行動追跡技術としての 床面に敷設された rfid の読み取りに関する研究

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2006 RFI Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System. 1G03 175 1

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2006年度,卒業論文,渡辺英俊

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Page 1: 行動追跡技術としての 床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

2006

卒業論文

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

早稲田大学理工学部建築学科

1G03D175-1 渡辺英俊

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WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

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□はじめに

建築は社会、文化、技術、経済などの様々な背景が絡み合った中で形成されるものである。

日本の住宅は原始時代には地面を掘った竪穴住居であった。平安時代には貴族の住まいとして寝殿造が成立した。そして、室町時代になると書院造が現れ、畳を敷き詰め、障子戸を用い、床の間などの座敷飾りが造られるようになった。さらに江戸時代に入り、茶室の要素を採り入れた数寄屋造りの住宅も造られるようになった。近世初期、農家も次第に発展し、土間を台所や作業場などに使い、床を造り食事や就寝のための部屋が造られていった。工法も礎石の上に柱を据え、梁を複雑に組み合わせて造るように変わった。明治時代になると洋風の住宅が出現し、 大正時代以降、和洋折衷の文化住宅が多く造られた。 第二次世界大戦後になると、大量供給型の住宅が造られるようになった。

文章にするとあっという間であるが、住宅だけをとってもこのように長い年月をかけて少しずつ変化していったのである。コンピュータ化された現代の世界にあって、これからの建築はどのように変わっていくのだろうか。

私がこの研究をはじめたきっかけは、技術的な意味で建築の新しい可能性を感じたからである。

はじめに

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

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目次

 2.1  RFID  2.1.1 RFID 概要  2.1.2 タグの種類  2.1.3 通信方法  2.1.4 使用する電波の周波数帯  2.1.5 期待される用途  2.1.6 バーコードとの違い  2.1.7 普及への課題 2.2 既存の行動追跡技術  2.2.1 赤外線  2.2.2 GPS  2.2.3 映像解析(モーションキャプチャ)  2.2.4 超音波(ソナー)  2.2.5 レーダー  2.2.6 アクティブタグ 2.3 行動追跡技術位置づけ

 1.1 研究背景  1.1.1 建築業界の動向  1.1.2 スリッパ型RFID による行動追跡システム  1.1.3 スリッパ型RFID リーダによる行動追跡システムで可能になること 1.2 既往研究 1.3 研究目的 1.4 研究概要 1.5 語句の定義

はじめに

第一章 序論

第二章 基礎調査

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目次

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 3.1 実験概要 3.2 実験の流れ 3.3 歩行パターンの組み合わせ

第三章 実験

第四章 分析

第五章 結論

おわりに・謝辞

■付録

 4.1 分析概略  4.1.1 分析の三軸  4.1.2 行動追跡精度  4.1.3 歩行距離の算出  4.1.4 タグ読み取り距離の算出  4.1.5 空間へのタグの貼付け 4.2 行動追跡精度表 4.3 行動追跡精度分析

 5.1 考察 5.2 研究のまとめ 5.3 展望 5.4 問題

1 参考文献・参考資料2 資料:データ

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313435

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目次

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Chapter 1

序論

Introduction

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近年、建築分野では nLDK住居への批判として吹き抜けを用いた一室居住型住宅が再注目され、若年層を中心に人気が高い [1]。こうした住宅は、固定的な壁やドアではなく、動かすことのできる家具や調度品などにより不明確に空間を仕切り、雰囲気や気配を伝えあうことで生活者同士の連帯を醸成できるところに特徴があるが、ライフスタイルの変化に応じて空間を自在に変化できるため、建築資産のサステナビリティが高い住宅として評価されている。

また、近年RFID という無線通信の技術の発展が著しい。身近な活用方法としては、駅やレジャー施設などゲートのある場所への入退場管理がある [2]。建築業界においては建築資材のトレーサビリティと物品管理においてまず導入が始められている [3]。しかしながら、パッシブ型 RFID タグを建材の流通段階で用いても、竣工後も二次利用可能な RFID タグの決定的な利用方法が提案されておらず、RFID タグにかけたコストが建築のライフサイクル全体で活かされないという懸念があり、そのことが流通段階での普及にも影響を与えてしまっている [4]。

1.1 研究背景

■参考文献 [1] 難波和彦 : 箱の家に住みたい , 王国社 , 2000 年 [2] システム企画社 : 月刊ユビキ , 2006 年 10 月号 , 2006 年 [3] 中村裕幸 , 野城智也 , 吉田敏 , 村井一 : 電子タグを用いた木材トレーサビリティ実証実験 その 1 持続可能な森林経営のためのデマンド・プル型木材流通システム , 日本建築学会大会学術講演梗概集 , 2006年 [4] 建築研究開発コンソーシアム : 建築分野における ICタグ活用方策の検討 活動報告書 , 2006 年

1.1.1 建築業界の動向

1 序論

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フローリングやタイルなどの床仕上げ材ひとつひとつに流通段階で RFID タグが貼付された場合、このRFID タグ情報と空間の位置情報とを施工時に関連づけておくことで、これを読み取る居住者の定位を容易に行うことができる。渡辺仁史研究室ではシステムの実現可能性を検証するためにまずスリッパ型のRFIDリーダーを作成した。これを用いて歩行動作によるRFIDタグの読み取り実験を行った。これにより、床下に張られたRFID タグを歩行動作によって読み取ることは可能であることが検証された [5]。

ビデオ解析による動線記録手法と比べた場合、圧倒的に低労働コストであり、映像死角などの問題や機材を設置する手間が省け、テープ交換による人的負担や資材コストも発生しない。何より、撮影対象者が録画されているという精神的負担感を排除することができる。RFID の場合、タグだけではなくリーダーも安価に手に入れることができるようになっているが、本システムの場合、流通段階で用いたRFID タグを再利用することが前提なので、リーダーのみのコストを考えればよく、これは建築コストとして計上することも十分可能な範囲にある。

■参考文献 [5] 林田和人 , 遠田敦 , 渡辺仁史 : 歩行時における床面に敷設されたRFID の読み取りに関する研究 , 日本建築学会大会学術講演梗概集 , 2006 年

1.1.2 スリッパ型 RFID による行動追跡システム

1 序論

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□新しい生活空間の可能性スリッパ型RFID による行動追跡システムは空間内の環境演出(照明、空調、音響、映像表示、フェイルセーフ)に大きな役割を果たすと考える。具体的なイメージを以下に示す。

1.1.3 スリッパ型 RFID リーダによる行動追跡システムで可能になること

図 1.1 空間内の環境演出

図 1.2 ドアの開閉(大人)

図 1.3 ドアの開閉(子ども)

床にRFID タグが敷設されている空間でスリッパ型リーダを装着して生活すると、生活者の位置情報を得た空間から様々なフィードバックがある ( 図 1.1)。従来のシステムと違うのはリーダによる人物認証が可能で人間が誰であるかまで判別するので、使用する人に合わせた環境コントロールが可能である点である。人の嗜好、使いやすさに合わせて自動的にコントロールされる。また、同じ空間内に複数の人がいる場合も誰かに重点をおいた環境設定や複数の人の平均をとった環境設定などが可能である。

また行動を追跡したデータは空間内だけでなく、地域の人々、かかりつけの医師などに転送することで地域レベルの見守り技術として利用することが出来る。

■ドアの開閉イメージリーダによる人物認証大人の場合ドアが開いて入る事が出来る。

リーダによる人物認証子どもの場合ドアが開かないので入る事が出来ない。

音響

空調

照明

照明

開く

開かない

1 序論

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図 1.4 空間イメージ t0

図 1.5 空間イメージ t1

図 1.6 空間イメージ t2

図 1.7 空間イメージ t3

図 1.8 空間イメージ t4

■照明イメージ

床にRFID タグが敷設されている空間

人が空間に入るスリッパ型リーダが床から位置情報を取得するサーバへ情報を転送するサーバが環境をコントロールする

照明がつく

スリッパ型リーダが床から位置情報を取得するサーバへ情報を転送するサーバが環境をコントロールする

二つ照明がつく

スリッパ型リーダが床から位置情報を取得するサーバへ情報を転送するサーバが環境をコントロールする

照明が一つ消えるドアの鍵があく

人が空間から出るサーバが環境をコントロールする

照明が消えるドアに鍵がかかる

1 序論

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1.2 既往研究

渡辺仁史研究室でのRFID を使った研究には以下のようなものがある。

林田和人 , 遠田敦 , 渡辺仁史 : 歩行時における床面に敷設されたRFID の読み取りに関する研究、日本建築学会大会学術講演梗概集、2006 年

白旗 和朗 , 渡辺仁史:レジャー施設におけるコミュニケーション支援に関する研究、日本建築学会大会学術講演梗概集、 2005 年

また RFID をはじめとする無線通信技術の研究は他学会で数多く行われている。以下示す。

村松泰起、鍛冶秀紀、楠房子、矢入郁子:対面環境におけるコミュニケーションの活性を目的としたインタラクィブコンテンツの実装と評価、情報処理学会、2005 年

大村廉、納谷太、野間春夫、小暮潔:B-Pack: 看護師行動認識のための無線ウェアラブルセンシングプラットフォーム、情報処理学会、2005 年

市原貴雄、伊藤禎宣、間瀬健二、國藤進:ネットワークの構築が困難な環境における光学タグを用いた情報収集システム、情報処理学会、2005 年

1 序論

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1.3 研究目的

□仮説 建築資材の管理のために床材に使用されたRFID タグを、空間内での行動追跡技術として応用できる。床面のRFID タグを読み取るためのRFID リーダをスリッパ型にすることで、歩行という人間の基本的な行為の中で人間の位置情報をリアルタイムで取得し、その得られた記録を行動追跡システムへと還元できる。実際の歩行軌跡とRFID タグから得られる記録の軌跡を比較した際に、歩行動作、歩行速度、貼付け密度、そしてリーダの性能などが、行動追跡技術としての記録動線の精度に大きく関わってくる。

□目的床面に敷設したRFID タグとスリッパ型RFID リーダを用いた行動追跡システムにおける、歩行動作、歩行速度、貼付け密度、リーダの位置と記録動線の精度の関係を明らかにする事によって、空間内での行動追跡技術としてのRFID の有用性について検証する。

1 序論

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1.4 研究概要

□研究の流れ 研究全体のフローチャートを簡単に示す(図 1.9)。

1 序論

図 1.9 研究フロー

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1.5 語句の定義

□スリッパ型 RFID リーダ

■デバイス概要

RFID リーダ(OMRON L720)のアンテナがスリッパに内蔵されていて、有線で PDA(東芝 genio e830w)と連結されている(図 1.10)。PDAではリードプログラムが常時起動しており、スリッパ底のアンテナがRFID タグに反応した瞬間にそのタグ番号を無線 LAN経由でサーバに転送する。サーバではRFID タグの番号と空間位置とを対応させたデータベースがあり、PDAから受信した番号コードを元にして利用者の位置を特定している。

□行動追跡精度(トレース精度)

スリッパ型RFID リーダを使用した行動追跡技術の行動追跡精度は、実際の歩行距離に対するリーダが読み取ったタグの軌跡距離の比で求めている(図 1.11)。このシステムでは実際に通過した場所のタグしか読まないという事と、タグを通過した時間とタグを読み取った時間は等しいことから、ある限られた時間内での動きに関する図形的な近似値を求める場合には距離の比によって得られると考えたためである。

1 序論

図 1.10 デバイス写真

図 1.11 行動追跡精度の求め方

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□スリッパ型 RFID システム概要

床下埋設RFIDタグの場所情報をスリッパ型リーダで取得し、この通過地点の場所データを (インターネット経由で)サーバに送信する。サーバにタグの場所情報の履歴が蓄積されていく。サーバに蓄積されたデータの履歴を見る事で歩行者の行動の軌跡を認識できる(図 1.12)。 また、位置情報を空間内の環境演出 ( 照明、空調、音響、映像表示 ) に応用する。

1 序論

図 1.12 スリッパ型 RFID システム概要

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基礎調査

Surveys

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2.1.1 RFID 概要

RFID(Radio frequency identification の略 ) は、ID 情報を埋め込んだタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般を指す。

これに用いるタグをRFタグと呼び、無線通信によって外部からその情報を読み書きする。従来は、複数の電子素子が乗った回路基板で構成されていたが、近年、小さなワンチップの IC ( 集積回路 ) で実現できるようになってきた。この場合は ICタグと呼ばれ、そのサイズからゴマ粒チップと呼ばれることもある。

