意 匠 権 の 保 護 の 対 象中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編 1...

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お 客 様 用 資 料

( 意 匠 登 録 制 度 編 )

~ 意 匠 登 録 を お 考 え の お 客 様 へ ~

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~ 目 次 ~

Ⅰ.意匠権の保護の対象・・・・・・・・・・1

Ⅱ.意匠登録のメリット・・・・・・・・・・5

Ⅲ.意匠登録までの手続・・・・・・・・・・7

Ⅳ.意匠登録の費用料金・・・・・・・・・・10

Ⅴ.意匠登録の出願様式・・・・・・・・・・14

Ⅵ.意匠登録の質問相談・・・・・・・・・・18

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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編

1

Ⅰ.意匠権の保護の対象

1.意匠の4つの要件

「意匠権」とはデザインを保護する権利です。そうすると特許庁で意匠登録

を受けるには「意匠」でなければなりません。意匠法の定める意匠に該当する

には以下の4つの要件を満たしている必要があります。

意匠の1つ目の要件は「物品性」のあることです。物品とは市場で流通する

有体動産のことをいいます。例えば、花柄模様のワンピースであれば、この物

品性を備えていますから意匠法上の意匠に当たります。

一方、抽象的な花柄模様のような単なるモチーフは、物品とは関係がないた

め意匠ではありません。また、花柄模様のビルディングや庭園のような不動産

のデザインも、動産ではないため意匠ではないのです。

意匠の2つ目の要件は「形態性」のあることです。物品の形状・模様・色彩

のことを形態と呼びます。形状は物品の外形、模様は物品の表面上の装飾、色

彩とは物品の単一色による着色のことです。

例えば、花柄模様のハンカチはハンカチという物品の形態ですから意匠とい

えます。一方、ハンカチ売り場にある花柄に折り畳んだハンカチはハンカチが

変化した形ですから意匠には当たりません。

意匠の3つ目の要件は「視覚性」です。視覚性があるというためには、肉眼

で認識できるデザインであることが必要です。例えば目覚し時計の外側の形状

であれば、肉眼で認識できますから意匠に当たります。

一方、目覚し時計の内部機構のような外部からは観察することができないデ

ザイン、花柄模様の砂糖一粒のような肉眼で観察することの困難な小さなデザ

インは、意匠登録の対象となる意匠には該当しません。

意匠の4つ目の要件は「美感性」です。美感性があるというためには、見る

者に美しさを感じさせるデザインであることが必要です。絵画や彫刻といった

美術品のようなレベルの高い芸術性は要求されません。

例えば、害虫の形をしたお菓子のような誰にも美し

さを感じさせないデザイン、あるいはパラボラアンテ

ナの形状のように電波を集めるといった物品の機能を

発揮するには不可欠な形状も意匠に当たりません。

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中川特許事務所<お客様用資料>特許制度編

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2.特殊な意匠の制度

「意匠法」は特殊な意匠に適切な意匠権を与えて保護するために、特別なか

たちで意匠登録を認める制度を設けています。意匠登録を受けたいデザインに

あわせて、意匠法における適切な制度をご利用下さい。

[1.部分意匠]

物品の全体にではなく物品の一部に特徴的なデザインが施されている場合、

意匠法では「部分意匠」の登録制度を利用して意匠権を取得することができま

す。例えば、スプーン全体のデザインではなく、スプーンの柄の部分のデザイ

ンについてのみ、スプーンの柄の部分意匠として意匠登録を受けることができ

ます。

[2.組物の意匠]

1つの物品にではなくセット物に統一的なデザインが施されている場合、意

匠法では「組物の意匠」の登録制度を利用して意匠権を取得することができま

す。例えば、同じ様なモチーフの花柄模様を描いた応接家具セット、あるいは

松竹梅の模様を描いたせん茶セットは、組物の意匠として意匠登録を受けられ

ます。

[3.関連意匠]

1つのデザインコンセプトから生まれた派生的なデザインが複数ある場合は、

意匠法では「関連意匠」 の制度を利用して意匠権を取得することができます。

同じデザインコンセプトから生まれたバリエーションの意匠は、関連意匠の制

度を利用することにより漏れなく意匠登録を受けて保護することができます。

[4.秘密意匠]

