ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 science talks_vol1

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ニッポンの研究力を 「納税者の立場から」考える Science Talks日本の研究力を考えるシンポジウム ~未来のために今、研究費をどう使うか?~ 2013.10.19 @東京工業大学くらまえホール

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Page 1: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

財務省

国際局開発政策

課長

神田眞人氏

ニッポンの研究力を 「納税者の立場から」考える Science Talks日本の研究力を考えるシンポジウム ~未来のために今、研究費をどう使うか?~ 2013.10.19 @東京工業大学くらまえホール

Page 2: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1
Page 3: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

ニッポンの研究力を「納税者の立場から」考える

1. 科学技術の社会における位置づけ (レゾンデートルとパトロンの変遷 ー 国家支援導入、民間資金拡大)

2. 日本の財政 (危機的状況)

3. 日本の科学技術予算 (厚遇)

4. 科技予算の問題点 (硬直性、評価不全、非効率等)

5. 科技予算改革(競争インセンティヴ強化、改革支援、

使い勝手改善、民間資金マッチング、集中投資等)

神田 眞人 2013.10.19

@東京工業大学(ScienceTalks)

1/28

Page 4: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

平成25年度一般会計予算から見る財政の現状

平成25年度一般会計予算概算は総額が約92.6兆円であり、予算の中身を見直して重点化し、公債発行額をできる限り抑制した結果、税収が公債金を上回る状態を4年ぶりに回復させるなど、引き締まった予算。 歳出については、社会保障関係費、地方交付税交付金、国債の元利払いに充てられる国債費が、歳出全体の約7割。歳入のうち、税収でまかなわれているのは5割に満たず、5割弱は将来世代の負担となる借金(公債金収入)に依存。

社会保障

291,224

31.4%

地方交付税

交付金等

163,927

17.7%

文教及び

科学振興

53,687

5.8%

公共事業

52,853

5.7%

防衛

47,538

5.1%

その他

94,472

10.2%

債務償還費

123,388

13.3%

利払費等

99,027

10.7%

国債費

222,415

基礎的 財政収支 対象経費

【歳出】

租税及び印紙収入 430,960

年金特例 公債金26,110 2.8%

その他収入

40,535 4.4%

公債金428,510 46.3%

所得税 138,980

法人税 87,140 9.4%

建設公債 57,750 6.2%

【歳入】

特例公債 370,760 40.0%

その他 98,350 10.6%

消費税 106,490 11.5%

一般会計 歳出総額 926,115 (100.0%)

一般会計 歳入総額 926,115 (100.0%)

(単位:億円)

(注)一般歳出※における社会保障関係費の割合:54.0% ※ 一般歳出は、基礎的財政収支対象経費から地方交付税交付金等を除いたもの。 2/28

Page 5: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

地方交付税 交付金 15.3

国債費 14.3

社会保障 11.6

(17.5%)

その他 25.1

社会保障 26.4

(29.2%)

国債費

21.9

地方交付税

交付金等

16.6

その他

収入

2.6

税収 58.0

建設国債

5.6

その他 25.4

税収 42.3

その他 収入

3.7

特例国債 38.3

建設国債

5.9

国債発行額5.6

国債発行額44.2

1990年度と2013年度における国の一般会計歳入歳出の比較

(注)当初予算ベース。

(単位:兆円)

【1990年度】

【2012年度】

歳入66.2

歳出 66.2

歳入90.3

歳出 90.3

+14.8 +7.7 +1.7 +24.1

○ 歳出の伸びの大半は社会保障関係費の伸び。

○ 国債発行額の増加は、税収の落込みとともに、社会保障関係費の伸びが影響。

3/28

Page 6: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

財政の硬直化(一般会計歳出中に占める国債費等の割合の推移)

17.4 17.6 15.9 10.0 13.3

5.7

51.2 43.2

36.6

29.7 25.2

21.1

11.1

14.1

18.8

16.6 19.7

31.4

18.8 21.6

16.0

23.0 17.7 17.7

1.5 3.5

12.7 20.7 24.0 24.0

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

昭和35年度 昭和45年度 昭和55年度 平成2年度 平成12年度 平成25年度

1960年度 1970年度 1980年度 1990年度 2000年度 2013年度

国債費

地方交付税等

社会保障 関係費

その他

公共事業 関係費

・文教及び科学 振興費 ・防衛関係費 等

(注)平成12年度までは決算、25年度は予算による。 4/28

Page 7: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

(出典)OECD「Stat Extracts National Accounts」、EU「Euro stat Government Finance Statistics」。

(注1)数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。

(注2)政府の総支出には利払費が含まれている。

政府の総支出(対GDP比)

1995年 2010年

政府の社会保障支出(対GDP比)

