保健衛生管理に関する法令・通達 · ®¯%ÌÍkÈåw` w w|m 3333...

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保健衛生管理に関する法令・通達 1 労働安全衛生法 労働安全衛生法 労働安全衛生法 労働安全衛生法(抄)

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保健衛生管理に関する法令・通達 1111 労働安全衛生法労働安全衛生法労働安全衛生法労働安全衛生法((((抄抄抄抄)))) (昭和 47 年 6 月 8 日 法律第 57 号) (最終改正:平成 18 年 6 月 2 日 法律第 50 号) 第 1 章 総則 (目的) 第 1 条 この法律は、労働基準法 (昭和 22 年法律第 49 号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。 第 4 章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置 第 23 条 事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。 第 7 章 健康の保持増進のための措置 (作業の管理) 第 65 条の 3 事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。 (健康診断) 第 66 条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。 2 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。 3 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。 4 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。 5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。 (健康診断の結果の記録) 第 66 条の 3 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第 66 条第 1 項から第 4 項まで及び第 5項ただし書並びに前条の規定による健康診断の結果を記録しておかなければならない。

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(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取) 第 66 条の 4 事業者は、第 66 条第 1 項から第 4 項まで若しくは第五項ただし書又は第 66 条の 2 の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。 (健康診断実施後の措置) 第 66 条の 5 事業者は、前条の規定による医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備、当該医師又は歯科医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法 (平成 4 年法律第 90 号)第 7 条第 1 項に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。以下同じ。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。 2 厚生労働大臣は、前項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。 3 厚生労働大臣は、前項の指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者又はその団体に対し、当該指針に関し必要な指導等を行うことができる。 (健康診断の結果の通知) 第 66 条の 6 事業者は、第 66 条第 1 項から第 4 項までの規定により行う健康診断を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該健康診断の結果を通知しなければならない。 (保健指導等) 第 66 条の 7 事業者は、第 66 条第 1 項の規定による健康診断若しくは当該健康診断に係る同条第五項ただし書の規定による健康診断又は第 66 条の 2 の規定による健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師又は保健師による保健指導を行うように努めなければならない。 2 労働者は、前条の規定により通知された健康診断の結果及び前項の規定による保健指導を利用して、その健康の保持に努めるものとする。 (病者の就業禁止) 第 68 条 事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。 (健康教育等) 第 69 条 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。 2 労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努めるものとする。 2222 労働安全衛生規則労働安全衛生規則労働安全衛生規則労働安全衛生規則((((抄抄抄抄)))) (昭和 47 年 9 月 30 日 法律第 32 号) (最終改正 平成 20 年 3 月 13 日 法律第 32 号) 第 6 章 健康の保持増進のための措置 第 1節の 2 健康診断 (定期健康診断) 第 44 条 事業者は、常時使用する労働者(第 45 条第 1 項に規定する労働者を除く。)に対し、1 年以

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内ごとに 1 回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。 一 既往歴及び業務歴の調査 二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査 三 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査 四 胸部エックス線検査及び喀痰検査 五 血圧の測定 六 貧血検査 七 肝機能検査 八 血中脂質検査 九 血糖検査 十 尿検査 十一 心電図検査 2 前項の健康診断であつて次の各号に掲げるものの項目は、同項各号(第四号を除く。)に掲げる項目とする。 一 満 16歳に達する日の属する年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までをいう。以下この項、第 44条の 2 及び第 46 条において同じ。)に前条又は前項の規定により行われた健康診断の際要観察者(胸部エックス線検査によつて結核によるものと考えられる治癒所見の発見された者及び担当の医師が結核の発病のおそれがあると認めた者をいう。次号において同じ。)とされなかつた者に対してその者が満 17歳に達する日の属する年度及び満 18歳に達する日の属する年度に当該健康診断を行つた事業者が行う健康診断 二 満 17歳に達する日の属する年度に前条の規定により行われた健康診断の際要観察者とされなかつた者に対してその者が満 18 歳に達する日の属する年度に当該健康診断を行つた事業者が行う健康診断 3 第 1 項第 3 号、第 4 号、第 6 号から第 9 号まで及び第 11 号に掲げる項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。 4 第 1 項の健康診断は、前条、第 45 条の 2 又は法第 66 条第 2 項 前段の健康診断を受けた者(前条ただし書に規定する書面を提出した者を含む。)については、当該健康診断の実施の日から 1 年間に限り、その者が受けた当該健康診断の項目に相当する項目を省略して行うことができる。 5 第 1 項第 3 号に掲げる項目(聴力の検査に限る。)は、45歳未満の者(35歳及び 40歳の者を除く。)については、同項の規定にかかわらず、医師が適当と認める聴力(1000ヘルツ又は 4000ヘルツの音に係る聴力を除く。)の検査をもつて代えることができる。 (給食従業員の検便) 第 47 条 事業者は、事業に附属する食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者に対し、その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際、検便による健康診断を行なわなければならない。 第 3節 病者の就業禁止 第 61 条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する者については、その就業を禁止しなければならない。ただし、第 1 号に掲げる者について伝染予防の措置をした場合は、この限りでない。 一 病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者 二 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるものにかかつた者 三 前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかつた者 2 事業者は、前項の規定により、就業を禁止しようとするときは、あらかじめ、産業医その他専門の

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医師の意見をきかなければならない。 3333 労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び平成労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び平成労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び平成労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び平成 10101010 年労働省告示年労働省告示年労働省告示年労働省告示

第第第第 88888888 号号号号((((労働安全衛生規則第労働安全衛生規則第労働安全衛生規則第労働安全衛生規則第 44444444 条第条第条第条第 3333 項の規定に基づき労働大臣が定める基項の規定に基づき労働大臣が定める基項の規定に基づき労働大臣が定める基項の規定に基づき労働大臣が定める基

準を定める件準を定める件準を定める件準を定める件))))の一部を改正する件の適用についての一部を改正する件の適用についての一部を改正する件の適用についての一部を改正する件の適用について (平成 20 年 1 月 21 日 基発第 0121001 号) 労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成 19 年厚生労働省令第 96 号。以下「改正省令」という。)が、平成 19 年 7 月 6 日に公布され、平成 20 年 4 月 1 日から施行されることとなった。 また、この改正に伴い、平成 10 年労働省告示第 88 号(労働安全衛生規則第 44 条第 3 項の規定に基づき労働大臣が定める基準を定める件)の一部を改正する件(平成 19 年厚生労働省告示第 248 号。以下「改正告示」という。)についても、平成 19 年 7 月 6 日に公示され、平成 20 年 4 月 1 日から適用されることとなっている。 今回の改正は、「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等に関する検討会」の報告を踏まえ、労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)第 66 条第 1 項の規定に基づく一般健康診断のうち、雇入時の健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断及び海外派遣労働者の健康診断(以下「定期健康診断等」という。)の項目の改正を行ったものである。 ついては、下記に示す今回の改正の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。 記 Ⅰ 改正省令関係 第 1 改正の趣旨 労働安全衛生法では、事業者に対して、労働者の健康の保持増進、疾病の早期発見・予防のみならず、労働者の就業の可否・適正配置・労働環境の評価などを判断するために、定期健康診断等の実施を義務づけている。 定期健康診断等における健康診断の項目は、作業関連疾患である脳・心臓疾患に適切に対応するという観点から、随時その項目を見直してきており、この度、新たな医学的知見が得られたことから、その項目の見直しを行ったものである。 1 腹囲の追加について 労働災害となりうる脳・心臓疾患発症の危険性については、肥満・高血圧・脂質異常症・高血糖の 4 つを合わせ持つと相対的に危険性が高まることが明らかになっている。 これまでは、肥満の指標として BMI(Body Mass Index:体重(kg)/身長×身長(m)2)を用いてきたが、近年、BMI よりも腹囲(内臓脂肪)が脳・心臓疾患の発症と関連するとの報告が数多くなされ、日本内科学会等 8学会よりなるメタボリックシンドローム診断基準検討委員会や国際糖尿病学会でも基準の必須項目に取り入れられるなど、腹囲(内臓脂肪)が肥満のリスク指標として優れていることが明らかとなっている。 このため、脳・心臓疾患を予防する観点から腹囲(内臓脂肪)を把握することは、労働安全衛生の観点からも欠かせないものであり、このため定期健康診断等の項目に腹囲の検査を追加したものである。 2 低比重リポ蛋たん白コレステロール(LDL コレステロール)の導入について

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低比重リポ蛋たん白コレステロール(以下「LDL コレステロール」という。)は、日本動脈硬化学会が示す動脈硬化性疾患診療ガイドラインにおいて、単独で脳・心臓疾患の原因となる動脈硬化の強い危険因子になると指摘されているものであり、治療目標値は LDL コレステロールを主体とし、血清総コレステロール値を参考値とするとされているところである。 これを踏まえ、安衛法に基づく定期健康診断等の健康診断の項目において、総コレステロールに代えて、LDL コレステロールを導入したものである。 3 尿検査の必須化について 糖尿病の疑いがある者を早期に把握するため、これまで血糖検査を行ってきたところであるが、健診受診者の状況によっては、必ずしも正確な値を得られない場合もあり、血糖検査だけでは、糖尿病の疑いのある者を正確に把握することが難しいことが少なくないことが明らかになってきた。 同時に、尿中の糖の有無の検査をすることで、血糖検査だけで把握できない糖尿病の疑いがある者を、より正確に把握することが可能であることも明らかにされている。 そこで、現在は血糖検査を行った場合は、「尿中の糖の有無の検査」を省略することができることとされているが、血糖検査を補完する観点から、尿糖検査を省略することができない項目としたものである。 第 2 改正の要点 1 健康診断項目の改正 定期健康診断等の健康診断項目について、①及び②の改正を行ったこと。(労働安全衛生規則(昭和 47 年労働省令第 32 号。以下「安衛則」という。)第 43 条、第 44 条第 1 項関係) ① 腹囲の検査を追加したこと。 ② 血清総コレステロールの検査に代わり LDL コレステロールの検査を規定したこと。 2 健康診断項目の省略 定期健康診断及び特定業務従事者の健康診断の項目のうち、尿検査を省略できないものとしたこと。(安衛則第 44 条第 3 項関係) 3 その他 ① 所要の規定の整備を行ったこと。(安衛則第 45 条の 2 第 4 項関係) ② 健康診断項目の改正に伴い、健康診断個人票の様式改正を行ったこと。(安衛則様式第 5 号関係) 第 3 細部事項 1 安衛則第 43 条(雇入時の健康診断)及び第 44 条(定期健康診断)関係 ① 「腹囲の検査」について 第 3 号の「腹囲の検査」は、メタボリックシンドロームの診断基準に基づき、立位、軽呼気時、臍レベルで測定を実施する。この際脂肪蓄積が著明で、臍が下方に偏位している場合は、肋骨下縁と前上腸骨棘の中点の高さで測定する。 より詳細については、平成 19 年「国民健康・栄養調査必携(厚生労働省)」を参考とする。なお、具体的な測定方法の映像については、独立行政法人国立健康・栄養研究所のホームページ(http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/kenkoeiyo.html)に掲載されている。 ② 腹囲の簡易な測定方法について 腹囲の測定については、腹部の露出等の労働者のプライバシーへの適正な配慮を行う必要性があることから、簡易な測定方法を導入することとし、具体的には、腹囲の測定を、着衣のまま測定することを認めるとともに、労働者による健診会場での自己測定を認めるものとする。この際、

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着衣の上からの測定を行った場合は、厚生労働科学研究における研究結果を踏まえ、実測値から1.5cm 引いた値を腹囲の検査値とするものとする。なお、現在も健康診断の際に、囲い等を設けて、脱衣、胸部・腹部を露出した上で、医師による診察、心電図検査等を行っているところであるが、その際、同時に腹囲の計測を行うことによりプライバシーに配慮することが可能となる。 ③ 健康診断項目の実施の手順について 腹囲を定期健康診断の項目として追加し、あわせてその省略基準等を告示したところであるが、腹囲の省略基準に BMIを用いる観点から、今後定期健康診断を実施する場合は、身長及び体重の測定を健康診断の最初の段階で行い、BMIの値を計算した後に医師の診察を行うことが望ましい。 また、健診機関等においては、これ以外にも、こうした腹囲測定の省略基準を念頭においた健康診断の企画を行うことが望ましい。 ④ 腹囲の値による事後措置について 腹囲は、これまで肥満の指標として用いられてきた、安衛則第 51 条に基づく健康診断個人票に規定する BMI に代わる指標として位置づけるものである。したがって、BMI がこれまで、健康診断個人票の他の健診項目とともに、医師が労働者の状況を総合的に判断するための指標のひとつとして用いられ、これらの状況を判断した結果である「医師の意見」を事業者が勘案し、必要があると認めるときに、適切な措置を講じることとなっていたのと同様に、腹囲についても取り扱われるものである。 よって、従来から BMIのみで事後措置を求められることはなかったのと同様に、腹囲のみで事後措置を行う必要はない。 2 安衛則様式第 5 号関係 「BMI」の欄の下に「腹囲(cm)」の欄を設けるとともに、「総コレステロール(mg/dl)」の欄を「LDLコレステロール(mg/dl)」の欄に改めたこと。 Ⅱ 改正告示関係 第 1 改正の趣旨 労働安全衛生法では、事業者に対して、労働者の健康の保持増進、疾病の早期発見・予防のみならず、労働者の就業の可否・適正配置・労働環境の評価などを判断するために、年 1 回の定期健康診断等の実施を義務づけている。 今般、脳・心臓疾患に適切に対応するという観点から、Ⅰのとおり、健康診断の項目について見直しを行った。これに伴い、省略することのできる健診項目を定める告示について、所要の改正を行ったものである。 第 2 改正の要点 1 腹囲の検査を省略できる者として①から④までの者を定めたこと。 ① 40歳未満の者(35歳の者を除く。) ② 妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断されたもの ③ BMIが 20未満である者 ④ 自ら腹囲を測定し、その値を申告した者(BMIが 22未満である者に限る。) 2 尿糖検査を省略できる者についての規定を削除したこと。 第 3 細部事項 1 「40歳未満の者(35歳の者を除く。)」について 他の健診項目(肝機能検査等)の省略基準と同様の取扱いとしたものである。 2 「BMIが 20未満である者」及び「自ら腹囲を測定し、その値を申告した者(BMIが 22未満である

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者に限る。)」について 告示で規定した BMIの数値未満のものにあっては、内臓脂肪の蓄積が多いと判断される者が統計上少ないと判断されるため、省略できる取扱いとしたものである。 4444 食品衛生食品衛生食品衛生食品衛生法法法法((((抄抄抄抄)))) (昭和 22 年 12 月 24 日 法律第 233 号) (最終改正 平成 18 年 6 月 7 日 法律第 53 号) 第 1 章 総則 第 1 条 この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。 第 2 条 国、都道府県、地域保健法(昭和 22 年法律第 101 号)第 5 条第 1 項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)及び特別区は、教育活動及び広報活動を通じた食品衛生に関する正しい知識の普及、食品衛生に関する情報の収集、整理、分析及び提供、食品衛生に関する研究の推進、食品衛生に関する検査の能力の向上並びに食品衛生の向上にかかわる人材の養成及び資質の向上を図るために必要な措置を講じなければならない。 2 国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、食品衛生に関する施策が総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。 第 3 条 食品等事業者(食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること若しくは器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することを営む人若しくは法人又は学校、病院その他の施設において継続的に不特定若しくは多数の者に食品を供与する人若しくは法人をいう。以下同じ。)は、その採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、販売し、不特定若しくは多数の者に授与し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装(以下「販売食品等」という。)について、自らの責任においてそれらの安全性を確保するため、販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得、販売食品等の原材料の安全性の確保、販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 2 食品等事業者は、販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において、当該食品等事業者に対して販売食品等又はその原材料の販売を行つた者の名称その他必要な情報に関する記録を作成し、これを保存するよう努めなければならない。 3 食品等事業者は、販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため、前項に規定する記録の国、都道府県等への提供、食品衛生上の危害の原因となつた販売食品等の廃棄その他の必要な措置を適確かつ迅速に講ずるよう努めなければならない。 第 4 条 この法律で食品とは、すべての飲食物をいう。ただし、薬事法(昭和 35 年法律第 145 号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。 6 この法律で食品衛生とは、食品、添加物、器具及び容器包装を対象とする飲食に関する衛生をいう。 7 この法律で営業とは、業として、食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することをいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取業は、これを含まない。 8 この法律で営業者とは、営業を営む人又は法人をいう。

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第 2 章 食品及び添加物 第 5 条 販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)の用に供する食品又は添加物の採取、製造、加工、使用、調理、貯蔵、運搬、陳列及び授受は、清潔で衛生的に行われなければならない。 第 6 条 次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。 一 腐敗し、若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。ただし、一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは、この限りでない。 二 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。 三 病原微生物により汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの。 四 不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。 第 8 条 厚生労働大臣は、特定の国若しくは地域において採取され、製造され、加工され、調理され、若しくは貯蔵され、又は特定の者により採取され、製造され、加工され、調理され、若しくは貯蔵される特定の食品又は添加物について、第 26 条第 1 項から第 3 項まで又は第 28 条第 1 項の規定による検査の結果次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当数発見されたこと、生産地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、当該特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該特定の食品又は添加物を販売し、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、若しくは調理することを禁止することができる。 一 第 6 条各号に掲げる食品又は添加物 二 第 10 条に規定する食品 三 第 11 条第 1 項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物 四 第 11 条第 1 項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品 五 第 11 条第 3 項に規定する食品 第 10 条 人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、添加物(天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であつて添加物として使用されるものを除く。)並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。 第 11 条 厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。 2 前項の規定により基準又は規格が定められたときは、その基準に合わない方法により食品若しくは添加物を製造し、加工し、使用し、調理し、若しくは保存し、その基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売し、若しくは輸入し、又はその規格に合わない食品若しくは添加物を製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、若しくは販売してはならない。 3 農薬(農薬取締法(昭和 23 年法律第 82 号)第 1 条の 2 第 1 項に規定する農薬をいう。次条において同じ。)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和 28 年法律第 35 号)第 2 条第 3 項の