意匠権を取得したいけれども自社のデザインの動向

を他社に知られたくない場合には、意匠法では「秘密

意匠」の制度を利用して意匠登録を受けられます。意

匠登録を受けてから最長で3年間は、特許庁の発行す

る意匠公報に登録意匠の図面が掲載されませんので、

自社の登録意匠の秘密を守ることができます。

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3.意匠権取得の要件

このような意匠法の規定する意匠に当たるというだけでは、特許庁に出願を

行っても意匠権を取得することはできません。意匠法は以下の 「 5つの 意匠」

には意匠権を与えることができないと規定しています。

[1.工業上利用性のない意匠]

意匠権を取得するための1つ目の条件は、その意匠が工業的な方法により同

一物品を大量に生産できることです。以下の3つの意匠は、工業上利用性がな

いため意匠権を取得することができません。

1)自然物

例)動植物の改良種、動植物の標本

2)不動産

例)土地家屋、ビルディング、庭園

3)著作物

例)絵画、彫刻、版画、写真

[2.新規性のない意匠]

意匠権を取得するための2つ目の条件は、その意匠が特許庁に出願された時

に客観的な新しさを備えていることです。以下の4つの意匠は、新規性がない

ために意匠権を取得することができません。

1)すでに誰にでも知られている意匠

2)すでに新聞等の刊行物に掲載されている意匠

3)すでにインターネットに掲載されている意匠

4)上記の1)~3)までの意匠に類似する意匠

[3.創作非容易性のない意匠]

意匠権を取得するための3つ目の条件は、その意匠の分野のデザイナーを基

準にしても、特許庁に出願された意匠をその意匠が出願された時のデザインの

水準からすれば簡単には創り出せないということです。

例えば、有名な絵画をそのままプリントしただけのTシャツは、デザイナー

が簡単に創り出せるので創作非容易性がないため、意匠登録を受けられません。

[4.最も先の出願であること]

意匠権を取得するための4つ目の条件は、もし同一又は類似の意匠に関する

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2件以上の出願が特許庁に行われた場合には、最も先にその意匠を出願した者

だけが意匠権を取得することができるという条件です。

例えばX社とY社がそれぞれ同じ意匠Aを特許庁に出願した場合に、X社が

出願した翌日にY社が出願したとき、意匠AにつきX社が意匠権を取得するこ

とができ、Y社は意匠権を取得することができません。

[5.不登録事由のある意匠]

意匠権を取得するための5つ目の条件は、社会秩序又は社会道徳を害したり、

他社の提供する商品であると誤解させたり、ある機能を発揮させるには不可避

的な形状であったりしてはならないという条件です。

例えば、切り裂いた外国の国旗を描いた意匠、To

shiba等の有名なブランドを含んでいる意匠、そ

してパラボラアンテナの形状等は、この不登録事由に

該当するため意匠権を取得することができません。

4.弁理士へのご相談

「弁理士」はこのような意匠について特許庁における意匠権を取得するため

の意匠法上の手続を専門業務とする国家資格者です。当特許事務所は出願申請

から意匠登録までの特許庁に対する手続を代行します。

当特許事務所の弁理士は、特許庁で意匠登録を受けた後の意匠に関する紛争

解決・侵害鑑定・契約仲介・権利管理・輸入差止・無料相談も実施しています。

以下のような意匠に関する問題でお悩みのお客様は、意匠法の専門家である

当特許事務所の弁理士までお気軽にご相談下さい。

Q1.自社の開発した意匠は意匠権を取得できる意匠なのか?

Q2.意匠法・意匠権・意匠登録とはどのような制度なのか?

Q3.意商権を取得するには、どのような手続が必要なのか?

Q4.意匠権の登録までには、どれぐらい時間がかかるのか?

Q5.意匠権を取得するには、どれぐらい費用がかかるのか?

Q6.自社の意匠権を侵害する他社にはどう対応するべきか?

