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仮想デスクトップ環境 プロトコル性能比較 日本仮想化技術株式会社 VirtualTech.jp

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仮想デスクトップ環境 プロトコル性能比較

日本仮想化技術株式会社 VirtualTech.jp

アジェンダ

•  RDP 7.0およびCitrix ICAの概要 •  RDP 7.0およびCitrix ICAの性能比較

–  IE8による性能比較 – Wordによる性能比較 – PowerPointによる性能比較 – WMV再生による性能比較 – Flashコンテンツによる性能比較

2

RDP 7.0 とは

•  MicrosoftのVDI環境で利用されているプロトコル

•  Windows Server 2008 R2およびWindows 7 で標準サポート

3

OS RDPプロトコル Windows Server 2008 R2 / Windows 7 RDP 7.0 Windows Server 2008 / Windows Vista RDP 6.0 Windows XP / Windows Server 2003 RDP 5.2

RDP 7.0 構成図

4

Active X

仮想デスクトップ

クライアント(Windows 7)

RD Web アクセス

RD セッション ホスト

Windows Server 2008 R2

RD 接続ブローカ

Active Directory

Windows Server 2008 R2

②ユーザーの個人用仮想デスクトップの情報を取得

操作 RD仮想化ホスト

Hyper-V 2.0

Internet Explorer

OS

APP RDP

④クライアントが利用する VDI環境にRDP接続

① Webポータルにアクセス

利用するVDI環境が存在する、Hyper-Vホスト上の「RD仮想化ホスト」に接続

仮想デスクトップが利用可能になる

MS VDIでの接続の流れ 1.  IEでWebポータル(RD Webアクセス)に接続 2.  ADでユーザーに割り当てられている個人用仮想デスクトップの情報を取得

3.  利用するVDI環境が存在するHyper-Vホスト上の「RD仮想化ホスト」に接続 – 仮想デスクトップの割り当てや、個人用仮想デスクトップの起動などを行う

4.  クライアントが利用するVDI環境にRDP接続 5.  仮想デスクトップが利用可能になる

5

Citrix ICAとは

•  CitrixのVDI環境で利用されているプロトコル

•  Windows 7 / Vista / XP など様々なOSに 対応

•  帯域使用量が少ないため、モバイル環境でも実用的

6

Citrix ICA 構成図

7

仮想デスクトップ

クライアント(Windows 7)

操作

Internet Explorer Active Directory

Windows Server 2003 R2

⑤ 個人設定(プロファイル) を適用

Provisioning Service

Windows Server 2003 R2

③ OS イメージを配信 Desktop Delivery

Controller Windows Server

2003 R2

① 認証 ICAで接続 ④

② VMを起動

XenServer 5.5

OS

APP ICA

仮想デスクトップが利用可能になる

ベンチマーク

テスト内容

1)  IE8上でのHTMLテキストの先頭から末尾までのスクロール 2)  Word テキストの先頭から末尾までのスクロール 3)  PowerPoint スライドの自動実行 4)  仮想デスクトップ上にダウンロードしたHD画質の動画の再生 5)  Webサーバー上のFlash動画の再生

双方で以下の項目を測定して、比較結果をグラフにまとめた。

a)  仮想デスクトップ環境からクライアント端末へ送信された帯域使用量(全項目)

b)  テキストファイル先頭から末尾までスクロールに要した時間(項目1,2)

c)  スライドショーが終了するまでの時間(項目3)

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Internet Explorer 8 での ブラウザスクロール ベンチマーク

IE8 スクロールベンチマーク

•  Internet Explorer 8上でのHTMLテキストの先頭から末尾までのスクロール所要時間と帯域使用量を測定

•  テストは3回実施し、平均値を取った

11

スムーズスクロールに注意!

•  IE8はデフォルトでSSが有効

•  RDPはIEの設定を無視 •  ICAはSSを実行するため遅い

•  「スムーズスクロール」はオフを推奨

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IE8 スクロール所要時間

13

ICA RDP 7.0 オン(デフォルト) 244秒 42秒 オフ 44秒 42秒

SS-オフ設定にすると1/6に

244

42 44 42

0

50

100

150

200

250

300

ICA RDP 7.0

所要時間(

秒)

SS-オン SS-オフ

Better

IE8 スクロール 平均帯域使用量

8.2

77

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

ICA RDP 7.0

(KB

/sec

)

IE8 スクロールテスト 平均帯域使用量

約9倍の差

14 ※スムーズスクロールをオフにした場合の比較

Better

IE8 ベンチマーク まとめ

•  VDI環境では、スムーズスクロールをオフにすべし!