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規定に基づく農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料(同条第 2 項に規定する飼料をいう。)に添加、混和、浸潤その他の方法によつて用いられる物及び薬事法第 2 条第 1 項に規定する医薬品であつて動物のために使用されることが目的とされているものの成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含み、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質を除く。)が、人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて残留する食品は、これを販売の用に供するために製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、又は販売してはならない。ただし、当該物質の当該食品に残留する量の限度について第一項の食品の成分に係る規格が定められている場合については、この限りでない。 第 3 章 器具及び容器包装 第 15 条 営業上使用する器具及び容器包装は、清潔で衛生的でなければならない。 第 16 条 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着して人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装又は食品若しくは添加物に接触してこれらに有害な影響を与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装は、これを販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用してはならない。 第 17 条 厚生労働大臣は、特定の国若しくは地域において製造され、又は特定の者により製造される特定の器具又は容器包装について、第 26 条第 1 項から第 3 項まで又は第 28 条第 1 項の規定による検査の結果次に掲げる器具又は容器包装に該当するものが相当数発見されたこと、製造地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる器具又は容器包装に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、当該特定の器具又は容器包装に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該特定の器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用することを禁止することができる。 一 前条に規定する器具又は容器包装 二 次条第 1 項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装 2 厚生労働大臣は、前項の規定による禁止をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。 3 第 8 条第 3 項及び第 4 項の規定は、第 1 項の規定による禁止が行われた場合について準用する。この場合において、同条第 3 項中「食品又は添加物」とあるのは、「器具又は容器包装」と読み替えるものとする。 第 19 条 厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、販売の用に供する食品若しくは添加物又は前条第 1項の規定により規格若しくは基準が定められた器具若しくは容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる。 2 前項の規定により表示につき基準が定められた食品、添加物、器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。 第 7 章 検査 第 28 条 厚生労働大臣又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、当該職員に営業の場所、事務所、倉庫その他の場所に臨検し、販売の用に供

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し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装、営業の施設、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装を無償で収去させることができる。 2 前項の規定により当該職員に臨検検査又は収去をさせる場合においては、これにその身分を示す証票を携帯させ、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示させなければならない。 3 第 1 項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 4 厚生労働大臣又は都道府県知事等は、第 1 項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を登録検査機関に委託することができる。 第 30 条 第 28 条第 1 項に規定する当該職員の職権及び食品衛生に関する指導の職務を行わせるために、厚生労働大臣又は都道府県知事等は、その職員のうちから食品衛生監視員を命ずるものとする。 2 都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画の定めるところにより、食品衛生監視員に監視指導を行わせなければならない。 3 厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画の定めるところにより、食品衛生監視員に食品、添加物、器具及び容器包装の輸入に係る監視指導を行わせるものとする。 4 前三項に定めるもののほか、食品衛生監視員の資格その他食品衛生監視員に関し必要な事項は、政令で定める。 第 9 章 営業 第 48 条 乳製品、第 10 条の規定により厚生労働大臣が定めた添加物その他製造又は加工の過程において特に衛生上の考慮を必要とする食品又は添加物であつて政令で定めるものの製造又は加工を行う営業者は、その製造又は加工を衛生的に管理させるため、その施設ごとに、専件の食品衛生管理者を置かなければならない。ただし、営業者が自ら食品衛生管理者となつて管理する施設については、この限りでない。 第 50 条 厚生労働大臣は、食品又は添加物の製造又は加工の過程において有毒な又は有害な物質が当該食品又は添加物に混入することを防止するための措置に関し必要な基準を定めることができる。 2 都道府県は、営業(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第 2 条第 5 号に規定する食鳥処理の事業を除く。)の施設の内外の清潔保持、ねずみ、昆虫等の駆除その他公衆衛生上講ずべき措置に関し、条例で、必要な基準を定めることができる。 3 営業者(食烏処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第 6 条第 1 項に規定する食鳥処理業者を除く。)は、前 2 項の基準が定められたときは、これを遵守しなければならない。 第 51 条 都道府県は、飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第 2 条第 5 号に規定する食鳥処理の事業を除く。)であつて、政令で定めるものの施設につき、条例で、業種別に、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。 第 52 条 前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。 2 前項の場合において、都道府県知事は、その営業の施設が前条の規定による基準に合うと認めるときは、許可をしなければならない。ただし、同条に規定する営業を営もうとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の許可を与えないことができる。 一 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して 2 年を経過しない者 二 第 54 条から第 56 条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して 2 年を経過しない者

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三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前 2 号のいずれかに該当する者があるもの 3 都道府県知事は、第 1 項の許可に 5 年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができる。 第 54 条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、営業者が第 6 条、第 9 条、第 10 条、第 11 条第 2 項若しくは第 3 項、第 16 条、第 18 条第 2 項若しくは第 20 条の規定に違反した場合又は第 8 条第 1 項若しくは第 17 条第 1 項の規定による禁止に違反した場合においては、営業者若しくは当該職員にその食品、添加物、器具若しくは容器包装を廃棄させ、又はその他営業者に対し食品衛生上の危害を除去するために必要な処置をとることを命ずることができる。 第 55 条 都道府県知事は、営業者が第 6 条、第 9 条、第 10 条、第 11 条第 2 項若しくは第 3 項、第16 条、第 18 条第 2 項、第 19 条第 2 項、第 20 条、第 25 条第 1 項、第 26 条第 4 項、第 48 条第 1 項若しくは第 50 条第 3 項の規定に違反した場合、第 7 条第 1 項から第 3 項まで、第 8 条第 1 項若しくは第 17 条第 1 項の規定による禁止に違反した場合、第 52 条第 2 項第 1 号若しくは第 3 号に該当するに至つた場合又は同条第 3 項の規定による条件に違反した場合においては、同条第 1 項の許可を取り消し、又は営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。 2 厚生労働大臣は、営業者(食品、添加物、器具若しくは容器包装を輸入することを営む人又は法人に限る。)が第 6 条、第 9 条第 2 項、第 10 条、第 11 条第 2 項若しくは第 3 項、第 16 条、第 18 条第2 項、第 26 条第 4 項若しくは第 50 条第 3 項の規定に違反した場合又は第 7 条第 1 項から第 3 項まで、第 8 条第 1 項若しくは第 17 条第 1 項の規定による禁止に違反した場合においては、営業の全部若しくは一部を禁止し、又は期間を定めて停止することができる。 第 56 条 都道府県知事は、営業者がその営業の施設につき第 51 条の規定による基準に違反した場合においては、その施設の整備改善を命じ、又は第 52 条第 1 項の許可を取り消し、若しくはその営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。 第 10 章 雑則 第 62 条 3 第 15 条から第 18 条まで、第 25 条第 1 項、第 28 条から第 30 条まで、第 51 条及び第 54 条から第56 条までの規定は、営業以外の場合で学校、病院その他の施設において継続的に不特定又は多数の者に食品を供与する場合に、これを準用する。 5555 奈良県食品衛生法施行条例奈良県食品衛生法施行条例奈良県食品衛生法施行条例奈良県食品衛生法施行条例((((抄抄抄抄)))) (平成 12 年 3 月 30 日 奈良県条例第 38 号) (最終改正 平成 16 年 2 月 20 日 条例第 22 号) (施設基準) 第 4 条 法第 51 条の規定による基準は、次のとおりとする。ただし、営業の形態その他の理由により公衆衛生上支障がないと知事が認めたときは、当該基準の一部を適用しないものとする。 一 施設は、清潔な場所に位置すること。 二 施設は、食品等の取扱いに適した広さを有し、営業に直接必要でない場所と区画され、専用であること。 三 施設は、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ構造であること。 四 食品取扱室(食品の製造、処理、加工、調理等を行う室をいう。以下同じ。)の床は、平滑で排水が良く耐水であること。ただし、水を使用しない場所においては、耐水としないことができる。

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五 食品取扱室の天井は、ほこりの落下しない構造であること。 六 作業に適した明るさを確保できる設備を設けること。 七 換気が十分に行える設備を設けること。 八 使用する目的に応じた器具類を備え、衛生的に保管できる設備を設けること。 九 食品等及び容器包装は、取扱いに応じて衛生的に保管できる設備を設けること。 十 食品、器具等を流水で洗浄する設備を設けること。ただし、食品、器具等を流水で洗浄する必要のない営業は、この限りでない。 十一 衛生管理に適した専用の洗剤及び消毒薬を備えた流水式手洗い設備を設けること。 十二 汚液及び汚臭を防ぐ構造の廃棄物保管設備を設けること。 十三 使用する水の給水設備は、水道水又は規則で定める水質基準に適合する水を豊富に供給できるものであること。なお、水道水以外から使用する水を給水する場合は、殺菌装置等を設置した給水設備であること。 十四 便所は、衛生上支障のない場所に位置し、適切な構造であること。 十五 ふぐを処理する営業にあっては、ふぐの処理専用の換水式洗浄槽、処理台、まな板及び包丁並びにふぐを保管する容器を備え、その容器には処理済用又は未処理用である旨を表示し、処理した有毒部分を入れる専用の不浸透性で施錠できる廃棄物容器を備え、その容器には有毒である旨を表示すること。 十六 飲食店営業にあっては、2槽以上の洗浄槽を設けること。 十七 乳類販売業にあっては、乳類を常に温度 10度以下に保存できる冷蔵設備を設けること。 十八 食肉販売業にあっては、食肉を常に温度 10度以下に保存できる冷蔵設備を設けること。 十九 魚介類販売業にあっては、鮮魚介類を常に温度 10 度以下に保存できる冷蔵設備を設けること。 二十 清涼飲料水製造業にあっては、殺菌設備又は除菌設備を設けること。 二十一 前各号に掲げるもののほか、規則で定める公衆衛生上の見地から必要な基準を備えること。 6666 食品安全基本法食品安全基本法食品安全基本法食品安全基本法((((抄抄抄抄)))) (平成 15 年 5 月 23 日 法律第 48 号) 第 1 章 総則 (目的) 第 1 条 この法律は、科学技術の発展、国際化の進展その他の国民の食生活を取り巻く環境の変化に適確に対応することの緊要性にかんがみ、食品の安全性の確保に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び食品関連事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、施策の策定に係る基本的な方針を定めることにより、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進することを目的とする。 (定義) 第 2 条 この法律において「食品」とは、すべての飲食物(薬事法(昭和 35 年法律第 145 号)に規定する医薬品及び医薬部外品を除く。)をいう。 (食品の安全性の確保のための措置を講ずるに当たっての基本的認識) 第 3 条 食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行われなければならない。 (食品供給行程の各段階における適切な措置)

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第 4 条 農林水産物の生産から食品の販売に至る一連の国の内外における食品供給の行程(以下「食品供給行程」という。)におけるあらゆる要素が食品の安全性に影響を及ぼすおそれがあることにかんがみ、食品の安全性の確保は、このために必要な措置が食品供給行程の各段階において適切に講じられることにより、行われなければならない。 (国民の健康への悪影響の未然防止) 第 5 条 食品の安全性の確保は、このために必要な措置が食品の安全性の確保に関する国際的動向及び国民の意見に十分配慮しつつ科学的知見に基づいて講じられることによって、食品を摂取することによる国民の健康への悪影響が未然に防止されるようにすることを旨として、行われなければならない。 (国の責務) 第 6 条 国は、前 3 条に定める食品の安全性の確保についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第 7 条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、食品の安全性の確保に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (食品関連事業者の責務) 第 8 条 肥料、農薬、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品その他食品の安全性に影響を及ぼすおそれがある農林漁業の生産資材、食品(その原料又は材料として使用される農林水産物を含む。)若しくは添加物(食品衛生法(昭和22年法律第233号)第 4条第2項に規定する添加物をいう。)又は器具(同条第四項に規定する器具をいう。)若しくは容器包装(同条第五項に規定する容器包装をいう。)の生産、輸入又は販売その他の事業活動を行う事業者(以下「食品関連事業者」という。)は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たって、自らが食品の安全性の確保について第一義的責任を有していることを認識して、食品の安全性を確保するために必要な措置を食品供給行程の各段階において適切に講ずる責務を有する。 2 前項に定めるもののほか、食品関連事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、その事業活動に係る食品その他の物に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならない。 3 前 2 項に定めるもののほか、食品関連事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、国又は地方公共団体が実施する食品の安全性の確保に関する施策に協力する責務を有する。 (消費者の役割) 第 9 条 消費者は、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、食品の安全性の確保に関する施策について意見を表明するように努めることによって、食品の安全性の確保に積極的な役割を果たすものとする。 7777 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律((((抄抄抄抄)))) (平成 10 年 10 月 2 日 法律第 114 号) 第 1 章 総則 (目的) 第 1 条 この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図

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ることを目的とする。 (定義) 第 6 条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、指定感染症及び新感染症をいう。 2 この法律において「一類感染症」とは、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病及びラッサ熱をいう。 3 この法律において「二類感染症」とは、急性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス及びパラチフスをいう。 4 この法律において「三類感染症」とは、腸管出血性大腸菌感染症をいう。 5 この法律において「四類感染症」とは、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、マラリア、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症その他の既に知られている感染性の疾病であって、国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして厚生省令で定めるものをいう。 6 この法律において「指定感染症」とは、既に知られている感染性の疾病(一類感染症、二類感染症及び三類感染症を除く。)であって、第 3 章から第 6 章までの規定の全部又は一部を準用しなければ、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。 7 この法律において「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかつた場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。 第 4 章 健康診断、就業制限及び入院 (健康診断) 第 17 条 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症又は三類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し当該感染症にかかっているかどうかに関する医師の健康診断を受け、又はその保護者(親権を行う者又は後見人をいう。以下同じ。)に対し当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に健康診断を受けさせるべきことを勧告することができる。 2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者について、当該職員に健康診断を行わせることができる。 3 都道府県知事は、第 1 項に規定する健康診断の勧告をし、又は前項に規定する健康診断の措置を実施する場合には、同時に、当該勧告をし、又は当該措置を実施する理由その他の厚生省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで健康診断の勧告をし、又は健康診断の措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。 4 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該健康診断の勧告又は措置の後相当の期間内に、同項の理由その他の厚生省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。 (就業制限) 第 18 条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症又は三類感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第 12 条第1項の規定による届出を受けた場合には、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生省令で定める事項を書面により通知しなければならない。 2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を

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受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生省令で定める期間従事してはならない。 3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。 4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第 2 項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。 8888 社会福祉施設における衛生管理について社会福祉施設における衛生管理について社会福祉施設における衛生管理について社会福祉施設における衛生管理について (平成 9 年 3 月 31 日 社援施第 65 号) 今般、食品衛生調査会の意見答申を踏まえ、当省生活衛生局において「大量調理施設衛生管理マニュアル」ほかを作成したこと等について別紙のとおり当省生活衛生局長から通知されたところである。 この「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、同一メニューを 1 回 300食以上又は 1 日 750食以上を提供する調理施設に適用するものであるが、社会福祉施設における食中毒を予防するため、適用されない社会福祉施設についても、可能な限り本マニュアルに基づく衛生管理に努められるよう管下の社会福祉施設に対して周知願いたい。 なお、「社会福祉施設における衛生管理について」(平成 8 年 9 月 24 日社援施第 143 号本職通知)は廃止する。 (別紙)略 9999 社会福祉施設等における衛生管理の徹底について社会福祉施設等における衛生管理の徹底について社会福祉施設等における衛生管理の徹底について社会福祉施設等における衛生管理の徹底について (平成 20 年 7 月 7 日 雇児総発第 0707001 号・社援基発第 0707001 号・ 障企発第 0707001 号・老計発第 0707001 号) 社会福祉施設・介護老人保健施設等(以下、「社会福祉施設等」という。)においては、「社会福祉施設における衛生管理について」(平成 9 年 3 月 31 日社援施第 65 号)及び「老人保健施設における衛生管理等の徹底について」(平成 9 年 4 月 3 日老健第 83 号)の別紙「大規模食中毒対策等について」(平成 9 年 3 月 24 日衛食第 85 号)の別添「大量調理施設衛生管理マニュアル」(以下「マニュアル」という。)に基づき、食中毒の発生防止等に努めていただいているところであるが、今般、ノロウイルス食中毒の増加を踏まえ、平成 19 年 10 月 12 日、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会において取りまとめられた「ノロウイルス食中毒対策(提言)」の内容を基に、 ・食品の加熱条件について、ノロウイルス汚染のおそれのある食品は、85℃1 分間以上の加熱を行うこと ・手洗い方法について、ノロウイルスを物理的に除去する目的で、作業開始前、食品に触れる作業の直前等は流水・石けんによる手洗いをしっかりと 2 回実施すること ・便所の定期的な清掃及び消毒を行うこと ・施設において利用者等が嘔吐した場合、次亜塩素酸ナトリウム等を用いた適切な処理・消毒を行うこと ・調理従事者等の健康管理について、ノロウイルスの感染防止に努めるとともに、下痢・嘔吐等を呈

