が 尐 な く な る と 、 出 血 し や す く な り ま す 。

赤 血 球 や 血 小 板 の 輸 血 を 必 要 と す る よ う な 顕 著 な 減 尐 は ま れ

で す が 、貧 血 症 状 が 改 善 し な い 場 合 や 出 血 傾 向 が 続 く 場 合 に は 、

早 め に 担 当 医 師 に ご 連 絡 く だ さ い 。

11

吐 き 気 ・ 嘔 吐 : C H O P 療 法 で は 、 吐 き 気 や 嘔 吐 、 食

欲 丌 振 な ど の 症 状 が 見 ら れ る こ と が あ り ま す 。抗 が ん 剤 を 注 射

し た 当 日 に 現 れ る 急 性 の も の と 、注 射 終 了 後 2 ~ 7 日 目 に 現 れ

る 遅 延 性 の も の と が あ り ま す 。

も し 症 状 が 現 れ た 場 合 は 以 下 の 対 策 を 参 考 に し て く だ さ い 。

対 策 :

・ 食 べ た い も の 、 食 べ ら れ る も の を 尐 量 ず つ

食 べ ま し ょ う 。

・脂 っ こ い も の や に お い が 強 い も の は 避 け 、喉 ご し の よ い も の

や さ っ ぱ り し た も の を 食 べ ま し ょ う 。

・ 窓 を あ け て 新 鮮 な 空 気 を 入 れ ま し ょ う 。

プ レ ド ニ ゾ ロ ン 錠 を き ち ん と 服 用 す る た め に も 、

吐 き 気 の コ ン ト ロ ー ル を 行 う こ と が 大 切 で す 。

吐 き 気 の コ ン ト ロ ー ル が う ま く い か な い 場 合 は 、

遠 慮 な く 担 当 医 師 、 看 護 師 、 薬 剤 師 に ご 相 談 く だ さ い 。

吐き気止めの薬を工夫することで、症状の改善が期待できます。

食 事 が 摂 れ な い と き で も 、な る べ く 水 分 は 摂 る よ う に 心 が け て

く だ さ い 。

12

し び れ ( 末 梢 神 経 障 害 ) : C H O P 療 法 に よ っ て 、

手 足 に し び れ の 症 状 が 出 現 す る こ と が あ り ま す 。症 状 の 出 始 め

る 時 期 に は 個 人 差 が あ り ま す が 、サ イ ク ル を 重 ね る 毎 に 強 く な

る こ と が あ り ま す 。

し び れ が ひ ど い 場 合 に は 、「 ボ タ ン を か け に く い 」「 し び れ て

歩 き に く い 」な ど 生 活 に 影 響 が 出 る 可 能 性 が あ り ま す 。こ の 症

状 は 、手 袋 と 靴 下 の 着 用 範 囲 に 起 こ り や す い と い わ れ て い ま す 。

軽 度 の 症 状 の 場 合 、C H O P 療 法 が 終 了 し て か ら 数 ヶ 月 以 内 に

回 復 す る こ と が 多 い で す が 、症 状 が 強 い 時 に は 回 復 ま で に 1 年

以 上 か か る こ と が あ り ま す 。回 復 ま で の 時 間 を 短 く す る た め に

も 、重 症 化 す る 前 に 対 処 す る こ と が 重 要 で す 。

対 策 :

症 状 を 軽 減 さ せ る 確 実 な 方 法 は 、 い ま の と こ ろ あ り ま せ ん 。

し び れ が 強 い 時 は 、ビ ン ク リ ス チ ン の 量 を 減 ら し た り 、中 止 し

た り す る な ど の 対 策 を と る こ と が あ り ま す 。

し び れ の 症 状 は が ま ん し な い で 、し び れ の

強 さ 範 囲 、 日 常 生 活 で 困 る こ と を 担 当 医 師

に お 伝 え く だ さ い 。

13

便 秘 : CHOP 療 法 に よ っ て 、便 秘 が 出 現 す る こ と が あ り

ま す 。ビ ン ク リ ス チ ン が 末 梢 神 経 や 自 律 神 経 の 働 き を 障 害 す る

こ と で 腸 管 の 運 動 が 妨 げ ら れ た 結 果 、便 秘 に な る

と 考 え ら れ て い ま す 。

対 策 :

