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名古屋大学 グローバルサイエンスキャンパス 「名大 MIRAI GSC」 中間報告書(平成 28 年度・29 年度) 国立研究開発法人科学技術振興機構協定事業 グローバルサイエンスキャンパス

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名古屋大学

グローバルサイエンスキャンパス

「名大 MIRAI GSC」

中間報告書(平成 28 年度・29年度)

国立研究開発法人科学技術振興機構協定事業

グローバルサイエンスキャンパス

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本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構との実施協定に基づき、

国立大学法人名古屋大学が実施した平成 28 年度、平成 29 年度グローバルサ

イエンスキャンパス「名大 MIRAI GSC」の成果を取りまとめたものです。

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目次

I. 企画の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

II. 将来の国際的な科学者たち~人材育成面での達成成果・・・・・・・・・・・・・・ 7

III. 受講生の募集と一次選抜

(1) 受講生募集の方針と選抜基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

(2) 募集・一次選抜の具体的な取組・方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(3) 選抜結果と選抜した受講生の能力・資質特性・・・・・・・・・・・・・・12

IV. 「将来国際的に活躍しうる傑出した科学者」を育てる教育プログラム

(1) プログラムの全体像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

(2) 国際性付与の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

(3) 講座の具体的な内容(各講座要素の活動の具体的事例)・・・・16

(4) 一次選抜者の育成状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

(5) 二次選抜の実施と二次選抜者の育成状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

(6) 海外研修活動とその成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

V. 受講生に対する評価手法の開発と実施

(1) 育てたい人材像と育成したい能力・資質に照応した「評価基準」・41

(2) 評価の実施結果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48

(3) 評価結果に基づく受講生へのフォロー指導・・・・・・・・・・・・・・・・48

VI. 受講生の活動成果 ―「数値目標」の達成状況

(1) 国際学会等での外国語による研究発表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48

(2) 外国語論文発表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49

(3) 国際的な科学技術コンテスト等の日本国内予選等・・・・・・・・・・49

(4) 科学の甲子園 都道府県代表選考会参加人数・・・・・・・・・・・・・・・49

(5) その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49

VII. 効果検証とプログラム等の改善に向けた取組

(1) 効果検証の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49

(2) 日常的な取組の改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

(3) 修了生との関係性の維持の取組の計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

(4) 修了生の追跡調査による効果検証の計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

VIII. 開発手法や成果の他機関や社会的波及の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

IX. グローバルサイエンスキャンパスの実施体制

(1) コンソーシアムの構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51

(2) 学内の実施体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52

(3) 機動的で安定した実施体制づくりに向けた取組・・・・・・・・・・・・53

X. 大学としての中間評価と今後の重点課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

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<資料編>

1. 育てたい人材像の育成要件と目標水準(詳細)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55

2. 募集(応募)状況・実績を示す具体的な資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57

3. プログラムの具体的な実施内容・カリキュラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58

4. 「評価基準」詳細 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67

5. 評価結果の詳細・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79

6. 人材育成の成果、達成水準を示す具体的資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82

7. 実行推進体制図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86

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I. 企画の概要

本企画の全体目的及び目標については、業務計画書において以下のとおり明確に設定し

ている。

① 真に独創的で、科学・技術の世界を牽引する研究者となる人材の養成を目的とする。 ノ

ーベル賞(物理学賞、化学賞、生理学・医学賞)を受賞したいと夢見ている、独創的でイマ

ジネーション豊かな研究者、さらには世界の舞台でリーダーになり得る人材。また、そうな

りたいと思う強い意志と高い志をもつ人材を募集する。

② 3つのステージ(講義・授業、実験・実習の滞在型研修、海外研修)で選抜・評価を行

い、将来、世界の科学・技術を牽引するリーダーを高校生時代から発掘・育成する人材育成

プログラムとする。それを実現するための重要なポイントは、大学と高等学校との交流実績

と信頼関係、さらに、学内の教員と学生の理解と献身的な協力である。名古屋大学は、これ

まで東海地区4県のSSH校を中心とする各高校との高大連携の実績があり、緊密な信頼

関係が既に築かれている。

③ 第3ステージ修了者の中からは、将来、科学・技術にイノベーションをもたらす科学者・

技術者やノーベル賞受賞者が輩出することを期待する。

業務計画の概要については、以下のとおりである。

① 受講生の募集については、名古屋大学のホームページ等を通して全国へ広く募集を周

知する。また、東海四県公立高等学校長会、愛知県私学協会、東海地区4県・名古屋市の各

教育委員会から成るコンソーシアムを通じて協力を依頼する。募集は個人応募と学校推薦

による応募の2つで行う。応募書類には、本プログラムへの応募の動機や受講したい講義テ

ーマ、実験・実習をしたい分野及びその具体的な内容などを記入させ、受講開始前の受講生

の意欲・能力調査も兼ねる。応募者が100名を大幅に超えた場合は、書類選考で100名

程度に絞る。

② 本プログラムのコンソーシアム(名大 MIRAI GSC コンソーシアム)は、名古屋大学の

5つの研究科(理学研究科、医学系研究科、工学研究科、生命農学研究科、環境学研究科)

の担当教員と名古屋大学高等研究院の担当教職員、東海四県公立高等学校長会、愛知県私学

協会および東海地区4県・名古屋市の各教育委員会から成る。(※環境学研究科は平成29

年度から参画)

③ 本プログラムは3つのステージ(第1ステージ:講義、第2ステージ:本大学の研究室

での実験・実習研修、第3ステージ:海外研修とその事前準備)から成る。自然科学に対し

ての独創的な探求能力や多分野横断的な思考力は、第1ステージでの講義で基礎的知識の

習得、第2ステージでの思考力・判断力・表現力の研鑽、第3ステージでの世界を活動の場

とした英語を用いての貴重な体験を通して、より効果的に受講生のなかに芽生えていくと

考えられる。第2ステージの本学の各研究室での5日間以上を目安とする実験・実習研修は、

受講生個人または2名ずつのペアで行い、研究室からの指導と議論が十分に行えるように

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配慮する。具体的には、受講生1名につき研究室の学部生または院生1名程度をチューター

役として配置し、個人単位の指導とケアをきめ細やかに行う。各研究は個人または2名ずつ

のペアで行うが、2名のペアで行う場合は共同研究者と密に連携して共同研究を推進する

能力が培われる。これは国際的な研究者になるために最も重要な資質の一つである。第3ス

テージの海外研修では、名古屋大学が緊密な連携あるいは提携関係にある海外の一流大学

に受講生を派遣する。受講生には海外の関連大学の教育と研究の様子を見聞させ、大学の教

授・大学院生に対して研究成果を発表・討論させる。

④ 第1ステージでは、100名程度の受講生全員に9テーマ(トピックス)の講義(内、

1講義は英語がネイティブの外国人教授のオール英語講義)を受講させる。講義は6月及び

7月の土曜日に3回(各回、3講義)を名古屋大学の講義室で実施する。講師は本プログラ

ムに参画する理学研究科、医学系研究科、工学研究科、生命農学研究科及び環境学研究科の

5つの研究科から宇宙(地球)、物質、生命、環境等の分野の研究者が行う。受講生には各

講義において発想力を問う課題を出題し、レポートを提出させる。また、テーマを決め研究

室を選択して実験・実習研修を行う場合に、どのような分野の研究を実際に行いたいかを問

う。なお、第1ステージ実施に伴う費用は本大学の自己財源で賄う。第1ステージ修了時の

一次選抜は、受講生の講義レポートをもとに選考を行う。選抜基準は前年度の評価方法を基

に改定する。

⑤ 第2ステージでは、一次選抜で選ばれた受講生約50名を約25研究室に配属し、7月

下旬~8月上旬までに必要な日数(5日間以上を目安)で実験・実習研修に参加させる。こ

こでは、第1ステージで受講生自らの意志で選択または考案したテーマについて、各研究室

での実験・実習研修に参加させる。実験・実習研修において、受講生は指導教員及びチュー

ター役の院生または学部生と実験結果についての議論を行い、研究室内でのプレゼンテー

ション作成と発表練習を行う。実験・実習研修の初日に受講生全員を対象に共通の講義或い

は実習を実施する。具体的には、独創的かつ論理的な実験・実習研修への取組み等について

の講義を初日に、英語による研究発表の極意等についての講義を最終日に行う。各研究室で

の実験・実習研修の終了後、8月中旬に成果発表会を実施する。これは第3ステージへ進む

ための二次選抜を兼ねる。成果発表会と平行して、受講生個人の英会話能力のチェックを行

う英会話能力審査を実施する。第2ステージで重要なことは、実験・実習の結果の解釈や意

義を受講生が自分の頭で徹底的に考えることにある。第2ステージ終了後に各研究室の意

見を収集し、受講生一人一人の能力を伸長させる仕組みを翌年度以降のプログラムにフィ

ードバックする。第2ステージ修了時の評価は、実験・実習研修の過程と成果発表会で行う。

実験・実習研修中の評価はルーブリック評価で行い、成果発表会では独創力、企画力、工夫

力、質疑応答力、プレゼン力を4段階法で評価する。

⑥ 第3ステージ(ファイナルステージ)では、二次選抜で選ばれた約20名を事前研修に

参加させた後、約1週間の海外研修に派遣する。平成28年度と同様に、平成29年度も名

古屋大学と強い連携関係にあるドイツのフライブルク大学へ派遣し、世界の最先端の研究

環境を受講生に体感させ、研究成果発表会を行う。海外研修の事前には、外部の専門家によ

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る英語プレゼンテーション講習を複数回行う。第3ステージ修了時の評価は、海外研修の研

究発表についての評価及び第3ステージ期間を通してのポートフォリオ評価により実施す

る。評価については、主に第3ステージ指導教員及び海外研修引率教員が行う。海外研修事

前の引率者会議(2月下旬開催予定)において、引率教員へ評価基準について説明を行い、

共通理解のもとに適正な評価を実施する。評価基準については前年度の評価・反省を基に改

定する。

⑦ 3つのステージ全体を通じて、受講生が徹底して自分の頭で考えること及び常に問題

意識を持つ訓練を行うことが最も個に応じた才能育成の基礎であることを念頭に本企画を

計画・推進する。特に、第2ステージでは、日本語もしくは英語で実験・実習研究を行った

研究室の指導教員がプログラム終了時まで受講生のメンターの役割を果たし、個に応じた

きめ細かな才能育成を行うだけでなく、受講生1名に対しチューター役となる院生または

学部生が実験・実習のフォローをし、外国語に苦手意識をもつ受講生には個別にアドバイス

を行うなど、受講生一人一人への指導とケアを徹底して行う。さらには、各研究室の留学生

や外国人研究員から受講生が実用英語についてのアドバイスを受ける機会を設け、個々人

のレベルに応じて英語を習得することの可能な環境を設定する。

⑧ 本プログラムの効果の検証は、第3ステージ修了生約20人の追跡調査を基に行う。大

学進学以降の追跡調査については、出身高校の本プログラム担当教員が行う。また、本プロ

グラム事務局から随時メール等を通じて修了生一人一人の現状を把握する。

⑨ 本プログラムで採用する3ステージ制(講義・授業、実験・実習の滞在型研修、海外

研修)の人材育成プログラムは、様々な分野のリーダーとなる人材の育成及びその発掘方

法として一般に応用できる。第3ステージ修了者には各分野の研究推進スキルのみなら

ず、精神的タフネスさや英語力(語学力)を養うこととなる。本プログラムの社会に対す

る波及効果は極めて大きい。

⑩ 各ステージの全体会において、高校生を対象とする科学技術コンテスト等の情報を積

極的に提供し、受講生の参加を促す。また、各高校の担当教員には受講生に対して科学技術

コンテストへの参加を推奨するように依頼する。参加実績については受講生に事務局への

報告を徹底させると同時に、各高校の担当教員にも情報提供について協力を依頼する。

⑪ 各ステージの修了生に、ステージ毎の英文の修了証書を授与する。第3ステージ修了者

には3つの修了書が授与される。

⑫ 本プログラムの成果の社会的伝播の方法や普及についての計画を実施する。

II. 将来の国際的な科学者たち~人材育成面での達成成果

本プログラムを通して、次のような人材を育てることを目標とする。

① ノーベル賞(物理学賞、化学賞、生理学・医学賞)を受賞したいと夢見る高い志をも

つ人材。

② 自然科学への興味関心が高く、独創的な探求能力のある人材。

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③ 多分野横断的 (interdisciplinary) な思考力を有し、科学技術革新やイノベーショ

ンへの意欲を有する人材。

④ 国際的に見て、真に独創的でイマジネーション豊かな研究者、さらには世界の舞台で

基礎科学を牽引するリーダーになり得る人材。また、そうなりたいと高い志をもつ意欲的

な人材。

第1ステージ講義では、最先端の研究の魅力や知識を得て、自然科学への興

味・関心を高め、受講生は自らの研究課題について考察した。

第2ステージ実験・実習(研究室滞在型研修)では、受講生はペアと協力して共同研究

を行った。

第3ステージ海外研修では、海外の先進教育・研究の現状を知り、英語でのプレゼン能

力や質疑応答能力、外国人を聴衆としても物怖じしない精神的なタフネスさを養った。

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海外研修の事前研修(英語プレゼンテーション習得プログラム)では、外部の専門家を

招いて英語プレゼンテーション技法の講習を数回行った。また、本大学のG30留学生及

び教員が協力して、受講生一人一人に対してきめ細やかな英会話指導を行った。

本企画の目的である「真に独創的で、科学・技術の世界を牽引する研究者となる人材の育

成」を達成するために、以下の3点を重視して3つのステージを実施した。

① 世界の最先端で実験研修の経験し、成果発表と議論を行う。

② 独創力の養成と基礎学力の研鑽はもとより、精神的なタフネスさの涵養を行う。

③ 国際舞台で必要な、斬れる語学力(科学のロジックで欧米人と意思疎通ができる語学力)

を磨く。

第1ステージから第2ステージ、さらに第3ステージへの選抜は、受講生にとっては大き

な精神的チャレンジであったと推察されるが、目標の一つである精神的なタフネスさの涵

養を行うことができたと考えている。第2ステージ以降のペアリングによる共同研究体制

は、研究者にとって最も重要な資質の一つである共同研究をする能力の育成を図るもので

あり、アンケート結果から、ねらい通りに達成できたことが伺えた。同様に、国際舞台で必

要な斬れる語学力(科学のロジックで欧米人と十分に意思疎通ができる語学力)を磨くとい

う目標が達成できた。ファイナルステージの海外研修に参加した受講生は、今後の研究に対

する意欲、さらに自然科学について学びたいという気持ち、英語力を磨きたいという気持ち、

海外留学や国際社会への興味・関心が大いに高まったことが、海外研修修了後に実施したア

ンケート結果からも顕著であった。

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III. 受講生の募集と一次選抜

(1)受講生募集の方針と選抜基準

業務計画どおり、以下の方針に基づいて募集を行った。

応募者数目標は約100名と設定した。名古屋大学のホームページ等を通して全国に広

く募集を周知するとともに、コンソーシアムを通じて、東海4県の高等学校を中心に応募へ

の協力依頼を行った。東海4県(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)の各高等学校には実施

要項と参加申込書の配布を行い、主要校についてはコーディネータが戸別訪問を行った。

受講生は「一般応募」及び学校長の推薦による「学校推薦」で募集し、ともに学校を通し

て参加申込書を提出させた。「学校推薦」では学校長または担当教員による推薦理由の記載

を必要としたのに対し、「一般応募」では記載不要とした。

応募者の選抜基準及び選抜方法は以下のとおり。

① 受講者の要件

4月において高等学校に在学する第1学年または第2学年の生徒であること

英語による日常的なコミュニケーションができること(英検準2級程度)

3つのステージの研究活動日に参加できること

② 意欲・能力調査:参加申込書の「参加希望理由書」に以下の項目を記載させた。

参加を希望する理由

自然科学分野で興味関心をもっている事柄

自然科学分野での研究があればその概要、または大会等での受賞歴

所属する部活動

③ 選抜方法

1年生は翌年度もチャンスがあるため、2年生を優先する。

「参加を希望する理由」「これまでの自然科学分野での研究や大会等での受賞歴」を調べ

上記の選抜基準に基づき、学内運営委員会で各年度の第1ステージ受講生を決定し、各

高等学校へ結果通知を行った。

(2) 募集・一次選抜の具体的な取組・方法

募集の実施状況(平成29年度)

4月17日 募集要項の配布(東海4県の高等学校に郵送及びホームページに掲載)

4月24日 募集開始

4月25日 第1回運営委員会

4月26日 愛知県内SSH校及びSGH校との会議

5月12日 第1回コンソーシアム会議

5月22日 募集終了(申込者259人)

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5月26日 書類審査(第1ステージ受講生178人を選抜)

5月31日 第2回運営委員会(第1ステージ受講生178人を決定)

6月 1日 選抜結果通知

平成29年度は前年度より募集要項の配布を約1か月早め、コンソーシアム会議を通じ

て愛知県、岐阜県、三重県、静岡県及び名古屋市の各教育委員会の協力の下に募集を開始し

た。その結果、応募者数は135人から本年度259人へと倍増した。これは、昨年度の活

動と成果に対して高等学校側から極めて高い評価を受けたと同時に、各教育員会から理解

と大きな協力を得ることができた結果である。理系の卓越した意欲・能力を有する生徒につ

いてよく選考するため、応募者の書類選考では、参加理由希望書の「これまでの自然科学分

野での研究や大会等での受賞歴」から、理科教育先進校(SSH指定校等)での課題研究や

部活動等の成果についての確認を徹底した。

一次選抜の実施状況

6月10日 開講式、第1回講義

6月17日 第2回講義

6月22日・23日 第2ステージ説明会(指導教員への説明会)

7月 8日 第3回講義

7月14日 第3回運営委員会(第2ステージ受講生54人を決定)

7月18日 一次選抜結果通知

平成29度においては、以下の選抜基準及び選抜方法で一次選抜を実施した。

選抜基準

第1ステージ受講生に提出させた9つのレポートについて、講義を担当した講師が採点・

評価を行った。講師には、事前に講義について研究内容の紹介だけでなくテーマに沿った発

想力を問う課題等を出題するように依頼した。

採点・評価の項目

ア 講義内容の理解度:よく理解している5点、ほぼ理解している3点、あまり理解でき

てない1点、理解できてない0点

イ 独創性:とても独創的である5点、まあ独創的である3点、あまり独創的でない1点、

独創的でない0点

ウ 研究への意欲:とても意欲的である5点、まあ意欲的である3点、あまり意欲的でな

い1点、意欲的でない0点

エ 課題等への回答:的確な答えである5点、まあ的確な答えである3点、あまり的確でな

い1点、的確でない0点

なお、特に内容の優れているもの(独創性に優れている、課題への回答がとてもユニーク

である、特に研究室での実験・実習に参加させたい受講生)については、合計点の記入欄上

部にSを記した。上記の4項目ごとに4段階で評価した。1つの講義の最高点は20点、9

講義で合計180点が最高点となる。

選抜方法

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第1ステージの最終日に、受講生がどのような分野での研究・実習を希望するかについて

のアンケート調査を行った。レポートの採点・評価結果及び研究・実習希望分野のアンケー

ト調査結果を基に、第2ステージへの進出者を選抜した。選抜に当たっては男子、女子がそ

れぞれ偶数になるように配慮し、第2ステージの各研究室へ配属するペアリング(約25組)