JR東日本で使われている「Suica( スイカ )」などの非接触 ICカードも、同様の技術を用いている。狭義な意味では、タグとリーダとの間の無線通信技術であるが、技術分野としてはそれにとどまらず、タグを様々な物や人に取り付け、それらの位置や動きをリアルタイムで把握するというシステム全般まで含めて語られる。 実世界のモノを、デジタルの仮想世界と結びつけて認識や操作ができるようになるという点が、社会的に様々な波及効果を与えると考えられている。( 期待される用途を参照。)

2.1.2 タグの種類パッシブタグ ( 受動タグ ) とアクティブタグ ( 能動タグ )、そしてセミパッシブタグの3種類。

1. パッシブタグパッシブタグとは、タグリーダからの電波をエネルギー源として動作するRFタグで、電池を内蔵する必要がない。タグのアンテナはタグリーダからの電波の一部を反射するが、ID情報はこの反射波に乗せて返される。反射波の強度は非常に小さいため、アクティブタグに比べてパッシブタグの受信距離は比較的短くなるが、安価に出来ること、ほぼ恒久的に作動することから、今後の普及の本命と目されている。タグリーダ側は、比較的強めの電波を供給し、タグからの非常に微弱な反射波を受信・解読できる必要がある。IC そのものにアンテナが埋め込まれている場合も多いが、その場合、通信可能距離は数センチオーダーに制限される。通信距離を伸ばすには、ICの外部にアンテナを取り付けることが必須となる。RFID に期待が高まっているのは、このパッシブタグが非常に安価 (10 円以下 ) 生産できる見込みが出てきたためである。2. アクティブタグアクティブタグは、電池を内蔵したタグである。自ら電波を発するので、通信距離が長く取れる。(10-100メートル以上 ) またセンサーを内蔵して、自発的にその変化を通知することが出来るので、センサーネットワークとしての用途が期待されている。3. セミパッシブ・タイプパッシブタイプと同様に , リーダからの通信にタグが応答する形を取るが , 電池を内蔵することで通信距離を 1m~数m程度に伸ばすことが可能 .

2.1 RFID

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また、電磁波の伝達方式で、以下の 2つに分類することもある。

1. 電磁誘導方式タグのコイルとリーダのアンテナコイルを磁束結合させて、エネルギー・信号を伝達する方式。電波方式に比べて、エネルギーを効率的に伝達できるので、開発が先に進んだ。Suica はこちらの方式である。電磁波の周波数としては、135kHz、13.56MHz で、この方式が採用されている。パッシブタイプでの通信可能距離は最大でも 1m程度である。

2. 電波方式タグのアンテナとリーダのアンテナで電磁波をやりとりし、エネルギー・信号を伝達する方式。電磁波を空間に放射して伝達するので、電磁誘導方式に比べて、より遠くのタグと通信が可能になる。が、タグが受け取れるエネルギーが極めて微弱であるため、パッシブタイプのこのタグは、最近になってようやく実用化された。電磁波の周波数としては、900MHz 帯、2.54GHz で、この方式が採用されている。通信可能距離はパッシブタイプで3-5mである。アクティブタイプでは、電波強度さえ許せば数キロメートルオーダーでも通信可能である。

アンテナで伝達するという点で 2者に基本的な違いはないが、この 2つの違いは、電磁波の波長とアンテナ間の距離で決まる。波長に対して距離が長ければ、空中を伝搬する電磁波として伝達され、短ければ空間放射されるよりも前に、電界・磁界の変化が他方のアンテナに伝わる。

2.1.3 通信方式パッシブタイプのタグでは、タグ内部に整流回路が内蔵されており、タグリーダからの電波を整流して、直流に直し、それを電源として、IC が動作する仕組みになっている。 通常、リーダからの電波は、プリアンブルに続きコマンド bit 列で変調されたものである。この後にさらに無変調のキャリアが続く。 プリアンブルの部分で、ICの初期動作に必要なだけのエネルギーが蓄えられる。そしてコマンド bit 列を復調して解釈し、無変調部キャリアの部分で反射波に返答を乗せて情報を返す。 リーダからの変調およびタグの返答の変調には、振幅変調、周波数変調、位相変調、あるいはその組み合わせ変調が用いられる。 パッシブタイプのタグでは、必ずリーダからの送信が始めにあって、タグはそれに応えて情報を返す。つまり、タグから自発的に情報を出すことはない。これに対して、アクティブタイプのタグでは、情報を自発的に発することが可能である。 定期的に情報を発信するタイプ、センサーを内蔵してその変化があったときに発信するタイプ、 などがある。もちろん、リーダからのコマンドに応答して返答するタイプも存在する。

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2.1.4 使用する電波の周波数帯

■ 135kHz135kHz のタグは、もっとも歴史的に長く使われている。世界的にも規格が統一化されているが、電磁誘導方式であるため、通信可能距離が数十センチメートル前後と短い、アンテナがどうしても大きくなることなどから、UHF帯、2.45GHz のタグに取って代わられるものと予想される。

■ 13.56MHzこれも電磁誘導方式である。 現状では、もっとも広く使われているのが、この 13.56MHz のパッシブタイプのタグである。 CD、ビデオショップなどで盗難防止用によく使われているのを目にするであろう。Suica もこの周波数を使っている。通信可能距離は最大 1m程度である。

■ 433MHz欧米では国際物流用に使用されているといわれる。しかし、日本ではアマチュア無線の周波数帯の一つ(430-440MHz) であり、一部の実験が行われた程度に留まる。( 欧米の 430MHz 帯アマチュア無線の周波数は、420~450MHz と日本の 3倍の周波数幅があり、問題が表面化しにくい事情がある )

■ 860-960MHz昨今 IC タグといえば、この 900MHz 帯か、2.45GHz が注目されている。 UHF 帯である。 日本では既に携帯電話や業務無線などで使われており、RFID で使うことは認可されていない電波帯であったが、2006年 1月改正の国内電波法によりRFID でも利用可能となった。電波の波長が身の回りの物品のサイズと近いため、電波の回り込みが期待できる。そのため、多少の障害物があっても通信が可能であり、距離が一番稼げる周波数である。大量普及の最有力候補と目されている。 通信可能距離は 2~3m程度、ベストケースでは 5m程度が期待できる。

■ 2.45GHz電磁波としてはマイクロ波の帯域になる。 波長が短いため回り込みが起き難く、900MHz 帯にくらべて距離が稼げない。通信可能距離は 2~3m程度である。 しかしアンテナが最も小型になることから、そのような要求の高いアプリケーションでは、普及するであろう。日本でもRFID として使うことが、既に認可されている電波帯である。

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2.1.5 期待される用途

■流通サプライチェーン・マネジメント (SCM:Supply Chain Management) で期待されている。工場で生産した段階で製品にタグを貼り付け、その後の配送ルートで物品の動きを追跡するという用途である。例えば、コンビニエンスストアでコーラが 1本売れたら、コーラ工場での生産数を 1本追加する、あるいは、今こちらの倉庫に在庫が多いからこっちから配送しよう、といった生産の合理化が図れる。これは現状でも、バーコードにより実現されているシステムであるが、RFID の技術を使うことにより IDの読み取りが自動化され、人間がバーコードリーダを操作するという手間がなくなり、効率がさらに向上すると期待されている。

■履歴管理 RF タグには書き込みが可能なので、物品の流通過程で、その物がどこを通って、どういう加工をされて、どこに出荷されたか、といった履歴情報を、移動、加工の都度、記録することが出来る。これにより、例えば牛肉の産地や生産者・賞味期限を記したり、狂牛病の BSE 問題を管理したり、ブランド品の真贋判定をより確実にしたり、といった用途が考えられている。

■物品管理 図書館やビデオライブラリーなど、物品が大量にあって、それを管理する必要がある場所での利用が期待されている。いつ、どこで、だれが、その物品をどこへ移動させたかを自動的に認識できるようになる可能性がある。図書館の貸出、返却を自動化したシステムは、一部でもう実用化されている。

■プレゼンス管理 人が今どこに居るのかという情報を、プレゼンス情報と言い、今後のビジネスで重要視されている。人がRFタグを常時携帯することにより、今は会議室、今は本人の机、今は外出中、といった情報を、仕事仲間が瞬時に把握できるようになる。

■センサーネットワーク センサーを様々な場所に取り付けて、そこから包括的な全体情報を抽出して、意味のあるデータを得ようという試みが進行中である。( データマイニング、コンテキストアウェアネスも参照。) 例えば、タクシーのワイパーが動いていると反応するセンサーをたくさん集めると、都市内の詳細な降雨情報が得られる。

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2.1.6 バーコードとの違い

RF タグは、既存のバーコードと対比して語られることが多い。一見何が違うのか分かりにくいが、以下の点に要約される。

■読み取り範囲が広いバーコードは、バーコードリーダが読める位置に、人間が意図的に持ってこなければ読めないが、RFタグでは、読み取り範囲が広く、また読み取れる方向も自由度が大きいため、おおまかな位置決めで読むことが出来る。これにより人の作業が省力化される。

■一度にたくさんのタグが読める。数十ミリ秒 ~数百ミリ秒でひとつのタグを読むことが出来る。また、多くのタグが密集して配置されていても、それぞれを見分ける技術 ( 衝突回避 ) が開発されているため、RFタグが多少重なっていても、読み取りが可能である。 これも人の作業の省力化につながる。

■書き込みが可能バーコードは印刷物なので変更できないが、RFタグは書き込みが可能なものがある。流通過程の履歴情報などを書き込むことで、新たな利用方法が期待されている。

■見えなくても読めるRFタグが目に見えない隠れた位置にあっても、タグ表面がホコリ、泥などで汚れていても読み取り可能である。このため、バーコードよりも広い用途が期待される。

2.1.7 普及の課題上記のような用途が本格化するのは、タグリーダのインフラが十分に整った後の話であり、 そこまで普及するためには、数々の問題を克服しなければならない。

■タグの価格流通用途に大量に使用するためには、タグの価格を低く抑える必要がある。 10 円以下という話がよく引き合いに出されるが、実際の運用では 1円以下が望ましいともいわれる。

■タグの付加従来のバーコードと同じく、単品毎にタグを付加しなくてはいけない ( コンテナ、パレット、ケース単位にタグを付加する場合もある )。メーカーで製造される時点で付加されるソースタギングまたは、自前で付加するインストアタギングの工程が必要となる。コストの低減を行うには自動化の実施は必然となり、それに対応する機械も開発、普及が望まれる。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 2 基礎調査

■データベースシステムRFID のシステムで誤解されやすいが、RFタグ自体に、例えば野菜の生産方法や農薬の使用状況などのさまざまな情報 ( トレーサビリティ情報 ) が保存されていることはほとんどなく、RFタグに記録されているのは概ね個体を識別する情報のみであることに注意する必要がある。前述のような、本来参照したい情報については、個々の識別情報に対応したデータベースを構築し、これを参照することで得られるものである。この点については、現在広く使用されているバーコードシステムと同じである。

今後、RF タグを利用して食品のトレーサビリティ情報を一般に公開していくとすれば、その ID からひも付きデータを引っ張ってくるためのデータベースシステムが、今以上に重要になってくる。また、RFID の情報と、データベース情報のひも付けについては全くユーザ側からは見えない部分であることから、その信憑性についてどのように保証するかという点も重要になる。

現状でも、大規模なデータベースを構築するには、多大な費用と労力を要するが、それ以上のものを低価格でいかに信頼性を高く作るかが、あまり注目されていない隠れた大きな課題である。

■プライバシーの保護最近では RFタグに搭載される記憶素子の容量と機能 ( 読み書きなど ) は増加傾向にあり、トレーサビリティ情報が直接記載されるケースもあるため、それらを不正に組み込まれた場合は個人情報の漏洩にもつながる。

■考え得るトラブル1. タグが付いているのか判らない服を着て街をあるけば、その人がどんな素材で、どんな価格の物を購入したのかが周辺に判ってしまう。2. 所持品が紛失した場合は所在を調べるのに役立つが、個人が持ち歩けばその個人の行動経路も第三者に知られてしまう。3. 意図的に個人や物品にタグを付けて商業的なリサーチを行う場合、悪意を持ってそのタグを関係のない物に付けると精度の低いデータとなってしまう。