1995年 2010年

政府の社会保障以外の支出(対GDP比) ※利払費を除く

1995年 2010年

66.1

57.7

56.6

55.8

52.6

52.5

52.3

51.5

51.5

51.2

50.4

50.4

49.8

47.7

46.3

45.2

45.1

43.8

42.8

42.7

40.7

40.6

40.0

30.1

0 20 40 60 80

1アイルランド

2デンマーク

3フランス

4フィンランド

5オーストリア

6ベルギー

7スウェーデン

8ギリシャ

9ポルトガル

10オランダ

11イタリア

12英国

13ハンガリー

14ドイツ

15スペイン

16ノルウェー

17イスラエル

18チェコ

19ルクセンブルク

20米国

21エストニア

22日本

23スロバキア

24韓国

64.9

61.5

59.3

56.4

56.3

55.8

54.9

54.4

53.0

52.6

52.2

52.1

50.9

48.6

46.2

44.4

43.5

41.9

41.3

41.1

39.7

37.2

36.1

20.4

0 20 40 60 80

1スウェーデン

2フィンランド

3デンマーク

4オランダ

5オーストリア

6ハンガリー

7ドイツ

8フランス

9チェコ

10イスラエル

11イタリア

12ベルギー

13ノルウェー

14スロバキア

15ギリシャ

16スペイン

17英国

18ポルトガル

19エストニア

20アイルランド

21ルクセンブルク

22米国

23日本

24韓国

+4.5

37.6

23.9

23.7

22.9

22.8

22.6

22.5

22.1

22.1

21.9

21.9

21.2

21.1

20.7

20.6

20.1

20.0

19.5

19.0

18.8

17.5

17.5

14.6

0 20 40

1アイルランド

2ポルトガル

3オランダ

4イスラエル

5ハンガリー

6スウェーデン

7フィンランド

8デンマーク

9フランス

10ベルギー

11米国

12英国

13チェコ

14スペイン

15エストニア

16オーストリア

17スロバキア

18ギリシャ

19ルクセンブルク

20ノルウェー

21ドイツ

22イタリア

23日本

34.1

29.5

28.0

26.8

26.4

25.5

24.4

24.1

23.1

23.1

22.5

22.4

21.3

19.2

19.1

18.7

18.4

18.0

17.8

17.6

17.1

16.3

15.5

0 20 40

1チェコ

2イスラエル

3スロバキア

4スウェーデン

5オランダ

6フィンランド

7ドイツ

8エストニア

9ハンガリー

10ノルウェー

11オーストリア

12フランス

13デンマーク

14スペイン

15ポルトガル

16ベルギー

17米国

18日本

19ルクセンブルク

20英国

21イタリア

22アイルランド

23ギリシャ

33.7

32.1

31.9

29.9

28.6

28.0

27.7

27.1

26.2

26.0

25.5

25.3

25.1

24.7

24.0

23.6

23.5

22.9

21.4

19.9

18.6

18.2

17.3

0 20 40

1デンマーク

2フランス

3フィンランド

4オーストリア

5スウェーデン

6イタリア

7ドイツ

8ベルギー

9英国

10ギリシャ

11オランダ

12アイルランド

13ノルウェー

14ポルトガル

15日本

16スペイン

17ルクセンブルク

18ハンガリー

19チェコ

20エストニア

21スロバキア

22米国

23イスラエル

32.9

32.1

32.1

29.8

28.6

27.0

25.1

24.5

24.4

23.8

23.6

22.4

21.5

20.1

19.5

19.3

18.2

17.9

17.2

16.7

16.7

14.7

14.2

0 20 40

1スウェーデン

2フィンランド

3デンマーク

4オーストリア

5フランス

6ドイツ

7ノルウェー

8ベルギー

9オランダ

10ハンガリー

11イタリア

12英国

13ルクセンブルク

14スペイン

15アイルランド

16ギリシャ

17スロバキア

18チェコ

19ポルトガル

20イスラエル

21エストニア

22日本

23米国

▲3.4

+9.3

財政状況の推移(政府の規模)

日本においては、高齢化により社会保障支出が増加する一方、社会保障以外の支出はOECD諸国中最低の水準にまで減少しています。

5/28

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3.5 3.2

2.5 2.4

1.1 -1.7

-2.2 -2.4

-2.9 -3.0

-3.4 -4.1 -4.4 -4.5

-5.2 -5.4 -5.5 -5.8 -5.9 -6.1 -6.5

-7.2 -7.3 -7.4

-8.3 -8.8 -9.1 -9.2 -9.5

-12.8

▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5

1韓国

2ノルウェー

3ニュージーランド

4ルクセンブルク

5エストニア

6スイス

7アイルランド

8オーストラリア

9デンマーク

10アイスランド

11スロバキア

12米国

13ポーランド

14ベルギー

15カナダ

16ポルトガル

17フランス

18英国

19オーストリア

20フィンランド

21日本

22スペイン

23スウェーデン

24イタリア

25スロベニア

26ハンガリー

27ギリシャ

28オランダ

29ドイツ

30チェコ

16.0 1.6

0.5 0.0

-0.3 -0.4 -0.4 -0.8 -1.0 -1.7 -2.1 -2.3 -2.7 -2.7 -2.9 -2.9 -2.9 -3.0 -3.0 -3.3 -3.4 -3.6 -3.6 -4.1

-4.9 -5.6 -6.3 -6.9 -7.5 -7.5

-9.0

▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 20

1ノルウェー

2韓国

3スイス

4オーストラリア

5エストニア

6アイスランド

7ドイツ

8スウェーデン

9フィンランド

10ルクセンブルク

11デンマーク

12ベルギー

13オーストリア

14ハンガリー

15イタリア

16スロバキア

17ポーランド

18オランダ

19カナダ

20チェコ

21フランス

22スロベニア

23ニュージーランド

24イスラエル

25ポルトガル

26ギリシャ

27スペイン

28英国

29アイルランド

30米国

31日本

48.0 36.7

34.4 31.6 31.5 31.3 30.8

29.2 28.7 28.2 28.0 27.5 27.4 27.3 26.7 26.5 25.3 25.2 24.6 24.1 24.0 22.7 22.3 21.5 21.0 20.9 20.5 19.7 19.6

