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海を拓く 海上保安庁海洋情報部

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�����������������������■海図と海洋情報全般についてのお問い合わせは 海の相談室��������� TEL 03-5500-7155�����������������������■詳しいお問い合わせは 水路通報・航行警報について� TEL 03-5500-7165 海図の複製使用について� 5500-7139 職員の募集について� 5500-7122

■各管区海洋情報部・海の相談室第一管区海上保安本部

(小 樽)海洋情報部海の相談室

0134-27-0118 ㈹ 内線 2511

第二管区海上保安本部 (塩 釜)

海洋情報部 海の相談室

022-363-0111 ㈹ 内線 2511

第三管区海上保安本部 (横 浜)

海洋情報部 海の相談室

045-211-1118 ㈹ 内線 2511

第四管区海上保安本部 (名古屋)

海洋情報部 海の相談室

052-661-1611 ㈹ 内線 2511

第五管区海上保安本部 (神 戸)

海洋情報部 海の相談室

078-391-6551 ㈹ 078-391-1299 直通

第六管区海上保安本部(広 島)

海洋情報部 海の相談室

082-251-5111 ㈹ 内線 2520

第七管区海上保安本部 (北九州)

海洋情報部 海の相談室

093-321-2931 ㈹ 093-331-0033 直通

第八管区海上保安本部 (舞 鶴)

海洋情報部 海の相談室

0773-76-4100 ㈹ 0773-75-7373 直通

第九管区海上保安本部 (新 潟)

海洋情報部 海の相談室

025-285-0118 ㈹ 025-288-2620 直通

第十管区海上保安本部 (鹿児島)

海洋情報部 海の相談室

099-250-9800 ㈹ 内線 2511

第十一管区海上保安本部 (那 覇)

海洋情報監理課 海の相談室

098-867-0118 ㈹ 内線 2511

企 画 課� TEL 03-5500-7120

 測量船管理室� 5500-7121

技術・国際課 5500-7122

 海洋研究室� 5500-7123

 国際業務室� 5500-7124

海洋調査課� 5500-7125

 海洋防災調査室� 5500-7126

 大陸棚調査室� 5500-7127

環境調査課� 5500-7128

 海洋汚染調査室� 5500-7129

海洋情報課� 5500-7130

 日本海洋データセンター� 5500-7131

 海洋空間情報室� 5500-7132

航海情報課� 5500-7133

 水路通報室� 5500-7134

 海図審査室� 5500-7135

海上保安庁海洋情報部Hydrographic and Oceanographic Department ,Japan Coast Guard〒 135-0064 東京都江東区青海2丁目5番 18 号 国土交通省青海総合庁舎

2015.2

海を拓く海上保安庁海洋情報部

新交通ゆりかもめ「テレコムセンター」駅下車、徒歩5分

■海上保安庁海洋情報部ホームページインターネットアドレス:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/

■海上保安庁海洋情報部ホームページ掲載情報

 TOP 告示、新着情報、記者発表、 申請 ・ 届出、管区海洋情報部等 海の情報 海洋台帳、海流、潮汐、潮流等 航海安全情報 航行警報、水路通報等 観測報告等 観測報告、研究報告等 海洋情報部の取り組み��調査、情報の管理 ・ 提供等 海洋情報部について���沿革、施設、採用情報等

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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公海公海

太平洋

南鳥島

沖ノ鳥島沖ノ鳥島延長大陸棚※

与那国島

尖閣諸島

竹島

日本海

東シナ海

択捉島

小笠原諸島

領海(基線~12海里)面積:約43万㎢

排他的経済水域(EEZ)(12~200海里)面積:約405万㎢

領土面積:約38万㎢

海岸線の長さ:約3万5千km(地球一周の88%)

1海里:1,852m

160°0'0"E

160°0'0"E

150°0'0"E

150°0'0"E

140°0'0"E

140°0'0"E

130°0'0"E

130°0'0"E

120°0'0"E

120°0'0"E

50°0'0"N 50°0'0"N

40°0'0"N 40°0'0"N

30°0'0"N 30°0'0"N

20°0'0"N 20°0'0"N

南硫黄島沖大東島

 海上保安庁海洋情報部は、日本の経済を支える海上交通に不可欠な海図などの航海用刊行物を、140年にわたって提供してきました。  近年では海に関する多様なニーズに応え、海を利用するために必要な情報を提供しています。 また、平成16年(2004年)からは、特に、我が国の海洋権益を確保するため、国連海洋法条約に基づく我が国の大陸棚の範囲の画定に向けた政府一丸となった取り組みにおいて、その中心的役割を担い、海底地形、地殻構造の調査を推進してきました。 こうした中、平成19年(2007年)7月に、海洋施策を総合的かつ計画的に推進していくことを目的とした海洋基本法が施行されました。 我が国を取り巻く領海と排他的経済水域の面積は447万平方キロメートルと広大であり、我が国周辺の海の恩恵を最大限に享受するためには、海を識るための調査を行い、科学的なデータを整備し、それを基に的確な海洋政策を推進していく必要があります。 今後も最新の海洋調査技術を駆使した計画的で効率的な海洋調査を推進し、海洋に関する知識の充実に貢献するとともに、取得された海洋情報を適切に管理し、情報提供を充実させ、新たな海洋立国の実現に貢献してまいります。 海洋の調査と情報の提供を通じて、海洋立国日本の未来を拓く海洋情報部にご期待ください。

海の情報は未来を拓く!※ 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第2条第2号が規定する海域 なお、本図は外国との境界が未画定の海域における地理的中間線を含め便宜上図示したものである。

組織

海洋情報部所掌事務の総合調整及び重要事項の企画立案

測量船の運航、管理

技術的重要事項の企画立案

海洋情報業務に関する調査及び研究

重要事項のうち地震に関する企画

重要事項のうち火山現象に関する企画

海洋情報業務に関する国際的な連携・協力

水路の測量

地震・火山現象及び津波による船舶に対する被害の防止に資する水路測量

大陸棚の調査

海洋環境に関する調査、海象の観測

漂流予測に関すること

海洋の汚染の防止及び海洋環境の保全のための科学的調査

海洋情報の収集・管理・提供及び国際交換

インターネットによる海洋情報の提供

水路図誌の刊行

船舶交通安全通報

海図の作成、最新維持、管理

海洋情報部の総合調整、船舶交通安全通報

[第十一管区は海洋情報監理課(Hydrographic and Oceanographic Administration Division at 11th)]水路測量、海洋環境調査、海象観測

[第十一管区は海洋情報調査課(Hydrographic and Oceanographic Division at 11th)]

Organization(海上保安庁)

( Japan Coast Guard)

(Hydrographic and Oceanographic Department)

(海洋情報部関係)Administration and Planning Division

Survey Ship Operation Office

Technology Planning and International Affairs Division

Ocean Research Laboratory

Director for Earthquake Research

Director for Volcano Research

Hydrographic Surveys DivisionHydrographic andOceanographic Department

(Main Office)

Hydrographic andOceanographicDepartment

Geodesy and Geophysics Office

Continental Shelf Surveys Office

Environmental and Oceanographic Research Division

Director for Trajectory Prediction

Marine Pollution Research Laboratory(日本海洋データセンター)

Oceanographic Data and Information Division(Japan Oceanographic Data Center)

Marine Spatial Information Service Office

Chart and Navigational Information Division

Notices to Mariners Office

Chart Quality Assurance Office

Administration Division

[第十一管区を除く(except 11th)]

Hydrographic and Oceanographic Division

本庁海洋情報部

次  長Vice Commandant

長  官Commandant

海上保安監ViceCommandant forOperations

総 務 部 Administration Department装備技術部 Equipment and Technology Department警備救難部 Guard and Rescue Department海洋情報部 Hydrographic and Oceanographic Department交 通 部 Maritime Traffic Department