IDのみを記録したRFタグを利用する場合であっても、1は、IDと商品情報がリンクされているデータベースが漏洩すると起こりうる。2、3のトラブルは無条件で起こりうる。このように、タグは用途が終われば取り外せる様に工夫したり、不必要な情報は記録しないなど、プライバシーを守る仕組みを検討すべきと指摘されている。 例えば、大根に付けられたタグは、スーパーのレジで精算をすると同時に、その機能を消去するというような仕組みを入れることが検討されている。

■参考 フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』 

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 2 基礎調査

□赤外線カメラ

□概要近赤外線に感光する赤外線フィルムやカメラなど映像装置を用いることで、特殊なメリットを得ることができる。赤外線は可視光に比べて波長が長いため散乱しにくい性質があり、煙や薄い布などを透過して向こう側の物体を撮影するために用いることができる。あくまで光であるため、近赤外線光が当たっていない物体は写らず認識できない。一方で、赤外線は目に見えないため、外部に近赤外線光源を持つことで、被写体に気付かれることなく夜間などでも撮影することができる。100m先の物体を照らすことのできる光源も存在する。これらの利点から、軍事用の暗視スコープでも利用されている。ライトや星から放たれるわずかな可視光線・近赤外線を増幅し、明瞭な画像を得るものである。

赤外線カメラは、可視光をシャットアウトする赤外線フィルタを通して用いる。なお赤外線は可視光と比べてガラスに対する屈折率も小さいため、撮影の際には焦点距離を大きく取る必要があるものもある。そのため、一部のレンズについては通常の光で焦点を合わせた後、赤外線でピントを合わせるための目印を付けたものもある。近年の世界的な治安悪化で、近赤外線まで感度分布を持つCCDカメラに、赤外線LEDランプ照明を使用したセキュリティ用監視カメラが、多方面に使用されてきている。赤外光を利用して夜間でも相手に気付かれず、相手を刺激せずに撮影することができる。街中の監視カメラや各種料金所ゲートのカメラから、家庭用のドアホンまで幅広く利用されてきている。

2.2 既存の行動追跡技術

2.2.1 赤外線

■参考 フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』 

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□熱映像装置

□概要遠赤外線領域を検知する映像装置を使うと、熱源となる物体や生物の存在を検知することができる。また、遠赤外線の強度を解析することで温度分布を割り出し表示する映像装置が、サーモグラフィー ( 熱映像 )である。通例、高温の部分を赤い色で、低温の部分を青い色で表示するものが多い ( 当然ながら実際の色とは何の関係もない )。熱映像装置は、肉眼で見ればどんなに暗い場所においても、他の人間などの存在を確実に認識することができる。しかし、ボロメータ型撮像素子の場合、温度差が存在しなければ何も検知することができない。例えば、気温が 30度を超えるようなときには、周囲と人間を見分けることは極めて難しい。

また、量子型映像装置が外部に近い温度を持っていると映像装置内部が発する熱に感光してしまい使い物にならない。そのため量子型熱映像装置の検知部は被写体に比べ十分に低温に保つ必要がある ( 人工のものの場合数十度の差、熱映像視野を持つ蛇などは数度の差 )。被写体がより低温である場合は、原理的に検知・撮影することができない。

遠赤外線は近赤外線よりも更に波長が長いため透過性なども更に大きいが、映像装置としては極めて分解能が低くなる。 赤外線撮像素子には大きく分けて量子型とボロメータ型の 2通りがある。 量子型赤外線撮像素子は CCDや CMOS 撮像素子と同様に光子が PN接合に入射した時に生じる電荷を検出することで撮像する。 ボロメータ型赤外線撮像素子は赤外線の入射に伴う温度変化を検出する事で撮像する。 量子型は熱雑音の影響を受け易い為、撮像素子を冷却する必要があるが、ボロメータ型は相対的な熱量を検出する為、非冷却も可能。量子型は用いる半導体の種類により、赤外線の波長により感度が変わる ( 波長依存性 )。一方、ボロメータ型は感度は、ほぼ一定である。量子型は熱源の移動や温度の変化に対して追随性が良いが、ボロメータ型は素子の熱容量に影響を受ける為、量子型に比べ追随性に劣る。 ボロメータ型は強誘電性材料の自発分極を利用した物や、熱電対を利用した物や、トムソン効果を用いた物がある。 近年では、MEMSの技術の発展により開発が進みつつある。

■参考 フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』 

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グローバル・ポジショニング・システム (GPS:Global Positioning System ) は、全地球測位システム、汎地球測位システムとも言い、地球上の現在位置を調べるための衛星測位システム。元来は軍事用のシステム。ロラン -C(Loran-C、Long Range Navigation C) システムなどの後継にあたる。

□概要米国が軍事用に打ち上げた 29 個の GPS 衛星から衛星の軌道と、衛星に搭載された原子時計からの時刻のデータを含む電波信号をGPS 受信機で受け取り、受信した電波の時間差により衛星からの距離を算出し三角測量の原理を用いて受信機の位置を特定する。二個の衛星の電波を捉えれば地球上の平面での位置がわかり、3個以上の衛星の電波を捉えればさらに高度の情報を得ることができる。軌道上の 20数個の衛星で地球上の全域をカバーできる。また、地上局を利用するロラン -C と異なり、受信機の上部を遮られない限り、地形の影響を受けて受信不能に陥る事が少ない。

GPS 衛星からの L1電波 (1.57542GHz) には C/A コードと暗号化された P(Y) コードの 2種類の信号が載せられている。P(Y) コードは軍事目的のため精度は非常に高い ( 一説には 16cm) といわれ、ミサイルや誘導爆弾の誘導に用いられている。民生用に利用が許されている暗号化されていないC/A コードのデータを用いると 10m程度の精度の測量となる (95%以上の確率で正確な緯度経度から 10m以内の座標が得られる。これは瞬間的な精度であり、長期間受信し続けることにより精密な測量も可能である )。正確な時計を持ち、座標のわかっている固定局でのGPS 受信データと移動GPS 受信機のデータとを使いその差で位置を特定し、精度を上げるなどの仕組み ( ディファレンシャルGPS、Differential GPS、DGPS) も確立されている。また、米国以外で開発されたGPS と同様の目的のシステムとしてGLONASS( ロシア )、Galileo( ヨーロッパ諸国ほか 計画中 ) がある。

1990 年から 2000 年までは、米国の軍事上の理由 ( 敵軍に利用されることを防止する ) で、民生GPS 向けのデータに故意に誤差データを加える操作 (Selective Availability, 略称 SA) が行われ、精度が 100m程度に落とされていた。2004 年現在、民生GPS でも元の精度が得られるようになっているが、米国の政策上の必要に応じて精度低下の措置がとられるとされている。

2.2.2 GPS

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民生用GPS 受信機は当初航空機、船舶、測量機器、個人携帯 ( 登山等 ) 用に利用されてきたが近年は自動車 ( カー・ナビゲーション・システム、以下カーナビ ) や携帯電話などにも搭載し利用されている。カーナビでは地図上の道路情報と照らし合わせることで更に誤差を修正しているものが大半である。登山用はもともと数値的に経度と緯度を表示するものであった。これは正確な地図がなければ役に立たない。カーナビにおいてはハードディスクやDVDの利用によりディスプレイ上に詳細なカラー地図を表示することが可能である。登山用も白黒画面の地図を表示する機能を持つものから、比較的詳細なカラー地図を表示できるものへと進化が進み、メモリーカードあるいは本体内蔵メモリだけでデータを持つ、携帯ゲーム機ほどの大きさの音声案内も可能なカーナビも次第に普及し、逆に携帯ゲーム機をカーナビとして使えるようにするGPS ユニットとソフトも発売されている。いずれにしても電池切れや故障に備え地図と磁気コンパスを携行することは必要である。一方ナビゲーション用途とは別に、アスリート用に走行距離、ラップなどを表示する、腕時計のような形態の非常に小型の製品も実用化されている。2002 年 4月 1日、日本の緯度、経度の座標系が日本測地系 (Tokyo) から世界測地系に変更され、米国独自の測地系であるWGS-84 と大きな座標のずれはなくなった。GPS では米国測地系が標準だが、既存の機器では座標系を変換し、WGS-84 と日本測地系の両方で位置情報を表示できる事が多い。

□測位法GPS の測位方法は、コード ( 搬送波の変調 ) に基づく方法 ( コード測位方式 ) と、搬送波の位相に基づく方法 ( 搬送波測位方式 ) に分けられる。一般にはコード測位が用いられているが、高精度の測量には搬送波測位が用いられる。■単独測位 コード測位。誤差 10m程度 ( 民生用 )。■DGPS Diffrential GPS( 相対測位方式 )。コード測位。測位対象となる移動局のほかに、位置のわかっている基地局でもGPS 電波を受信し、誤差を消去する方法。基地局で生成された補正情報を送信し、移動局で受信すれば、実時間でDGPS の補正処理を行うことができる。日本国内では、海上保安庁の中波ビーコンにより補正情報を送信しており、これを使用するのが一般的である。誤差数m。■RTK測位 Real Time Kinematic GPS。干渉測位方式。DGPS と同様に、電子基準点から受信する電波の位相差を計測し、測位計算。測位時間 1分以下、誤差数 cmが可能。測量地点では、基準受信機を参照基準点 ( 既知 ) に設置し、( 複数の ) 移動受信機で測位。■高速スタティック測位 干渉測位方式。測量地点で、複数のアンテナを固定設置し、測位時間 30分以下、誤差 1cm以下が可能。■VRS-RTK 測位 Virtual Reference Station RTK-GPS。RTK測位の弱点 ( 初期待ち時間、複数の受信機が必要、移動範囲が限定、電子基準点から電波が届かない等 ) を改良。仮想基準点方式。複数の電子基準点と通信回線を結ぶVRS センターがあり、測量地点では、1つの移動受信機から得られるデータを、携帯電話等によりVRSセンターと送受信し ( データを持ち帰り後日計算も可能 )、RTK測位を実施。

■参考 フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』 

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映像解析の手法は様々ある。ここでは一例をあげる。

□モーションキャプチャ

□概要モーションキャプチャ (motion capture) は、現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術である。記録された情報は、スポーツ及びスポーツ医療の分野における選手たちの身体の動きのデータ収集などに利用されたり、映画などのコンピュータアニメーションおよびゲームなどにおけるキャラクターの人間らしい動きの再現に利用される。

□測位法キャプチャ技術には光学式、機械式、磁気式などがあり、それぞれ長所と短所がある。光学式は、画像式、赤外線式などいくつかの手法に分類することができる。多くの場合、物体に装着するマーカーとこれを検出するトラッカーを組み合わせてキャプチャするため、同じ方式であればマーカーの数が精度の一因となる。トラッカーは、一秒間にトラックできるフレーム数が精度にかかわってくる。またトラッカーは、設置が必要の場合、システムの使用できる範囲を限定する。

■光学式光学式は、複数のカメラなどをトラッカーとして用い、周囲に張り巡らさなくてはならない。このため比較的狭い範囲でしか使用できず、専用のスタジオで使用することが多い。また、マーカーが隠れる場合はソフトウェア的に自動補正を行なうことが多い。光学式の一種で画像式と呼ばれる方式では、マーカーを装着せずにビデオ画像からソフトウェア的にマーカーを作成することができる。■機械式機械式は、マーカーとトラッカーの一部を装着するために光学式に比べて重いが、無線 LANを併用すると広範囲に対応できるなどの利点がある。■磁気式磁気式は光学式と比較し、隠れたマーカーを検知することができる一方、マーカー数に制限があり、機敏な動きには反応できないなどの欠点がある。

2.2.3 映像解析

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□ソナー

□概要ソナー(Sonar 、ソーナーとも。海上自衛隊ではソーナーと呼称する。)とは、音波による航行と測距 (sound navigation and ranging) のアクロニムで、音波によって物体の探知をする機械である。一般には水中物体の位置を測定し画像化する装置を指し、潜水艦や漁船などはほとんど装備している。

海水中においては、光や電波は急速に減衰してしまうために、観測・測定用の波動として有効ではない。海は濁っていることから、光が海水中で届く距離はせいぜい 50mである。また海水は塩などの電解質が解けた電解液であるため、電波は入射すると海水に流れる電流でエネルギーが消費され、急速に減衰する。しかし音波は水中において、光や電波に比べきわめて減衰が小さく、遠くまで伝搬する。例えば周波数 10kHz の音波であれば、ゆうに 10km以上離れた場所にも伝搬する。