17.6 17.6 17.3

12.7

0 20 40 60

1デンマーク

2ニュージーランド

3スウェーデン

4フィンランド

5イスラエル

6ノルウェー

7カナダ

8ベルギー

9アイスランド

10オーストラリア

11イギリス

12アイルランド

13イタリア

14ルクセンブルグ

15ハンガリー

16オーストリア

17スロヴァキア

18ポーランド

19フランス

20オランダ

21エストニア

22ドイツ

23スロベニア

24ポルトガル

25チェコ

26アメリカ

27スペイン

28ギリシャ

29スイス

30韓国

31日本

32チリ

33メキシコ

46.6 34.1 33.0 31.8 31.0 29.8 29.5 29.4 28.2 27.5 26.8 26.7 26.6 26.4 26.2 25.8 24.7

22.4 22.3 22.0 22.0 21.4 21.0 20.7 20.6 20.5 19.3 18.8 18.5 18.3

16.3 16.0 15.9

0 20 40 60

1デンマーク

2スウェーデン

3ノルウェー

4ニュージーランド

5アイスランド

6フィンランド

7イタリア

8ベルギー

9イギリス

10オーストリア

11イスラエル

12カナダ

13ルクセンブルグ

14フランス

15ハンガリー

16オーストラリア

17オランダ

18スロベニア

19ポルトガル

20アイルランド

21ドイツ

22スイス

23エストニア

24スペイン

25ポーランド

26ギリシャ

27韓国

28チェコ

29アメリカ

30チリ

31日本

32スロヴァキア

33メキシコ

租税負担率と政府の財政収支の推移(対GDP比)

1995年 2010年

政府の租税収入(対GDP比)

(出典)租税収入対GDP比はOECD「Revenue Statistics」、同「National accounts」、内閣府「国民経済計算」等、財政収支はOECD「Economic Outlook92」。

(注1)租税収入は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。また、2010年の数値は、日本は2010年度、オーストラリア、ニュージーランドは2009年。

(注2)財政収支の数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。ただし、日本及び米国は社会保障基金を除いたベース。また、日本の2013年の財政収支は単年度限りの特殊要因を除いた数値。

▲2.5

政府の財政収支(対GDP比)

1995年 2013年

▲1.3

総支出が増大する一方で、租税収入は減少していることに伴い、財政収支は悪化しています。

6/28

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2.1 3.5 4.5 4.3 6.3 7.2 5.9 7.0 6.7 6.4 6.0 5.0 2.5 1.0 0.2 0.8 2.0

9.2 8.5

16.9

24.3 21.9 20.9 25.8

28.7 26.8 23.5 21.1 19.3

26.2

36.9 34.7 34.4 36.0 37.1

3.2 3.7

5.0 6.3 7.1 7.0

7.0 7.0 6.8 6.4 6.3 6.2 6.9

6.2 6.4 6.3 6.7 9.5

16.2 12.3

16.4

10.7 9.9

17.0

13.2

11.1 9.1

9.1 6.7 8.7

7.8 6.4

6.0

7.0

15.0

7.6 8.4 11.4 5.8

13.8 15.7

17.3

21.9 23.7

26.9 29.0

30.5 32.4

34.9 38.2

41.9

46.8

50.8

54.9

60.1 59.8

54.4 54.1 51.0 51.9 52.1

53.9

49.4 47.2

50.7 47.9

43.8 43.3 45.6

49.1 49.1 51.0

44.3

38.7 41.5

42.8

43.9 43.1

20.9 24.5

29.1

34.1

38.8

43.4 46.9 47.2

50.6 51.5 53.0 53.6

57.7 61.5

65.9 69.3 70.5 70.5

75.1 73.6 75.9

78.8 78.5

84.4

89.0 89.3

84.8 83.7 82.4 84.9 85.5

81.4 81.8

84.7

101.0

95.3

100.7 97.1

92.6

5.3 7.2

9.6 10.7

13.5 14.2 12.9 14.0 13.5 12.8 12.3 11.3

9.4 7.2 6.6 6.3 6.7

9.5

16.2 13.2

18.4 19.9

18.5

34.0

37.5

33.0 30.0

35.0 35.3 35.5

31.3

27.5 25.4

33.2

52.0

42.3 42.8

47.5

42.9

0

20

40

60

80

100

120

50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

(兆円)

(年度)

一般会計歳出

一般会計税収

4条公債発行額

特例公債発行額

(注1)平成24年度までは決算、25年度は予算による。 (注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための復興債、平成24年度、25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債を除いている。

税収と国債発行額

7/28

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(注1)公債残高は各年度の3月末現在額。ただし、平成25年度末は予算に基づく見込み。 (注2)特例公債残高は、国鉄長期債務、国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債、臨時特別公債、減税特例公債及び年金特例公債を含む。 (注3)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成24年度以降は東日本大震災復興特別会計において負担)を公債残高に含めている(平成23年度末で10.7兆円、平成24年度末で11.2兆円、平成25年度末で12.2兆円)。 (注4)平成25年度末の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額は730兆円程度。

公債残高の累増

2 5 10 15 21 28 33 40 47 53 59 64 65 65 64 65 64 63 61 64 67 77 83

108

134 158

176 199

231

258 280 288

305 321

356

390 411

445

481

13 17 22 28 35

42 49

56 63

69 75

81 87 91 97 102 108 116 131

142 158

168 175

187

197

209

216

222

226

241

247 243 237 225

238

246 248

250

256

11

10

12

0 1 2 2 2 3 4 6 8 10 15 22 32 43

56 71

82 96

110 122

134 145 152 157 161 166 172 178

193 207

225 245

258

295

332

368

392

421

457

499

527 532 541 546

594

636

670

705

750

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

550

600

650

700

750

800

40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

(兆円)

