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海底地形測量

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目 次

1. 調査概要 S-1- 1

2. 調査方法

2-1 計画準備・現地踏査 S-1- 7

2-2 使用機器 S-1- 7

2-3 画像情報 S-1- 8

2-4 航空写真を用いた海底地形測量 S-1- 9

2-5 深浅測量による海底地形測量 S-1-12

2-5-1 ナローマルチビーム測深 S-1-12

2-5-2 調査用リモコンボート測深 S-1-16

2-5-3 VRS-GPS 測量 S-1-17

2-6 メッシュデータ作成 S-1-18

3. 調査結果

3-1 小浜島 S-1-20

3-2 阿嘉島 S-1-21

3-3 恩納 S-1-22

3-4 伊江島 S-1-23

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1 調査概要

(1)調査目的

サンゴ増殖技術の他地域への普及方策検討のため、試験海域における海底地形情報を取

得し、ハビタットマップ・数値シミュレーション・サンゴ増殖計画のための海域基盤情報

とする。

(2)調査方法

航空写真を用いた海底地形測量(ステレオマッチング)と、深浅測量を用いた海底地形

測量(ナローマルチビーム、調査用リモコンボート他)を実施した。

(3)調査対象海域

調査対象海域は下図に示す①小浜島南部(石西礁湖)、②座間味村(阿嘉島)、③恩納

村(万座)、④伊江村(伊江島)の4地区とし、詳細な測量区域については次項の各海域

対象範囲拡大図に示す。

図 1-1 調査対象海域

(4)工期

自 平成 22 年 4 月 1 日

至 平成 23 年 3 月 24 日

(5)現場調査期間

自 平成 22 年 5 月 8 日

至 平成 22 年 6 月 21 日

① ① 小浜島南部(石西礁湖)

② 座 間 味 村 ( 阿 嘉 島 )

③ 恩納村(万座)

④ 伊江村(伊江島)

S-1-1

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既存

デー

タ整

理海

詳細

海域

図1-2(1)小

浜島

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図 1-2(2)阿嘉島

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図 1-2(3)恩納

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1-2(4)伊

江島

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(6)成果品

本調査の成果品は以下のとおりである。

表 1-1 成果品一覧表

種別 成果品 数量 工区 備 考

図書 報告書 1 式 ―

データ

10m メッシュデータ 4 工区 全工区 小浜島は既存データ

整理海域含む

2m メッシュデータ 4 工区 全工区

NMB1m メッシュデータ 3 工区 阿嘉島、恩納、伊江島

図面

航跡図 4 工区 全工区

等深線図 4 工区 全工区

鳥瞰図 4 工区 全工区 2m メッシュ 10m メッシュ

航空写真

ortho 画像 4 工区 全工区

IKONOS 画像 1 工区 阿嘉島

巻末資料

精度管理表 1 式 ―

GPS 精度管理表

絶対水深確認表

異工種精度確認表

測量観測簿 1 式 ―

NMB システム手簿

NMB 測深手簿

RC 測深手簿

音速度測定簿

潮位験潮簿

写真集 1 式 ― 作業状況写真集

使用機器写真集

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2 調査方法

2-1 計画準備・現地踏査

計画準備では既往資料の収集、特に対象海域の画像情報(航空写真等)の入手を行い、

基盤情報のベースとなる ortho 画像を作成した。

また、事前に現地踏査を実施し、海域の状況・既往施設の確認を行ない、円滑な業務

遂行のために関係機関への作業の周知及び諸手続等を行った。

2-2 使用機器

現場調査で使用した測量機器とは以下のとおりである。

表 2-1(1) 主な使用機器

機器名 型 式 性 能 調査工区 備 考

マルチビーム

測深システム

SEABAT

8125 型

測深ソナー

最大レンジ : 120m

水深分解能 : 6mm

周波数 : 455kHz

指向角 : 0.5 ゚×1.0 ゚

受信ビーム数 : 240 点

スワス幅 : 120°

計測範囲 : 水深の 3.5 倍幅

データ更新間隔: 最大 40Hz(水深に依存)

