Óè à t׿Äs Ø c b ®²~Í §¿³ãǵį å s¶ Ô '׸¯ï« ç] j * r ... ·...

3
吹奏楽部・打楽器パートの皆さん。いよいよ吹奏楽コンクールの季節となりました。 今回も、第一線で活躍する打楽器のスペシャリスト 5 名による徹底解説。 打楽器を知りつくしているからこそ、演奏に役立つアドヴァイスを皆さんにお届けします。 安永 友昭 大河原 渉 中村 拓美 村居  勲 神戸 光徳 日本センチュリー交響楽団 首席ティンパニ奏者 東京ニューシティ管弦楽団 ティンパニ・打楽器奏者 大阪フィルハーモニー交響楽団 ティンパニ・打楽器奏者 シエナ・ウインド・オーケストラ 打楽器奏者 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 首席ティンパニ奏者 課題曲 課題曲 課題曲 課題曲 課題曲 解説:安永 友昭 天空の旅 -吹奏楽のための譚詩- 石原勇太郎 この曲を演奏するうえで重要なことは、テンポの異な る各部分の曲想に合った、音色・バランス・リズム・ニュ アンスを心掛ける、という事だと思います。 冒頭Maestosoは堂々と豊かなサウンド。Allegroか らは一変して、軽快なリズムとクリアな音色で。そして G からの、祈りを込めた美しく響きのある音楽を経て、L から再び軽快な Allegro にもどり、鮮やかに華やかに高 揚して曲を締めくくります。 ではここからは具体的に考えてみましょう。 【Maestoso】 ・冒頭 Timp.とS.Cym.のcrescendo は、なだらかに。管 楽器の発音を消してしまわないように。 ・3、5 小節目の音色は、きつくならずやや重厚に。打 楽器全体の音色が混ざり合って立体的に聞こえるよう に、それぞれが工夫してみましょう。 【Allegro】 ・S.D.はアクセントが重くならないように、リズムのフレー ズ感を大事にしながら、バンド全体を牽引しましょう。 ・A 前や C 前のTimp.は音色と音程感を意識してメロ ディックに。決して重く乱暴にならないように。 ・B の2→3 小節目のB.D.→Timp.&C.Cym.は繋げる イメージで。B.D. のcrescendo は過度にならないように。 ・ C の 1 小節前の S.Cym. はアクセント音を打ち直して しっかり決め、すぐに響きを止めましょう。 ・C の 1 小節目の C.Cym. は新しい幕が開いたように明 るく華やかに。 ・C からの Timp.とS.D. は、ニュアンスを揃えましょう。 ・E の 2 小節前からの 2 小節間は、掛け合いがすっきり と聞こえるように、縦を揃え余分な響きを止める工夫を しましょう。 ・E からの S.D. のアクセント音量は、木管楽器のニュア ンス幅に抑えましょう。 ・F からのBongosは、この箇所では唯一、四分音符 単位でリズムを取るパートです。それを意識してください。 ・G 前の W.Chime は、異なった曲想と曲想を橋渡しす る重要な役目です。ダイナミクスやグリッサンドのスピー ドなど、工夫してみましょう。 【Andantino】 ・空間に音を馴染ませるイメージで。Vib.やGlock.も 音色が立ち過ぎないようにしましょう。メロディーのフレー ズを意識して、伴奏だけがマイペースに進んでしまわな いように。 ・ I からの S.D. は控えめに、全体のサウンドに馴染むよ うに。フレーズ感を大切に演奏してください。 ・J 前のTimp.とS.D.は、J への橋渡しを美しくスムー ズにできるよう気を付けましょう。Timp. のcrescendo 過度にならないよう、余韻を大切に。 ・J からの Glock. は、テヌート音が旋律になっています。 Euph. の旋律を意識して流れを作りましょう。またVib. もその流れをイメージして寄り添うように弾いて下さい。 ・L 前の S.D. は、2 小節で Allegro へと導いてください。 どんな風にcrescendoaccel を持っていけばスムーズに繋 がるか、研究してみましょう! 【Allegro】 ・L からのTimp.とS.D.とBongosは、ニュアンスを揃 えましょう。 ・O の1 小節目のTimp.にはdiminuendo がありますが、 弱くし過ぎて管楽器の音に埋もれないように。 ・O から曲の終わりにかけて、盛り上がっていきますが 前のめりにならないように、安定したビート感を持つよう にしましょう。あまり軽くなりすぎず、冒頭の Maestoso の曲想をイメージしてもよいと思います。 異なるキャラクターを色彩感豊かに描き分けながら も、曲を通しての流れが途切れてしまわないよう、一曲 を通じて「天空の旅」を味わうような、そんな演奏を楽 しんで下さい。 〈第 25 回朝日作曲賞受賞作品〉 日本センチュリー交響楽団 首席ティンパニ奏者 平尾 信幸 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者 気が付いてみれば、オーケストラの打楽器奏者としての 生活は 30 年を超えました。この間自分の理想にかなう楽 器を探し続けてきた気がします。まだ駆け出しだった頃、 ほとんどのプレーヤー達は輸入楽器を使用していました。 30 年を経て、状況は一変して、パールの楽器は国内はも とより、世界中のドラマー、打楽器奏者に信頼され愛さ れる楽器となっています。吹奏楽を、そして打楽器をこ よなく愛する皆さん。このカタログに紹介されている楽 器達を強力なアイテムとして、コンクールのステージ上 で皆さんの思いを熱く燃え上がらせて下さい。 キーポイント楽器はコレだ! Timpani Snare Drum Bass Drum Crash Cymbals Suspended Cymbal Triangle Bongos Tam-tams Wind Chime Glockenspiel Vibraphone 88H, 88, 85H, 85 PHTV1455S/C, OL1455SN/C PBA3620PBKST, PBA3620PBST VL-18ASPM,VL-18ASML VL-18AS SAB-SHT6” or 8” BG-209WR BG-ST付きでSAB-CHG32/SCHG36/S WC-01 AD-GD26 - P2124 P04 P14 P42 P45 P48, P70 P66 P48 P70 P37 - 楽器 品番 カタログ 掲載ページ 2015 年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲徹底解説 Percussionist The 2015 打楽器プレイヤーにホットな情報を提供する「ザ・パーカッショニスト」 課題曲推奨楽器 全日本吹奏楽コンクール課題曲徹底解説 キーポイント楽器セレクト 全体的に爽やかな印象のこの課題曲。全曲を通して わずか 19 発のクラッシュシンバルですが 6 発のピアノ レンジも含めかなり重要なポジションにあります。残 念ながら、この楽器のサウンドを言葉で表現すること ができません。しかし、ワンランク上を行く感動の瞬 間を味わえると確信をもっています。 VL-18ASPM アーティザン“プレミアム”18” PHTV1455S/C 小太鼓の魅力の多くが詰まったこの曲には、パール 楽器史上抜群のバランス性能を誇るこの楽器が最適 なのではないかと思います。前後半の軽快な部分、E の決然と刻む箇所、I のビロードのように美しいサウ ンド…これらすべてに手ごたえを得られるはずです。 非常に繊細な楽器です。丁寧に扱いましょうね。 フィルハーモニック“PURE” 〈課題曲Ⅰ〉推奨楽器 Tomoaki Yasunaga Isao Murai 平尾 信幸 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者 Nobuyuki Hirao Wataru Okawara Takumi Nakamura Mitsunori Kanbe 97 98