また音波は、空気中よりも水中のほうが伝播速度が速い。空中における音速はおよそ 340m/s であるが、水中においてはおよそ 1500m/s であり、4倍以上早く伝搬する。これは遠距離における物体を探知する場合には極めて重要である。例えば距離 1kmにある物体を探知しようとする場合、往復 2kmを音波が伝搬する時間は空中では約 5.9 秒であるが、水中では約 1.3 秒である。1秒でも早く目標を発見したい状況において、この差は極めて大きい。

この海水中における他よりも優れた伝搬特性を利用して、物体の位置を測定する装置がソナーである。その原理は極めて単純である。ある方向に出した音波が、なんらかの物体に当たり、反射されて T秒後に観測された ( エコーが返ってきた ) とすれば、

物体までの距離 = ( 音速× T)/ 2 ※ 2 で除すのは Tが音波の往復にかかる時間であるため

として求められる。例えば音波を 360 度、全周にわたって放射しエコーを記録すれば、周囲の全物体を探知する事ができる。この原理はレーダーとまったく同じである。

ソナーは大別すると、アクティブ (active: 自発 ) タイプとパッシブ (passive: 受動 ) タイプに分ける事ができる。一般的なソナーはほとんどがアクティブタイプであるアクティブソナーであり、パッシブタイプであるパッシブソナーは隠密行動が必要な潜水艦において利用されることがほとんどである。

2.2.4 超音波

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□概要レーダー (Radar) は電磁波を対象物に向けて発し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や形状を明らかにする装置である ( 電波法施行規則第 2条では「決定しようとする位置から反射され、又は再発射される無線信号と基準信号との比較を基礎とする無線測位の設備をいう。」と定義されている。)。遠くにある物との距離を電磁波によって計測し、図示することで、飛行機の位置を把握したり、雨量の予測に使用するシステムに使われている。

その単語は定着したアクロニムであり、英語の radio detection and ranging( 無線探知測距 ) からきている。これは、アメリカ人による命名であり、当初イギリスでは無線方向探知機 (RDF:Radio Direction Finder(Finding) ) と呼ばれていた。日本語では電波探信儀 ( 電探 ) と呼んでいた。

□測位法強い電磁波を放射し、反射して返ってくる電磁波を分析することで、対象物との距離を把握する。気象用レーダーの場合、雨粒 ( 雪片も含む ) との距離に加えて反射波の強度から密度 (= 量 ) を把握することで、その地点での雨量 ( 降水強度 ) を検出する。レーダーでは、波長の長い (=低周波 ) 電波を使うと電波の減衰が少なく、遠くまで探知する事ができるが、分解能が低くなるため、目標の解像度は悪くなる。逆に、波長の短い (= 高周波 ) 電波は、空気中に含まれる水蒸気や雲・雨などに吸収・反射され易いので減衰が大きく、遠くまで探知する事は出来ないが、高い解像度を得る事ができる。したがって、対空レーダーや対水上レーダーなど、遠距離の目標をいち早く発見する必要性のあるものでは低周波の電波を、射撃管制レーダーなど、目標の形・大きさなどを精密に測定する必要性のあるものでは高周波の電波を使用するのが適している。

2.2.5 レーダー

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□概要アクティブタグも行動追跡技術として利用されている。システム概要は 2.1 の RFID の項で示した通りである。利用例としては、ネクストコム株式会社の児童の登下校時の安全を提供するアクティブ RFID システムがある。校門などに設置したリーダーで児童の持つアクティブタグを検知、登下校情報を保護者へメール通知したり、保護者が Web 上で児童の所在位置を確認したりすることが可能である。アクティブタグはリーダーにかざす必要がないため、ランドセルなどにタグを取り付けておけば、児童に意識させることなく情報を取得することができる。学校構内だけでなく通学路・公園を含めた学区全域で児童の安全を見守るソリューションとしてこのシステムは期待されている。

2.2.6 アクティブタグ

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都市 国 世界人 建築

GPS

レーダー

超音波

映像解析

赤外線

RFID アクティブ

スリッパ型RFID システム

2.3 行動追跡技術位置づけ

■スリッパ型 RFID システム

リーダを持っている人しか行動追跡をしない。しかし、リーダ情報によって誰か判断できる。安価で手軽。位置情報はわかるが、細かい動きはわからない。

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Chapter 3

実験

Experiments

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□実験日時

2006/8/9、8/10

□実験場所

早稲田大学大久保キャンパス 55号館 S棟 9階サロン(図 3.1、3.2、3.3)

□被験者

20 代男女 ( 男 13 人、女 3人 )

□貼付け間隔

成人の歩幅と床材の基本モジュールなどを考慮して、RFID タグの貼付けの間隔を 300mmに設定した。タグの間隔が 600mm、900mmだった場合についても分析をする。

□貼付けレイアウト

敷設レイアウトとは、貼付されたRFID タグの従うグリッド形状のことである。正方グリッド、ハニカムグリッド、フラクタルグリッドなどが挙げられる。今回は最も一般的であり、床材で例が多い事などから正方グリッドを選択する。

□スリッパ型リーダの位置

リーダの位置をつま先側とかかと側の二種類について実験を行う。

3.1 実験概要

図 3.1 実験室

図 3.2 実験風景

図 3.3 実験風景足下

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□歩行速度

歩行速度を二種類、被験者にとっての通常の歩行速度と早歩きで歩いてもらう。

□歩行パターン

歩行パターンは大きく分けると1)直進歩行、2)直進と曲がりを組み合わせた複合歩行、3)円周歩行、4)様々な動きを再現した自由歩行の四つであるが、その四つの中でさらに細かく分ける。直進歩行は歩行開始位置から 0°、15°、30°、45°の角度を持たせる計四種類。直進と曲がりを組み合わせた複合歩行はある定められた地点までは直進0°で進み、そこから15°、30°、45°、60°、90°の角度に曲がる。計五種類。円周歩行は歩行半径を 1200mm径、3000mm径の二種類と、歩行の向きを時計回り、反時計回りの二種類の組み合わせで計四種類。自由歩行は一種類である。全て合わせると歩行パターンは十四種類になる。

□実験方法

実験は歩行速度を二種類と、歩行パターン十四種類の組み合わせである計二十八通り全てを行う。順序効果を考慮してランダムな順番で行う。

歩行に際して、被験者はあらかじめマーキングによって指定された線に沿って歩くこととし、この歩行指示線の形状と読み取った RFID タグの位置との関係性から、記録動線の精度を算出する。精度の算出は、読み取ったRFID タグの位置によって再現される歩行軌跡と、歩行指示線との距離の違いによる図形的な近似度によって算出する。

□ DV カメラ映像

実験には全体撮影用(図 3.4)と足下撮影用(図 3.5)の二台のビデオを使用した。下図は実験に使用した二台のビデオの画像である。

図 3.4 全体撮影用 DV 画像 図 3.5 足下撮影用 DV 画像

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実験会場設営図を下に示す。

□設営方法 (図 3.6)

・300(mm) 間隔で床にタグを敷設する。※歩幅や床材のモジュールを考慮して 300 × 300(mm) に設定。・歩行領域は 4800 × 4800(mm) とする。図の箇所に合計で 199 枚のタグを敷設する。 ※タグにはそれぞ れ番号が割り当てられている。・歩行ラインとしてグレーのビニールテープを床に貼付ける。・撮影に用いるビデオ (DV) を2台設置。1台は斜め上から全体を撮影。もう1台は足下を撮影。

図 3.6 実験会場設営図

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3.2 実験の流れ

□フローチャート

被験者一人の実験の流れとしては下図の通りである(図 3.7)。

図 3.7 実験フローチャート

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図 3.8 直進歩行 図 3.9 直進と曲がりの複合歩行

歩行パターンについて、図で説明をする。(図 3.8、3.9、3.10、3.11)下図で Sが歩行開始地点、Gが歩行終了地点である。自由歩行以外は歩行ラインの上を歩行する。自由歩行はイスに座った状態から開始し、そこから立ち上がり歩行を始める。中央のテーブルに沿って曲がり、角にある机に置かれたカップを取る。そして振り返って、再びもといたイスに戻って座る。という一連の流れを行う。

3.3 歩行パターン

S S

G G GG

G G G G

G

歩行速度が普通のパターン。

1. 直進 0°3. 直進 15°5. 直進 30°7. 直進 45°

9. 直進曲がり 15°11. 直進曲がり 30°13. 直進曲がり 45°15. 直進曲がり 60°17. 直進曲がり 90°

歩行速度が速いパターン。

2. 直進 0°4. 直進 15°6. 直進 30°8. 直進 45°

10. 直進曲がり 15°12. 直進曲がり 30°14. 直進曲がり 45°16. 直進曲がり 60°18. 直進曲がり 90°

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歩行速度が普通のパターン。

19. 円周半径 1200 時計回り21. 円周半径 1200 反時計回り23. 円周半径 3000 時計回り25. 円周半径 3000 反時計回り

27. 自由

歩行速度が速いパターン。

20. 円周半径 1200 時計回り22. 円周半径 1200 反時計回り24. 円周半径 3000 時計回り26. 円周半径 3000 反時計回り

28. 自由

図 3.10 円周歩行

S、G S、G

図 3.11 自由歩行

S,G

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Chapter 4

分析

Analyses

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4.1 分析概略

4.1.1 分析の三軸最終的に考えたいことは、スリッパ型RFID システムの行動トレース技術としての精度である。実験で得られた結果のうち、分析において着目することを【人間】と【空間】の要素に分けると、【人間】に含まれるのは歩行速度、歩行パターンであり、【空間】に含まれるのはタグの貼付け間隔である。さらにそこにリーダの位置という装着する【道具】の情報が加わる。これら総合的に得られる結果を分割して分析することで、行動トレース技術としての精度に関して考察を進めていく。

直進歩行では読み取り間隔や距離に対する読み取り枚数の違いなどで精度が変化する。直進と曲がりの複合歩行では、行動のベクトルの向きが途中で変化するため読み取ったタグの場所によりトレースの精度が大きく変化する。円周歩行と自由歩行も同様である。ベクトルの向きが変わる場合は向きの変化を把握できるかが重要になってくる。

4.1.2 行動追跡精度(行動トレース精度)精度に関してであるが、理論的には読んだタグの軌跡と実際の歩行の軌跡の距離、そして二つの位置と向きが等しいときに精度が 100%であるといえる。実際に通過していない場所のタグは読まないはずであるから、読み取ったタグの軌跡の距離と実際の歩行距離を比較することでトレースの精度が求められる。

実際の軌跡とタグの軌跡が等しいときに読み取りの精度は 1。タグが読んだ距離と歩行距離が等しければ、タグの軌跡は実際の軌跡と等しい。∵このシステム上では実際に通過した場所しかタグを読まない。∴実際の歩行距離と読んだタグの軌跡の距離を比較することで行動トレースの精度を求められる(図 4.1)。

図 4.1 行動追跡精度

行動トレース精度

タグが読取軌跡距離実際の歩行距離

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4.1.3 歩行距離の算出

実験で得られたデータは、リーダがタグを読み取った時間とタグ番号の羅列なので、それを被験者毎、歩行パターンと歩行速度の組み合わせ毎に整理することからはじめなければならない。被験者は 16人でそのうち 10人にはリーダの位置を変えて実験をしてもらったので、計 26人いると考える。歩行パターンは 14 種類、歩行速度は 2種類で計 28 通りの歩行の組み合わせである。それらすべての組み合わせなので合計すると 26 × 28 通りで、すなわち 728 通りのデータを整理する。

まずは歩行パターン毎の歩行距離を算出する。自由歩行以外の歩行に関しては歩行ラインを示すテープが貼ってあり、その上を歩くように指示していたので、そのラインから歩行距離を算出する。歩行ラインの長さから歩行距離がわかる

自由歩行に関しては定められた歩行ラインがないので、ビデオの映像から歩行距離を算出する必要がある。以下その手順を示す。まず映像を見て、Illustrator10 でつくった実験室平面図に左右の足がどこを踏んでいるかプロットする。他の歩行パターンの歩行ラインのテープと正方グリッド状のタグがあるのでそれを参考にする。平面図上に足跡をつけたら、それを線でつないだものを自由歩行の歩行ライン、すなわち歩行軌跡とする。CINEMA4Dという 3DCGのソフトをつかって、自由歩行の歩行軌跡の距離を求める(図 4.2)。Illustrator10 でつくった自由歩行の軌跡をテクスチャとしてCINEMA4D上に貼付ける。このときに歩行領域全体の大きさが 4800 × 4800mm、タグの間隔が 300 × 300mmになるようにスケールを合わせる。距離測定の機能を使って歩行距離を測る。これで自由歩行に関しても歩行距離がわかる。