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しノロウイルスによる症状と診断された場合は、ウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控える等の処理を執ること ・ノロウイルスの流行期(10 月~3 月)には、必要に応じ定期的な検便検査にノロウイルスを含めること ・社会福祉施設等においては、平常時から危機管理体制を整備すること 等の追加がなされたところであるので、管内の社会福祉施設等に対して周知願いたい。 なお、マニュアルは、同一食材を使用し 1 回 300食以上又は 1 日 750食以上を提供する調理施設に適用されるものであるが、社会福祉施設等における食中毒を予防するため、この要件に該当しない社会福祉施設等についても、可能な限りマニュアルに基づく衛生管理に努められるよう併せて周知願いたい。 10101010 大量調理施設衛生管理マニュ大量調理施設衛生管理マニュ大量調理施設衛生管理マニュ大量調理施設衛生管理マニュアルアルアルアル (平成 9 年 3 月 24 日 衛食第 85 号別添) (最終改正 平成 20 年 6 月 18 日 食安発第 0618005 号) I 趣旨 本マニュアルは、集団給食施設等における食中毒を予防するために、HACCP の概念に基づき、調理過程における重要管理事項として、 ① 原材料受入れ及び下処理段階における管理を徹底すること。 ② 加熱調理食品については、中心部まで十分加熱し、食中毒菌等(ウイルスを含む。以下同じ。)を死滅させること。 ③ 加熱調理後の食品及び非加熱調理食品の二次汚染防止を徹底すること。 ④ 食中毒菌が付着した場合に菌の増殖を防ぐため、原材料及び調理後の食品の温度管理を徹底すること。 等を示したものである。 集団給食施設等においては、衛生管理体制を確立し、これらの重要管理事項について、点検・記録を行うとともに、必要な改善措置を講じる必要がある。また、これを遵守するため、更なる衛生知識の普及啓発に努める必要がある。 なお、本マニュアルは同一メニューを 1 回 300食以上又は 1 日 750食以上を提供する調理施設に適用する。 Ⅱ 重要管理事項 1.原材料の受入れ・下処理段階における管理 (1) 原材料については、品名、仕入元の名称及び所在地、生産者(製造又は加工者を含む。)の名称及び所在地、ロットが確認可能な情報(年月日表示又はロット番号)並びに仕入れ年月日を記録し、1 年間保管すること。 (2) 原材料について納入業者が定期的に実施する微生物及び理化学検査の結果を提出させること。その結果については、保健所に相談するなどして、原材料として不適と判断した場合には、納入業者の変更等適切な措置を講じること。検査結果については、1 年間保管すること。 (3) 原材料の納入に際しては調理従事者等が必ず立合い、検収場で品質、鮮度、品温(納入業者が運搬の際、別添 1 に従い、適切な温度管理を行っていたかどうかを含む。)、異物の混入等につき、点検を行い、その結果を記録すること。

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(4) 原材料の納入に際しては、缶詰、乾物、調味料等常温保存可能なものを除き、食肉類、魚介類、野菜類等の生鮮食品については 1 回で使い切る量を調理当日に仕入れるようにすること。 (5) 野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、別添 2 に従い、流水(飲用適のもの。以下同じ。)で十分洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム(生食用野菜にあっては、亜塩素酸ナトリウムも使用可)の 200mg/l の溶液に 5 分間(100mg/l の溶液の場合は 10 分間)又はこれと同等の効果を有するもの(食品添加物として使用できる有機酸等)で殺菌を行った後、十分な流水ですすぎ洗いを行うこと。 2.加熱調理食品の加熱温度管理 加熱調理食品は、別添 2 に従い、中心部温度計を用いるなどにより、中心部が 75℃で 1分間以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85℃で1分間以上)又はこれと同等以上まで加熱されていることを確認するとともに、温度と時間の記録を行うこと。 3.二次汚染の防止 (1) 調理従事者等(食品の盛付け・配膳等、食品に接触する可能性のある者及び臨時職員を含む。以下同じ。)は、次に定める場合には、別添 2 に従い、必ず流水・石けんによる手洗いによりしっかりと 2 回(その他の時には丁寧に 1 回)手指の洗浄及び消毒を行うこと。なお、使い捨て手袋を使用する場合にも、原則として次に定める場合に交換を行うこと。 ① 作業開始前及び用便後 ② 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合 ③ 食品に直接触れる作業にあたる直前 ④ 生の食肉類、魚介類、卵殻等微生物の汚染源となるおそれのある食品等に触れた後、他の食品や器具等に触れる場合 ⑤ 配膳の前 (2) 原材料は、隔壁等で他の場所から区分された専用の保管場に保管設備を設け、食肉類、魚介類、野菜類等、食材の分類ごとに区分して保管すること。 この場合、専用の衛生的なふた付き容器に入れ替えるなどにより、原材料の包装の汚染を保管設備に持ち込まないようにするとともに、原材料の相互汚染を防ぐこと。 (3) 下処理は汚染作業区域で確実に行い、非汚染作業区域を汚染しないようにすること。 (4) 包丁、まな板などの器具、容器等は用途別及び食品別(下処理用にあっては、魚介類用、食肉類用、野菜類用の別、調理用にあっては、加熱調理済み食品用、生食野菜用、生食魚介類用の別)にそれぞれ専用のものを用意し、混同しないようにして使用すること。 (5) 器具、容器等の使用後は、別添 2 に従い、全面を流水(飲用適のもの。以下同じ。)で洗浄し、さらに 80℃、5分間以上又はこれと同等の効果を有する方法で十分殺菌した後、乾燥させ、清潔な保管庫を用いるなどして衛生的に保管すること。 なお、調理場内における器具、容器等の使用後の洗浄・殺菌は、原則として全ての食品が調理場から搬出された後に行うこと。 また、器具、容器等の使用中も必要に応じ、同様の方法で熱湯殺菌を行うなど、衛生的に使用すること。この場合、洗浄水等が飛散しないように行うこと。なお、原材料用に使用した器具、容器等をそのまま調理後の食品用に使用するようなことは、けっして行わないこと。 (6) まな板、ざる、木製の器具は汚染が残存する可能性が高いので、特に十分な殺菌に留意すること。なお、木製の器具は極力使用を控えることが望ましい。 (7) フードカッター、野菜切り機等の調理機械は、最低 1 日 1 回以上、分解して洗浄・殺菌した後、乾燥させること。

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(8) シンクは原則として用途別に相互汚染しないように設置すること。 特に、加熱調理用食材、非加熱調理用食材、器具の洗浄等に用いるシンクを必ず別に設置すること。また、二次汚染を防止するため、洗浄・殺菌し、清潔に保つこと。 (9) 食品並びに移動性の器具及び容器の取り扱いは、床面からの跳ね水等による汚染を防止するため、床面から 60cm 以上の場所で行うこと。ただし、跳ね水等からの直接汚染が防止できる食缶等で食品を取り扱う場合には、30cm 以上の台にのせて行うこと。 (10) 加熱調理後の食品の冷却、非加熱調理食品の下処理後における調理場等での一時保管等は、他からの二次汚染を防止するため、清潔な場所で行うこと。 (11) 調理終了後の食品は衛生的な容器にふたをして保存し、他からの二次汚染を防止すること。 (12) 使用水は飲用適の水を用いること。また、使用水は、色、濁り、におい、異物のほか、貯水槽を設置している場合や井戸水等を殺菌・ろ過して使用する場合には、遊離残留塩素が 0.1mg/L以上であることを始業前及び調理作業終了後に毎日検査し、記録すること。 4.原材料及び調理済み食品の温度管理 (1) 原材料は、別添 1 に従い、戸棚、冷蔵・冷凍設備に適切な温度で保存すること。 また、原材料搬入時の時刻、室温及び冷凍又は冷蔵設備内温度を記録すること。 (2) 冷凍庫又は冷蔵庫から出した原材料は、速やかに下処理、調理を行うこと。非加熱で供される食品については、下処理後速やかに調理に移行すること。 (3) 調理後直ちに提供される食品以外の食品は病原菌の増殖を抑制するために、10℃以下又は 65℃以上で管理することが必要である。(別添 3参照) ① 加熱調理後、食品を冷却する場合には、病原菌の発育至適温度帯(約 20℃~50℃)の時間を可能な限り短くするため、冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けするなどして、30分以内に中心温度を20℃付近(又は 60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫すること。 この場合、冷却開始時刻、冷却終了時刻を記録すること。 ② 調理が終了した食品は速やかに提供できるよう工夫すること。 調理終了後 30分以内に提供できるものについては、調理終了時刻を記録すること。また、調理終了後提供まで 30分以上を要する場合は次のア及びイによること。 ア 温かい状態で提供される食品については、調理終了後速やかに保温食缶等に移し保存すること。この場合、食缶等へ移し替えた時刻を記録すること。 イ その他の食品については、調理終了後提供まで 10℃以下で保存すること。 この場合、保冷設備への搬入時刻、保冷設備内温度及び保冷設備からの搬出時刻を記録すること。 ③ 配送過程においては保冷又は保温設備のある運搬車を用いるなど、10℃以下又は 65℃以上の適切な温度管理を行い配送し、配送時刻の記録を行うこと。 また、65℃以上で提供される食品以外の食品については、保冷設備への搬入時刻及び保冷設備内温度の記録を行うこと。 ④ 共同調理施設等で調理された食品を受け入れ、提供する施設においても、温かい状態で提供される食品以外の食品であって、提供まで 30 分以上を要する場合は提供まで 10℃以下で保存すること。 この場合、保冷設備への搬入時刻、保冷設備内温度及び保冷設備からの搬出時刻を記録すること。 (4) 調理後の食品は、調理終了後から 2 時間以内に喫食することが望ましい。

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5.その他 (1) 施設設備の構造 ① 隔壁等により、汚水溜、動物飼育場、廃棄物集積場等不潔な場所から完全に区別されていること。 ② 施設の出入口及び窓は極力閉めておくとともに、外部に開放される部分には網戸、エアカーテン、自動ドア等を設置し、ねずみやこん虫の侵入を防止すること。 ③ 食品の各調理過程ごとに、汚染作業区域(検収場、原材料の保管場、下処理場)、非汚染作業区域(さらに準清潔作業区域(調理場)と清潔作業区域(放冷・調製場、製品の保管場)に区分される。)を明確に区別すること。なお、各区域を固定し、それぞれを壁で区画する、床面を色別する、境界にテープをはる等により明確に区画することが望ましい。 ④ 手洗い設備、履き物の消毒設備(履き物の交換が困難な場合に限る。)は、各作業区域の入り口手前に設置すること。 なお、手洗い設備は、感知式の設備等で、コック、ハンドルを直接手で操作しない構造のものが望ましい。 ⑤ 器具、容器等は、作業動線を考慮し、予め適切な場所に適切な数を配置しておくこと。 ⑥ 床面に水を使用する部分にあっては、適当な勾配(100分の 2程度)及び排水溝(100分の 2 から 4程度の勾配を有するもの)を設けるなど排水が容易に行える構造であること。 ⑦ シンク等の排水口は排水が飛散しない構造であること。 ⑧ 全ての移動性の器具、容器等を衛生的に保管するため、外部から汚染されない構造の保管設備を設けること。 ⑨ 便所等 ア 便所、休憩室及び更衣室は、隔壁により食品を取り扱う場所と必ず区分されていること。なお、調理場等から 3m 以上離れた場所に設けられていることが望ましい。 イ 便所には、専用の手洗い設備、専用の履き物が備えられていること。また、便所は、調理従事者等専用のものが設けられていることが望ましい。 ⑩ その他 施設は、ドライシステム化を積極的に図ることが望ましい。 (2) 施設設備の管理 ① 施設・設備は必要に応じて補修を行い、施設の床面(排水溝を含む。)、及び内壁のうち床面から 1mまでの部分及び手指のふれる場所は 1 日に 1 回以上、施設の天井及び内壁のうち床面から 1m 以上の部分は 1 月に 1 回以上清掃し、必要に応じて、洗浄・消毒を行うこと。施設の清掃は全ての食品が調理場内から完全に搬出された後に行うこと。 ② 施設におけるねずみ、こん虫等の発生状況を 1 月に 1 回以上巡回点検するとともに、ねずみ、こん虫の駆除を半年に 1 回以上(発生を確認した時にはその都度)実施し、その実施記録を 1 年間保管すること。また、施設及びその周囲は、維持管理を適切に行うことにより、常に良好な状態に保ち、ねずみやこん虫の繁殖場所の排除に努めること。 なお、殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合には、食品を汚染しないようその取扱いに十分注意すること。 ③ 施設は、衛生的な管理に努め、みだりに部外者を立ち入らせたり、調理作業に不必要な物品等を置いたりしないこと。 ④ 原材料を配送用包装のまま非汚染作業区域に持ち込まないこと。 ⑤ 施設は十分な換気を行い、高温多湿を避けること。調理場は湿度 80%以下、温度は 25℃以下

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に保つことが望ましい。 ⑥ 手洗い設備には、手洗いに適当な石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、殺菌液等を定期的に補充し、常に使用できる状態にしておくこと。 ⑦ 水道事業により供給される水以外の井戸水等の水を使用する場合には、公的検査機関、厚生労働大臣の登録検査機関等に依頼して、年 2 回以上水質検査を行うこと。検査の結果、飲用不適とされた場合は、直ちに保健所長の指示を受け、適切な措置を講じること。なお、検査結果は 1 年間保管すること。 ⑧ 貯水槽は清潔を保持するため、専門の業者に委託して、年 1 回以上清掃すること。なお、清掃した証明書は 1 年間保管すること。 ⑨ 便所については、業務開始前、業務中及び業務終了後等定期的に清掃及び次亜塩素酸ナトリウム等による消毒を行って衛生的に保つこと。 ⑩ 施設(客席等の飲食施設、ロビー等の共用施設を含む。)において利用者等が嘔吐した場合には、200mg/ℓ 以上の次亜塩素酸ナトリウム等を用いて迅速かつ適切に嘔吐物の処理を行うことにより、利用者及び調理従事者等へのノロウイルス感染及び施設の汚染防止に努めること。 (3) 検食の保存 検食は、原材料及び調理済み食品を食品ごとに 50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に入れ、密封し、-20℃以下で 2週間以上保存すること。 なお、原材料は、特に、洗浄・殺菌等を行わず、購入した状態で保存すること。 (4) 調理従事者等の衛生管理 ① 調理従事者等は、便所及び風呂等における衛生的な生活環境を確保すること。また、ノロウイルスの流行期には十分に加熱された食品を摂取する等により感染防止に努め、徹底した手洗いの励行を行うなど自らが施設や食品の汚染の原因とならないように措置するとともに、体調に留意し、健康な状態を保つように努めること。 ② 調理従事者等は臨時職員も含め、定期的な健康診断及び月に 1 回以上の検便を受けること。検便検査には、従来の検査に加え、腸管出血性大腸菌の検査を含めること。また、必要に応じ10 月から 3 月にはノロウイルスの検査を含めること。 ③ 調理従事者は嘔吐、下痢、発熱などの症状があった時、手指等に化膿創があった時は調理作業に従事しないこと。 ④ 下痢又は嘔吐等の症状がある調理従事者等については、直ちに医療機関を受診し、感染性疾患の有無を確認すること。ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、リアルタイム PCR法等の高感度の検便検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましいこと。 ⑤ 調理従事者等が着用する帽子、外衣は毎日専用で清潔なものに交換すること。 ⑥ 下処理場から調理場への移動の際には、外衣、履き物の交換等を行うこと。(履き物の交換が困難な場合には履き物の消毒を必ず行うこと。) ⑦ 便所には、調理作業時に着用する外衣、帽子、履き物のまま入らないこと。 ⑧ 調理、点検に従事しない者が、やむを得ず、調理施設に立ち入る場合には、専用の清潔な帽子、外衣及び履き物を着用させ、手洗い及び種子の消毒を行わせること。 ⑨ 食中毒が発生した時、原因究明を確実に行うため、原則として、調理従事者は当該施設で調理された食品を喫食しないこと。 ただし、原因究明に支障を来さないための措置が講じられている場合はこの限りでない。(毎

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日の健康調査及び検便検査等) (5) その他 ① 加熱調理食品にトッピングする非加熱調理食品は、直接喫食する非加熱調理食品と同様の衛生管理を行い、トッピングする時期は提供までの時間が極力短くなるようにすること。 ② 廃棄物(調理施設内で生じた廃棄物及び返却された残渣をいう。)の管理は、次のように行うこと。 ア 廃棄物容器は、汚臭、汚液がもれないように管理するとともに、作業終了後は速やかに清掃し、衛生上支障のないように保持すること。 イ 返却された残渣は非汚染作業区域に持ち込まないこと。 ウ 廃棄物は、適宜集積場に搬出し、作業場に放置しないこと。 エ 廃棄物集積場は、廃棄物の搬出後清掃するなど、周囲の環境に悪影響を及ぼさないよう管理すること。 Ⅲ 衛生管理体制 1.衛生管理体制の確立 (1) 調理施設の経営者又は学校長等施設の運営管理責任者(以下「責任者」という。)は、施設の衛生管理に関する責任者(以下「衛生管理者」という。)を指名すること。 なお、共同調理施設等で調理された食品を受け入れ、提供する施設においても、衛生管理者を指名すること。 (2) 責任者は、日頃から食材の納入業者についての情報の収集に努め、品質管理の確かな業者から食材を購入すること。また、継続的に購入する場合は、配送中の保存温度の徹底を指示するほか、納入業者が定期的に行う原材料の微生物検査結果の提示を求めること。 (3) 責任者は、衛生管理者に別紙点検表に基づく点検作業を行わせるとともに、そのつど点検結果を報告させ、適切に点検が行われたことを確認すること。点検結果については、1 年間保管すること。 (4) 責任者は、点検の結果、衛生管理者から改善不能な異常の発生の報告を受けた場合、食材の返品、メニューの一部削除、調理済み食品の回収等必要な措置を講ずること。 (5) 責任者は、点検の結果、改善に時間を要する事態が生じた場合、必要な応急処置を講じるとともに、計画的に改善を行うこと。 (6) 責任者は、衛生管理者及び調理従事者に対して衛生管理及び食中毒防止に関する研修に参加させるなど必要な知識・技術の周知徹底を図ること。 (7) 責任者は、調理従事者等を含め職員の健康管理及び健康状態の把握を組織的・継続的に行い、調理従事者等の感染及び調理従事者等からの施設汚染の防止に努めること。 (8) 責任者は、調理従事者等に定期的な健康診断及び月に 1 回以上の検便を受けさせること。検便検査には、腸管出血性大腸菌の検査を含めること。また、必要に応じ 10 月から 3 月にはノロウイルスの検査を含めることが望ましいこと。 (9) 責任者は、調理従事者等が嘔吐、下痢、発熱などの症状があった時、手指等に化膿創があった時は調理作業に従事させないこと。 (10) 責任者は、下痢又は嘔吐等の症状がある調理従事者等について、直ちに医療機関を受診させ、感染性疾患の有無を確認すること。ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、リアルタイム PCR法等の高感度の検便検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えさせるなど適切な処置をと

