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『実例でわかる 英語テスト作成ガイド』 A Practical Guide for Developing English Tests 補足資料 説明や評価例などは、本をご覧ください。このファイルには、テスト作成する際にテンプ レートとして役立ちそうなものを中心に載せます。 2.1.2 テストの作り方 p. 45, 1 テストの作成手順 (1) テスト細目(細目表)を作る 細目の中身:①テストの目的,②テストで測りたい能力(構成概念),③対象者, ④テスト範囲,⑤テストの構成,④テスト形式,⑤実例,⑥実施方法や採点方法等 (2) テスト細目に沿って,出題部分を決め,テストを作る (3) 解いてみて改良する

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『実例でわかる 英語テスト作成ガイド』

A Practical Guide for Developing English Tests 補足資料

説明や評価例などは、本をご覧ください。このファイルには、テスト作成する際にテンプ

レートとして役立ちそうなものを中心に載せます。

2.1.2 テストの作り方

p. 45, 表1 テストの作成手順

(1) テスト細目(細目表)を作る

細目の中身:①テストの目的,②テストで測りたい能力(構成概念),③対象者,

④テスト範囲,⑤テストの構成,④テスト形式,⑤実例,⑥実施方法や採点方法等

(2) テスト細目に沿って,出題部分を決め,テストを作る

(3) 解いてみて改良する

pp. 46–47, 表2 テスト細目の例

◆全体

☆テスト使用目的:成績評価に使う。生徒の学習を促進する

☆測りたい能力:テスト範囲までの到達度

☆対象者:中2(1学期中間テスト) ☆テスト範囲:教科書1~20ページ

☆構成と形式:大問1~5は筆記(45分)。記述式と多肢選択式(二~三択)。大問6は実技

で筆記とは別に実施(一人5分)

大問 測りたい能力 小問 問×点 = 配点 大問配点

1 聞く能力 1.1 概要理解

1.2 詳細理解

5×2 = 10

5×2 = 10

20

2 語彙知識 文脈に適した語を選ぶ 10×1 = 10 10

3 文法知識 正しい語形を選ぶ 10×1 = 10 10

4 読む能力 4.1 概要理解

4.2 詳細理解

5×2 = 10

5×2 = 10

20

5 書く能力 5.1 制限産出型

5.2 自由産出型

5×2 = 10

10×1 = 10

20

6 話す能力 6.1 制限産出型

6.2 自由産出型

10×1 = 10

10×1 = 10

20

注:テスト細目の作成に時間が取れない場合は,ここまでだけでも作成しておけば,全体

像が把握しやすい。

大問 測りたい能力

1 聞く能力:遅めではっきりと話した短い会話を聞いて,概要と詳細を理解できる

2 言語(語彙)についての知識・理解:教科書の重要語句の意味が分かる

3 言語(文法)についての知識・理解:文法規則に沿った正しい語形が分かる

4 読む能力:教科書に関連した簡単な英文を読み,概要と詳細を理解できる

5 書く能力:教科書に関連した日常的な話題について,簡単な英語で書くことがで

きる

6 話す能力:教科書に関連した日常的な話題について,簡単な英語で話すことがで

きる

注:測りたい能力は授業目標やCAN-DOリストなどを使って,具体的なものを挙げるとよ

い。

◆大問1:リスニング問題

小問1.1 短い文章5種類×各1問×各2点 = 10点 概要理解5問; 選択式

小問1.2 長い文章2種類×各2~3問×各2点 = 10点 詳細理解5問; 空所補充

☆背景・実施方法:使用場面と重要表現は教科書と同じ。詳細を変える。英文は2回流す。

メモ可

☆準備物:CDプレーヤーとCD,録音機器

☆記述式採点:部分点なし。英語の小さなスペルミスでは減点しない

☆小問1.2 詳細理解の設問例:あなたは研修中の店員です。他の店員と客とのやり取りを

聞き,詳細なメモを取るように言われました。空欄に合う日本語を書きなさい。英文は2

回読まれます。聞きながらメモを取ってかまいません。

[スクリプト] 客: I’m looking for a coat.

店員: How about this blue one? It’s quite popular.

客: May I try it on? … This is too big for me.

店員: Sorry, but we don’t have a smaller one. What about that green coat?

客: Well, that one looks nice but expensive. Thanks anyway.