これらをもって『実際の歩行距離』とする。

図 4.2 CINEMA4D上の歩行軌跡

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4.1.4 タグ読み取り距離の算出

被験者毎、歩行パターンと歩行速度の組み合わせ毎に整理したデータからタグの読み取り距離を算出する。その前にタグの貼付け間隔を初期状態の 300mmの他に、600mmと 900mmの場合に関しても分析するために、300mm間隔での読み取りタグのデータから 600mm、900mmでも読みとるタグを選別して読み取り間隔別のデータとしてまとめる必要がある。

それが終わったらタグの番号を位置座標に変換する。タグ一枚一枚に固有の番号を割り振っているので、それによりタグの番号を位置座標に置き換えることが出来る。実験で得られたタグの読み取りデータはタグの番号しか表示されていないので、その番号に位置座標の情報を加える。

番号を位置座標に変換することでタグの貼付け間隔が 300mm、600mm、900mmの3種類の、被験者毎の歩行パターンと歩行速度の組み合わせの読み取りタグ位置座標を得る。

その位置座標から計算でタグ読み取り距離を求めてもいいが、CINEMA4Dに座標を打ち込めば2点間の距離が出るのでそれを利用し、タグの読み取り距離を算出した。

これをもって『タグの読み取り距離』とする。

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4.1.5 空間へのタグの貼付け

□ RFID タグ貼付け間隔300mm間隔のタグの集合を S。600mm間隔と 900mm間隔のタグの集合を T,Uとすると、S={(x,y)|(x,y)=(300m,300n),(m,n ∈ N,0 ≦ x ≦ 4800,0 ≦ y ≦ 4800)}(図 4.S)T={(x,y)|(x,y)=(600m,600n),(m,n ∈ N,0 ≦ x ≦ 4800,0 ≦ y ≦ 4800)}(図 4.T)U={(x,y)|(x,y)=(900m,900n)(m,n ∈ N,0 ≦ x ≦ 4800,0 ≦ y ≦ 4800)}(図 4.U)となる(図 4.3)。全てのタグは同一平面上にあるとする。また、それぞれの集合は{S(1t01)| 被験者 1、リーダの位置がつま先、歩行パターン 01で読んだタグ } のような集合を含む。

なお、貼付け間隔によるタグの枚数の違いは以下の通りである。

図 4.S 貼付け間隔 300mm 図 4.T 貼付け間隔 600mm 図 4.U 貼付け間隔 900mm

タグ枚数 199 タグ枚数 49 タグ枚数 22

図 4.3 空間への間隔別 RFID タグの貼付け

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

貼付け間隔300mm歩行パターン 歩行距離(mm) 全体の行動追跡精度 リーダ位置つま先 リーダ位置かかと1:直進0普通 4800 0.425480769 0.30859375 0.61252:直進0速い 4800 0.418269231 0.375 0.48753:直進15普通 4969 0.248231342 0.184217146 0.3506540554:直進15速い 4969 0.291460904 0.211662306 0.419138665:直進30普通 5543 0.238950027 0.21997339 0.2693126476:直進30速い 5543 0.186610972 0.150336009 0.2446509117:直進45普通 6364 0.451312672 0.308355594 0.6800439978:直進45速い 6364 0.407708021 0.287515713 0.6000157139:直進曲がり15普通 4882 0.357553651 0.313818619 0.42752970110:直進曲がり15速い 4882 0.303146567 0.259947255 0.37226546511:直進曲がり30普通 5172 0.338524005 0.303533449 0.39450889412:直進曲がり30速い 5172 0.376517044 0.293225541 0.50978344913:直進曲がり45普通 5794 0.49417169 0.451113221 0.5630652414:直進曲がり45速い 5794 0.408114495 0.300688212 0.57999654815:直進曲がり60普通 7200 0.453285256 0.387838542 0.55816:直進曲がり60速い 7200 0.292996795 0.235355903 0.38522222217:直進曲がり90普通 9000 0.675816239 0.638645833 0.73528888918:直進曲がり90速い 9000 0.619824786 0.565951389 0.70602222219:円周1200時計普通 3770 0.181799633 0.11846817 0.28312997320:円周1200時計速い 3770 0.118679861 0.107211538 0.13702917821:円周1200反時計普通 3770 0.065874311 0.073076923 0.05435013322:円周1200反時計速い 3770 0.153907366 0.110560345 0.22326259927:円周3000時計普通 9425 0.291205876 0.26377321 0.33509814328:円周3000時計速い 9425 0.211899612 0.140636605 0.32592042429:円周3000反時計普通 9425 0.272850439 0.149137931 0.47079045130:円周3000反時計速い 9425 0.261089574 0.202440318 0.35492838231:自由普通 14000 0.430969278 0.388060796 0.4996228532:自由速い 14000 0.481660915 0.379629747 0.644910783被験者平均トレース精度 0.337782548 0.276027409 0.436590769

4.2 行動追跡精度表

実験結果を以下貼付け間隔別にまとめる。

図 4.4 貼付け間隔 300mm 実験結果

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貼付け間隔600mm歩行パターン 歩行距離(mm) 全体の行動追跡精度 リーダ位置つま先 リーダ位置かかと1:直進0普通 4800 0.264423077 0.125 0.48752:直進0速い 4800 0.221153846 0.1640625 0.31253:直進15普通 4969 0.067619239 0 0.1758100224:直進15速い 4969 0.135238479 0.164821896 0.0879050115:直進30普通 5543 0 0 06:直進30速い 5543 0 0 07:直進45普通 6364 0.276942416 0.116681725 0.5333595228:直進45速い 6364 0.241031282 0.16666994 0.3600094289:直進曲がり15普通 4882 0.142391202 0.053768947 0.28418680910:直進曲がり15速い 4882 0.075631047 0.076812782 0.0737402711:直進曲がり30普通 5172 0.041213041 0 0.10715390612:直進曲がり30速い 5172 0.098161699 0.087006961 0.11600928113:直進曲がり45普通 5794 0.192267863 0.21813514 0.15088022114:直進曲がり45速い 5794 0.15288362 0.120199776 0.2051777715:直進曲がり60普通 7200 0.061095085 0.073237847 0.04166666716:直進曲がり60速い 7200 0.112377137 0.096901042 0.13713888917:直進曲がり90普通 9000 0.143589744 0.129166667 0.16666666718:直進曲がり90速い 9000 0.117948718 0.083333333 0.17333333319:円周1200時計普通 3770 0 0 020:円周1200時計速い 3770 0 0 021:円周1200反時計普通 3770 0.0122424 0 0.03183023922:円周1200反時計速い 3770 0.013691083 0 0.03559681727:円周3000時計普通 9425 0.052442359 0.042606101 0.06818037128:円周3000時計速い 9425 0.05647827 0.073985411 0.02846684429:円周3000反時計普通 9425 0.020746786 0.008899204 0.03970291830:円周3000反時計速い 9425 0.080554989 0.050112732 0.12926259931:自由普通 14000 0.17829317 0.206931184 0.13247234732:自由速い 14000 0.192969 0.188670354 0.199846834被験者平均トレース精度 0.105406627 0.080250126 0.145657027

図 4.5 貼付け間隔 600mm 実験結果

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貼付け間隔900mm歩行パターン 歩行距離(mm) 全体の行動追跡精度 リーダ位置つま先 リーダ位置かかと1:直進0普通 4800 0.223557692 0.140625 0.356252:直進0速い 4800 0.115384615 0.12890625 0.093753:直進15普通 4969 0 0 04:直進15速い 4969 0 0 05:直進30普通 5543 0 0 06:直進30速い 5543 0.036414605 0 0.0946779727:直進45普通 6364 0.238480878 0.150013749 0.3800282848:直進45速い 6364 0.169233187 0.112498036 0.2600094289:直進曲がり15普通 4882 0.085084927 0.034565752 0.16591560810:直進曲がり15速い 4882 0.014180821 0.023043834 011:直進曲がり30普通 5172 0.026771372 0.02175174 0.03480278412:直進曲がり30速い 5172 0.013385686 0.02175174 013:直進曲がり45普通 5794 0.029871751 0.029124957 0.03106662114:直進曲がり45速い 5794 0.0119487 0.019416638 015:直進曲がり60普通 7200 0.082019231 0.0234375 0.1757516:直進曲がり60速い 7200 0.038461538 0.0078125 0.087517:直進曲がり90普通 9000 0.384440171 0.347701389 0.44322222218:直進曲がり90速い 9000 0.338209402 0.328555556 0.35365555619:円周1200時計普通 3770 0 0 020:円周1200時計速い 3770 0 0 021:円周1200反時計普通 3770 0 0 022:円周1200反時計速い 3770 0 0 027:円周3000時計普通 9425 0 0 028:円周3000時計速い 9425 0.010389716 0 0.02701326329:円周3000反時計普通 9425 0.008867578 0.014409814 030:円周3000反時計速い 9425 0.010389716 0 0.02701326331:自由普通 14000 0.037012703 0.033961614 0.04189444632:自由速い 14000 0.053801266 0.058278026 0.04663845被験者平均トレース精度 0.06885377 0.053423361 0.093542425

図 4.6 貼付け間隔 900mm 実験結果

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4.3 行動追跡精度分析

自由円周歩行直進と曲がり直進

タグ貼付け間隔別 歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

300mm 600mm 900mm

図 4.7 タグ貼付け間隔別歩行パターンとトレース精度の関係

実験によって求められた全ての行動追跡精度を図 4.7 にまとめた。

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貼付け間隔 300mmの歩行パターン・歩行速度の組み合わせ別のヒストグラムを図 4.8 から図 4.35 にまとめる。

図 4.8 直進 0°普通 図 4.9 直進 0°速い

図 4.10 直進 15°普通 図 4.11 直進 15°速い

図 4.12 直進 30°普通 図 4.13 直進 30°速い

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図 4.14 直進 45°普通 図 4.15 直進 45°速い

図 4.16 直進曲がり 15°普通 図 4.17 直進曲がり 15°速い

図 4.18 直進曲がり 30°普通 図 4.19 直進曲がり 30°速い

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図 4.20 直進曲がり 45°普通 図 4.21 直進曲がり 45°速い

図 4.22 直進曲がり 60°普通 図 4.23 直進曲がり 60°速い

図 4.24 直進曲がり 90°普通 図 4.25 直進曲がり 90°速い

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

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図 4.26 円周 1200 時計普通 図 4.27 円周 1200 時計速い

図 4.28 円周 1200 反時計普通 図 4.29 円周 1200 時計反速い

図 4.30 円周 3000 時計普通 図 4.31 円周 3000 時計速い

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図 4.32 円周 3000 反時計普通 図 4.33 円周 3000 時計反速い

図 4.34 自由普通 図 4.35 自由速い

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行動トレース精度が全体的に高い。直進と曲がり歩行 90°(図 4.36、4.37)。

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行動トレース精度が全体的に低い。円周 1200 時計回り反時計回り(図 4.38、4.39、4.40、4.41)。

図 4.36 直進曲がり 90°普通 図 4.37 直進曲がり 90°速い

図 4.38 円周 1200 時計普通 図 4.39 円周 1200 時計速い

図 4.40 円周 1200 反時計普通 図 4.41 円周 1200 時計反速い

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

■歩行パターンによる精度の違い

直進歩行や直進曲がり歩行などの直線的なベクトルの動き(図4.42)は図 4.36、図 4.37 のように比較的安定してタグを読み取ることが出来る。平均行動追跡精度は直進曲がり 90°普通が0.68、直進曲がり 90°速いが 0,62 である。(図 4.4 参照)これは貼付けレイアウトが正方グリッドでグリッドに沿うように歩行をしていたという事もあるだろう。

円周歩行はあまりタグを読み取らなかった ( 図 4.38、図 4.39、図4.40、図4.41)。常に変化するベクトル(図4.43)を正方グリッドの貼付けレイアウトでは捉えきれなかったと考えられる。円周 1200 の行動追跡精度は時計普通が 0.18。時計速いが 0.11。反時計普通が 0.07。反時計速いが 0.15。である。(図 4.4 参照)家具の回りや、空間の角などは正方グリッド以外の貼付けレイアウトを考える必要がありそうである。