伊江島 恩納

阿嘉島

測深機

HYPACK

測深データ処理: 20 回×240 点の水深値/1 秒

測位データ処理: 5 回×X,Y 値/1 秒

動揺データ処理: 20 回×ヒーブ,ピッチ,

ロールの各値/1 秒

方位データ処理: 5 回×ヘディング値/1 秒

データ

収録・管理

ソフト

D-GPS 位置測定方式: DGPS 測位法

水平精度 : 1m 以下 測位機

DMS-05 ロール、ピッチ ±0.04°

ヒーブ 5cm or 5%

動揺計測

装置

ADGC 方位測定精度 : 0.25 ゚以下 方位計測

装置

SVPS

測定精度:1m/秒

最大測定深度:45m

応答時間:約 2.0 秒

音速度

計測器

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表 2-1(2) 主な使用機器

機器名 型 式 性 能 調査工区 備 考

リモコンボート

測深機

コデン社製

RC-S2

半減半角:3°

測深能力:0.5~80m

水深測定精度:±(0.03+水深/1000)m

測位精度: 1.0m 以下

伊江島 恩納

阿嘉島

VRS-GPS

計測機 trimble5700

水平±10mm+1ppm×D

高さ±20mm+1ppm×D

伊江島 阿嘉島

シングルビーム

測深機 PS-30R

位置測定方式: DGPS 測位法

指向角(全角):6°

測深能力:0.3~240m

水深測定精度:±(0.03+水深/1000)m

周波数: 200kHz

小浜島

験潮器 マリン

スケール

出力値:10 分毎 定時 10 秒平均値

出力精度:0.5%FS

伊江島 恩納

阿嘉島

2-3 画像情報

各工区で使用した画像情報は、以下のとおりである。

表 2-2 使用画像情報

工区 撮影元 写真撮影日 画像種別 備 考

小浜島 国際航業株式会社 平成 19 年 4 月 20 日

平成 19 年 4 月 26 日ortho 画像 弊社ライブラリー

阿嘉島 国際航業株式会社 平成 22 年 4 月 25 日 ortho 画像

弊社ライブラリー

レーザ搭載画像

日本スペース イメージング株式会社

平成 22 年 2 月 26 日 IKONOS 画像 RGB/nir カラー

恩納 株式会社グラフィカ 平成 19 年 1 月 26 日 ortho 画像

伊江島 株式会社グラフィカ 平成 20 年 3 月 15 日 ortho 画像

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2-4 航空写真を用いた海底地形測量

調査船を使って測量を行うのが困難な礁原内の浅海域の測量について、弊社での

ライブラリー画像や新規に画像を購入・撮影して、航空写真測量による海底地形測

量(解析)を実施した。

航空写真による海底地形測量は、空中写真測量の原理を応用して行う。さらに、

空中写真測量の画像相関(ステレオマッチング)の結果に屈折率の補正を行い、計

算値と実測値を統計的に比較し、係数を決定した。

本調査では、弊社所有のデジタル航空写真により、他機関(石垣港湾工事事務所

様)で実績のある DMC 画像による海底地形解析だけでなく、新たに RC-30 で撮影さ

れたアナログ写真からステレオマッチングを行い、水深 4m 程度まで解析すること

が出来た。これは、透明度がよく明るい画像を入手・撮影できたこと、同時に深浅

測量を行うことにより、調整用基準点を数多く取得したことが要因として挙げられ

る。

図 2-1 航空写真(DMC 画像)例

図 2-2 航空写真による測深イメージ

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1)屈折率補正の概念

ステレオマッチングで算出した水深は、水による屈折の影響が含まれているため、

補正係数を算出して屈折の影響を除去する必要がある。

水の屈折による測得水深の誤差については、下図に示すとおり、実際の海底より

も浅くなる可能性があるので、深浅測量で取得した実際の水深とステレオマッチン

グで測定した水深とを比較することで補正係数を算出し、全体のデータを補正した。

【補正係数算出式】

H=F×h’

F=(B/H+h’)/((s/√(n2-1)D12+(H+h’)2n2)+(t/√(n2-1)D2

2+(H+h’)2n2))

h:実際の水深、h’:測得水深、H:飛行高度

F:補正係数、B:基線長(s+t)、n:屈折率(1.334)

D1,D2:各主点から測定点までの水平距離

図 2-3 航空写真による測深の原理(屈折の影響)

補正係数の算出は、図及び算出式を見ると分かるように、補正係数は水深及び飛

行高度により変化する。従って、画像ファイル毎に時刻と潮位データを同期させる

ことで航空写真撮影時の海面の高さを決定した。

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2) 計算値による補正

補正係数は水深により変化するため、算出には次項の要素を考慮した。

・撮影時間毎の水深(h)

・撮影機の飛行高度(H)

・ステレオマッチングに用いた各ステレオペアのカメラ主点位置(s、t)

