04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp ·...

37
169 第4章 教育内容・方法・成果 Ⅲ.教育方法 1.現状の説明 (1)教育方法および学習指導は適切か。 〈1〉大学全体 教育目標を達成するため、各学部・学科がその目的に合わせ様々な授業形態(講義・演 習・実験等)の科目を配置している。また、2012 年度からは、英語で授業を行う「国際科 目群」を全学部・学科を対象に実施している。 授業時間外での充分な学習時間を確保するため、各学部・学科とも履修登録の上限単位 数を定めている。学期ごとの履修登録の上限単位数は、各学部・学科の履修要項にて明示 され、半期または 1 年の学習や卒業要件単位数に対して適切に設定されている。学習指導 についても、指導教員による指導など、学部・学科主導で行われている。 学部・大学院ともシラバスにおいて「授業時間外の学習(準備学習など)」を必須項目と し、授業時間外における学習を促している他に、多くの学部では 1 年次より演習科目を開 講し、議論のできる授業形態を採用している。また、指導教員制を採用することにより、 学生の主体的な学習を支援する体制をとっている。 学位規程・履修要項さらには各種の内規により、研究計画の作成提出、研究指導および 審査手続きについて明確に定めそれに基づいて運用している。 いずれの専門職大学院においても実務家教員を配置し、実務を意識したカリキュラム構 成、学習指導をそれぞれ行っている。 〈2〉学部・研究科 【人文学部】 授業の形態は、人文学部のすべての学科にわたって、1〜4 年次で積み上げられる必修の 演習系科目(基礎演習Ⅰ〜Ⅳ、演習Ⅰ〜Ⅳ)を教育課程の軸に据え、そのまわりに入門的、 基礎的、専門的に分かれた講義系科目群と、講義系科目群の延長線上あるいはそれらを補 完するような役割を果たす各学科固有の特徴を持ったフィールドワーク・文献資料講読・ 実地研究・トレーニングなどの実習系の科目群を配置している。演習系科目群や実習系科 目群では少人数のクラス編制、学生の主体的参加が不可欠の条件となっている。 以下、それぞれの学科の独自の取り組みについて説明する。 ・キリスト教学科では各学年の定員が 20 名であるため、少人数学科の利点を生かして、綿 密で丁寧な個別指導を行い、授業以外でもオフィスアワーを利用して全学生が自由にど の教員からも指導を受けることができる。学年末には「キリスト教学科研究プロジェク ト発表会」を実施し、各演習の代表者に自ら取り組んだ研究プロジェクトについての研 究発表をさせている。 ・人類文化学科では、講義系、演習系、実習系の科目の組み合わせによって、理論と実践 をうまくバランスさせた指導を心がけているが、授業以外に大学内の人類学博物館およ び人類学研究所との協力関係も重要である。文化人類学や考古学等の授業において、博 物館の利用は日常的に行われており、学生に実践的な経験の機会を提供している。また