メモ:客の欲しいもの:(1. ) 【解答:コート】

最初勧められたものを買わなかった理由:(2. )【解答:大きい(大きすぎる)】

最終的に買ったか: (3. )【解答:買わなかった】

◆大問5:ライティング問題

小問5.1 制限産出型 形式:指定された教科書の表現を使って,文を書く

小問5.2 自由産出型 形式:テスト前に2問を予告。その中から1問を,一部変

更して出題

☆自由産出型例:あなたは,英語のインタビューで “Tell me about your future plan.” と,自

分の将来の夢について聞かれたときの答えを準備しています。4文以上の英文で書きなさ

い。ヒントの語は使わなくてもかまいません。[ヒント:talk want because]

【解答例】:I want to be a doctor because I want to help other people. When I was an

elementary school student, I had a bad cold and had to stay in the hospital. I will never forget the

doctor who treated me. I would like to be just like her.

☆ルーブリック(これの簡易版を,問題用紙上で生徒に提示。上の解答例は満点の例)

◇評価規準1:タスク達成度

8点:(a) 自分の夢について伝えられている。(b) 理解でき

る文を4文以上書いた(複文・重文は別に数える)

6点:(a) を満たし,(b) を3文を書いた

4点:(a) を満たし,(b) を2文を書いた

2点:(a) を満たし,(b) を1文を書いた

0点:トピックに合っていない。(b) を書いていない

◇評価規準2:文法・語彙

2点:誤りがない。あって

も,限定的

1点:誤りが頻繁にある

0点:誤りが多くて理解で

きない

<その他の大問は省略>

2.1.3 観点別評価・CAN-DOリストとの関係

pp. 53–54

① CAN-DOリスト(第 1 学年 コミュニケーション英語I)

話すこと

・聞いたり読んだりしたこと,学んだことや体験したことに基づき,情報や考えなどにつ

いて,話し合ったり意見の交換をしたりすることができる。

②シラバスへの反映

単元 題材内容 単元の目標 単元の評価規準

Lesson ○ 海外に渡って成功を

収めた日本人が,どの

ようにして自分の夢

を見つけ,それを実現

していったかについ

て,インタビューを通

して紹介する内容。

外国語表現の能力

・人物についての説明を読

んで,その内容を口頭で要

約する。

・読んだことに基づき,自

分の将来の夢について話

す。

・人物についての説明を読

んで,その内容を口頭で要

約することが出来る。

・読んだことに基づき,自

分の将来について話すこ

とが出来る。

③授業への反映(単元計画)

単元 Lesson ○:(タイトル)

配当時間 8時間

単元の目

1. ○○

2. 人物についての説明を読んで,その内容を口頭で要約する。

3. 読んだことに基づき,自分の将来の夢について話す。

単元の評

価規準

関心・意欲・態度 ① ○○

表現の能力 ②人物についての説明を読んで,その内容を口頭で要約す

ることができる。

③読んだことに基づき,自分の将来の夢について話す。

時間 ねらい 学習活動

1~5 ○○ ○○

6 学習した語彙や文

法事項等を活用し

て,本文を自分の

言葉で要約したり

自分の将来の夢に

ついて話したりす

る。

1. ○○

2. ペアになり,メモに基づいて各セクションの内容を口

頭で要約する。

3. 本単元で学習したことなどを参考にしながら,自分の

将来の夢,その理由及びそれを実現するために必要なこと

について考え,それらを伝えるためのポイントを簡単にメ

モする。

4. ペアになり,メモに基づいて,自分の将来の夢につい

て伝え合う。

評価への反映(スピーキングテスト)

テスト形式 インタビューテスト(2分):教員が個々の生徒へ質問をする。

実施時期 Lesson ○の授業の 7,8時間目に実施。

内容 1. 指定された 3つのキーワードを用いて,本文全体の内容を口頭で要約す

る。

2. 自分の将来の夢について話す。

評価規準 1. 指定された 3つのキーワードを用いて,本文全体の内容を口頭で要約する

ことができる。

2. 自分の将来の夢について話すことができる。

判定基準 それぞれの評価規準について 3段階で評価する。

A: 十分満足できる。

B: おおむね満足できる。

C: 努力を要する。

(文部科学省初等中等教育局,2013, pp. 20–21を基に作成)

2.2.2 スピーキング

p. 64, 図 1:発音の面での EBB尺度例 (Hirai & Koizumi, 2013)

2.2.3 ライティング

p. 69

表 1. ルーブリックの例 (トピック:Morning Activities)

評価 技能(タスクに答えられたか) 知識(言語的正確さなど)