Upload: others

Post on 08-Mar-2020

7 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Óè à t׿Äs Ø C b ®²~Í §¿³ãǵį å S¶ Ô '׸¯ï« ç] J * r ... · 2017-10-03 · æ~ '¸+Í Äw ^ {M M ' ׸¯ï« çwB qs `h{ s z H° ¢pÆ b '¸+wµÖ³ßæµÄ

吹奏楽部・打楽器パートの皆さん。いよいよ吹奏楽コンクールの季節となりました。今回も、第一線で活躍する打楽器のスペシャリスト5名による徹底解説。打楽器を知りつくしているからこそ、演奏に役立つアドヴァイスを皆さんにお届けします。

安永 友昭 大河原 渉 中村 拓美村居  勲 神戸 光徳日本センチュリー交響楽団 首席ティンパニ奏者

東京ニューシティ管弦楽団 ティンパニ・打楽器奏者

大阪フィルハーモニー交響楽団 ティンパニ・打楽器奏者

シエナ・ウインド・オーケストラ 打楽器奏者

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 首席ティンパニ奏者

課題曲Ⅰ 課題曲Ⅱ 課題曲Ⅲ 課題曲Ⅳ 課題曲Ⅴ

解説:安永 友昭

天空の旅 -吹奏楽のための譚詩- 石原勇太郎Ⅰ

 この曲を演奏するうえで重要なことは、テンポの異なる各部分の曲想に合った、音色・バランス・リズム・ニュアンスを心掛ける、という事だと思います。 冒頭Maestosoは堂 と々豊かなサウンド。Allegroからは一変して、軽快なリズムとクリアな音色で。そして Gからの、祈りを込めた美しく響きのある音楽を経て、Lから再び軽快なAllegroにもどり、鮮やかに華やかに高揚して曲を締めくくります。 ではここからは具体的に考えてみましょう。

【Maestoso】・冒頭Timp.とS.Cym.のcrescendoは、なだらかに。管楽器の発音を消してしまわないように。・3、5小節目の音色は、きつくならずやや重厚に。打楽器全体の音色が混ざり合って立体的に聞こえるように、それぞれが工夫してみましょう。