を行った。以上の選抜方法に基づき、7月中旬に開催の第3回運営委員会で第2ステージ受

講生54人を決定した。

(3)選抜結果と選抜した受講生の能力・資質特性

応募者の選抜結果

平成28年度は応募者数目標100名のところ、135名の応募があり、書類選考で11

5名を第 1ステージ受講生として決定した。平成29年度は目標100名のところ、前年度

の2倍の259名の応募があり、書類選考で178名を第 1ステージ受講生として決定し、

募集規模を大幅に達成することができた。

応募者の選抜結果(第 1ステージ受講生数)、及び一次選抜の結果(第2ステージ受講生

数)については、以下のとおり。

平成28年度

都道府県

参加申込み 第1ステージ 第2ステージ

男 女 計 男 女 計 男 女 計

愛知県 73 42 115 63 34 97 24 20 44

岐阜県 5 5 10 5 4 9 3 4 7

三重県 1 0 1 1 0 1 0 0 0

静岡県 4 4 8 4 4 8 3 4 7

茨城県 1 0 1 0 0 0 0 0 0

合計 84 51 135 73 42 115 30 28 58

平成29年度

参加申込み 第1ステージ 第2ステージ

都道府県 男 女 計 1年生 男 女 計 1年生 男 女 計 1年生

愛知県 105 91 196 45 67 58 125 22 17 23 40 0

岐阜県 20 10 30 11 15 9 24 7 3 3 6 0

三重県 2 10 12 3 2 8 10 1 0 2 2 0

静岡県 12 8 20 4 11 7 18 2 0 4 4 0

神奈川県 1 0 1 1 1 0 1 1 0 0 0 0

合計 140 119 259 70 96 82 178 33 20 32 52 0

受講者の能力・資質特性(受講前受賞歴)

各年度の受講者の能力及び資質特性(受講前受賞歴等)については以下のとお

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り。

平成28年度

平成27年度あいち理数推進事業「知の探究講座」参加(高校2年男子1人)

2012年2月第5回ひとづくり・ものづくり 知恵と技こども競技大会 総合優秀賞

(高校2年男子1人)

安城市中学生 科学省 かがくのひろば 1年入賞「生物の走性」2年入省「イモリと水温

と湿度の関係」(高校2年男子1人)

名古屋市科学館主催「燃料電池自動車プロジェクト」(平成26-28年)高校一年次か

ら参加(高校2年男子2人)

数学オリンピック地区表彰受賞数検準1級 素数の性質の研究(高校2年男子1人)

科学創作コンクール 理科自由研究部門 入賞(平成26年度)(高校2年男子1人)

科学創作コンクール 理科自由研究部門 優秀賞(平成27年度)(高校2年男子1人)

レゴロボットの大会で東海大会準優(小学6年時)(高校2年男子1人)

少年少女ロボットセミナーin名古屋 競技会 優勝(高校2年男子1人)

高文連自然科学専門部研究発表会優秀賞「電解質水溶液中におけるローレンツ力の大きさ

と、磁力、電流、水溶液の種類との関係性を調べる実験」(高校2年男子1人)

豊橋市高校生技術アイデア賞 アイデア部門奨励賞「プレッシャースタディペン:勉強し

た時間だけスマートホンが使える」(高校2年男子1人)

第48回岐阜市児童生徒科学作品展 銅賞「動く太陽系模型」(高校2年男子1人)

一般社団法人静岡倶楽部 科学研究奨励賞 受賞「なぜ人々にはそれぞれに好きでないと思

う味があるのか」(中学3年時)(高校2年女子1人)

多治見市発明くふう展絵画の部 岐阜県議会議長賞(高校2年女子1人)

オオカナダモと光合成の研究 岐阜県科学作品中央展出品(高校1年女子1人)

ロボカップジュニア東海ブロック大会・サッカーBオープン準優勝(高校1年女子1人)

平成29年度

第55回岐阜県児童生徒科学作品展 小学校の部 入選(高校2年1人)

直線と曲線でのボールの転がり方の違いについての研究」

第57回岐阜県児童生徒科学作品展 中学校の部 入選(高校2年1人)

「釘を磁石の近くにおいたときに釘が磁力を持つ現象についての研究」

第59回岐阜県児童生徒科学作品展 中学校の部 入選(高校2年1人)

「熱交換型換気扇の研究。エコで効率のいい熱交換システムの検証実験」

各務原市科学作品展 銀賞(中学1年時)、金賞(中学2年時)(高校1年1人)

2017年3月「岐阜県博物館調査研究報告」寄稿(高校1年1人)

「岐阜県関市小屋名におけるニホンカモシカの記録」

岐阜県児童生徒科学作品展中央展出品「オオカナダモと光合成の研究」(中学時)

(高校2年1人)

夏季科学作品展入選「花の観察」「植物から紙作り」「空気の膨張と収縮」「卵

の浸透膜で浸透圧の実験」(小1~小5、中1~中3時)(高校2年1人)

岐阜県児童生徒科学作品展「武義高校に咲いた白いネジ花の形態観察~本州で散

発的にみられるナンゴクネジバナに酷似した種の可能性~」入選、第1回 東海

地区理科研究発表会 審査員特別賞(高校2年2人)

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第2回科学の甲子園ジュニア 全国大会出場(高校2年1人)

第29回山崎賞、平成24年児童生徒理科研究作品審査会にて入賞(高校2年1

人)

First Lego League(FLL)参加(2回)(高校1年1名)

平成27年度 創造アイデアロボットコンテスト東海大会ベスト16(高校1年

1人)

平成28年度 創造アイデアロボットコンテスト静岡県大会 第3位(高校1年

1人)

平成24年 ロボカップジュニアなごや大会 優勝(高校2年1人)

平成27年 ロボカップジュニア東海ブロック大会・サッカーBオープン準優勝

(高校2年1人)

平成28年 ロボカップジュニアなごやオープン・ World Leagueオ-プン優勝

(高校2年1人)

平成28年 ロボカップジュニア東海ブロック大会・サッカーオープンリーグ優

勝(高校2年1人)

平成26年 科学創作コンクール 科学工作部門 入選(高校1年1人)

平成27年 科学創作コンクール 科学工作部門 優秀賞 益川名誉館長特別賞

(高校1年1人)

平成28年 科学創作コンクール 科学工作部門 優秀賞 中部科学技術センタ

ー賞(高校1年1人)

愛知県高文連自然科学発表会 優秀賞「自然分晶の思索」(高校2年1人)

愛知県高文連研究発表会 優秀賞(高校1年2人)

生物学オリンピック 優秀賞(高校2年1人)

第8回豊橋市自然史博物館自由研究展 入選(高校2年1人)「蚊の仕組み」

第15回AITサイエンス大賞 社会科学・地域づくり部門 優秀賞(高校2年

2名)

日本生物学オリンピック2016 優良賞「ミドリムシの効率的な培養法と、培

養によるpH変化の研究」、「アカパンカビの接合に関する研究」(高校2年1人)

愛知県高文連 優秀賞「ミドリムシのpH調整能力について」(高校2年1人)

あいち科学の甲子園ジュニア2014 敢闘賞(高校2年1人)

第60回 プリマーテス研究会 優秀口頭発表賞「ボリビアリスザルの年齢によ

るものを口に運ぶ回数の違い」(高校2年1人)

平成28年度愛知県高文連自然科学専門部研究発表会 優秀賞(高校2年1人)

「ボリビアリスザルのアカンボウの成長と近接固体の変化」

第9回グローブ日本生徒の集いグローブ賞「校内樹木の生物季節観測」

(高校2年1人)

少年少女発明クラブチャレンジコンテスト 地区大会優勝、全国大会銅賞(高校

2年1人)

第12回全国物理コンテスト物理チャレンジ2016 レポート評価AA「単三

乾電池から取り出せるエネルギー量の測定」(高校2年1人)

IV. 「将来国際的に活躍しうる傑出した科学者」を育てる教育プログラム

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(1) プログラムの全体像

本プログラムでは、真に独創的で、科学・技術の世界を牽引する研究者となる人材の養成

を目的とし、以下のような人材を育てることを目標として設定している。

① ノーベル賞を受賞したいと夢見る高い志をもつ人材

② 自然科学への興味関心が高く、独創的な探求能力のある人材

③ 多分野横断的な思考力、科学技術革新やイノベーションへの意欲を有する人材

④ 世界の舞台で科学研究のリーダーになり得る人材

以上の人材育成目標に基づき、3つのステージを設定し、育成目標に結びついた教育プロ

グラムを実施している。

第1ステージ:9人の講師による9つの講義を受講し、最先端の研究の魅力や知識を得て、

自然科学への興味関心を高め、自らの研究課題について考察する。

第2ステージ:実験・実習の研究室滞在型研修に参加し、実験・実習を自ら計画、推進、

まとめ、プレゼンする能力及び共同研究を進めるための能力を養う。

第3ステージ:事前研修(英語プレゼンテーション習得プログラム)及び海外研修への参

加を通じて、海外の先進的な教育・研究の現状を知り、英語でのプレゼンテーション能力及

び質疑応答能力、外国人を聴衆としても物怖じしない精神的なタフネスさを身につける。

本プログラムでは、3つのステージの全てを通じて、徹底して自分の頭で考えること、

また常に問題意識を持つ訓練を行うことが最も個に応じた才能育成の基礎であることを念

頭に計画・推進している。3つのステージを通じて、高等学校の教育課程の水準を遥かに

超えた高度な教育プログラムとなっている。本企画の最も重要な特色は、プログラムが生

徒に与えられるのではなく、受講生が各ステージで常に自ら考え、大学教員とインタラク

テイブにプログラムを推進することにある。受講生にはレベルの高いゴールを設定させ、

多少の困難にも挫けることなく前に進むことのできるタフな精神を涵養させている。世界

で活躍するためには、まず研究者は精神的なタフネスが要求される。精神的なタフネスさ

は生徒の生まれ育った生活環境や性格によるところが大きいが、受講生がステージ毎の選

考を乗り越えることで精神的タフネスさを養うことを目標としている。

(2) 国際性付与の方針

国際性の付与については、各年度において以下のとおり教育プログラムを実施してい

る。

① 第1ステージでは、9つの講義のうち1つの講義において、ネイティブの講師が講

義および質疑応答をすべて英語で行った。

② 第2ステージでは、受講生が配属先の研究室の指導教員・大学院生等から関連英語

を学び、外国人研究員や留学生と英語での交流を行った。

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③ 第3ステージでは、配属先の研究室の指導教員、大学院生、留学生らの協力の下に、

受講生が英語での研究発表を作成した。発表時の質疑応答についても英語で準備した。

④ 海外研修では、海外の教員に対して英語でのポスターまたはオーラル発表を行い、

質疑応答も全て英語で対応した。

⑤ 海外研修への派遣に向けて、外部の専門家による英語プレゼンテーション技法の

講習を複数回行った。また、英語を得意としない受講生が十分に準備をして研究発表を遂

行できるように、名大G30留学生及び教員が協力して一人一人の英会話能力に応じた

指導を行った。

⑥ 各ステージの修了者には、ステージ毎に英語の修了書(Certificate)を授与した。

(3) 講座の具体的な内容(各講座要素の活動の具体的事例)

平成28年度においては、以下のとおり各ステージを実施した。

第1ステージ講義

東山キャンパスにて3回実施

参加者

受講生115人、教員(講演者等)11人、スタッフ第3ステージ人、高校教員

(見学等)10人

実施内容

講義形式の授業(質疑応答含む)及びレポート作成

実施方法(一次選抜)

各回3つの講義形式の授業及び質疑応答を各研究科の講演者が行った。講演者が

発表した課題について、受講生は講義終了後30分間でレポートを作成した。講演

者は理解度、独創性、研究への意欲、課題等への回答の4つの基準についてレポー

トの採点を行った。レポートの評価・採点結果に基づき、学内運営委員会において

第2ステージへ進出する58名を決定した。

実施状況

講演者 講義テーマ

7月

9日

第1回

開会式

挨拶

理事・副総長

國枝 秀世

講義1 医学系研究科教授

藤本 豊士 「脂質は細胞の中で何をしているか」

講義2 工学研究科教授

田邊 靖博

「材料の一生と科学との関わりを考える-

炭素繊維強化樹脂複合材料を例として-」

講義3 生命農学研究科准教授

MATURANA Andres Daniel

「Gates for ions and molecules in

the cell membranes」

6月

17日

第2回

講話 高等研究院院長

篠原 久典 「2016名大MIRAI GSC」

講義4 トランスフォーマティブ

生命分子研究所

「身のまわりのミクロな世界:原子・分

子レベルで世界を眺めると」

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特任准教授 横川 大輔

講義5 理学研究科講師

滝口 金吾

「脂質膜-生体内の核酸でも蛋白質で

もない重要な存在-」

講義6 工学研究科准教授

佐藤 浩太郎

「豊かな生活とみらいに向けたプラス

チック」

7月

23日

第3回

講話

工学研究科教授

天野 浩

(2014年ノーベル物

理学賞受賞)

「名大MIRAI GSC受講生のみなさん

へ」

講義7

シンクロトロン光研究セ

ンター教授

渡邉 信久

「シンクロトロン放射光と蛋白質結晶学-

蛋白質の形の解明とその応用-」

講義8 理学研究科准教授

松原 隆彦 「宇宙の誕生から終焉まで」

講義9 医学系研究科教授

大野 欽司 「水素はなぜ体によいのか」

第2ステージ実験実習

東山キャンパスまたは鶴舞キャンパスの各研究室で5日間以上を目安に必要日数を実施。

参加者

研究室29(工学研究科10、理学研究科10、医学系研究科5、生命農学研究科4)

受講生58人

実施内容

受講生(2人ペア1組)が29の研究室に分かれて5日間以上を目安に実験実習を行った。

実施方法(二次選抜)

受講生は、8月1日から9日まで、本大学の各研究室で5日間以上を目安とした実験・実

習研修に参加した。研究は2人1組のペアで行い、研究室の指導教員から指導及び議論が十

分に行えるように配慮した。各研究室に分かれての実験・実習研修の終了後に、全体で成果

発表会を開催した。受講生ペアは、化学系、物理系、生物/医学系の3つの会場に分かれて

研究成果についての口頭発表を行った。審査員は、独創力、企画力、工夫力、持続力、プレ

ゼン力、英語力の6つの基準に基づいて、発表内容の評価・採点を行った。英会話能力を調

べるため、質疑応答ではG30教員が英語での質問を行った。成果発表会の評価・採点結果

及び各研究室の指導教員からの実験・実習の取組みに対する評価について、第7回運営委員

会にて検討し、第3ステージへ進出する22人(ペア11組)を決定した。

実施状況

7月28日 第6回運営委員会 成果発表会の評価基準検討

7月29日 一次選抜 結果通知(第2ステージへの選抜結果通知)

8月1日 第2ステージ説明会(受講生へ)

8月1日~8月9日 第2ステージ実験実習(内、5日間を目安として実施)

8月12日 成果発表会(二次選抜)

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8月23日 第7回運営委員会

9月 1日 二次選抜 結果通知(第3ステージへの選抜結果通知)

第2ステージ初日には実験・実習の安全衛生講習を開催した。また、受講生に実験・実習

計画(自己評価用ルーブリック)の事前指導を行った。その後、各研究室に分かれての実験・

実習の説明やオリエンテーション等を行った。また、必要に応じて各研究室で設定したテー

マに従った内容の安全衛生講習(生命倫理に関する講習等)を追加で受講させた。

5日間以上を目安とした実験・実習では、指導教員が受講生のメンターの役割を果たし、

一人一人の能力に応じたきめ細かな才能育成を行うように配慮した。さらに、受講生1人に

つき院生または学部生最低1人がチューター役となり、実験・実習のフォローを行った。チ

ューター役の院生または学部生は外国語に苦手意識をもつ受講生には個別にアドバイスを

行うなど、受講生一人一人への指導とケアを丁寧に行った。

平成28年度 第2ステージ実験・実習 成果発表会

発表タイトル 研究室名

CPUの冷却を目的とした尿素の溶解条件の検討 工学研究科 反応プロセス工学研究室

アミンによる地球温暖化対策技術 実用化に向けて 工学研究科 堀添研究室

バイタルデータを使った冷房環境の快適性評価 工学研究科 分子化工研究室

低融点の生体機能ガラスの合成 工学研究科 大槻研究室

アミロースのらせん空孔内における PPVの合成とその

安定性について 工学研究科 八島研究室

低毒性量子ドット増感太陽電池の作製と変換効率の

向上 工学研究科 鳥本研究室

磁気温熱療法用発熱体への応用に向けた磁性ナノ粒

子の合成 未来材料・システム研究所

分子シミュレーションによる Arの三態の研究 工学研究科 岡崎研究室

生物由来の医薬品開発をめざして 工学研究科 堀・飯島研究室

鈴木-‐宮浦カップリング反応の優位性, 人工 DNA を

用いた一塩基多型の検出 工学研究科 石原・浅沼研究室

超伝導 理学研究科 固体磁気共鳴研究室

サブミリ秒の時間域におけるウマアポミオグロビン

中間体の形成過程 理学研究科 細胞情報生物物理研究室

宇宙マイクロ波の背景放射の揺らぎの抽出と解析 理学研究科 銀河進化学研究室

光速の測定とエーテルの観測 理学研究科 素粒子物性研究室

ナノピーポッドの合成と 融合反応速度の評価 理学研究科 物理化学研究室

蛍光変異 GFPの作成 理学研究科 阿部研究室

偽のタンパク質による 緑膿菌の増殖阻害 理学研究科 生物無機化学研究室

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Time-lapse analysis of chloroplast division of

a moss mutant that contains large chloroplasts

理学研究科 発生成長制御学研究室

(吉岡)

線虫 C.elegansの筋細胞の光操作による運動の解析 理学研究科 発生成長制御学研究室

(高木)

ショウジョウバエの巨大ミトコンドリアの体積と精

子の長さとの相関

理学研究科 発生成長制御学研究室

(杉山)

DRUG RESISTANT BACTERIA FROM DAILY MEAL 医学系研究科 分子/耐性菌制御学研

究室

リアルタイムPCRによる 神経芽腫モデルマウスの

遺伝子型決定 医学系研究科 分子生物学研究室

軟骨無形成症モデルマウスに対する薬剤治療効果の

検討 医学系研究科 神経遺伝情報学研究室

CCA処理木材に含まれる Cr,Cu,Asの発ガンリスク 医学系研究科 環境労働衛生学研究室

出芽酵母接合突起におけるリン脂質の分布 医学系研究科 分子細胞学研究室

近赤外光を用いた糖度計測の仕組み 生命農学研究科 生物システム工学研

究室

スイカ液胞膜のシトルリン輸送の研究 生命農学研究科 細胞ダイナミクス研

究室

グリセロールの有効利用を目指したアセタール化反

生命農学研究科 高分子生物材料化学

研究室

サクサンにおける核多角体病ウイルスの感染性の調

査 生命農学研究科 資源昆虫学研究室

第3ステージ事前研修

東山キャンパスで10月~2月に6回実施

参加者

研究室11(工学研究科3、理学研究科4、医学系研究科2、生命農学研究科2)

受講生22人、外部英語講師2人、海外研修引率教員3人、G30留学生6人

実施内容

海外研修への派遣に向けて、受講生に対し英語プレゼンテーション習得プログ

ラムに基づき、発表練習を実施した。

英語プレゼンテーション習得プログラム

① 海外研修の事前準備において、外部の専門家による英語プレゼンテーショ

ン技法の講習を複数回行った。

② 本大学のG30留学生及び教員、海外研修の引率教員が協力し、受講生一

人一人の能力に応じた英会話指導を行った。

③ 「科学三昧inあいち」(愛知県内SSH高校中心の高校生による科学研究

発表会)へ受講生を参加させ、英語で研究成果の発表を行い、聴衆と質疑応答す

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る機会を設けた。

※「科学三昧 in あいち」は、SSH校に限らず愛知県下の科学に興味・関心の高い高校

生が300人(教員等も含めると全参加者は400人)以上集まる研究発表大会であり、本

大学、豊橋技術科学大学、岡崎分子科学研究所などの教員が参加した。多くの高校生へ本プ

ログラムの取り組みを紹介し、来年度以降の受講生募集の助けとした。

実施状況

10月 1日 第1日目 英語による研究発表会、口頭発表ポスター発表決定

10月22日 第2日目 篠原教授の英語プレゼン講義、外部講師による講習①

10月29日 第3日目 発表練習、外部講師による講習②

12月21日 第8回運営委員会 海外研修に向けて①

12月27日 科学三昧 in あいち発表会 英語での研究発表

1月28日 第4日目 発表練習、海外研修直前指導①

2月 9日 第9回運営委員会 海外研修に向けて②

2月18日 第5日目 発表練習、海外研修直前指導②、海外研修引率者会議

海外研修

参加者

受講生22人、海外研修引率教職員5人

実施内容

第3ステージ進出者22人(内、1人は体調不良により参加を辞退)を対象に、

本学が緊密な連携関係にあるドイツ連邦共和国フライブルク大学へ研修旅行を実

施した。受講生は伝統ある大学の教育と研究に触れると共に、フライブルグ大学

の教授や大学院生らに対して研究成果を発表し、質疑応答を行った。

実施状況

3月 9日 中部国際空港出発

3月10日 フライブルク大学研修① ウェルカムセミナー、キャンパスツアー

3月11日 ハイデルベルク大学訪問 名大卒業生からの講話、市内散策、マウル

ブロン修道院(世界遺産)見学

3月12日 スイス連邦工科大学チューリッヒ校訪問 ETH博物館見学、Technorama

(科学博物館)見学、ラインの滝見学

3月13日 UWC Bosch Collegelege訪問 学生ディスカッション、キャンパスツアー

3月14日 フライブルク大学研修② 研究発表会、有機化学ラボ見学

3月15日 フライブルク出発

3月16日 帰国

3月23日 海外研修報告会、第2回コンソーシアム会議

フライブルク大学 研究発表会

日時:3月14日(火)10:00~13:00

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場所:フライブルク大学学長棟

審査員:フライブルク大学副学長 Gunther Neuhaus 教授、Daniel Weiss教授、Christiane

Kutnar教授、Bernhard Breit教授

発表形式:口頭発表4件、ポスタープレビュー7件、ポスター発表7件

口頭発表

Formation Mechanisms of Folding Intermediates of Horse Apomyoglobin

Extracting and mapping anisotropies in Cosmic microwave background

Synthesis of Poly Para-phenylene Vinylene in a Helical Cavity of Amylose and

Investigation of Its Stability

Designing Fluorescent Variant GFP

ポスター発表

The effects of meclozine for mouse model of achondroplasia

Toward using insect viruses as pesticides: Why can the nucleopolyhedrovirus kill

an only target insect?

