ものづくり デザイナー -...

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01

札幌のものづくり企業の経営課

題として、技術や製造設備といった製造する

側からの発想で製品開発・ 生産・ 販売を行うプロダク

トアウト の考え方が根強く 、顧客の求めるニーズに対応する

「 企画力」「 販売力」「 ブランド力」が不足しているという声が多く挙

げられています。このような中で、ブランド力を高め、価格競争に陥ら

ない“売れる自社製品”を開発するためには、製品の色や形にとどまらない、企画から販売戦略を含めたデザイン戦略の活用が有効です。

当財団では、このデザイン戦略の力に着目し 、本市で活躍するデザイナーな

どの専門家のご協力を得て、デザイン活用型製品開発支援事業「 札幌ものづく

り×デザイナープロジェクト 」を実施しています。

このプロジェクトでは、札幌市内のものづくり企業などを対象に、製品開発に

おけるデザイン戦略の重要性をテーマとしたセミナーやワークショ ップを開催

しているほか、専門家派遣による製品企画・開発の支援を行っています。

この冊子は、プロジェクト の取り組みやデザイン活用による製品開発の事

例をまとめたものです。ものづくり企業の皆さまが、新たな可能性に挑戦

する際にご活用いただければ幸いです。

なお、平成31年度よりこのプロジェクトの対象を、さっぽろ連携

中枢都市圏まで拡大します。ご期待ください。

平成31年3月

一般財団法人

さっぽろ産業振興財団

ものづく り デザイナー

新市場を切り拓く 製品をつく るII N D E Xdea

01 はじめに

02 プロジェクト のスキーム

企業支援フロー

04 デザイナーインタビュー

【 製品開発事例】

08 株式会社白石製作所

10 株式会社イチムラ

12 製品開発“一言”カード

SA P P ORO M ON OD U K U RI × DE SI GN ER

市内企業

【 お問い合わせ先】

一般財団法人 さっぽろ産業振興財団 販路拡大支援部

〒003-0005 札幌市白石区東札幌5条1丁目1-1 札幌市産業振興センター

TEL.011-820-2062 FAX.011-815-9321 Eメール ib center@ sec.or. j p

h t tp : //w ww. sec. o r. j p/other/782. h tm l

【 支援決定までのフロー】

工業デザイナーの高橋尚基氏( 高橋尚基デザイン事務所)などによる企業訪問を実施します。

企業訪問の中で「 札幌ものづくり×デザイナープロジェクト 」の具体的な支援方法についてご説明します。

企業訪問・ 相談アドバイス( 7月上旬頃)

所定の申込書に、申請理由、事業計画などを記載して

ご提出く ださい。

支援申込書の提出( 7月中旬頃)

1

ご提出いただいた申請書をもとに審査を行い、結果を通知します。

審査・ 支援企業決定( 8月中旬頃)