(年度末)

4条公債残高

特例公債残高

一般会計税収の約17年分に相当

平成25年度末公債残高

約750兆円 (見込み)

国民1人当たり 約588万円 4人家族で 約2,353万円

復興債残高

8/28

Page 11: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

1,571

1,207

1,121

618

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800 (兆円)

(年度末)

家計金融純資産 金融総資産から住宅ローン等

の負債を差し引いたもの

一般政府総債務

家計金融総資産

(注)各年度末の数値。

(出所)日本銀行「資金循環統計」(2013年3月末速報)

一般政府純債務

日本の一般政府債務と家計金融資産の推移

9/28

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(%)

(暦年)

(出典)「OECD Economic Outlook 93」(2013年6月)。 (注)数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。

日本の一般政府総債務残高は、OECDの試算では、対GDP比200%を超えている。これは、主要先進国の中で最悪の水準であり、GIIPS諸国の債務残高をも大幅に上回っている。

0

50

100

150

200

250

19

98

19

99

20

00

20

01

20

02

20

03

20

04

20

05

20

06

20

07

20

08

20

09

20

10

20

11

20

12

20

13

日本

ギリシャ

イタリア

ポルトガル

スペイン

アイルランド

米国

ドイツ

暦 年 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005

日 本 114.9 129.0 137.6 144.7 153.5 158.3 166.3 169.5

米 国 64.2 60.5 54.5 54.4 56.8 60.2 67.5 67.1

ド イ ツ 62.3 61.8 60.8 60.1 62.5 65.9 69.3 71.8

ポ ル ト ガ ル 64.6 62.3 62.4 64.2 68.0 70.2 73.5 77.7

ア イ ル ラ ン ド 62.4 51.5 39.3 36.8 35.4 34.1 32.7 32.7

イ タ リ ア 131.8 125.7 120.8 120.1 118.8 116.3 116.8 119.4

ギ リ シ ャ 98.1 101.9 115.7 118.5 117.9 112.6 115.1 115.5

ス ペ イ ン 75.4 69.4 66.5 61.9 60.3 55.3 53.3 50.8

暦 年 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

日 本 166.8 162.4 171.1 188.7 193.3 210.6 219.1 228.4

米 国 65.8 66.3 75.3 88.8 97.9 102.3 106.3 109.1

ド イ ツ 69.8 65.6 69.9 77.5 86.1 86.3 89.2 87.9

ポ ル ト ガ ル 77.5 75.5 80.8 94.0 105.5 121.6 138.8 142.8

ア イ ル ラ ン ド 28.7 28.6 49.7 70.5 98.0 112.2 123.3 129.3

イ タ リ ア 119.0 114.4 116.9 130.1 128.9 122.0 140.2 143.6

ギ リ シ ャ 121.5 119.3 122.4 138.3 156.9 178.9 165.6 183.7

ス ペ イ ン 46.3 42.4 47.8 62.9 67.8 77.1 90.5 97.8

(参考)日本とGIIPS諸国を含む諸外国との財政状況の比較

10/28

Page 13: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

○政府の政策が、デフレの終息や年度ベースの実質経済成長率の現行水準の維持に有効でないと判

断した場合には、格下げとなる可能性がある。また、実質ベースの資金調達コストが上昇し、

債務負担の状態がさらに悪化する見通しとなった場合にも、格下げとなろう。

<S&Pレポート(25年2月18日) >

主要格付け会社によるソブリン格付け一覧(25年10月4日現在)

○格付アウトルック「弱含み」は、以下のリスク要因を反映したものである。今後1年から2年の

間に、これらのリスク要因が個別にまたは集団的に作用し、格下げにつながる可能性がある。 ・既に法律が成立している消費税増税が、同様の重要性をもつ代替的な措置なしに、

また経済状況からの十分な正当化ができない状態で、実施予定の2014年4月に実施さ

れないこと。

・基礎的財政収支の赤字を持続可能な形で縮小していく、信頼性の高いかつ一貫した

財政再建計画を策定できないこと。

・「アベノミクス」による金融政策、財政による刺激策および(まだ詳細は明らかでは

ないものの)構造改革の手当に対して、経済が反応していない状況が明らかになり、

名目GDPの伸びの趨勢が実質的にゼロに戻ること。

<Fitchレポート(25年5月16日)>

主要格付け会社による格付け一覧と見方

日本国債格付に関する最近の動き

・格付を引下げ方向で見直しの対象に (23年5月31日)・格付を「Aa2(ネガティブ)」から「Aa3(安定的)」に引下げ (23年8月24日)

・現行の格付(AA-)について、見通しをネガティブに変更 (23年4月27日)

・現行の格付(AA-)について、見通しをネガティブに変更 (23年5月27日)・格付を「AA-」から「A+」に引き下げ。見通しは変わらず。 (24年5月22日)

注:いずれも自国通貨建長期債務の格付け。 (↑)は、見通しがpositiveとなっていることを示す。 (↓)は、見通しがnegativeとなっていることを示す。

Moody’s S&P FitchAaa/AAA アメリカ イギリス(↓) アメリカ(↓)