Fabrication and Improvement in Conversion Efficiency of Low-Toxic Quantum Dot-

Sensitized Solar Cells

Synthesis of magnetic nanoparticles for hyperthermia

Measurement of light speed and observation of ether

Carcinogenic risk of chromium, copper and arsenic in CCA-treated wood

Acetalization Reaction of Glycerol toward Synthesis of Bio-based Plastics

平成29年度においては、以下のとおり各ステージを実施した。

第1ステージ講義

東山キャンパスにて3回実施

参加者

受講生178人、教員(講演者等)11人、スタッフ3人、高校教員(見学等)

10名

実施内容

講義形式の授業(質疑応答含む)及びレポート作成

実施方法(一次選抜)

各回3つの講義形式の授業及び質疑応答を各研究科の講演者が行った。講演者が

発表した課題について、受講生は講義終了後30分間でレポートを作成した。講演

者によるレポートの評価・採点結果に基づき、学内運営委員会において第2ステー

ジへ進出する54人を決定した。

実施状況

講演者 講義テーマ

6

10

開会式挨拶 高等研究院院長 篠原 久

講義1 理学研究科准教授 戸部

和弘

「素粒子論入門 〜小林・益川

を超える理論を目指して〜」

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講義2 人文学研究科教授 周藤

芳幸

「文化遺産は誰のものか ―パ

ルテノン・マーブルから考える

―」

講義3 医学系研究科准教授 山本

敏充

「ヒトの遺伝的関係から人類の

歴史を紐解く」

6

17

講話 理事・副総長 髙橋 雅英 「2017名大MIRAI GSC」

講義4 生命農学研究科教授 松田

「消化管機能の謎:食べた物の

消化・吸収と排泄」

講義5 環境学研究科教授 サイモ

ン・ウォリス

「Earthquakes and tsunamis

in Japan」

講義6 医学系研究科教授 宮田

卓樹

「脳をつくる細胞のふるまいを

見つめる なぜ『脳の生い立

ち』を研究するのか?Why do/s

hould we study brain develo

pment?」

7

23

講義7 理学研究科准教授 山田

泰之

「"メカニカルな結合"でつくる

分子集合体の化学」

講義8 工学研究科准教授 川口

由紀

「光で原子を制御する~量子の

世界をデザイン~」

講義9 工学研究科教授 宇佐美

徳隆

「太陽電池のデザインとプロセ

ス」

第2ステージ実験実習

東山及び鶴舞キャンパスの各研究室で5日間以上を目安とした必要日数で実施した。

参加者

研究室 27

(工学研究科10、理学研究科8、医学系研究科4、生命農学研究科3、環境学研究科2)

受講生 54人、研究室に所属する教員及び学生チューター、スタッフ等、成果発表会審

査員10人(工学研究科3人、理学研究科4人、医学系研究科2人、生命農学研究科1人、

すべて教員)

実施内容

受講生は、7月21日から8月10日まで、本大学の各研究室で5日間以上を目安とした

実験・実習研修に参加した。研究は2人1組のペアで行い、研究室の指導教員から指導及び

議論が十分に行えるように配慮した。各研究室に分かれての実験・実習研修の終了後に、成

果発表会を開催した。受講生ペアは、化学系、物理系、生物/医学系の3つの会場に分かれ

て研究成果についての口頭発表を行った。審査員は、独創力、企画力、工夫力、質疑応答力、

プレゼン力の5つの基準に基づいて発表内容の評価・採点を行った。また、英会話による個

人面接を実施した。英会話能力審査会の審査員は、英会話を聞き取る能力、英語で発信する

能力、会話力、表現力の4つの基準に基づいて評価・採点を行った。以上の採点結果をもと

に運営委員会にて選考を行い、第3ステージへ進出する26人(ペア13組)を決定した。

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第2ステージ実験実習 成果発表会

題目 研究室名

水質汚染から魚を守れ!

~水中メチレンブルーの除去~

未来社会創造機構 市野・松宮研

究室

火星温度下における電池の性能実験 工学研究科 入山・本山研究室

金ナノ粒子の粒径制御と触媒への応用 未来材料・システム研究所 小澤

研究室

チタンの陽極酸化~光の干渉を知る~ 工学研究科 齋藤・稗田研究室

点欠陥がグラフェンの電子的・機械的特性に及ぼ

す影響の第一原理解析

工学研究科 松永・中村研究室

「ミライ」のエネルギーを支える

~水素透過膜の更なる可能性を探って~

工学研究科 村田・棚橋研究室

銅酸化物系・鉄系超伝導体の作製及び評価 工学研究科 生田研究室

電子の波動性を利用したナノサイズ試料の観察 未来材料・システム研究所 齋藤

晃研究室

太陽電池の発展を目指して 工学研究科 中塚研究室

素粒子を“視る”

ハドロンの解析を通してクォークの研究へ

理学研究科 N研究室

BSアンテナを使用した電波望遠鏡での

太陽の表面温度の計測

理学研究科 A研究室

準結晶の電子物性 理学研究科 M研究室

高温下での光合成酸素発生系の損傷メカニズム 理学研究科 G研究室

Making and testing Near-infrared

fluorescent dye containing phosphorus

理学研究科 機能有機化学研究室

金属有機構造体を利用したリチウム硫黄電池の

開発

理学研究科 物性化学研究室

新たな測定方法で解析した精子の長さと

ミトコンドリアの体積の相関

理学研究科 形態統御講座 発生

成長制御学グループ

コフィリンによる F-アクチンの構造変化 理学研究科 超分子構造学講座

構造生物学研究センター クライ

オ電子顕微鏡研究グループ

炭素分子内包カーボンナノチューブの研究

種々の炭素分子をカーボンナノチューブに内包

することは可能か?

理学研究科 物理化学研究室

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大気硝酸をトレーサーとして利用した河川水中

の硝酸の挙動解析

環境学研究科 大気水圏科学講座

生物地球化学グループ 物質循環

科学講座

岩石の密度と地震波速度 環境学研究科 地質・地球生物学

講座構造岩石学グループ

昆虫-微生物共生系の多様性

-クワガタムシが運ぶ酵母と樹液の酵母の関係-

生命農学研究科 生物環境科学科

森林保護学研究室

窒素固定で世界を救う

~イネにおける窒素固定細菌の局在性と侵入経

路の推定~

生命農学研究科 資源生物科学科

作物科学研究分野

培養したヒト腸上皮細胞におけるタンパク質の

取り込みと細胞内動態

生命農学研究科 応用生命科学科

分子生体制御学研究分野

肺がんにおける EGFR 変異と Gefitinibの作用 医学系研究科 分子腫瘍学

聴覚系神経回路における興奮性シナプス伝達へ

の GABAの作用

医学系研究科 細胞生理学

リーラーマウスの小脳形成不全を治療できない

か 細胞増殖を人工的に刺激したい

医学系研究科 細胞生物学

PESI/MS/MSを用いたアセトアミノフェ

ン肝障害マウスの肝臓内メタボローム解析

医学系研究科 法医・生命倫理学

第3ステージ事前研修

東山キャンパスにて10月~2月に7回実施

参加者

研究室13(工学研究科2、理学研究科6、医学系研究科2、生命農学研究科2、環境学

研究科1)、受講生26人、外部英語講師2人、海外研修引率教員2人、G30留学生6人

実施内容

前年度と同様に英語プレゼンテーション習得プログラムに基づいた英語発表の

練習を行っている。平成29年度は、前年度の修了生が協力し、受講生へ研究発

表を行ったほか、学習面や精神面でのアドバイスを一人一人に対して行った。

実施状況

9月 2日 第1日目 日本語での研究発表、昨年度の修了生による指導

9月30日 第2日目 篠原教授の英語プレゼン講義、口頭発表・ポスター発表を決定

10月21日 第3日目 外部講師による講習①

10月28日 第4日目 外部講師による講習②

12月16日 第5日目 英語発表練習

12月27日 「科学三昧inあいち」で発表

2月 3日 第6日目 学内留学生による指導①

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2月17日 第7日目 学内留学生による指導②

受講生の研究活動の実施状況(第3ステージ進出者)

研究室 研究タイトル

未来材料・システム研

究所 小澤研究室

Particle size control of the gold nanoparticles and

application to the catalyst (金ナノ粒子の粒径制御と触

媒への応用)

工学研究科 村田・棚

橋研究室

Temperature Dependence of Hydrogen Permeability through

Pd-Cu Alloy Membrane (Pd-Cu合金膜を用いた水素透過率

の温度依存性)

理学研究科 N研究室 Origin of Matter -Quarks- Through Studying Hadrons (素

粒子を“視る”ハドロンの解析を通してクォークの研究へ)

理学研究科 A研究室 Measurement of the temperature on the sun by handmade

radio telescope (BSアンテナを使用した電波望遠鏡での太

陽の表面温度の計測)

理学研究科 M研究室 The electric properties of the quasicrystals (準結晶の

電子物性)

理学研究科 G研究室 Molecular Mechanism of the Heat Stress to Oxygen-

evolving System in Photosynthesis (高温下での光合成酸

素発生系の損傷メカニズム)

理学研究科 形態統御

講座 発生成長制御学

グループ

The Correlation Between Sperm Length Measured with a

New Method and the Volume of its Mitochondria (新しい

測定方法で出した精子の長さとミトコンドリアの体積の相

関)

理学研究科 超分子構

造学講座 構造生物学

研究センター

The Structural Change of F-actin by Cofilin binding (コ

フィリンによる Fアクチンの構造変化)

環境学研究科 大気水

圏科学講座 生物地球

化学グループ 物質循

環科学講座

Quantifying nitrate dynamics in river using atmospheric

nitrate as a tracer (大気硝酸をトレーサーとして利用し

た河川水中の硝酸の挙動解析)

生命農学研究科 生物

環境科学科 森林保護

学研究室

Diversity of insect-microbe symbiosis -Relationships

between yeast carried by stag beetles and yeast in tree

sap (昆虫-微生物共生系の多様性 -クワガタムシが運ぶ

酵母と樹液の酵母の関係-)

生命農学研究科 応用 Unraveling the mechanism of food allergies ~Observing

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26

生命科学科 分子生体

制御学研究分野

from uptake by intestinal epithelial cells~ (食物アレ

ルギー発症機構の解明 ~腸上皮細胞によるタンパク質の取

り込み現象~)

医学系研究科 分子腫

瘍学

EGFR mutation status and effect of Gefitinib in lung

cancer(肺がんにおける EGFR変異と Gefitinibの作用)

医学系研究科 細胞生

物学

The Treatment on Cerebellar Hypoplasia of Reeler Mouse

By Artificial Stimulated Cell Proliferation (リーラー

マウスの小脳形成不全を治療できないか 細胞増殖を人工的

に刺激したい)

海外研修

参加者

受講生24人、引率教職員5人

実施内容

第3ステージ進出者24人を対象に、本学が緊密な連携関係にあるドイツ連邦

共和国フライブルク大学等へ研修旅行を行った。海外の伝統ある大学の教育と研

究に触れると共に、研究成果をフライブルグ大学の教授と大学院生の聴衆に対し

英語でプレゼンテーション及び質疑応答させた。本年度はフライブルク大学で、

英語でのプレゼン方法について専門家からの指導を受講した。とても効果の高い

ものであった。また、国際バカロレア校であるUWC Robert Bosch Collegeでエネ

ルギーと自然環境問題の授業に参加し、同年代の生徒たちと英語で意見交換した。

とても意義深いものであった。

実施状況

3月 4日 中部国際空港発、ドイツ、フランクフルト空港着

3月 5日 フライブルク大学ウェルカムセミナー及びキャンパスツアー

3月 6日 UWC Robert Bosch College 訪問、エネルギー問題について意見交換

3月 7日 フライブルク大学で研究発表会、有機化学の研究室を訪問

3月 8日 フライブルク大学で英語プレゼンの語学研修

3月 9日 フランス、ストラスブール大学訪問、物理、化学の教授による特別講演

3月10日 ドイツ、フランクフルト空港発

3月11日 中部国際空港着

フライブルク大学での研究発表

2018年3月7日(水)10:00~13:00 フライブルク大学講義室

出席者(審査員):フライブルク大学副学長 Gunther Neuhaus教授、Wolfgang Seiche

教授、David Maurer 教授、Dietmar Kröner 教授、Michael Wirsching教授、Rose Ruzicka

教授

発表形式:口頭発表5件、ポスタープレビュー7件、ポスター発表7件

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口頭発表:

Molecular Mechanism of the Heat Stress to Oxygen-evolving System in

Photosynthesis

The Correlation between Sperm Length Measured with a New Method and the Volume

of its Mitochondria

Quantifying nitrate dynamics in river using atmospheric nitrate as a tracer

EGFR mutation status and effect of Gefitinib in lung cancer

The Treatment on Cerebellar Hypoplasia of Reeler Mouse By Artificial

Stimulated Cell Proliferation

ポスター発表:

Particle size control of the Gold nanoparticles and Application to the

catalyst

Origin of Matter -Quarks- Through Studying Hadrons

Measurement of the temperature on the sun by handmade radio telescope

The electric properties of the quasicrystals

The Structural Change of F-actin by Cofilin binding

Diversity of insect-microbe symbiosis-Relationships between yeast carried by

stag beetles and yeast in tree sap

Uptake and intracellular transport of food proteins by intestinal epithelial

cells

フォローアップ研修

参加者

受講生26人、外部指導員2人、海外研修引教員3人

実施内容

大学院生の外部講師を迎え、全て英語での講義や発表を行った。第2日目の最終プレゼ

ンテーションでは、受講生全員が、現在の自分の姿や今後の研究者としての在り方等に

ついて英語で発表し、とても良い研修会であった。受講生のアンケート結果では26人

中23名が「最上ランクのよい」、3人が「よい」という回答であった。

実施状況

3月22日(木) フォローアップ研修 第1日目

9:00 自己紹介 アイスブレイキング アクティビティ

10:00 グループディスカッション(海外研修で学んだこと、新たに発見したこと)

11:00 サイエンストーク①(今後50年以内に予想されるテクノロジーの発展と

人々の生活への影響について)

12:00 昼食

12:50 サイエンストーク①(同上)

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14:00 講師によるプレゼンテーション(研究分野と研究者としての在り方・目標)

15:30 諸連絡

16:00 終了

3月23日(金) フォローアップ研修 第2日目

9:00 サイエンストーク②(科学者として今後世の中にどのように貢献したいか)

11:00 最終プレゼンテーションの準備(サイエンストーク①、②を基に今後の目標)

12:00 昼食

12:50 最終プレゼンテーションの準備(同上)

13:30 最終プレゼンテーション(英語で1人3分程度)

14:50 講師講評

15:30 諸連絡

16:00 終了

(4) 一次選抜者の育成状況

一次選抜者の育成状況については、以下のとおりであった。

① 第2ステージにおいて研究室滞在型の実験実習に参加した受講生は、配属

となった研究室で5日間以上を目安とした必要日数での実験実習に参加し、全員

が研究成果をまとめ、口頭発表を行った。各研究室で受講生の意欲や能力に対す

るルーブリック評価を実施したが、ほぼ全ての研究室から高い評価を得た。

② 受講生からは「未知の世界であった研究室の中に入ることができただけで

なく、実際に実験をさせていただいたことが何よりも楽しかった」「将来を真剣

に考える貴重で大切な経験となった」「研究者になりたいという意志が強くなっ

た」「ペアを組むことがコミュニケーション能力の向上に繋がり、2人でアイデ

アを出しあってより深い考察をすることができた」等のアンケート結果が示すと

おりとても高い評価を得た。

③ 成果発表会では、発表のすべてを英語で実施する受講生ペアがあり、英会

話能力の高さが感じられた。

④ 第2ステージでは開講する研究室の基本的な研究テーマを一次選抜者に紹

介してから、所属する研究室の希望を集約した。その結果、ほぼ全ての受講生を

第1希望または第2希望の研究室へ配属することができた。このため、受講生は

興味関心の高い研究室において、意欲的に実験・実習に参加することができた。

(5) 二次選抜の実施と二次選抜者の育成状況

各年度において、以下のように二次選抜を実施した。

平成28年度

第2ステージでの各研究室における実験・実習への取組みに対する評価及び成果発表会

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での評価について運営委員会にて検討を行い、第3ステージへの進出者を選抜した。二次選