首席監察官 Administrative Inspector General

海上保安大学校(呉) Coast Guard Academy (at Kure)海上保安学校(舞鶴) Coast Guard School (at Maizuru)

門司分校(北九州) Moji Branch (at Kita-Kyusyu)宮城分校(岩沼) Miyagi Branch (at Iwanuma)

管区海上保安本部(第一~第十一管区) Regional Coast GuardHeadquarters(1st to 11th)

企 画 課

技術・国際課

海洋調査課International Affairs Office

海 洋 研 究 室

地 震 調 査 官

火 山 調 査 官

国 際 業 務 室

海 洋 防 災 調 査 室

大 陸 棚 調 査 室

環境調査課

漂 流 予 測 管 理 官

海 洋 汚 染 調 査 室

海洋情報課

航海情報課

水 路 通 報 室

海 図 審 査 室

Regional CoastGuard Headquarters

管区海上保安本部 海洋情報部

監 理 課

海洋調査課

航法に必要な測地

[第五管区:下里(at Shimosato)]Hydrographic Observatory水路観測所

Director for Coordination of Hydrography and Oceanography

Senior Liaison Officer for Hydrography and Oceanography

海洋情報業務に関する重要事項についての関係行政機関等との連絡調整

海洋情報業務に関する国際機関等との連絡調整

大 陸 棚 情 報 管 理 官Director for Continental Shelf Information Management

大陸棚に関する情報の収集・整理・保管及び提供

海 洋 空 間 情 報 室

海 洋 情 報 調 整 官

測 量 船 管 理 室

海 洋 情 報 渉 外 官

[第十一管区(at 11th)]Director for Planning and Coordination of Hydrography and Oceano graphy海洋情報企画調整官

本庁海洋情報部を中心に北から南まで全国十一の管区海洋情報部が活躍

 29

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海洋調査海洋権益保全のための海洋調査

海洋調査 海洋権益保全のための海洋調査� �2 航海安全のための海洋調査� 4 防災・環境保全のための海洋調査� �9

海洋情報 海洋情報の管理・提供� 14 航海安全を支える情報� 16 災害に備える情報� 22

国際活動等 国際活動(連携と協力)� 25 職員募集(海洋情報部への道)�� 26 本庁及び管区本部等配置図� 27 測量船� 28 組織 � 29

01 AUVによる海底地形調査�� �302 大陸棚調査�� �303 東日本大震災における対応  ・港湾機能の早期回復のための水路測量�� �5  ・東北地方沿岸の海底地形を測る航空レーザー測量�� �5�  ・海図に記載する水深の基準となる最低水面(基本水準面)の決定� �7�  ・海底の大幅な移動を観測�� �10�  ・海洋情報クリアリングハウスによる震災関連情報の提供�� �14�  ・被災地の早期復興に向けて被災港湾の海図を早急に最新化�� �20�  ・航海安全確保のための航行警報・水路通報の発出�� �20�  ・漂流予測の実施�� �24�

明治  4年(1871)  明治新政府海洋調査事業を開始 兵部省海軍部に水路局(国の海洋調査機関)設置

      5年(1872)  海図第一号「釜石港」刊行大正10年(1921)   国際水路局(現国際水路機関)発足、日本加盟  12年(1923)   関東大震災に伴う相模湾測量  14年(1925)  音響測深開始昭和13年(1938)  海流観測開始  20年(1945)   運輸省外局として、水路部設置  24年(1949)  海上保安庁水路部となる  27年(1952)  明神礁調査で「第五海洋」遭難  28年(1953)  電磁式自記海流計(GEK)の実用化  40年(1965)   国際黒潮共同調査(CSK)開始

海洋資料センター(現日本海洋データセンター)設置  44年(1969)   潜水調査船「しんかい」による調査開始  58年(1983)  大陸棚調査開始  59年(1984)   測量船「拓洋」世界最深部(チャレンジャー

海淵)を調査し、確定平成  7年(1995)  海底活断層調査開始  10年(1998)  海域火山調査開始  12年(2000)  海底地殻変動観測開始  14年(2002)   海上保安庁水路部が海上保安庁海洋情報部

に改編  15年(2003)  環境保全調査(海の再生)開始

航空レーザー測深開始 

コラム

沿 革 目 次

column

海洋情報部140年のあゆみ contents

 1

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20年(2008) 領海・EEZ調査開始  23年(2011) 青海庁舎へ移転28年(2016 ) 中央合同庁舎4号館へ移転(一部施設を残し)

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海洋調査海洋権益保全のための海洋調査

 領海及び排他的経済水域といった管轄海域における海底地形等の基礎的な情報の収集・整備は、海洋国家である我が国が、海洋を総合的に管理し海洋権益の保全を図っていく上で必要不可欠です。 しかしながら、我が国では大陸棚の限界画定に必要となる調査を優先してきたため、相対国と管轄海域の境界を接する東シナ海や日本海など、十分な調査が行われておらず、データが不足している海域があります。 こうした中、平成19年(2007年)7月に海洋基本法が制定されるとともに、平成20年(2008年)3月には同法に基づく海洋基本計画(平成25年4月新たに策定)が策定されました。海上保安庁では、これらに基づき重点的・計画的に海洋権益保全に不可欠な海底地形調査・地殻構造調査・領海基線の調査を実施しています。

■海底地形調査 船底にあるマルチビーム測深機により、高指向性音波ビームを発振し、海底で反射した音波を受信し、解析することにより、広範囲の海底地形を一気に把握することができます。

■地殻構造調査 エアガンにより人工的に発生させた地震波を用いて海底下を探査する調査です。地層の厚さや断層の分布など、海底下の地殻の構造について知ることができます。

海底地形調査時の船内の様子

領海及び排他的経済水域

海洋権益保全のための海洋調査

エアガン:高圧圧縮空気を炸裂させ、強力な音波(地震波)を発生させる装置ストリーマーケーブル:ケーブル内にあるマイクで音波を受信する装置

マルチビーム音響測深

2 

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海洋調査海洋権益保全のための海洋調査

■領海基線の調査 領海や排他的経済水域といった管轄海域の範囲を画定するための基線となる海岸線、低潮線については、水深が浅い海域で安全に効率良く測量することができる航空レーザー測深機を用いて調査を実施しています。

 国連海洋法条約では、沿岸国は200海里までの海底等を主権的権利の及ぶ範囲である大陸棚とするとともに、地形・地質が一定条件を満たす場合は200海里を超えて

大陸棚を設定することができるとされています。海上保安庁は昭和58年から大陸棚調査を行い、平成20年6月までに調査を終了しました。これらの調査結果に基づき我が国は、日本の国土面積の約2倍にあたる74万㎢(7海域)を平成20年11月に国連の大陸棚限界委員会に申請し平成24年4月に一部海域(25万㎢)を除き大陸棚延長を認める勧告を受領しました(認められた海域31万㎢、認められなかった海域18万㎢)。これを受け平成26年10月、2海域(17万7千㎢)について日本の大陸棚とする政令が施行されました。また、他の2海域については隣接国との調整を行っており、審査が先送りされた1海域(25万㎢)についても早期に審査が進められるように働きかけを行っています。海上保安庁は関係省庁と連携し、我が国の大陸棚延長への対応に貢献しています。

航空レーザー測深時の機内の様子航空レーザー測深機による調査

※�AUV(Autonomous�Underwater�Vehicle)は、プログラムされた経路を海底近くまで潜航して、自動航走し、精密な海底地形データが取得できます。

延長大陸棚※関係国との調整が必要な海域審査が先送りされた海域(約25万Km2)

