① 文献研究法 - 新潟大学医学部保健学科sotsuken/dl/2014bunken.pdf① 文献研究法...
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① 文献研究法
基本的な研究方法
4月16日(水) II 限 この回の内容
1 文献研究の種類
2 文献研究を医療分野で行うことの意義
3 実例など
文献学 philology文献の原典批判・解釈・成立史・出典研究を
行う学問。また、それに基づき民族や時代の文化を研究する学問。
書誌学 bibliography図書を調査・研究の対象とする学問。図書並びに図書関係事項の一般的研究と、
個別の図書・文献についての考証的研究とがある。図書学。
ことば
どんな研究をするにせよ、
文献研究はしないといけない!
1. 総説(review article)その研究領域の権威者などが、最近の研究論文を概観したもの。
2. 先行研究の文献レビュー(論文の一部としての)論文の最初の部分で、問題設定のために先行研究の文献を概観したもの。
3. 独立した研究論文としての文献研究それ自体が一つの研究論文として書かれるもの。
多かれ少なかれ、文献研究は誰もがする1. 総説(review article)その研究領域の権威者などが、最近の研究論文を概観したもの。
2. 先行研究の文献レビュー(論文の一部としての)論文の最初の部分で、問題設定のために先行研究の文献を概観したもの。
3. 独立した研究論文としての文献研究それ自体が一つの研究論文として書かれるもの。
文献レビュー
多かれ少なかれ、文献研究は誰もがする
キーワード検索は、早い段階では限定しすぎないこと。
「重症心身障害児に対する治療方針の決定についての倫理」を例にすると、最初から「重症心身障害児」「倫理」のように「そのものずばり」のものに絞らず、関連しそうな言葉を考えて検索に使ってみる。「障害児」「延命治療」「人工呼吸器」「胃瘻」「治療拒否」「愛着形成」「質的研究」「アンケート調査」などなど。
特に重要なキーワードについては網羅的に文献を集める。そうでないものは、題名や抄録で重要なものをピックアップ。
先行研究の検討は、複数分野の文献をある程度広く、かつある程度体系的に検討するとよい。
文献レビューの注意(詳細は文献クリティークの回で) 文献は、早い段階からパソコン等で「文献表」にまとめていくとよい。読みきれていなくても、研究に関係しそうなものは表に加えていく。文献表は、論文の参照文献表になる。
参照文献の付け方や書式は、卒業研究の場合には、「手引き」にある見本に従うこと。学術誌に投稿する際には、その雑誌の規定に従うこと。(大抵、詳細に規定されています)
早い段階から総説を読むこと。総説を読み、その文献表を見ることで、効率よく重要な先行研究を見つけられることが多い。
概して、看護学生の卒論は、文献レビューが足りないように思える。がんばってください。
1. 総説(review article)その研究領域の権威者などが、最近の研究論文を概観したもの。
2. 先行研究の文献レビュー(論文の一部としての)論文の最初の部分で、問題設定のために先行研究の文献を概観したもの。
3. 独立した研究論文としての文献研究それ自体が一つの研究論文として書かれるもの。
多かれ少なかれ、文献研究は誰もがする1. 総説(review article)その研究領域の権威者などが、最近の研究論文を概観したもの。
2. 先行研究の文献レビュー(論文の一部としての)論文の最初の部分で、問題設定のために先行研究の文献を概観したもの。
3. 独立した研究論文としての文献研究それ自体が一つの研究論文として書かれるもの。
多かれ少なかれ、文献研究は誰もがする
真の文献研究
文献研究の種類1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
利用している文献は何か?
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
利用している文献は何か?1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
1冊でも研究になりうるが、研究の価値を見いだせるような 特別な著作でなければ・・・。ナイチンゲールの『病院覚え書き』など。
利用している文献は何か?