【Allegro】・S.D.はアクセントが重くならないように、リズムのフレー

ズ感を大事にしながら、バンド全体を牽引しましょう。・A 前や C 前のTimp.は音色と音程感を意識してメロディックに。決して重く乱暴にならないように。・B の2→3小節目のB.D.→Timp.&C.Cym.は繋げるイメージで。B.D.のcrescendoは過度にならないように。・ C の1小節前のS.Cym.はアクセント音を打ち直してしっかり決め、すぐに響きを止めましょう。・C の1小節目のC.Cym.は新しい幕が開いたように明るく華やかに。・C からのTimp.とS.D.は、ニュアンスを揃えましょう。・E の2小節前からの2小節間は、掛け合いがすっきりと聞こえるように、縦を揃え余分な響きを止める工夫をしましょう。・E からのS.D.のアクセント音量は、木管楽器のニュアンス幅に抑えましょう。・F からのBongosは、この箇所では唯一、四分音符単位でリズムを取るパートです。それを意識してください。・G 前のW.Chimeは、異なった曲想と曲想を橋渡しする重要な役目です。ダイナミクスやグリッサンドのスピードなど、工夫してみましょう。

【Andantino】・空間に音を馴染ませるイメージで。Vib.やGlock.も音色が立ち過ぎないようにしましょう。メロディーのフレーズを意識して、伴奏だけがマイペースに進んでしまわないように。・ I からのS.D.は控えめに、全体のサウンドに馴染むように。フレーズ感を大切に演奏してください。・J 前のTimp.とS.D.は、J への橋渡しを美しくスムーズにできるよう気を付けましょう。Timp.のcrescendoは過度にならないよう、余韻を大切に。・J からのGlock.は、テヌート音が旋律になっています。Euph.の旋律を意識して流れを作りましょう。またVib.もその流れをイメージして寄り添うように弾いて下さい。・L 前のS.D.は、2小節でAllegroへと導いてください。

どんな風にcrescendoとaccel を持っていけばスムーズに繋がるか、研究してみましょう!

【Allegro】・L からのTimp.とS.D.とBongosは、ニュアンスを揃えましょう。・O の1小節目のTimp.にはdiminuendoがありますが、弱くし過ぎて管楽器の音に埋もれないように。・O から曲の終わりにかけて、盛り上がっていきますが前のめりにならないように、安定したビート感を持つようにしましょう。あまり軽くなりすぎず、冒頭のMaestosoの曲想をイメージしてもよいと思います。

 異なるキャラクターを色彩感豊かに描き分けながらも、曲を通しての流れが途切れてしまわないよう、一曲を通じて「天空の旅」を味わうような、そんな演奏を楽しんで下さい。

〈第25回朝日作曲賞受賞作品〉

日本センチュリー交響楽団 首席ティンパニ奏者

平尾 信幸 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者

気が付いてみれば、オーケストラの打楽器奏者としての生活は30年を超えました。この間自分の理想にかなう楽器を探し続けてきた気がします。まだ駆け出しだった頃、ほとんどのプレーヤー達は輸入楽器を使用していました。30年を経て、状況は一変して、パールの楽器は国内はもとより、世界中のドラマー、打楽器奏者に信頼され愛される楽器となっています。吹奏楽を、そして打楽器をこよなく愛する皆さん。このカタログに紹介されている楽器達を強力なアイテムとして、コンクールのステージ上で皆さんの思いを熱く燃え上がらせて下さい。

キーポイント楽器はコレだ!

Timpani

Snare Drum

Bass Drum

Crash Cymbals

Suspended Cymbal

Triangle

Bongos

Tam-tams

Wind Chime

Glockenspiel

Vibraphone

88H, 88, 85H, 85

PHTV1455S/C, OL1455SN/C

PBA3620PBKST, PBA3620PBST

VL-18ASPM,VL-18ASML

VL-18AS

SAB-SHT6” or 8”

BG-209WR(BG-ST付きで)SAB-CHG32/S,CHG36/S

WC-01

AD-GD26

-

P21~24

P04

P14

P42

P45

P48, P70

P66

P48

P70

P37

-

楽器 品番カタログ掲載ページ

2015年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲徹底解説

PercussionistThe

2015

打楽器プレイヤーにホットな情報を提供する「ザ・パーカッショニスト」

課題曲推奨楽器

全日本吹奏楽コンクール課題曲徹底解説

キーポイント楽器セレクト

全体的に爽やかな印象のこの課題曲。全曲を通してわずか19発のクラッシュシンバルですが6発のピアノレンジも含めかなり重要なポジションにあります。残念ながら、この楽器のサウンドを言葉で表現することができません。しかし、ワンランク上を行く感動の瞬間を味わえると確信をもっています。

VL-18ASPMアーティザン“プレミアム”18”

PHTV1455S/C小太鼓の魅力の多くが詰まったこの曲には、パール楽器史上抜群のバランス性能を誇るこの楽器が最適なのではないかと思います。前後半の軽快な部分、Eの決然と刻む箇所、I のビロードのように美しいサウンド…これらすべてに手ごたえを得られるはずです。非常に繊細な楽器です。丁寧に扱いましょうね。

フィルハーモニック“PURE”