延長が認められた海域(約31万Km2)}

※�排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第2条第2号が規定する海域

 測量船による調査に加え、平成25年度からは深海の精密な海底地形を調査可能なAUV(自律型潜水調査機器)の運用を開始し、海洋権益を保全するための海洋調査能力の向上を図ります。

COLUMN

COLUMN

01

02

海 洋 調 査

AUVによる海底地形調査

大陸棚調査

 3

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海洋調査航海安全のための海洋調査

 海上を安全に航行するうえで必要な海図等を最新の状態に保つため、港湾や航路の水深を音響測深機などを用いて測定し、海底の地形を明らかにしています。 最近では、マルチビーム測深機や航空レーザー測深機により、高密度の水深データを効率よく集め、海底地形を立体的に把握できるようになりました。 このほか、日本列島の正確な位置を決める際の本土基準点である下里水路観測所において、測地衛星を使用したレーザー測距観測も実施しています。また、航海の安全に必要な潮流・潮汐や海流等を把握するための調査を実施しています。

■海底の地形・地質の調査 海底の地形、地質について最新の音響測深機などを使用して調査をします。

  マルチビーム測深による調査成果の例

  航空レーザー測量による調査成果の例

航海安全のための海洋調査

マルチビーム測深で得られた山口県萩市沖の海底地形

航空レーザー測量で得られた山口県見島の海底地形

航空レーザー測量で得られた対馬南風ノ波瀬付近の海底地形4 

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海洋調査航海安全のための海洋調査

 海底の状況は、砂、泥や岩など、場所により性質が異なっており、また、沈没した船や落下物などが存在することもあります。光が通りにくい海中でこれらの状況を確認するには、音響画像により海中の状況をカメラで写したように見ることができるサイドスキャンソナーが用いられます。サイドスキャンソナーは、海難事故により沈没した船舶の捜索などにも活用されます。 サイドスキャンソナーは曳航物から海底に向け音波を扇状に照射し、反射して戻ってきた音波を受信します。音波は岩などの硬いものでは強く反射し、平らな砂地などでは弱く反射します。この音波の強弱を濃淡表示することによって海底面を写真のような画像として捉えます。

  サイドスキャンソナー

航空レーザー測量のイメージ

大船渡港にて測量中の「昭洋」測量艇 大船渡港の崩れた防波堤の状況

仙台湾南部沿岸の測量データ

観測概念図 サイドスキャンソナーで得られた沈没船周辺の海底状況

◦港湾機能の早期回復のための水路測量 港湾局等と連携して、地震・津波の被害を受けた港湾機能の早期回復に貢献しました。国際拠点港湾、重要港湾を中心に11港の水路測量を実施し、一部供用開始を3月26日までに実現しました。

◦東北地方沿岸の海底地形を測る航空レーザー測量 仙台湾等の被災地域の航空レーザー測量を実施し、東北地方太平洋沖地震による津波後の広範囲な海底地形の状況が詳細に捉えられました。

COLUMN

03-1

海 洋 調 査

東日本大震災における対応(1)

 5

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海洋調査航海安全のための海洋調査

■人工衛星レーザー測距観測

■潮流観測

 人工衛星レーザー測距観測は、地上の装置から発射したレーザー光が人工衛星で反射され、再び地上の装置にレーザー光が返ってくるまでの時間を計測します。この往復時間の半分に、光速(約30万km/秒)を乗じると、地上の装置から人工衛星までの距離が求まります。このような原理を基に、衛星を追尾したデータを解析して、地球を周回する人工衛星と装置の地球上の位置関係を求めることが出来ます。 離島や岩礁、海岸の位置を測り海図に記載するとともに領海、排他的経済水域等の管轄海域を画定するためには、我が国の正確な位置を常に観測し、把握しておく必要があり、人工衛星レーザー測距観測は、そのために重要な役割を担っています。 また、国際共同観測に参画しており、下里水路観測所は極東域の重要な観測局の一つとして、国際的な位置座標系の構築にも貢献しています。

 船舶交通量の多い海峡、港湾付近等において流速計(超音波を発出し反射波から流れの向き、強さを計測する機器)を使用して潮流観測(潮の干満にともなう流れの向きと強さの観測)を実施し、その成果を潮流図や海図、インターネットなどにより提供しています。 潮流情報は船舶の交通安全だけでなくマリンレジャーや海洋環境保全などにも用いられています。

航海安全のための海洋調査

潮流観測(流速計の設置の仕方)�

下里水路観測所(和歌山県)における人工衛星レーザー測距観測

6 

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海洋調査航海安全のための海洋調査

■潮汐観測

■海流観測

 全国20カ所に験潮所を設置し、潮汐の観測(験潮所内に浮かべた浮き(フロート)の上下動による潮の満ち引きの観測)を実施しています。データは本庁(東京)で集中監視を行い、インターネットで提供しています。潮汐観測の成果は、潮汐の推算、水深測量時の水深の補正、海流変動の調査などの基礎資料になるとともに、地殻変動の監視にも利用されています。また津波の把握にも不可欠なデータとなります。

 日本周辺海域で海流観測(流れの向きや強さの観測)を行い、得られた海流・水温のデータを航海安全のための基礎情報として広く提供するとともに、当庁の捜索・救助及び防災活動に必要となる漂流予測を行うための情報として利用しています。

海 洋 調 査

◦�海図に記載する水深の基準となる最低水面(基本水準面)の決定

 最低水面とは、潮が最も引いた時の海面のことで、海図に記載されている水深の基準面となっています。また、港湾施設の計画、設計、施工などの基本となる港湾工事基準面としても使用されています。 この最低水面を決めるための基本水準標が、地震による地盤の沈降等で測量に使用できなくなったため、あらためて最低水面を決定し直しました。

COLUMN

03-2

海上保安庁の験潮所(全国20か所)�

主な観測手法 流況図(海の流れの強さや向きの様子を矢印の長さや向きで示した図)

東日本大震災における対応(2)

 7

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海洋調査航海安全のための海洋調査

航海安全のための海洋調査

■短波レーダー

■海氷観測

 海洋短波レーダーは離れた場所に配置した2局で構成され、それぞれの局には送信アンテナと受信アンテナが設置されています。 海面に向けて発射した電波は、移動している海面から反射するとき周波数が変化します。2組の反射波の周波数を解析することにより海の流れを測定します。 相模湾には伊豆大島風早埼灯台と三浦半島荒埼付近に、伊豆諸島周辺においては千葉県野島埼灯台と八丈島神湊港付近に海洋短波レーダー局を配置し、それぞれの海域の海流を観測しています。

 第一管区海上保安本部海氷情報センター(P21参照)は、北海道周辺海域における海氷による海難防止等のため、一般船舶等へ海氷情報を提供しています。この海氷情報の作成には、海氷の分布と動向の把握を効率的に行うため、海上保安庁航空機による上空からの目視観測や砕氷型巡視船及び搭載ヘリコプターをオホーツク海に派遣し、各種観測を実施しています。

航空機による海氷観測 巡視船による海氷観測

相模湾短波レーダー局

大島局荒埼局

海流

波高

海洋短波レーダーの観測データを使用した流況図

8 

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海洋調査防災・環境保全のための海洋調査

■海底地殻変動観測 日本列島周辺では、複数のプレートが複雑に接しています。海側のプレートが海溝において隣接するプレートの下に沈み込み、地殻にひずみが発生し、ひずみが限界を超えることにより巨大地震が発生すると考えられています。 GPSと海中での音響測距技術を組み合わせた海底地殻変動観測システムの開発を平成12年度から行い、プレート境界である日本海溝や南海トラフ沿いの陸側プレート上に海底局を設置して、陸側のプレートの動きを探る海底地殻変動観測を行い、巨大地震の発生メカニズムの解明に貢献しています。