2

製品開発プロデューサーおよび専門家のアドバイスと支援のもと 、

製品開発に取り組んでいただきます。

専門家チームによる支援

3

札幌ものづくり デザイナープロジェクト

プロジェクトスキームと支援フロー

各分野の専門家

●チーム統括●デザインマネジメント●支援ロードマップ策定

製品開発プロデューサー

●カウンセリング

●コンセプト 視覚化

●試作開発サポート

既存製品をリニューアルしたい

自社の技術力を活かした新製品を作りたい

BtoCビジネスへの拡大を図りたい

デザインをものづくりに取り入れてみたい

このようなお考えをお持ちの企業様は、ぜひご活用く ださい。

SU P P OR T F L OW

〈 審査基準〉事業の明確性、新規性、独自性、実現可能性などを勘案し 、総合的に審査します。

デザイナーDE SI GN

マーケティングM A RK E TEI N G

セールスSA L ES

ブランディング

B R A N DI N G

知的財産IN TEL L ECTU A L

P ROP ERT Y

SA P P ORO M ON OD U K U RI × D E SI GN ER

0302

このプロジェクトでは、売れる製品を生み出すた

めに新製品の開発や既存品のリニューアルを目指

す意欲ある中小企業に対して、必要な専門家( デザ

イン、マーケティング、セールス、経営戦略等の専

門家)、またそれらを統括するプロデューサー( 工

業デザイナー)を派遣。マーケティング、製品企画、

製品デザイン、デザインコンセプト 、設計、試作ま

で幅広く 支援を行うことで、さっぽろ連携中枢都

市圏※の製造業の競争力および成長性を高め、経済を活性化させることを目的としています。

※さっぽろ連携中枢都市圏:札幌市・小樽市・岩見沢市・江別市・ 千歳市・ 恵庭市・北広島市・ 石狩市・ 当別町・ 新篠津村・ 南幌町・ 長沼町の12市町村。

SHIN I CHI YAM AM URA株式会社コボ 代表取締役社長

山村 真一氏

三菱重工業株式会社商品企画部に入社。イタリアトリノに派遣され、カロッツェリアにてデ

ザインを学ぶ。その後、三菱自動車工業チーフデザイナーとして、ギャラン、FTO、ランサーな

どの企画とデザインを手掛ける。1973年、デザイン事務所・株式会社コボを設立、代表取締

役社長に就任。

素材開発から流通まで、一貫した開発業務を目指し、素材や技術を商品化するまでのトー

タルデザインやブランド・ メーキング・ プロジェクトにおいて活躍中。企業の新製品開発に数

多く参画。OEM専業だった企業に自社ブランドの立ち上げをサポートし、下請メーカーを業界

トップメーカーに導くなど、豊富な支援実績がある。「 札幌ものづくり×デザイナープロジェク

ト 」では、セミナーやワークショップの講師を務めているほか、市内のものづくり企業への訪

問アドバイス、プロジェクト支援企業に対する製品開発アドバイスなどを行っている。

I N T ERVI E WSAP P ORO M ON ODUK URI ×DESIGN ER

一番大事なのは、少し先を見てものを考えること 。例え

ば、3年前を振り返ってみれば、3年先を見ることはそれほ

ど難しく ないと思うのです。未来と過去のバランスの中で

今があるのだと 、体で感じていただきたいのです。

ものづく りには、失敗もあり成功もあるのが常です。

100%効率よく ヒットするというのではなく て、50%は当た

るけれど50%はうまく いかないかもしれない。でも 、その

失敗が決定打にならないように、体制を立て直して、また

次の一手に変えていく 力が必要です。試行錯誤しながらと

にかくやってみることが大事。そうすると次の一歩が楽に

なります。社会の変化に対応できるように、わずかな一歩

でも前進し続ける必要があると思います。

ゼロから新しいことに挑戦するのではなく 、これまでの

企業のDNAや経験を踏まえた上で新しいことをやるのが、

自社のブランディングや経営戦略の基本だと思います。新

しいことをやるというと 、ともすれば過去を否定してゼロか

ら考えがちですが、そうではない。今までやってきたこと

を、次の社会の条件に合わせてむしろ活かしていく という

考え方です。会社にはそれぞれの歴史があるように、それ

デザインの活用で未来を拓く

めまぐるしく 変化する時代に対応していく ために、

企業はどんなことに取り組んだらいいでしょう?

どんな一歩を踏み出すか。

企業にとって、新たなアイデアを出すことは

とても難しいことだと感じます。

急速に変化する時代に、

ものづくり企業がこれまでと同じやり方をしていたのでは取り残されてしまいます。

時代の変化に対応していく ために、どんなことに取り組んだらよいのか?