A 朝の活動について,与えられた情報をもとに,十分に詳しく説明することができる。

Signal wordsを用い構成を意識している。

時制を意識し正しく書くことができる。

文法的な誤りはほとんどない。

B 朝の活動について説明しているが,一部(2つまで)伝わらない部分がある。

Signal wordsを用い構成を意識している。時制を意識し,概ね正しく書くことができる。文法的な誤りが見られるが理解に支障はない。

C 朝の活動について説明しているが,伝わらない事柄が多い(3つ以上)。

Signal wordsと時制のどちらかを正しく用いることができる。文法的な誤りが目立ち,読む側に解釈の努力が要求される。

D 内容について,大半が伝わらない,課題に対して全く答えていない,空欄など

Signal words,時制のいずれも正しく用いることができない。文法的な誤りが非常に多く,解釈が難しい。

※知識についての条件は,記述すべてを満たしたもののみが該当する(例:Aに書かれた 3

点全てを満たして A になる)。

2.2.5 リーディング

p. 74

[授業で扱った英文]

(段落 1) People may think that in order to improve their English language skills they

need to go to English-speaking countries such as the United Kingdom, the United

States, Canada, Australia, and New Zealand. However, there are also other

English-speaking countries that are close to Japan. These are countries such as

Singapore and India, which are all in Asia. Both countries have had historical ties with

the UK, and the use of English there is widespread.

(段落 2) Although English is commonly used in these Asian countries, the manner in

which it is used there is somewhat different. …

テストの指示:各段落の内容に最も近い英文を以下から選びなさい。

(a) English is widely spoken in many countries. 【解答:段落 1】

(以降省略)

[テストの指示]本文を読み,以下の要約について,前後の文脈を参考にしな

がら,空所に当てはまる語を 1語補充しなさい。

English is widely spoken in many countries. Whenever we think about it, countries such

as the US and the UK often come to mind. However, we should also remember that

there are other countries in ([1] ) where English is used. Even so, there are some

([2] ) in the way in which English is used in those countries.

【解答:[1] Asia; [2] differences】

[設問例]次の英文を読んで以下の問いに答えなさい。

English is one of the most ( 1 ) used languages in the world. It is used not only in

English speaking countries but also in others. The language is taught at school, and

many universities offer courses in English. ( 2 ), it is a common language in nearly

every area of science and technology. People in such fields are required to communicate

in English. If you want to be an ( 3 ), …

問 1:(1)~(4)に入る適語を,記号で答えなさい。

(1) ア. widely イ. beautifully ウ. luckily エ. correctly

【解答:ア】((2)~(4)は略)

問 2:(a)~(c)の問いに対して,英文から語句を抜き出し,5語以上の英語で答え

なさい。

(a) In what field are people required to use English?

【解答:In nearly every area [field] of science and technology.】 ((b)と(c)は略)

2.2.6 技能統合型テスト

p. 82, 表 1 技能統合型スピーキングテストの指示文の例

あなたは友人と最近読んだ新聞記事について話しています。以下の新聞記事を

読み,内容を 1 分間で友人に英語で伝えてください。読む時間と準備時間は全

部で 5分です。評価のポイントは次の 2点です。

発音はわかりやすいか

5W1Hの情報を正確に伝えているか

話す時には記事を見ても良いですが,記事の英文をそのまま読み上げないよう

にしてください。自分の言葉に直して友人にわかりやすく伝えるようにしまし

ょう。

2.2.6.2 技能統合型ライティングテスト

p. 85, 表 2. 技能統合型ライティングテストにおけるルーブリックの例(6点満点)

語数 基準 配点

50語以上

【内容の適切さ】①相手の考えをまとめ,②それに対し適切に反論を述

べている(2 点),①または②ができている(1点) 2

【具体例などの提示】具体例や付加的説明があり,わかりやすい(2点)

具体例や付加的説明があるが,あまり助けになっていない(1点) 2

【言語に関する知識・理解】適切な表現を使用できた:例:This passage

suggests that ..., but ...(2点),適切な表現を使用しようとしているが,major

errorがある(1点)

2

25~49語

【内容の適切さ】相手の考えをまとめ,それに対し適切に反論を述べて

いる(1 点) 1

【具体例などの提示】具体例や付加的説明があり,わかりやすい(1点) 1

【言語に関する知識・理解】適切な表現を使用できた(1点) 1

0~24語 条件を満たさないため,採点対象外とする。 0

注)major error とは,文法・語法や文構造などの誤りにより内容理解を妨げるものを指す。

冠詞や綴り字等の minor errorは減点しない。

2.3.2.1 多肢選択式問題の作り方

pp. 99–100, 表3 多肢選択式問題作成のガイドライン

(荒井,2015, p. 27 を参考に作成,太字は特に重要な 4項目)