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Ⅱ.意匠登録のメリット

1.意匠独占のメリット

「意匠権」とは特許庁に対し手続を行い取得する権利です。意匠権者だけが

意匠登録を取得したデザインを製品化する等して実施できる 「 独占的 な権利」

です。

従って、自社の意匠について意匠権を取得しておけば、同じ様なデザインの

製品を製造販売する他社に対して、自社の意匠権の侵害を主張することができ

ます。

意匠権の侵害が行われた場合、生産の中止等を求め

る差止請求及び意匠権の侵害によって自社に生じた損

害の賠償を求める損害賠償請求を行うことができます。

2.意匠防衛のメリット

「意匠権」とは意匠登録を受けたデザインを独占的に実施することができる

権利です。従って、一つの意匠には一件の意匠登録しか存在することができま

せん。

従って、自社が先に意匠権を取得しておけば、他社が同様のデザインについ

て意匠登録を取得してしまい、自社が意匠を利用できなくなる事態を回避でき

ます。

意匠権は、特許庁で意匠登録を受けた登録意匠のほ

か、登録意匠に類似する意匠にまで及ぶ権利ですから、

幅広く自社の意匠の「防衛」を図ることができます。

3.信用向上のメリット

「意匠権」は、特許庁の審査官による厳正な審査を通過するとともに、特許

庁における意匠権の設定登録を受けることではじめて取得できる独占的な権利

です。

従って、自社のデザインについて意匠権を取得することで、発明・考案・意

匠・商標・著作権等の知的財産を重視している企業であるという評価が得られ

ます。

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また、意匠権を取得している企業であるということ

は、特許庁における意匠登録を取得できるだけの「デ

ザイン力」のある企業であるという信用が得られます。

4.利益確保のメリット

「意匠権」を特許庁で取得することにより、他社に真似されやすいデザイン

について、特許庁から意匠権という明確な権利を与えられ法的保護を受けられ

ます。

従って、意匠登録を受けておくことで、自社で開発したデザインを他社に譲

渡又はライセンスする場合に、意匠法に基づいて安心してスムーズに行えるの

です。

そうすると自社で意匠権を取得したデザインを製品化するだけでなく、他社

にデザインの譲渡やライセンスを行うことによる「利益の確保」も可能となり

ます。

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Ⅲ.意匠登録までの手続

1.意匠登録出願前の手続

自社で新しい工業的なデザインを考え出したならば、まずは意匠制度が保護

している「意匠」に該当するか否かを検討します。

自社のデザインが意匠に該当するならば、すでに同様のデザインが意匠権を

取得していないか、あるいは各種の刊行物やウェブサイトに掲載されていない

かについて「先行意匠調査」を行います。

このような先行意匠を検討した結果、自社のデザインについて他社がまだ意

匠登録を行っておらず、また刊行物やウェブサイトに掲載されていなければ、

自社が意匠権を取得することができます。

そしたら特許庁に対して願書及び図面(あるいは写

真・ひな形・見本)の2つの書類を提出して「意匠登

録出願」の手続を行います。

意匠登録の申請に際しては、特許庁に対して出願料

を特許印紙によって納めなければなりません。

2.意匠登録出願後の手続

意匠登録の出願を行うと、まず特許庁は出願人の提出した出願書類が意匠法

の定める様式に従っているかといった方式要件に関する審査を行います。従っ

て意匠法におけるこの審査を「方式審査」と呼びます。

次に、特許庁の審査官によりその意匠登録出願が工業上利用性・新規性・創

作非容易性等の意匠法の定める意匠登録要件を満たしているか否かについての

「実体審査」が行われることになります。

意匠法は、特許法における出願審査請求のような制度を採用しておりません

ので、審査の順番が来れば自動的に審査が行われることになります。意匠の出

願から審査まで約6ヵ月かかっています。

審査官が意匠登録の要件を満たす意匠であると判断した場合「登録査定」が

行われます。登録査定から30日以内に登録料を納めなければなりません。特