図 4.42 直進する人

図 4.43 曲がる人

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

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自由歩行では行動トレース精度に被験者ごとのばらつきがある(図 4.44、4.45)。平均行動追跡精度は自由の速度普通が 0.43、自由の速い速度が 0.48 である。(図 4.4 参照)

■精度のばらつき

自由歩行の精度に被験者ごとばらつきがあるのはなぜか。おそらくこれには距離が関係していると思われる。自由歩行は歩行距離が平均して約 14000mmと最も長い。行動追跡精度の算出は実際の歩行距離とタグの読み取り距離によっておこなっているため、二つ以上のタグを読まなかった歩行は行動追跡精度が0となっている。歩行距離が長い分だけタグを二つ以上読み取る可能性も高くなる。また、歩行領域に入ってから出るまでの精度であるので時系列にみると人間が動いている間、精度は常に変化している。そのために被験者ごとの精度にばらつきがみられる。

図 4.44 自由普通 図 4.45 自由速い

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

自由円周歩行直進と曲がり直進

歩行速度速い 歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28

歩行パターン

300mm 600mm 900mm

自由円周歩行直進と曲がり直進

歩行速度普通 歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27

歩行パターン

300mm 600mm 900mm

図 4.46 歩行速度普通 歩行パターンとトレース精度

図 4.47 歩行速度速い 歩行パターンとトレース精度

歩行速度による行動追跡精度の違いを図 4.46、図 4.47 にまとめる。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

θ θ

■歩行速度による精度の違い

歩行速度が速くなると大股になり ( 図 4.48)、足の踏み切り角度 ( 図 4.49) と踏み込み角度 ( 図 4.50) が大きくなる。

地面との接触面積が少なくなるので足の裏のリーダでタグを読み取りにくくなる。またタグを通過する時間が短くなるのでその分読み取りにくくなる。

図 4.48 歩行速度が速いときの足の動き

図 4.49 踏み切り角度 図 4.50 踏み込み角度

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

自由円周歩行直進と曲がり直進

300mm歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

300mm

自由円周歩行直進と曲がり直進

600mm歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

600mm

自由円周歩行直進と曲がり直進

900mm歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

900mm

図 4.51 貼付け間隔 300mm トレース精度グラフ

図 4.52 貼付け間隔 600mm トレース精度グラフ

図 4.53 貼付け間隔 900mm トレース精度グラフ

貼付け間隔による行動追跡精度の違いを図 4.51、4.52、4.53に示す。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

自由円周歩行直進と曲がり直進

600mm歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

600mm

自由円周歩行直進と曲がり直進

900mm歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

900mm

□正方グリッドの落とし穴

上図を見てほしい。直進と曲がり90°の複合歩行では600mm間隔(図4.55)よりも900mm間隔(図4.57)の方が精度が高い。タグの貼付けが密である程精度が高いと単純に考えてはならない。貼付けレイアウトが正方グリッドであるとき(図 4.54、4.56)、グリッドに平行に歩行した場合、グリッド上を歩いていないときはいつまで直進してもタグは現れないので行動を追跡できないのである。今回は 90°の方向転換をした位置の x軸と平行なラインに 600mm間隔ではタグがなかったので 900mmよりも精度が悪いという結果が出た。正方グリッドでは x軸、y軸と平行に歩行したときにグリッドの間を歩いていれば精度が 0である。

図 4.55 貼付け間隔 600mm 直進曲がり 90°

図 4.57 貼付け間隔 900mm 直進曲がり 90°

図 4.54 貼付け間隔 600mm

図 4.56 貼付け間隔 900mm

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

リーダ位置かかと 歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

300mm 600mm 900mm

自由円周歩行直進と曲がり直進

リーダ位置つま先 歩行パターンとトレース精度の関係

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

300mm 600mm 900mm

図 4.58 リーダ位置つま先トレース精度グラフ

図 4.59 リーダ位置かかとトレース精度グラフ

リーダ位置による行動追跡精度の違いを図 4.58、図 4.59 にまとめる。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

図 4.60 足の運び 1

図 4.61 足の運び 2

図 4.62 足の運び 3

図 4.63 足の運び 4

■リーダ位置の違い

リーダの位置がつま先側よりもかかと側である方が軒並みトレース精度が高い。

これは歩行時の人間の足の運びと関係していると考えられる。人間は一歩一歩をかかと側から踏み込む傾向があるので、歩行のたびにかかと側が床に近い位置を通る(図 4.60 から図 4.63)。このスリッパ型RFID リーダによる行動追跡システムではタグに足がついた場所だけではなく、タグの上を通過したときにも読み取っているのでかかと側の方が精度が高い。

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Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 4 分析

貼付け間隔300mm・リーダ位置かかと 歩行パターンとトレース精度

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

歩行パターン

自由円周歩行直進と曲がり直進

図 4.65 貼付け間隔 300mm リーダ位置かかとトレース精度グラフ

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図 4.64 貼付け間隔 300mm リーダ位置つま先トレース精度グラフ

図 4.64 と図 4.65 をみてもわかるようにリーダの位置によって精度に差がある。(歩行パターンごとの精度の数値は図 4.4 を参照)

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

Chapter 5

結論

Conclusions

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 5 結論

5.1 考察

歩行パターン別に行動追跡精度をみると円周歩行では他よりも精度が低い。これは正方グリッドという貼

付けレイアウトで方向の変化するベクトルを読み取れていないということである。直進歩行や直進曲がり

歩行のように直線的な方向のベクトルでは読み取りは安定する。というのも、正方グリッドであれば、グ

リッドの間の x軸 y軸の平行線以外では直進すればある決まった間隔ごとにタグを通過するからである。

行動を追跡するためには大前提としてタグの上を通過しなくてはならない。

建築において空間の平面は正方形や長方形などの 90°を含んだ形であることが多い。平面の形に合わせ

て正方グリッドで一様にタグを敷設するのではなく、家具の回りや空間の角など動きの方向が変化する箇

所ではタグの貼り方を変えた方が良い。一番簡単な方法はタグを密に貼る方法である。行動を追跡する際

に重要なのは、人間の動きのベクトルの変化を確実に捉えることである。

先ほど正方グリッドについて少し触れたが、正方グリッドでは x軸 y軸と平行に歩行した場合、グリッド

上ならば最も多い数のタグを通過することになるが、グリッドの間を歩行した場合いつまでたってもタグ

を一枚も通過しないという現象が起こる。これを考えると例えば廊下など長い距離を直進する場合はタグ

の位置を少しずつずらすなどして敷設した方が精度良く行動を追跡することが出来るだろう。

また、リーダの位置の違いで行動追跡精度が異なった。具体的には全体平均で 0.16 ポイントほどかかと

側にリーダを入れた方が精度が高い ( 図 4.4)。リーダの性能が完全であったならばこのような事は起こら

ないはずであるから、この結果はリーダの性能をまだまだ良くできることを示唆している。かかと側の方

が精度が高かったのは人間の歩行の足の運びと関係しており、タグの通過位置がつま先側よりもかかと側

の方が床に近いためである。この結果からリーダはかかと側に仕込んだ方がいいというのではない。つま

先側でもかかと側でもタグを読み取るようにするのがよいだろう。

行動トレース精度を実際の歩行距離に対するタグの読み取り距離で算出したのだが、この方法だと少なく

ともタグを二枚以上読み取らなければ、行動追跡精度は0である。実験の歩行距離が短かったために二枚

以上のタグを読み取らなかった歩行が多かったのは反省である。そのために図 4.8 ~図 4.35 の結果のヒ

ストグラムをみるとわかるのだが被験者によっては行動追跡精度が 0の結果が出てしまった。少なくと

も二枚読み取れば0にはならないのにも関わらずである。

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Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 5 結論

5.2 まとめ

研究全体をまとめてみる。

第一章では学術的、社会的背景から建築業界でのRFID の技術を捉え、建築業界、社会に与える可能性や効果のうちいくつかを列挙した。その中で本研究が日常生活に果たす可能性を示すとともに、実現に向けてのスリッパ型RFID リーダによる行動追跡技術の精度を実験によって明らかにしていくことを示した。

第二章ではRFID という技術をまとめ、基本から技術を捉え直した。また現在利用されている行動追跡技術について幅広く整理することで本研究のシステムが果たすべき位置づけを考えた。

第三章はスリッパ型リーダシステムを用いて実験を行うことで、歩行パターンや歩行速度、リーダの位置の違いによるデータを得た。空間内の位置情報を歩行という自然な動作の流れの中で得ることができるのがこのシステムであるが、どのような要素が読み取りに関係しているのかを調べることが実験によって可能となる。

第四章では、タグの貼付け間隔がトレース精度に与える影響、歩行速度が与える影響、歩行パターンによる精度の違い、リーダの位置がトレース精度に与える影響を総合的に分析した。タグの貼付けは密になるほど、精度が良くなるのは当然であるが、一部ではそうではない結果が得られた。600mm間隔と 900mm間隔の貼付けによる違いを比較すると面的な動きでは密なほど精度が良いが、直進のみなどの線的な動きだと 900mmの方が良い場合がある。これは正方グリッドでタグを貼付けているためである。正方グリッドであると、二次元座標系でのある特定の x座標 y座標ではタグが一枚も存在しないことがあり得るからである。同じ直進歩行でも歩行する位置にタグがどれだけあるかによって大きく精度が異なる。さらにリーダの位置によって精度が異なった。これも重要な結果の一つである。これはリーダが完全なものであれば絶対に起こりえないことである。リーダの位置によって精度が変わるということは、リーダの性能をまだまだ高められるという事でもある。パッシブタグを扱う場合に読み取りに影響するのはリーダの性能であるから、リーダの調整も一つの大きな仕事である。

上記のように精度に影響を与える要因を分析から知ることが出来た。様々な歩行パターンでも人の位置情報を得ることが出来るという結果を示せたことがこの研究の大きな成果である。また結果からこのシステムをよりよく使用するために改善できる点などもいくつかわかった。本研究によってスリッパ型のRFIDリーダシステムをこれからさらに成熟させていくことができるだろう。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 5 結論

5.3 展望

分析結果をもとにこのシステムをよりよくしていくことがまず一つ。特にリーダの性能。今回の実験では一人の人間がスリッパ型リーダを使用する状況を想定して実験を行った。しかし、住宅などで活用されることを考えると複数人で同時使用する状況についても実験をする必要があるだろう。行動追跡技術として使用できることは本研究からわかったが、この技術を空間内のモノに関連づける方法をより詳しく考えていくこともこれからである。また、平面の実験だけでなく、階段などの高さ方向に変化する場所の実験などを行うこともこれからである。実際の空間に近い状況を再現して実験を行うことも必要であるが、その前に空間ごとにタグを通過する可能性の高い貼付けレイアウトを考える必要がある。

情報通信技術に対する社会のインフラが整った後で、実際の生活の中で使用されて社会の役に立つことを期待する。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 5 結論

5.4 問題

問題として社会全体で解決すべき問題と我々が解決すべき問題に分けられる。社会全体で解決すべき問題は情報通信技術のインフラに関してである。情報技術の進歩の速さに法律がついていけていないのが問題としてある。総務省が情報通信に関しての報告を情報通信白書 (1) の中でまとめている。 これに、『2010年に向けて実現を目指すユビキタスネット社会が我が国の社会経済の発展に大きく貢献するものとすることが重要であり、そのための様々な施策の展開に寄与することを本白書の目的とするものである。』とあるように 2010 年というのが情報通信技術のインフラが整いはじめる目安となってくるだろう。

我々が解決すべきはリーダの性能をあげることである。他にも目的に応じた貼付けのガイドラインを示すこともまだ残された問題である。

■参考(1) 総務省:情報通信白書平成18年版

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

□おわりに

初めての経験の連続でとても貴重な時間を過ごしました。非常に学ぶことの多かった時間です。研究の本実験がわりと早い時期に終わったにもかかわらず、最後はとても駆け足の執筆となっています。夏を自由気ままに過ごした報いです。何か課題やレポートを提出するときの最後はいつも駆け足である気がしています。限られた時間の中で納得のいくものをつくりだすことはとても難しいものです。