1. 1つの問題では,1つの能力要素を問うようにする。

2. 質問の内容は重要なものにして,単純な記憶力や瑣末な内容を問わない。

3. ひっかけ問題を避ける。

4. 質問の内容を受験者の能力水準に合わせる。

5. 複雑な多肢選択式(Type K; 注 1)を避ける。

6. 正答が一つに決まるようにする。立場によって,正誤が変わるような問題

を避ける。

7. 問われている内容が明確に分かるようにする。選択肢から推測しなくても

済むようにする。

8. 繰り返し同じ表現を使うことを避ける。問題を解くのに不必要な内容を問

題に含めない。

9. 正確な分かりやすい表現とし,不必要な専門用語や難解な語句は用いな

い。文法や句読点等,正確な表現を用いる。

10. 絶対的に正しい答えを選択する場合と,相対的に最も適切な選択肢を選

ぶ場合とを区別して,質問する。

11. 質問部分も選択肢も,ともに否定ではなく肯定的な言葉遣いにする。否

定表現を使う場合は,大文字や太字にするなど注意を喚起する。

12. 選択肢の数をむやみに多くしない。

13. 全ての錯乱肢をもっともらしい(plausible)ものにする。誰が見ても明ら

かな誤答は作らない。

14. 選択肢を等質に揃える。内容や文法構造を同じようにして,異質なもの

を作らないようにする。

15. 「上記のいずれでもない」(none of the above)や「上記のすべて」(all of the

above)という選択肢は用いない。

16. 限定表現(always, never, only, all 等)は,なるべく用いない。

17. 複数の選択肢に正答への手がかりを入れないようにする(注 2)。

18. 問題の共通部分や繰り返しとなる部分は質問文に入れ,選択肢はできる

だけ短くする。

19. 選択肢の長さを揃え,正答肢だけ長くならないようにする。

20. 選択肢の提示順は,数字の大小や系統順など,理にかなった順に並べる。

注 1:Type Kとは,以下のように,まず複数の選択肢が提示され(例:1. China),その組み

合わせ(例:A. 1 and 2)の中から正答を選ぶ形式。

Which country appeared in the movie X? 1. China 2. Japan 3. Korea

[A. 1 and 2 B. 2 and 3 C. 1 and 3 D. 1, 2, and 3]

注 2:例えば,What do they need? という設問で,(A) A beautiful book, (B) A difficult book, (C)

An expensive magazine という 3択の場合,(C)だけ bookが使われていないため,正解は

(A) か (B) のどちらかだろうと予想がついてしまう。あるいは正確に理解できた場合の

み正解できる問題として,(C) を正解にしようと考えるテスト作成者もいるかもしれな

い。深く考える生徒は,このような可能性まで考えて回答するだろうが,それは選択肢

を過度に意識した行為であり,本来測りたい能力とずれてしまうことが多い。そのため,

選択肢の質としては改善が求められる。その解決策としては① (A) A beautiful book, (B) A

difficult newspaper, (C) An expensive magazine のように重複する語をなくす,② (A)

beautiful, (B) difficult, (C) expensive にして,What kind of book do they need? のように質問

文に book を入れるなどが考えられる。

2.3.2.2 多肢選択式以外の受容技能テスト問題の作り方

(2) 組み合わせ

(例)放送を聞いて,それぞれの人物の職業を選択肢の中から選び,かっこ内

に記号を書きなさい。

Andy is working at a hospital and helping patients to relax their minds. His sister Mary

is teaching linguistics at a university. Mary’s husband Tom is a world famous biologist.

Tom’s sister Jessica is studying music at Mary’s university.

名前 選択肢

(1) Andy ( ) A student D interpreter 【解答:(1) F, (2) E

(2) Mary ( ) B novelist E teacher (3) C, (4) A】

(3) Tom ( ) C scientist F therapist

(4) Jessica ( )

2.4.1 テスト結果のフィードバック方法

英語カルテ Class ( A ) No. ( 4 ) Name ( Sakura Iwashimizu )

大問と配

テストしている力 得点 復習 1目盛10%。60%ほぼ合格,80%合

例 7/10点 (70%)

1. リスニ

ング (L)

概要理解 8 /10点 ( 80 %) 多聴

詳細理解 6 /10点 ( 60 %) 精聴

2. 単語 語句の理解 9 /10点 ( 90 %) Note

3. 文法 語形の理解 7 /10点 ( 70 %) Note

4. リーデ

ィング (R)

概要理解 10 /10点 ( 100 %) 多読

詳細理解 8 /10点 ( 80 %) 音読

5. ライテ

ィング (W)