防災・環境保全のための海洋調査 国民の安心安全を守るため、地震・火山噴火等の自然災害や、乗揚げ等による油、有害液体物質の流出といった事故災害などの海上における災害によって発生する被害を最小限に抑えるため、海底地殻変動観測、海域火山調査等の防災のための調査や、漂流予測を実施しています。 また、かけがえのない海洋環境を保全するために海洋汚染調査や放射能調査等の環境保全のための調査を実施しています。

海底地殻変動観測の概念図 海底局投入の様子

海底基準点配置図(平成26年12月現在)  9

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海洋調査防災・環境保全のための海洋調査

防災・環境保全のための海洋調査

◦海底の大幅な移動を観測 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震前には、宮城県沖・福島県沖の海底は、西~西北西に動いていましたが、地震発生後、逆の東南東の海底の動きを観測しました。特に、震央のほぼ真上に位置する宮城県沖の海底基準点では、地震前と比べて東南東に24m移動したことがわかりました。 プレート境界地震の発生メカニズムは下図のとおりと考えられており、海底地殻変動観測により、地震前後の海底の動きを捉えたことになります。

COLUMN

03-3

プレート境界地震の発生メカニズム

東日本大震災における対応(3)

10 

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海洋調査防災・環境保全のための海洋調査

■海域火山調査

■海底活断層調査

 南方諸島及び南西諸島の海域にある火山島や海底火山の活動を、航空機により定期的に監視しています。また、海域内の火山に関する基礎情報の整備のため、大型測量船や無人で調査が行える測量船「じんべい」及び特殊搭載艇「マンボウⅡ」により海底地形調査、海底地質構造調査、地磁気調査等を行い、その結果をまとめて海域火山基礎情報図を作成しています。

 海上保安庁では、平成7年(1995年)1月に発生した兵庫県南部地震を契機として、東京湾、大阪湾、伊勢湾の三大湾を皮切りに、我が国沿岸域の活断層調査(地形、地質構造等)を実施しています。成果は、将来、活断層で発生する地震の規模などを評価するための貴重な資料として、地震調査研究推進本部が実施する地震発生可能性の長期評価等に活用されています。

海 洋 調 査

西之島の噴火 平成27年(2015年)1月(東京の南方約960km)

福徳岡ノ場の噴火 平成22年(2010年)2月(東京の南方約1200km)

無人測量船「じんべい」 海底火山活動が活発になった時には、高精度な調査機器を搭載した測量船「じんべい」及び「マンボウⅡ」により、変色水、精密な海底地形、水温などの観測を無人で行うことが出来ます。

  海域火山基礎情報図(福徳岡ノ場)

※�福岡県の北方沖では、断層運動による高まりや溝が発見されました。この断層は福岡県北部に分布する西山断層帯の延長部であると考えられます。福岡県北方沖玄界灘における海底地形

海底地形鳥瞰図(海底噴火位置の特定、危険海域の掌握)

海底火山の鳥瞰図 海底地質構造図(火山活動史の解明)

全磁力異常図(マグマ溜まりの位置推定)

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海洋調査防災・環境保全のための海洋調査

 海洋環境モニタリングの一環として、日本近海及び日本海・オホーツク海等において、海水及び海底堆積物を採取し、核実験や核廃棄物の海洋投棄などの影響により生じる人工放射性物質の調査を行っています。 また、原子力艦が寄港する横須賀港(神奈川県)、佐世保港(長崎県)、金武中城港(沖縄県)において、海水及び海底土を採取し、四半期毎に放射能調査を行っています。

 測量船や巡視船により採取した海水・海底堆積物の試料について化学分析を行い、その結果をインターネットで公開しています。

防災・環境保全のための海洋調査

■海洋汚染調査

■放射能調査

 海洋汚染の防止及び海洋環境の保全に必要な基礎データの収集を目的として東京湾、伊勢湾、大阪湾などの内湾域から外洋域にかけて、海水及び海底堆積物を採取し、油分、PCB、重金属、有機スズ化合物などの調査を行っています。

採水作業 コバルト60分析作業

採泥作業 重金属分析作業

油分の経年変化(大阪湾)

人工放射性核種セシウム-137の日本近海における経年変化12 

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海洋調査防災・環境保全のための海洋調査

海 洋 調 査

■環境保全調査(海の再生) 東京湾のような背後に大都市を控えた閉鎖性の高い海域では、生活排水などが大量に流れ込むことに加え、外海との海水の交換が起こりにくいため、富栄養化による慢性的な赤潮の発生や、有機汚濁による貧酸素水塊が生じ、水産動植物へ大きな影響を与えるなどの問題が発生しています。 「全国海の再生プロジェクト」は、これらの問題の改善のため、海上保安庁及び国土交通省を中心とする関係省庁及び自治体が連携して、汚濁負荷削減対策、海域の環境改善対策、環境モニタリング等の諸施策を推進し、総合的に海洋環境の保全にとりくむもので、平成14年に始まった「東京湾再生プロジェクト」を皮切りに現在全国4か所「東京湾、大阪湾、伊勢湾、広島湾」で行われています。海洋情報部では、モニタリングポスト(千葉灯標における定点での水質の把握)や測量船、人工衛星などにより、水質などの海洋環境のモニタリングを行っています。 東京湾及び大阪湾は既に10年間の第1期を終え、さらなる海洋環境の改善のため第2期を開始しました。

海洋情報部の取り組み:「環境モニタリング」

■モニタリングポスト及び測量船による水質・流向流速・風向風速の観測 http://www4.kaiho.mlit.go.jp/kaihoweb/index.jsp■人工衛星による赤潮等の常時観測 http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/SAISEI2/saisei_html/top.htm■ホームページでリアルタイムに公表

(2002年)

(2003年)

(2006年)

(2007年)

(2011年)(2006年)

(2007年)

(2014年)

(2012年)

(2013年)

(2014年)

(2003年)

(2004年)

(2014年)

(2014年) 大阪湾再生行動計画(第1期)最終評価報告書とりまとめ

観測概要 人工衛星画像 モニタリングポストデータ画面  13

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海洋情報海洋情報の管理・提供

 様々な海洋調査機関から得られた海洋情報を、一元的に管理・提供することにより、利用者のニーズに応じた適切な情報提供を行っています。

■海洋情報クリアリングハウス(マリンページ)

■海洋台帳

 海洋情報クリアリングハウスは、政府機関、大学、地方公共団体等が保有する海洋情報について、どこにどのような情報があり、どうすれば入手できるのかをインターネットから一元的に検索できるシステムです。取り扱う情報は、水温や海流、海上気象などの自然科学系情報に限らず、海洋法や防災情報など社会情報なども対象としており、オンライン、オフラインなど各媒体の情報を対象にしています。また、国内の海洋調査機関が、いつ、どこでどんな調査が行われる予定かという情報を海洋調査計画として提供しています。  インターネットアドレス:http://www.mich.go.jp➡

 海洋台帳は、海洋開発や海洋環境保全、沿岸防災、海洋教育といった様々な場面で利用して頂くことを目的に、内閣官房の総合調整のもと、海上保安庁のみならず各省が保有する様々な海洋情報・データを、インターネット上で閲覧できるウェブGISサービスです。   インターネットアドレス http://www.kaiyoudaichou.go.jp/ ユーザーは、画面上でビジュアル的に様々な海洋情報を地図上に重ね合わせて表示することができます

東日本大震災関連情報掲載ページ

海洋情報の管理・提供

◦�海洋情報クリアリングハウスによる震災関連情報の提供

 東日本大震災に関連する海洋情報の共有・利用促進を図るため、政府関係機関が保有する地震・津波の被害情報、海上交通、水産等の海洋情報を収集し、リンク集として掲載しました。