〈課題曲Ⅰ〉推奨楽器

Tomoaki Yasunaga Isao Murai

平尾 信幸神奈川フィルハーモニー管弦楽団

打楽器奏者

Nobuyuki Hirao

Wataru Okawara Takumi Nakamura Mitsunori Kanbe

97 98

Page 2: Óè à t׿Äs Ø C b ®²~Í §¿³ãǵį å S¶ Ô '׸¯ï« ç] J * r ... · 2017-10-03 · æ~ '¸+Í Äw ^ {M M ' ׸¯ï« çwB qs `h{ s z H° ¢pÆ b '¸+wµÖ³ßæµÄ

解説:大河原 渉

秘儀III -旋回舞踊のためのヘテロフォニー 西村 朗Ⅲ

 この曲の副題にある、ヘテロフォニーとはなんでしょうか? 作曲者の西村氏によると、「主旋律線と同時に、主旋律をなぞって音程的にずれた多数の不協和旋律が奏され(る構造)」とあります。 実際にスコアを見てみると伴奏と言えるようなパートがなく、全員が音程やリズムをずらしながら太い旋律線を形作っているのが見て取れます。 スコアは、自分と周りの関係性を知るうえで大変有効なツールです。スコアをよく読んで、この舞踊のための音楽に取り組んでみて下さい。 まず、打楽器セクション全体についてです。この曲の冒頭は打楽器のみの弱音から始まります。この9小節をどう演奏するかによって、全体の印象も大きく変わってくるので責任重大です。全体を通して気をつけて欲しいのが以下の点です。

【速度】指定の速度で演奏しないと、この曲の持つ雰囲気を損なってしまうばかりか、技術的に不都合が生じてしまう場合があります。

【音量】 音量は管楽器がfでも打楽器はpだったりと多面的です。指定された音量で演奏し、立体感のある音響をイメージしましょう。

【アーティキュレーション】 アクセントが付いている音とそうでない音、持続させる音(スラーのような記号)は正確に叩き分けましょう。

次に各楽器について。

【Timpani】 まず考察が必要なのがEs音の楽器の上に置かれるモンキータンバリンです。冒頭、4小節目の2拍目から頻繁に演奏されるこのEs音ですが、タンバリンをティンパニに乗せた状態でもEsの音がしっかりと聴こえ、それでいてタンバリンの音色が程よいアクセントとなるのが理想です。ティンパニの中央、奥側にタンバリンを配置するとティンパニの音がミュートされすぎてしまい、音程が損なわれてしまいます。左右どちらか(3時、もしくは9時方向)に配置し、折りたたんだクロス等で接触範囲を調整するか、スタンドに取り付け可能なタンバリンを使用するなどして音を試してみて下さい。 またタンバリンの形状、重さによってはEsのピッチが高くなってしまう事があります。タンバリンを乗せた状態で正しい音程が出るように調整したいところです。 マレットの選択は V~ X の三連符の連打でも音の輪郭を失わないような硬めの物を中心に考えて選びましょう。また、この部分はゆっくりとしたテンポから反復して練習しましょう。片手ずつ分けて練習するのも効果的です。

Percussion 1【Bass Drum】使用するマレットはティンパニの音色に寄り添うよう、ヘッドが小ぶりで硬めのものが合うと思います。X 以降はロールがあり、音量も大きく、深い響きが求められる場面でも

あるので、ヘッドが大きいものに持ち替えてもよいでしょう。音の長さはミュートする手の位置、接触する範囲を工夫して調整して下さい。

Percussion 2【2 Suspended Cymbals, Sizzle Cymbal】 3枚のシンバルは明確な音程差が出るようにサイズに幅を持たせたいです。 例えば、S.Cym.は14” (Hi-Hatを用いても)と16” or 18”、Sizzle Cym.は20” (Ride Cym.)とするなど。Sizzle Cym.はS.Cym.の頭頂部から玉鎖(お風呂の栓によく使われているチェーン)を20~ 30cm垂らすことで代用出来ます。 マレットは響きとアタックがバランスよく出るものが良いでしょう。シロフォン用の物に革やゴムを巻いたものなどがおすすめです。

Percussion 3【Monkey Tambourine, 2 Chinese Gongs】 タンバリンですがティンパニのEs音と同じ動きをする箇所では少し控えめに。ティンパニ+タンバリンの音色にアタック感を加えるつもりで。それとは反対に F 前後の2連符は主張して下さい。 Chinese Gongsは印象的に。響きが長く持続するような吊るし方を工夫してみましょう。 最後に、終わりから1小節前の一撃ですが、4人の呼吸を合わせ、深みとキレのある音で。2拍目だという事、次の小節のGPを意識した演奏を心がけて下さい。

東京ニューシティ管弦楽団ティンパニ・打楽器奏者

信頼と人気のカスタムクラシック。そのラインナップの中でも “マーチ” はこの課題曲にもっとも合った楽器だと思います。粒立ちの良さ、軽やかなショートロール、理想的なロングロール…マーチを演奏する楽しさと喜びが爆発する、まさにそんな楽器でしょう。