・水 分 を 十 分 に と り 、繊 維 の 多 い 食 べ 物 を と る と よ い で し ょ う 。

・ひ ど く な る 前 に 便 を や わ ら か く す る 薬( 緩 下 剤 )や 出 し や す

く す る 薬 で 調 節 し ま し ょ う 。

排 便 の コ ン ト ロ ー ル が う ま く い か な い 場 合 、下 剤

を 調 節 し ま す 。

担 当 医 師 、 看 護 師 、 薬 剤 師 に ご 相 談 く だ さ い 。

* 排 便 が な く 、激 し い 腹 痛 や 吐 き 気・嘔 吐 を 伴 う 場 合 、腸 閉 塞

( イ レ ウ ス ) の 可 能 性 が あ り ま す 。

も し 腸 閉 塞 の よ う な 症 状 が 現 れ た 場 合 は 、 す ぐ に 病 院 へ ご 連

絡 く だ さ い 。

14

口 内 炎 : CHOP 療 法 を 行 っ て か ら 1 週 間

前 後 に 現 れ る こ と が あ り ま す 。

対 策 :

・予防のため、口の中を清潔にし、うるおいを保っておきましょう。

・歯ブラシはやわらかいものを使い、しっかりと歯と

歯ぐきをブラッシングしましょう。

・ 刺 激 の 強 い 食 べ 物 や 熱 す ぎ る 食 べ 物 は 避 け ま

し ょ う 。

痛 み が 続 き 、食 事 や 水 分 が 取 れ な い 場 合 に は 、担 当 医 師 に ご 相

談 く だ さ い 。

倦怠感 : CHOP 療 法 に よ っ て 体 が 重 く 感 じ

た り 、 だ る さ を 感 じ た り す る こ と が あ り ま す 。

次 回 の 点 滴 ま で に 症 状 は 改 善 し て い る こ と が ほ と ん ど で す 。

プ レ ド ニ ゾ ロ ン 錠 内 服 終 了 の 翌 日 に 強 い 倦 怠 感 や 脱 力 感 な

ど が 出 現 す る こ と が あ り ま す 。

も し こ の 症 状 が 現 れ た 場 合 は 、次 回 診 察 時 に 担 当 医 師 に ご 相 談

く だ さ い 。

15

脱 毛 : CHOP 療 法 を 行 っ て か ら

2 ~ 3 週 間 過 ぎ た 頃 よ り 、 髪 の 毛 が 抜 け て

き ま す 。 し か し 、 こ の 脱 毛 は 一 時 的 な も の

で 、 全 て の 治 療 が 終 了 し て か ら 2 ~ 3 ヶ 月

で 回 復 し 始 め ま す 。

対 策 :

・髪 の 毛 が 回 復 し て く る ま で の 間 、か つ ら や ス カ ー フ な ど を 用

意 す る と 良 い で し ょ う 。

・ シ ョ ー ト ヘ ア ー に す る な ど 清 潔 を 保 つ よ う に し ま し ょ う 。

・ シ ャ ン プ ー は 刺 激 の 軽 い も の を 使 用 し ま し ょ う 。

・ 外 出 の 際 は 直 射 日 光 を 避 け る た め 帽 子 を

か ぶ る と よ い で し ょ う 。

・ コ ス メ に 関 す る 相 談 は 、 看 護 師 に お 尋 ね く

だ さ い 。

16

ス テ ロ イ ド に よ る 副 作 用 : 下 記 の 症 状 が 現 れ た

場 合 は 担 当 医 師 に ご 相 談 く だ さ い 。

・ 感 染 症 ( 免 疫 抑 制 作 用 に 伴 う も の )