抜では、一次選抜と比べて、研究内容の理解だけでなく実験・実習への取組みの姿勢、英語

での表現力などを重視した。

① 各研究室での実験・実習への取組みについての評価は、ルーブリック評価で行った。

② 5日間以上を目安とした実験・実習研修の終了後に、成果発表会を化学系、物理系、

生物・医学系の3つの会場に分かれて開催した。受講生ペアは研究成果の口頭発表を行った。

審査員は、独創力、企画力、工夫力、持続力、プレゼン力、英語力の6つの基準に基づいて

発表内容の評価・採点を行った。また、英会話能力を調べるため、質疑応答ではG30教員

が英語の質問を行った。

③ 受講生に対し、海外研修への参加を希望するかについてアンケート調査を行った。

④ 成果発表会の採点結果及び各研究室でのルーブリック評価について、第7回運営委

員会にて討議・選考を行い、第3ステージへ進出する22人(ペア11組)を決定した。

平成29年度

前年度と同様に、第2ステージでの各研究室における実験・実習への取組みに対する評価

及び成果発表会での評価について運営委員会にて検討を行い、第3ステージへの進出者を

選抜した。

① 各研究室での受講生の実験・実習への取組みについての評価は、前年度と同様にルー

ブリック評価を実施した。受講生には、第2ステージ初日に自己評価ルーブリックの記入に

ついて説明と指導を実施した。また、各研究室の担当教員には、採点者用ルーブリックの記

入について説明及び依頼を行った。

② 各研究室に分かれての5日間以上の実験・実習研修後に、成果発表会を化学系/地球

科学系、物理系、生物・医学系の3つの会場に分かれて開催した。受講生ペアは研究成果の

口頭発表を行った。審査員は、独創力、企画力、工夫力、質疑応答力、プレゼン力、の5つ

の基準に基づいて発表内容の評価・採点を行った。英会話による個人面接を実施し、受講生

が英語を聞き取る能力、発信する能力、会話力、表現力の4つの基準に基づいて、評価・採

点を行った。

③ 受講生に対し、海外研修への参加を希望するかについてアンケート調査を行った。

④ 以上の結果をもとに運営委員会にて討議・選考を行い、第3ステージへ進出する26

人(ペア13組)を決定した。

二次選抜者の育成状況

平成28年度は、第3ステージ受講生21人(22人の内、1名は体調不良にて海外研修

の参加辞退)は事前研修での発表練習、科学三昧inあいちでの発表を経て、全員が海外研

修に参加し、ドイツのフライブルク大学において英語で研究発表を行うことができた。フラ

イブルグ大学での研究発表及び質疑応答は全て英語で行い、同大学の教授等からの多くの

質問に意欲的に答えていた。受講者の評価も極めて高く、満足度の高い結果を得た。

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平成29年度は、第3ステージに参加した受講生26人全員が12月27日の科学三昧

inあいちでの研究発表に向けて、英語プレゼンテーション習得プログラムに基づいたオ

ーラルまたはポスター発表の練習を行った。そのうち台湾での国際学会に参加した2人を

除き、24人が海外研修に参加した。

(6)海外研修活動とその成果

国際舞台の研究者として活躍するためには、独創力の養成と基礎学力の研鑽はもとより、

海外の研究者と真剣勝負ができる精神的なタフネスさが必要であり、国際舞台で必要な「斬

れる」語学力(科学のロジックで十分に意思疎通ができる語学力)の習得は不可欠である。

平成28年度は、第3ステージ受講生22人(内、1人は体調不良により参加を辞退)を

対象に、本大学が緊密な提携関係にあるドイツ連邦共和国フライブルク大学等へ研修旅行

を実施し、受講生が同大学の教授らに英語で研究発表及び質疑応答を行った。また、近隣の

インターナショナルスクール UWC Robert Bosch College を訪問し、同高校の生徒と各クラ

スの講義テーマについてディスカッションを行った。しかし、自分の考えを英語で十分に述

べることができない受講生が多く、改めて英語でのコミュニケーションと議論の能力の重

要性を再認識した。これは「交流自体は良いことであるが、自分の取り組みに満足できなか

った」というアンケート結果にも表れている。

海外研修の修了後には、コンソーシアム会議において報告会を行い、受講生はコンソーシ

アム委員に対して研究発表及び研修の成果報告を行った。

海外研修の具体的な活動については、以下のとおり。

3月9日(木)1日目

08:00 中部国際空港 集合

09:15 結団式

10:45 中部国際空港 発

15:15 ドイツ・フランクフルト空港 着

16:15 フライブルクへ移動(専用バス)

19:15 フライブルク着、ホテルへチェックイン

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月10日(金)2日目

06:00 朝食

08:00 ロビーに集合、大聖堂へ出発(市電)

08:15 大聖堂の外観および大聖堂前の朝市見学

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09:15 ホテル着

09:45 ロビーに集合、フライブルク大学図書館へ出発(徒歩)

10:00 フライブルク大学図書館着

10:15 フライブルク大学ウェルカムセミナー

12:00 昼食

13:30 キャンパスツアー

15:30 フライブルク市内見学及び夕食

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月11日(土)3日目

07:00 朝食

08:00 ロビーに集合、ハイデルベルク大学へ出発

10:30 ハイデルベルク大学着

名大卒業生からの講話、市内見学、昼食

14:00 ハイデルベルク出発

15:30 マウルブロン修道院着

16:30 マウルブロン修道院発

19:00 ホテル着、夕食

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月12日(日)4日目

07:00 朝食

08:30 ロビーに集合、スイス連邦工科大学チューリッヒ校へ出発

10:30 ETH博物館着、チューリッヒ市内見学

12:30 Winterthur へ出発

13:30 Technorama 着、昼食

15:30 Technorama 発、ラインの滝見学

18:30 ホテル着、夕食

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月13日(月)5日目

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06:00 朝食

09:00 ロビーに集合、UWC Bosch College へ出発(市電)

09:50 UWC Bosch Collegelege着

10:10 クラスに分かれて学生ディスカッション

12:30 昼食

13:20 キャンパスツアー

14:00 UWC Bosch Collegellege発

15:00 フライブルク市内見学

18:00 ディナーパーティー

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月14日(火)6日目

06:00 朝食

09:30 ロビーに集合、フライブルク大学へ出発

09:45 フライブルク大学貴

10:00 研究室会

12:30 昼食

14:00 有機化学ラボ見学

15:30 フライブルク市内見学及び夕食

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月15日(水)7日目

06:00 朝食

07:00 ロビーに集合、フランクフルト空港へ出発(専用バス)

10:30 フランクフルト空港着

13:35 フランクフルト空港発

3月16日(木)8日目

09:25 中部国際空港着

10:00 解団式(国際線到着ロビー)

10:15 解散(国際線到着ロビー)

アンケート調査及び結果

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海外研修は、全ての受講生が「最上ランクのよい」という回答をしており、成果の大きな

満足度の高い結果を得た。達成度及び評価については、ポートフォリオ評価等が十分にでき

なかったため、アンケートの調査結果を基に調べた。

平成28年度 海外研修アンケート結果

評価

よい ← 4 3 2 1 → よくない

A フライブルク大学における研修

1 ウェルカムセミナー

(大学の紹介) 3.3

9 10 2 0

2 キャンパスツアー(大

学博物館見学) 3.2

8 10 3 0

3 研究発表会 3.7 14 7 0 0

4 化学ラボの見学 3.6 13 8 0 0

B UWCボッシュ校との交流

5 交流全般 3.7 15 6 0 0

6 ディスカッション 3.1 9 6 6 0

C スイス連邦訪問

7 チューリッヒ工科大

学及び博物館見学 3.2

8 8 4 0

8 チューリッヒ市内見

3.4 11 5 4 0

9 テクノラマ(科学館)

見学 3.7

15 4 1 0

10 ラインの滝見学 3.7 14 6 0 0

D ハイデルベルク訪問

11 ハイデルベルク市内見

学 3.7

15 6 0 0

12

マウルブロン修道院

(世界遺産)見学 3.2

6 14 1 0

E フライブルク見学

13 市内見学全般 3.8 17 4 0 0

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14 朝市見学 3.6 12 9 0 0

F 海外研修全般について

15 ドイツの印象は 4 20 1 0 0

16 参加した満足度は 4 21 0 0 0

17 旅行中の体調は よい だいたい

よい 余りよくない よくない

13 6 2 0

18 旅行中の睡眠時間は 5時間以下 5~6 6~7 7時間以上

7 8 6 0

19 持って行ったお金は 3万円未満 ~4万円 ~5万円 5万円以上

1 8 3 9

20 おみやげに使ったお金は 3万円未満 ~4万円 ~5万円 5万円以上

0 5 8 8

21 クレジットカードは 自分名義 家族名義 使用せず 持たなかった

13 1 3 4

また、海外研修の修了後に本プログラム全般に対するアンケート調査を実施した。

平成28年度 名大 MIRAI GSC アンケート

A 各ステージの研修について、番号で評価する(〇で囲む)とともにコメントを記入

してください。

1 名大の教員による講義(第1ステージ)は、科学に対する興味関心を高めました

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

16

4

1

0

2 名大の研究室での実験・実習研修(第2ステージ)は、満足しましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

11

8

2

0

3 第2・第3ステージにおけるペアリングは、研究を進めるのに効果がありました

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

19

2

0

0

4 海外研修に向けた国内研修(第3ステージ)は、効果があったと思いますか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

15

5

1

0

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5 海外研修を通して、自分(自分たち)の研究に関する興味関心は高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

12

7

2

0

B 『名大 MIRAI GSC』全般について、番号で評価する(〇で囲む)とともにコメントを

記入してください。

6 自然科学や科学技術に対する研究意欲は高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 → 思わない

17

4

0

0

7 英語の力(会話力、読解力)を身につけよう、という気持ちは高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

19

2

0

0

8 国際性の育成に効果がありましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

18

3

0

0

9 共同研究の意義や大切さを感じることができましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

20

1

0

0

10 『名大 MIRAI GSC』 に参加してよかったですか

よかった ← 4

3

2

1 →

よくなかった

21

0

0

0

11 将来、研究者・技術者として国際的な場面で活躍したいと思いますか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

11

7

3

0

12 将来、外国の大学へ留学しようという意欲は高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

15

6

0

0

13 名大(研究室・施設・教員等)に対する好感度は増しましたか

そう思う ← 4

3

2

1 → 思わない

19

2

0

0

C 次の能力や姿勢・意欲は、どれだけ培われましたか、( )に番号を記入してく

ださい。

4 大いに培われた 3 まあまあ培われ

2 あまり培われな

かった

1 ほとんど培われ

なかった

1 自然科学への興

味関心(3.9)

2 問題を発見する

能力(3.3)

3 問題を解決する

能力(3.5)

4 独創的な思考力

(3.3)

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5 協働的に研究す

る姿勢(3.7)

6 英会話による表

現力(3.5)

7 自然科学を学ぶ

意欲(3.8)

8 英語を学ぶ意欲

(3.9)

評価の高い項目としては、「10 『名大 MIRAI GSC』 に参加してよかったですか」に対し

て全員が「最上ランクのよい」という回答であった。また、「3 第2・第3ステージにおけ

るペアリングは、研究を進めるのに効果がありましたか」及び「9 共同研究の意義や大切

さを感じることができましたか」に対しても高い評価を得た。これは、本企画の目標の一つ

である「研究者にとって最も重要な資質の一つである共同研究をする能力」の育成が、ねら

い通りに達成できたことを如実に示す。さらに「7 英語の力(会話力、読解力)を身につ

けよう、という気持ちは高まりましたか」に対しても多くの肯定的な回答があり、「国際舞

台で必要な斬れる語学力(科学のロジックで欧米人と十分に意思疎通ができる語学力)を磨

く」という本企画の大きな目標の一つを達成できた。その一方、培われた姿勢・意欲として、

「2 問題を発見する能力」及び「4 独創的な思考力」が他の項目に比べて低く、今後、改

善すべきところである。

平成29年度

3月4日(日)1日目

08:00 中部国際空港・国際線出発ロビーに集合

09:15 結団式

10:50 中部国際空港 発

15:20 ドイツ・フランクフルト空港 着

16:15 フランクフルト空港からフライブルクへ移動(専用バス)

19:30 フライブルク着、ホテルへチェックイン

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月5日(月)2日目

06:00 朝食

09:45 ロビーに集合、フライブルク大学図書館へ出発(徒歩)

10:00 フライブルク大学図書館 着

10:15 フライブルク大学ウェルカムセミナー

12:00 昼食

13:30 キャンパスツアー

15:30 フライブルク市内見学及び夕食

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

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21:00 引率者会議

3月6日(火)3日目

06:00 朝食

09:00 ロビーに集合、UWC Bosch College へ出発(市電)

09:50 UWC Bosch College 着

10:10 クラスに分かれて学生ディスカッション

12:30 昼食

13:20 キャンパスツアー

14:00 UWC Bosch College 発

15:00 フライブルク市内見学及び夕食

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月7日(水)4日目

06:00 朝食

09:30 ロビーに集合、フライブルク大学へ出発(徒歩)

10:15 研究発表会

12:00 昼食

13:30 フライブルク大学の有機化学の研究室を見学

16:00 フライブルク市内見学及び夕食

20:30 ホテル集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月8日(木)5日目

06:00 朝食

08:30 ロビーに集合、大聖堂へ出発(市電)

08:45 大聖堂及び朝市見学

09:30 フライブルク市内散策

13:00 集合・点呼

14:00 フライブルク大学にて英語プレゼンの語学研修

18:00 フライブルク市内見学及び夕食

20:30 ホテル集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

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3月9日(金)6日目

06:00 朝食

08:30 ロビーに集合、ストラスブール大学へ出発(専用バス)

10:00 ストラスブール市内見学

13:30 ストラスブール大学の研究室を見学

15:30 ストラスブール発(専用バス)

18:00 夕食会

20:30 集合・点呼

20:45 班長会議

21:00 引率者会議

3月10日(土)7日目

06:00 朝食

07:00 フランクフルト空港へ出発(専用バス)

10:30 フランクフルト空港 着

13:40 フランクフルト空港 発

3月11日(火)8日目

09:30 中部国際空港貴

10:00 解団式

10:15 解散

海外研修のアンケート調査及び結果

海外研修は、全ての参加者が「最上ランクのよい」という回答をしており、成果の大きな

満足度の高い結果を得た。達成度及び評価については、ポートフォリオ評価等が十分にでき

なかったため、アンケートの調査結果を基に調べた。

平成29年度 海外研修アンケート結果

評価

よい ← 4 3 2 1 → よくない

A フライブルク大学における研修

1 ウェルカムセミナー(大学

の紹介) 3.7

16 8 0 0

2 キャンパスツアー(大学博物

館見学) 3.8

20 4 0 0

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39

3 研究発表会 3.9 22 2 0 0

4 化学ラボの見学 3.5 13 11 0 0

5 英語プレゼン研修 3.7 17 7 0 0

B UWCボッシュ校との交流

6 学生ディスカッション 3.0 8 10 5 0

7 訪問全般 3.6 17 5 2 0

C ストラスブール大学訪

8 ストラスブール市内見学 3.5 15 7 2 0

9 ストラスブール大学見学 2.9 4 14 6 0

D フライブルク市内見学

10 大聖堂及び朝市見学 4 24 0 0 0

11 市内見学全般 4 23 1 0 0

E 海外研修全般について

12 参加した満足度は 4 24 0 0 0

13 ドイツの印象は 4 23 1 0 0

14 フライブルク大学の印象は 3.9 22 2 0 0

15 ホテルの部屋は 3.2

6 16 2 0

よい だいたいよい 余りよくない よくない

16 旅行中の体調は 14 7 3 0

5時間以下 5~6時間 6~7時間 7時間以上

17 旅行中の睡眠時間は 3 14 7 0

3万円未満 ~4万円 ~5万円 5万円以上

18 持って行ったお金は 6 3 8 7

3万円未満 ~4万円 ~5万円 5万円以上

19 おみやげに使ったお金は 3 7 11 3

自分名義 家族名義 使用せず 持たなかった

20 クレジットカードは 13 0 2 9

また、海外研修の終了後に「名大 MIRAI GSC」全般に対するアンケート調査を実施した。

平成29年度 名大 MIRAI GSCアンケート結果

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40

A 各ステージの研修について、番号で評価する(〇で囲む)とともにコメントを記入してください。

1 名大の教員による講義(第1ステージ)は、科学に対する興味関心を高めましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

20

6

0

0

2 名大の研究室での実験・実習研修(第2ステージ)は、満足しましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

20

6

0

0

3 第2・第3ステージにおけるペアリングは、研究を進めるのに効果がありましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

16

10

0

0

4 海外研修に向けた国内研修(第3ステージ)は、効果があったと思いますか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

25

1

0

0

5 海外研修を通して、自分(自分たち)の研究に関する興味関心は高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

22

2

2

0

6 フォローアップ研修は、効果があったと思いますか

そう思う ← 4 3 2 1 → 思わない

23 3 0 0

B 『名大 MIRAI GSC』全般について、番号で評価する(〇で囲む)とともにコメントを記入してくだ

さい。

6 自然科学や科学技術に対する研究意欲は高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

26

0

0

0

7 英語の力(会話力、読解力)を身につけよう、という気持ちは高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

24

2

0

0

8 国際性の育成に効果がありましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

16

10

0

0

9 共同研究の意義や大切さを感じることができましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

18

8

0

0

10 『名大 MIRAI GSC』 に参加してよかったですか

よかった ← 4

3

2

1 →

よくなかった

26

0

0

0

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11 将来、研究者・技術者として国際的な場面で活躍したいと思いますか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

19

6

0

1

12 将来、外国の大学へ留学しようという意欲は高まりましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

15

8

2

1

13 名大(研究室・施設・教員等)に対する好感度は増しましたか

そう思う ← 4

3

2

1 →

思わない

23

3

0

0

C 次の能力や姿勢・意欲は、どれだけ培われましたか ( )に番号を記入してください。

4 大いに培われた

3 まあまあ培われた 2 あまり培われなか

った

1 ほとんど培われな

かった

1 自然科学への興味

関心(3.9)

2 問題を発見する能

力(3.4)

3 問題を解決する能

力(3.5)

4 独創的な思考力

(3.3)

5 協働的に研究する

姿勢(3.6)

6 英会話による表現

力(3.4)

7 自然科学を学ぶ意

欲(3.8)

8 英語を学ぶ意欲

(3.8)

評価の高い項目としては、「10 『名大 MIRAI GSC』 に参加してよかったですか」に対し

て全員が「最上ランクのよい」という回答であった。新たに企画したフォローアップ研修に

対しても高い評価を得た。また、「7 英語の力(会話力、読解力)を身につけよう、という

気持ちは高まりましたか」に対しても多くの肯定的な回答があり、「国際舞台で必要な斬れ

る語学力(科学のロジックで欧米人と十分に意思疎通ができる語学力)を磨く」という本企

画の大きな目標の一つを達成できた。しかし、前年度と同様に培われた姿勢・意欲として「2

問題を発見する能力」、「4 独創的な思考力」、「6英会話による表現力」が他の項目に比べて

低かった。

V. 受講生に対する評価手法の開発と実施

(1)育てたい人材像と育成したい能力・資質に照応した「評価基準」

本プログラムでは以下のように育てたい人材像と育成したい能力・資質を設定している。

① ノーベル賞(物理学賞、化学賞、生理学・医学賞)を受賞したいと夢見る高い志をも

つ人材 。

② 自然科学への興味関心が高く、独創的な探求能力のある人材。

③ 多分野横断的な思考力を有し、科学技術革新やイノベーションへの意欲を有する人

材。

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④ 国際的に見て、真に独創的でイマジネーション豊かな研究者、さらには世界の舞台で