制限型W 5 /10点 ( 50 %) Note

自由型W 6 /10点 ( 60 %) Note

6. スピー

キング (S)

制限型S 4 /10点 ( 40 %) Note

自由型S 3 /10点 ( 30 %) Note

総合点 66 /100点 ( 66 %)

注:復習 = 復習の時に行う活動。Note = ノート,ハンドアウトを見直して覚える。

観点別 対象 60%やや合格,80%合格

言語・文化の知識・理解 大問2・3:語彙・文法 16 /20点 (80%)

理解の能力 大問1・4:L, R 32 /40点 (80%)

表現の能力 大問5・6:W, S 18 /40点 (45%)

♦自己評価 1. ほとんどできなかった 2. 少しだけできた 3. かなりできた

宿題にきちんと取り組めた 1 ② 3 試験勉強をしっかりできた ① 2 3

復習として音読ができた 1 ② 3 授業で声を出して練習した 1 ② 3

復習で重要点をまとめた 1 2 ③ 授業で集中して取り組めた 1 ② 3

♦分析しよう

1. よくできたところ リーディングと単語。これは得意。

2. 復習が必要なところ ライティングとスピーキング

3. やって良かった,続けたいと思

う勉強

単語練習,多読,教科書付属の音声を聞

いて音読するのは役立った

4. やればよかったと思う勉強 ライティングとスピーキングのもらっ

たプリントを使ってもう一度練習すれ

ばよかった

5. その他,感想・反省 テスト前に集中して勉強できなかった

6. これからの目標・決意(授業・授

業外で)

授業ではさらに集中する。家では英語を

書いて話す練習をして,先生に見てもら

p. 110, 図1 英語カルテの例

(このファイルの下に生徒が書き込む前の英語カルテのテンプレートを載せた)

注:2.1.2節のテスト細目に基づく。「復習」の欄には,その知識・能力を高めるために復習

として行う活動を示す。太字は生徒が書き込んだ例

英語カルテ Class ( ) No. ( ) Name ( )

大問と配

テストしている力 得点 復習 1目盛10%,

60%ほぼ合格,80%合格

例 7/10点 (70%)

1. リスニ

ング (L)

概要理解 /10点 ( %) 多聴

詳細理解 /10点 ( %) 精聴

2. 単語 語句の理解 /10点 ( %) Note

3. 文法 語形の理解 /10点 ( %) Note

4. リーデ

ィング (R)

概要理解 /10点 ( %) 多読

詳細理解 /10点 ( %) 音読

5. ライテ

ィング (W)

制限型W /10点 ( %) Note

自由型W /10点 ( %) Note

6. スピー

キング (S)

制限型S /10点 ( %) Note

自由型S /10点 ( %) Note

総合点 /100点 ( %)

注:復習 = 復習の時に行う活動。Note = ノート,ハンドアウトを見直して覚える。

観点別 対象 1目盛10%,

60%ほぼ合格,80%合格

言語・文化の知識・理解 大問2・3:語彙・文法 /20点 ( %)

理解の能力 大問1・4:L, R /40点 ( %)

表現の能力 大問5・6:W, S /40点 ( %)

♦自己評価 1. ほとんどできなかった 2. 少しだけできた 3. かなりできた

宿題にきちんと取り組めた 1 2 3 試験勉強をしっかりできた 1 2 3

復習として音読ができた 1 2 3 授業で声を出して練習した 1 2 3

復習で重要点をまとめた 1 2 3 授業で集中して取り組めた 1 2 3

♦分析しよう

1. よくできたところ

2. 復習が必要なところ

3. やって良かった,続けたいと思

う勉強

4. やればよかったと思う勉強

5. その他,感想・反省

6. これからの目標・決意(授業・授

業外で)

p. 110, 図1 英語カルテの例

3.1 スピーキングテスト

p. 121, <ルーブリック:項目独立型(設問ごとに評価)>(テスト前に生徒にも

提示)

2 場所を適切に流暢に伝えられている。5秒以内に話し始められている

1 場所を伝えられているが,文法的に不適切な箇所がある。または流暢さに

問題がある(例:6秒後以降に話し始めている。沈黙や言い直しが多い)

0 15秒以内で場所を伝えられていない

p. 123, <ルーブリック:分析的評価>(事前に作り,テスト前に生徒にも提示)