利用している文献は何か?1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
通常は、集められる限り多数の文献を参照する方がよい。
実例の紹介 1
研究例1)
橋本和子ら:日本における看護倫理の動向 医学中央雑誌web版によるキーワード検索をとおして, 看護・保健科学研究誌 8, 57-62, 2008
文献データベースを利用して、 あるテーマの動向を探る。
研究目的(緒言の最後の部分)
結果 結果
結果
量的な記述が中心(数、比率に着目)。 その領域で起こった事象との関連づけ。 先行研究で言われていることとの関連づけ。 「看護倫理」の捉えられ方の歴史的変遷を明らかに している。
実例の紹介 2
研究例2)
内布敦子:看護界における倫理(看護倫理)の動向,
医療・生命と倫理・社会 2(2), 157-164, 2003
文献データベースを利用して、 あるテーマの動向を探る。
この論文の章立て
1.はじめに
2.看護倫理をめぐる職能団体の動き
3.看護倫理をめぐる我が国看護界の状況
4.臨床現場での現実的な倫理感覚
5.看護師は倫理的問題にどれほど介入できるのか
6.看護師(医療者)の権利も侵される
7.看護倫理のこれから
2.看護倫理をめぐる職能団体の動き 国際看護協会(International Council of Nursing)の倫理綱領(Code of Ethics for Nurses)が、1953年国際看護協会大会において採択された。(中略)また、日本看護協会は、1988年に「看護婦の倫理規定」を策定し、看護師の基本的責任と人間性の尊重、差別のない看護の提供、プライバシーの保護、ケアの質の向上への努力など、10項目の行動指針を提示している。(日本看護協会 1988) これらの動きは、古くは医学的研究における倫理原則を表したニュールンベルグ綱領(1947)やヘルシンキ宣言(1964)、さらには1973年のアメリカ病院協会が出した患者の権利章典などの流れをくむものである。
2.看護倫理をめぐる職能団体の動き 国際看護協会(International Council of Nursing)の倫理綱領(Code of Ethics for Nurses)が、1953年国際看護協会大会において採択された。(中略)また、日本看護協会は、1988年に「看護婦の倫理規定」を策定し、看護師の基本的責任と人間性の尊重、差別のない看護の提供、プライバシーの保護、ケアの質の向上への努力など、10項目の行動指針を提示している。(日本看護協会 1988) これらの動きは、古くは医学的研究における倫理原則を表したニュールンベルグ綱領(1947)やヘルシンキ宣言(1964)、さらには1973年のアメリカ病院協会が出した患者の権利章典などの流れをくむものである。 質的な記述が中心。 主だった事象の例示と、事象間の関連性の論述。 先行研究で言われていることとの関連づけ。 全体として、看護倫理の論点整理(総説、レビュー) になっている。
実例の紹介 3
研究例3)
野崎衣枝:明治文学に現れた死をみとる家族: 正岡子規の場合を中心に-, 順天堂医療短期大学紀要, 1,
64-73, 1990
影響力のあった人物などに着目し、 その時代や社会の人々が抱いていた 認識や価値観を例示する。
一人の影響力のあった人物に着目して詳述。 その時代や社会の人々が抱いていた認識や価値観が 例示される。 当時の社会事象との関連づけ。 全体として、「一人の例を通して、その時代の死生 観」を生き生きと描いている。
文献の集め方その分野の文献を完全に網羅することが理想。通常は困難なので、合理的な理由で選択した文献を分析対象にする。
A. あらかじめ概念的枠組みを設定せずに選択する場合1) 文献データベースで特定のキーワードでヒットした文献に限定する。(例:「がん」and「看護」でヒット)
2) その分野の代表的な学術雑誌の論文を網羅する。(例:「がん看護」誌の論文)
B.あらかじめ概念的枠組みを設定して選択する場合3) 学説ごとに代表的な文献を集める。(例:「遺伝説」の文献・「感染説」の文献)
4) 時代区分ごとに代表的な文献を集める。(例:第二次大戦前・戦後、法律制定以前・以後)
5) 社会的属性ごとに代表的な文献を集める。(例:医師の書いたもの・看護師の書いたもの、新潟県の文献・長野県の文献)
文献の集め方
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
着目している対象は何か?
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
着目している対象は何か?
着目している対象が【事】の場合
着目している対象は何か?
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
事象、概念、言葉など1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
事象、概念、言葉など
「独断」にならぬように論述しなければならない。「論拠」をいかにきちんと示せるかが鍵。 メタアナリシスが有効。
着目している対象は何か?