リーダーになり得る人材。また、そうなりたいと高い志をもつ意欲的な人材。

本プログラム修了時に受講生に習得させたい能力・資質は以下のとおりである。

① 実験・実習の結果について、その解釈や意義を自ら徹底的に考える能力

② 海外の聴衆の前で英語によりプレゼンし、かつ質問に的確に応答する英会話能力

③ 研究発表等の舞台で物怖じしない精神的なタフネスさ

④ 2人のペアで研究を進めることにより得られる、共同研究者と密接に連携し研究を

進める能力

以上の育てたい人物像と育成したい能力・資質に基づき、以下の評価する観点および基

準と方法に従って各ステージで適正な評価を行った。

第1ステージ

第1ステージでの9つの講義後に、受講生からそれぞれ提出された9つのレポートにつ

いて、講義を担当した講師が採点・評価を行った。講演者には、研究内容の紹介だけでなく、

テーマに沿った内容についての発想力を問う課題等を出題するように事前に依頼した。評

価・採点基準については、以下のとおり。

ア 講義内容の理解度:聴講内容を的確に理解している=5点、ほぼ理解している=3点、

あまりできていない=1点、全く理解できていない=0点

イ 独創性:聴講内容や講師からの課題等に対し、独創性に溢れた表現である=5点、独

創性が感じられる=3点、あまり独創性がない=1点、全く独創性がない=0点

ウ 研究への意欲:聴講内容に関わる研究をしようという意欲に溢れている=5点、だい

ぶ意欲が 感じられる=3点、あまり意欲が感じられない=1点、全く意欲が感じられ

ない=0点

エ 課題等への回答:講師からの課題等に対し、的確な回答である=5点、ほぼ的確な回

答である=3点、あまり的確な回答でない=1点、全く回答になっていない=0点

以上のア~エの4項目ごとに、5点、3点、1点、0点をつけた。1つの講義の最高点

は20点、9講義で合計180点を最高点とした。

第2ステージ

各研究室での実験・実習への取組みについての評価は、前年度と同様にルーブリック評価

で行った。第2ステージ初日に、受講生に対して自己評価ルーブリックの説明と記入につい

て指導を行った。また、各研究室の担当教員には、採点者用ルーブリックについて事前に説

明と記入の依頼を行った。

第2ステージ 実験・実習計画 (自己評価用ルーブリック)事前指導

1 研究テーマの設定

① 研究テーマはわかりやすく,研究内容を正確にイメージできる。

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43

② 研究テーマには,取り組む問題(どういう問題に取り組むのか)および問題解決の

着眼点(どういう着眼で取り組むのか)を含む。

2 研究の目的

③ 研究の目的について,どういう問題に取り組むのか,どうして取り組むのか,どう

いう着眼で,何をやるのかを明確に示す。

3 結果の仮説

④ 取り組む問題に対する解答の予測を立てる。

4 実験の計画

⑤ 実験は取り組む問題に完全に答えることができるように計画する。

⑥ 実験条件の制御や対照実験を適切に設定する。

⑦ 実験手順が具体的かつ正確に示されており,実験計画をみれば,実験を円滑に行う

ことができるような計画にする。

⑧ 安全面や経済面に十分考慮する。

5 協同研究

⑨ 2人の意思疎通をしっかり取り、協同して研究に取り組む。

⑩ 研究に対する意見交換を活発に行い、アイデアを出し合い、より良い実験・実習を

行うようにする。

第2ステージ 実験・実習計画 (自己評価用ルーブリック)

優秀(3点) 普通(1点) 努力が必要(0点)

テーマ設定(

6点)

□研究テーマはわかりやす

く,研究内容を正確にイメ

ージできるものになってい

る。

□研究テーマは概ね研究の内容

をイメージできるものになって

いるが,少し短い/少し長い/

少しわかりにくい。

□研究テーマは研究内容をイ

メージできるものになってい

ない(短すぎる/長すぎる/

わかりにくい)

□研究テーマには,取り組

む問題(どういう問題に取

り組むのか)および問題解

決の着眼点が含まれてい

る。

□研究テーマには,取り組む問

題,または問題解決の着眼点が

示されていない。

□研究テーマには,取り組む

問題および問題解決の着眼点

が示されていない。

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44

目的(

3点)

□研究の目的について,ど

ういう問題に取り組むの

か,どうして取り組むの

か,どういう着眼で,何を

やるのかが明確に示されて

いる。

□研究の目的について,どうい

う問題に取り組むのか/どうし

て取り組むのか/どういう着眼

で/何をやるのかのいずれかが

示されていない。

□研究の目的について,どう

いう問題に取り組むのか/ど

うして取り組むのか/どうい

う着眼で/何をやるのかが示

されていない。

仮説(

3点)

□取り組む問題に対する解

答の予測がきちんと書かれ

ている。

□取り組む問題に対する解答の

予測は書かれているが,不十分

である/論理に問題がある。

□取り組む問題に対する解答

の予測が書かれていない。

実験計画(

12点)

□実験は取り組む問題に完

全に答えることができるも

のになっている。

□実験は取り組む問題に概ね答

えることができるものになって

いるが,不十分である。

□実験は取り組む問題に答え

られるものになっていない。

□実験条件の制御や対照実

験の設定が適切である。

□実験条件の制御や対照実験の

設定が不十分である。

□実験条件の制御,または対

照実験が設定されていない。

□実験手順が具体的かつ正

確に示されており,実験計

画をみれば実験を円滑に行

うことができる。

□実験手順にはあいまい,また

は不正確な部分がある。

□実験手順はあいまいで,不

正確であり,実験を円滑に行

えるものでない。

□安全面や経済(費用)面

が十分に考慮されている。

□安全面や経済(費用)面が考

慮されているが,不十分であ

る。

□安全面,または経済(費

用)面が考慮されていない,

または問題がある。

協同研究(

6点)

□二人の意思疎通をしっか

り取り、協同して研究に取

り組む。

□二人の意思疎通を取ることは

できたが、十分に協働して研究

することができなかった。

□二人の意思疎通がしっかり

取れず、協同して研究に取り

組むことができなかった。

□研究に対する意見交換を

活発に行い、アイデアを出

し合い、より良い実験・実

習を行うことができた。

□研究に対する意見交換はでき

たが、アイデアを出し合うこと

ができなかった。

□研究に対する意見交換を十

分に行うことができず、アイ

デアも出なかった。

第2ステージ 実験・実習 (採点者用ルーブリック①)

優秀 普通 努力が必要

タイ

トル

□タイトルはわかりやす

く,研究内容を正確にイメ

□タイトルは概ね研究の内容を

イメージできるものになってい

□論文のタイトルは研究内容

をイメージできるものになっ

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45

ージできるものになってい

る。

るが,少し短い/少し長い/少

しわかりにくい。

ていない(短すぎる/長すぎ

る/わかりにくい)

□タイトルには,取り組む

問題(どういう問題に取り

組むのか)および問題解決

の着眼点(どういう着眼

で)が含まれている。

□タイトルには,取り組む問題

/問題解決の着眼点が示されて

いない。

□タイトルには,取り組む問

題および問題解決の着眼点が

示されていない。

□何を前にして(背景),ど

ういう問題に取り組むの

か,どうして取り組むの

か,どういう着眼で,何を

やるのかがきちんと示され

ている。

□序論としての構成は概ねよい

が,何を前にして(背景)/ど

ういう問題に取り組むのか/ど

うして取り組むのか/どういう

着眼で/何をやるのかが示され

ていない。

□何を前にして(背景)/ど

ういう問題に取り組むのか/

どうして取り組むのか/どう

いう着眼で/何をやるのかが

示されておらず,ただの前置

きになってしまっている。

□取り組む理由は書かれてい

るものの「興味を持ったか

ら」となっている。

□読者が研究を再現できる

よう,研究対象,材料・器

具・試薬,実験・観察・調

査のねらい,実験・観察・

調査の方法・統計処理の方

法などが適切に記述されて

いる。

□概ね読者が研究を再現できる

よう実験方法が記述されている

が,研究対象/材料・器具・薬

品/実験・観察・調査のねらい

/実験・観察・調査の方法/統

計処理の方法の記述が不十分で

ある,または記述されていな

い。

□研究対象/材料・器具・薬

品/実験・観察・調査のねら

い/実験・観察・調査の方法

/統計処理の方法の記述不備

があるまたは記述されておら

ず,読者が実験を再現するの

は困難である。

第2ステージ 実験・実習 (採点者用ルーブリック②)

優秀 普通 努力が必要

□わかりやすい形にまとめた

データ等が適切に示されてい

る。

□まとめたデータが示されてい

るが,わかりにくい/適切でな

い形でまとめられている。

□わかりやすい形にまとめた

データが示されていない。

□個々の結果の説明が十分に

記述されている。

□個々の結果の説明が記述され

ている。

□個々の結果の説明が不十分

である/記述されていない。

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□個々の結果の要約が十分に

記述されている。

□個々の結果の要約が記述され

ている。

□個々の結果の要約が不十分

である/記述されていない

□個々の結果について,その

ような結果になった理由や,

その結果からいえることが論

理的に議論されている。

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが議論され

ているが,論理に矛盾や飛躍が

ある。

□個々の結果について,その

ような結果になった理由や,

その結果からいえることが議

論されていない。

□取り組んだ問題への解答

(結論)がきちんと示されて

いる。

□取り組んだ問題への解答(結

論)が示されているが,不十分

な点がある。

□取り組んだ問題への解答

(結論)が示されていない。

□参考文献が適切に記されて

いる。

□参考文献が記されてはいる

が,適切でない記述法になって

いる。

□参考文献が記されていな

い。

□二人が意思疎通をしっかり

取り合い、協同して研究に取

り組んでいた。

□二人は意思疎通を取るように

努力していたが、十分に協働し

て研究することができなかっ

た。

□二人の意思疎通がしっかり

取れず、協同して研究に取り

組んでいなかった。

□研究に対する意見交換を活

発に行って、アイデアを出し

合い、より良い実験・実習を

行うことができた。

□研究に対する意見交換はして

いたが、アイデアを出し合うま

でには至らなかった。

□研究に対する意見交換を十

分に行うことができず、アイ

デアも出なかった。

<コメント>

採点者氏名

成果発表会では、以下の5項目についての採点・評価を実施した。

ア 独創力:大学の職員や学生では思いつかないようなユニークさがある=6点、だいぶ

独創性が感じられる=3点、あまり独創性を感じない=1点、全く独創性を感じない=0点

イ 企画力:問題解決に向けて効果的かつ合理的な研究方法である=6点、だいぶ効果的

かつ合理的である=3点、あまり効果的または合理的でない=1点、全く効果的でも合理的

でもない=0点

ウ 工夫力:従前にとらわれずに可能な方法をよく考案している=6点、だいぶ工夫をこ

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らしている=3点、あまり工夫されていない=1点、全く工夫が感じられない=0点

エ 質疑応答力:質問に対し適切に分かりやすく回答できる=6点、比較的上手く答えて

いる=3点、あまり上手く回答できない=1点、全く回答ができない=0点

オ プレゼン力:聴く者に分かりやすく理解しやすい表現で発表できる=6点、だいぶ分

かりやすく理解しやすい表現である=3点、分かりにくく理解しにくい表現である=1点、

全く表現力のない発表である=0点

以上のア~カの5項目ごとに、6点、3点、1点、0点をつける。最高点は30点。1つ

の発表を3人の評価者が採点し、3人の平均を評価点とした。

また、英会話能力を調べるため、英会話による個人面接を実施した。英会話能力審査会の

審査員は、英会話を聞き取る能力、英語で発信する能力、会話力、表現力の4つの基準に基

づいて評価・採点を行った。

ア 英会話を聞き取る能力:的確に聞き取り理解している=5点、ほぼ理解している=3

点、あまり理解できていない=1点、全く理解できていない=0点

イ 英語で発信する能力:的確な語彙で流暢に話すことができる=5点、だいたい話すこ

とができる=3点、あまり話すことができない=1点、全く話すことができない=0点

ウ 会話力:知識が深くボキャブラリーが豊かで会話がはずむ=5点、まあまあ会話がは

ずむ=3点、あまり会話がはずまない=1点、全く会話がはずまない=0点

エ 表現力:豊かな表現力で楽しく会話ができる=5点、まあまあの表現力で会話ができ

る=3点あまり表現力がない=1点、全く表現力がない=0点

以上に記したア~エの4項目ごとに、5点、3点、1点、0点をつける。その結果、最高

点は20点になる。1つの発表を2人の評価者が採点し、2人の平均を評価点とした。

第3ステージ

平成29年度はポートフォリオ評価の一つとして、以下のような項目を第3ステージ毎

回で記録させている。

研修内容記録

ア 本日の研修で学んだこと

イ 共同研究者への提言

ウ 今後の課題

自己評価

エ 研修に臨む態度

オ 研修内容の理解

カ 共同研究者との連携

今後の予定では、海外研修前の引率者会議(2月下旬開催)にて、引率者へポートフォリ

オ評価の他者評価基準等を説明し、共通理解のもとに適正な評価を実施する。また、第3ス

テージ修了時に、海外研修及び本企画全体に対するアンケート調査を実施する。

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(2) 評価の実施結果と課題

前年度、本年度ともに一次選抜、二次選抜はともに良い評価ができて、次のステージへ進

む相応しい受講者を選抜することができた。しかし、受講者による「自己評価ルーブリック」

は差異が現れないため、来年度に向けて内容の改善を検討する。また、第3ステージにおい

てポートフォリオ評価を企画したが、受講者にとって研究内容を英会話で発表するのは大

きな負担であったため、アンケート結果を得ることはできたが、ポートフォリオ評価を実施

することができなかった。そのため、翌年度は第3ステージの毎回でポートフォリオ評価の

ための記録を実施したい。

(3) 評価結果に基づく受講生へのフォロー指導

第2ステージでは、実験・実習の指導を行った研究室の教員が、プログラム終了まで受講

生のメンターの役割を果たすことにより、個に応じたきめ細かな才能育成を行った。さらに、

受講生1人につき院生または学部生最低1人がチューター役となり、実験・実習のフォロー

を行った。また、約20の研究室に分かれて実験・実習を行うため、その進捗状況の把握や

諸問題の解決については、事務局が各研究室との連絡を緊密におこなった。その体制は、理

学研究科、医学系研究科、工学研究科、生命農学研究科、環境学研究科の主となる指導教員

(通常は研究室の教授)が中心になって、第2ステージ開始後3日目頃(7月下旬)と5日

目頃(8月上旬)に、各研究科内での進捗状況について取りまとめ、それを事務局の高等研

究院がコーディネータを中心に統括した。

第3ステージでは、第2ステージと同じ研究室の院生または学部生が継続してチュータ

ー役となり、実験・実習のフォローだけでなく英語での研究発表に向けた指導補助及びサポ

ートを積極的に行っている。また、事務局である高等研究院のコーディネータが、各研究室

の指導教員を通じて状況把握を行うと同時に、受講生一人一人とメール等を通じての連絡

を密に行なっている。また、各研究の進捗以外の諸問題の相談についても対応している。

平成29年度では、第3ステージの受講生に本大学の学生相談総合センター教授による

メンタルヘルス・ケアに関する講義を受講させ、学生総合相談センターが学習面及びその他

の悩みについても相談窓口となり、二次選抜後(第3ステージ開始時)から海外研修後まで

のプログラム全体を通じて受講生のサポートをきめこまやかに行っている。

VI. 受講生の活動成果 ―「数値目標」の達成状況

(1) 国際学会等での外国語による研究発表

・ 4年間の目標:10件

・ 平成28年度:0件

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49

・ 平成29年度:1件

平成29年度第2ステージにて、工学研究科で「『ミライ』のエネルギーを支える~水

素透過膜の更なる可能性を探って」の題目で研究を行った武藤大(愛知県立西春高校)、

相津知晴(愛知県立時習館高校)の2人は、平成29年8月に台湾で開催された

INTERNATIONAL SYMPOSIUM FOR ADVANCED MATERIALS RESEARCH (先端材料研究に関する国

際シンンポジウム)に参加し、「Temperature Dependence of Hydrogen Permeability

through Pd-40mass%Cu Alloy Membrane at High Temperature」のタイトルでポスター発

表を行った。

(2) 外国語論文発表

・ 4年間の目標:10件

・ 平成28年度:0件

・ 平成29年度:0件

(3) 国際的な科学技術コンテスト等の日本国内予選等

・ 4年間の目標:日本学生科学賞(ISEF予選)30件、高校生科学技術チャレンジ

40件、科学技術オリンピック(物理・化学等)40人

・ 平成28年度:日本生物学オリンピック予選1人

・ 平成29年度:日本学生科学賞3件、科学技術オリンピック11人(化学グランプ

リ、日本数学オリンピック、日本生物学オリンピック、物理チャレンジ、科学地理

オリンピック)

(4) 科学の甲子園 都道府県代表選考会参加人数

・ 4年間の目標:60人

・ 平成28年度:9人

・ 平成29年度:8人(全国大会出場1人、県大会出場7人)

(5) その他

・ 平成28年度:SSH東海フェスタ 1人

・ 平成29年度:なし

VII. 効果検証とプログラム等の改善に向けた取組

(1) 効果検証の方針

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50

平成29年度の効果検証については、以下の方法で実施を行った。

・ 第2ステージ修了後の受講者のルーブリック評価とアンケート調査

・ 第2ステージ後の成果発表会での評価

・ 海外研修前の「科学三昧inあいち」での評価

・ 第3ステージ終了後の受講者のポートフォリオ評価とアンケート調査

(2) 日常的な取組の改善

教育プログラムを運営・実行していくために重要なことは、関連する高等学校および教育

委員会等との緊密な相互連絡である。コンソーシアムを中心として各高等学校に本プログ

ラムの周知と協力依頼を行い、緊密な連携を維持していく。また、学内の関連部局同士の密

な相互連絡もなくてはならない。全体のコンソーシアム会議とは別に、定期的にコンソーシ

アム会議の学内メンバー(運営委員)での会議を行っている。

(3) 修了生との関係性の維持の取組の計画

昨年度の第3ステージまで経験した修了生には、翌年度の受講生のメンターとしての役

割を担ってもらう。具体的には、翌年度の受講生に対し年数回の指導・アドバイスを行って

もらう。平成29年度は修了生19人が第3ステージの初回に参加し、受講生26人に対し

て研究発表を再現し、学習面や精神面についてのアドバイスを一人一人に対して行った。

(4) 修了生の追跡調査による効果検証の計画

今後は以下のとおり、修了生に対する追跡調査と状況把握を行い、教育プログラムの効果

検証を行う。

① 高等学校を卒業した第3ステージ修了生の追跡調査を行う。具体的には、事務局であ

る高等研究院がコーディネータを中心に各修了生の出身高校の担当教員と連絡を密に行っ

て、修了生の進路等について情報収集する。また、事務局から修了生自身にメールでの連絡

を定期的に行って、本プログラム終了後の状況把握を積極的に行う。

② 受講生の募集・選考方法から各ステージの全教育プログラムについての検証と改善

を実施する。特に、最終的な事業目標の達成に向けた課題解決策について検証する。

VIII. 開発手法や成果の他機関や社会的波及の取組

社会全体の科学技術人材の育成の還元ため、本プログラムの成果の社会的伝播の方法や

普及方策について検討を行っている。また、マスメディア(新聞等)を通じて本事業の企画

および成果について社会に広く情報発信を心掛けている。

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これまでの新聞記事掲載については以下のとおり。

平成28年8月14日(日)中日新聞 朝刊

「高校生に大学レベルの研究活動に挑戦させる取り組み」

第2ステージ成果発表会についての紹介。

平成29年7月9日(日)中日新聞 朝刊

「目指せ世界的研究者 名大で高校生向け講義」

第1ステージ講義についての紹介。

平成29年8月18日(日)朝日新聞 朝刊

「将来の研究者へ高校生らを育成 名大で実験・発表」

第2ステージ成果発表会についての紹介。

また、「名大 MIRAI GSC」ホームページにおいても、学外に情報発信を行っている。

名大 MIRAI GSCホームページ

IX. グローバルサイエンスキャンパスの実施体制

(1) コンソーシアムの構築

以下のとおり、「名大 MIRAI GSC コンソーシアム」を構築した。

構成機関

愛知県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、静岡県教育委員会、名古屋市

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教育委員会、東海四県公立高等学校長会、愛知県私学協会、名古屋大学(副総長、理学研究

科、医学系研究科、工学研究科、生命農学研究科、環境学研究科)

構成メンバー

愛知県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、静岡県教育委員会、名古屋市

教育委員会、東海四県公立高等学校長会、愛知県公立高等学校長会、愛知県私学協会から各

1人、名古屋大学から7人(理学研究科、工学研究科、生命農学研究科、 医学系研究科及

び環境学研究科から各1人、副総長から2人、高等研究院から1人)およびコーディネータ

(高等研究院特任教授)

運営計画

5月中旬…コンソーシアム会議の設立、及び第1回コンソーシアム会議の開催

3月中旬…第2回コンソーシアム会議の開催

主な会議内容

第1回

・ 実施期間より企画、特に教育プログラムについての説明を行い、教育委員会や高等学

校関係者への理解を深め、受講者の募集に対する協力(学校推薦など)を依頼する;

・ 企画を立案するにあたって地域のニーズの集約や高等学校との調整について;

・ 地域の特徴に応じた才能育成の取組について。

第2回

・ 海外研修の報告と成果の紹介;

・ 1年間の教育プログラムの報告と反省について;