撮影時刻、撮影日が一律であれば、補正係数 F はステレオペアのカメラ主点位置

(s、t)のみで決定できるが、本件では撮影主点ごとに全てのステレオマッチング

点の条件が変化するため、全てのステレオペアについて補正係数を算出した。

なお、水深に関しては、撮影日と時間の変化を考慮した。

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2-5 深浅測量による海底地形測量

ステレオマッチングでは解析できない沖合については、面的にデジタルデータが取

得できるナローマルチビーム(以下、NMB)を用いた深浅測量を実施した。

また、礁原内の浅海域についてはサンゴを傷つけないこと考慮して調査用小型リモ

コンボート(以下、RC ボート)や、シングルビームによる深浅測量、VRS-GPS 測量によ

って海底地形情報を取得した。

2-5-1 ナローマルチビーム測深

海底地形測量イメージを、下図に示す。

図 2-4 NMB 深浅測量イメージ

面的に取得

0.5 ° × 1.0 ° ( SEABAT8125 )の音響ビームを一度に240点取得することによって、海底面を面的に測量することが出来る

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NMB 深浅測量の作業の流れを以下に示す。

(1) 計測位置管理(測位)

深浅測量の測位はディファレンシャル GPS(中波ビーコン)を使用した。

(2) 艤装・テストラン

NMB 測深システムに関連する各機器(GPS 測位機、NMB 測深機、動揺計測装置、

方位計測装置、音速度計測器等)については、作動状況を確認するとともに、艤

装状態(艤装の配置)の把握や機器のキャリブレーションを行い、正確な計測が

行えることを確認した。また、この結果は NMB 測深システム点検簿として取りま

とめた。

(3) 測深作業

深浅測量の実施要領は以下のとおりである。

・NMB 測深機は SEABAT8125 型を使用した。

・調査測線は、抽出した礁原沖合区域において、エリア内に未測箇所が発生し

ないように設定した。

・NMB 測深システムの機器作動チェックは、毎作業日の開始時に実施した。

・バーチェック板による絶対水深値とデータ取得値との水深較差を毎作業日の

開始前に確認し、NMB 測深の精度確認を行った。

・測深作業内容は、全て NMB 測深システム手簿及び航跡図にまとめた。

図 2-5 ナローマルチビーム測深作業概念図

陸上基準局

(海上保安庁交通部中波ビーコン)

測量船

補正情報

GPS 衛星

GPS 衛星 GPS 衛星

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(4) システム構成と原理

NMB 測深システムの姿勢制御は、方位計測器(デジタル磁気コンパス)を使用

して測量船の方向を計測し補正を行う。動揺成分(ローリング、ピッチング、

ヒービング)は、動揺計測器(モーションセンサー)を使用し、測深ソナーを

固定した測量船の動揺を計測することによって補正を行う。

水深データ、位置データ、方位データ、動揺データは、全て測深データ収録

表示システム(HYPACK システム)がインストールされたコンピュータに同時系

列上で収録され、誘導者が表示画面を目視によって管理した。

図 2-6 ナローマルチビーム測深システム構成図

(5) 測深管理

作業の測量記録として測深年月日・時刻、測深番号、その他の測深時の記録

と航跡図等の関連事項を手簿に記載した。

水中音速度補正のために、音速度測定器を使用して水中音速度を、1 日 1 回を

基本として測深最大水深付近まで直接測定した。また、艤装した測深ソナーヘ

ッド、測位 GPS アンテナ、方位計測器、動揺計測器、の各機器位置関係は、収

録ソフト(HYPACK)に測量船の重心からのオフセット情報として変位量を入力

した。

方位計測器、動揺計測器については、測量船へ艤装した状態でキャリブレー

ションを行った。これらの結果は手簿に整理し、ソフト上による後処理計算に

用いた。

深浅測量データの補正に使用する潮位データは、那覇港検潮所(気象庁所管)

の観測データを基準とするが、各海域での時間差を考慮して、現地においても簡

易験潮器を設置し観測し、補正値を決定した。

測位システム

方位センサー

数値情報データ ファイル

X Y Z DATA

測深データ収録表示

システム

HYPACK System

マルチビーム測深ソナー

プロセッサー

SEABAT8125 型

動揺センサ

ソナー

ヘッド

ロール、ピッチ、ヒーブ リアルタイム補正

指向角 : 0.5゜×1.0゜

ビーム数 : 240 本

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(6) データ処理

NMB 測深システムで取得した水深データは、潮位・喫水・音速度補正値、GPS

測位システムの時間遅れ補正値、船体動揺・方位補正値及び水中ヘッドの傾斜補

正値を用いて、測深位置の補正と高さの補正を行い正確な測深位置と水深に変換

した。

1 次処理したデータは、地形データとして構築するためのノイズ除去処理を行

った。ノイズ処理は、作成するメッシュサイズを基準にマニュアル処理により異

常値を除去した後、一般的な配列(XYZ の txt 形式)の 3 次元地形データ(1m

メッシュデータ)を構築した。

作成したメッシュデータは、ステレオマッチングで作成した地形データを補正

するための係数を算出するためにも使用した。

図 2-7 データ処理フロー

収録データ

潮位補正、音速度補正

測線毎にエラーデータの除去処理

測線毎に X,Y,Z データに変換

全測線のデータ結合

(X,Y,Z データ)