ドイツ(↓) ドイツ ドイツ

Aa1/AA+ イギリス アメリカ イギリス

フランス(↓) フランス(↓) フランス

Aa2/AA 韓国

Aa3/AA- 日本 日本 (↓)

中国 中国韓国 韓国

A1/A+ 日本 (↓)

中国

A2/A

A3/A-

Baa1/BBB+ アイルランド(↑) アイルランド

イタリア(↓)

Baa2/BBB イタリア(↓) イタリア(↓) スペイン(↓)

Baa3/BBB- スペイン(↓) スペイン(↓)

Ba1/BB+ アイルランド(↓) ポルトガル(↓)

Ba2/BB ポルトガル(↓)

Ba3/BB- ポルトガル(↓)

B1/B+

B2/B

B3/B- ギリシャ ギリシャ

Caa1/CCC+

Caa2/CCC

Caa3/CCC-

Ca/CC

C ギリシャ

SD/RD

○消費増税による歳入増は、財政健全化目標の達成に寄与するとみられるため、増税の実施決定は、日本(Aa3、安定的)の信用評価上ポジティブである。日本が高水準の政府債務を管理し、日本国債に対する市場の信認を維持するためには、財政健全化が不可欠である。

○消費税率を引き上げても、さらなる改革の推進なくしては、政府は2020年までに基礎的財政収支の赤字を解消するという最終的な目標を達成することはできないであろう。安倍首相は経済再生計画の「第3の矢」として、そのような改革を盛り込んでいるが、その詳細は十分に具体化されていない。

○基礎的財政収支の赤字解消が進まなければ、日本は市場が国債にリスクプレミアムを要求し、財政赤字の補填と債務のリファイナンスのコストが極めて高くなるという転換点にさしかかるリスクに晒される。

< Moody’s レポート(25年10月4日) >

○日本のGDP速報値の上方修正※は「アベノミクス」の影響を反映しており信用上ポジティブ。

○しかし、日本経済の長期的な健全性には、アベノミクスの主要な目標のひとつである有効な成長戦略が必要である。これには、現在のところまだ完全には明らかにされていない、サプライサイドの経済政策、規制緩和、労働市場改革が必要になるとみられる。これらは国会における立法化も予算の執行もなされていない。

○安倍政権は10 月半ばからの次期通常国会前の同月初旬にはその決定を発表 し、より具体的な成長戦略についても近く発表するものとムーディーズは理解している。

※2013年9月9日に内閣府が発表した四半期別GDP速報(2013年4-6月期・2次速報)による

< Moody’s レポート(25年9月17日) >

11/28

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科学技術振興費は平成元年度比で3倍と大きな伸び (国債発行額:兆円)

科学技術振興費

社会保障関係費

科学技術関係費

一般歳出

公共事業関係費

158.4

297.6

265.1

197.0

85.3

○ 科学技術振興費は平成元年度比で約3倍(25年度)と、社会保障関係費を超える大きな伸び。 ○ 国債発行額は平成元年度比で約6.5倍と大幅増(25年度)。 ○ このように大幅に増加させてきた科振費は真に効果的に使われているのか? 12/28

Page 15: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

(億円)

10,000

0

20,000

30,000

40,000

13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度

第2期 第3期

45,841 43,581

40,490 40,841 40,404 41,401

35,113 34,685 35,444 35,974 36,084 35,779 35,743

科学技術関係予算の総額

(11,124) (11,832) (12,298) (12,841) (13,170) (13,312) (13,477)

20年度

35,708

40,447

(13,628)

19年度

うち 科学技術振興費

42,405

(13,777)

35,639

21年度

4,297

2,400

50,463

10,970

50,000

22年度

(13,334)

35,890

3,853

42,444

4,576

36,647

23年度

(13,352)

24年度

1,978

第4期

36,926

(13,135)

5,832

4,480

46,959 4,404

51,521

科学技術関係予算の推移

当初予算 補正予算 地方公共団体分

第2期(13~17年度) 第1期(8~12年度) 基本計画での投資規模:17兆円 実際の予算額:17.6兆円

基本計画での投資規模:24兆円 実際の予算額:21.1兆円

第3期(18~22年度) 基本計画での投資規模:25兆円 実際の予算額:21.7兆円

うち科学技術振興費

(注) 1. 科学技術振興費に関しては、当初予算額で記載している。 2. 24年度の地方公共団体分は25年2月の速報値で記載している。

第4期(23~27年度) 基本計画での投資規模 25兆円

5,076

6,081

4,899

3,238 4,475

41

4,453 305

4,250

375

4,206 1,451

4,160

1,175

10,191

13/28

Page 16: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

0.710.29

0.79 0.670.48

2.9

1.99

1.98

1.39

1.25

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

4.50

日本 米 独 仏 英

民間研究費

政府負担

0.74 0.91 0.84 0.870.6

2.9

1.99 1.98

1.39

1.25

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

4.50

日本 米 独 仏 英

民間研究費

政府負担

主要国研究開発費の対GDP比

(注)2009年度の数値。

出所:平成24年版科学技術要覧から試算。

3.64

2.9 2.82

2.26

1.86

23.4万人

仏国

15.8万人 31.7万人 126.1万人 83.9万人

英国(98年) 独国 米国(99年) 日本

【参考】各国の研究者数(2009年)

(%) 除く国防研究費 (%)

3.61

2.28

2.77

2.06

1.73

14/28

Page 17: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

一般政府総支出に占める政府研究費の割合

1.69

0.69

1.64

1.18 0.94

0.07

1.43

0.10

0.36

0.25

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

日本 米 独 仏 英

政府研究費(国防費)

