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Page 1: JPMA...IVRS / IWRSは治験依頼者ごとに手順が定められていますので、モニターに確認が必 要です。8 GCP第17条ガイダンス5により、治験依頼者は運搬業者等を介して実施医療機関に治

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【治験薬管理者の業務】

治験薬管理者は治験依頼者から治験薬を受領し、治験薬の管理に関する手順書に従って治験薬を管理・保管する業務を行い、その記録を作成して、保存しなければなりません。※実施医療機関の長が治験薬管理者(原則薬剤師、薬剤師以外では医師、歯科医師)を指名します。なお、治験薬の管理責任は実施医療機関の長にあります。

<GCP第39条ガイダンス4>

治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書(GCP第16条第6項参照)に従い、実施医療機関に交付された治験薬

の受領、実施医療機関での在庫、被験者ごとの使用状況及び未使用治験薬の治験依頼者への返却又はそれに代わる処分に関して、記録を作成し、保存すること。これらの記録には、日付、数量、製造番号又は製造記号、使用期限(必要な場合)並びに治験薬及び被験者識別コードを含むこと。

また、治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与され、治験依頼者から受領したすべての治験薬の数量が正しく管理されたことを示す記録を作成し、保存すること。

【治験薬の実施医療機関への直接交付(治験薬の直送)】

治験依頼者は、運搬業者等を用いて実施医療機関に治験薬を直接交付することが可能です。海外だけでなく、最近はIVRSの普及により、日本でも治験薬を実施医療機関に直送する治験依頼者が増えてきています。

<GCP第17条ガイダンス5>治験依頼者は、運搬業者等を用いて実施医療機関に治験薬を交付する場合には、治験薬の品質管理、運搬及び交付を確実に行うために、当該運搬業者等と契約を締結するなど必要な措置を講じておくこと。

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【治験薬はなぜ厳重な管理が必要か?】

被験薬は、厚生労働省の製造販売承認を得る前の、治療効果や安全性の情報を収集している段階の薬剤であり、投与量、使用状況など厳密な管理を行う必要があります。

また、被験薬には、非臨床試験を終えて、ヒトを対象とした早期臨床試験の段階の薬物であることもあります。このような場合、ヒトにおける薬物の安全性が確立されていない場合もあります。

そのため、市販されている医薬品とは区別し、鍵のかかる保管庫にて、治験依頼者が作成する治験薬管理手順書に従い保管しなければなりません。

【目的外使用の事例】

治験薬を治験実施計画書の規定以外に使用すること、例えばDLSTに使用することも目的外の使用となりますので厳禁です。

DLST:Drug-induced Lymphocyte Stimulation test(薬剤誘発性リンパ球刺激試験)

<参考資料::治験119 質問番号2012-12 治験薬を利用した検査の実施>

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治験薬はそれぞれの薬剤特性などから、管理場所、保管する温度、処方するVisit、処方量が治験ごとに異なり、返却方法、返却時期も異なります。

調剤の方法(注射剤の調整方法や非盲検薬剤師による対応方法、動的割付における対応など)は試験によって異なります。

被験者から回収するもの・治験依頼者へ返却するものには、残薬のみではなく空シート(空容器)も回収・返却が必要な場合があります。

回収する理由として、残薬は、治験終了後に使用されたり、他に配布・流通されることを防ぐために回収し、空シート(空容器)の回収・返却は、実際に空になっていることを確認するために回収します。

併用禁止薬は治験実施計画書で規定されています。院内採用薬品から抽出した併用禁止薬リストが必要な場合は、実施医療機関(薬剤部)で作成します。

これらは、治験開始前に治験依頼者と十分に協議し、適切な対応が必要です。

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【治験薬の受領】

治験薬管理者は、治験依頼者から治験薬と納品書を受領し、数量を確認します。また、受領したことの証として治験依頼者へ受領書を提出します。

治験薬の交付が契約締結後であることを確認しましょう。

治験薬受領後、治験依頼者が作成した治験薬の管理に関する手順書に従い、治験薬を管理します。

【IVRS / IWRSでの在庫数と、実在庫数の確認が必要な理由】

IVRS / IWRSというシステムを使用し、被験者登録の進捗管理や治験薬の割付などを管理している治験もあります。(詳細はIVRS / IWRS の項を参照)

IVRS / IWRSはタイムリーに入力し、システム上の在庫と実際の在庫が一致していることを確認しましょう。

IVRS / IWRSは治験依頼者ごとに手順が定められていますので、モニターに確認が必要です。

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GCP第17条ガイダンス5により、治験依頼者は運搬業者等を介して実施医療機関に治