PBA3620PBKST曲全体を通して刻み続けられる大太鼓の重低音は宇宙に響き渡る魂の鼓動なのかもしれません。この課題曲を選ばれたのでしたらカーフスキン仕様のフィルハーモニック “プレミアム” を是非とも体験していただきたいです。圧倒的に心地よい響きは会場全体に集団的トランス状態をもたらすに違いありません。

VL-16AS, HH-16MCアーティザンサスペンドは本当にオールラウンドに使えるのでまずお薦めします。クラッシュ音の立ち上がりが少し緩やかなのが特徴のHH Medium Crashに、やや硬めのマレットを使うのも面白いと思います。またシズルは購入時に直接リベットを取り付け依頼をすることをおすすめします。余韻の長さならライドだ思いますが、好みのシンバルでOK。数や場所によっても響きが変わります。

行進曲とは言っても、この課題曲から受ける印象はかなりシンフォニックな印象を受けます。大好評のフィルハーモニックモデルから進化した “プレミアム” は繊細さと透明感がパワーアップしました。春の道を歩くに相応しい気品と力強さを併せ持つ極上のベースラインを創り出します。

PBA3218PBKSTTimpani

Bass Drum

Suspended Cymbal

Suspended Cymbal

Headless Tambourine

Sizzle Cymbal

88H, 88, 85H, 85

PBA3620PBKST or 3620PBST

VL-15AS or 16AS, HH-16MC

VL-18AS, HH-18MC

PTH-10B or 10S, PTM-50BHR(Timp.用)AA-20MR, VL-20AR/L

P21~24

P14

P45,P47

P45,P47

P69ドラムカタログ参照

楽器 品番カタログ掲載ページ

Snare Drum

Bass Drum

Crash Cymbals

Tambourine

Glockenspiel

CL1455SN/C, CL1440SNM/C

PBA3218PBKST, PBA3618PBST

VL-18ASPM, VL-18ASML

PETM-10CT

AD-GD26

P05

P14

P42

P70

P37

楽器 品番カタログ掲載ページ

解説:村居 勲

マーチ「春の道を歩こう」 佐藤邦宏Ⅱ

 「行進曲」は吹奏楽にとって、とても重要なジャンルの曲です。音符はシンプルに書かれていても演奏するうえでやらなければならない事はたくさんありますので、良い演奏をする為にも貪欲に追及していって下さい。この曲は明るく力強いイメージの曲ですので、イメージにあった音色となるよう楽器のチューニングには常に気を配りましょう。 冒頭のバスドラム、シンバルは最初の音でこれからどの様な演奏をするのか分かってしまうと言っても過言ではないくらい重要です。音のイメージとしてはバスドラムの低音の響きにシンバルの明るい響きが乗っかるような一体感のある音色で、どちらかの楽器の音量が大き過ぎたり小さ過ぎたりという事が無いように、何回も一緒に叩いてみて音色を研究すると良いと思います。 同じく冒頭のスネアドラムのロールや、グロッケンのトリルはストロークを早くする事に意識をとらわれ過ぎないよう、響きを持続させる事に注意すると良いと思います。 スネアドラムのロールの後に出てくる16分音符は、上行形のメロディーを意識するとうまくアンサンブルが出来るでしょう。

グロッケンは全体を通して16分音符を伴ったメロディーが所々で出てきますので、マレットはアセタールのような素材の物を使用すると良いでしょう。 5小節目からのcresc.をやり過ぎてしまうと、その後のsub.mpの時に響きが残ってしまい効果的にならなくなってしまいますので、!の音量の調節には充分注意して下さい。A の2小節前に入る時にシンバルはミュートのタイミングを、他の楽器はmpの音色や音のスピードをしっかりと変えるようそれぞれ気をつけて下さい。 ここからバスドラムの頭打ちとスネアドラムの裏打ちが出てきますが、マーチの要となるパートですのでテンポだけではなく音色も常に安定した演奏が出来るように、無駄のない叩き方(力の入れ方や手の動かし方)をしっかりと身につけて演奏しましょう。 バスドラムは発音がクリアーに聴こえるようにヘッドのどの場所を叩けば良いか、片方の手でミュートをしたらどのような響きになるか等、色 と々試してみると良いと思います。もちろん低音の響きも重要ですのでチューニングがおろそかにならないよう、楽器が良く響くチューニングを探してみて下さい。 B からシンバルが重なってきますが、冒頭と同じく常にバスドラムとのバランスやアンサンブルを意識して演奏しましょう。 C からメロディーが低音楽器に移り力強い表情になりますので、打楽器の音色も変わると良いと思います。叩く時のスピードや重さのかけ方など奏法によって音色も変わりますので、各楽器研究してみて下さい。C の2小節目の3拍目のように、アクセントがついた8分音符が2個つながっている音形はこの先にも出てきますが、アンサンブルが揃うか揃わないかで印象が変わってきますので特に2個目の音を早く叩かないように、お互いの演奏を良く聴きあいスピードを揃えていきましょう。 C の5小節目からmp~ ! まで連続したcresc.がありますが、音量のペース配分に注意して最後の!に向けて効果的なcresc.になるように演奏しましょう。また、今までとは違ったリズムパターンから次第に頭打ち、裏打ち