・ 寝 つ き が 悪 い

・ 気 分 が 高 ま っ た り 沈 ん だ り す る 、 い ら い ら す る

・ 食 欲 亢 進 ( 強 い 空 腹 感 )

・ 顔 の ほ て り 、 ム ー ン フ ェ イ ス ( 満 月 様 顔 貌 )、 む く み

・ プ レ ド ニ ゾ ロ ン 錠 内 服 終 了 後 の だ る さ

・ 胃 や み ぞ お ち の も た れ や 痛 み 、 黒 く 粘 っ た 便

・ 肩 こ り 、 頭 重 感 ( 高 血 圧 に 伴 う 症 状 )

・ の ど の 渇 き 、 多 尿 ( 高 血 糖 に 伴 う 症 状 ) ,

・ 骨 が も ろ く な る

対 策 :

・ 胃 腸 に 現 れ る 副 作 用 の 予 防 と し て 胃 薬 を 服 用 し て い た だ く

こ と が あ り ま す 。

・ 丌 眠 に 対 し て 、 睡 眠 導 入 剤 を 適 宜 服 用 す る こ と を お す す め

し ま す 。

安 全 に 服 用 し て い た だ く た め に も 高 血 圧 、 糖 尿 病 、 白 内 障 、

緑 内 障 、骨 粗 し ょ う 症 、B 型・C 型 肝 炎 、関 節 リ ウ マ チ な ど 既

往 歴 の あ る 方 は 、 必 ず 担 当 医 師 に お 伝 え く だ さ い 。

17

そ の 他 注 意 す べ き 副 作 用 :

心 毒 性

ド キ ソ ル ビ シ ン は 心 臓 に 影 響 を 及 ぼ す 副 作 用 が あ り ま す 。主 な 症

状 と し て 息 切 れ 、動 い た と き の 息 苦 し さ 、胸 痛 、足 の む く み 、頻 脈

( 脈 が 速 く な る ) な ど が あ り ま す 。

間 質 性 肺 炎

頻 度 は ご く ま れ で す が 、シ ク ロ ス フ ァ ミ ド が 原 因 と な り 間 質 性 肺

炎 を 引 き 起 こ す こ と が 報 告 さ れ て い ま す 。 主 な 症 状 と し て 、 痰 を 伴

わ な い 咳 や 呼 吸 困 難 、 息 切 れ 、 発 熱 な ど が あ り ま す 。

感 染 症

治 療 期 間 中 、白 血 球 の 一 部 で あ る 好 中 球 だ け で な く リ ン パ 球 が 減

尐 す る こ と に よ り 、 細 菌 だ け で な く ウ イ ル ス や 真 菌 ( カ ビ の 仲 間 )

に よ る 感 染 症 を 引 き 起 こ す こ と が あ り ま す 。

これらの症状は、必ず起こるものではありませんが、起こると重症になっ

てしまう恐れがあります。気になる症状があれば、すぐにお知らせくださ

い。詳細は、担当医師にお尋ねください。

18

病 院 の 連 絡 先 電 話 03-3542-2511( 2 4 時 間 対 応 可 能 )

ご 連 絡 の 際 は 、 診 察 券 を お 手 元 に 準 備 し て お 電 話 く だ さ い 。

★ M E M O ★

そ の 他 、 気 に な る 症 状 が あ り ま し た ら 、

医 師 ・ 看 護 師 ・ 薬 剤 師 に

お 気 軽 に ご 相 談 下 さ い 。

19

監修 国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科

編集 薬剤部

編集協力 血液腫瘍科

看護部

撮影協力 フォトセンター

使用イラストは MPC 刊 「薬と予防イラスト集」

「医療と健康イラスト集」より転記