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ることが望ましいこと。 (11) 責任者は、調理従事者等について、ノロウイルスにより発症した調理従事者等と一緒に感染の原因と考えられる食事を喫食するなど、同一の感染機会があった可能性がある調理従事者等について速やかにリアルタイム PCR法等の高感度の検便検査を実施し、検査の結果ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、調理に直接従事することを控えさせる等の手段を講じることが望ましいこと。 (12) 献立の作成に当たっては、施設の人員等の能力に余裕を持った献立作成を行うこと。 (13) 献立ごとの調理工程表の作成に当たっては、次の事項に留意すること。 ア 調理従事者等の汚染作業区域から非汚染作業区域への移動を極力行わないようにすること。 イ 調理従事者等の一日ごとの作業の分業化を図ることが望ましいこと。 ウ 調理終了後速やかに喫食されるよう工夫すること。また、衛生管理者は調理工程表に基づき、調理従事者等と作業分担等について事前に十分な打合せを行うこと。 (14) 施設に所属する医師、薬剤師等専門的な知識を有する者の定期的な指導、助言を受けること。 (15) 高齢者や乳幼児が利用する施設等においては、平常時から施設長を責任者とする危機管理体制を整備し、感染拡大防止のための組織対応を文書化するとともに、具体的な対応訓練を行っておくことが望ましいこと。また、従業員あるいは利用者において下痢・嘔吐症の発生を迅速に把握するために、定常的に有症状者数を調査・監視することが望ましいこと。 (別添 1)原材料、製品等の保存温度 食 品 名 保 存 温 度 穀類加工品(小麦粉、デンプン) 室 温 砂 糖 室 温 食 肉 ・ 鯨 肉 10℃以下 細切した食肉・鯨肉を凍結したものを容器包装に入れたもの -15℃以下 食 肉 製 品 10℃以下 鯨 肉 製 品 10℃以下 冷 凍 食 肉 製 品 -15℃以下 冷 凍 鯨 肉 製 品 -15℃以下 ゆ で だ こ 10℃以下 冷 凍 ゆ で だ こ -15℃以下 生 食 用 か き 10℃以下 生 食 用 冷 凍 か き -15℃以下 冷 凍 食 品 -15℃以下 魚肉ソーセージ、魚肉ハム及び特殊包装かまぼこ 10℃以下 冷 凍 魚 肉 ね り 製 品 -15℃以下 液 状 油 脂 室 温 固 形 油 脂 10℃以下 (ラード、マーガリン、ショートニング、カカオ脂) 殻 付 卵 10℃以下 液 卵 8℃以下

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凍 結 卵 -18℃以下 乾 燥 卵 室 温 ナ ッ ツ 類 15℃以下 チ ョ コ レ ー ト 15℃以下 生 鮮 果 実 ・ 野 菜 10℃前後 生 鮮 魚 介 類 (生食用鮮魚介類を含む。) 5℃以下 乳 ・ 濃 縮 乳 10℃以下 脱 脂 乳 ク リ ー ム バ タ ー チ ー ズ 15℃以下 練 乳 清 涼 飲 料 水 室 温 (食品衛生法の食品、添加物等の規格基準に規定のあるものについては、当該保存基準に従うこと。) (別添 2)標準作業書 (手洗いマニュアル) 1. 水で手をぬらし石けんをつける。 2. 指、腕を洗う。特に、指の間、指先をよく洗う。(30秒程度) 3. 石けんをよく洗い流す。(20秒程度) 4. 使い捨てペーパータオル等でふく。(タオル等の共用はしないこと。) 5. 消毒用のアルコールをかけて手指によくすりこむ。 (1 から 3 までの手順は 2 回以上実施する。) (器具等の洗浄・殺菌マニュアル) 1.調理機械 ① 機械本体・部品を分解する。なお、分解した部品は床にじか置きしないようにする。 ② 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)で 3 回水洗いする。 ③ スポンジタワシに中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。 ④ 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)でよく洗剤を洗い流す。 ⑤ 部品は 80℃で 5分間以上又はこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う。 ⑥ よく乾燥させる。 ⑦ 機械本体・部品を組み立てる。 ⑧ 作業開始前に 70%アルコール噴霧又はこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う。 2.調理台 ① 調理台周辺の片づけを行う。 ② 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)で 3 回水洗いする。 ③ スポンジタワシに中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。 ④ 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)でよく洗剤を洗い流す。 ⑤ よく乾燥させる。 ⑥ 70%アルコール噴霧又はこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う。

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⑦ 作業開始前に⑥と同様の方法で殺菌を行う。 3.まな板、包丁、へら等 ① 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)で 3 回水洗いする。 ② スポンジタワシに中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。 ③ 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)でよく洗剤を洗い流す。 ④ 80℃で 5分間以上又はこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う。 ⑤ よく乾燥させる。 ⑥ 清潔な保管庫にて保管する。 4.ふきん、タオル等 ① 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)で 3 回水洗いする。 ② 中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。 ③ 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)でよく洗剤を洗い流す。 ④ 100℃で 5分間以上煮沸殺菌を行う。 ⑤ 清潔な場所で乾燥、保管する。 (原材料等の保管管理マニュアル) 1.野菜・果物 ① 衛生害虫、異物混入、腐敗・異臭等がないか点検する。異常品は返品又は使用禁止とする。 ② 各材料ごとに、50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して入れ、-20℃以下で 2週間以上保存する。(検食用) ③ 専用の清潔な容器に入れ替えるなどして、10℃前後で保存する(冷凍野菜は-15℃以下) ④ 流水で 3 回以上水洗いする。 ⑤ 中性洗剤で洗う。 ⑥ 流水で十分すすぎ洗い ⑦ 必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いする。 ⑧ 水切りする。 ⑨ 専用のまな板、包丁でカットする。 ⑩ 清潔な容器に入れる。 ⑪ 清潔なシートで覆い(容器がふた付きの場合を除く)、調理まで 30分以上を要する場合には、10℃以下で冷蔵保存する。 注:表面の汚れが除去され、分割・細切されずに皮付きで提供されるみかん等の果物にあっては、③から⑧までを省略して差し支えない。 2.魚介類、食肉類 ① 衛生害虫、異物混入、腐敗・異臭等がないか点検する。異常品は返品又は使用禁止とする。 ② 各材料ごとに、50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して入れ、-20℃以下で 2週間以上保存する。(検食用) ③ 専用の清潔な容器に入れ替えるなどして、食肉類については 10℃以下、魚介類については 5℃以下で保存する(冷凍で保存するものは-15℃以下)。 ④ 専用のまな板、包丁でカットする。 ⑤ 速やかに調理へ移行させる。 (加熱調理食品の中心温度及び加熱時間の記録マニュアル)

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1.揚げ物 ① 油温が設定した温度以上になったことを確認する。 ② 調理を開始した時間を記録する。 ③ 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を校正された温度計で 3 点以上測定し、全ての点において 75℃(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は 85℃)以上に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録するとともに、その時点からさらに 1分以上加熱を続ける。 ④ 最終的な加熱処理時間を記録する。 ⑤ なお、複数回同一の作業を繰り返す場合には、油温が設定した温度以上であることを確認・記録し、①~④で設定した条件に基づき、加熱処理を行う。油温が設定した温度以上に達していない場合には、油温を上昇させるため必要な措置を講ずる。 2.焼き物及び蒸し物 ① 調理を開始した時間を記録する。 ② 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を 3点以上測定し、全ての点において75℃以上に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録するとともに、その時点からさらに 1分以上加熱を続ける。 ③ 最終的な加熱処理時間を記録する。 ④ なお、複数回同一の作業を繰り返す場合には、①~③で設定した条件に基づき、加熱処理を行う。この場合、中心温度の測定は、最も熱が通りにくいと考えられる場所の一点のみでもよい。 3.煮物及び炒め物 調理の順序は食肉類の加熱を優先すること。食肉類、魚介類、野菜類の冷凍品を使用する場合には、十分解凍してから調理を行うこと。 ① 調理の途中で適当な時間を見はからって、最も熱が通りにくい具材を選び、食品の中心温度を校正された温度計で 3 点以上(煮物の場合は 1 点以上)測定し、全ての点において 75℃以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は 85℃)に達していた場合には、それぞれの中心温度を記録するとともに、その時点からさらに 1分以上加熱を続ける。 なお、中心温度を測定できるような具材がない場合には、調理釜の中心付近の温度を 3点以上(煮物の場合は 1点以上)測定する。 ② 複数回同一の作業を繰り返す場合にも、同様に点検・記録を行う。 ( 別添3)

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(別紙) 調理施設の点検表調理施設の点検表調理施設の点検表調理施設の点検表 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 1.毎日点検 点 検 項 目 点検結果 1 施設へのねずみやこん虫の侵入を防止するための設備に不備はありませんか。 2 施設の清掃は、全ての食品が調理場内から完全に搬出された後、適切に実施されましたか。(床面、内壁のうち床面から1m以内の部分) 3 施設に部外者が入ったり、調理作業に不必要な物品が置かれていたり しませんか。 4 施設は十分な換気が行われ、高温多湿が避けられていますか。 5 手洗い設備の石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、殺菌液は適切ですか。 2.1カ月ごとの点検 1 巡回点検の結果、ねずみやこん虫の発生はありませんか。 2 ねずみやこん虫の駆除は半年以内に実施され、その記録が1年以上保存されていますか。 3 汚染作業区域と非汚染作業区域が明確に区別されていますか。 4 各作業区域の入り口手前に手洗い設備、履き物の消毒設備(履き物の交換が困難な場合に限る。)が設置されていますか。 5 シンクは用途別に相互汚染しないように設置されていますか。 加熱調理用食材、非加熱調理用食材、器具の洗浄等を行うシンクは別に設置されていますか。 6 シンク等の排水口は排水が飛散しない構造になっていますか。 7 全ての移動性の器具、容器等を衛生的に保管するための設備が設けられていますか。 8 便所には、専用の手洗い設備、専用の履き物が備えられていますか。 9 施設の清掃は、全ての食品が調理場内から完全に排出された後、適切に実施されましたか。(天井、内壁のうち床面から1m以上の部分) 3.3ヵ月ごとの点検 1 施設は隔壁等により、不潔な場所から完全に区別されていますか。 2 施設の床面は排水が容易に行える構造になっていますか。 3 便所、休憩室及び更衣室は、隔壁により食品を取り扱う場所と区分されていますか。 〈改善を行った点〉 〈計画的に改善すべき点〉

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従事者等の衛生管理点検表従事者等の衛生管理点検表従事者等の衛生管理点検表従事者等の衛生管理点検表 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 氏 名 体 調 化 膿 創 服 装 帽 子 毛 髪 履 物 爪 指 輪 等 手 洗 い 点 検 項 目 点検結果 1 健康診断、検便検査の結果に異常はありませんか。 2 下痢、発熱などの症状はありませんか。 3 手指や顔面に化膿創がありませんか。 4 着用する外衣、帽子は毎日専用で清潔のものに交換されていますか。 5 毛髪が帽子から出ていませんか。 6 作業場専用の履物を使っていますか。 7 爪は短く切っていますか。 8 指輪やマニキュアをしていませんか。 9 手洗いを適切な時期に適切な方法で行っていますか。 10 下処理から調理場への移動の際には外衣、履き物の交換(履き物の交換が困難な場合には、履物の消毒)が行われていますか。 11 便所には、調理作業時に着用する外衣、帽子、履き物のまま入らないようにしていますか。 12 調理、点検に従事しない者が、やむを得ず、調理施設に立ち入る場合には、専用の清潔な帽子、外衣及び履き物を着用させましたか。 立ち入った者 点検結果 〈改善を行った点〉 〈計画的に改善すべき点〉

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原材料の取扱い等点検表原材料の取扱い等点検表原材料の取扱い等点検表原材料の取扱い等点検表 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 ① 原材料の取扱い(毎日点検) 点 検 項 目 点検結果 1 原材料の納入の際しては調理従事者等が立ち会いましたか。 検収場で原材料の品質、鮮度、品温、異物の混入等について点検を行いましたか。 2 原材料の納入に際し、生鮮食品については、1回で使い切る量を調理当日に仕入れましたか。 3 原材料は分類ごとに区分して、原材料専用の保管場に保管設備を設け、適切な温度で保管されていますか。 原材料の搬入時の時刻及び温度の記録がされていますか。 4 原材料の包装の汚染を保管設備に持ち込まないようにしていますか。 保管設備内での原材料の相互汚染が防がれていますか。 5 原材料を配送用包装のまま非汚染作業区域に持ち込んでいませんか。 ② 原材料の取扱い(月1回点検) 点 検 項 目 点検結果 原材料について納入業者が定期的に実施する検査結果の提出が最近1か月以内にありましたか。 検査結果は1年間保管されていますか。 ③ 検食の保存 点 検 項 目 点検結果 検食は、原材料(購入した状態のもの)及び調理済み食品を食品ごとに50g程度ずつ清潔な容器に密封して入れ、-20℃以下で 2週間以上保存されていますか。 〈改善を行った点〉 〈計画的に改善すべき点〉

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検食の記録簿検食の記録簿検食の記録簿検食の記録簿 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 納品の 時 刻 納入業者名 品目名 生産地 期限 表示 数 量 鮮 度 包 装 品 温 異 物 : : : : : : : : : : : 〈進言事項〉

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調理器具等及び使用水の点検表調理器具等及び使用水の点検表調理器具等及び使用水の点検表調理器具等及び使用水の点検表 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 ① 調理器具、容器等の点検表 点 検 項 目 点検結果 1 包丁、まな板等の調理器具は用途別及び食品別に用意し、混同しないように使用されていますか。 2 調理器具、容器等は作業動線を考慮し、予め適切な場所に適切な数が配置されていますか。 3 調理器具、容器等は使用後(必要に応じて使用中)に洗浄・殺菌し、乾燥されていますか。 4 調理場内における器具、容器等の洗浄・殺菌は、全ての食品が調理場から搬出された後、行っていますか。(使用中等やむをえない場合は、洗浄水等が飛散しないように行うこと。) 5 調理機械は、最低1日1回以上、分解して洗浄・消毒し、乾燥されていますか。 6 全ての調理器具、容器等は衛生的に保管されていますか。 ② 使用水の点検表 採取場所 採取時期 色 濁り 臭い 異物 残留塩素濃度 mg/ℓ mg/ℓ mg/ℓ mg/ℓ ③ 井戸水、貯水槽の点検表(月1回点検) 点 検 項 目 点検結果 1 水道事業により供給される水以外の井戸水等の水を使用している場合には、半年以内に水質検査が実施されていますか。 検査結果は1年間保管されていますか。 2 貯水槽は清潔を保持するため、1年以内に清掃が実施されていますか。 清掃した証明書は1年間保管されていますか。 〈改善を行った点〉 〈計画的に改善すべき点〉

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調理等における点検表調理等における点検表調理等における点検表調理等における点検表 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 ① 下処理・調理中の取扱い 点 検 項 目 点検結果 1 非汚作業染区域内に汚染を持ち込まないよう、下処理を確実に実施していますか。 2 冷蔵庫又は冷凍庫から出した原材料は速やかに下処理、調理に移行させていますか。 非加熱で供される食品は下処理後速やかに調理に移行していますか。 3 野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、適切な洗浄(必要に応じて殺菌)を実施していますか。 4 加熱調理食品は中心部が十分(75℃(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85℃)で1分間以上等)加熱されていますか。 5 食品及び移動性の調理器具並びに容器の取扱いは床面から60cm以上の場所で行われていますか。(ただし、跳ね水等からの直接汚染が防止できる食缶等で食品を取り扱う場合には、30cm以上の台にのせて行うこと。) 6 加熱調理後の食品の冷却、非加熱調理食品の下処理後における調理場等での一時保管等は清潔な場所で行われていますか。 7 加熱調理食品にトッピングする非加熱調理食品は、直接喫食する非加熱調理食品と同様の衛生管理を行い、トッピングする時期は提供までの時間が極力短くなるようにしていますか。 ② 調理後の取扱い 点 検 項 目 点検結果 1 加熱調理後、食品を冷却する場合には、速やかに中心温度を下げる工夫がされていますか。 2 調理後の食品は衛生的な容器にふたをして、他からの2次汚染を防止していますか。 3 調理後の食品が適切に温度管理(冷却過程の温度管理を含む。)を行い、必要な時刻及び温度が記録されていますか. 4 配送過程があるものは保冷又は保温設備のある運搬車を用いるなどにより、適切な温度管理を行い、必要な時間及び温度等が記録されていますか。 5 調理後の食品は2時間以内に喫食されていますか。 ③ 廃棄物の取扱い 点 検 項 目 点検結果 1 廃棄物容器は、汚臭、汚液がもれないように管理するとともに、作業終了後は速やかに清掃し、衛生上支障のないように保持されていますか。 2 返却された残渣は、非汚染作業区域に持ち込まれていませんか。 3 廃棄物は、適宜集積場に搬出し、作業場に放置されていませんか。 4 廃棄物集積場所は、廃棄物の搬出後清掃するなど、周囲の環境に悪影響を及ばさないよう管理されていますか。 〈改善を行った点〉 〈計画的に改善すべき点〉