デザインの面からこれまで多くの企業を支援してきた

株式会社コボ代表取締役・ 山村真一さんに聞きました。

SA P P ORO M ON OD U K U RI × D E SI GN ER

04 05

PRO

FILE

ぞれの未来があります。そう考えればとても楽しく 、未来

に向けてワクワクしながら新しい挑戦ができます。いろい

ろな経験を繰り返しながら難関の道を進むことでキャリ

アを養い、それを快感と思いながら 、絶えずチャレンジし

ていく 姿勢を持つべきだと思います。

自分たちを囲む環境だけではなく 、もう少し外の世界に

も目を向けてみることです。現状の問題から離れて遠く か

ら見ると 、周辺の世界も自分の視野に入ります。できるだ

け近視眼的にならずに、周りがどうなっているのかを考え

る全体視が必要です。異業種交流、産地交流、地域交流も

とても良いことだと思います。北海道は多様な文化で成り

立っていて、皆さんのフット ワークも割りと軽い。全体を見

やすい状況にあると思います。

また、もっと世界の情報や技術にも目を向けて効果を

考えるべきです。川下ではなく 上流からものを考えると 、

少しくらい失敗しても次へのシフト が利く んです。幅広い

範囲からものを考えて実験すれば、世界はより近く なると

思います。

それが一番得意なのはデザイナーだと思います。ものづ

くり企業が、目の前のことだけでなく一歩先に目を向けて

いる革新的なデザイナーと組むことで、新しいことにぶつ

かっていく というのはいい流れです。接点を深く 捉え、違う

価値観を持つデザイナーと企業がマッチングすることは素

晴らしいと思います。

デザイナーと企業側とでは、考え方とプロセスが違いま

す。企業側は今のプロセスの延長上で何か手を打とうとす

る。一方のデザイナーは、延長線上ではない仮の設定をし

て現状と結び付けていく 。ものづく りの過程を学ぶこと

も 、未来の社会を見捉え、見えないテーマを見付けて、

やってみないと分からないことに挑戦することも 、どちら

も大事です。だからこそ、企業はいろいろなデザイナーと

の接点を持って、新しい時代に対応してほしいのです。従

来の延長線上にあるものはイノベーショ ンとは呼びませ

ん。企業が自分たちだけで考えて、イノベーショ ンで新し

い時代への壁を突破するのは難しい。デザイナーという

違った視点からもう一度見つめ直すことによって、何かを

再発見できる可能性は大いにあります。「 こんなことが我

が社にはあったんだ」「 そんなルーツだったんだ」「 我が社

のDNAは実はこうだったんだ」ということが、外から見ると

案外簡単に、具体化して見えてきます。

私たちは、この企業の将来にはこんなことが大事なので

はないかという仮説を立てて、接点を作っています。今回、

そういうことを既に考え始めていた企業がいくつかありま

した。それがとてもうれしかった。やはり企業は一生懸命

に自分たちでコツコツと考えているのだと思いました。デ

ザイナーと企業は遠いようで、案外とても近い所で試行錯

誤していることがよく 分かりました。

今はデザインから遠い所にいる企業も、ぜひデザインを

活用してほしいと思います。札幌には優秀なデザイナーが

たくさんいますから、もっと気軽に相談してタッグを組むと

いいでしょう 。フリーのデザイナーたちは多様な社会と触

れ合っています。何人かと一緒にタッグを組むうちに「 この

デザイナーと我が社は呼吸が合うな」とシンクロしていく 。

そうなれば、北海道のものづくりはさらに上のステージに

進むのではないかと思います。

そのために、経営者や従業員は

日頃どんなことに気を付ければ良いでしょう?

経産局と特許庁が、

企業のブランド力とイノベーショ ン力を向上させるために

デザインを活用する「 デザイン経営」宣言を出しました。

デザイン活用の機運が高まる今、

企業はデザイナーとどう付き合っていけばいいでしょうか?

最後に、札幌のものづくり企業にメッセージを。

デザインを上手に活用して、北海道のものづくり企業の未来が明るくなるといいですね。

今日はどうもありがとうございました。

良いものを作っていても 、

それを発信するのが苦手な企業が多いと感じます。

どう PRすれば良いでしょう?