許庁が意匠権の設定登録を行うと意匠権が発生します。

最後に特許庁が意匠権の設定登録を受けたデザインを意匠公報に掲載するこ

とによって、特許庁において意匠登録を受けるための一連の手続は終了します。

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3.意匠登録審査後の流れ

一方で、審査官がその意匠登録出願は意匠登録の要

件を満たしていないと判断した場合は、出願人に対し

てこのままでは意匠権を認めることができない具体的

な理由を事前に知らせる拒絶理由通知を行います。

出願人は拒絶理由通知に反論を行う意見書や出願書類の誤りを修正する補正

書を提出して対応することができます。審査官が意匠の登録要件を満たしてい

ると判断すれば、意匠登録を取得することができます。

出願人がこのような意見書や補正書を提出しても、審査官がその意匠登録出

願は意匠登録の要件を満たしていないとの判断を変えないと、「拒絶査定」が

意匠登録出願に行われることになります。

出願人がこの拒絶査定に不服があるならば、この拒絶査定を受けた日から3

ヶ月以内に「拒絶査定不服審判」を請求することにより、特許庁の審判官に対

し更に不服を申し立てることができます。

審判官が意匠登録の要件を満たしていると判断を変えれば、意匠権を取得す

ることができます。しかし、審判官もその出願は要件を満たしていないとの判

断を変えなければ拒絶審決が行われることになります。

出願人がこの拒絶審決に不服があるならば、この拒絶審決を受けた日から3

0日以内に東京高等裁判所に「審決取消訴訟」を提起することによって、今度

は裁判所に審決への不服を申し立てることができます。

審決取消訴訟により拒絶審決が取り消されると、特許庁の審判において再度

審理を行うことになります。一方、審決取消訴訟でも拒絶審決が維持されると、

最終的に意匠登録を受けることができなくなります。

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4.意匠のフローチャート

特許庁における意匠登録出願から意匠権の取得までの意匠法が規定する手続

の流れをフローチャートにまとめると次のような図にまとめることができます。

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Ⅳ.意匠登録の費用料金

1.意匠登録出願の印紙代

意匠権を取得するに際しては、特許庁に支払う「印紙代」と特許事務所に意

匠登録の手続を依頼した場合に弁理士に支払う「 手数料 」 の2種類の 「 費用」

が必要となります。まず印紙代についてご説明します。

意匠登録を受けるには「出願料」と「登録料」の2種類の印紙代を納めるこ

とが必要です。出願料も登録料も、特許庁に対して特許印紙により支払います。

まず、意匠登録の出願をするための「出願料」は、一律に16,000円と

されており意匠登録の出願を行う際に納付します。

次に、意匠権を取得するための「登録料」は、1年分の登録料8,500円

とされており特許庁の審査官から意匠登録を認める旨の登録査定が送られてき

てから30日以内に納める必要があります。

従って、意匠登録に必要な印紙代の合計は16,000円(出願料)+8,

500円(登録料)=24,500円となります。

特許庁で意匠登録を行って取得した意匠権は、特許庁が意匠権の設定登録を

行った日から最長20年間維持することができます。しかしながら、意匠権を

維持するためにも登録料を支払わなければなりません。

意匠権を維持するために特許庁に支払う必要がある登録料の金額は以下の表

のとおりです。意匠権の登録を受けてから年数が経過することに伴って、意匠

登録料の金額が上昇していく料金体系になっています。

意匠登録年数 1年分の意匠登録料の金額

第1年から第3年まで 8,500 円

第4年から第 20 年まで 16,900 円

2.意匠登録出願の手数料

次に、特許事務所に意匠登録の手続を依頼した場合

に弁理士に支払う手数料についてご説明します。一般

的には手数料は出願時に支払う「出願手数料」と登録

時に支払う「成功報酬」の二段階で支払われます。

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日本弁理士会が調査した特許事務報酬(弁理士手数料)に関するアンケート