・ 来年度に向けての意見および要望の集約。

実施状況

順調にコンソーシアム会議を立ち上げ、開催することができた。これまで本学と連携の深

かった愛知県の公立学校だけでなく、私立学校や岐阜県、三重県、静岡県の教育委員会から

の援助や指導を得て協力関係を築けたことは、今後の本企画にとって大いに有益である。

(2) 学内の実施体制

以下のとおり、全学的かつ強力な実施体制で統一的な意思決定のもと実施している。

実施責任者 :松尾清一(総長)

実施主担当者 :篠原久典(高等研究院院長)

コーディネータ:林 誉樹(高等研究院特任教授)

運営委員:高橋雅英(理事・副総長)、木俣元一(副総長)、大隅圭太(理学研究科教授)、

宮﨑誠一(工学研究科副研究科長)、下村吉治(生命農学研究科副研究科長)、木村宏(医学

系研究科副研究科長)、高野雅夫(環境学研究科地球惑星科学科長)

実施主体となる学内の組織である理学研究科、工学研究科、生命農学研究科、医学系研究

科及び環境学研究科の5つの各研究科から副研究科長などの代表となる教員(教授以上)各

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1人以上を選出した。上記の各研究科の代表教員、副総長2人(1人は理事を兼務)、高等

研究院院長(実施種担当者)およびコーディネーター(高等研究院特任教授)を委員とする

運営委員会を開催し、本企画の活動内容と取組について定期的に審議を行っている。また、

各研究科には学内運営委員である各代表から活動報告と協力の依頼等を行っている。

名大 MIRAI GSC運営委員会(平成29年度)

4月25日(火) 第1回 開催

5月31日(水) 第2回 開催

7月14日(金) 第3回 開催

8月21日(金) 第4回 開催

9月26日(月) 第5回 開催

2月 5日(月) 第6回 開催

(3) 機動的で安定した実施体制づくりに向けた取組

より安定した体制で充実した取組を行うため、第1ステージから5つの研究科の講師が

講演を行う等、全学的かつ強力な協力体制で取組を行っている。また、第2ステージおよび

第3ステージでは、学内の実験施設・実験機器の無償利用を行っている。

X. 大学としての中間評価と今後の重点課題

本プログラムは本大学総長を実施責任者、高等研究院の院長を実施主担当者とし、また2

人の副総長(1人は理事も兼務)が運営委員として参加している。名古屋大学は現在までS

SH高校を始め数多くの高等学校と高大連携を行ってきたが、その中でも本プログラムは

本大学として最も重要視している高大連携事業である。これまで述べたように、本プログラ

ムの中間評価は本大学内からも高い評価を得ており、今後のさらなる展開が期待されてい

る。

各高等学校及び各教育委員会からの評価・意見を基に、これまでに実施した研修はレ

ベルの高い優れた内容であったと自己分析をしているが、その一方で受講生のアンケート

結果からは「培われた能力や姿勢・意欲」、「問題を発見する能力」、および「独創的な思考

力」の育成についての評価が相対的に低いことが読み取れた。今後はこれらについて効果的

に涵養できるように配慮しながら、本プログラムの向上に努めていきたい。また、平成29

度より新たに企画したフォローアップ研修は、本プログラムの最後の研修であり、受講生に

とって意義のある成果の大きな研修となった。

本プログラム研修を通して、精神的なタフネスさや多少の困難にも挫けることなく研究

を推進する精神力の涵養と、その課題の設定・問題解決策を実施することで、最終的な事業

目標である「真に国際舞台で活躍できる人材の育成」を達成したいと考えている。

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<資料編>

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1. 育てたい人材像の育成要件と目標水準

※平成29年度から環境学研究科が参画。

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Freiburg

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2. 募集(応募)状況・実績を示す具体的な資料

平成28年度

都道府県

参加申込み 第1ステージ 第2ステージ 第3ステージ

男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計

愛知県 73 42 115 63 34 97 24 20 44 12 6 18

岐阜県 5 5 10 5 4 9 3 4 7 1 1 2

三重県 1 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0

静岡県 4 4 8 4 4 8 3 4 7 1 1 2

茨城県 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

合計 84 51 135 73 42 115 30 28 58 14 8 22

平成29年度

参加申込み 第 1ステージ 第2ステージ 第3ステージ

都道府県

男 女 計

男 女 計

男 女 計

男 女 計

愛知県 105 91 196 45 67 58 125 22 17 25 42 0 7 12 19 0

岐阜県 20 10 30 11 15 9 24 7 3 3 6 0 1 1 2 0

三重県 2 10 12 3 2 8 10 1 0 2 2 0 0 1 1 0

静岡県 12 8 20 4 11 7 18 2 0 4 4 0 0 4 4 0

神奈川県 1 0 1 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

合計 140 119 259 70 96 82 178 33 20 34 54 0 8 18 26 0

平成28年度と平成29年度の比較

都道府県

H29参加申込み H29第1ステージ H28第1ステージ

男 女 計

男 女 計

男 女 計

愛知県 105 91 196 45 67 58 125 22 63 34 97 1

岐阜県 20 10 30 11 15 9 24 7 5 4 9 0

三重県 2 10 12 3 2 8 10 1 1 0 1 0

静岡県 12 8 20 4 11 7 18 2 4 4 8 0

神奈川県 1 0 1 1 1 0 1 1 - - - -

茨城県 - - - - - - - - 1 0 1 1

合計 140 119 259 70 96 82 178 33 73 42 115 1

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3. プログラムの具体的な実施内容・カリキュラム

平成28年度

第1ステージ

7月 9日(土) 第1回講義 (9時 30分 受付開始)

10時 00分 開会式 挨拶 理事・副総長 國枝 秀世

10時 20分 諸連絡

10時 30分 講義1「脂質は細胞の中で何をしているか」

講演者 (医学系研究科) 教授 藤本 豊士

11時 30分 レポート1 (12時 00分 レポート回収、昼食休憩)

12時 45分 講義2「材料の一生と科学との関わりを考える-炭素繊維強化樹脂複合材料

を例として-」

講演者 工学研究科 教授 田邊 靖博

13時 45分 レポート2(14時 15分 レポート回収、休憩)

14時 30分 講義3「Gates for ions and molecules in the cell membranes」

講演者 (生命農学研究科) 准教授 MATURANA Andres Daniel

15時 30分 レポート3(16時 00分 レポート回収)

7月 16日(土) 第2回講義 (9時 30分 受付開始)

10時 00分 全体会 講話 高等研究院院長 篠原 久典

10時 20分 諸連絡

10時 30分 講義4「身のまわりのミクロな世界:原子・分子レベルで世界を眺める

と」 講演者(トランスフォーマティブ生命分子研究所)

特任准教授 横川 大輔

11時 30分 レポート4 (12時 00分 レポート回収、昼食休憩)

12時 45分 講義5「脂質膜-生体内の核酸でも蛋白質でもない重要な存在-」

講演者 (理学研究科) 講師 滝口 金吾

13時 45分 レポート5(14時 15分 レポート回収、休憩)

14時 30分 講義6「豊かな生活とみらいに向けたプラスチック」

講演者 (工学研究科) 准教授 佐藤 浩太郎

15時 30分 レポート6(16時 00分 レポート回収)

7月 23日(土) 第3回講義 (9時 30分 受付開始)

10時 00分 全体会 講話 教授 天野 浩 (2014年ノーベル物理学賞受賞)

10時 20分 諸連絡

10時 30分 講義7「シンクロトロン放射光と蛋白質結晶学-蛋白質の形の解明

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とその応用-」 講演者 (シンクロトロン光研究センター) 教授 渡邉 信久

11時 30分 レポート7(12時 00分 レポート回収、昼食休憩)

12時 45分 講義8「宇宙の誕生から終焉まで」

講演者 (理学研究科) 准教授 松原 隆彦

13時 45分 レポート8 (14時 15分 レポート回収、休憩)

14時 30分 講義9「水素はなぜ体によいのか」

講演者 (医学系研究科) 教授 大野 欽司

15時 30分 レポート9(16時 00分 レポート回収)

第2ステージ

名大 MIRAI GSC 第2ステージ 成果発表会 要項

1 目的

各研究室での実験・実習による研究成果や研究を通して学んだこと等を発表する。

また、この成果発表会での評価を主に、第2ステージでの各研究室における実験・実習

への取組み等の評価も加えて、第3ステージへの進出者を選抜する。

2 日時

平成28年8月12日(金) 13:00~17:15

3 会場

全体連絡会 理学南館 SHホール(坂田平田ホール)

成果発表会 理学A館 407、408、421講義室

4 審査員

化学系(407講義室):松本邦弘(理学研究科長)、北浦良(理学研究科准教授)、

池田素子(生命農学研究科教授)、Berthold Fischer(グローバル 30教員)

物理・化学系(408 講義室):篠原久典(高等研究院院長)、竹内努(理学研究科准教授)、

阿部智広(高等研究院特任助教)、Peter Butko(グローバル 30教員)

生物・医学系(421講義室):大隅圭太(理学研究科教授)、河内美樹(高等研究院准教

授)、久島周(高等研究院特任助教)、Joyce Cartagena(グローバル 30教員)

5 発表手順

13:00 受講生は、理学南館SHホール(坂田平田ホール)へ集合する

林先生より発表について全体説明

13:15 審査員は、理学A館407講義室へ集合する

篠原先生より審査方法について説明

13:25 第1回、第2回の発表者は、それぞれ指定の会場へ移動する

13:30 第1回目の発表

発表者は、研究室ごとに2名でPPにより発表する。時間の流れは、

パソコン等の準備(2分) → 発表(10分) → 質疑(5分) → 採点(3分)

第 2 回目の発表者は、第1回目の受講者と一緒に発表会場へ移動し、第 1 回目の発

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表会を見学する。第 3 回目の発表者は第 2 回目の発表開始時間前に会場前へ移動し、

第 1回目の発表者が退場したら会場へ入る。以下、同じ。

6 評価・採点基準

採点・評価については、① 独創力、② 企画力、③ 工夫力、④ 持続力、⑤ プレゼン

力、⑥ 英語力、の6つの項目ごとに4段階で評価し、審査員一人当たり 30 点満点と

する。

第3ステージ

実施予定表

10月 1日(土) 第 3ステージ 第 1日目

13:00 受講者集合 諸連絡

13:30 発表準備(発表はカンファレンスホール、練習は会議室)

14:00 第23研究室 15:45 第16研究室

14:15 第24研究室 16:00 第 5研究室

14:30 第28研究室 16:15 第 7研究室

14:45 第29研究室 16:30 第12研究室

15:00 第 6研究室 16:45 第13研究室

15:15 第14研究室 17:00 発表終了

15:30 休憩

17:10 審査結果の発表(口頭発表4ペア、ポスター発表7ペア)

17:30 終了

10月22日(土) 第 3ステージ 第 2日目

9:30 受講者集合 諸連絡

10:00 篠原先生の講義「英語による研究発表 質疑応答の極意」

11:00 質疑応答

11:30 昼食・休憩

12:15 ペアごとに準備

13:00 外部講師による講習①

口頭発表は会議室、ポスター発表はカンファレンスホール

16:00 諸連絡

16:30 終了

10月29日(土) 第 3ステージ 第 3日目

9:30 受講者集合 諸連絡

10:00 口頭発表4ペアの練習(カンファレンスホールで全員参加)

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11:00 ポスター発表7ペアの練習(2会場に分かれて実施)

12:15 昼食・休憩

13:00 外部講師による講習②

口頭発表は会議室、ポスター発表はカンファレンスホール

16:00 諸連絡

16:30 終了

12月17日(土) 第 3ステージ 第 4日目

「科学三昧 in あいち」発表会(口頭発表 1組、ポスター発表 10組)へ向けての練習

9:30 受講者集合 諸連絡

10:00 口頭発表 1ペア(第1班)の練習

10:45 ポスター発表 10ペアの練習①(2会場に分かれて実施)

12:15 昼食・休憩

13:00 ポスター発表 10ペアの練習②(2会場に分かれて実施)

14:30 「科学三昧 in あいち」についての諸連絡

15:00 海外研修についての諸連絡

16:00 終了

12月27日(土) 第 3ステージ 第 5日目

「科学三昧 in あいち」研究発表大会 岡崎コンファレンスホール

2月 4日(土) 第 3ステージ 第 6日目

9:00 大学院生等講師集合

9:30 開会

事務連絡

大学院生等講師による「ポスター発表」指導

10:00 海外研修引率者の紹介、國枝副総長よりお話

グループ別自己紹介

10:30 杉山先生と Vassileva先生による口頭発表指導

12:00 ポスター発表指導及び口頭発表指導 終了

昼食休憩

12:45 海外研修、下見の報告

14:00 休憩

14:15 グループ別ミーティング

15:15 諸注意、今後の予定について

15:45 終了

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2月18日(土) 第 3ステージ 第 7日目

9:00 大学院生等講師集合

9:30 開会、事務連絡

9:40 研究紹介1分間スピーチの発表

10:00 発表練習

10:45 休憩

11:00 発表練習

11:45 全体指導

12:00 昼食休憩

12:45 海外研修旅行の最終説明

14:15 休憩

14:30 グループ別ミーティング

15:30 諸注意、今後の予定について

16:00 終了

平成29年度

第1ステージ

実施予定表

6月 10日(土) 第1回講義

会場 ES総合館 ESホール

10時 00分 開会式 挨拶 高等研究院院長 篠原 久典

10時 20分 諸連絡

10時 30分 講義1「素粒子論入門 〜小林・益川を超える理論を目指して〜」

講演者 (理学部) 准教授 戸部 和弘

11時 30分 レポート1 (12時 00分 レポート回収、昼食休憩)

12時 45分 講義2「文化遺産は誰のものか ―パルテノン・マーブルから考える―」

講演者 (文学部) 教授 周藤 芳幸

13時 45分 レポート2 (14時 15分 レポート回収、休憩)

14時 30分 講義3「ヒトの遺伝的関係から人類の歴史を紐解く」

講演者 (医学部) 准教授 山本 敏充

15時 30分 レポート3(16時 00分 レポート回収)

6月 17日(土) 第2回講義

会場 理学南館 坂田・平田ホール

10時 00分 全体会 挨拶 理事・副総長 髙橋 雅英

10時 30分 講義4「消化管機能の謎:食べた物の消化・吸収と排泄」

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講演者 (農学部) 教授 松田 幹

11時 30分 レポート4 (12時 00分 レポート回収、昼食休憩)

12時 45分 講義5 「Earthquakes and tsunamis in Japan」

講演者 (理学部 環境学研究科) 教授 サイモン・ウォリス

13時 45分 レポート5(14時 15分 レポート回収、休憩)

14時 30分 講義6「脳をつくる細胞のふるまいを見つめる なぜ『脳の生い立ち』を研究

するのか?Why do/should we study brain development?」

講演者 (医学部) 教授 宮田 卓樹

15時 30分 レポート6(16時 00分 レポート回収)

7月 8日(土)第 3回講義 (9時 30分 受付開始)

会場 理学南館 坂田・平田ホール

10時 00分 全体会

10時 30分 講義7「"メカニカルな結合"でつくる分子集合体の化学」

講演者 (理学部) 准教授 山田 泰之

11時 30分 レポート7(12時 00分 レポート回収、昼食休憩)

12時 45分 講義8「光で原子を制御する ~量子の世界をデザイン~」

講演者 (工学部) 准教授 川口 由紀

13時 45分 レポート8(14時 15分 レポート回収、休憩)

14時 30分 講義9「太陽電池のデザインとプロセス」

講演者 (工学部) 教授 宇佐美 徳隆

15時 30分 レポート9(16時 00分 レポート回収)

16時 00分 諸連絡

第2ステージ

名大 MIRAI GSC 第2ステージ 成果発表会 要項

1 目的

各研究室での実験・実習による研究成果や研究を通して学んだこと等を発表する。

また、この成果発表会での評価を主に、第2ステージでの各研究室における実験・実習

への取組み等の評価、及び海外研修で必要な英会話能力の審査結果を加えて、第3ステー

ジへの進出者を選抜する。

2 日時

平成29年8月17日(木) 13:00~17:00

3 会場

全体連絡会 理学南館 理学セミナー室

成果発表会 理学A館 407、408、421講義室

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4 審査員

工学研究科 准教授 坂本 渉、講師 逢坂 直樹、助教 亀山 達矢

理学研究科 教授 清水 裕彦、准教授 槇 亙介、准教授 竹内 努、助教 友池 史明

医学系研究科 講師 大神 信孝、特任講師 伊藤 美佳子

生命農学研究科 助教 山田 早人

5 発表手順

13:00 受講生は、理学南館 理学セミナー室へ集合する

林より成果発表会及び英会話能力審査について全体説明

13:15 審査員は、理学A館 407講義室へ集合する

篠原より審査方法について説明

13:25 第1回、第2回の発表者は、それぞれ指定の会場へ移動する

13:30 第1回目の発表

発表者は、研究室ごとに2名でPPにより発表する。時間の流れは、

パソコン等の準備(2分) → 発表(10分) → 質疑(5分) → 採点(3分)

第 2 回目の発表者は、第1回目の発表者と一緒に発表会場へ移動し、第 1 回目の発

表会を見学する。第 3 回目の発表者は第 2 回目の発表開始時間前に会場前へ移動し、

第 1回目の発表者が退場したら会場へ入る。以下、同じ。

6 評価・採点基準

採点・評価については、① 独創力、② 企画力、③ 工夫力、④ 質問応答力、⑤ プ

レゼン力の5つの項目ごとに4段階で評価し、審査員1人当たり 30点満点とする(別紙

「採点・評価基準」を参照)。

名大 MIRAI GSC 第2ステージ 英会話能力審査会 要項

1 目的

第3ステージの海外研修で必要な英会話能力の審査を行い、第3ステージ(ファイナル

ステージ)への進出者を選抜するための資料とする。

2 日時

平成29年8月17日(木) 13:00~17:00

3 会場

全体連絡会 理学南館 理学セミナー室

審査委員会 理学南館 会議室

英会話能力審査会 理学南館 会議室、理学A館 422講義室

4 審査員

古田夏代(愛知県立千種高等学校教諭)、村上道郎(愛知県立守山高等学校教諭)

イアキント薫(愛知県立尾北高等学校教諭)、後藤光毅(愛知県立五条高等学校教諭)

5 審査手順

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65

13:00 受講生は、理学南館 理学セミナー室へ集合する

林より成果発表会及び英会話能力審査について全体説明

13:15 審査員は、理学南館 会議室へ集合する

林より審査方法について説明

13:25 第1回目の受審者は、それぞれ指定の会場へ移動する

13:30 第1回目の審査

受審者は、1人当たり約5分、個人面接の形式で受審する。

次に受審する受審者は、廊下で待機する。

受審者は、審査が終わりしだい全体連絡会場(理学南館 理学セミナー室)