COLUMN

03-4

◆情報の例海洋調査のデータベース、海洋関係機関のホームページ、海図等図面、写真、報告書、資料

東日本大震災における対応(4)

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海洋情報海洋情報の管理・提供

■日本海洋データセンター(JODC)

■海洋情報資料館・海の相談室

Japan Oceanographic Data Center 日本海洋データセンター(Japan Oceanographic Data Center:JODC) は、ユネスコ政府間海洋学委員会(Intergovernmental Oceanographic Commission : IOC)が推進する国際海洋データ・情報交換システム(International Oceanographic Data and information Exchange:IODE)における日本の代表機関です。IODEのシステムに基づき、海上保安庁などの官公庁や大学・研究機関などの海洋調査機関からなる海洋資料交換国内連絡会との連携のもと、我が国の関連する観測データを収集し、インターネット等で多くの人へ提供を行っています。

 海の相談室では、ヨット・釣り・潮干狩りなどのマリンレジャーや調査・研究などで海の情報やデータについての質問・相談、また外国海図や新旧海図などの閲覧に応じる仕事を行っています。 海の相談室は、海洋情報部(東京)と全国11ヶ所の各海上保安本部にも設置されています。

海 洋 情 報

国内海洋調査関係機関

JODC

収 集分 類加 工品質管理

海洋データの収集・提供の流れ

データセット提供 データ提供

海洋観測データ提供

世界データセンター(海洋学)

ユーザー

インターネット等

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海洋情報航海安全を支える情報

海図作製風景

航海用海図

英語版海図

航海安全を支える情報 航路、航法など航行安全に必要な情報、海洋調査で得られた水深、潮流、潮汐などの情報を海図等の水路図誌として作製・刊行するとともに、水路通報、航行警報や海洋速報等により最新の情報提供を行っています。

■海図の作製・刊行 各海域、港湾の航路、航法など航行安全情報や、各地の港湾で実施した測量の成果や海潮流の観測成果などの資料を使用して航行安全情報等を図化し記載すると共に、水深のみならず航海の目標となる岬などの海岸地形や海岸の構造物、灯台などの航路標識の配置などを国際的に決められた記号や表現方法に基づき編集し、図の縮尺や区域も航海者の利用しやすいように設定して、正確で使いやすい海図を作製しています。 また、日本の港に入る船舶は日本の船舶だけとは限らず外国の船舶も多数入港します。海上保安庁では、外国の船舶がより使いやすいように英語版海図を刊行しています。英語版海図は日本語版と同じ内容(縮尺や区域など)ですが、すべて英語で記載されています。

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海洋情報航海安全を支える情報

航海用電子海図刊行区域

電子海図表示システムの例

航海用電子海図のセルの単位での提供概念図

海 洋 情 報

■電子海図 船舶の安全で効率的な運航を支えるため、海図情報を電子化した航海用電子海図を刊行しています。 小縮尺(縮尺8万分の1以下)により日本周辺海域をカバーするとともに日本沿岸の主要な港湾・航路を対象とした大縮尺の航海用電子海図を刊行しています。航海用電子海図は経緯度で区切られた矩形の海域(セル)単位で作成されており、必要な海域だけセル単位で入手することができます。 また、海岸線や水深など状況の変化にあわせて航海用電子海図の内容を更新するための「電子水路通報」をインターネットなどで提供しています。 このほか、アジア地域の航海用電子海図を充実させるため、東アジア諸国との連携を進めています。

 電子海図の利用により、つねに自船位置や航跡、針路、速力などをディスプレイ上に自動表示して把握することができます。 レーダー映像の重ね合わせ表示、危険な海域に接近したときの警告、警報により、航海者の業務を軽減し、航海安全性と効率性を高めることができます。 また、利便性を高めるさまざまな表示機能があります。

小縮尺セル 大縮尺セル

電子海図表示システム(ECDIS)

・表示画面の縮尺   ・自船の位置、方位、速度・変針点までの距離   ・避険水深の表示 ・航路、変針点、走錨監視

セル区域

データ領域

航海安全のためのその他の表示機能

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航海安全を支える情報

■水路通報・航行警報 船舶交通の安全のために必要な航路標識の新設、海上演習などの情報を、水路通報として、また、緊急に周知する必要がある情報については、NAVAREA XI航行警報、NAVTEX航行警報、日本航行警報及び地域航行警報として提供しています。 さらに、平成26年6月18日からは、利用者が視覚的に容易に危険海域などを把握することが出来るよう図示したビジュアル情報もインターネットで提供しています。

 水路通報・航行警報で扱う情報は、海上保安庁内で得られるもののほか、他機関や一般船舶等から入手しています。これらの情報をその内容、海域等に応じた手段で利用者に提供しています。 水路通報については、インターネットで提供しており、このうち、管区水路通報については、FAX等でも提供しています。 また、緊急に周知する必要がある情報については、航行警報として、無線や人工衛星による放送のほか、インターネットなどの様々な手段で提供しています。

  海図の最新維持 海図の内容は船舶の安全確保のため常に最新の状態に維持しなければなりません。 海図の記載内容に変化があった場合は、その部分を周知(水路通報)し、修正を行います。 なお、大きく変化した場合は、海図を作り直す「改版」を行います。 また、水路通報は、手作業による海図の修正指示のほか、右図のような補正図を貼り付けることにより修正を行っています。 水路通報に添付される補正図

海洋情報航海安全を支える情報

地図上に表示したビジュアル情報の提供(インターネット)

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  水路通報 航路標識の変更など海図を最新維持するために必要な情報や海上作業などの一時的な情報を提供

  航行警報 緊急に知らせる必要のある灯台の消灯、航行の障害となる漂流物、ふくそう海域における長大物の曳航、海上演習等の情報を提供

海洋情報航海安全を支える情報

種類 対象海域 提供頻度 使用語 提供方法

水路通報(本庁)

太平洋、インド洋及び周辺諸海域(下図参照) 原則として毎週1回 日本語

英語 インターネット

管区水路通報 管区海上保安本部の担任水域とその付近 原則として毎週1回又は随時 日本語 インターネット、電子メー

ル、ファックス等

種類 通報対象 提供頻度 使用語 提供方法

NAVAREA XI航行警報* 大洋を航行する船舶 定時(1日3回)及び随時 英語

インマルサット衛星を介した無線電信、インターネット

NAVTEX航行警報

距岸約300海里以内の沿岸海域を航行する船舶 定時(1日6回)及び随時 日本語

英語無線電信、インターネット

日本航行警報 太平洋、インド洋及び周辺諸海域を航行する日本船舶 定時(1日2回)及び随時 日本語 イ ン タ ー ネ ッ ト、 無 線

ファックス、無線放送等

地域航行警報 港及びその付近を航行する船舶 定時(1日2回)及び随時 日本語英語

無線電話、インターネット

*世界を21に分割した区域のうち日本はXI区域を担当

  イ�ンターネットアドレス http://www1.kaiho.mlit.go.jp/

  携�帯電話対応インターネットアドレス(NAVTEX航行警報、地域航行警報(日本語)) http://www1.kaiho.mlit.go.jp/keitai/TUHO/keiho/

海 洋 情 報

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海洋情報航海安全を支える情報

航海安全を支える情報

航行警報位置図

◦�被災地の早期復興に向けて被災港湾の海図を早急に最新化 港湾の正確な状況を早期に周知するため、水深情報等を示した「情報図」を作成し、港湾管理者等へ提供し、その後海図に震災後の測量区域を示す線を記すとともに、海図記載水深が震災の前か後かを示す索引図を記載しました。