タスク達成度 対話が効果的か 流暢さ

4 4点を理解可能な形

で質問できている

-- --

3 3点を理解可能な形

で質問できている

-- --

2 2点を理解可能な形

で質問できている

相手の答えに適切に応

答している。

長い沈黙や言い直しがほと

んどなく,スムーズに話せ

ている

1 1点を理解可能な形

で質問できている

相手の答えに適切に応

答しているが,一部に

とどまる。

長い沈黙や言い直しがあ

る,またはスムーズに話せ

ていない

0 どれも理解可能な形

で質問できていない

相手の答えにほとんど

応答していない。

非常に長い沈黙などのため

にほとんど理解ができない

発音・語彙・文法の誤りは,「タスク達成度」で「理解可能」という点で扱って

おり,英語として理解可能な範囲ならば減点しない。テストを受けて0点の生徒

が出るのを避けるには,テストを受けない場合に0にして,参加していれば「タ

スク達成度」で1を与える方法もある。

pp. 125–126, <ルーブリック:総合的評価>

評価規準:タスク実施に必要な英語表現を使用し,効果的にやりとりをしながら,与えられた役割を適切に果たすことができる。

3 (十分満足):以下のタスク・ポイントをほとんど適切にこなしている。適

切に交互に話しながら,効果的に英語でコミュニケーションができる。会

話の進行がスムーズに行く程度に流暢に話している(長い不自然なポーズ

がない)。必要なことを適宜付け加えている。関連する会話を適切に続けら

れる。大きな誤りがない(小さな誤りは減点しない)

タスク・ポイント:関連したテーマで会話を適切に続けられる。4つ持ち

物を決められる。または,4 つ決められなくても,持って行く理由等,

詳細な説明が入っている

注:状況設定が分かる状態で聞いてやりとりが分かれば3

2 (おおむね満足):タスク・ポイントを一部適切にこなしている。ほとんど

の場合にかろうじてコミュケーションができるが,答えたり,意見を言っ

たりする際に受け身のことが多い(または,自分一人で話すことが多く,

会話を独占してしまっている)。流暢さの点で会話の進行が妨げられること

がある(例:長いポーズあり)が,英語で会話を続ける努力を行っている

1 (努力を要する):タスク・ポイントをほとんど適切にこなしていない。求

められたときにのみ単純な反応をするが,英語でやりとりを維持したり,

発展させたりすることはできない。会話を不自然に止めている

0 (非常に努力を要する):タスク・ポイントをひとつも適切にこなしていな

い。反応もしないか,日本語のみで対応している

注:教師が対話者の場合は,規定数のタスク到達が見られるまでは会話を続け

たりコントロールしたりできるが,生徒同士だとそれができないため,タス

ク到達度の基準を甘めにした方がよい

3.2 ライティングテスト

p. 128, <ルーブリック:分析的評価>

点 内容 言語知識

4

理解できる表現で,必要な情報すべ

て(①~⑤)を含めて書くことがで

きる。

過去形や前置詞などを正しく使い,

文を書くことができる。

3

理解できる表現で,必要な情報を 5

個中 4個伝えることができる。

過去形や前置詞などをおおむね正

しく使い,文を書くことができる。

(1~2ヶ所程度は許容)