•  スクロール所要時間は変わらない •  帯域使用量 : ICAはRDPの9分の1

15

Word 文書スクロール ベンチマーク

Word 文書ベンチマーク

•  Word文書を開き、先頭から末尾までのスクロール所要時間と帯域使用量を測定

•  テストは3回実施し、平均値を取った

17

Word スクロール所要時間

18

実機 ICA RDP 7.0 所要時間(秒) 57.4 62.5 (+5.1) 75.7 (+18.3) 実機比(%) 100 108.8 (+8.8) 131.8 (+31.8)

100.0% 108.8%

131.8%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

120.0%

140.0%

実機 ICA RDP 7.0

比率

Better

Word 文書スクロール 平均帯域使用量

49.2

119.1

0

20

40

60

80

100

120

140

ICA RDP 7.0

(KB

/sec

)

Word 文書スクロール時の平均帯域使用量

19 ファイルを開き、末尾までスクロールさせた時の帯域使用量の平均値

Better 約2倍の差

Word ベンチマーク まとめ

•  ICAは実機よりも8.8%時間が多くかかった •  RDPは実機よりも31.8%時間が多くかかった

•  ICAの帯域使用量はRDPの約2分の1

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PowerPoint スライドショー再生 ベンチマーク

PowerPoint ベンチマークテスト

•  PowerPointスライドの自動再生の所要時間と帯域使用量を測定

•  テストは3回実施し、平均値を取った

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PowerPointスライド再生 所要時間

100.0% 106.3% 115.7%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

120.0%

140.0%

実機 ICA RDP 7.0

比率

23

実機 ICA RDP 経過時間(秒) 63.3 67.3 (+4.0) 73.3 (+10.0) 実機比(%) 100 106.3 (+6.3) 115.7 (+15.7)

PowerPointスライド再生 平均帯域使用量

72.2

1478

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

ICA RDP 7.0

(KB

/sec

)

24

Better 約20倍の差

PowerPoint ベンチマーク まとめ

•  ICAは実機よりも6.3%時間が多くかかった •  RDPは実機よりも15.7%時間が多くかかった

•  ICAの帯域使用量はRDPの約20分の1

•  テキストデータの表示速度に差はない •  自然画の描画は圧倒的にICAが速い

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ここまでのまとめ

仮想デスクトップ環境のビジネス利用を想定 •  ICAは帯域使用量が少ない

– 多数クライアント接続時に有利 – 帯域に制限のある環境でも実用的

•  実行時間による性能比は実機と同程度 – VDI導入前とほぼ同一の操作性が期待できる – ただし、RDP+Wordのスクロールや、RDP

7.0+PowerPoint(写真などを含む)の場合には、性能が劣化する傾向がある

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Windows Media Video コンテンツ再生 ベンチマーク

WMV ベンチマークテスト

•  仮想デスクトップ上にダウンロードしたHD画質の動画再生を行い、帯域使用量を測定

•  クライアントレンダリングとサーバーレンダリングの両方で測定

•  テストは3回実施し、平均値を取った

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クライアントレンダリング 平均帯域使用量

102 113.3

0

20

40

60

80

100

120

140

ICA-クライアント RDP 7.0-クライアント

(KB

/sec

)

WMVファイル再生 平均帯域使用量

Be#er

29

サーバーレンダリング 平均帯域使用量

541.2

2619.1

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

ICA-サーバー RDP 7.0-サーバー

(KB

/sec

)

WMVファイル再生 平均帯域使用量

Be#er

約5倍の差

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WMP ベンチマーク まとめ •  クライアントレンダリング機能を利用すると、帯域使用量が大きく押さえられる – RDP 7.0とICAの帯域使用量に大きな差は無い

•  クライアントレンダリング機能が利用できない場合、ICAの帯域使用量はRDP 7.0の約5分の1 – クライアントレンダリング機能が利用できるのはDRMが無効なWMV形式のみ

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Flash動画再生 ベンチマーク

Flashベンチマーク

•  Webサーバー上のFlashコンテンツ(動画)の再生を行い、帯域使用量を測定 – WMV再生で使用したHD動画をFLV形式に変換し、Webサーバー上に配置

–  IE8でFlashコンテンツを再生

•  テストは3回実施し、平均値を取った

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Flashのアクセラレーション

•  RDP 7.0はFlashコンテンツのクライアントレンダリング機能に未対応 – 常にサーバーレンダリング

•  ICAは「HDX MediaStream for Flash」により、仮想デスクトップクライアント側でFlashコンテンツを再生できる – 仮想デスクトップクライアント側にFlash Playerのインストールが必要

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Flashコンテンツ再生 帯域使用量

35 ※ICAはHDX有効時

Flashコンテンツの読み込みは1回だけ

Flashコンテンツ再生 平均帯域使用量

45.5

590.8

2054.1

0

500

1000

1500

2000

2500

ICA ACオン ICA ACオフ RDP 7.0

(KB

/sec

) Be#er

36 ※ACオン:HDX有効時

約45倍 約4倍

Flashベンチマーク まとめ

•  HDXによるFlashのクライアントレンダリング機能を利用すると、帯域使用量が大きく押さえられる – HDXはFlashコンテンツをキャッシュするため、同じFlashコンテンツを繰り返し再生する場合、帯域を使用しない

•  クライアントレンダリング機能が利用できない場合、ICAの帯域使用量はRDP 7.0の約3分の1

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まとめ

•  RDP 7.0と比較して、ICAは帯域使用量が少なかった

•  クライアントレンダリング機能を利用することで帯域使用量を大きく押さえられる

•  自然画や動画の表示で、RDP 7.0は表示の遅延が見られた

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結果比較表

ICA RDP 7.0

IE8 スクロール ◎ ○

Wordスクロール ○ △

PowerPointスライド再生 ○ △

WMV HD動画再生 ◎ ◎

Flash 動画再生 ◎ △

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◎:実機と変わらない使用感、帯域使用量が少ない ○:実機と変わらない使用感、帯域使用量が多い △:実機と比べて使用感が劣る