メッシュ変換(1m メッシュ)

吃水補正、GPS 遅れ補正、動揺補正、

方位補正、水中ヘッド傾斜角補正等

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2-5-2 調査用リモコンボート測深

礁原内の浅海域についてはサンゴを傷つけないことや、砕波帯での有人ボート作業

の危険性を考慮して、無人で操作が出来る調査用の小型リモコンボート測深機(コデ

ン社製 RC-S2;NETIS 登録番号 kk-080050-A)を用いた深浅測量を実施した。

RC ボート測深では、D-GPS と 1 素子音響測深機を搭載し、遠隔操作により本体を航

走させることで船体直下の水深値の取得を行う。

また、精度管理としてスタッフによる絶対水深とデータ取得値との水深較差を、毎

作業日の開始前に確認し RC ボート測深の精度確認を行った。

RC ボート測深と従来型音響測深機の比較を以下に示す。

表 2-3 RC ボート測深機の性能表(従来型音響測深機との比較)

リモコンボート測深機 従来測深機(シングル)

最小測深能力 0.5m 1.0m

最大測深能力 80m 100~200m(浅海用)

音波周波数 200KHz 200KHz

音波指向角 6 度 6 度

測深分解能 0.01m 0.01m

位置精度 0.5m(DGPS、1σ) 使用 GPS に依存

測深最大船速 3kt 6kt

記録形式 デジタルのみ 記録紙、デジタルデータ

図 2-7 RC ボート測深概念図

なお、小浜島での測深では、礁原内に浅海域が少なく有人ボートでの調査が可能で

あるため、RC ボートに変わり従来型の音響測深機(シングルビーム測深)を実施した。

GPS 衛星

200KHz 音

RC 測深システム

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2-5-3 VRS-GPS 測量

伊江島の礁縁部などの極浅海域や干出帯、阿嘉島マジャノハマ東の磯地形などの汀線

付近については、NMB や RC ボートでの測深ができないため、VRS-GPS 測量機を用いて単

点測量を実施した。

VRS-GPS 測量とは、作業者が VRS 移動局を携行し、携帯電話による補正情報を受信し

ながら単点データ(X,Y,Z)を数 cm の精度で取得するシステムである。作業者が直接

アンテナをもち調査区域を歩きながら作業するため、潮位差を十分留意し干潮時に作業

できるよう測量計画をたてて調査した。

また、ortho 画像の標定点やステレオマッチングで作成した地形データを補正するた

めの係数の算出にも使用した。

図 2-8 VRS-GPS 計測システム構成図

図 2-9 伊江島東側海域干潮時状況

図 2 VRS 計測のシステム構成図

電子基準点

電子基準点

配信センター

GPS アンテナ ZEPHYR

GPS 受信機

携帯電話

通信モデム

データコレクター

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2-6 メッシュデータ作成

航空写真を用いた海底地形測量と NMB 測深では面的なメッシュデータ、RC ボートと

シングルビーム深浅測量、VRS-GPS 測量からは単点の XYZ データを取得した。これらの

深浅測量データをモデリングして 10m メッシュデータを構築した。

メッシュデータと単点データの結合には、kriging 法と呼ばれる内挿手法を用い、よ

り再現性の高い詳細地形データを構築した。

kriging 法とは、内挿点周囲のデータの重みつき移動平均を利用した内挿法であり、

微地形をとらえた単点データの結果を生かし、詳細な地形を再現できるため採用した。

図 2-10 重み付き平均概念図

:点群・メッシュデータ

:内挿点

内挿点を中心とした円

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3 調査結果

各工区において取得したデータは以下のとおりである。なお、工区別の詳細な調査結

果については次項以降に示す。

表 3-1 工区別工種一覧表

*ST:ステレオマッチングによる航空写真測量

LP:レーザープロファイラによる航空測量

また、異工種間精度検証と NMB・RC ボート測深の絶対水深確認、GPS 精度検証を行い、

いずれも精度範囲内であることを確認した。それぞれの結果は巻末資料に示す。

【制限値出典】海上保安庁告示第 102 号の特級水域の

「深さの測定の誤差の限度」 P26 より

±(√(0.252)+(0.0075×h)2)m h:水深

陸域

NMB RC/single VRS ST LP

小浜島 ○ ○

阿嘉島 ○ ○ ○ ○ ○

恩納 ○ ○ ○

伊江島 ○ ○ ○ ○

海底地形測量

水域

    工種

工区

汀線

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