「日本の戦後がん看護の変遷についての研究」 戦後がん看護の変遷を4期に分割した。(1)第1期(1945~1955年)(2)第2期(1955~1978年) (3)第3期(1979~1991年)(4)第4期(1991年以降)
その分割の理由を述べる。(A)法制度の変遷(B)看護技術の変遷(C)疾病構造の変遷
歴史的なテーマの研究例(架空例)
文献群
第1期 第2期 第3期 第4期
日本の戦後がん看護の変遷
論拠となる文献(A)法制度の変遷
(B)看護技術の変遷
(C)疾病構造の変遷
分析の視点
文献群「メタアナリシス」が説得力を高める。 → 複数の独立した研究結果をまとめて 再分析すること。
根拠となる文献が、異なる研究者による独立した報告であることが望ましい。多層的な視点によって、領域横断的に分析されていることが望ましい。
第1期 第2期 第3期 第4期
日本の戦後がん看護の変遷
(A)法制度の変遷
(B)看護技術の変遷
(C)疾病構造の変遷
分析の視点
論拠となる文献
メタアナリシスが見られる、文献研究の例
中野和光:「看護教育の教育課程の歴史的発展に関する一考察(1)
- 合衆国の場合を中心として」 福岡教育大学紀要第四分冊教職科編, 1990
用いている文献と、研究目的 本文の記述の仕方
1. 日本のがん看護についての文献を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. そこから「~べき」を導けるか?
「べき」を論じるのはかなり難しい...。
1. 日本のがん看護についての文献を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. そこから「~べき」を導けるか?
「べき」を論じるのはかなり難しい...。
【事実】
【規範】
「べき」を論じた研究例
宮坂道夫:「ALS医療についての倫理的検討の試み」
医学哲学倫理, 2004
前半で「事実関係」を整理。
後半で「倫理原則」に照らして「是非」を論じる。(1)自律と尊厳 1)〈自律〉と〈尊厳〉の分離 2)〈自律〉と〈尊厳〉を不可分とする学説(2)正義 1)基本財 2)潜在能力
(1)患者の意思と呼吸器装着(2)在宅介護で家族にかかる負担の大きさ (3)施設介護の制約(4)人工呼吸器の差し控えと中止の区別
着目している対象が【人】の場合
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
着目している対象は何か?
1. 日本のがん看護についての論文を集め、「がん」「ガン」「癌」など、病気の表記のされ方を時代区分によって分析した。
2. 日本のがん看護に関連する法規・判例・ガイドラインを集め、 日本のがん看護の倫理的課題を分析した。
3. がん患者の日記を集めて、病気の受容の過程を分析した。
4. ナイチンゲールの著書(1冊)を分析し、19世紀の英国の看護師の健康観を分析した。
特定の人(人々)の考え方・感じ方
着目している対象は何か?【人】(の捉え方、解釈、意味づけ)に着目する文献研究は、基本的にはインタビューや観察のような質的研究法と同じように考えてよいかもしれない。
質的研究法のデータ収集法の一つに、「資料」からのデータ収集が挙げられている。
その人たちの「語り」を、「書かれたもの=言葉のデータ」として分析対象にする、と考えればよい。
「言葉のデータ」としての文献患者、 一般人の書いたもの、手記など(刊行されているもの、未刊行のもの)専門家、権威者の書いたもの、書籍など(刊行されているもの、未刊行のもの)マスメディアの記事など公文書(法律、行政文書など)
研究例:「がん患者の家族それぞれの思いについての研究」目的がん患者の手記を分析することにより、がん患者のさまざまな立場の遺族(親・配偶者・子ども・兄弟など)の患者に対する思い、がん告知に対する思い、他の家族に対する思い等を明らかにすること。 対象がん患者の家族の手記等を集めている、NPO法人の自費出版図書館が保管している134冊のがんの闘病記で、入手できた108冊の中から、患者の他に家族が3人以上登場し、患者の告知・非告知に至るまでの家族内での出来事や様子が詳しく描かれている4冊を選んだ。 方法家族が医師からがん告知を受けてから、本人への告知の有無を決定するまでの家族内のストーリーを抜き出して概略化する。そしてそこから家族のさまざまな思いを抽出し、それらをⅠ.患者に対する思い、Ⅱ.がん告知に対する思い、Ⅲ.他の家族に対する思い、Ⅳ.その他の4つのカテゴリーに分類した。