◦航海安全確保のための航行警報・水路通報の発出  ガレキ等の漂流物や灯台の倒壊などの情報は、無線放送等による航行警報やHP等による水路通報で提供しました。さらに、ユーザーの便宜に資するよう有効なNAVTEX航行警報を1つの図に記載した「航行警報位置図」を海洋情報部HPに掲載しました。

COLUMN

03-5

■水路書誌 海図とともに使用する、航海の安全を支える情報誌です。航路、航法、港湾施設などに関する事項や水路測量、潮汐・潮流の観測などの成果をとりまとめ刊行しています。水路書誌には海図に表現できない港湾・航路・気象・海象の概要を記載した水路誌をはじめ、航路標識の状況、潮汐、潮流の予報、惑星・恒星等の位置などを記載した特殊書誌があります。

刊行書誌(抜粋)水路誌(国内)、水路誌(国外)、灯台表、天測暦 国内水路誌の記載例(本州南・東岸)

東日本大震災における対応(5)

20 

水路書誌の種類

水 路 誌

国内(日本語版・英語版) 本州南・東岸  本州北西岸  瀬戸内海  北海道沿岸  九州沿岸

国外(日本語版) 朝鮮半島沿岸  中国・台湾沿岸  南シナ海・マラッカ海峡フィリピン諸島  ジャワ海

特殊書誌大洋航路誌  近海航路誌  距離表  灯台表(第1巻、第2巻)       天測計算表  天測暦  天測略暦  潮汐表(第1巻、第2巻)                水路図誌使用の手引き  水路図誌目録(日本語版、英語版)

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海洋情報航海安全を支える情報

海 洋 情 報

■海氷情報センター 1月頃にサハリン沖で発生しオホーツク海沿岸に到達する流氷の様子は、冬の風物詩としてニュースで紹介されます。 流氷は、漁船などの船舶にとっては航行安全上、危険な障害物となるため、流氷の位置や密接度などの情報を把握することが重要です。 そのため、海上保安庁では毎年12月下旬から翌年4月下旬までの期間、第一管区海上保安本部に「海氷情報センター」を開設し、海氷観測結果を解析して「海氷速報」(海氷の分布図)を作製しています。 海氷速報は、インターネットとファクシミリにより毎日提供しています。  海�氷情報センターインターネットアドレス�

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/1center.html➡

■海洋速報 日本の近海を流れる黒潮は、流速が速く(3~4ノット程度)、船舶交通や漁業等の海洋活動に大きな影響を与えます。 海洋速報では、この黒潮流路についての情報を毎日提供しており、その情報は船舶の経済的な運航のためにも利用されています。

海洋速報

■潮流シミュレーション・潮汐推算 「来島海峡潮流情報」では海峡全体の10分毎の詳細な潮流シミュレーションを提供しています。GPS機能付きのスマートフォンなどでご覧になる場合は自船の位置も表示されます。このほか東京湾、伊勢湾、瀬戸内海においては任意の日時の潮流を推算し提供しています。 潮汐について、全国数百か所における任意の日時の潮高推算値をインターネットで提供しています。

来島海峡潮流情報

海氷速報図

■リアルタイム験潮データ 全国20カ所の験潮所で得られる潮汐データは、インターネットでリアルタイム提供しています。 リアルタイム験潮データは、潮汐予報、水深測量時の水深の補正、海流変動の調査などの基礎資料になるとともに、地殻変動監視にも利用されています。また津波の把握にも不可欠なデータとなります。

リアルタイム験潮データの提供

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海洋情報災害に備える情報

災害に備える情報 地震・津波などの自然災害や船舶の衝突等により油の排出を伴うような事故災害によって発生する被害を最小限に抑えるための様々な情報提供を行っています。

■津波防災情報図

■沿岸防災情報図

 発災時の救難・救助活動や港内での津波対策のために、大規模地震により津波被害が想定される港湾域、沿岸域について、当庁が保有する詳細な海底地形データを基に、津波シミュレーションを実施し、津波防災の基礎資料となる「津波防災情報図」として、広く提供しています。

 我が国は、太平洋プレートやユーラシアプレート等が複雑に接する地域に位置していることから、地震や火山活動が活発です。また、梅雨時の集中豪雨や台風の襲来などにより、自然災害が発生しやすい地理的・気象的条件下にあります。 海上保安庁では、離島や沿岸域において、地震・津波等自然災害発生時に住民避難や支援物資の搬入等の支援活動を迅速に行うため、海底地形等の自然情報に加え、防災機関、医療機関、ヘリポートとして使用できる場所の位置や地域の人口等の社会情報などを収集し、これらの情報を記載した「沿岸防災情報図」を作成し、地方自治体等の防災関係機関に提供しています。

「伊勢湾」津波防災情報図

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海洋情報災害に備える情報

海 洋 情 報

■沿岸海域環境保全情報(シーズネット:Ceis�Net) 「シーズネット:Ceis Net」 (Coastal Environmental Information Service) 油流出事故などに備えて日本全国の沿岸域の自然情報、防災情報、海岸線のESI情報(環境脆弱性指標)などを「沿岸海域環境保全情報」として整備しています。これらの情報は、油防除活動に係わる関係機関がいつでも自由に利用できるよう、「シーズネット」の名称でインターネットにより提供しています。 この「シーズネット」では、事故の際の防除活動に参考となる各種情報を、必要に応じて画面上の背景図に自由に重ね合せながら表示することができます。また、海岸や港の写真も表示させることができます。事故に備えての防除計画の検討や訓練にも活用されており、より速やかに事故現場での措置が講じられるよう、スマートフォンによる提供も実施しています。

「シーズネット」表示例(東京湾付近)

沿岸海域環境保全情報ホームページ(Ceis Net)

区画漁業権

港則法航路

係留施設

マリーナ

海交法航路

共同漁業権区域

 「シーズネット:Ceis�Net」�インターネットアドレス�   http://www4.kaiho.mlit.go.jp/CeisNetWebGIS/➡

  ス�マートフォン版「シーズネット:Ceis�Net」�インターネットアドレス�http://www4.kaiho.mlit.go.jp/Ceisnet_mobile/

スマートフォン版「シーズネット」表示例  23

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海洋情報災害に備える情報

漂流予測実施位置

◦�漂流予測の実施 津波により多数の人や船舶等が海へ流されたことから、漂流者の捜索範囲の設定、漂流船舶の漂流先の予測、漂流物の漂流原因の推定等のために多くの漂流予測を実施しました。

COLUMN

03-6

 「ESIマップ」(Environmental Sensitivity Index:環境脆弱性指標) シーズネットから情報項目を調整し印刷できるようにした地図が「ESIマップ」で、PDFファイルにより提供しています。 この「ESIマップ」は、インターネットやパソコンが使えない事故現場において、油防除活動に携わる関係者に利用していただくことを想定して作られています。このため、隣り合った図をシームレスに接続できるように工夫されており、縮尺1/25,000の地図2,147枚で日本の海岸線の全てを網羅しています。

災害に備える情報

■漂流予測 海上で事故が起きた際、海上保安庁では巡視船、航空機によりその対応を行います。例えば、船舶が転覆して乗組員が行方不明になった際の捜索、タンカーが座礁して海に大量の油が流出した際の対応などを行います。 これら捜索救助活動や防除活動を的確に行うために、海洋情報部では、測量船、巡視船及び短波レーダーなどで観測した海の流れを基に、海に投げ出された人や転覆船、浮流油がどのように流れるかを予測しています。 海に浮いた物は、海の流れだけでなく風や物体の形状によって大きく動きを変えます。これらの様々な要因を考慮して漂流予測を行っています。

館山湾付近の「ESIマップ」

漂流予測図の例(東京湾口で油が流れ出した場合の想定で作成したもの)

東日本大震災における対応(6)