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食品保管時の記録簿食品保管時の記録簿食品保管時の記録簿食品保管時の記録簿 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 ① 原材料保管時 品目名 搬入時刻 搬入時設備内(室内)温度 品目名 搬入時刻 搬入時設備内(室内)温度 ② 調理終了後30分以内に提供される食品 品目名 調理終了時刻 品目名 調理終了時刻 ③ 調理終了後30分以上に提供される食品 ア 温かい状態で提供される食品 品目名 食缶等への移し替え時刻 イ 加熱後冷却する食品 品目名 冷却開始 時 刻 冷却終了 時 刻 保冷設備へ の搬入時刻 保冷設備 内温度 保冷設備から の搬出時刻 ウ その他の食品 品目名 保冷設備への 搬入時刻 保冷設備内温度 保冷設備から の搬出時刻 〈進言事項〉

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食品の加熱加工の記録簿食品の加熱加工の記録簿食品の加熱加工の記録簿食品の加熱加工の記録簿 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 品目名 No.1 No.2(No.1で設定した条件に基づき実施) (揚げ物) ①油温 ℃ 油温 ℃ ②調理開始時刻 : No.3(No.1で設定した条件に基づき実施) ③確認時の中心温度 サンプルA ℃ 油温 ℃ B ℃ No.4(No.1で設定した条件に基づき実施) C ℃ 油温 ℃ ④③確認後の加熱時間 No.5(No.1で設定した条件に基づき実施) ⑤全加熱処理時間 油温 ℃ 品目名 No.1 No.2(No.1で設定した条件に基づき実施) (焼き物、蒸し物) ①調理開始時刻 : 確認時の中心温度 ℃ ②確認時の中心温度 サンプルA ℃ No.3(No.1で設定した条件に基づき実施) B ℃ 確認時の中心温度 ℃ C ℃ No.4(No.1で設定した条件に基づき実施) ③②確認後の加熱時間 確認時の中心温度 ℃ ④全加熱処理時間 品目名 No.1 No.2 (煮物) ①確認時の中心温度 サンプル ℃ ①確認時の中心温度 サンプル ℃ ②①確認後の加熱時間 ②①確認後の加熱時間 (炒め物) ①確認時の中心温度 サンプルA ℃ ①確認時の中心温度 サンプルA ℃ B ℃ B ℃ C ℃ C ℃ ②①確認後の加熱時間 ②①確認後の加熱時間 〈改善を行った点〉 〈計画的に改善すべき点〉

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配送先記録簿配送先記録簿配送先記録簿配送先記録簿 平成 年 月 日 責任者 衛生管理者 出発時刻 帰り時刻 保冷設備への搬入時刻( : ) 保冷設備内温度 ( ) 配送先 配送先所在地 品目名 数量 配送時刻 : : : : : : : : : : 〈進言事項〉

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11111111 中小規模調理施設における衛生管理の徹底について中小規模調理施設における衛生管理の徹底について中小規模調理施設における衛生管理の徹底について中小規模調理施設における衛生管理の徹底について((((抄抄抄抄)))) (平成 9 年 6 月 30 日 衛食第 201 号) 食中毒予防対策の推進には日頃から格別のご尽力を頂いているところであるが、食中毒予防の更なる徹底を図るため、中小規模調理施設(同一メニューを 300食以上又は 1 日 750食以上提供する調理施設以外の施設)においても「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成 9 年 3 月 31 日衛食第 85 号)の趣旨を踏まえた衛生管理の徹底を図るよう関係者に対する指導方お願いする。 この場合、別添の「児童福祉施設等における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の予防について」(平成 9 年 6 月 30 日児企第 16 号)の参考資料Ⅰを参照し、中小規模施設の人員、施設設備に応じた工夫を行うよう指導すること。 (別添)略 12121212 児童福祉施設等における衛生管理等について児童福祉施設等における衛生管理等について児童福祉施設等における衛生管理等について児童福祉施設等における衛生管理等について (平成 16 年 1 月 20 日 雇児発第 0120001 号・障発第 0120005 号) 近年、O157 等腸管出血性大腸菌感染症による食中毒発生事例や、レジオネラ症の発生事例が相次ぎ、また、重症急性呼吸器症候群(SARS)やインフルエンザ等の流行が懸念されるなど、感染症や食中毒等の発生防止について、社会福祉施設においても適切な対応を行うことが重要となっております。 このため、今般「児童福祉施設最低基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)、「婦人保護施設の設備及び運営に関する最低基準」(平成 14 年厚生労働省令第 49 号)、「婦人保護事業実施要領」(昭和 38 年3 月 19 日厚生省発社第 34 号)及び「母子福祉施設設置要綱」(昭和 40 年 6 月 12 日厚生省発児第 145号)の一部を改正し、衛生管理等に関する規定の整備を行いました。これを踏まえ、児童福祉施設、婦人保護施設、婦人相談所一時保護所、母子福祉施設(以下「児童福祉施設等」という。)における具体的な衛生管理等について、下記のとおり定めましたので、貴職におかれましては、御了知の上、貴管内の関係機関・関係団体に対する周知等よろしくお取り計らい願います。 なお、本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の 4 第 1 項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添えます。 記 児童福祉施設等の衛生管理に当たっては、次の点に留意するものとする。 (1)水道法(昭和 32 年法律第 177 号)の適用されない小規模の水道についても、市営水道、専用水道等の場合と同様、水質検査、塩素消毒法統衛生上必要な措置を講ずること。 (2)常に施設内を清潔に保つとともに、毎年 1 回以上大掃除を行うこと。 (3)食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、密接な連携を保つこと。 (4)特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これに基づき、適切な措置を講ずること。 (5)定期的に、調理に従事する者の検便等を行うこと。 (6)空調設備等により、施設内の適温の確保に努めること。

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13131313 児童福祉施設等における衛生管理の強化について児童福祉施設等における衛生管理の強化について児童福祉施設等における衛生管理の強化について児童福祉施設等における衛生管理の強化について (昭和 39 年 8 月 1 日 児発第 669 号) 児童福祉施設における衛生管理、特に赤痢並びに食中毒予防の指導については常に格別のご配意を願っているところであるが、昭和 38 年における児童福祉施設の赤痢発生件数をみると昭和 37 年をはるかに上回り衛生管理上甚だ遺憾である。 これらの対策については、すでに別記のとおり数回にわたり通達されたところであり、十分御承知のことと思われるが、別添の衛生管理における留意事項を参照のうえ、衛生管理及び健康管理について具体的な指導の強化をはかられるようお願いする。 (別添) 衛生管理における留意事項 1 年間を通じた予防対策の強化 従来、赤痢の発生は夏に多く、食中毒は夏から秋にかけて多かったが最近では夏のみならず秋から冬にかけても頻発する傾向が強いので予防対策も季節に関係なく強力にすすめるようにすること。 2 地域社会との連絡の強化 社会福祉施設特に保育所は地域社会との関係が深いため赤痢発生などは施設の給食が直接原因となるものよりも幼児間の接触による感染で集団発生している例が多い。 すなわち、児童福祉施設における接触感染は、患者又は保菌者の排便後ちり紙を通して手に附着した赤痢菌が便所の把手等に附着し、この赤痢菌でそれ以後便所を利用する児童に感染する場合が多い。 従って、管轄保健所と緊密な連携をはかり絶えず地域内の赤痢、食中毒発生状況を把握することに努めるとともに患者、保菌者等が発生した場合は当該保健所長又は、管轄市町村長の指示を受けて適切な処置を講ずるようにすること。 また、家庭との連絡を密にして家族で下痢等をしている者のいるときは、児童を施設に来させないような処置を講ずることも必要であること。 3 給食施設、設備の衛生管理 調理室の出入り口、窓、排水口にはそ族、昆虫の防除設備を設けること。調理室の入り口には流水式の手洗い設備(衛生水洗が望ましい。)或は消毒液(逆性石けん液)を必ず備えること。調理室には関係者以外の立入りを禁止するほか、調理室専用の履き物を備え室外のものと区別すること。 また、毎月特別清掃日を設けて定例的に特に調理室内外の清掃につとめること。 4 食品取扱いの衛生管理 冷蔵庫は食品の冷却はできても殺菌はできないのでその効果を過信しないよう、調理したものはできるだけ早く供食し翌日に繰り越して供食することのない要注意すること。特に魚介類及びその加工品、サラダ類、煮豆、ちらしずしなどは食中毒菌や病原菌の繁殖しやすい食品であるのでその取扱いには特に注意すること。 また、食品の入手に際しては粗悪品特に鮮度不良のものの鑑別等を十分に行うようにすること。 5 施設職員特に給食関係従事者の健康管理 施設職員特に給食関係従事者が調理や配食に当たる際は手洗いの習慣を徹底させること。また、定期的健康診断、検便の実施を怠ることのないよう、必要に応じてはその実施の状況について報告を求め、指導の参考とすること。

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また、できれば各施設において調理場に給食従事者の衛生上の心得等を記載したポスター等を掲げ、絶えず注意を喚起させるような処置が望ましいこと。 6 児童の健康管理 児童の健康管理の徹底をはかるため、毎朝必ず児童の下痢、軟便、腹痛、発熱の有無等を調べるほか、顔色をよく見るなど健康状態の観察を行い患児の早期発見につとめること。 また、児童に対しては食事前、おやつの前に手を流水で石けんを使って十分洗わせることはもちろん、児童はすぐ汚すおそれもあるので食卓につかせてから消毒液(逆性石けん液)を浸した布巾で1人 1人手を丁寧に拭かせるよう指導することが望ましいこと。 また、児童の健康状態の保持に留意し、特に夏期においては過労をさけるため休養室等を活用して十分昼寝をさせること。夜間睡眠時、昼寝児には寝冷えをさせないようにすること。衛生的に不安全な買食いなどはなるべく避けるようにするなど健康保持のための適切な配慮がなされるようにすること。 なお、特に抵抗力の弱い乳幼児を保育する保育所においては健康管理について格別の注意を払い、特に昼寝は保育内容の 1 つに定められ単に夏期のみでなく、年間を通じて実施することとなっているが、さらにその必要性を周知徹底すること。昼寝をしやすくするよう昼寝に要すると思われる暗幕を調えるなど施設設備の充実改善を図ること。児童に健康上異常のある場合には保護者からその旨口頭もしくは文書でその都度担当保母もしくは所長に連絡させるよう指導すること。 また、精神薄弱児施設における赤痢集団発生率は特に著しいので上記に準ずるほか下痢、発熱等初発伝染病疑似患者の隔離場所として静養室を充分に活用し、伝染病の集団発生を未然に防止するよう格別の配慮が必要であること。 14141414 社会福祉施設における食中毒事故発生防止の徹底について社会福祉施設における食中毒事故発生防止の徹底について社会福祉施設における食中毒事故発生防止の徹底について社会福祉施設における食中毒事故発生防止の徹底について (平成 8 年 6 月 18 日 社援施第 97 号) 社会福祉施設の運営指導については、平素からご尽力いただいているところであるが、全国における本年の食中毒の発生状況を見ると、現時点で病原性大腸菌 O-157 による食中毒での死者 2名及びサルモネラ菌による食中毒での死者 2名と合計 4名の死者を数えるなど例年になく細菌性食中毒による死者数が多くなっている状況にある。 また、例年の傾向からみると、これから夏期に向けて食中毒による事故が増加することが予想される。 ついては、現在、当省生活衛生局より食中毒の発生防止に関して別添のとおりの通知を出し指導徹底を図っているところであるが、貴職におかれても別添の通知を了知の上、管下の社会福祉施設に対して周知徹底させると共に、衛生部局と十分な連携を図り、食中毒の事故防止等に万全を期されたい。 なお、主な留意点は下記のとおりである。 記 1 食中毒事故の発生防止について (1) 調理及び盛り付け児の衛生には特に注意すること。 新鮮な食品の入手、適温保管をはじめ、特に調理、盛りつけ時の衛生(なま物はなるべく避け、加熱を十分行う、盛りつけは手で行わない等)には十分留意すること。 また調理後はなるべく速やかに喫食させるようにし、やむを得ない場合は冷蔵保存等に努めること。 なお、食器具等の十分な洗浄消毒、衛生的保管にも十分注意すること。

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(2) 原料食品の購入に当たっては、品質、鮮度、汚染状態等に留意する等検収を確実に実施し、事故発生の防止に努めること。 (3) 調理従事者及び入所者等の健康管理・衛生管理に努めること。 調理に従事する者及び入所者等の日常からの健康管理に努め、特に調理、喫食前の手洗いの励行に努めること。 2 食中毒事故が発生した場合の事後対策について 万一、食中毒事故が発生した場合、あるいはその疑いが生じた場合には医師の診察を受けるとともに、速やかに最寄りの保健所に連絡を取り指示を仰ぐなどの措置を取り、事故の拡大を最小限にとどめるように徹底すること。 (別添)略 15151515 児童福祉施設児童福祉施設児童福祉施設児童福祉施設等における衛生管理及び食中毒予防の徹底について等における衛生管理及び食中毒予防の徹底について等における衛生管理及び食中毒予防の徹底について等における衛生管理及び食中毒予防の徹底について (平成 13 年 8 月 1 日 雇児総発第 36 号) 児童福祉施設等(認可外保育施設を含む。)における衛生管理及び食中毒予防の徹底については、かねてから適正な指導をお願いしているところです。 しかしながら、昨日、奈良県内の保育所の園児が腸管出血性大腸菌(o157)に感染し死亡するという事態が発生しました。感染経路については、調査がなされているところですが、乳幼児は、腸管出血性大腸菌(o157)等に感染しやすく、また、重症化しやすいことから、児童福祉施設等においては、調理従事者だけでなくすべての職員が連携を図りつつ、感染の予防に努めることが重要です。 ついては、これまで発出されてきた別添通知等に留意し、施設における衛生管理及び食中毒予防について改めて徹底するよう、管内市町村及び児童福祉施設等への周知をお願いします。 (別添) ○社会福祉施設における食中毒事故発生防止の徹底について(平成 8 年 6 月 18 日社援施第 97 号) ○社会福祉施設における保存食の保存期間等について(平成 8 年 7 月 25 日社援施第 117 号) ○腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会福祉施設における対応について(平成8 年 8 月 7 日社援施第 122 号) ○腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う保育所等における対応について(平成8年8月 8 日児企発第 26 号) ○社会福祉施設における衛生管理について(平成 9 年 3 月 31 日社援施第 65 号) ○児童福祉施設等における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の予防について(平成 9 年 6 月 30 日児企第 16 号) ○保育所等における衛生管理の自主点検の実施について(平成 9 年 8 月 8 日児保第 19 号) ○社会福祉施設における衛生管理の自主点検の実施について(平成 9 年 8 月 8 日社援施第 117 号) 16161616 児童福祉施設等における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の予防につ児童福祉施設等における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の予防につ児童福祉施設等における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の予防につ児童福祉施設等における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の予防につ

いていていていて (平成 9 年 6 月 30 日 児企第 16 号)

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児童福祉施設等(認可外保育施設を含む。)における衛生管理については、かねてから適正な指導をお願いしているところである。 しかしながら、本年の食中毒の発生をみると、昨年と同様に腸菅出血性大腸菌(o157)による食中毒が多発しているところである。特に乳幼児は、腸菅出血性大腸菌(o157)等に感染しやすく、また、重症化しやすいことから、児童福祉施設等においては、調理従事者だけでなくすべての職員が連携を図りつつ、左記の点に留意し、感染の予防に努めることが重要である。 また、社会福祉施設における衛生管理については、平成 9 年 3 月 31 日社援施第 65 号により同一メニューを 1 回 300食以上又は 1 日 750食以上を提供する調理施設以外の施設においても可能な限り大量調理施設衛生管理マニュアルに基づく衛生管理に努められるよう周知したところであるが、児童福祉施設等については、感染予防の実効を期するため、大量調理施設衛生管理マニュアルを参考にするとともに、当面別添参考資料Ⅰを参照するなどにより、管下の児童福祉施設等に対し、衛生管理を徹底するよう指導されたい。 記 1 感染症予防のためには、手洗いの励行が重要かつ有効であり、児童、職員ともに手洗いの徹底を図ること。食事の直前及び排便又は排便の世話をした直後には、石鹸を使って流水で十分に手指を洗うこと。 2 特に、下痢便の排泄後又は下痢便の排泄の世話をした後は、直ちに石鹸を使って流水で十分に手指を洗った上で、消毒液で手指を消毒すること。 3 使用するタオルは、他人と共用しないこと。なお、タオルの個人専用化が難しい場合には、使い捨てペーパータオル等の利用も有効であること。 4 ビニールプール等を使用して水遊びをする際には、水に入る前に腰等を中心に体をよく洗うとともに、こまめに水の入れ替えを行うなど水の汚染防止に努めること。特に、下痢気味の児童等については、水に入れないよう十分注意すること。また、風呂で入浴する場合も、同様の扱いとすること。 5 保育所等においては、児童の健康状態等について日頃から家族と緊密な情報交換を行い、入所施設においても帰宅訓練時等に家族との情報交換に努めるとともに、嘱託医・保健所等との連携を図り、児童の健康管理に努めること。 また、一人ひとりの児童の健康を守るためには、家庭における健康管理が重要であることから、別添参考資料Ⅱを参照して保護者に対する食中毒予防等の注意喚起を行うこと。 (参考資料Ⅰ) 1 調理室等の汚染防止について 大量調理施設衛生管理マニュアル(以下「マニュアル」という。)Ⅱ―3―(3)のとおり汚染作業区域(検収場、原材料の保管場、下処理場)と非汚染作業区域(さらに準清潔作業区域(調理場)と清潔作業区域(放冷・調製場、製品の保菅場)に区分される。)を明確に区分することがどうしても難しい場合には、下処理済のもの(例えば野菜に付いている土を洗い落としたもの)を購入するなどにより、食材を通して調理室内が汚染される危険性の高い作業の減少を図り、調理室等の非汚染作業区域の汚染を防止するよう工夫すること。 2 シンクの清潔確保について マニュアルⅡ―3―(8)のとおりシンクを用途別に各々設けることがどうしても難しい場合には、調理工程を汚染作業(食材の検収・保管・下処理)と非汚染作業(調理・盛り付け等)とに分け、汚染作業から非汚染作業に移るときは、左記の作業手順によりシンクを洗浄消毒すること。また、加熱調理用食材の洗浄作業から非加熱調理用食材の洗浄作業へ移るときも、同様の方法でシンクを必ず