政府研究費(除く国防費)

(%)

(注)2009年度の 数値。

出所:平成24年版科学技術要覧及びOECD Economic Outlook 93から試算

1.76 2.12

1.74

1.19

1.54

15/28

Page 18: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

論文数

科学技術

関係予算

我が国の科学技術関係予算と論文の量・質の推移

○科学技術関係予算の伸びに伴い、我が国の総論文数は伸びたものの、被引用度で

世界トップ10%に入る質の高い論文数は低水準にとどまる(2009年~2011年平均で

8.8%。一方、米15.2%、英15.9%、独15.0%、仏13.7%、)。

(注)出所:科学技術指標2012より試算。

トップ10%論文数 (1989-1991平均)

3,809(全体の8.3%)

トップ10%論文数 (1999-2001平均)

5,764(全体の7.8%)

トップ10%論文数 (2009-2011平均)

6,691(全体の8.8%)

論文数(件数) 科学技術関係予算(億円)

他の主要国では

全体の10%以上

の論文が世界

トップ10%論文に入っている。

科学技術関係予算額

我が国の総論文数

16/28

Page 19: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

我が国の1論文あたり予算額と論文の質(主要国との比較)

○我が国の1論文あたりの予算額は主要国の中でも高額。

一方、世界全体の水準と比べた論文の質を示す相対被引用度は、主要国と比べて低い水準で推移。

(注)2010年度の数値。

出所:科学技術指標2012及び科学技術要覧平成24年度版より試算。

1論文あたりの科学技術関係予算額 相対被引用度の推移

(注)相対被引用度とは、各国の論文数あたりの被引用回数を全世界の論文数あたりの被引用回数で除して基準化した値をいう。

出所:科学技術要覧平成24年度版

(億円)

論文の質が高い

論文の質が低い

0.49 0.43

0.32 0.31

0.15

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0.60

日本 米 独 仏 英

17/28

Page 20: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

大学等が企業から受け入れた研究開発費

○産学連携を示す指標の一つである、大学等が企業から受け入れた研究開発費は 低い水準で推移しており、大学等の研究開発費全体の2%程度にとどまっている。

(注)出所:科学技術指標2012から試算

大学等における内部使用研究費と企業から受け入れた金額及び割合の推移

18,326

34,340

260 832

1.4

2.4

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

内部使用研究費

企業からの受入金額

企業からの受入割合

(億円)

大学等研究費の企業等負担割合の国際比較

(注)出所:科学技術要覧平成24年版から試算

日本、英国は2010年度、それ以外は2009年度

2.48

6.03

9.83

7.20

7.91

0.00

2.00

4.00

6.00

8.00

10.00

12.00

日本 米 独 仏 英

(%) (%)

18/28

Page 21: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

19/28

Page 22: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

国立大学法人収入額推移表

11,289

10,649

11,133

11,278

11,354

11,445

11,453

11,518

12,673

12,306

11,734

11,251

10,807

10,445

10,247

9,494

919

932

868

974

862

698

722

653

2,644

2,545

3,048

1,760

1,673

1,609

1,509

1,337

2,135

2,143

2,079

2,094

1,934

1,646

1,436

1,705

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000

2 3 年度( 2011)

( 2 9,659億円)

2 2 年度( 2010)

( 2 8,576億円)

2 1 年度( 2009)

( 2 8,862億円)

2 0 年度( 2008)

( 2 7,356億円)

1 9 年度( 2007)

( 2 6,630億円)

1 8 年度( 2006)

( 2 5,843億円)

1 7 年度( 2005)

( 2 5,366億円)

1 6 年度( 2004)

( 2 4,707億円)

運営費交付金 自己収入( 授業料等収入・ 病院収入・ 雑収入) 寄付金 産学連携等研究収入等 補助金等収入

(単位:億円)注1:「運営費交付金」、 「自己収入」については、決算報告書の金額を記載している。 注2:「寄附金」については、財務諸表の附属明細書の金額を記載している。「産学連携等研究収入等」については、決算報告書の「産学連携等研究収入及び寄附金収入等」から 「寄附金」の額を控除した金額を記載している。 注3:補助金等収入(「大学改革推進等補助金」、「研究拠点形成費補助金」、「科学研究費補助金」等の直接経費)については、決算報告書及び財務諸表の附属明細書による。 なお、補助金に関する附属明細書は平成17年度より作成されているため、平成16年度については交付決定額を記載している。 注4:科学技術振興調整費は、「産学連携等研究収入等」の欄に含まれている。科学研究費補助金等の間接経費については、「自己収入(雑収入)」に含まれている。 注5:施設整備費補助金、船舶建造費補助金等は計上していない。

(増減額)

+659億円

+477億円

+787億円

+726億円

+1,506億円

▲286億円

+1,083億円

20/28

Page 23: ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1

1,483

1,410

1,624

1,407

1,299

1,232

1,153

1,039

3,074

2,869

2,881

2,711

2,596

2,478

2,428

2,332

5,776

5,471

5,197

4,836

4,600

4,456

4,455

4,284

647

646

694

645

612

599

592

576

1,759

1,801

1,773

1,795

1,728

1,506

1,310

1,082

13,967

13,429

13,583

13,561

13,448

13,265

13,133

13,050

877

838

965

903

884

875

891

915

230

255

281

300

312

320

307

337

23年度

22年度

21年度

20年度

19年度

18年度

17年度

16年度

教育経費 研究経費 診療経費 教育研究支援経費 受託研究等 人件費 一般管理費 支払利息 その他

国立大学法人事業費推移表

+654億円

(増減額)