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国際活動連携と協力

 我が国は、海図の世界的な統一を図るために設立された国際水路機関に加盟し、様々な国際会議に参加し水路分野における基準策定に寄与するとともに、各国と水路データ・情報の交換を実施するなど世界的な協力関係を構築しています。そして、東アジア各国と地域的な水路業務の連携を図るため、地域水路委員会の一員としても活動しています。 海外技術協力の分野でも、毎年開発途上国の水路技術者に対して研修を実施し、各国の水路業務の発展に貢献しています。

■国際水路機関 (IHO:International Hydrographic Organization) 国際水路機関は、海図や水路誌などを改善し、全世界の航海をより容易かつ安全にすることを目的とし、諮問的かつ純粋に技術的な事項を扱う機関として昭和45年に「国際水路機関条約」に基づき設立された国際機関です (平成26年12月末日現在、82カ国が加盟)。その事務局である国際水路局は、モナコ公国に置かれています。 

■地域水路委員会 (RHC:Regional Hydrographic Commissions)

■海外技術協力

  IHOの地域水路委員会の1つである東アジア水路委員会(加盟国 :中国、インドネシア、日本、北朝鮮、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)に参加し、同委員会の常設事務局として域内各国の海洋情報業務の発展に寄与しています。

 独立行政法人国際協力機構(JICA)と協力し、アジアやアフリカなどの開発途上国において水路測量業務に従事する水路技術者を対象とした集団研修「海図作成技術 -航行安全・防災のために-(国際認定B級)」コース(約6カ月)を毎年実施しています。これまでに42カ国から400名以上の水路技術者が参加し、各国の水路業務分野で活躍する人材を輩出しています。 また、水路図誌の国際標準化への対応等に資するため、IHOが推進するキャパシティビルディングの一環として、平成20年度に我が国の協力による国際的な海図専門家の育成プロジェクト「日本キャパシティビルディングプロジェクト(現プロジェクト名:IHO-NF CHARTプロジェクト)」を立ち上げました。このプロジェクトは、英国海洋情報部(UKHO)の海図専門家育成研修(15週間)を利用しており、これまでに24カ国30名の研修生が参加しています。

国際活動

東アジア水路委員会総会

「海図作成技術 -航行 安全・防災のために-(国際認定B級)」コース

国際水路機関(IHO)加盟国:青色   国際水路局(モナコ公国)

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職員募集海洋情報部への道

職員募集■求める人材

■採用情報

未知の世界に挑むには、多様なバックグラウンドを持つ人々による多角的な観点からのアプローチが必要不可欠です。 柔軟な発想のもと、未知の世界を切り拓きたいというチャレンジ精神や、海に対する旺盛な好奇心を原動力に、積極的かつ果敢に海に挑むさまざまな若者を求めます。

 基本的に総合職試験及び専門職試験(海上保安学校学生採用試験)により採用します。

地球表面の7割を占める海は、未知の世界!海を愛し、海に挑む気持ちを求めます!海を舞台に、夢は広がる。

  総合職試験 (院卒者試験:30歳未満で大学院修了及び大学院終了見込みの者) (大卒程度試験:21歳以上30歳未満の者)

【主として政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する職員の採用試験】  試験区分 ≪「工学」、「数理科学・物理・地球科学」、「化学・生物・薬学」、「農業科学・水産」 ≫  受付期間:4月上旬  試験場所:全国  

  専門職試験 (高卒程度試験:高卒見込みの者及び高卒後5年を経過していない者)

【特定の行政分野にかかる専門的知識を有するかどうかを重視して行う職員の採用試験】  受付期間:7月中旬~下旬  試験場所:全国    試験種目:一般教養、英語、数学、物理 海上保安学校学生採用試験(高卒程度)で、≪海洋科学課程≫を受験し、合格後は、1年間(翌年度の4月から)の専門教育を受けたあと、各地へ配属されます。

【人事院】・採用情報http://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.htm

【海洋情報部】・採用情報http://www1.kaiho.mlit.go.jp/saiyo.html

実習風景

・海上保安学校 http://www.kaiho.mlit.go.jp/school/index.html

詳しい情報は、以下の海洋情報部及び人事院インターネットアドレスから確認できます。

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本庁及び管区本部等配置図

本庁及び管区本部等配置図

職員募集

第八管区8th RCGHq

第七管区7th RCGHq

第十管区10th RCGHq

第十一管区11th RCGHq

第六管区6th RCGHq

第五管区5th RCGHq

第四管区4th RCGHq

第三管区3rd RCGHq

第二管区2nd RCGHq

第一管区1st RCGHq

第九管区9th RCGHq

新潟

東京舞鶴

名古屋

那智勝浦

鹿児島

那覇

広島神戸

北九州

横浜

八丈島

塩釜粟島

横須賀

徳山

博多

大分

大泊

西之表

中之島

名瀬

佐世保

厳原呉

神津島三宅島

沖ノ鳥島

千葉

小樽

竜飛

釜石

…………海上保安庁海洋情報部…………管区海上保安本部海洋情報部…………水路観測所…………験潮所

下里水路観測所(測地観測)横浜新港験潮所

海上保安庁 海洋情報部 中央合同庁舎第4号館

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測量船

総トン数:3,000トン全  長:98.0m

昭  洋(本庁海洋情報部)

総トン数:2,400トン全  長:96.0m

拓  洋(本庁海洋情報部)

総トン数:5トン全  長:11.0m

じんべい(本庁海洋情報部)

総トン数:550トン全  長:60.0m

明  洋(本庁海洋情報部)

総トン数:430トン全  長:56.0m

天  洋(本庁海洋情報部)

総トン数:550トン全  長:60.0m

海  洋(本庁海洋情報部)

総トン数:27トン全  長:21m

はましお(第三管区海上保安本部)

総トン数:27トン全  長:20m

くるしま(第六管区海上保安本部)

総トン数:27トン全  長:21m

いせしお(第四管区海上保安本部)

総トン数:27トン全  長:21m

はやしお(第七管区海上保安本部)

総トン数:27トン全  長:21m

おきしお(第十一管区海上保安本部)

総トン数:27トン全  長:21m

うずしお(第五管区海上保安本部)

総トン数:27トン全  長:21m

いそしお(第十管区海上保安本部)

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公海公海

太平洋

南鳥島

沖ノ鳥島沖ノ鳥島延長大陸棚※

与那国島

尖閣諸島

竹島

日本海

東シナ海

択捉島

小笠原諸島

領海(基線~12海里)面積:約43万㎢

排他的経済水域(EEZ)(12~200海里)面積:約405万㎢

領土面積:約38万㎢

海岸線の長さ:約3万5千km(地球一周の88%)

1海里:1,852m

160°0'0"E

160°0'0"E

150°0'0"E

150°0'0"E

140°0'0"E

140°0'0"E

130°0'0"E

130°0'0"E

120°0'0"E

120°0'0"E

50°0'0"N 50°0'0"N

40°0'0"N 40°0'0"N

30°0'0"N 30°0'0"N

20°0'0"N 20°0'0"N

南硫黄島沖大東島

海上保安庁海洋情報部は、日本の経済を支える海上交通に不可欠な海図などの航海用刊行物を、140年にわたって提供してきました。 近年では海に関する多様なニーズに応え、海を利用するために必要な情報を提供しています。また、平成16年(2004年)からは、特に、我が国の海洋権益を確保するため、国連海洋法条約に基づく我が国の大陸棚の範囲の画定に向けた政府一丸となった取り組みにおいて、その中心的役割を担い、海底地形、地殻構造の調査を推進してきました。こうした中、平成19年(2007年)7月に、海洋施策を総合的かつ計画的に推進していくことを目的とした海洋基本法が施行されました。我が国を取り巻く領海と排他的経済水域の面積は447万平方キロメートルと広大であり、我が国周辺の海の恩恵を最大限に享受するためには、海を識るための調査を行い、科学的なデータを整備し、それを基に的確な海洋政策を推進していく必要があります。今後も最新の海洋調査技術を駆使した計画的で効率的な海洋調査を推進し、海洋に関する知識の充実に貢献するとともに、取得された海洋情報を適切に管理し、情報提供を充実させ、新たな海洋立国の実現に貢献してまいります。 海洋の調査と情報の提供を通じて、海洋立国日本の未来を拓く海洋情報部にご期待ください。