の形に戻ってくるという事も意識するとより音楽的な演奏になると思います。 D からは f1つですので、音量が大きくなり過ぎてしまわないようにバランスに注意して下さい。5、6小節目のシンコペーションのリズムも崩れないように、特に2拍目の裏の音の取り方が不揃いにならないように気をつけましょう。 Trioに入ってからはテンポが不安定になりがちですので、バスドラムがしっかりとテンポを提示すると同時に、メロディーや裏打ちのパートの演奏をお互い良く聴きあってテンポ感を合わせていきましょう。タンバリンは歯切れの良いpの音が出せると良いと思います。例えば指を皮に置くようにして叩くと音色がまとまりやすくなりますので、自分にあった奏法を探してみましょう。 G から再び力強い音色で、決して力が入り過ぎてしまわないよう音量にも注意して下さい。 H 1小節前のSoliは2拍目裏の音を他の拍の音より少しスピードをつけて叩くと、よりリズムの面白さが出ると思います。スネアドラムのアクセント以外の16分音符は決して走らないように注意して下さい。3拍目の音は確実に合わせて決めましょう。バスドラムとシンバルが一体となった響きのうえにスネアドラムのリズムが聴こえるバランスを意識して下さい。 H からダイナミクスが色 と々変化していきますが全体のサウンドの中でのバランスに注意して(特にfや!)音色があらくならないように演奏しましょう。 I のスネアドラムの裏拍のロールは、少し頭をつくと(軽めのアクセント)リズム感が出ると思います。 J からは冒頭と同じようなサウンド作りで、しっかりと締めくくりましょう。

シエナ・ウインド・オーケストラ打楽器奏者

2015年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲徹底解説

平尾 信幸 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者

キーポイント楽器はコレだ!

フィルハーモニック“プレミアム” フィルハーモニック“プレミアム”

アーティザン, ハンドハンマード〈課題曲Ⅱ〉推奨楽器〈課題曲Ⅲ〉推奨楽器

CL1440SNM/Cカスタムクラシック“マーチ”

※画像はPBA3622PBKSTです。 ※画像はPBA3622PBKSTです。

99 100

Page 3: Óè à t׿Äs Ø C b ®²~Í §¿³ãǵį å S¶ Ô '׸¯ï« ç] J * r ... · 2017-10-03 · æ~ '¸+Í Äw ^ {M M ' ׸¯ï« çwB qs `h{ s z H° ¢pÆ b '¸+wµÖ³ßæµÄ

解説:神戸 光徳

暁闇の宴 朴 守賢Ⅴ

 この『暁闇の宴』を演奏する皆さんは、「楽譜上の一音一音から打楽器奏者としての音を奏でる意味や喜びを味わう」ことができるでしょう。 しかし、一方で「複雑なリズムや変拍子が連続するためにアンサンブルがすっきりとまとまらない、楽曲の全体像が見えにくい」などの不安も感じると思います。 ですから、スコア(総譜)を読み込み、楽曲の全体像を把握し、打楽器がどのようなリズムやハーモニーの役割を任されているかを研究することが何よりも大切となります。

 この楽曲で特に注意したい点を次に示します。

 曲の冒頭のTimp.とB.D.の32分音符は、バンド全体のビートを決定する大事な要素です。8小節目のaccel.が始まるまでは、冒頭の一拍目で示されるビートによって楽曲が進行します。このテンポ感や音色はバンドの性格付けを意味します。抽象的な印象を有する冒頭部分ですが、その中に確固たるビートで示される〈時〉

を打楽器が示しましょう。音色の面では、4小節目のTimp.とB.D.はTrb.の和音を意識し、下から支えるイメージで、決して打撃音にならないよう注意してください。 A からの変拍子は、どのパートと一緒に演奏し、どのパートに音楽を繋げ渡していくのかスコアを読み込んで意識することが重要です。練習では、メトロノームに合わせてパート全員で拍子を声に出して確実に合わせるようゆっくりしたテンポから進めていきましょう。 なお、11小節目のXylo.は大きめの固いマレットで場面の変わり目を印象付けるように演奏すると曲の中で程よいアクセントになります。また、13・14小節目のTimp.は響きと音程を大切にしてください。 B のB.D.は小さめのマレットを使って、32分音符の発音を明確にし、ホルンやサックスのパートが歌いやすいビートや響きを作るとよいでしょう。特に28小節目のS.Cym.は真中から外側にずらしながら叩くなど、叩く位置を工夫して音色の変化とクレッシェンドが強調できるとよいでしょう。 E からの変拍子は、先程も述べたように、メトロノームに合わせてパート全員で拍子を声に出して確実に合わせるよう練習してください。また、42・45・47・48小節目のS.D.は、タイトな音色でパリッとした印象を感じさせる6連符が刻めるとバンド全体に躍動感が出ることでしょう。こうした部分は、勢いに任せて演奏するのではなく、メトロノームを使った地道な練習で培った正確な演奏が求められます。 F のHi-Hatは、安定した刻みができるように練習してください。また、〈cha〉なのか〈chi〉なのか、〈ja〉なのか、どのような音色がこの場面に合うのかを自分で考え、足の踏み加減はもとより、バチの太さやチップの大きさ・形状、叩く位置などを研究してください。クールで渋い刻みができると楽曲全体が締まります。 H からの変拍子は他のパートとの気持ちの良いアンサンブルができるように響き、音色、音のスピードに注意して演奏してください。 なお、I にでてくるTri.はスタンドに吊るして両手で演