+466億円

+754億円

+674億円

+841億円

▲278億円

(注)1. 16年度の教育研究支援経費は受託研究等も含めている。

2. 計数は財務諸表の損益計算書の金額を記載している。

3.上記には病院経費を含めている

23,622億円

24,277億円

24,743億円

25,497億円

27,013億円

26,171億円

26,735億円

27,830億円

+1,095億円

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0

50

100

150

200

250

300

IEEE(世界最大の学協会(工学系))

世界 日本

各領域の文献数の

変化

世界の研究開発は、産業構造の変化とともに大きく変化しているのに・・・ (情報通信等の文献の急激な増加)

日本の研究開発は変化が小さく、 産業構造の変化に沿っていない! (各領域の文献数に大きな変化が見られない)

1990 2000 1980 1990 2000

コンピューター

信号処理

核・プラズマ

通信

電子デバイス

磁気学

フォトニクス

(注)科学技術政策研究所『IEEE 定期刊行物における電気電子・情報通信分野の領域別動向 ―日本と世界のトレンドの差異―』 (平成22年2月)、『IEEEのカンファレンスと刊行物に関する総合的分析―成長・激変する世界の電気電子・情報通信研究と日本―』(平成23年6月)、国家戦略会議(平成24年3月)文部科学省提出資料より作成。

各領域の文献数の変化 (世界と日本の比較)

1980

研究開発が社会や産業構造の変化に対応できていないとの指摘がなされている。

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平成14年度 平成21年度

ライフサイエンス 66% 66%

情報通信 12% 10%

環境 6% 6%

物質・材料 6% 8%

ナノテクノロジー 2% 3%

エネルギー 5% 4%

宇宙開発 3% 1%

海洋開発 1% 1%

平成14年度 平成21年度

ライフサイエンス 25% 26%

情報通信 6% 8%

環境 8% 8%

物質・材料 6% 7%

ナノテクノロジー 2% 2%

エネルギー 28% 25%

宇宙開発 19% 18%

海洋開発 7% 6%

(注) 大学等とは、大学、短期大学、高等専門学校、大学共同利用機関法人を含む。 (出所) 「科学技術要覧 平成20~23年版」

ライフサイ

エンス

情報通信

環境

物質・材

ナノテクノ

ロジー エネル

ギー

宇宙開発

海洋開発

大学等

ライフサイ

エンス

情報通信

環境

物質・材料

ナノテクノ

ロジー

エネル

ギー

宇宙開発

海洋開発

大学等

(合計:14,581億円)

ライフサ

イエンス

情報通

信環境

物質・材

料 ナノテクノ

ロジー

エネル

ギー

宇宙開発

海洋

開発

公的機関

(合計:10,204億円)

ライフサイ

エンス

情報通信

環境

物質・材

料ナノテクノ

ロジー

エネル

ギー

宇宙開発

海洋開発

公的機関

(合計:11,022億円)

目的別研究費の推移

平成14年度 平成21年度

(合計:10,753億円)

主要8分野の総計に占める割合

大学等

○ わが国の大学等及び公的機関における目的別研究費の相対シェアに大きな変化は見られない。

公的機関(独立行政法人、特殊法人等)

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研究プロジェクト(新規事業)の評価について 総合科学技術会議では、これまで科学技術関係の予算要求に対し、ランク付けを実施。(平成15年度予算~平成23年度予算)

優れた研究への資源配分の重点化のためにも、厳正な評価によるメリハリ付けが必要

※総合科学技術会議では、24年度よりランク付けを廃止。(代替として、科学技術重要施策アクションプランを導入。)

S重点化対象課題に該当する施策のうち、目標設定が明確で効果的な実施体制が整備されるなど内容的に極めて優れ、特に重点的に資源を配分すること

で、積極的に実施すべきもの。

A 重要で、内容的にも優れた施策であり、重点的に資源を配分することで、着実に実施すべきもの。

B 必要な施策であり、限られた資源を有効に活用して、効果的・効率的に実施すべきもの。

C 必要な施策ではあるが、目標設定、ロードマップ、実施方法等の一部が不適切なもの、或いは,資源投入の優先度が低く、実施すべきではないもの。

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平成25年度予算案 科学技術関係予算における3つのシステム改革 ~ イノベーション基盤強化のための大学・研究開発法人の機能強化 ~

国立大学における改革の加速化

研究環境の改革

産業界・

社会貢献

大学・

研究開発

法人

研究開発法人改革

研究資金の改革 産学連携の改革

研究大学における研究環境改革 運営費交付金の活用による長期の研究資金の確保

国際科学イノベーション拠点(COI)の

構築

目指すもの

(該当予算) ・国際科学イノベーション拠点(COI)の構築( H25 :162億円) ・先端研究支援(新技術シーズ創出) (新規課題採択分100億円) ・官民イノベーションプログラム(出資を活用した新たな産学実用化研究開

発:H24補正:1800億円

○集中的な研究環境改革による世界水準の優れた研究大学群を増強

○研究支援人材の確保と雇用の安定 ○国立大学、研究開発法人の改革

○長期・安定的な研究資金の確保 ○研究費の使い勝手の改善

○世界と戦える革新的なイノベーションを連続的に創出

○事業化を目指し、これまでの成果の実用化を促進

目指すもの 目指すもの

(該当予算) ・研究力強化プログラム(H25:162億円) ・研究人材キャリア情報活用支援事業( H24補正:1億円) ・大学改革促進補助金(H25:140億円)