SA P P ORO M ON OD U K U RI × D E SI GN ER

0706

株式会社コボ 代表取締役社長

山村 真一氏

I N T ER VI E WSAP P ORO M ON ODUK URI × DESI GN ER

私たちは受注生産が基本でした。技術には自信があるの

ですが、自分たちで仕事を作ることができません。そこで、

もう 一つの事業の柱として自社オリジナル製品を開発し、

受注に頼らずに自分たちの足で歩いて行ける会社にしな

ければならないと考えていたんです。

そんな中、何年か前にこのプロジェクト の事例報告会が

行われることを知ります。これに参加したことをきっかけ

に応募し、支援対象に選んでいただきました。

私たちは製品開発の経験が全く ありませんでした。何か

ら手を付けて、どう進めればよいのかわからない。まず全

社員から選抜した社内開発チームを2つ立ち上げ、日々の

業務をこなしながらアイデアを出してもらったんです。当

社は15人しかいないので、なかなか開発に専念というわけ

にはいきません。そこが、今回最も苦労したところかもし

れません。

訪問してく ださった製品開発アド バイザーの皆さんは

デザインやコミ ュニケーショ ンなどの専門家4人。まず開

発の進め方、チーム内や社内での情報共有の方法、さらに

はプレゼン資料のまとめ方、発表の仕方などについてアド

バイスをいただきました。

選抜メ ンバーだけではなく 社内みんなでアイデア出し

のブレスト を行いました。ところが、プロの技術者集団で

すから、誰かが何かアイデアを出すと、次の瞬間に無理だ

と否定されてしまう んです。アド バイザーの皆さんから

は、アイデア出しの段階で頭ごなしに否定するのは良く な

いとアドバイスしていただきました。

受注生産だけではない、もう一つの柱を

時間を確保しにく い中でのアイデア出し

2つの社内開発チームからは、さまざまなアイデアが出

されました。例えば、散歩後の犬の足洗い機。これには乾燥

機が必要で、仕組みが煩雑になることから断念しました。

パンの形を崩さずに持ち帰る岡持ちは重すぎました。それ

らのアイデア中から、最終的に一つに絞られたのがボルダ

リングボードだったんです。

当初はステンレスだけで作ろう としたのですが、どう し

ても重く 、家庭内に置く には見た目に圧迫感がある。登る

時に向こう 側が見えた方がいいだろう と思い、透明アクリ

ル板を使った仕様になりました。自立式ではなく 床と壁で

支える構造にしたことで、狭い廊下への設置も可能になり

ました。ボルダリングボード の試作段階に入ってからは、

省スペースの形状や安全性などについてもアド バイザー

の皆さんから具体的なアドバイスをいただきました。

私たちはステンレスのプロ。だからこそ、ステンレスと

いう 素材の限界も分かっています。だからこそ、今回はス

テンレスにとらわれない新しい発想で自社オリジナル製

品を開発しよう じゃないか、という ことになりました。私

たちは普段から、ステンレスだけではなく アクリル板の

パーツなども加工しています。

私たちの工場は大量生産には向いていないので、今後自

社製品を世に出す場合でも、一つ一つオーダーメ イドのよ

うに仕上げていく やり方になると思います。

製品開発を通じて、社内に普段の仕事とは違うコミ ュニ

ケーションが生まれたことは、大きな刺激になりました。これ

からも自社オリジナル製品の開発は継続していきたいですね。

これまでにないボルダリングという発想

普段の仕事とは違うコミ ュニケーショ ン

象に残ったアドバイス

代表取締役社長

吉田元海さん

昭和29( 1954)年創業。馬具の製作から始まり、流し台などにステンレス素材が使わ

れるよう になった頃から、ステンレスをベースに食品関連機械や各種設備、チー

ズ・バター・クリーム・ ヨーグルト などの加工機器を手掛ける。受注生産が基本で、

発注図面に基づきカット 、加工、磨き仕上げを経て出荷する。

【 株式会社白石製作所】

SA P P ORO M ON OD U K U RI × DE SI GN ER

0908

「 アイデア出しの段階では

否定をせず、できるだけ

数多く 出す。誰かが何かア

イデアを出すしても 、次の

瞬間に無理だと否定され

てしまうのは良く ない。」

ボルダリングボード

製品開発アドバイザーチーム