では、弁理士に支払う出願手数料と成功報酬をあわせた手数料の金額について、

次のような回収結果が得られています。

他の特許事務所にご依頼をされた場合の出願手数料と成功報酬を合計した手

数料の平均金額は、出願手数料104,125円+成功報酬63,562円=

167,687円[他特許事務所]です。

当特許事務所へとご依頼を頂いた場合の出願手数料及び成功報酬を合計した

手数料の平均金額は、出願手数料70,000円+成功報酬50,000円=

120,000円[当特許事務所]です。

そうすると、特許庁に支払う印紙代と弁理士に支払う手数料を合計した意匠

権の取得に必要となる費用の総合計額は、以下の表にまとめることができます。

ご料金比較 印紙代 手数料 合計

他特許事務所 24,500 円 167,687 円 192,187 円

当特許事務所 24,500 円 120,000 円 144,500 円

3.意匠登録出願の料金表

当特許事務所の弁理士に意匠登録の手続をご依頼頂

いた場合の「ご料金表」は以下の通りです。

1.他社意匠調査

弁理士が他社の意匠を調査して意匠権の取得可能性についてご報告します。

2.意匠登録出願

弁理士が意匠登録の出願に必要となる書類を作成して特許庁に提出します。

3.補正書の提出

意匠登録出願書類をはじめ特許庁に提出した書類について修正を行います。

4.意見書の提出

特許庁の審査官から拒絶理由通知が行われた際に審査官に反論を行います。

5.出願の分割

2以上のデザインが含まれている意匠登録出願を分割することができます。

6.出願の変更

意匠登録出願から特許出願又は実用新案登録出願に出願形態を変更します。

7.拒絶査定不服審判の請求

審査官から拒絶査定が行われた際に特許庁の審判官に不服を申し立てます。

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8.意匠登録

意匠登録の手続が完了し意匠権が発生したことをお客様へとご連絡します。

9.意匠権の契約締結

他社との間での意匠権のライセンスや移転譲渡の契約書の作成を行います。

10.意匠権の調査鑑定

お客様の製品が他社の意匠権や各種知的財産権に抵触しないか調査します。

11.特許権の紛争解決手続

日本知的財産仲裁センター等での意匠に関する紛争解決手続を代行します。

お手続きの内容 基本手数料額(消費税別)

ご相談 無料

他社意匠調査 20,000~ 40,000 円

意匠登録出願 70,000 円(他社意匠調査料含む)