奏するとリズムが安定します。また、J の一拍目は、打楽器全員が伸びのある明るい響きで演奏できるように心がけましょう。 K からのTimp. Chime.のSoliですが、Soli全体のアウトフレームが揺るぎなくなるように、お互いのリズムと息を確実に合わせるようにメトロノームを使って繰り返し練習してください。その上で、自由に歌ったり、フレーズを作ったりするように二段階でのプロセスを踏むことが大切です。音のスピード感や流れ、響きが調和した素敵なSoliを期待します。

 いうまでもなく打楽器はバンド全体のサウンドを引き締め、表現の方向性やビートを示すリーダーですが、バランスを崩した演奏をしてしまうとバンド全体をも崩壊させかねない力を持ったパートです。この点に十分に意識をもって練習や楽曲の研究に取り組んでください。熱い気持ちと冷静で緻密な構想に基づいた素晴らしい演奏ができるようお祈りします。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団首席ティンパニ奏者

Timpani

Snare Drum

Bass Drum

Crash Cymbals

Suspended Cymbal

Hi-Hat

Triangle

Tambourine

4 Tom-toms

Tam-tam

Xylophone

Glockenspiel

Marimba

Tubular Bells

88H, 88, 85H, 85

MRP1455S/C, PHRF1455S/C

PBA3618PBKST, PBA3618PBST

VL-20ASML

VL-18AS, HH-20S

VL-14TAH&14BAH, HH-14THH&14BHH

SAB-SHT8” or 10”

PETM-10CT

PTRP or PTA 10, 12, 13, 16

SAB-SYG28

AD-XS1HV40

AD-GD26

AD-MCHV

AD-BK5003S or BK5003C  

P21~24

P04, P08

P14

P42

P45ドラムカタログ参照

P48, P70

P70

P11~12

P48

P36

P37

P34

P39

楽器 品番カタログ掲載ページ

Timpani

Snare Drum

Bass Drum

Crash Cymbals

Suspended Cymbal

Triangle

Tambourine

Xylophone

Glockenspiel

88H, 88, 85H, 85

STA1550MH, STA1450FB or BR

PBA3618PBKST, 3618PBST

VL-18ASPM

VL-18AS

SAB-SHT6”or 8”

PETM-10CT

AD-XS1HV40

AD-GD26

P21~24

P06~08

P14

P42

P45

P48, P70

P70

P36

P37

楽器 品番カタログ掲載ページ

解説:中村 拓美

マーチ「プロヴァンスの風」 田坂直樹Ⅳ

大阪フィルハーモニー交響楽団ティンパニ・打楽器奏者

2015年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲徹底解説

STA1550MHどこか懐かしさを感じるこの曲。私にとっては1960~1970年代の古き良き時代のパレードバンドの音色を思い起こさせます。そんなサウンドを再現できるのがこの楽器です。15×5のサイズから生まれる、ふくよかなサウンド、心地よい胴鳴りとリムショットはこの曲にピッタリだと思います。

〈第7回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品〉

(高・大・職・一のみ)

平尾 信幸 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 打楽器奏者

キーポイント楽器はコレだ!

センシトーン・プレミアムPETM-10CTコンセルトヘボウ管弦楽団のNick Woud氏の監修によるタンブリンです。皮とジングルスのブレンド感がとても良く、魅力的なサウンドを生み出します。決して派手なイメージではありませんが、品の良い音色は世界の一流オーケストラで培われた経験の賜物でしょう。ぜひ使っていただきたい一品です。

シンフォニックタンバリン

PHRF1455S/C

E ~ F の解釈は様々でしょうが、大きく分けて、クラシック音楽の延長上にある現代音楽的アプローチと、打楽器全体をジャズトラップと考える2種類に分けられるように感じます。前者には硬派のフィルハーモニック “RF”。後者の代表格は伝統の “MRP” それぞれに威力を発揮します。

フィルハーモニック“RF”