験薬を交付することが認められています。運搬業者等を通じて治験薬を実施医療機関へ直接交付する場合、運搬業者等は治験依頼者と協議して決定した治験薬管理手順に従い、適切な管理のもと実施医療機関へ納品します。

【日程調整】

運搬業者等により治験薬の納品が行われるため、配送希望日は運搬業者等と調整します。実施医療機関に都合のよいスケジュールで納品日を決めることができます。(納品時にモニターの立会いは不要です。)

【注意点】

配送日時の調整や、例えば冷蔵保存の治験薬などでは輸送時の温度管理のため輸送ボックス内部の温度を規定の温度まで下げて準備することが必要な場合もあります。日程調整は余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。輸送中や受領後に保管庫へ保管するまでの温度管理について規定しているプロトコールもあります。あらかじめ依頼者と協議しておきましょう。

【海外の搬入状況】

海外では、治験薬は実施医療機関に直送することが一般的です。日本でもIVRSの普

及により、治験薬の直送を受け入れている医療機関が増えています。今後は、日本でも治験薬を直送できることを治験依頼先選定時の条件とする治験依頼者が増えつつあります。

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治験依頼者から交付される「治験薬の管理に関する手順書」(GCP第16条第6項又は第26条の2第6項の手順書)に従い温度管理を行います。

治験薬の保管状況を示す事項のひとつに温度管理があります。

治験薬を温度管理していたことを保証するために、温度を記録し、第三者に説明できなければなりません。

温度管理は温度の記録だけでなく、万が一、保存条件を逸脱した場合には適切な対応ができるようにしておかなければなりません。

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治験薬にはそれぞれ保管すべき温度が定められており、治験依頼者から交付される「治験薬の管理に関する手順書」(GCP第16条第6項又は第26条の2第6項の手順書)に記載されています。

治験依頼者は、治験薬の安定性試験で得られた結果から、品質が保証できる温度を設定しており、保管すべき温度を規定しています。

【温度逸脱したら、なぜ治験依頼者と治験責任医師にすぐ連絡しなければならないか?】

もし、規定されている温度から逸脱した場合、その治験薬は品質に問題が生じているかもしれません。そのため、温度逸脱が発生又は発覚してから速やかに治験依頼者(担当モニター)に連絡しなければなりません。

規定温度からどの程度逸脱したか(逸脱の程度)、逸脱した期間(時間、日数)、逸脱した理由・原因を担当モニター又は治験依頼者に連絡し、今後の対応について治験依頼者の指示を確認します。なお、治験依頼者による温度逸脱した治験薬の使用可否の判断には時間を要することがあります。なぜなら、治験薬の安定性なども考慮する必要があるためです。

温度逸脱した治験薬が使用できなくなり、治験継続中の被験者がいる場合は、早急に治験薬の再搬入が必要になる場合があります。

温度逸脱が生じたことは治験責任医師に連絡し、院内で情報を共有し、被験者へは使用可能な治験薬が交付されるようにしましょう。

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被験者への治験薬の交付にあたっては、治験担当医師からの処方指示に従い、かつ当該被験者に割当てられた群の薬剤であるかどうか確実にチェックしなければなりません。

また、試験によっては、割当てられた薬剤番号の薬剤を使用しなければならない場合もありますので、手順をよく確認しましょう。

なお、IWRS/IVRSを使用した被験者の割付や、薬剤の割付が行われる治験もあります。(詳細はIWRS/IVRSの項を参照)

割り当てられた群や薬剤番号を確認して、調剤を行い、被験者へ交付および服薬指導をします。

【注意事項】

・当該被験者への初回交付時は被験者からの同意取得後である旨を確認しましょう。

・錠剤がボトルで処方される場合もありますが、治験薬の安定性に影響する等の理由から、小分けにできない場合もありますので、小分けする際には注意が必要です。

・治験薬の使用期限が切れていないか確認しましょう。

治験薬の誤処方、誤調剤、過量投与等は、被験者の安全性に影響を及ぼす可能性が高く、重大な逸脱となります。ICH-GCPにおいても重大な逸脱として対応が求められる事項です。細心の注意を払ってチェックしましょう。

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盲検試験の実施において、体重換算が必要な薬剤などでは、調整時に盲検性の維持が難しい場合があります。

治験薬の外観上の事情や、このような調整時の手技等の事情により、割付情報を知る非盲検薬剤師を設定する場合があります。

【注意事項】

・盲検下のスタッフから実務についてのサポートを得られないため、非盲検薬剤師自身が手順を理解しておくことが必要です。そのため、治験開始前にCRCやモニター(アンブラインドモニター)と手順についてあらかじめ協議しておくことが大切です。