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洗浄消毒し、シンクを通じて食材が汚染されないように十分注意するとともに、洗浄水等がシンク以外に飛散しないように留意すること。 (シンクの洗浄消毒作業手順) ① 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)で 3 回水洗いする。 ② スポンジタワシに中性洗剤又は弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する。 ③ 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい。)でよく洗剤を洗い流す。 ④ 水分をペーパータオル等で十分拭き取る。 ⑤ 70%アルコール噴霧又はこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う。 3 汚染作業区域と非汚染作業区域の区別等について マニュアルⅡ―5―(1)―③④によれば調理室内において汚染作業区域と非汚染作業区域を明確に区別し、手洗い施設、履き物の消毒施設を各区域の入口手前に設けることとあるが、これがどうしても難しい場合には、調理工程の見直しを図り、汚染作業と非汚染作業を明確に区分し、食材の相互汚染を防止すること。なお、洗浄消毒作業を行う際には、洗浄水等が飛散しないように留意すること。 また、調理済食品が汚染されないように清潔作業区域を確保し、盛り付け・配膳後の食品等にハエ等が触れることのないよう十分注意すること。 4 調理器具・食器等の衛生的な保管について マニュアルⅡ―5―(1)―⑧のとおり外部から汚染されない構造の保管設備を設けることにより清潔な環境の保持及び作業の軽減が図られるところであるが、食器消毒保管庫等を直ちに設置することがどうしても難しい場合には、調理器具・食器等の消毒を行い、乾燥させた上で清潔な場所に保管すること。なお、ネズミ・ゴキブリ・ハエ等が調理器具・食器等に触れることのないよう十分注意すること。 5 原材料等の保管管理の徹底について 原材料等の保管管理については、左記の原材料等の保管管理手順に沿って行い、温度の記録については、少なくとも①原材料の保管温度は適切であったか②調理が終了した食品を速やかに提供したか③調理終了後 30 分を超えて提供される食品の保存温度が適切であったかを実施献立表等に点検項目を設け、その適否を記録しておくこと。 (原材料等の保管管理手順) (1) 野菜・果物 ① 衛生害虫、異物混入、腐敗・異臭等がないか点検する。異常品は返品又は使用禁止とする。 ② 各材料ごとに、50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して入れ、-20℃以下で 2週間以上保存する。 (検食用) ③ 専用の清潔な容器に入れ替えるなどして、10℃前後で保存する。(冷凍野菜は-15℃以下) ④ 流水で 3 回以上水洗いする。 ⑤ 中性洗剤で洗う。 ⑥ 流水で十分すすぎ洗いする。 ⑦ 必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いする。 ⑧ 水切りする。 ⑨ 専用のまな板、包丁でカットする。 ⑩ 清潔な容器に入れる。 ⑪ 清潔なシートで覆い(容器がふた付きの場合を除く。)、調理まで 30分以上を要する場合には、

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10℃以下で冷蔵保存する。 (2) 魚介類・食肉類 ① 衛生害虫、異物混入、腐敗・異臭等がないか点検する。異常品は返品又は使用禁止とする。 ② 各材料ごとに、50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して入れ、-20℃以下で 2週間以上保存する。 (検食用) ③ 専用の清潔な容器に入れ替えるなどして、食肉類については 10℃以下、魚介類については 5℃以下で保存する。(冷凍で保存するものは-15℃以下)。 ④ 専用のまな板、包丁でカットする。 ⑤ 速やかに調理へ移行させる。 6 加熱調理食品の加熱加工の徹底について 加熱調理食品の加熱加工については、中心部温度計を用いるなどして、中心部が七五℃以上の温度で 1分以上又はこれと同等以上まで加熱したかを確認し、実施献立表等に点検項目を設け、その適否を記録しておくこと。 (参考資料Ⅱ) 家庭でできる食中毒予防の 6 つのポイント - 家庭で行う HACCP(宇宙食から生まれた衛生管理) - 1996 年は、学校給食等が原因となった、過去に例を見ない規模の腸管出血性大腸菌 O157 による集団食中毒が多発しました。 1997 年に入っても、家庭が原因と疑われる散発的な発生が続き、死亡した例も報告されています。 食中毒は家庭でも発生します。 食中毒というと、レストランや旅館などの飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生していますし、発生する危険性がたくさん潜んでいます。 ただ、家庭での発生では症状が軽かったり、発症する人が 1人や 2人のことが多いことから風邪や寝冷えなどと思われがちで、食中毒とは気づかれず重症になったり、死亡する例もあります。 あなたの食事作りをチェックしてみましょう! 食中毒予防のポイントは 6 つです。 ポイント 1 食品の購入 ポイント 2 家庭での保存 ポイント 3 下準備 ポイント 4 調理 ポイント 5 食事 ポイント 6 残った食品 ポイント 1 食品の購入 ■ 肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。 ■ 表示のある食品は、消費期限などを確認し、購入しましょう。 ■ 購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。 ■ 特に、生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せず、まっすぐ持ち帰るようにしましょう。 ポイント 2 家庭での保存

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■ 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。 ■ 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。めやすは、7割程度です。 ■ 冷蔵庫は 10℃以下、冷凍庫は、-15℃以下に維持することがめやすです。温度計を使って温度を計ると、より庫内温度の管理が正確になります。 細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止しています。しかし、細菌が死ぬわけではありません。早めに使いきるようにしましょう。 ■ 肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中の他の食品に肉汁など がかからないようにしましょう。 ■ 肉、魚、卵などを取り扱う時は、取り扱う前と後に必ず手指を洗いましょう。せっけんを使い洗った後、流水で十分に洗い流すことが大切です。 簡単なことですが、細菌汚染を防ぐ良い方法です。 ■ 食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意しましょう。また、直接床に置いたりしてはいけません。 ポイント 3 下準備 ■ 台所を見渡してみましょう。 ゴミは捨ててありますか?タオルやふきんは清潔なものと交換してありますか?せっけんは用意してありますか?調理台の上はかたづけて広く使えるようになっていますか?もう一度、チェックをしましょう。 ■ 井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。 ■ 手を洗いましょう。 ■ 生の肉、魚、卵を取り扱った後には、また、手を洗いましょう。途中で動物に触ったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。 ■ 肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。 ■ 生の肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。 洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。 包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けるとさらに安全です。 ■ ラップしてある野菜やカット野菜もよく洗いましょう。 ■ 冷凍食品など凍結している食品を調理台に放置したまま解凍するのはやめましょう。室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。 解凍は冷蔵庫の中や電子レンジで行いましょう。また、水を使って解凍する場合には、気密性の容器に入れ、流水を使います。 ■ 料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。 解凍した食品をやっぱり使わないからといって、冷凍や解凍を繰り返すのは危険です。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります。 ■ 包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水で良く洗いましょう。ふきんのよごれがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。漂白剤に 1晩つけ込むと消毒効果があります。 包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです。 ポイント 4 調理

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■ 調理を始める前にもう一度、台所を見渡してみましょう。 下準備で台所がよごれていませんか? タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換しましょう。そして、手を洗いましょう。 ■ 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。 加熱を十分に行うことで、もし、食中毒菌がいたとしても殺すことができます。めやすは、中心部の温度が 75℃で 1分間以上加熱することです。 ■ 料理を途中でやめてそのまま室温に放置すると、細菌が食品に付いたり、増えたりします。途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れましょう。 再び調理をするときは、十分に加熱しましょう。 ■ 電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気を付け、熱の伝わりにくい物は、時々かき混ぜることも必要です。 ポイント 5 食事 ■ 食卓に付く前に手を洗いましょう。 ■ 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。 ■ 温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう。めやすは、温かい料理は 65℃以上、冷やして食べる料理は 10℃以下です。 ■ 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。 例えば、O157 は室温でも 15~20分で 2倍に増えます。 ポイント 6 残った食品 ■ 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。 残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。 ■ 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。 ■ 時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。 ■ 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。めやすは 75℃以上です。 味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱しましょう。 ■ ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に入れるのは、やめましょう。 食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」です。「6 つのポイント」はこの三原則から成っています。 これらのポイントをきちんと行い、家庭から食中毒をなくしましょう。 食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます。 それでも、もし、お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪くなったりしたら、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。 17171717 保育所等におけ保育所等におけ保育所等におけ保育所等における衛生管理の自主点検の実施についてる衛生管理の自主点検の実施についてる衛生管理の自主点検の実施についてる衛生管理の自主点検の実施について (平成 9 年 8 月 8 日 児保第 19 号) 保育所等(認可外保育施設を含む。)の運営指導の実施については、格段の配慮をいただいているところであり、特に衛生管理については、昨年来適正な指導をお願いしているところである。 さて、今般、平成 9 年 8 月 8 日社援施第 117 号厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人計画課長、児童家庭局企画課長連名通知「社会福祉施設における衛生管理の自主点検の実施について」が施行されたところであるが、その取扱いについては、かねてよりお願いしているように認可外保育施設についても同様の取扱いであるので、管下施設に対

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し自主点検の実施につき指導されるようお願いする。 18181818 社会福祉施設における衛生管理の自主点検の実施について社会福祉施設における衛生管理の自主点検の実施について社会福祉施設における衛生管理の自主点検の実施について社会福祉施設における衛生管理の自主点検の実施について (平成 9 年 8 月 8 日 社援施第 117 号) 社会福祉施設の運営指導については、平素から御尽力いただいているところであるが、昨年の腸管出血性大腸菌 O157 による食中毒の発生により、施設の衛生管理の徹底について、特に指導をお願いしているところである。 しかし、本年も昨年と同様に腸管出血性大腸菌 O157 等による食中毒が多発し、また、社会福祉施設においても発生している状況にある。 食中毒の発生は、昨年の例からも食中毒の多発する夏期を過ぎても急激な減少が見受けられないため、今後とも、引き続きその予防について徹底を図る必要がある。 ついては、管下社会福祉施設の食中毒予防とその意識高揚を一層図るため、衛生管理の自主点検を別紙「社会福祉施設における衛生管理の自主点検実施要領」に基づき、遺漏なく実施されるようお願いする。 (別紙) 社会福祉施設における衛生管理の自主点検実施要領 1 目的 社会福祉施設が改めて衛生管理の自主点検を行うことにより、食中毒予防とその意識高揚を一層図ることを目的とする。 2 対象施設 社会福祉施設 3 実施期間 平成 9 年 8 月中の早い時期(実施日数は 1 日) 4 実施方法 (1) 調理施設の衛生管理に関する責任者が、前記の実施期間内に別添の「自主点検票」に基づき実施する。 (2) 自主点検を実施した施設は、その結果について当該施設を所管する都道府県、指定都市及び中核市(以下「都道府県等」という。)民生主管部(局)担当課に報告する。 (3) 都道府県等の民生主管部(局)担当課は、各施設からの報告を基に改善指導を行う。 また、都道府県等の民生主管部(局)担当課は、必要に応じて、都道府県等の衛生部局に情報を提供するなど連携を図る。 (4) 都道府県等の民生主管部(局)担当課は、改善の状況について確認する。 (別添) 自主点検票 平成 年 月 日 施設名( ) 1 施設・設備 点検項目 結果 備考 1 調理施設は隔壁等により不潔な場所から完全に区別されていますか。

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2 便所、休憩室及び更衣室は隔壁により食品を取り扱う場所と区分されていますか。 3 ねずみやこん虫の駆除は半年以内に実施され、その記録が保存されていますか。 4 調理施設へのねずみやこん虫の侵入を防止するための設備に不備はありませんか。 5 ねずみやこん虫の発生はありませんか。 6 汚染作業区域と非汚染作業区域が明確に区別されていますか。 ただし、これにより難い場合は、下処理済みのものを購入するなどにより、食材を通して調理室内が汚染される危険性の高い作業の減少を図っていますか。 ※ 7 各作業区域の入り口手前に手洗い設備、履き物の消毒設備(履き物の交換が困難な場合に限る。)が設置されていますか。 ただし、これにより難い場合は、調理工程の見直しを図り、汚染作業と非汚染作業を明確に区分し、食材の相互汚染を防止していますか。 ※ 8 調理施設は十分な換気が行われ、高温多湿が避けられていますか。 9 シンクは用途別に相互汚染しないように設置されていますか。 ただし、これにより難い場合は、調理工程を汚染作業と非汚染作業とに分け、汚染作業から非汚染作業に移るときはシンクを洗浄消毒していますか。 加熱調理用食材、非加熱調理用食材、器具の洗浄等を行うシンクは別に設置されていますか。 ただし、これにより難い場合は、調理工程を汚染作業と非汚染作業とに分け、汚染作業から非汚染作業に移るときはシンクを洗浄消毒していますか。 10 シンク等の排水口は排水が飛散しない構造になっていますか。 11 調理施設の床面は排水が容易に行える構造になっていますか。 12 全ての移動性の器具、容器等を衛生的に保管するための設備が設けられていますか。 ただし、これにより難い場合は、調理器具・食器等の消毒を行い、乾燥させた上で清潔な場所に保管されていますか。 ※ 13 調理施設の清掃は、全ての食品が調理施設内から完全に搬出された 後、適切に実施されましたか。 14 手洗い設備の石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、殺菌液は適切で すか。 15 調理施設に部外者が入ったり、調理作業に不必要な物品が置かれて いたりしませんか。 16 便所には、専用の手洗い設備、専用の履き物が備えられていますか。 2 従事者等 点検項目 結果 備考

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1 健康診断、検便が適切に実施されていますか。 2 着用する外衣、帽子は毎日専用で清潔なものに交換されていますか。 3 作業場専用の履物を使用されていますか。 4 手洗いを適切な時期に適切な方法で行われていますか。 5 下処理から調理場への移動の際には外衣、履き物の交換(履き物の 交換が困難な場合には、履物の殺菌)が行われていますか。 6 便所には、調理作業時に着用する外衣、帽子、履き物のまま入らな いようにされていますか。 3 原材料の取扱い等 点検項目 結果 備考 1 原材料について納入業者が定期的に実施する検査結果の提出が最近 1か月以内にありましたか。 検査結果は1年間保管されていますか。 2 原材料の納入に際しては調理従事者等が立ち会われていますか。 検収場で原材料の品質、鮮度、品温、異物の混入等について点検を 行われましたか。 3 原材料の納入に際し、生鮮食品については、1回で使い切る量を調 理当日に仕入れられましたか。 4 原材料は分類ごとに区分して、原材料専用の保管場に保管設備を設 け、適切な温度で保管されていますか。 原材料の搬入時の時刻及び温度の記録がされていますか。 5 原材料の包装の汚染(泥等)を保管設備に持込まないようにされて いますか。 保管設備内での原材料の相互汚染が防がれていますか。 6 非汚染作業区域内に汚染を持ち込まないよう、下処理が確実に実施 されていますか。 7 冷蔵庫又は冷凍庫から出した原材料は速やかに調理に移行させてい ますか。 非加熱で供される食品は下処理後速やかに調理に移行させています か。 8 原材料を配送用包装のまま調理場に持ち込まれていませんか。 4 調理器具、容器等 点検項目 結果 備考 1 包丁、まな板等の調理器具は用途別及び食品別に用意し、混同しないように使用されていますか。 2 調理器具、容器等は作業動線を考慮し、予め適切な場所に適切な数が配置されていますか。 3 調理器具、容器等は使用後(必要に応じて使用中)に洗浄・殺菌し、乾燥されていますか。

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4 調理場内における器具、容器等の洗浄・殺菌は、全ての食品が調理場から搬出された後、行われていますか。(使用中等やむを得ない場合は、洗浄水等が飛散しないように行うこと。) 5 調理機械は、最低1日1回以上、分解して洗浄・消毒し、乾燥されていますか。 6 全ての調理器具、容器等は衛生的に保管されていますか。 5 使用水、井戸水、貯水槽等の点検表 点検項目 結果 備考 1 水道事業により供給される水以外の井戸水等の水を使用する場合には、半年以内に水質検査が行われていますか。 検査結果は1年間保管されていますか。 2 貯水槽は清潔を保持するため、1年以内に清掃されていますか。 清掃した証明書は1年間保管されていますか。 6 調理等 点検項目 結果 備考 1 野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、適切な洗浄(必要に応じて殺菌)を実施されていますか。 2 加熱調理食品は中心部が十分(75℃で1分間以上等)加熱されていますか。 3 食品及び移動性の調理器具並びに容器の取扱いは床面から60㎝以上の場所で行われていますか。(ただし、跳ね水等からの直接汚染が防止できる食缶等で食品を取り扱う場合には、30㎝以上の台にのせて行うこと。) 4 加熱調理後の食品の冷却、非加熱調理食品の下処理後における調理場等での一時保管等は清潔な場所で行われていますか。 5 加熱調理食品にトッピングする非加熱調理食品は、直接喫食する非加熱調理食品と同様の衛生管理が行われ、トッピングする時期は提供までの時間が極力短くなるようにされていますか。 6 加熱調理後、食品を冷却する場合には、速やかに中心温度を下げる工夫がされていますか。 7 調理後の食品は衛生的な容器にふたをして、他からの2次汚染が防止されていますか。 8 調理後の食品が適切に温度管理(冷却過程の温度管理を含む。)が行われ、必要な時刻及び温度が記録されていますか。 9 配送過程があるものは保冷又は保温設備のある運搬車を用いるなどにより、適切な温度管理が行われ、必要な時間及び温度等が記録されていますか。 10 調理後の食品は2時間以内に喫食されていますか。 7 廃棄物の取扱い