海の情報は未来を拓く!※ 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第2条第2号が規定する海域 なお、本図は外国との境界が未画定の海域における地理的中間線を含め便宜上図示したものである。

組織

海洋情報部所掌事務の総合調整及び重要事項の企画立案

測量船の運航、管理

技術的重要事項の企画立案

海洋情報業務に関する調査及び研究

重要事項のうち地震に関する企画

重要事項のうち火山現象に関する企画

海洋情報業務に関する国際的な連携・協力

水路の測量

地震・火山現象及び津波による船舶に対する被害の防止に資する水路測量

大陸棚の調査

海洋環境に関する調査、海象の観測

漂流予測に関すること

海洋の汚染の防止及び海洋環境の保全のための科学的調査

海洋情報の収集・管理・提供及び国際交換

インターネットによる海洋情報の提供

水路図誌の刊行

船舶交通安全通報

海図の作成、最新維持、管理

海洋情報部の総合調整、船舶交通安全通報

[第十一管区は海洋情報監理課(Hydrographic and Oceanographic Administration Division at 11th)]水路測量、海洋環境調査、海象観測

[第十一管区は海洋情報調査課(Hydrographic and Oceanographic Division at 11th)]

Organization(海上保安庁)

( Japan Coast Guard)

(Hydrographic and Oceanographic Department)

(海洋情報部関係)Administration and Planning Division

Survey Ship Operation Office

Technology Planning and International Affairs Division

Ocean Research Laboratory

Director for Earthquake Research

Director for Volcano Research

Hydrographic Surveys DivisionHydrographic andOceanographic Department

(Main Office)

Hydrographic andOceanographicDepartment

Geodesy and Geophysics Office

Continental Shelf Surveys Office

Environmental and Oceanographic Research Division

Director for Trajectory Prediction

Marine Pollution Research Laboratory(日本海洋データセンター)

Oceanographic Data and Information Division(Japan Oceanographic Data Center)

Marine Spatial Information Service Office

Chart and Navigational Information Division

Notices to Mariners Office

Chart Quality Assurance Office

Administration Division

[第十一管区を除く(except 11th)]

Hydrographic and Oceanographic Division

本庁海洋情報部

次  長Vice Commandant

長  官Commandant

海上保安監ViceCommandant forOperations

総 務 部 Administration Department装備技術部 Equipment and Technology Department警備救難部 Guard and Rescue Department海洋情報部 Hydrographic and Oceanographic Department交 通 部 Maritime Traffic Department

首席監察官 Administrative Inspector General

海上保安大学校(呉) Coast Guard Academy (at Kure)海上保安学校(舞鶴) Coast Guard School (at Maizuru)

門司分校(北九州) Moji Branch (at Kita-Kyusyu)宮城分校(岩沼) Miyagi Branch (at Iwanuma)

管区海上保安本部(第一~第十一管区) Regional Coast GuardHeadquarters(1st to 11th)

企 画 課

技術・国際課

海洋調査課International Affairs Office

海 洋 研 究 室

地 震 調 査 官

火 山 調 査 官

国 際 業 務 室

海 洋 防 災 調 査 室

大 陸 棚 調 査 室

環境調査課

漂 流 予 測 管 理 官

海 洋 汚 染 調 査 室

海洋情報課

航海情報課

水 路 通 報 室

海 図 審 査 室

Regional CoastGuard Headquarters

管区海上保安本部 海洋情報部

監 理 課

海洋調査課

航法に必要な測地

[第五管区:下里(at Shimosato)]Hydrographic Observatory水路観測所

Director for Coordination of Hydrography and Oceanography

Senior Liaison Officer for Hydrography and Oceanography

海洋情報業務に関する重要事項についての関係行政機関等との連絡調整

海洋情報業務に関する国際機関等との連絡調整

大 陸 棚 情 報 管 理 官Director for Continental Shelf Information Management

大陸棚に関する情報の収集・整理・保管及び提供

海 洋 空 間 情 報 室

海 洋 情 報 調 整 官

測 量 船 管 理 室

海 洋 情 報 渉 外 官

[第十一管区(at 11th)]Director for Planning and Coordination of Hydrography and Oceano graphy海洋情報企画調整官

本庁海洋情報部を中心に北から南まで全国十一の管区海洋情報部が活躍

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�����������������������■海図と海洋情報全般についてのお問い合わせは 海洋情報資料館・海の相談室� TEL 03-5500-7155�����������������������■詳しいお問い合わせは 水路通報・航行警報について� TEL 03-3595-3647 海図の複製使用について�������� 3595-3620 職員の募集について���������� 3595-3603���������������������������

■各管区海洋情報部・海の相談室第一管区海上保安本部

(小 樽)海洋情報部海の相談室

0134-27-0118 ㈹ 内線 2511

第二管区海上保安本部 (塩 釜)

海洋情報部 海の相談室

022-363-0111 ㈹ 内線 2511

第三管区海上保安本部 (横 浜)

海洋情報部 海の相談室

045-211-1118 ㈹ 内線 2511

第四管区海上保安本部 (名古屋)

海洋情報部 海の相談室

052-661-1611 ㈹ 内線 2511

第五管区海上保安本部 (神 戸)

海洋情報部 海の相談室

078-391-6551 ㈹ 078-391-1299 直通

第六管区海上保安本部(広 島)

海洋情報部 海の相談室

082-251-5111 ㈹ 内線 2520

第七管区海上保安本部 (北九州)

海洋情報部 海の相談室

093-321-2931 ㈹ 093-331-0033 直通

第八管区海上保安本部 (舞 鶴)

海洋情報部 海の相談室

0773-76-4100 ㈹ 0773-75-7373 直通

第九管区海上保安本部 (新 潟)

海洋情報部 海の相談室

025-285-0118 ㈹ 025-288-2620 直通

第十管区海上保安本部 (鹿児島)

海洋情報部 海の相談室

099-250-9800 ㈹ 内線 2511

第十一管区海上保安本部 (那 覇)

海洋情報監理課海の相談室

098-867-0118 ㈹ 内線 2511

海上保安庁海洋情報部Hydrographic and Oceanographic Department ,Japan Coast Guard

〒 100-8932 東京都千代田区霞が関3-1-1中央合同庁舎第4号館

2016.4

海を拓く海上保安庁海洋情報部

■海上保安庁海洋情報部ホームページ  インターネットアドレス:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/➡

DW6_A2013A01_C.indd 1 2015/02/19 15:50:58

   中央合同庁舎第4号館 東京メトロ「霞ヶ関」駅徒歩5分

企 画 課����������

 測量船管理室

技術・国際課

 海洋研究室

 国際業務室

海洋調査課

 海洋防災調査室

 大陸棚調査室

環境調査課

 海洋汚染調査室

海洋情報課

 日本海洋データセンター

 海洋空間情報室

航海情報課

 水路通報室

 海図審査室

TEL 03-3595-3601 ������������� 3595-3602 ������������� 3595-3603

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海上保安庁 海洋情報部    海上保安庁 海洋情報部 青海庁舎ゆりかもめ「テレコムセンター」駅徒歩5分

海洋情報資料館・海の相談室