・割付情報の取り扱いには十分注意が必要です。情報の取り扱いに不備があった場合には、盲検性を維持できず試験全体にも影響を及ぼす可能性があります。

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GCP第39条ガイダンス4に定められているとおり、治験薬管理者は被験者ごとの使用状況を記録し、保存しなければなりません。

治験薬管理表は、治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与されたことを示す原資料です。ALCOAに基づいて「いつ、誰が、どのような対応をしたか」などを記載する必要があります。

【管理の手順】

①出庫時

治験責任医師又は治験分担医師の処方指示に従って治験薬を出庫する際、治験薬管理表に日付、出庫数などを記載します。

②返却時

出庫後、被験者から回収した治験薬については、服薬状況、回収数量等を治験薬管理表に記載します。

回収治験薬は未出庫の治験薬とは区分して、治験薬管理表に記載します。

また、治験によっては使用済みPTPシートを回収する場合もあります。

③その他(紛失、廃棄時)

治験薬(未出庫、出庫後返却)を誤って紛失、廃棄・処分した場合、その数量・理由などを治験薬管理表に記載します。

<参考資料::治験の管理に関する手順書 日本医師会治験促進センターVer.4.0>

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GCP第39条ガイダンス4に定められているとおり、治験薬管理者は、治験ごとに治験薬の出入りを記録し、在庫を管理する必要があります。

治験薬の出納記録は、治験薬の管理状況を示す原資料です。ALCOAに基づいて「い

つ、誰が、どの治験薬を、どんな状態で(使用済、未使用)、どれだけ動かしたか、在庫数」などを記録する必要があります。

治験薬の入出庫は、治験依頼者からの交付時、処方による出庫時、被験者からの返却時、治験依頼者への返却時に発生します。その都度、入出庫の記録が必要です。

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【治験依頼者への治験薬の返却】

治験薬管理者は、治験依頼者から回収書を受領し、治験依頼者へ返却する治験薬の数量を確認して返却します。

また、返却したことの証として治験依頼者へ返却書を提出します。

回収治験薬の運搬は、交付時のように運搬業者が行う場合もあります。

<注意事項>

一般的に、盲検下の治験では開封済み治験薬から盲検性が崩れることがないように封印します。

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治験薬管理者は治験薬管理補助者を指名して治験薬管理業務に従事させることができます。

あらかじめ手順書等により業務内容を定めておきます。

<注意事項>

SMO等のCRCが、治験薬管理補助業務を行う場合には、「薬剤師による調剤に係る業務」は行えません。

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GCP第39条ガイダンス4及び「治験に係る文書又は記録について」により、医療機関の

長又は治験薬管理者は、治験薬の管理に関する手順書に従って、以下の記録を作成し保存することが規定されています。

•治験薬の管理に関する手順書

•医療機関に交付された治験薬の受領

•医療機関での在庫

•被験者ごとの使用状況

•未使用治験薬の治験依頼者への返却又はそれに代わる処分

•治験実施計画書に規定された量が投与されたこと

•すべての治験薬の終了が正しく管理されたこと

※日付、数量、製造番号又は製造記号、使用期限、治験薬及び被験者識別コードを含む

これらは、治験薬の出納を記載した書類(納品書、回収書)、治験薬管理表、温度管理記録など、治験薬に関する書類が該当します。

これらの書類を作成し、保管することによって、治験薬の管理状況を保証します。

治験依頼者は、これらの書類が適切に保管されているか閲覧により確認します。

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【参考情報:治験薬のラベリングについて】

治験薬の容器又は被包には以下の内容を邦文で記載することがGCP第16条ガイダンスで定められています。

1)治験用である旨

2)治験依頼者の氏名及び住所(当該者が本邦内に住所を有しない場合にあっては、その氏名及び住所地の国名並びに治験国内管理人の氏名及び住所)

3)化学名又は識別記号

4)製造番号又は製造記号

5)貯蔵方法、有効期間等を定める必要があるものについては、その内容

治験薬の払出しの際はラベルの内容を確認し、処方された内容と一致していることを確認のうえ、払出しましょう。

【治験薬のラベルは英文でもよいのか?】

GCPでは邦文での記載を定めていますが、国際共同治験や欧米等で承認のある未承認薬を用いたブリッジング試験等の場合は、「治験実施計画書にその旨を記載し、IRBの承認を得たものについては、英文で記載することで差し支えない。」と英文記載も認めています。

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