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点検項目 結果 備考 1 廃棄物容器は、汚臭、汚液がもれないように管理するとともに、作業終了後は速やかに清掃し、衛生上支障のないように保持されていますか。 2 返却された残渣は非汚染作業区域に持ち込まれていませんか。 3 廃棄物は、適宜集積場に搬出し、作業場に放置されていませんか。 4 廃棄物集積場は、廃棄物の搬出後清掃するなど、周囲の環境に悪影響を及ぼさないよう管理されていますか。 8 検食の保存 点検項目 結果 備考 1 検食は、原材料(購入した状態のもの)及び調理済み食品を食品ごとに50g程度ずつ清潔な容器に密封して入れ、-20℃以下で2週間以上保存されていますか。 (記入方法) 1 点検結果は、結果欄に「〇」又は「×」で記入する。ただし、※印の欄は上段の欄が「×」の場合記入する。 また、結果欄が「×」の場合で、その理由があれば備考欄に記入する。 2 納入業者が零細事業主等で検査結果の提出が不可能なために、「3-1」を「×」と記入する場合には、その旨備考欄に記入すること。 19191919 社会福祉施設における保存食の保存期間等について社会福祉施設における保存食の保存期間等について社会福祉施設における保存食の保存期間等について社会福祉施設における保存食の保存期間等について (平成 8年 7月 25 日 社援施第117 号) 標記については、平成 8 年 7 月 18 日社施第 115 号「社会福祉施設における保存食の保存期間について」をもって、暫定的に保存食を 1週間以上冷蔵保存すること等通知したところであるが、平成 8 年7 月 23 日の食品衛生調査会の緊急提言を踏まえ、食中毒事件の原因究明のための徹底事項について当省生活衛生局長より別添 1 のとおり通知されたところである。また、遊泳用プールの衛生管理の徹底について当省生活衛生局企画課長より別添 2 のとおり、さらに、腸管出血性大腸菌による食中毒に係る 2次感染予防の徹底について当省健康政策局計画課長、保健医療局エイズ結核感染症課長、生活衛生局食品保健課長より別添 3 のとおりそれぞれ通知されたところである。 ついては、貴職におかれても別添通知を了知の上、衛生部局と十分な連携を図り、次の事項について管下の社会福祉施設に対して周知徹底されたい。 なお、現在把握している社会福祉施設での食中毒の発生状況は参考のとおりであるが、乳幼児、小児や基礎疾患を有する高齢者が感染した場合、重症に至る場合もあるとのことであり、社会福祉施設における同様の事故の発生を防止することが重要であることから、正確な情報の把握と関係者に対する情報の提供をはかるようお願いする。 今後、管下の社会福祉施設において同様の食中毒が発生した場合には、状況を把握の上速やかに所管課まで連絡いただくようお願いする。 1 保存食の保存期間等について 社会福祉施設における保存食は、原材料及び調理済み食品を食品ごとに 50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋等)に密封して入れ、-20℃以下で 2週間以上保存すること。

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なお、原材料は、特に、洗浄、消毒を行わず、購入した状態で保存すること。 2 遊泳用プールの衛生管理について(略) 3 2次感染予防について 平成 8 年 7 月 23 日付健政計第 28 号、健医感発第 75 号、衛食第 197 号厚生省健康政策局計画課長、保健医療局エイズ結核感染症課長、生活衛生局食品保健課長連名通知「腸管出血性大腸菌による食中毒にかかる 2次感染予防の徹底について」の内容を周知徹底すること。 (別添)略 20202020 社会福祉施設等における食品の安全確保について社会福祉施設等における食品の安全確保について社会福祉施設等における食品の安全確保について社会福祉施設等における食品の安全確保について (平成 20 年 3 月 7 日 雇児総発第 0307001 号・社援基発第 0307001 号・ 障企発第 0307001 号・老計発第 0307001 号) 社会福祉施設・介護老人保健施設等(以下、「社会福祉施設等」という。)における衛生管理の徹底については、従来より「社会福祉施設における衛生管理について」(平成 15 年 12 月 12 日社援基発第1212001 号課長連名通知)により、努めていただいているところであるが、先般の中国産冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害の発生を踏まえ、社会福祉施設等における中国天洋食品製造の食品の使用状況及び当該食品に起因したと疑われる健康被害の発生の有無について調査を行ったところ、別添の調査結果のとおり、健康被害の発生はなかったものの、中国天洋食品製造の食品の使用が認められたところである。 ついては、次の点に留意のうえ、社会福祉施設等における一層暮色品の安全性の確保及び衛生管理について、管内社会福祉施設等に対し周知徹底を図っていただきたい。 ① 食品の選定及び購入に当たっては、細心の注意を払い、安全なものを選択するよう、万全を期すこと。 ② 検食を食事提供前に行い、異味、異臭その他の異常が感じられる場合には、直ちに食事の提供を中止するなどの措置を講ずること。 ③ 保健所等の関係機関と日頃から連携を図り、平時及び非常時における関係者間の情報共有体制を構築すること。 ④ 特に児童福祉施設については、食育の観点からも、子どもの食に関する嗜好や体験が広がりかつ深まるよう、食品の選定及び購入に当たり、季節感や地域性等を考慮し、鮮度の良い衛生的なものを選択するよう配慮すること。 また、都道府県等は、管内社会福祉施設等で健康被害が発生した場合又は健康被害が生じるおそれがあると認められる事案が発生した場合に、迅速な対応が図れるよう衛生部局、民生部局、市町村との連携体制を構築するとともに、速やかに関係機関への連絡と併せて、厚生労働省所管部局に報告されたい。 (別添)略 21212121 腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会福祉施設に福祉施設に福祉施設に福祉施設に

おける対応についておける対応についておける対応についておける対応について (平成 8 年 8 月 7 日 社援施第 122 号)

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病原性大腸菌 O-157 による食中毒防止については、その徹底をはかるようお願いしているところであるが、伝染病予防法第 1 条第 2 項に基づき、平成 8 年 8 月 6 日付け厚生省告示第 199 号により腸管出血性大腸菌感染症が同法により予防方法を施行すべき伝染病として指定されるとともに、関係省令が同日より施行されることとなったところであり、この件に関して当省保健医療局長より別添 1 のとおり、また同局エイズ結核感染症課長及び生活衛生局食品保健課長より別添 2 のとおりそれぞれ通知されたところである。 社会福祉施設における主な留意点は、下記のとおりであるので、その取扱いに遺憾のないようご配慮願うとともに、貴管下の社会福祉施設に対する周知方よろしくお取り計らい願いたい。 記 1 就業制限について (1) 患者及び病原体保有者は、社会福祉施設において調理業務等、直接食品に接触する業務に従事することができなくなること。 ただし、就業制限の適用範囲がいたずらに拡大することのないよう留意すること。 従って、同じ職場内であっても、直接食品に接触する業務以外の業務に従事することは差し支えないこと。 (2) 就業制限は、菌陰性となった時点で、当然に適用対象から除外されるものであること。なお、具体的な判断基準については、別添 2 の課長通知の第 3 の 3 の 3 に掲げるとおりであること。 2 都道府県知事が行う予防措置としての健康診断等について 都道府県知事は、伝染病予防場必要と認める場合には、社会福祉施設に立入検査を行うこと及び健康診断(検便)を行うことができるとされているので、社会福祉施設において健康診断が実施される場合には必要な協力を行うこと。 3 患者及び保菌者への対応について 患者や保菌者であって社会福祉施設において調理業務等、直接食品に接触する業務に従事することができなくなった者に対して解雇等の不利益が生じないよう注意すること。 また、社会福祉施設の入所者や利用者である患者や保菌者についても差別的な取扱いが行われることのないよう十分配慮すること。 (別添 1)略 (別添 2) 腸管出血性大腸菌感染症防疫対策について(抄) (平成 8 年 8 月 6 日健医発第 82 号・衛食発第 209 号) 第 3 実施に当たっての留意点 3 就業制限について 1 就業制限のしくみ 伝染病予防法第 8 条の 2 の定める就業制限は、都道府県知事等の命令を必要とすることなく、患者又は病原体保有者となったという事実が発生した時点で、法律上当然に発生する制限であること。 2 就業制限の遵守についての指導 就業制限の遵守の状況については、大規模な二次感染の発生を予防する観点から、当面、社会福祉施設、医療施設、学校及び 1 日通例 250食以上食事・弁当等を提供する施設で確実に実施されるよう留意すること。 3 就業制限の期間

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就業制限は、菌陰性となった時点で、当然に適用対象から除外される物であること。具体的には、患者については、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の合併症が残っていても、24 時間以上の間隔を置いた連続 2 回(抗菌剤を投与した場合は、服薬中と服薬中止後 48 時間経過した時点の連続 2回)の検便によって、いずれも病原体が検出されなければ、菌陰性が確認されたものとして、就業制限の対象からは除外されること。病原体保有者については、1 回の菌検査で菌陰性が確認されれば、同様に就業制限の対象からは除外されること。 22222222 腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う保育所等における腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う保育所等における腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う保育所等における腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う保育所等における

対応について対応について対応について対応について (平成 8 年 8 月 8 日 児企発第 26 号) 腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会福祉施設における留意点については、「腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会福祉施設における対応について」平成8 年 8 月 7 日社援施第 122 号により通知したところですが、保育所等児童福祉施設における具体的な対応方について別紙のとおり取りまとめましたので、管下市町村及び児童福祉施設に対して周知方よろしくお取り計らい願います。 別紙 1 伝染病予防法が適用される場合の対応について (1) 保育所等児童福祉施設の入所児又は調理員等が腸管出血性大腸菌感染症に罹患した場合に、施設を休園する必要はありません。 万が一保育所等において、腸管出血性大腸菌感染症に集団感染した場合は、休園するかどうかは施設長が市町村等と相談の上、適切な対応を取って下さい。 (2) 調理員その他の施設職員で腸管出血性大腸菌感染症に罹患した者(保菌者であることが明らかになった者を含む。)は、直接食品に触れる業務に就くことはできません。 なお、同じ職場で直接食品に接触する業務以外の業務に従事することは差し支えありません。 ただし、この場合でも児童へ接触する機会もあることから、用便後の逆性石けん等による手洗いの励行といった衛生管理には十分気をつけて下さい。 (3) 腸管出血性大腸菌感染症に罹患した場合でも、患者が隔離されたり、移動を制限されることはありません。 (4) 都道府県知事が必要と認める場合、保育所等への立入検査及び職員への検便を行うことができるとされておりますのでご協力下さい。 なお、腸管出血性大腸菌感染症が集団発生した地域では、当面、2 次感染防止のため、患者の家族、学校、保育所等の施設、病院及び 1 日に 250食以上の食事、弁当を提供する施設の調理員に対し優先的に検便を行うことになります。 この場合には、自己負担はありません。 検便は、保健所から連絡のあった時に施設ごとにまとめて実施することになっています。 また、最近医療機関で検便を行い、陰性であることがわかっている場合には、検便の必要はありません。 2 個々の保育所入所児への具体的対応について

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(1) 激しい腹痛を伴う頻回の水様便または血便などの症状がある場合(下記①、②) 病原体の検出の有無にかかわらず、できるだけ早く医療機関で受診させて、主治医の指示に従って下さい。 (2) 激しい腹痛を伴う頻回の水様便または血便などの症状がない場合(下記③、④) 検便の結果、病原体が検出された場合、施設長は保護者から児童の身体の状況をよく聞き、むやみに登園を制限することのないように対応して下さい。(下記③) 病原体が検出されない場合、食事の前や用便の後における手洗いの励行など日常的な予防対策を徹底して下さい。(下記④) (3) いずれにしても、嘱託医又はかかりつけ医の指示に従い、日常的な予防対策を徹底して下さい。(下記①、②、③、④) (参考) 病原体が検出された場合 ・病原体が検出されなかった場合 ・検査結果が出ていない場合 ・検査をしていない場合 症状あり ①できるだけ早く医療機関で受診させて、主治医の指示に従う ②できるだけ早く医療機関で受診させて、主治医の指示に従う 症状なし ③施設長は保護者から児童の身体の状況をよく聞き、むやみに登園を制限することのないように対応 ④食事の前や用便の後における手洗いの励行など日常的な予防対策を徹底する 3 その他 腸管出血性大腸菌感染症は、従来の法定伝染病・指定伝染病と違って患者の隔離の必要はありません。 また、2 次感染は、調理や食事の前後及び用便後における手洗いの励行等日常的な予防対策で防止できるものであり、職員や保護者の方々のより一層の徹底をお願いします。 腸管出血性大腸菌感染症に対する正しい知識をお持ちいただき、いたずらに不安を抱かないように、また、患者及び病原体保有者であることを理由にいじめや不当な扱いを受けることがないよう、関係者のご理解とご協力を得られるよう努めて下さい。 23232323 社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について (平成 17 年 2 月 22 日 健発第 0222002 号・薬食発第 0222001 号・ 雇児発第 0222001 号・社援発第 0222002 号・老発第 0222001 号) 広島県福山市の特別養護老人ホームで発生したノロウイルスの集団感染を受けて、「高齢者施設における感染性胃腸炎の発生・まん延防止策の徹底について」(平成 17 年 1 月 10 日老発第 0110001 号)等の中で、速やかな市町村保健福祉部局への連絡等の徹底をお願いしたところであるが、高齢者、乳幼児、障害者等が集団で生活又は利用する社会福祉施設及び介護老人保健施設等(その範囲は別紙のとおり。以下「社会福祉施設等」という。)においては、感染症等の発生時における迅速で適切な対応が特に求められる。 今般、下記により、社会福祉施設等において衛生管理の強化を図るとともに、市町村等の社会福祉施設等主管部局への報告を求め、併せて保健所へ報告することを求めることとしたので、管内市町村及び管内社会福祉施設等に対して、下記の留意事項の周知徹底を図っていただくようお願いする。 なお、本件に関しては、追って各社会福祉施設等に係る運営基準等を改正する予定であることを申

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し添える。また、下記の取扱いに当たっては、公衆衛生関係法規を遵守しつつ、民生主管部局と衛生主管部局が連携して対応することが重要であることから、関係部局に周知方よろしくお願いする。 記 1 社会福祉施設等においては、職員が利用者の健康管理上、感染症や食中毒を疑ったときは、速やかに施設長に報告する体制を整えるとともに、施設長は必要な指示を行うこと。 2 社会福祉施設等の医師及び看護職員は、感染症若しくは食中毒の発生又はそれが疑われる状況が生じたときは、施設内において速やかな対応を行わなければならないこと。 また、社会福祉施設等の医師、看護職員その他の職員は、有症者の状態に応じ、協力病院を始めとする地域の医療機関等との連携を図るなど適切な措置を講ずること。 3 社会福祉施設等においては、感染症若しくは食中毒の発生又はそれが疑われる状況が生じたときの有症者の状況やそれぞれに講じた措置等を記録すること。 4 社会福祉施設等の施設長は、次のア、イ又はウの場合は、市町村等の社会福祉施設等主管部局に迅速に、感染症又は食中毒が疑われる者等の人数、症状、対応状況等を報告するとともに、併せて保健所に報告し、指示を求めるなどの措置を講ずること。 ア 同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患者が 1週間内に 2名以上発生した場合 イ 同一の感染症若しくは食中毒の患者又はそれらが疑われる者が 10 名以上又は全利用者の半数以上発生した場合 ウ ア及びイに該当しない場合であっても、通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合 5 4 の報告を行った社会福祉施設等においては、その原因の究明に資するため、当該患者の診察医等と連携の上、血液、便、吐物等の検体を確保するよう努めること。 6 4 の報告を受けた保健所においては、必要に応じて感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成 10 年法律第 114 号。以下「感染症法」という。)第 15 条に基づく積極的疫学調査又は食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)第 58 条に基づく調査若しくは感染症若しくは食中毒のまん延を防止するために必要な衛生上の指導を行うとともに、都道府県等を通じて、その結果を厚生労働省に報告すること。 7 4 の報告を受けた市町村等の社会福祉施設等主管部局と保健所は、当該社会福祉施設等に関する情報交換を行うこと。 8 社会福祉施設等においては、日頃から、感染症又は食中毒の発生又はまん延を防止する観点から、職員の健康管理を徹底し、職員や来訪者の健康状態によっては利用者との接触を制限する等の措置を講ずるとともに、職員及び利用者に対して手洗いやうがいを励行するなど衛生教育の徹底を図ること。また、年 1 回以上、職員を対象として衛生管理に関する研修を行うこと。 9 なお、医師が、感染症法、結核予防法(昭和 26 年法律第 96 号)又は食品衛生法の届出基準に該当する患者又はその疑いのある者を診断した場合には、これらの法律に基づき保健所等への届出を行う必要があるので、留意すること。 24242424 乳児ボツリヌス症の予防対策について乳児ボツリヌス症の予防対策について乳児ボツリヌス症の予防対策について乳児ボツリヌス症の予防対策について (昭和 62 年 10 月 20 日 健医感第 71 号・衛食第 170 号・衛乳第 53 号・児母衛第 29 号) ボツリヌス菌を原因とする乳児の特殊な疾患である乳児ボツリヌス症の発生を防止するため、その対策の在り方について乳児ボツリヌス症予防対策検討会(座長 木村三生夫東海大学医学部教授)を設