へ戻る。

17:00 審査員は、理学南館 会議室へ集合後、解散。

6 評価・採点基準

採点・評価については、① 英会話を聞き取る能力、② 英語で発信する能力、③ 会

話力、④ 表現力の4つの項目ごとに4段階で評価し、審査員1人当たり 20点満点とする

(別紙「採点・評価基準」を参照)。

第3ステージ

実施予定表

9月 2日(土) 第3ステージ 第1日目

9:30 受講者集合

① 日本語による研究発表

② 第 1 回生との交流

17:00 終了予定

9月30日(土) 第3ステージ 第2日目

9:30 受講者集合

① メンタルヘルス・ケア講話

② 英語による研究発表

17:00 終了予定

10月 7日(土)・8日(日) GSC全国受講生研究発表会

10月21日(土) 第3ステージ 第3日目

9:30 受講者集合

① 口頭発表4ペアの練習

② ポスター発表9ペアの練習

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③ 外部講師による講習Ⅰ

16:30 終了

10月28日(土) 第3ステージ 第4日目

9:30 受講者集合

① 口頭発表4ペアの練習

② ポスター発表9ペアの練習

③ 外部講師による講習Ⅱ

16:30 終了

12月16日(土) 第3ステージ 第5日目

9:30 受講者集合

① 「科学三昧inあいち」発表会へ向けての練習

② 研究紹介1分間スピーチ(プレヴュー)の作成について

③ 海外研修についての諸連絡

16:30 終了

12月下旬 「科学三昧inあいち」発表会 岡崎コンファレンスセンター

2月 3日(土) 第3ステージ 第6日目

9:30 受講者集合

① 大学院生等講師によるオーラル発表、ポスター発表の指導

② 海外研修引率者による指導

③ 1分間スピーチ発表

④ 海外研修 班別ミーティング

16:30 終了

2月17日(土) 第3ステージ 第7日目

9:30 受講者集合

① 大学院生等講師による口頭発表、ポスター発表の指導

② 海外研修 直前指導

16:30 終了

3月 4日(日)~ 11日(日)海外研修 ドイツ連邦共和国フライブルク大学

3月22日(木) フォローアップ研修①

3月23日(金) フォローアップ研修②、海外研修報告会

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4. 「評価基準」詳細

平成28年度

第1ステージ

講義レポート評価・採点基準

次の観点別評価基準を参考に、観点別の点数を記入してから、合計点を記入する。

① 講義内容の理解度

よく理解している 5点 ほぼ理解している 3点

あまり理解できてない 1点 理解できてない 0点

② 独創性

とても独創的である 5点 まあ独創的である 3点

あまり独創的でない 1点 独創的でない 0点

③ 研究への意欲

とても意欲的である 5点 まあ意欲的である 3点

あまり意欲的でない 1点 意欲的でない 0点

④ 課題等への回答

的確な答えである 5点 まあ的確な答えである 3点

あまり的確でない 1点 的確でない 0点

なお、特に内容の優れているもの(独創性に優れている。課題への回答がとてもユニーク

である。など)。また、ぜひ研究室での実験・実習に参加させたいと思えるものについて、合

計点の記入欄上部にSを記する。

第2ステージ 成果発表会 採点・評価基準

① 独創力 [ ]

とても独創的である 5点 まあ独創的である 3点 あまり独創的でない 1点

独創的でない 0点

② 企画力 [ ]

とても企画力がある 5点 まあ企画力がある 3点 あまり企画力がない 1点

企画力がない 0点

③ 工夫力 [ ]

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とても工夫している 5点 まあ工夫している 3点 あまり工夫していない 1点

工夫してない 0点

④ 持続力 [ ]

とても持続力がある 5点 まあ持続力がある 3点 あまり持続力がない 1点

持続力がない 0点

⑤ プレゼン力 [ ]

とても良いプレゼンだ 5点 まあまあのプレゼンだ 3点 良いプレゼンでない 1点

プレゼンが悪い 0点

⑥ 英語力 [ ]

とても英語力に優れる 5点 まあ英語力に優れる 3点 英語力があまりない 1点

英語力がない 0点

<コメント>

採点者氏名

第2ステージ 実験・実習計画 (自己評価用ルーブリック)事前指導

1 研究テーマの設定

① 研究テーマはわかりやすく,研究内容を正確にイメージできる。

② 研究テーマには,取り組む問題(どういう問題に取り組むのか)および問題解決の

着眼点(どういう着眼で取り組むのか)を含む。

2 研究の目的

③ 研究の目的について,どういう問題に取り組むのか,どうして取り組むのか,どう

いう着眼で,何をやるのかを明確に示す。

3 結果の仮説

④ 取り組む問題に対する解答の予測を立てる。

4 実験の計画

⑤ 実験は取り組む問題に完全に答えることができるように計画する。

⑥ 実験条件の制御や対照実験を適切に設定する。

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⑦ 実験手順が具体的かつ正確に示されており,実験計画をみれば,実験を円滑に行う

ことができるような計画にする。

⑧ 安全面や経済面に十分考慮する。

5 協同研究

⑨ 2人の意思疎通をしっかり取り、協同して研究に取り組む。

⑩ 研究に対する意見交換を活発に行い、アイデアを出し合い、より良い実験・実習を

行うようにする。

第2ステージ 実験・実習計画 (自己評価用ルーブリック)

優秀(3点) 普通(1点) 努力が必要(0点)

テーマ設定(

6点)

□研究テーマはわかりやすく,研

究内容を正確にイメージできるも

のになっている。

□研究テーマは概ね研究の内容を

イメージできるものになっている

が,少し短い/少し長い/少しわ

かりにくい。

□研究テーマは研究内容をイメー

ジできるものになっていない(短

すぎる/長すぎる/わかりにく

い)

□研究テーマには,取り組む問題

(どういう問題に取り組むのか)

および問題解決の着眼点が含まれ

ている。

□研究テーマには,取り組む問

題,または問題解決の着眼点が示

されていない。

□研究テーマには,取り組む問題

および問題解決の着眼点が示され

ていない。

目的(

3点)

□研究の目的について,どういう

問題に取り組むのか,どうして取

り組むのか,どういう着眼で,何

をやるのかが明確に示されてい

る。

□研究の目的について,どういう

問題に取り組むのか/どうして取

り組むのか/どういう着眼で/何

をやるのかのいずれかが示されて

いない。

□研究の目的について,どういう

問題に取り組むのか/どうして取

り組むのか/どういう着眼で/何

をやるのかが示されていない。

仮説(

3点)

□取り組む問題に対する解答の予

測がきちんと書かれている。

□取り組む問題に対する解答の予

測は書かれているが,不十分であ

る/論理に問題がある。

□取り組む問題に対する解答の予

測が書かれていない。

実験計画(

12点)

□実験は取り組む問題に完全に答

えることができるものになってい

る。

□実験は取り組む問題に概ね答え

ることができるものになっている

が,不十分である。

□実験は取り組む問題に答えられ

るものになっていない。

□実験条件の制御や対照実験の設

定が適切である。

□実験条件の制御や対照実験の設

定が不十分である。

□実験条件の制御,または対照実

験が設定されていない。

□実験手順が具体的かつ正確に示

されており,実験計画をみれば実

験を円滑に行うことができる。

□実験手順にはあいまい,または

不正確な部分がある。

□実験手順はあいまいで,不正確

であり,実験を円滑に行えるもの

でない。

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70

□安全面や経済(費用)面が十分

に考慮されている。

□安全面や経済(費用)面が考慮

されているが,不十分である。

□安全面,または経済(費用)面

が考慮されていない,または問題

がある。

協同研究(

6点)

□二人の意思疎通をしっかり取

り、協同して研究に取り組む。

□二人の意思疎通を取ることはで

きたが、十分に協働して研究する

ことができなかった。

□二人の意思疎通がしっかり取れ

ず、協同して研究に取り組むこと

ができなかった。

□研究に対する意見交換を活発に

行い、アイデアを出し合い、より

良い実験・実習を行うことができ

た。

□研究に対する意見交換はできた

が、アイデアを出し合うことがで

きなかった。

□研究に対する意見交換を十分に

行うことができず、アイデアも出

なかった。

第2ステージ 実験・実習 (採点者用ルーブリック①)

優秀 普通 努力が必要

□タイトルはわかりやすく,研究

内容を正確にイメージできるもの

になっている。

□タイトルは概ね研究の内容をイ

メージできるものになっている

が,少し短い/少し長い/少しわ

かりにくい。

□論文のタイトルは研究内容をイ

メージできるものになっていない

(短すぎる/長すぎる/わかりに

くい)

□タイトルには,取り組む問題

(どういう問題に取り組むのか)

および問題解決の着眼点(どうい

う着眼で)が含まれている。

□タイトルには,取り組む問題/

問題解決の着眼点が示されていな

い。

□タイトルには,取り組む問題お

よび問題解決の着眼点が示されて

いない。

□何を前にして(背景),どういう

問題に取り組むのか,どうして取

り組むのか,どういう着眼で,何

をやるのかがきちんと示されてい

る。

□序論としての構成は概ねよい

が,何を前にして(背景)/どう

いう問題に取り組むのか/どうし

て取り組むのか/どういう着眼で

/何をやるのかが示されていな

い。

□何を前にして(背景)/どうい

う問題に取り組むのか/どうして

取り組むのか/どういう着眼で/

何をやるのかが示されておらず,

ただの前置きになってしまってい

る。

□取り組む理由は書かれているも

のの「興味を持ったから」となっ

ている。

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71

□読者が研究を再現できるよう,

研究対象,材料・器具・試薬,実

験・観察・調査のねらい,実験・

観察・調査の方法・統計処理の方

法などが適切に記述されている。

□概ね読者が研究を再現できるよ

う実験方法が記述されているが,

研究対象/材料・器具・薬品/実

験・観察・調査のねらい/実験・

観察・調査の方法/統計処理の方

法の記述が不十分である,または

記述されていない。

□研究対象/材料・器具・薬品/

実験・観察・調査のねらい/実

験・観察・調査の方法/統計処理

の方法の記述不備があるまたは記

述されておらず,読者が実験を再

現するのは困難である。

第2ステージ 実験・実習 (採点者用ルーブリック②)

優秀 普通 努力が必要

結果

□わかりやすい形にまとめたデ

ータ等が適切に示されている。

□まとめたデータが示されてい

るが,わかりにくい/適切でな

い形でまとめられている。

□わかりやすい形にまとめたデ

ータが示されていない。

□個々の結果の説明が十分に記

述されている。

□個々の結果の説明が記述され

ている。

□個々の結果の説明が不十分で

ある/記述されていない。

□個々の結果の要約が十分に記

述されている。

□個々の結果の要約が記述され

ている。

□個々の結果の要約が不十分で

ある/記述されていない

考察

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが論理的に

議論されている。

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが議論され

ているが,論理に矛盾や飛躍が

ある。

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが議論され

ていない。

結論

□取り組んだ問題への解答(結

論)がきちんと示されている。

□取り組んだ問題への解答(結

論)が示されているが,不十分

な点がある。

□取り組んだ問題への解答(結

論)が示されていない。

参考文献

□参考文献が適切に記されてい

る。

□参考文献が記されてはいる

が,適切でない記述法になって

いる。

□参考文献が記されていない。

協同研究

□二人が意思疎通をしっかり取

り合い、協同して研究に取り組

んでいた。

□二人は意思疎通を取るように

努力していたが、十分に協働し

て研究することができなかっ

た。

□二人の意思疎通がしっかり取

れず、協同して研究に取り組ん

でいなかった。

Page 72: 名古屋大学 グローバルサイエンスキャンパス 「名 …...業務計画の概要については、以下のとおりである。 ① 受講生の募集については、名古屋大学のホームページ等を通して全国へ広く募集を周

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□研究に対する意見交換を活発

に行って、アイデアを出し合

い、より良い実験・実習を行う

ことができた。

□研究に対する意見交換はして

いたが、アイデアを出し合うま

でには至らなかった。

□研究に対する意見交換を十分

に行うことができず、アイデア

も出なかった。

<コメント>

採点者氏名

平成29年度

第1ステージ講義 レポート評価・採点基準

ア 講義内容の理解度:聴講内容を的確に理解している=5点、ほぼ理解している=3点、

あまりできていない=1点、全く理解できていない=0点

イ 独創性:聴講内容や講師からの課題等に対し、独創性に溢れた表現である=5点、独創

性が感じられる=3点、あまり独創性がない=1点、全く独創性がない=0点

ウ 研究への意欲:聴講内容に関わる研究をしようという意欲に溢れている=5点、だいぶ

意欲が 感じられる=3点、あまり意欲が感じられない=1点、全く意欲が感じられな

い=0点

エ 課題等への回答:講師からの課題等に対し、的確な回答である=5点、ほぼ的確な回答

である=3点、あまり的確な回答でない=1点、全く回答になっていない=0点

なお、特にレポート内容の優れているもの(ユニークな発想でとても独創性に優れている、

ぜひ研究室での実験・実習に参加させたいと思えるもの)については、合計点の記入欄上部

に「S」を記す。

以上のア~エの4項目ごとに、5点、3点、1点、0点をつける。1つの講義の最高点は

20点、9講義で合計180点が最高点。

第2ステージ 成果発表会 採点・評価基準

① 独創力 [ ]

大学の職員や学生では思いつかないようなユニークさがある=6点

だいぶ独創性が感じられる=3点 あまり独創性を感じない=1点

全く独創性を感じない=0点

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② 企画力 [ ]

問題解決に向けて効果的かつ合理的な研究方法である=6点

だいぶ効果的かつ合理的である=3点 あまり効果的または合理的でない=1点

全く効果的でも合理的でもない=0点

③ 工夫力 [ ]

従前にとらわれずに可能な方法をよく考案している=6点

だいぶ工夫をこらしている=3点 あまり工夫されていない=1点

全く工夫が感じられない=0点

④ 質疑応答力 [ ]

質問に対し適切に分かりやすく回答できる=6点

比較的上手く答えている=3点 あまり上手く回答できない=1点

全く回答ができない=0点

⑤ プレゼン力 [ ]

聴く者に分かりやすく理解しやすい表現で発表している=6点

だいぶ分かりやすく理解しやすい表現である=3点

分かりにくく理解しにくい表現である=1点 全く表現力のない発表である=0点

<注意>

上記①~⑤の観点別評価基準を参考に、[ ]欄へ6点、3点、1点、0点をつけてから、

右上 へ合計点を記入してください。

最高点は30点になります。18点をおおむねの平均点とします。観点別の点数を記入し

ないで、合計点を30点満点から0点の間でつけていただいてもけっこうです。

<コメント>

第2ステージ 英会話能力審査 採点・評価基準

第 研究室 番

① 英会話を聞き取る能力 [ ]

的確に聞き取り理解している=5点 ほぼ理解している=3点

Page 74: 名古屋大学 グローバルサイエンスキャンパス 「名 …...業務計画の概要については、以下のとおりである。 ① 受講生の募集については、名古屋大学のホームページ等を通して全国へ広く募集を周

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あまり理解できていない=1点 全く理解できていない=0点

② 英語で発信する能力 [ ]

的確な語彙で流暢に話すことができる=5点 だいたい話すことができる=3点、

あまり話すことができない=1点 全く話すことができない=0点

③ 会話力 [ ]

知識が深くボキャブラリーが豊かで会話がはずむ=5点

まあまあ会話がはずむ=3点

あまり会話がはずまない=1点 全く会話がはずまない=0点

④ 表現力 [ ]

豊かな表現力で楽しく会話ができる=5点 まあまあの表現力で会話ができる=3点

あまり表現力がない=1点 全く表現力がない=0点

<注意>

上記①~④の観点別評価基準を参考に、[ ]欄へ5点、3点、1点、0点をつけてか

ら、右上の へ合計点を記入してください。最高点は20点になります。

12点をおおむねの平均点とします。

観点別の点数を記入しないで、合計点を20点満点から0点の間でつけていただいても

けっこうです。

<コメント>

名大 MIRAI GSC 第2ステージ 英会話能力審査会 質問・指示内容

1 番号、名前を述べてください。

2 なぜ、名大 GSCの受講を希望しましたか?

《質問例》

a 名大 GSCに参加し、第1・第2ステージを通してどのようなことを学びましたか?

b 第2ステージで行った実験・実習の感想を述べてください。

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c 海外研修に参加したら、海外でどのようなことを学んできたいですか?

d 海外研修に参加したら、海外の人たちに日本のどのようなことを紹介したいですか?

e 自然科学の分野で、興味のあることは何ですか?

f 日本の文化の中で、興味や関心の高いことは何ですか?

g あなたの学校のことを述べてください。

h あなたの家族のことを述べてください。

3 大学では、どのような研究をしたいと思いますか?

4 将来、どのような職業に就きたいですか?

5 以上で終わります。控室へ戻ってください。

注意

ア 受審者は廊下で待機していますので、審査員のうちの一人が入室を指示してくださ

い。

イ 上記の流れにより、受審者一人当たり約5分で質問・回答を行ってください。

ウ 回答の内容に関連しての質問を続けていただいてもけっこうです。

第2ステージ 実験・実習計画 《自己評価用ルーブリック》事前指導

1 研究テーマの設定

① 研究テーマはわかりやすく,研究内容を正確にイメージできる。

② 研究テーマには,取り組む問題(どういう問題に取り組むのか)および問題解決の着

眼点(どういう着眼で取り組むのか)を含む。

2 研究の目的

③ 研究の目的について,どういう問題に取り組むのか,どうして取り組むのか,どうい

う着眼で,何をやるのかを明確に示す。

3 結果の仮説

Page 76: 名古屋大学 グローバルサイエンスキャンパス 「名 …...業務計画の概要については、以下のとおりである。 ① 受講生の募集については、名古屋大学のホームページ等を通して全国へ広く募集を周

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④ 取り組む問題に対する解答の予測を立てる。

4 実験の計画

⑤ 実験は取り組む問題に完全に答えることができるように計画する。

⑥ 実験条件の制御や対照実験を適切に設定する。

⑦ 実験手順が具体的かつ正確に示されており,実験計画をみれば,実験を円滑に行うこ

とができるような計画にする。

⑧ 安全面や経済面に十分考慮する。

5 協同研究

⑨ 二人の意思疎通をしっかり取り、協同して研究に取り組む。

⑩ 研究に対する意見交換を活発に行い、アイデアを出し合い、より良い実験・実習を行

うようにする。

第2ステージ 実験・実習計画 《自己評価用ルーブリック》

優秀(3点) 普通(1点) 努力が必要(0点)

テーマ設定(

6点)

□研究テーマはわかりやすく,研

究内容を正確にイメージできる

ものになっている。

□研究テーマは概ね研究の内容

をイメージできるものになって

いるが,少し短い/少し長い/少

しわかりにくい。

□研究テーマは研究内容をイメ

ージできるものになっていない

(短すぎる/長すぎる/わかり

にくい)

□研究テーマには,取り組む問題

(どういう問題に取り組むのか)

および問題解決の着眼点が含ま

れている。

□研究テーマには,取り組む問

題,または問題解決の着眼点が示

されていない。

□研究テーマには,取り組む問題

および問題解決の着眼点が示さ

れていない。

目的(

3点)

□研究の目的について,どういう

問題に取り組むのか,どうして取

り組むのか,どういう着眼で,何

をやるのかが明確に示されてい

る。

□研究の目的について,どういう

問題に取り組むのか/どうして

取り組むのか/どういう着眼で

/何をやるのかのいずれかが示

されていない。

□研究の目的について,どういう

問題に取り組むのか/どうして

取り組むのか/どういう着眼で

/何をやるのかが示されていな

い。

仮説(

3点)

□取り組む問題に対する解答の

予測がきちんと書かれている。

□取り組む問題に対する解答の

予測は書かれているが,不十分で

ある/論理に問題がある。

□取り組む問題に対する解答の

予測が書かれていない。

実験計画(

12

点)

□実験は取り組む問題に完全に

答えることができるものになっ

ている。

□実験は取り組む問題に概ね答

えることができるものになって

いるが,不十分である。

□実験は取り組む問題に答えら

れるものになっていない。

Page 77: 名古屋大学 グローバルサイエンスキャンパス 「名 …...業務計画の概要については、以下のとおりである。 ① 受講生の募集については、名古屋大学のホームページ等を通して全国へ広く募集を周

77

□実験条件の制御や対照実験の

設定が適切である。

□実験条件の制御や対照実験の

設定が不十分である。

□実験条件の制御,または対照実

験が設定されていない。

□実験手順が具体的かつ正確に

示されており,実験計画をみれば

実験を円滑に行うことができる。

□実験手順にはあいまい,または

不正確な部分がある。

□実験手順はあいまいで,不正確

であり,実験を円滑に行えるもの

でない。

□安全面や経済(費用)面が十分

に考慮されている。

□安全面や経済(費用)面が考慮

されているが,不十分である。

□安全面,または経済(費用)面

が考慮されていない,または問題

がある。

協同研究(

6点)