2

理解できる表現で,必要な情報を5

個中3個伝えることができる。

過去形や前置詞などの誤りが目立

つ。文が成立していない部分がある

(半分程度)。

1

理解できる表現で,必要な情報を5

個中2個伝えることができる。

過去形や前置詞を正しく使うこと

ができない。文が成立していない部

分がほとんどである。

0 必要な情報を5個中0~1個伝えるこ

とができる。または無回答。

文を構成することができない。

p. 129, <ルーブリック:分析的評価>

点 内容(言語知識を含む) 点 つながり

5 必要な情報の 6個(名称・時期・風習

2 つ,起源 2 つ)を全て正しく伝える

ことができている。

2 自然なつながりで説明を書

くことができている。

4 必要な情報の 6 個を全て伝えている

が,1~2箇所の誤りが見られる。

1 つながりを意識しようとし

ているが,一部つながらない

部分がある。

3 必要な情報の 6 個を全て伝えている

が,誤りが 3 箇所以上あり,目立つ。

0 情報の羅列にとどまってい

る。

2 必要な情報の 6個中 3個以上を伝えて

いる。

--

つながりについては加点し

ない。

1 必要な情報の 6 個中 1~2 個を伝えて

いる。

0 必要な情報を全く伝えていない,また

は無回答。

p. 131, <ルーブリック:総合的評価>

4 ①指定された語数で,②自分の意見を,論理的な理由づけをしながら説

明しており,説得力がある。③談話の基本的な構成(Introduction, Body,

Conclusion)がある。④文法・語法上の誤りもほとんどない。

3 ①指定された語数で,②自分の意見を,論理的な理由づけをしながら説

明しており,説得力がある。③談話の構成が一部できている。④文法・

語法上の誤りがあるが,理解できる範囲。

2 ①指定された語数に達していないが,②自分の意見を,論理的な理由づ

けをしながら説明している。③談話の構成はできていない。④文法・語

法上の誤りが多く,伝わりにくい部分がある。

1 ①指定された語数に達していない。②自分の意見を述べているものの,

説明に乏しい。③談話の構成はできていない。④文法・語法上の誤りが

多く,伝わりにくい。

0 指定された課題に答えていない。

3.3 リスニングテスト

p. 133, <スクリプト>過去の公立高校の入試問題で使用されたもの(東京都教

育委員会,2016)。設問は新たに作成。

p. 133, <多肢選択式>

指示文:2人の会話を聞いて,No. 1~5 の質問に対する答えとして最も適切な

ものを(A)~(C)の中から1つ選びなさい。英文は2回放送されます。

No. 1

Q: On which floor should the man go to see computers?

A: On the ( ).

(A) second floor (B) fourth floor (C) eighth floor 【解答:B】

p. 134, <短文解答>

指示文:2人の会話を聞いて,No. 1~No. 5 の質問に対する答えを英語で書き

なさい。解答は4語で記述しなさい。英文は2回放送されます。

No. 1

On which floor should the man go to see computers?

Answer. 【解答:On the fourth floor.】

p. 135, <スクリプト>センター試験の本試験で使用されたもの(大学入試センタ

ー,n.d.)。設問は新たに作成。

p. 135, <真偽判定>

指示文:放送される英文をよく聞き,(1)~(5)の英文が内容に合っているかいな

いか(True or False)を選びなさい。英文は 2回放送されます。

(1) Usually, silver gifts are given for 25th wedding anniversaries. T / F

(2) Usually, gold gifts are given for 5th anniversaries. T / F

(3) In the UK, leather gifts are usually given for 3rd anniversaries. T / F

(4) In the UK, Sugar gifts are expected for 6th anniversaries. T / F

(5) In the UK, diamonds are given only for 60th anniversaries. T / F

【解答:(1) T, (2) F, (3) T, (4) T, (5) F】

pp. 135–136, <組み合わせ>

指示文:放送される英文をよく聞き,問題(1)~(5)に当てはまる情報を語群から

選び,組み合わせて答えなさい。英文は 2回放送されます。

問題 語群

(1) diamond

(2) gold

(3) leather

(4) silver

(5) silk

a. 3rd

b. 5th

c. 6th

d. 12th

e. 15th

f. 25th

g. 50th

h. 60th

【解答:(1) h, (2) g, (3) a, (4) f, (5) d】

3.4 リーディングテスト

p. 138, <多肢選択式:不完全質問文>

次の各問に適切な選択肢を1つ選び,記号で答えなさい。

1. A lot of ________ are in the Metropolitan Museum.

A. pictures of Japanese mountains B. works of Japanese art

C. Japanese people

【解答:B】

2. We can climb Mt. Fuji during ________.

A. spring and summer B. summer and fall C. fall and winter 【解答:B】

p. 138, <空所補充>

次の英文は由紀とサラとのやりとりを,由紀の家族がメモとしてまとめたも

のである。次の空欄に入る適切な単語を答えなさい。

Sara took us to the Metropolitan Museum. A lot of ([1] ) of Japanese art are on

the second floor. Sara found Mt. Fuji in a ([2] ). Japanese people love Mt. Fuji.

People can’t climb Mt. Fuji during winter and ([3] ).

【解答:[1] works, [2] picture, [3] spring】※部分点はない。

pp. 141–142, <多肢選択式以外の問題:空所補充>

A町では,地域住民が近隣の公園を美化する活動を行うことを決めた。公園

清掃の参加者を増やすため,1回につき 500円の地域商品券を配ることとした。

しかし、公園清掃の参加者は少なくなっていく一方であった。「公園清掃の参加

者を増やすにはどうすればよいか」について,美化活動担当者が書いたまとめ

が以下の文である。メモの中にある空欄を,本文に基づいて日本語で埋めなさ

い。(1問 2点)

読んだ文章によると,( 1. )よりは,( 2.