科研費補助金の改革

iPS細胞研究などについて研究開発法人の運営費交付金の活用により長期的かつ安定的な研究資金を確保。

・ iPS細胞研究については、90億円×10年間の継続的かつ着実な支援。

・ 科学技術振興機構(JST)の新技術シーズ(CREST等)を制度改革し、長期的資金を確保(25年度当初新規採択100億円。今後5年間で500億円程度を投入)

複数年度の契約(国庫債務負担行為)や年度間融通を可能とする調整措置を導入(調整金60億円)

先端研究支援の更なる展開と

その実用化の加速

10年先を見通した革新的なアジェンダを策定し、異分野融合を通じた大規模な産学連携研究 開発を実施

テーマ毎にプロジェクトの司令塔となる拠点を設置

最先端研究開発支援プログラム(FIRST)等の先端研究支援の更なる展開とその実用化を加速

・ COIに加え、 リーダーの顔の見える大規模研究展開に対応できるよう、JSTの新技術シーズ創出(CREST等)を制度改革

・ これまでの成果の実用化は、官民イノベーションプログラム等で対応

イノベーション基盤強化の観点からの大学改革

高度な研究支援スタッフの設置、学長主導による研究力強化に向けた取組などを支援。

研究支援人材の情報提供の場に参画することを義務化し、一定地域の大学・研究機関間の移動を容易化することで雇用の安定化を図る。

支援人材データベースを構築し、求人情報等を提供し、全国規模での展開を図る。

これらにより、有期雇用5年を上限とする新たな雇用法制への対応にも着手。

教育再生実行会議等の議論を踏まえ、国立大学改革促進補助金などを活用しながら大学の機能強化を推進

(該当予算) ・再生医療実現拠点ネットワークプログラム(H25:90億円) ・iPS細胞研究の関連施設・設備整備(H24補正(補助金):214億円) ・先端研究支援(新技術シーズ創出)(新規課題採択分100億円) ・科学研究費助成事業(H25助成額:2318億円)

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研究者の自由な発想に基づく学術研究を支援する科研費の抜本的改革

2 ~ 4年

3,000万円 ~ 500万円

2 ~ 4年

~ 500万円 3 ~ 5年 ~ 500万円

1 ~ 3年

~ 500万円

3 ~ 5年

2,000万円 ~ 500万円

3 ~ 5年

5,000万円 ~ 2,000万円

原則5年

2億円程度 ~ 5,000万円

・ 異分野連携等に よる新領域の形成

・ 共同研究等による 新領域形成や領域 の格段の進展

5年

年間3億円程度 ~ 1,000万円

国際的に高い評価を得ている研究(3~5年)

5億円程度

〔若手研究〕

〔基盤研究〕

〔特別推進研究〕

〔挑戦的萌芽研究〕

〔新学術領域研究〕 3年以内

年間150万円以内

2年以内 年間150万円以内

〔特別研究員奨励費〕

〔研究活動スタート支援〕

若手研究の自立支援

新領域の形成 挑戦的研究

① 国庫債務負担行為の導入 (25年度予算より実施)

・大規模な研究について、研究者等の安定的な雇用や複数年度に渡る確実な研究資金の手当てを実現。年度をまたいだ物品の調達も可能に。

② 調整金システムの導入 (25年度予算より実施)

・科研費補助金総額の一定割合を調整金として管理(60億円)。 ・繰越ができなかった場合でも、研究費の太宗について次年度使用を実現。 ・研究費の前倒し需要にも対応。 ・研究費の使い切り・プール金等の防止にも 効果。

③ 基金化の導入 (23、24年度予算で実施済み)

・繰越手続の事務コストが相対的に高いと考えられる研究費総額のうち500万円までを基金化。日本学術振興会に基金を設置。 ・研究費の前倒し使用や次年度使用の手続きを簡素化。

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<内容>

産学共同の研究開発促進のための大学及び研究開発法人に対する出資

<目的> 成長による富の創出のため、大学や法人による、研究開発成果の事業化・実用化に向けた官民共同の研究開発を推進する。

国が大学や独法(科学技術振興機構(JST))に出資し、研究成果を経済再生に活用するとともに、利潤に応じて国庫納付を行う。

インフラ、エネルギー、再生医療などの実用化、事業化に近い案件について、大学と企業との共同研究による事業化や、全国の大学の技術を用いた事業化開発を支援

研 究 推 進 ・ 事 業 化

研究開発支援等

国 ( 政 府 )

出資等 リターン

リターン 中 核 と な る 国 立 大 学 ・ 独 法 ( J S T )

リターン

平成24年度補正予算案:1800億円

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同志へのご質問例

○ 学問領域を超えた資源配分は、研究者自身がお互いをなかなか評価できず、困難な状況が続いております。学問が縦割りで細分化が一層、進む中、どうすれば、研究コミュニティー全体を対象に横串で適切な評価を行い、効果的な優先順位付けができるでしょうか。学際研究は大いに推進すべきでありますが、封建的な蛸壺サイロ構造を残したままでは限界があります。

○ 日本の研究組織の硬直性、内向性が指摘されており、グローバル競争の中、活力向上のためにも、外国人研究者や実務家の抜本的なプレゼンス向上が望まれますが、諸外国に大きく遅れをとっており、ガラパゴス状況が懸念されています。どうすればいいでしょうか。

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