■謝辞この卒業論文は多くの方々の支えがあったからこそできあがったものです。

まず、本研究を進めるにあたり、適切にご指導して下さった渡辺仁史先生に感謝申し上げます。

所属していたゼミは異なりますが、林田さんと長澤さんにも随所に的確なアドバイスを頂きました。ありがとうございます。

情報化建築ゼミの皆さんにも心より感謝申し上げます。特に、遠田さんには本研究を通して多くを学ばせて頂きましたこと、心よりお礼申し上げます。 角方さん、横尾さん、引田さん、菊池さん、大塚さんの先輩方には毎週のゼミを通して多くの助言を頂きました。そして、卒論生の王くん、小原さん、金子くん、星くん、森村さんからもゼミを通して多くを学びました。杉村くんの存在も忘れません。思い悩むことは人それぞれありましたが、みんなで共有した時間は大変貴重なものでした。本当にありがとうございます。

お忙しい中、被験者として実験に協力してくれた皆様、毎日の生活を支えてくれた家族や友人にも感謝申し上げます。

さらに愛機の Powerbook ありがとう。『Oasis』『Radiohead』『Green Day』『The Beatles』他多数BGMをありがとう。TUTAYAもほぼ毎週行ったからありがとう。気づくと毎日蹴ってた部屋のサッカーボールも少しありがとう。ワールドカップはチェコ応援してたけどイタリア優勝おめでとう。甲子園は早実 ( ハンカチ ) おめでとう。もう何でもありがとう。

最後に大学へ。振り返ると、早稲田との付き合いは高校からなのでもう七年にもなります。生まれてから三分の一近くを早稲田で過ごしてきたことになります。早稲田の先生方には多くを学ばさせていただきました。改めて感謝申し上げます。

おわりに

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Appendix 1

参考

References

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

参考、引用させてもらった文献、資料を以下に示す。

■参考文献 ・参考資料

難波和彦 : 箱の家に住みたい , 王国社 , 2000 年

システム企画社 : 月刊ユビキ , 2006 年 10 月号 , 2006 年

中村裕幸 , 野城智也 , 吉田敏 , 村井一 : 電子タグを用いた木材トレーサビリティ実証実験 その 1 持続可能な森林経営のためのデマンド・プル型木材流通システム , 日本建築学会大会学術講演梗概集 , 2006 年

建築研究開発コンソーシアム : 建築分野における ICタグ活用方策の検討 活動報告書 , 2006 年

林田和人 , 遠田敦 , 渡辺仁史 : 歩行時における床面に敷設されたRFID の読み取りに関する研究 , 日本建築学会大会学術講演梗概集 , 2006 年

白旗 和朗 , 渡辺仁史:レジャー施設におけるコミュニケーション支援に関する研究、日本建築学会大会学術講演梗概集、 2005 年

村松泰起、鍛冶秀紀、楠房子、矢入郁子:対面環境におけるコミュニケーションの活性を目的としたインタラクィブコンテンツの実装と評価、情報処理学会、2005 年

大村廉、納谷太、野間春夫、小暮潔:B-Pack: 看護師行動認識のための無線ウェアラブルセンシングプラットフォーム、情報処理学会、2005 年

市原貴雄、伊藤禎宣、間瀬健二、國藤進:ネットワークの構築が困難な環境における光学タグを用いた情報収集システム、情報処理学会、2005 年

総務省:情報通信白書平成18年版 ,2006 年

エクスメディア:EXCEL 関数活用 SUPER MASTER、1999 年

フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』(http://www.wikipedia.org/)

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Appendix 2

資料

Materials

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

□付録 DVD 内容

QuickTime実験映像 1:全体撮影実験映像 2:足下撮影

JPEG 画像実験風景

Microsoft Excel実験元データ被験者ごとに整理したデータ行動追跡精度算出データ

Adobe Illustrator10被験者別タグ読取位置データ

PDF データ本論

本研究に使ったデータを付録としてDVDにまとめた。

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行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

番号 x座標 y座標 番号 x座標 y座標 番号 x座標 y座標 番号 x座標 y座標 番号 x座標 y座標 番号 x座標 y座標

1 0 0 51 600 4800 101 1500 4500 151 2400 4200 201 3300 3900 251 4200 3600

2 0 300 52 900 0 102 1500 4800 152 2400 4500 202 3300 4200 252 4200 3900

3 0 600 53 900 300 103 1800 0 153 2400 4800 203 3300 4500 253 4200 4200

4 0 900 54 900 600 104 1800 300 154 2700 0 204 3300 4800 254 4200 4500

5 0 1200 55 900 900 105 1800 600 155 2700 300 205 3600 0 255 4200 4800

6 0 1500 56 900 1200 106 1800 900 156 2700 600 206 3600 300 256 4500 0

7 0 1800 57 900 1500 107 1800 1200 157 2700 900 207 3600 600 257 4500 300

8 0 2100 58 900 1800 108 1800 1500 158 2700 1200 208 3600 900 258 4500 600

9 0 2400 59 900 2100 109 1800 1800 159 2700 1500 209 3600 1200 259 4500 900

10 0 2700 60 900 2400 110 1800 2100 160 2700 1800 210 3600 1500 260 4500 1200

11 0 3000 61 900 2700 111 1800 2400 161 2700 2100 211 3600 1800 261 4500 1500

12 0 3300 62 900 3000 112 1800 2700 162 2700 2400 212 3600 2100 262 4500 1800

13 0 3600 63 900 3300 113 1800 3000 163 2700 2700 213 3600 2400 263 4500 2100

14 0 3900 64 900 3600 114 1800 3300 164 2700 3000 214 3600 2700 264 4500 2400

15 0 4200 65 900 3900 115 1800 3600 165 2700 3300 215 3600 3000 265 4500 2700

16 0 4500 66 900 4200 116 1800 3900 166 2700 3600 216 3600 3300 266 4500 3000

17 0 4800 67 900 4500 117 1800 4200 167 2700 3900 217 3600 3600 267 4500 3300

18 300 0 68 900 4800 118 1800 4500 168 2700 4200 218 3600 3900 268 4500 3600

19 300 300 69 1200 0 119 1800 4800 169 2700 4500 219 3600 4200 269 4500 3900

20 300 600 70 1200 300 120 2100 0 170 2700 4800 220 3600 4500 270 4500 4200

21 300 900 71 1200 600 121 2100 300 171 3000 0 221 3600 4800 271 4500 4500

22 300 1200 72 1200 900 122 2100 600 172 3000 300 222 3900 0 272 4500 4800

23 300 1500 73 1200 1200 123 2100 900 173 3000 600 223 3900 300 273 4800 0

24 300 1800 74 1200 1500 124 2100 1200 174 3000 900 224 3900 600 274 4800 300

25 300 2100 75 1200 1800 125 2100 1500 175 3000 1200 225 3900 900 275 4800 600

26 300 2400 76 1200 2100 126 2100 1800 176 3000 1500 226 3900 1200 276 4800 900

27 300 2700 77 1200 2400 127 2100 2100 177 3000 1800 227 3900 1500 277 4800 1200

28 300 3000 78 1200 2700 128 2100 2400 178 3000 2100 228 3900 1800 278 4800 1500

29 300 3300 79 1200 3000 129 2100 2700 179 3000 2400 229 3900 2100 279 4800 1800

30 300 3600 80 1200 3300 130 2100 3000 180 3000 2700 230 3900 2400 280 4800 2100

31 300 3900 81 1200 3600 131 2100 3300 181 3000 3000 231 3900 2700 281 4800 2400

32 300 4200 82 1200 3900 132 2100 3600 182 3000 3300 232 3900 3000 282 4800 2700

33 300 4500 83 1200 4200 133 2100 3900 183 3000 3600 233 3900 3300 283 4800 3000

34 300 4800 84 1200 4500 134 2100 4200 184 3000 3900 234 3900 3600 284 4800 3300

35 600 0 85 1200 4800 135 2100 4500 185 3000 4200 235 3900 3900 285 4800 3600

36 600 300 86 1500 0 136 2100 4800 186 3000 4500 236 3900 4200 286 4800 3900

37 600 600 87 1500 300 137 2400 0 187 3000 4800 237 3900 4500 287 4800 4200

38 600 900 88 1500 600 138 2400 300 188 3300 0 238 3900 4800 288 4800 4500

39 600 1200 89 1500 900 139 2400 600 189 3300 300 239 4200 0 289 4800 4800

40 600 1500 90 1500 1200 140 2400 900 190 3300 600 240 4200 300

41 600 1800 91 1500 1500 141 2400 1200 191 3300 900 241 4200 600

42 600 2100 92 1500 1800 142 2400 1500 192 3300 1200 242 4200 900

43 600 2400 93 1500 2100 143 2400 1800 193 3300 1500 243 4200 1200

44 600 2700 94 1500 2400 144 2400 2100 194 3300 1800 244 4200 1500

45 600 3000 95 1500 2700 145 2400 2400 195 3300 2100 245 4200 1800

46 600 3300 96 1500 3000 146 2400 2700 196 3300 2400 246 4200 2100

47 600 3600 97 1500 3300 147 2400 3000 197 3300 2700 247 4200 2400

48 600 3900 98 1500 3600 148 2400 3300 198 3300 3000 248 4200 2700

49 600 4200 99 1500 3900 149 2400 3600 199 3300 3300 249 4200 3000

50 600 4500 100 1500 4200 150 2400 3900 200 3300 3600 250 4200 3300

データを別途付録DVDとしたが、その内容の一部をここに載せるので参考にしていただきたい。

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WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

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Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