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け検討を進めてきたところであるが、今般、別添のとおり報告書の提出があつた。 厚生省としては、この報告書をもとに予防対策を講ずることとしており、貴職におかれても左記に留意され、その発生の未然防止に特段の御配慮をお願いする。 記 1 保健関係者及び医療関係者に対し、本症に関する知識の普及に努めること。 2 乳児の保育に当たる保護者、乳児を対象とする児童福祉施設等に対し、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう指導すること。 この場合、本症が乳児特有の疾病であり、1 歳以上の者に蜂蜜を与えても本症の発生は無いことを十分認識させることとし、いたずらに混乱を招くことのないよう保健関係者及び医療関係者を通じ、適切な指導を行うこと。 3 医療機関から乳児ボツリヌス症が疑われる患者の血清、便等のボツリヌス菌及び毒素の検査依頼があつた場合は、できる限り協力を行うこと。 (別添) 乳児ボツリヌス症予防対策について (昭和 62 年 10 月 19 日 乳児ボツリヌス症予防対策検討会報告) 乳児ボツリヌス症は、1976 年米国において初めて発生が確認され、以後各国で約 650例の発生報告がなされ、我が国においても昨年千葉県、本年京都市においてその発生が報告されたところであり、今後もその発生の恐れがあるところから、その予防対策の在り方について検討を行つてきた。 本症は、我が国における発生例も少なく、その感染源、発生機序等が必ずしもあきらかでない面もあるが、その感染源については、諸外国の文献及び千葉県における発生例からみて蜂蜜が最も疑われ、1986 年度厚生省が行つた蜂蜜中のボツリヌス菌(芽胞)汚染実態調査の結果においても 512 検体中 27検体(5.3%)からボツリヌス菌(芽胞)が検出されていること、また、本症は現在までの報告では、生後三週齢から八か月齢までの乳児に発生がみられること等の現時点における知見を十分踏まえ、当面、次に示す方向で予防対策を進めるべきものと考える。 記 1 乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えることにより、発生する場合が多いものと考えられることから、この時期の乳児には蜂蜜を与えないようにすることが必要であること。 このための具体的な進め方としては、保健関係者に対し、本症の予防に関する知識を広く周知し、母親等に対する保健指導を行うのが最も妥当である。 2 本症の診断治療法を小児科医師に広く周知する一方、診断用血清の供給体制並びにボツリヌス菌及び毒素の検査体制の整備を図ること。 3 本症の感染源について更に調査研究をするとともに、蜂蜜のボツリヌス菌(芽胞)汚染の原因、汚染された蜂蜜のボツリヌス菌(芽胞)の除去方法等についても調査研究を進めること。 参考 乳児ボツリヌス症とは、 乳児ボツリヌス症は、1976 年、米国で発見されたボツリヌス菌による新しいタイプの疾病であり、現在までの報告では、生後 3週から 8 か月齢までの乳児に発生がみられている。本症は食品中に毒素が存在して起こる従来のボツリヌス食中毒とは異なり、芽胞として存在しているボツリヌス菌を摂取し、当該芽胞が下部腸管で発芽・増殖し、産生された毒素により発症するものである。 症状は、米国の研究者の報告では、頑固な便秘をおこし、便秘状態が 3 日以上続いた後に、母乳、

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人工乳に関係なく吸乳力が低下し、泣き声も弱くなり、顔面無表情や筋肉(特に頚と手足)の弛緩を呈し、次第に全身の筋力低下(嚥下困難、口腔内唾液貯留、瞳孔散大、対光反射減弱、眼瞼下垂、咽頭反射減弱等)が著明となる。重症では、呼吸困難、呼吸停止がおこる。通常、嘔吐、下痢はみられない。 感染源としては、蜂蜜、ハウスダスト等が考えられているが、北米、南米、ヨーロッパ、オーストラリアで、現在までに報告された約 650症例のうち、約 3分の 1 は蜂蜜を介してボツリヌス菌を摂取したことが判明している。米国では市販蜂蜜の 10~15%からボツリヌス菌が検出されている。我が国においても、厚生省の昭和 61 年度厚生科学研究事業の報告では、巣箱から直接採取したもの、市販品、国産品、輸入原料及び輸入製品、計 512検体のうち 27検体(5.3%)からボツリヌス菌が検出されている。 我が国においても、昭和 61 年に 83 日齢の男児が、昭和 62 年には 40 日齢の女児が乳児ボツリヌス症と診断され、その症例が報告されている。 25252525 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについ乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについ乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについ乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについ

てててて (平成 19 年 6 月 5 日 食安監発第 0605001 号) 育児用調製粉乳の衛生的な取扱いについては、平成 17 年 6 月 10 日付け食安基発第 0610001 号及び食安監発第 0610001 号にて通知したところですが、今般、医療機関及び家庭における乳児用調製粉乳の衛生的な取扱いについて、世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)により「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」が作成、公表されました。(別添) ついては、貴管下の関係者に対し、必要に応じ上記内容について周知されますようよろしくお願いします。 なお、本件については、別途、母子保健担当部局に連絡していることを申し添えます。 (別添)

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26262626 育児用調製粉乳の衛生的取扱いについて育児用調製粉乳の衛生的取扱いについて育児用調製粉乳の衛生的取扱いについて育児用調製粉乳の衛生的取扱いについて (平成 17 年 6 月 10 日 食安基発第 0610001 号・食安監発第 0610001 号) 近年、海外において育児用調製粉乳への Enterobacter sakazakii(以下、「本菌」という。)等の病原微生物の混入による健康被害が発生していることから、世界保健機関(WHO)等の国際機関において乳幼児用食品の衛生問題について議論されており、WHO では育児用調製粉乳中の本菌に関する Q&A を作成、公表するとともに(別添 1)、先の第 58 回総会において「乳幼児の栄養」について議論し、調製粉乳等の衛生的取扱いに関して加盟各国が取組むべき事項等について採択したところです。(別添 2) また、内閣府食品安全委員会から、食品健康影響評価の結果、調製粉乳中のセレウス菌に関しては調乳後の適切な取扱いが重要である旨の通知があったところです。(別添 3) 今般、これらを踏まえた育児用調製粉乳の衛生的取扱いに関する業界の対応について、社団法人日本乳業協会から報告がありました。(別添 4) つきましては、これまで我が国において本菌等に汚染した育児用調製粉乳による健康被害が発生したという報告はありませんが、貴管下の関係者に対し、必要に応じ上記内容について周知されますようよろしくお願いします。 (別添 1) 育児用調製粉乳中の Enterobacter sakazakiiに関する Q&A(仮訳) この Q&Aは、2004 年 2 月の FAO/WHO専門家会合でとりまとめられたものを仮訳したものです。 (原文:http://www.who.int/foodsafety/publications/micro/en/qa2.pdf)

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Q1.「Enterobacter sakazakii」とは、どういう細菌ですか? また、どのような疾患を引き起こしますか? A1.Enterobacter sakazakii(以下「本菌」という。)は、ヒトや動物、環境中に確認される多数の菌種を含む腸内細菌科 Enterobacter属の細菌です。 この細菌は、特に乳幼児の髄膜炎や腸炎の発生に関係しているとされています。感染した乳幼児の 20~50%が死亡したという事例の報告もあります。 また、死亡に至らなかった場合も、神経障害等重篤な合併症が継続するとされています。成人が感染した場合は、その症状はかなり軽度であるとされています。 Q2.本菌はどこに存在していますか?ヒトの腸管の中に存在しますか? A2.本菌の自然界での生息場所はよくわかっていません。健康なヒトの腸管からも時折検出されますが、常在しているものではなく、多くの場合、外部からの侵入によるものです。また、自然環境中や動物の腸管内でも確認されています。 Q3.本菌はどのようにして調製粉乳に混入するのですか。また、他の食品が汚染されることがありますか? A3.本菌が調製粉乳に混入する経路として以下の 3 つが考えられています。 ① 調製粉乳の製造に用いられる未処理の原材料からの混入 ② 殺菌後の製品や乾燥原料の汚染 ③ 授乳前の調乳時に生じる汚染 また、本菌は調製粉乳以外の食品からも検出されていますが、調製粉乳だけが病気の発生に関与していました。 Q4.どのような人々に病気が発生する危険性がありますか? A4.本菌はすべての年齢層の人で病気を引き起こします。 報告された感染事例の年齢分布から、乳幼児(1 才未満)が特にリスクが高いと考えられています。また、乳幼児の中でも、本菌による感染症に対して、最もリスクが高いのは、生後 28 日未満の新生児、特に未熟児、低出生体重児、免疫障害を持つ乳幼児です。また、HIV 陽性の母親を持つ乳幼児は、調製粉乳を特に必要とすること、感染に対し感受性が高いことからリスクが高いとされています。母親が HIV 陽性であることや低出生体重児の問題は、そのような乳幼児人口が先進諸国より多い途上国においては、特に関心が高いかもしれません。(Q10参照)(*) (*)これらの乳幼児について、国連の指針では、母乳に代わる哺育が、許容でき、実行が可能で、安価であり、継続可能で、安全なものであれば、母乳哺育を完全に中止するよう勧告しており、調製粉乳はその選択肢の一つとなっています。また、これらの乳幼児の中には、HIV 陽性であって、そのために免疫不全を有する恐れがある乳幼児も含まれています。 Q5.どのようすれば、リスクは軽減できますか? A5.2004 年 2 月の FAO/WHO専門家会合で、以下のことが勧告されました。 乳幼児、特に高リスクの乳幼児(Q4参照)の介護者に対し、調製粉乳は無菌ではないということについて、常に注意喚起を行うべきであること。

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何らかの理由で母親が母乳哺育をすることができない、あるいは、母乳哺育を選択しない場合には、可能な限り、殺菌済みで液状の市販の乳幼児用ミルクを使用するか、調製粉乳を調乳する際に、熱湯で溶かす、あるいは調製後に加熱する等の汚染のリスクを除去する手順で行うことが必要であること。(*) 予備的なリスク評価では、調乳済みの調製粉乳は、保管時間(調製から摂取までの時間)と授乳時間を短縮することにより、乳幼児へのリスクが軽減することが示されています。管理方法を組み合せることで、リスクを大きく軽減することがであること。 現在の技術では無菌の調製粉乳を製造することは大変困難ですが、専門家会合の勧告の中で、関係業者に対し調製粉乳の安全性を高めるために実施すべき事項が示されています。 (*)この場合、栄養成分の変化、熱湯を使用することによる火傷の危険性など、栄養及びその他の要因について注意しなければなりません。調製粉乳は、調乳後は冷却し、適切に取り扱う必要があります。 参考 1 2004 年 2 月の専門家会合の報告によると、本菌は 70℃以上の温度で速やかに不活化するとされています。 また、社団法人日本乳業協会は、上記の報告を踏まえ、医療機関に対し育児用調製粉乳について 80℃前後の熱湯による調乳、又は調乳後一旦 80℃前後に一旦加熱後冷却する方法を推奨しています。 参考 2:2004 年 2 月の FAO/WHO専門家会合の報告書概要 勧告部分(仮訳) ・乳幼児が母乳哺育ではない場合、特に高リスクの乳幼児の保育者に対し、調製粉乳は無菌ではないので、重篤な病気を引き起こす病原菌に汚染されている可能性があることについて常に注意喚起する必要があり、またリスクを軽減する方法について情報を提供しなければならない。 ・乳幼児が母乳保哺育ではない場合、高リスクの乳幼児の保育者に対し、可能な限り、殺菌済みで液状の市販の乳幼児ミルクか、効果的な汚染除去手順によって調製した調製乳(例えば、熱湯で溶解する、あるいは溶解した粉乳を加熱する。)を使用するよう奨励すべきである。 ・リスクを最小にするための調製粉乳の調製、使用、取扱いについて指針を策定すべきである。 ・乳幼児食品関係業界に対し、ハイリスクグループのための母乳代用食品について、多様な殺菌済み市販食品の開発を行うよう奨励すべきである。 ・乳幼児食品関係業界に対し、製造環境及び調製粉乳中の双方において本菌の濃度や陽性率を軽減するよう奨励すべきである。このために、乳幼児食品の関係業界は、効果的な環境モニタリングプログラムの実施や、生産ラインでの衛生管理の指標として大腸菌群ではなく腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の菌を用いた検査の実施を検討する必要がある。 (以下、略) (報告書の概要:原文 http://www.who.int/foodsafety/publications/micro/summary.pdf) Q6.調製粉乳中の本菌に関して国際規格はありますか?これらの規格は、どのようなレベルで安全性を確保するものですか? A6.FAO/WHO 合同食品規格委員会(食品の国際規格を設定する機関、以下「コーデックス委員会」という)が食品の国際基準を設定しています。調製粉乳について、現在のコーデックスの微生物規格では、本菌を含む大腸菌群と呼ばれている微生物の含有量を規定しています。この規定は、多くの食中毒

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の発生の防止に効果的であるものと考えられていますが、現在の規格に適合した調製粉乳を原因とする事故が発生していることから、現在の規格が十分な安全を保証しているとはいえません。 この新たな問題に関する情報を踏まえ、2004 年 2 月の FAO/WHO専門家会合は、調製粉乳の微生物学的リスクにより的確に対応できるように、本菌の微生物規格の設定を含む国際規格に改訂に着手するようコーデックス委員会に勧告しました。 Q7.調製粉乳の製造者によって、調製粉乳中に混入する本菌のレベルに違いはありますか? A7.現在、製造者によって調製粉乳中に混入する本菌のレベルが異なるということを示すデータはありません。 Q8.全ての地域と国で本菌によるリスクは同様ですか? A8.数カ国の先進国でのみ、汚染された調製粉乳による本菌による感染症の事例が報告されています。すべての国で、実際よりも少ない報告数となっている可能性があります。報告が少ないのは、おそらく疾患の発生がないというよりは、むしろ本菌の問題が認識されていないことによるものと考えられます。一般に、現在の各国の監視システムに限界があることも、報告数が少ないことの理由であるかもしれません。調製粉乳は広く使われているので、調製粉乳中の本菌の存在やその乳幼児への潜在的な影響は、多くの国で公衆衛生上の重要な問題となり兼ねません。 Q9.調製粉乳で問題となる微生物は本菌だけですか?他にありますか? A9.現行のコーデックス規格では、調製粉乳にサルモネラのような病原微生物が存在することは認められていません。調製粉乳中のサルモネラに関する現行のコーデックスの微生物規格では、60サンプル各々25gについてサルモネラが陰性でなければなりません。 しかしながら、調製粉乳中のサルモネラに関連した疾患の発生が報告されています。 (参考:現在のコーデックス規格では、調製粉乳中のセレウスに関する微生物規格は設定されていません。) Q10.調製粉乳ではなく母乳を与えることでこれらのリスクは避けられるでしょうか? A10.最近の知見によれば、母乳哺育された乳幼児について本菌による感染症の報告はありません。50-80%の事例で、調製粉乳は本菌による感染症発生の媒介物にもなりうるし、また感染源にもなる(直接あるいは間接的)という情報もあります。 母乳哺育は、全ての場合で乳幼児に有益です。WHO の勧告では、乳幼児は生後 6 ヵ月間は完全な母乳哺育を実施すべきであり、また、補完食を与えながら、2 歳頃までは母乳哺育を継続すべきであるとされています。 母乳哺育が行われなかったり、部分的にしか母乳を与えられなかった乳幼児は、下痢症に罹患したり、下痢症によって死亡するリスクが高いことは既に明らかになっています。 母親が母乳哺育を行うことできない、又は選択しない場合にあっては、上記 Q4 を参照してください。 Q11.この問題を改善するためにどのような対応がなされていますか? A11.FAO と WHO は、最初にこの問題を認識してから、それぞれの加盟国と連携してこの問題に関連するデータや専門的な知見の収集に取組んできました。この作業は 2003 年に開始され、現在、次の段階へ進むための十分な知見を収集しています。

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FAO/WHO専門家会合が 2004 年 2 月にジュネーブで開催され、調製粉乳の製造方法、危険因子、疾患の発生率等の知見について調査し、FAO/WHO、コーデックス委員会及び加盟各国に対し、このリスクを管理し、発生を防止するための適切な方策(Q5参照)について勧告しました。この会合の報告概要は利用・閲覧可能です。 (報告書の概要 http://www.who.int/foodsafety/publications/micro/summary.pdf) Q12.この問題はどの程度重大なのですか? A12.ほとんどの国で本菌に関するサーベイランスや報告のシステムが整っていないため、問題が実際にどの程度重大なのか明確ではありません。 問題の重大性は、通常、発生頻度や重篤性の観点から示されます。乳幼児の疾患の発生頻度は非常に低いようですが、疾患自体は非常に重篤です。 1961 年から 2003 年までに英国の文献で報告された乳幼児の疾患を調査したところ、本菌によって誘発された症例が 48例あることがわかりました。 米国の 2002 年 Food Net調査の結果では、1才未満の乳幼児において、本菌による感染症は 10万人に 1人の発生頻度であったとされています。 本菌による感染症の死亡率は、20%~50%であると報告されています。また、感染により、特に重篤な髄膜炎や脳炎が併発した場合には、長期にわたる神経障害が発現する可能性があります。 (別添 2~4)略