株式会社白石製作所

製品開発事例

01

印象に残ったアドバイス専務取締役

宮内浩之さん

学校用の机や椅子から始まり 、私たちは学校や官庁、公

共施設などからの注文に応じて製品を作ってきました。鋼

製品と木製品の両工場を持っているものの、デザイン家具

という分野を長年手掛けていなかったのです。

平成28( 2016)年に、デザイン家具への挑戦を始めまし

た。翌年3月に大丸藤井セント ラルさんで開催された文房

具の見本市に、各社のカタログを見ながらゆっく りと休憩

できる「 カタログ図書館」を当社がプロデュース。自由な置

き方で使える家具「 Pannello」、あやとりの紐のように細い

フレームを交差させた「 AYATORI」、そして雪の結晶をイ

メ ージした椅子などの「 雪花」などのデザイン家具シリー

ズは、この時のラインナップです。

その暮れに開催された「 ものづく り道場」という イベン

ト で、講師の山村先生と初めて対面します。先生の講演や

ワークショ ップの内容から、イチムラの新たな挑戦に共感

していただけるのではないかと感じ、企業訪問に応募。対

象企業に選んでいただきました。

平成29( 2017)年7月の最初の訪問では、これまで開発し

たデザイン家具を見ていただき、社員たちを交えてディ ス

カッショ ンしました。両工場を持つ強みを活かしながら新

しい製品群を持ち、新しい市場を開拓したい。そう いった

ことを付箋に書いて貼り 、一つ一つにアド バイスをいた

だきます。社外の方に、デザイナーとしての視点からアド

バイスしていただく のは初めての経験だったのですが、

私たちの目指す方向は間違っていないと言っていただき

ました。

2度目の訪問の時に、リビングに子供の居場所を作ると

いう コンセプト の壁面収納システム「 WALLFY」の試作に取

り組んでいるというお話をし、具体的なアドバイスをいた

だきます。これは壁面にさまざまな大きさのボックスを自

由に取り付けて「 見せる収納」ができるシステムなんです。

翌年3月の展示会への参考出展を目指してブラッシュアッ

プに取り組みます。ディ スカッ ショ ンでは毎回、私たちに

多く の課題を与えられます。できないこともあり ました

が、一つひとつクリアしながら前に進みました。高級感が

ある。北海道のいい材料を使い、一見塗っていないよう に

見える自然な仕上げが良いなど、多く のご意見をいただき

ます。

8月の発売を目指しながらも、企業訪問の期間が3月で終

わってしまう ため、2年目も引き続き申請。今度は販路や売

り方について多く のアドバイスをいただきました。当初の

子供向けという コンセプト から、高齢者や車いすの方にも

デザイン家具という新たな挑戦

デザイナー・ 山村真一さんと出会う

方向性は間違っていない。

ユーザー目線からものを見るという刺激

昭和28( 1953)年創業。スチール製の学校用机と椅子

の製造から始まった。そこから派生し、学校内で使う

さまざまな家具、図書館など公共施設の椅子や什器

を手掛けている。鋼製品と木製品の両方の工場を持

つのが特徴。原点である学校用の椅子に込めた、安全

に長く 使ってほしいという思いを大切にしている。

【 株式会社イチムラ 】

使いやすいものにしよう という意見が社内からあり、それ

についても意見交換をしました。

生産現場では、生産性や効率を常に考えながら製品を

作っています。しかし 、ユーザー目線は時に生産性や効率

と相容れないことを要求する場合があります。現場には、

新しいことへの戸惑いも少なからずありました。でも、先

生のアドバイスをいただく う ちに、社内全体がユーザー目

線から観察し、人の声を聞いたり して、どう すべきかを考

えるようになりました。

企業訪問を通じて、未来を考える良い刺激をいただきま

した。何とか発売まで漕ぎ着けましたが、いただいたアド

バイスを基に、まだ改良と社内議論は続きます。

SA P P ORO M ON OD U K U RI × DE SI GN ER

1110

「 ユーザーとディスカッショ ン

をし 、ユーザー目線でものづ

くりをするべき」

「 ものづくりは5年くらい先を

見据えて、実際には3年くらい

先を見たものをつくる」

壁面収納システムWALLFY

デザイナー

山村真一株式会社コボ

代表取締役社長

株式会社イチムラ

製品開発事例

02