6t300

歩行パターン 読取タグ数 時間 番号 x座標 y座標 距離 歩行パターン 読み取りタグ数 時間 番号 x座標 y座標 距離

1 3 1155111241 21 300 900 16 2 1155110912 20 300 600

1155111242 26 300 2400 1155110912 23 300 1500 900

1155111243 31 300 3900 3000

17 6 1155111066 19 300 300

2 2 1155111103 18 300 0 1155111068 26 300 2400

1155111105 25 300 2100 2100 1155111069 28 300 3000

1155111070 31 300 3900 3600

3 2 1155110997 18 300 0 1155111071 67 900 4500 849

1155111001 80 1200 3300 3421 1155111073 237 3900 4500 3000 7449

4 2 1155111013 18 300 0 18 4 1155111419 18 300 0

1155111016 100 1500 4200 4368 1155111419 19 300 300

1155111420 22 300 1200 1200

5 3 1155110932 55 900 900 1155111425 271 4500 4500 5341 6541

1155110932 74 1200 1500 671

1155110936 187 3000 4800 3759 4430 19 1 1155111274 79 1200 3000 0

6 2 1155111028 18 300 0 20 1 1155110982 115 1800 3600 0

1155111029 55 900 900 1082

21 3 1155110873 147 2400 3000

7 4 1155111044 18 300 0 1155110874 115 1800 3600 849

1155111045 36 600 300 424 1155110875 79 1200 3000 849 1698

1155111049 252 4200 3900 5091

1155111050 270 4500 4200 424 5939 22 2 1155110967 79 1200 3000

1155110969 115 1800 3600 849

8 1 1155111117 18 300 0

27 3 1155111400 66 900 4200

9 2 1155111313 25 300 2100 1155111403 178 3000 2100 2970

1155111314 46 600 3300 1237 1155111406 58 900 1800 2121 5091

10 3 1155111224 19 300 300 28 5 1155110758 135 2100 4500

1155111225 23 300 1500 1200 1155110759 198 3300 3000 1921

1155111227 67 900 4500 3059 4259 1155110762 58 900 1800 2683

1155110763 42 600 2100 424

11 2 1155111135 18 300 0 1155110764 28 300 3000 949 5977

1155111138 45 600 3000 3015

29 2 1155111291 58 900 1800

12 2 1155111089 18 300 0 1155111296 48 600 3900 2121

1155111090 22 300 1200 1200

30 3 1155110853 42 600 2100

13 3 1155111256 21 300 900 1155110855 197 3300 2700 2766

1155111257 25 300 2100 1200 1155110857 101 1500 4500 2546 5312

1155111257 44 600 2700 671 1871

31 4 1155111195 45 600 3000

14 4 1155110950 19 300 300 1155111198 270 4500 4200 4080

1155110951 24 300 1800 1500 1155111200 216 3600 3300 1273

1155110952 62 900 3000 1342 1155111202 90 1500 1200 2970 8323

1155110953 98 1500 3600 849 3691

32 5 1155111374 18 300 0

15 3 1155110889 18 300 0 1155111374 19 300 300 300

1155110891 25 300 2100 2100 1155111377 134 2100 4200 4295

1155110894 219 3600 4200 3912 6012 1155111379 270 4500 4200 2400

1155111380 216 3600 3300 1273 8268

Page 74: 行動追跡技術としての 床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

73

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

6t600

歩行パターン 読取タグ数 時間 番号 x座標 y座標 距離 歩行パターン 読取タグ数 時間 番号 x座標 y座標 距離

1 1 1155111242 26 300 2400 0 16 1 1155110912 20 300 600 0

2 1 1155111103 18 300 0 0 17 2 1155111068 26 300 2400

1155111069 28 300 3000 600

3 1 1155110997 18 300 0 0

18 2 1155111419 18 300 0

4 2 1155111013 18 300 0 1155111420 22 300 1200 1200

1155111016 100 1500 4200 4368

19 0 0

5 0 0

20 0 0

6 1 1155111028 18 300 0 0

21 0 0

7 2 1155111044 18 300 0

1155111050 270 4500 4200 5940 22 0 0

8 1 1155111117 18 300 0 0 27 2 1155111400 66 900 4200

1155111406 58 900 1800 2400

9 0 0

28 3 1155110759 198 3300 3000

10 0 0 1155110762 58 900 1800 2683

1155110764 28 300 3000 1342 4025

11 1 1155111135 18 300 0 0

29 1 1155111291 58 900 1800 0

12 2 1155111089 18 300 0

1155111090 22 300 1200 1200 30 0 0

13 0 0 31 2 1155111198 270 4500 4200

1155111202 90 1500 1200 4243

14 3 1155110951 24 300 1800

1155110952 62 900 3000 1342 32 3 1155111374 18 300 0

1155110953 98 1500 3600 849 2191 1155111377 134 2100 4200 4569

1155111379 270 4500 4200 2400 6969

15 1 1155110889 18 300 0 0

Page 75: 行動追跡技術としての 床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

74

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

6t900

歩行パターン 読取タグ数 時間 番号 x座標 y座標 距離 歩行パターン 読取タグ数 時間 番号 x座標 y座標 距離

1 1 1155111241 21 300 900 15 1 1155110889 18 300 0

2 1 1155111103 18 300 0 16 0

3 1 1155110997 18 300 0 17 1 1155111073 237 3900 4500

4 1 1155111013 18 300 0 18 1 1155111419 18 300 0

5 0 19 0

6 1 1155111028 18 300 0 20 0

7 1 1155111044 18 300 0 21 0

8 1 1155111117 18 300 0 22 0

9 0 27 0

10 0 28 1 1155110758 135 2100 4500

11 1 1155111135 18 300 0 29 0

12 1 1155111089 18 300 0 30 0

13 1 1155111256 21 300 900 31 0

14 1 1155110951 24 300 1800 32 1 1155111374 18 300 0

Page 76: 行動追跡技術としての 床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

75

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

タグ貼付け間隔(m

m)

300

300

300

300

300

300

300

300

被験者番号

66

66

66

66

リーダ位置

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

歩行パターン

1:直進0普通

2:直進0速い

3:直進15普通

4:直進15速い

5:直進30普通

6:直進30速い

7:直進45普通

8:直進45速い

歩行距離[d

w](mm)

4,800

4800

4969

4969

5543

5543

6364

6364

読み取りタグ数[r](枚)

32

22

32

41

読み取り総距離[d

r](m

m)

3000

2100

3421

4368

4430

1082

5939

0

読み取りタグ間隔平均[d

r/r-1](mm)

1500

2100

3421

4368

2215

1082

1979.666667

#DIV/0

!

トレース精度[d

r/dw]

0.625

0.4375

0.688468505

0.879050111

0.799206206

0.195201155

0.933218102

0

タグ貼付け間隔(m

m)

600

600

600

600

600

600

600

600

被験者番号

66

66

66

66

リーダ位置

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

歩行パターン

1:直進0普通

2:直進0速い

3:直進15普通

4:直進15速い

5:直進30普通

6:直進30速い

7:直進45普通

8:直進45速い

歩行距離[d

w](mm)

4,800

4800

4969

4969

5543

5543

6364

6364

読み取りタグ数[r](枚)

11

12

01

21

読み取り総距離[d

r](m

m)

00

04368

00

5940

0

読み取りタグ間隔平均[d

r/r-1](mm)

#DIV/0

!#DIV/0

!#DIV/0

!4368

0#DIV/0

!5940

#DIV/0

!

トレース精度[d

r/dw]

00

00.879050111

00

0.933375236

0

タグ貼付け間隔(m

m)

900

900

900

900

900

900

900

900

被験者番号

66

66

66

66

リーダ位置

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

つま先

歩行パターン

1:直進0普通

2:直進0速い

3:直進15普通

4:直進15速い

5:直進30普通

6:直進30速い

7:直進45普通

8:直進45速い

歩行距離[d

w](mm)

4,800

4800

4969

4969

5543

5543

6364

6364

読み取りタグ数[r](枚)

11

11

01

11

読み取り総距離[d

r](m

m)

00

00

00

00

読み取りタグ間隔平均[d

r/r-1](mm)

#DIV/0

!#DIV/0

!#DIV/0

!#DIV/0

!0

#DIV/0

!#DIV/0

!#DIV/0

!

トレース精度[d

r/dw]

00

00

00

00

Page 77: 行動追跡技術としての 床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

76

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

タグ

貼付け

間隔

(mm)

300

300

300

300

300

300

300

300

300

300

被験

者番号

66

66

66

66

66

リー

ダ位置

つま先

つま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま先

つま先

つま

先つま

歩行

パター

ン15:

直進

曲が

り60普

通16:

直進

曲が

り60速

い17:

直進

曲が

り90普

通18:

直進

曲が

り90速

い9:

直進

曲が

り15普

通10:

直進

曲が

り15速

い11:直

進曲が

り30普

通12:

直進

曲が

り30速い

13:

直進曲

がり

45普

通14:直

進曲

がり45速

歩行

距離[d

w](mm)

7200

7200

9000

9000

4882

4882

5172

5172

5794

5794

読み

取りタ

グ数

[r](枚)

32

64

23

22

34

読み

取り総

距離

[dr](m

m)

6012

900

7449

6541

1237

4259

3015

1200

1871

3691

読み

取りタ

グ間

隔平均[d

r/r-1](mm)

3006

900

1489.8

2180.333333

1237

2129.5

3015

1200

935.5

1230.333333

トレ

ース精

度[d

r/dw

]0.835

0.125

0.827666667

0.726777778

0.253379762

0.872388365

0.582946636

0.232018561

0.322920262

0.637038315

タグ

貼付け

間隔

(mm)

600

600

600

600

600

600

600

600

600

600

被験

者番号

66

66

66

66

66

リー

ダ位置

つま先

つま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま先

つま先

つま

先つま

歩行

パター

ン15:

直進

曲が

り60普

通16:

直進

曲が

り60速

い17:

直進

曲が

り90普

通18:

直進

曲が

り90速

い9:

直進

曲が

り15普

通10:

直進

曲が

り15速

い11:直

進曲が

り30普

通12:

直進

曲が

り30速い

13:

直進曲

がり

45普

通14:直

進曲

がり45速

歩行

距離[d

w](mm)

7200

7200

9000

9000

4882

4882

5172

5172

5794

5794

読み

取りタ

グ数

[r](枚)

11

22

00

12

03

読み

取り総

距離

[dr](m

m)

00

600

1200

00

01200

02191

読み

取りタ

グ間

隔平均[d

r/r-1](mm)

#DIV/0

!#DIV/0

!600

1200

00

#DIV/0

!1200

01095.5

トレ

ース精

度[d

r/dw

]0

00.066666667

0.133333333

00

00.232018561

00.37814981

タグ

貼付け

間隔

(mm)

900

900

900

900

900

900

900

900

900

900

被験

者番号

66

66

66

66

66

リー

ダ位置

つま先

つま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま先

つま先

つま

先つま

歩行

パター

ン15:

直進

曲が

り60普

通16:

直進

曲が

り60速

い17:

直進

曲が

り90普

通18:

直進

曲が

り90速

い9:

直進

曲が

り15普

通10:

直進

曲が

り15速

い11:直

進曲が

り30普

通12:

直進

曲が

り30速い

13:

直進曲

がり

45普

通14:直

進曲

がり45速

歩行

距離[d

w](mm)

7200

7200

9000

9000

4882

4882

5172

5172

5794

5794

読み

取りタ

グ数

[r](枚)

10

11

00

11

11

読み

取り総

距離

[dr](m

m)

00

00

00

00

00

読み

取りタ

グ間

隔平均[d

r/r-1](mm)

#DIV/0

!0

#DIV/0

!#DIV/0

!0

0#DIV/0

!#DIV/0

!#DIV/0

!#DIV/0

!

トレ

ース精

度[d

r/dw

]0

00

00

00

00

0

Page 78: 行動追跡技術としての 床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究

WATANABE Hitoshi Lab. WASEDA Univ.

77

Analytical Study on Reading RFID constructed on the Floor as Human Pursuit System.

行動追跡技術としての床面に敷設された RFID の読み取りに関する研究 付録

タグ

貼付

け間

隔(m

m)

300

300

300

300

300

300

300

300

300

300

被験

者番

号6

66

66

66

66

6

リー

ダ位

置つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つま

先つ

ま先

歩行

パタ

ーン

19:

円周

1200時

計普

通20:

円周

1200時

計速

い21:

円周

1200反

時計

普通22:

円周

1200反

時計

速い27:

円周

3000時

計普

通28:

円周

3000時

計速

い29:

円周

3000反

時計

普通30:円

周3000反

時計

速い31:

自由普

通32:

自由

速い

歩行

距離

[dw](mm)

3770

3770

3770

3770

9425

9425

9425

9425

13515

13341

読み

取り

タグ

数[r](枚

)1

13

23

52

34

5

読み

取り

総距

離[d

r](m

m)

00

1698

849

5091

5977

2121

5312

8323

8268

読み

取り

タグ

間隔

平均

[dr/r-1](mm)

#DIV/0

!#DIV/0

!849

849

2545.5

1494.25

2121

2656

2774.333333

2067

トレ

ース

精度

[dr/dw

]0

00.450397878

0.225198939

0.540159151

0.634164456

0.225039788

0.563607427

0.615834258

0.619743647

タグ

貼付

け間

隔(m

m)

600

600

600

600

600

600

600

600

600

600

被験

者番

号6

66

66

66

66

6

リー

ダ位

置つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つま

先つ

ま先

歩行

パタ

ーン

19:

円周

1200時

計普

通20:

円周

1200時

計速

い21:

円周

1200反

時計

普通22:

円周

1200反

時計

速い27:

円周

3000時

計普

通28:

円周

3000時

計速

い29:

円周

3000反

時計

普通30:円

周3000反

時計

速い31:

自由普

通32:

自由

速い

歩行

距離

[dw](mm)

3770

3770

3770

3770

9425

9425

9425

9425

13515

13341

読み

取り

タグ

数[r](枚

)0

00

02

31

02

3

読み

取り

総距

離[d

r](m

m)

00

00

2400

4025

00

4243

6969

読み

取り

タグ

間隔

平均

[dr/r-1](mm)

00

00

2400

2012.5

#DIV/0

!0

4243

3484.5

トレ

ース

精度

[dr/dw

]0

00

00.25464191

0.427055703

00

0.313947466

0.522374635

タグ

貼付

け間

隔(m

m)

900

900

900

900

900

900

900

900

900

900

被験

者番

号6

66

66

66

66

6

リー

ダ位

置つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つ

ま先

つま

先つま

先つ

ま先

歩行

パタ

ーン

19:

円周

1200時

計普

通20:

円周

1200時

計速

い21:

円周

1200反

時計

普通22:

円周

1200反

時計

速い27:

円周

3000時

計普

通28:

円周

3000時

計速

い29:

円周

3000反

時計

普通30:円

周3000反

時計

速い31:

自由普

通32:

自由

速い

歩行

距離

[dw](mm)

3770

3770

3770

3770

9425

9425

9425

9425

13515

13341

読み

取り

タグ

数[r](枚

)0

00

00

10

00

1

読み

取り

総距

離[d

r](m

m)

00

00

00

00

00

読み

取り

タグ

間隔

平均

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00

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!0

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!

トレ

ース

精度

[dr/dw

]0

00

00

00

00

0

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