補正書の提出 30,000 円

意見書の提出 40,000 円

出願の分割 30,000 円

出願の変更 100,000 円

拒絶査定不服審判の請求 150,000 円

意匠登録(成功報酬) 50,000 円

契約書の作成 50,000 円

意匠権の調査鑑定 150,000 円

意匠権の紛争解決手続 150,000 円

4.弁理士費用の割引制度

当特許事務所では、複数件の意匠登録をご依頼頂い

たお客様、又はご自身で図面等の書類を準備して頂い

たお客様を対象として、意匠登録出願及び成功報酬に

かかる当特許事務所のご料金を割引しております。

1.複数出願割引

当特許事務所に複数件ご依頼頂いたお客様には、2件目以降の意匠登録の出

願について、意匠出願料金(約7万円)と成功報酬(約5万円)から最大で2

0%(約2万4千円)までお値引きします。

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2.書類作成割引

意匠登録の出願に当たり必要となる図面等の書類をご自身で準備して頂いた

お客様には、意匠出願料金(約7万円)と成功報酬(約5万円)から最大で2

0%(約2万4千円)までお値引きします。

5.費用・料金のお問合せ

当特許事務所では、意匠登録の手続に関してのご費用・ご料金に関する弁理

士へのご相談・お問合せ・お見積りにつきましてはご料金を頂いておりません。

当特許事務所での意匠登録出願に必要なご費用・ご料金に関するご相談・お

問合せの他、意匠権の取得の手続に関するご料金のお見積りにつきましてはお

気軽にお問い合わせ下さい。

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Ⅴ. 意匠登録の出願様式

1.意匠出願書類の様式

自社のデザインについて意匠登録出願を行う際に意匠法によって特許庁に提

出することが求められる願書・図面・写真・ひな形・見本等の「書類」と「書

式」についてご説明します。

1.用紙の大きさ

意匠出願の用紙は、A4用紙(横21cm・縦29.7cm)を用います。

2.文章の書き方

文章は、左横書き、1行は36文字、1頁につき29行以内で記載します。

3.文字の大きさ

文字は、全角文字、黒色、10~12ポイントの大きさにより記載します。

4.ページ数記入

複数頁ある場合には、各ページのヘッダーの右端に

ページ数を記入します

5.見出しの括弧

願書及び添付書面の各見出しには【書類名】願書の

ように【】を付けます。

2.意匠登録願書の記載

意匠登録の出願に当たっては、特許庁に対し願書と図面の2つの書類を提出

する必要があります。「願書」の主要な記載事項は以下の10項目になります。

1.書類名

「願書」のタイトルの部分には「意匠登録願」と記載します。

2.整理番号

ローマ字、算用数字、ハイフン等を用いた10字以下の記号を記載します。

3.提出日

特許庁に対し意匠登録出願に関する書類一式を提出する日付を記載します。

4.あて先

「特許庁長官殿」と記載して下さい。

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5.意匠に係る物品

意匠法施行規則の別表第一及び第二に従って具体的な物品名を記載します。

例えば、鉛筆に関するデザインを出願する場合には「鉛筆」と記載します。

6.意匠の創作をした者

出願する意匠を創作したデザイナーの住所又は居所及び氏名を記載します。

7.意匠登録出願人

意匠権を取得する出願人の住所又は居所並びに氏名又は名称を記載します。

8.提出物件の目録

図面、写真、ひな形、見本等の内、特許庁に提出する物件名を記載します。

9.意匠に係る物品の説明

意匠登録出願を行う意匠に係る物品の使用目的や使用状態といったその物品

の理解を補助するための説明を記載します。例えば、多機能製品や新規な製品

を出願する場合には意匠に係る物品の説明が必要です。

10.意匠の説明

意匠登録出願を行う意匠に係る物品の材質又は大

きさが特殊である場合、透明な部分がある場合、黒又

は白の着色を省略した場合、形態が変化する場合には、

それぞれの特殊な事情についての説明が必要です。

3.意匠登録図面の記載

意匠登録出願に際は、原則として「図面」に意匠登録を受けたい意匠を描い

て特許庁に提出する必要があります。図面の基本的な描き方は以下の通りです。

1.意匠登録図面の大きさ

図面は、横150mm、縦113mmを超えて記載することはできません。

2.意匠登録図面の線の幅

実線及び破線の太さは約0.4mmです。鎖線及び切断面を表す平行斜線の

太さは約0.2mmです。

3.意匠図面に用いる図法

以下のような正投影図法により各図同一縮尺で正

面図・背面図・左側面図・右側面図・平面図・底面図

の六面図を一組の図面として作成します。必要があれ

ば斜視図・断面図・使用状態説明図等も作成します。

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斜視図 正面図

背面図 右側面図

左側面図 平面図

底面図 断面図

4.意匠登録写真の記載

1.写真で出願ができる場合

意匠登録出願の対象となる意匠を写真によって明確に表現できる場合には、

上記のような図面を特許庁に提出するのではなく、意匠登録出願を行う意匠を

撮影した「写真」を特許庁に提出することもできます。

2.意匠登録写真の現像寸法

横150mm、縦113mmを超えた大きさで提出することはできません。

3.意匠登録写真の撮影方法

上記の図面と同様に各図同一縮尺で撮影した正面図・背面図・左側面図・右

側面図・平面図・底面図の六面図を一組の写真として作成します。必要がある

なら斜視図・断面図・説明図も作成します。

背景等の意匠以外のものが写真に映らないように撮影する必要があります。

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5.意匠ひな形及び見本

1.ひな形や見本で出願できる場合

意匠登録出願については、上記のような図面や写真

を特許庁に提出するのではなく、意匠登録出願を行う

意匠を表した「ひな形」(模型)や「見本」(サンプル)

を特許庁に提出することも認められています。

但し、意匠登録の出願の対象となる意匠が壊れにくいものであり、簡単に変

形や変質することがなく、取扱いや保存に不便でないものでなければなりませ

ん。

また、ひな形や見本を提出できる場合としては、その大きさが縦26 cm・横

19 cm 以下の意匠であって、その厚さが7mm以下の意匠に限定されています。

2.ひな形及び見本を提出する方法

まず、A4の大きさの台紙を用意し、意匠登録出願の出願人の氏名、出願日、

出願番号、意匠に係る物品等を記載します。そして、ひな形や見本を収納した

丈夫な袋を台紙に貼り付けて提出します。

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Ⅵ.意匠登録の質問相談

Q1.特許庁への意匠登録出願は毎年どれぐらいの件数が行われていますか?

A1.日本における意匠の出願は1年間に約3万1千件行われています(20

18年)。

Q2.申請された意匠の内どれぐらいの件数が意匠登録を取得していますか?

A2.日本国内では毎年約2万8千件の出願が意匠権を取得しています(20

18年)。

Q3.出願を行ってからどれぐらいの期間で意匠登録を取得できるのですか?

A3.特許庁の審査官が出願人に意匠登録の可否について最初の判断を示すま

で、意匠登録の出願を行ってから約5.9ヶ月かかっています(2018年)。

Q4.個人で意匠の出願を行い意匠権を取得することは意匠法上できますか?

A4.個人の方が意匠の出願を行って意匠権を取得することはもちろん可能で

す。個人の方も毎年約2千4百件の意匠の申請を行っています(2018年)。

Q5.特許庁に対し意匠を申請する際にどのような書類を提出するのですか?

A5.意匠登録出願には願書と図面の2つの書類を特許庁に提出する必要があ

ります。但し、図面の代わりに写真・ひな形・見本を提出することもできま

す。

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© 弁理士 中川 淨宗

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