塚原千秋:2008年度卒業研究
メリット、デメリットインタビュー、観察をしなくてすむ。インタビュー、観察に比べて、研究者の視点で収集されたデータではない。複数の文献から同じ視点でデータを得られないこともある。(がん患者の手記の例。ある本は「告知」について詳しく書かれているが、他の本ではまったく言及されていない、など。)著作権とプライバシーへの配慮が必要。
先輩たちの文献研究の例(抄録集より)
研究例:「緊急帝王切開で出産した母親の出産体験の受容に関する文献検討 ―出産体験の受容に影響を及ぼす要因について」目的緊急帝王切開で出産した母親の出産体験の受容に影響を及ぼす要因を文献検討から明らかにし、今後必要となる看護援助、ケアの実践への示唆を得ることを目的とする。 対象医学中央雑誌より、1986年から2011年の25年間で、「緊急帝王切開」または「緊急/帝王切開」に、「出産体験」「受容」「心理」「喪失」をキーワードとする看護系の原著論文27件を対象とした。なお、母体側の条件として、「精神疾患」「術後に重篤な産後合併症」、児側の条件として「死産」、先天性疾患など「明らかに予後が不良な場合」は除いてある。 方法Microsoft Excelを用いて、発表年、著者、出典、対象者の背景、データ収集方法(時期・回数)、分析方法について整理した。次に、研究内容である「緊急帝王切開と出産体験の関連」について整理し、そこから「受容に影響する要因」を抽出し、類似性にしたがって分類。
野澤由佳さん:2012年度卒業研究
結果
結論
1.緊急帝王切開で出産した母親の出産体験の受容に影響を及ぼす要因として、「母体側要因」、「児側要因」、「環境要因」の3つに分類できた。
2.因子は、緊急帝王切開に至るまでの状況、緊急帝王切開時の状況、対象者の背景、産後の母子の健康状態などそれぞれのケースより異なるが、肯定的にも否定的にもはたらくことが分かった。
3.緊急帝王切開の出産体験を肯定的に受容するためには、出産体験に価値を見出すことが必要である。これに関わるものとして、妊娠期、分娩期、産褥期のすべての時期における看護支援が重要である。
研究例:「疾病や障害をもつ子どもの母親の受容過程における心理的看護ケアに関する文献学的研究」目的本研究の目的は、疾病や障害を持つ子どもの母親の受容過程とそれに対する心理的看護ケアについて文献学的検討を行い、それを明らかにすることにより母親への適切な看護を提供するための基礎資料とすることである。 対象医学中央雑誌Web版に集録されている看護系原著論文の中から、「母親」「小児看護」「受容」の3つのキーワードを用いて検索し、文献件数が多くなった2003年を始めとして2011年までの論文の中から本研究の研究課題に見合うもの16件を用いることとした。
高橋知夏さん:2012年度卒業研究
研究例:「疾病や障害をもつ子どもの母親の受容過程における心理的看護ケアに関する文献学的研究」方法ドローターらの仮説に沿って、Ⅰ.ショック、Ⅱ.否認、Ⅲ.悲しみと怒り、Ⅳ.適応、Ⅴ.再起の5段階に基づいて、母親が児の状況を段階的に認識していくプロセスを文献ごとに検討し、該当するものを記載した。それと同時に、どの段階でどのようなケアを行ったかも加えて示す。さらに、各段階における母親の状態、効果的ケアが挙げられた後、類似した内容をまとめて整理し、カテゴリー名を付けた。その後得られた結果を図式化し、概念図で示した。
高橋知夏さん:2012年度卒業研究
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結果結論
1)ショック期では、看護師主体のケアを行い、徐々に母親の心理状態を把握しながら、適応期頃には母親主体のケアへと移行させていくことが大切である。2)どの段階においても、母親の思いの傾聴と受け止め、感情表現しやすい関わりや医療者間の徹底したケアの統一は、有効なケアであることが示唆された。3)他患児の母親との交流時期に関して、他文献の提案と相違があったが、そのケア効果について示されていた。
先輩たちは、よい研究を行っています。皆さんも、頑張ってチャレンジしてください!