)方がうまくいく。そのため,A町の場合では,500 円の地域商品券の

配布を ( 3. ),地域の公園の美化は( 4. ) こと

を伝えるようにする。

【解答例(各 2点):判定基準:必要な情報(下線部)を入れている。英語の理解

測定に焦点を当てるため,前後の文脈に合う形が望ましいが、そうでなくても

理解していることが分かれば減点しない:1. 報酬(を与える) 2. (社会的な)責

任感を高揚する 3. 止め 4. 近隣住民の役割(責任)である

部分点 1点の例(下線部の情報が一部のみ書かれている):2. 責任感の (責任感を

どうするかが書いていない) 4. 責任である (誰の責任かが書いていない)】

3.5 技能統合型スピーキングテスト

pp.145–146, <ルーブリック:分析的評価①「内容」>

評価規準:何個のものを持っていくことにしたか,何をなぜ持っていくことに

したかを的確に話している。

3 以下の 9つのポイントをすべて正確に押さえている。合計で。

① 4つのものを持っていく

持っていくものとその理由(8ポイント)

② Snow boots ⑥ It is hard to walk.

③ books (something to

read)

⑦ They can enjoy in the Shinkansen.

④ smartphone ⑧ They can enjoy in the Shinkansen.

⑤ (stomach) medicine ⑨ They can feel okay after eating too much.

理由が意味のある文で述べられていない場合は,1ポイントと考えない(た

とえば⑥について, “Snow boots because snow”や “Books because in

shinkansen” など。この場合②,③については各1ポイントと考える)。会

話の内容を知らない人が理解できることを想定して評価する。理解可能で

あれば,文法の間違いは特に気にしない。

2 押さえるべき 9つのポイントのうち 5~8つが的確に押さえられている。

1 押さえるべき 9つのポイントのうち 1~4つが的確に押さえられている。

0 何も話せていない。もしくは押さえるべきポイントが一つも的確に押さえ

られていない。

<ルーブリック:分析的評価②「発音」>

評価規準:わかりやすい発音で話している。既習事項の発音のポイントが押さ

えられている。

2 (a) 語頭の子音を正しく発音している (/b/, /s/, /w/など)。および (b) and,

because, think など,単語の後に不必要な母音が付け加えられていない。

1 (a),(b)のどちらかができていない。

0 (a),(b)のどちらもできてない。

注:英語に関しては実際に授業で指導した点を測ると良い。2.2.3節の EBB尺度

の形にしても良いだろう。

3.6 技能統合型ライティングテスト

pp. 148–149, <Q1のルーブリック:総合的評価>

2 本文に述べられている問題点を簡潔にまとめ,正しく伝えている。

1 本文に述べられている問題点は伝えている。個別の事例について述べてい

る,抜き出しのみで言い換えていない。

0 誤りや情報不足のために,理解できない,または無回答。

<Q2のルーブリック:総合的評価>

4 Q1で答えた問題点に対して,①その解決方法および②そのもたらす効果の

双方について,内容・文法的に正しく、十分な情報を伝えることができる。

3 Q1で答えた問題点に対して,①その解決方法および ②そのもたらす効果

の双方について,十分な情報を伝えることができる。

2 Q1で答えた問題点に対して,①その解決方法,②そのもたらす効果のいず

れかについて,十分な情報を伝えている。

1 Q1で答えた問題点に対して,①その解決方法,②そのもたらす効果につい

て答えようとしているが,いずれも伝わりにくい。

0 Q1で答えた問題点に対して答えていない,または無回答。

pp. 150–151, <Q1及びQ2のルーブリック:総合的評価>

2 質問に対する答えを正しく伝えている。

1 質問に対する答えを伝えている。本文から抜き出しているが,整理されて

いない,誤りのためにわかりにくい部分がある。

0 誤りや情報不足のために,理解できない,質問に答えていない,または無

回答。

<Q3のルーブリック:総合的評価>

4 安楽死に関する自分の意見について,本文の例を効果的に用いながら,正

しく十分に説明している。100~120語書いた。major error について2ヵ所ま

では許容。

3 安楽死に関する自分の意見について,本文の例を用いながら十分に説明し

ている。100~120語書いた。major errorについて 4ヶ所までは許容。

2 安楽死に関する自分の意見について,本文の例を用いながら述べているが,

文法的誤りまたは情報不足のため説明不足である。または,本文の例を用

いていない。60~99語書いた。またはmajor errorが5つ以上。

1 安楽死に関する自分の意見について述べているが,伝わらない部分が多い。

59語以下。

0 安楽死に関する自分の意見について述べていない,または無回答。

※Q1-3 における誤りの扱いについては,文法・語法や文構造の誤りにより内容理解を妨げ

るものを major errorとし,冠詞や綴り字など,内容理解を妨げないものを minor errorとす

る。