MRP1455S/Cマスターズ・プレミアム

〈課題曲Ⅳ〉推奨楽器

〈課題曲Ⅴ〉推奨楽器

 多様な音色が出せる打楽器ですが、奏者が「こういう曲にしたい」、「こういう音を出そう」というイメージがないと、演奏を追及していくことができません。 そのためにもスコアをしっかり読み、メンバーの息づかいや歌い方、演奏の響きをよく聴くようにしていきましょう。

 さて冒頭4小節。!ではなく、あくまでもfということを意識してその中で情熱的に表現したいところです。 Timp.はほぼ全ての音にアクセントが付いていますが、力み過ぎず4小節目のソロも含めて音の輪郭をハッキリさせるくらいの意識でやってみましょう。 何度も出てくるS.D.のリムショットは打面とリムを同時に打って鳴らす方法と、片方のスティックを打面に付けて、そのスティックをもう片方で打つという方法等が考えられます。 前者は、S.D.の高さや角度、バチの当たる位置、バチのスピードなど自分の身体と楽器を意識し、よく考えながら練習に取り組んでみてください。 後者の場合、3小節目の最後の16分音符でバチを打

面に付け、それをもう片方で打ちます。バチさばきや打面のどこに付けるか等を研究し音色を探してみてください。 B.D. C. Cym.はS.D.をよく聴いて演奏しましょう。4小節の3拍目は短く処理しますがそれに気をとられて音色が損なわれないようにしたいですね。そしてすぐに意識と身体は次のmpの準備を。3小節目、4小節目、5小節目と音の表情が変わると素晴らしいです。 打楽器はイメージによって打つスピード、位置、深さ、重さ、バチの種類を変えることで大きく音色が変わりますが、B.D.の場合はそれに加えて左手で余韻や音色をコントロールすることも大事です。正解はありませんから、手のひら全てを打面に付けたり肘から先、指だけなど色んな触れ方、押さえ方で試してみてください。 シンバルの奏法はスピードなどの考え方は同じですが、それに加えて当てる角度と場所、当てる時間も大事です。あまり角度をつけず、遅く、長めに擦るように当てたり、角度をしっかりつけて、速く、短くすぐに開いたりなどと色々試してイメージに近い音色を探しましょう。 Xylo. Glock.は主に木管の細かい動きや、全体のメロディーを補強するような形で出てきます。スコアを見て同じ形をしている楽器のスラーなどを書き加えてみてください。点ではなく線になるように、歌うような演奏を目指しましょう。 A からはクラリネットがメロディーを演奏しています。自分が伴奏する時、何に対しての伴奏かをスコアで確認し考えてみてください。同じmpだとしても相手によって音量も音色も違う演奏になるはずです。この A の部分は少し音量的には抑え気味でやってみましょう。ただし音楽を進ませる力は損なわれないよう停滞しないように注意してください。 trio前のTimp.ソロは力まず明瞭にtrio冒頭に繋げるように演奏したいので硬めのマレットでグリップを握り込みすぎずに、リラックスして演奏しましょう。 G からはガラリと雰囲気が変わります。Triangleにスタッカートが付いていますが、とにかく「短く」ではなくBcl.、Hr.、Tub.などの音の処理や作り方に沿って演

奏します。Triangleを鳴らして持っている手で強く握ると音はピタッと止まりますが、柔らかくそっと握っていってみてください。少しずつ減衰するように音が止まりますよね? Triangleを持っている手の楽器への触れ方で余韻の処理をコントロール出来ます。 誌面で表現するのは難しいですが音を止めずにチーチーンとやっても良いですし、チッチーンではなく、チィンチーンというように少しだけ最初のスタッカートを早く減衰させてやるのも良いでしょう。 Tamb.はTriangleと同じリズムで、ロールが出てきますがこれは音をTriangleや他の楽器のように伸ばしたいということだと思いますので不自然にまっすぐ継続した音にならないように自然に減衰させるようにロールしましょう。 I からのS.D.や92のXylo.はトランペットなどが演奏している3連符の形とは明確に区別して演奏してください。103のXylo.のトレモロは「連打!」というようにならずに力まず響きと響きを繋げるようにして演奏しましょう。S.D.は曲の冒頭のタッタカタッタカというリズムのタカのところをそのままの手順でロールにすると上手く行きます。 ラストのXylo.のglissandoは下のaを発音したら少しゆっくり始めて、最後のa♭に向けてスピードを上げるように演奏するとスピード感と音量も出て尚且つ到達するタイミングをはかれます。

 以上色々書きましたが、もちろん答えはひとつでありません。失敗しても、こだわって試したり、発見したりする喜びやチャレンジする面白さを見つけていって欲しいです。 それでは聴く人の心に響く音楽が出来るよう、楽しんで取り組んでいってください。

トムトムもスネア同様に、解釈によって楽器のチョイスが変わってくると思います。前者にはシングルへッドでエスニックなイメージを。後者には “RFP”。ヘッドをヴィンテージコーテッドにするとクールでジャジーなサウンド感を得られると思います。

フィルハーモニック“RFP”マホガニー“シングルヘッド”モデル

MRP1455S/C

PHRF1455S/C

101 102