□二人の意思疎通をしっかり取

り、協同して研究に取り組む。

□二人の意思疎通を取ることは

できたが、十分に協働して研究す

ることができなかった。

□二人の意思疎通がしっかり取

れず、協同して研究に取り組むこ

とができなかった。

□研究に対する意見交換を活発

に行い、アイデアを出し合い、よ

り良い実験・実習を行うことがで

きた。

□研究に対する意見交換はでき

たが、アイデアを出し合うことが

できなかった。

□研究に対する意見交換を十分

に行うことができず、アイデアも

出なかった。

第2ステージ 実験・実習 《採点者用ルーブリック①》

優秀 普通 努力が必要

タイトル

□タイトルはわかりやすく,研

究内容を正確にイメージできる

ものになっている。

□タイトルは概ね研究の内容を

イメージできるものになってい

るが,少し短い/少し長い/少

しわかりにくい。

□論文のタイトルは研究内容を

イメージできるものになってい

ない(短すぎる/長すぎる/わ

かりにくい)

□タイトルには,取り組む問題

(どういう問題に取り組むの

か)および問題解決の着眼点

(どういう着眼で)が含まれて

いる。

□タイトルには,取り組む問題

/問題解決の着眼点が示されて

いない。

□タイトルには,取り組む問題

および問題解決の着眼点が示さ

れていない。

序論

□何を前にして(背景),どうい

う問題に取り組むのか,どうし

て取り組むのか,どういう着眼

で,何をやるのかがきちんと示

されている。

□序論としての構成は概ねよい

が,何を前にして(背景)/ど

ういう問題に取り組むのか/ど

うして取り組むのか/どういう

着眼で/何をやるのかが示され

ていない。

□何を前にして(背景)/どう

いう問題に取り組むのか/どう

して取り組むのか/どういう着

眼で/何をやるのかが示されて

おらず,ただの前置きになって

しまっている。

Page 78: 名古屋大学 グローバルサイエンスキャンパス 「名 …...業務計画の概要については、以下のとおりである。 ① 受講生の募集については、名古屋大学のホームページ等を通して全国へ広く募集を周

78

□取り組む理由は書かれている

ものの「興味を持ったから」と

なっている。

研究方法

□読者が研究を再現できるよ

う,研究対象,材料・器具・試

薬,実験・観察・調査のねら

い,実験・観察・調査の方法・

統計処理の方法などが適切に記

述されている。

□概ね読者が研究を再現できる

よう実験方法が記述されている

が,研究対象/材料・器具・薬

品/実験・観察・調査のねらい

/実験・観察・調査の方法/統

計処理の方法の記述が不十分で

ある,または記述されていな

い。

□研究対象/材料・器具・薬品

/実験・観察・調査のねらい/

実験・観察・調査の方法/統計

処理の方法の記述不備があるま

たは記述されておらず,読者が

実験を再現するのは困難であ

る。

<コメント>

採点者氏名

第2ステージ 実験・実習 《採点者用ルーブリック②》

優秀 普通 努力が必要

結果

□わかりやすい形にまとめたデ

ータ等が適切に示されている。

□まとめたデータが示されてい

るが,わかりにくい/適切でな

い形でまとめられている。

□わかりやすい形にまとめたデ

ータが示されていない。

□個々の結果の説明が十分に記

述されている。

□個々の結果の説明が記述され

ている。

□個々の結果の説明が不十分で

ある/記述されていない。

□個々の結果の要約が十分に記

述されている。

□個々の結果の要約が記述され

ている。

□個々の結果の要約が不十分で

ある/記述されていない

考察

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが論理的に

議論されている。

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが議論され

ているが,論理に矛盾や飛躍が

ある。

□個々の結果について,そのよ

うな結果になった理由や,その

結果からいえることが議論され

ていない。

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79

結論

□取り組んだ問題への解答(結

論)がきちんと示されている。

□取り組んだ問題への解答(結

論)が示されているが,不十分

な点がある。

□取り組んだ問題への解答(結

論)が示されていない。

参考文献

□参考文献が適切に記されてい

る。

□参考文献が記されてはいる

が,適切でない記述法になって

いる。

□参考文献が記されていない。

協同研究

□二人が意思疎通をしっかり取

り合い、協同して研究に取り組

んでいた。

□二人は意思疎通を取るように

努力していたが、十分に協働し

て研究することができなかっ

た。

□二人の意思疎通がしっかり取

れず、協同して研究に取り組ん

でいなかった。

□研究に対する意見交換を活発

に行って、アイデアを出し合

い、より良い実験・実習を行う

ことができた。

□研究に対する意見交換はして

いたが、アイデアを出し合うま

でには至らなかった。

□研究に対する意見交換を十分

に行うことができず、アイデア

も出なかった。

<コメント>

採点者氏名

5. 評価結果の詳細

平成 28年度

参加申込み 第1ステージ 第2ステージ 第3ステージ

高校名 男 女 計 男 女 計 男 女 計 男 女 計 SSH/SGH

旭丘 6 13 19 1 6 7 1 4 5 1 2 3 SGH

千種 3 1 4 3 1 4 2 0 2 1 0 1

瑞陵 7 1 8 4 1 5 2 0 2 1 0 1

昭和 2 0 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0

西春 3 0 3 3 0 3 1 0 1 0 0 0

一宮 0 2 2 0 1 1 0 1 1 0 0 0 SSH

一宮西 2 1 3 2 1 3 0 0 0 0 0 0

半田 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 0 0 SSH

豊田西 3 0 3 3 0 3 1 0 1 1 0 1 SSH

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平成 29年度

参加申込み 第 1ステージ 第2ステージ 第3ステージ

高校名

男 女 計

男 女 計

男 女 計

男 女 計

SSH校

または

SGH校

旭丘 5 8 13 2 4 6 10 0 3 4 7 0 1 3 4 0 SGH

明和 0 3 3 1 0 3 3 1 0 1 1 0 0 1 1 0 SSH

千種 1 3 4 2 1 3 4 0 0 1 1 0 0 0 0 0

瑞陵 5 3 8 3 4 1 5 0 0 1 1 0 0 0 0 0

豐野 2 0 2 2 0 2 0 0 0 0 0 0

岡崎 13 11 24 13 11 24 5 8 13 2 2 4 SSH

刈谷 6 2 8 6 2 8 3 0 3 2 0 2 SSH

西尾 4 0 4 4 0 4 1 0 1 0 0 0

時習館 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 SSH・SGH

豊橋東 2 2 4 2 2 4 0 2 2 0 1 1

菊里 2 1 3 2 1 3 0 1 1 0 0 0

向陽 13 1 14 11 1 12 5 1 6 3 0 3 SSH

名大附 2 1 3 2 1 3 2 0 2 0 0 0 SSH・SGH

東海 1 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0

淑徳 0 5 5 0 5 5 0 2 2 0 1 1

滝 1 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0

岐阜 4 2 6 4 2 6 2 2 4 1 0 1

岐阜北 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 SGH

多治見北 1 2 3 1 1 2 1 1 2 0 0 0

桑名 1 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0

静岡 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 0 0

浜松北 2 3 5 2 3 5 2 3 5 1 1 2

沼津西 2 0 2 2 0 2 1 0 1 0 0 0

江戸川学園 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

合計 84 51 135 73 42 115 30 28 58 14 8 22

愛知県 73 42 115 63 34 97 24 20 44 12 6 18

岐阜県 5 5 10 5 4 9 3 4 7 1 1 2

三重県 1 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0

静岡県 4 4 8 4 4 8 3 4 7 1 1 2

茨城県 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

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昭和 11 1 12 6 3 1 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0

中村 1 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

天白 2 0 2 2 2 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0

愛知総合

工科 2 0 2 0 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0

尾北 1 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

西春 2 1 3 0 2 1 3 0 2 1 3 0 1 1 2 0

一宮 3 3 6 2 3 3 6 2 0 3 3 0 0 1 1 0 SSH

五条 1 0 1 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

半田 20 4 24 0 6 4 10 0 2 2 4 0 1 2 3 0 SSH

豊田西 1 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 SSH

岡崎 10 6 16 0 10 4 14 0 4 3 7 0 1 1 2 0

岡崎東 1 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

幸田 0 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

刈谷 5 4 9 6 3 4 7 4 2 0 2 0 1 0 1 0 SSH

安城東 2 0 2 0 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0

西尾 5 1 6 1 3 0 3 0 1 0 1 0 0 0 0 0

知立東 1 2 3 0 1 2 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0

時習館 1 2 3 1 1 2 3 1 1 1 2 0 1 1 2 0 SSH・SGH

豊橋東 2 0 2 0 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0

菊里 0 4 4 2 0 4 4 2 0 0 0 0 0 0 0 0

向陽 15 8 23 0 8 2 10 0 2 1 3 0 1 0 1 0 SSH

名大附 4 5 9 9 3 0 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 SSH・SGH

南山 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0

金城 0 12 12 4 0 7 7 0 0 0 2 0 0 1 1 0

淑徳 0 15 15 1 0 7 7 0 0 0 4 0 0 1 1 0

滝 4 4 8 8 2 2 4 4 4 0 0 0 0 0 0 0

岐阜 9 3 12 5 5 3 8 3 3 1 2 0 1 0 1 0

岐阜北 3 1 4 0 3 1 4 0 0 1 0 0 0 0 0 0 SGH

多治見北 1 2 3 0 1 2 3 0 0 1 1 0 0 1 1 0

恵那 2 2 4 2 2 1 3 1 1 0 0 0 0 0 0 0

可児 3 1 4 4 2 1 3 3 3 0 0 0 0 0 0 0

武義 2 0 2 0 2 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0

郡上 0 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

四日市 0 5 5 2 0 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0

津 0 1 1 1 0 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0

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桑名 2 3 5 0 2 3 5 0 0 0 2 0 0 1 1 0

川越 0 1 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

静岡東 1 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

浜松北 1 2 3 0 1 2 3 0 0 0 2 0 0 2 2 0

浜松西 2 1 3 2 2 1 3 2 2 0 1 0 0 1 1 0

清水東 2 1 3 0 2 1 3 0 0 0 1 0 0 1 1 0

韮山 5 2 7 2 4 1 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0

下田 0 2 2 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0

吉原工業 1 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0

横浜サイ

エンス 1 0 1 1 1 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 SSH・SGH

合計 140 119 259 70 96 82 178 33 20 34 54 0 8 18 26 0

愛知県 105 91 196 45 67 58 125 22 17 25 42 0 7 12 19 0

岐阜県 20 10 30 11 15 9 24 7 3 3 6 0 1 1 2 0

三重県 2 10 12 3 2 8 10 1 0 2 2 0 0 1 1 0

静岡県 12 8 20 4 11 7 18 2 0 4 4 0 0 4 4 0

神奈川県 1 0 1 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

6. 人材育成の成果、達成水準を示す具体的資料

平成29年度

1.学会の詳細

INTERNATIONAL SYMPOSIUM FOR ADVANCED MATERIALS RESEARCH (ISAMR 2017)

2017年 8月 18日~21 日 Sun Moon Lake, Taiwan

2.指導教員及び受講生の氏名

指導教員:湯川 宏(工学研究科 准教授)

受講生:

相津 知晴(アイヅ トモハル) 愛知県立時習館高校 2年

武藤 大(ムトウ ダイ) 愛知県立西春高校 2年

3.発表テーマ・研究内容

Abstract

Temperature Dependence of Hydrogen Permeability through Pd-40mass%Cu Alloy

Membrane at High Temperature

K. Nomura1, T. Aizu2, D. Muto3, H. Yukawa1* and M. Tanahashi1

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1. Department of Materials Design Innovation Engineering, School of Engineering,

Nagoya University, Japan

2. Jishukan Senior High School, Japan

3. Nishiharu High School, Japan

* Corresponding author, E-mail:

Abstract

Pd-based alloy membranes are known to exhibit hydrogen permeation ability. Among

them, Pd-20~25mass%Ag alloy with fcc crystal structure and Pd-40mass%Cu alloy with

B2 crystal structure are widely used practically for hydrogen separation and

purification purposes.

Recently, the temperature dependence of hydrogen permeability through Pd-23mol%Ag

alloy membrane at low temperature has been investigated [1]. It is found that the

hydrogen permeability decreases with decreasing temperature above 300°C, in good

agreement with the literature. However, it starts to increases below 250°C, and

a peak is observed at around 180°C.

On the other hand, Pd-40mass%Cu alloy with B2 crystal structure have some superior

properties, e.g., higher hydrogen permeability and lower cost than pure palladium,

enhanced thermal cycling properties and sulfur tolerance. The high hydrogen

permeability of Pd-Cu alloy membrane is attributable to its crystal structure,

because the hydrogen diffusion is generally much faster in bcc metals than in fcc

metals. Also, the activation energy for hydrogen diffusion is quite small for Pd-

40mass%Cu alloy with B2 crystal structure. However, there is a few report on the

temperature dependence of hydrogen permeability through Pd-Cu alloy membrane,

especially at high temperature crossing the boundary of the phase transition.

In this study, the temperature dependence of hydrogen permeability through Pd-

40mass%Cu alloy membrane have been investigated over a wide temperature range

between 200°C and 700°C. Also, in-situ X-ray diffraction experiments are

performed from room temperature up to 650°C under 100kPa of hydrogen pressure, in

order to determine the alloy phase and the lattice parameter at high temperature

in hydrogen atmosphere. For comparison, hydrogen permeation tests and in-situ XRD

experiments are also performed for Pd-23mass%Ag alloy membrane with fcc crystal

structure.

[1] A. Suzuki, H. Yukawa, T. Nambu, Y. Matsumoto and Y. Murata, Mater. Tans. 57

(2016) 695.

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台湾研修について

愛知県立西春高等学校2年 武藤 大

まず、始めに今回台湾の国際学会に参加できたことはいろいろな人のおかげだと思って

います。貴重な体験ができたことを本当にありがたく思います。また、この経験は自分にと

ってこれからの人生の大きな糧になりました。このことを自信にして、あらゆる分野で挑戦

していきたいです。

今回、初めて海外に行ってみてやはり世界の公用語は英語なのだと強く感じました。学会

の中ではもちろんのこと、街中でも、台湾の言葉が通じないと分かると当たり前に英語で会

話していました。また、今回の学会はアジアを中心として開かれていたので、むしろ英語を

公用語としている人の方が少数派でした。それでも、話されていたのは英語でした。それほ

どに英語は各国へ浸透しているものなのだと感じました。

教授の方々の発表は引き込まれるものが多く、学べるものがたくさんありました。スライ

ドの構成や、話術はもちろんですが、何より僕が感じたのは、笑顔で楽しそうに発表してい

たことです。皆さん本当に自分の研究に誇りをもっているのだとただ単純に憧れました。

自分達の発表は、大学院生の方がセリフのようなものを箇条書きに英語で渡してくれた

ので、それを発表前に読んで、自分の言葉に直しながら説明するという形になりました。多

くの人が high school と書いてあるのを見て、話しかけてくれました。本当に気さくな人が

多かったので助けられました。審査をしていた方も、僕が話している間、ずっと難しい顔を

していたので、通じてないのかとか、見当違いなことを言っているのではないかとか考えて

いました。しかし、最後に high school student? So great.と笑って、言ってくれました。

発表がどうだったのかは分かりませんが、最後に笑って帰ってくれたのが何よりも嬉しか

ったです。

また、台湾の人は日本人よりもフレンドリーで世話好きな人が多いようでした。アイス

クリーム屋のおばちゃんは手をいきなり引っ張ったかと思ったら、自分でやってみといっ

た感じでコーンを渡されました。その後もポーズをとりながら一緒に写真を撮ってくれま

した。

二日目に行った料理屋では、店員さんがメニューのいたるところを指さしながら、これは

何の料理と何の料理で大体何人分あるのかや、飲み物はどこにあるのか、この料理に使って

いる魚はそこの生け簀で泳いでいるあいつだとか、本当に詳しく説明してくれました。僕は

教科書の英語しか知りませんでした。僕は言葉が違うということを必要以上に怖がってい

たのかもしれません。しかし、言葉が違っていても、よくよく聞いてみるとこれ落としたよ

と言っていたり、写真撮ってくれませんかと言っていたりします。まったく怖がる必要はあ

りませんでした。海外で一番大切なのは勇気をもって話しかけることなのかなと思いまし

た。

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台湾研修レポート

愛知県立時習館高等学校2年 相津 知晴

1 日程

2017年8月18日(金)~8月22日(火) 5日間

8月18日(金) 中部国際空港出発 CI 151便 桃園国際空港到着

桃園国際空港から専用車で移動 ホテル:日月潭大飯 到着 宿泊

8月19日(土) 学会参加

夜 ポスター発表練習 日月潭大飯 宿泊

8月20日(日) 学会参加

17:30~18:45 ポスター発表

日月潭大飯 宿泊

8月21日(月) 午前 学会参加

昼から Excursionに参加

ホテル:六福客桟 到着 宿泊

8月22日(火) 桃園国際空港へ専用車で移動

桃園国際空港出発 CX503便 中部国際空港到着

2 ポスター発表内容

タイトル:Temperature Dependence of Hydrogen Permeability through Pd-53%Cu

Alloy Membrance at HighTemperature

内容:水素だけが透過する水素透過金属膜というものを使い、より高純度の水素を作ろ

うという実験。そのなかで今回はパラジウムと銅の合金に着目をし、今までにあまり実験

されていない高温状態での水素透過能はどうなるのかを調べた。その結果として、35

0℃までは水素透過能は直線的に良くなったが、350℃を過ぎると水素透過能は悪くな

っていった。しかし、600℃まで水素透過能は悪化したが、そこから実験を行った上限

値である700℃までは直線的な上昇を見せた。このことは、パラジウム銅合金の金属結

晶が温度の上昇とともに変化しているのではないかと考えた。そこで、金属の結晶構造を

調べることのできるXRD装置を用いて温度の上昇による変化を調べた。その結果、45

0℃から550℃にかけ結晶構造の変化が見られた。このことから、パラジウム銅合金の

水素透過能が350℃以降悪化したのは、パラジウム銅合金の構造が変化したからである

と考えた。

3 台湾研修で学んだ事

今回の台湾研修で学んだことは、普段話していない英語で発表する難しさです。英語は

普段は授業あたりでしか使うことがないので相手に伝える事には苦労しました。今回はポ

スター発表でしたので、相手の反応を見ながら丁寧に説明することがあり、ほかにも、実

験は専門的なことをやるのでその分野を専門としていない聞き手の方に説明するには言葉

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をかみ砕いて簡単にして説明するなど、相手の立場や状況に応じて臨機応変に対応するこ

とは大変でした。また、今回はポスター発表の中の空いた時間にはほかの方のポスターの

説明を積極的に聴きに行きました。ほかの方は、今までに多くポスター発表をしてこられ

たのか、発表の内容がわかりやすくとても聴きやすかったです。さらには、質問にも的確

に丁寧に答えてくださり、聴くことによっても発表の勉強になりました。今回の会議では

ポスター発表以外の時間は先生方のオーラル発表を聴いていました。その中でも、最後に

聞いた先生の講義はとても印象に残っています。その先生は、ソーラーパネルの必要性に

ついて語られておりとても勉強になる発表でした。

さらに、会議の途中にある昼食の時間には、様々な先生と同席になりました。日本の先

生方と話すときにはこれからのことなどの勉強に、海外の先生方と一緒になった際には、

英語で相手の方と話す勉強になりました。さらには、宗教上の規約を理由に豚肉を食べら

れない方たちとも一緒に食事をしました。初めてこのような宗教を理由に食べられない方

を見て驚きました。

また、今回の会議についていたオプショナルツアーでは、中正記念堂と故宮博物館を訪

れ、中正記念堂では蒋介石の偉大さを、故宮博物館では古代中国から現代までの中国の芸

術や文化に触れることができました。

今回の台湾研修では、普段の生活では体験することのできない様々なことを体験するこ

とができました。高校生で学会に参加することなどほとんどないので、話を聴いてくださ

った先生方も驚いておられました。今回学んだことを友達などに伝え、今後の生活に少し

でも役立てていきたいと思います。

7. 実行推進体制図

平成29年度から実施機関に環境学研究科が参画。(実施担当者、共同実施担当者)