Upload: others

Post on 23-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

169

第4章 教育内容・方法・成果

Ⅲ.教育方法

1.現状の説明

(1)教育方法および学習指導は適切か。

〈1〉大学全体

教育目標を達成するため、各学部・学科がその目的に合わせ様々な授業形態(講義・演

習・実験等)の科目を配置している。また、2012 年度からは、英語で授業を行う「国際科

目群」を全学部・学科を対象に実施している。

授業時間外での充分な学習時間を確保するため、各学部・学科とも履修登録の上限単位

数を定めている。学期ごとの履修登録の上限単位数は、各学部・学科の履修要項にて明示

され、半期または 1 年の学習や卒業要件単位数に対して適切に設定されている。学習指導

についても、指導教員による指導など、学部・学科主導で行われている。

学部・大学院ともシラバスにおいて「授業時間外の学習(準備学習など)」を必須項目と

し、授業時間外における学習を促している他に、多くの学部では 1 年次より演習科目を開

講し、議論のできる授業形態を採用している。また、指導教員制を採用することにより、

学生の主体的な学習を支援する体制をとっている。

学位規程・履修要項さらには各種の内規により、研究計画の作成提出、研究指導および

審査手続きについて明確に定めそれに基づいて運用している。

いずれの専門職大学院においても実務家教員を配置し、実務を意識したカリキュラム構

成、学習指導をそれぞれ行っている。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

授業の形態は、人文学部のすべての学科にわたって、1〜4 年次で積み上げられる必修の

演習系科目(基礎演習Ⅰ〜Ⅳ、演習Ⅰ〜Ⅳ)を教育課程の軸に据え、そのまわりに入門的、

基礎的、専門的に分かれた講義系科目群と、講義系科目群の延長線上あるいはそれらを補

完するような役割を果たす各学科固有の特徴を持ったフィールドワーク・文献資料講読・

実地研究・トレーニングなどの実習系の科目群を配置している。演習系科目群や実習系科

目群では少人数のクラス編制、学生の主体的参加が不可欠の条件となっている。

以下、それぞれの学科の独自の取り組みについて説明する。

・キリスト教学科では各学年の定員が 20 名であるため、少人数学科の利点を生かして、綿

密で丁寧な個別指導を行い、授業以外でもオフィスアワーを利用して全学生が自由にど

の教員からも指導を受けることができる。学年末には「キリスト教学科研究プロジェク

ト発表会」を実施し、各演習の代表者に自ら取り組んだ研究プロジェクトについての研

究発表をさせている。

・人類文化学科では、講義系、演習系、実習系の科目の組み合わせによって、理論と実践

をうまくバランスさせた指導を心がけているが、授業以外に大学内の人類学博物館およ

び人類学研究所との協力関係も重要である。文化人類学や考古学等の授業において、博

物館の利用は日常的に行われており、学生に実践的な経験の機会を提供している。また

Page 2: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

170

人類学研究所では 2009 年度以降毎年、学生による研究成果の発表会(人類学フェスティ

バル)を開催し、学修・研究と社会とのつながりを理解する場を提供している。

・心理人間学科では、理論学習と体験学習を統合した日本で唯一と言える独自のカリキュ

ラムを展開している。前者では、心理学、臨床心理学、教育学、社会学などの領域から

人間についての理解を深め、後者の「人間関係プロセス論」、「カウンセリング的対話」、

「人間関係フィールドワーク」などでは、学内でのグループ活動や対人援助活動、学外

での養護学校や老人福祉施設での実習をとおして、実社会において効果的に対応できる

能力を身につける。また「心理学実験」「心理測定法」「質的研究法」などの科目では、

実験、統計やインタビューの方法を実習する。また卒業時には学内・学外に開かれた「心

理人間学研究プロジェクト論文発表会」を行う。体験を重視した本学科のカリキュラム

は、「教育的に意義深い体験活動を支援している」として、文部科学省から支援を受けて

いる。

・日本文化学科では、必修科目である 1・2 年次基礎演習と 3・4 年次演習において、他の

講義科目では実行が難しいきめ細かい学生の学習指導を行っている。演習形式の科目は

3・4年次の演習以外にも開講されており、「文章表現法」「ことばとからだ」「コンピュー

ターと言語学」「日本語教育実地研究」などでは少人数の教育が行われている。また一部

では外国人留学生別科の短期留学生との共通授業も開講され、日本語を母語としない学

生と日本語を母語とする学生が交流しながら、日本語の姿を探るという学科のひとつの

目標に向かって学習する機会が作られている。

人文学部では、学生の適切な学習に配慮して、登録科目数は学期毎に 24 単位という上限

が設定されている。ただしその場合、卒業に必要な単位に参入されない資格関連科目など

は、自由科目としてその制限から除外し(資料 4-Ⅲ-2 p.37-)、学科ごとの学位授与方針

と学生各自の学びの目標とのバランスをとるように配慮されている。

【外国語学部】

外国語学部では、語学教育と地域研究を両輪とした教育理念を実現するため、すべての

学科において、語学訓練科目・講義科目・演習科目を効果的に組み合わせたカリキュラム

を設置している。学科により多少の違いはあるが、おおむね 1・2年次においては語学訓練

科目、3・4年次においては講義科目・演習科目に重点を置いている。

すべての科目について履修年次が指定され、教育目標に沿った内容を段階的に学習でき

るようなカリキュラム構成が組まれている。また、学生が必要単位を履修する上で問題が

ないように、各科目群において充分な科目数が用意されている。このようなカリキュラム

によって、一般的な基礎教養から専門的な地域研究へと順次移行することで、広い知識に

裏づけられた高度な批判的思考をスムーズに身につけられるよう配慮されている。

卒業論文指導を兼ねた演習科目においては、学生一人一人が十分な発表や討論の時間を

持てるように、各学科で以下のような定員を設けている。

[英米学科] 受講者数 15 名程度。

[スペイン・ラテンアメリカ学科] 受講者数 5~15 名。

[フランス学科] 1 学年あたり 10 名。

[ドイツ学科] 1 学年あたり 10 名。

Page 3: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

171

[アジア学科] 1 学年あたり 10~15 名。

外国語学部では学期ごとの履修登録単位の上限は 22 単位となっている。

また、各学科が学習指導の充実のために以下のような配慮を行っている。

外国語科目、とりわけネイティブ教員によるクラスにおいて少人数クラス編成を実践し、

学生一人一人が十分に「聞く・話す・読む・書く」の実践的訓練を行う時間がとれるよう

配慮している。[英米学科]「Writing in English」では原則として 1 学年を 8 クラスに分

割している。[スペイン・ラテンアメリカ学科]ネイティブ教員が担当するスペイン語会話

の授業では 1学年を 3~4クラスに分割している。[フランス学科]ネイティブ教員が担当す

る「基礎フランス語Ⅰ・ⅡC・D」「総合フランス語Ⅲ・Ⅳコミュニケーション B・C」では原

則として 1 学年を 3 クラスに分割している。[ドイツ学科]ネイティブ教員が担当する「基

礎ドイツ語 I・II コミュニケーション」「ドイツ語コミュニケーション I・II」では原則と

して 1 学年を 3 クラスに分割している。[アジア学科]ネイティブ教員が担当する「中国語

会話」「インドネシア語会話」では原則として 1学年を 3クラスに分割している。

全教員がオフィスアワーを設けるなど、学生に対して組織的かつ丁寧な学習指導が行わ

れている。

上記の他に、各学科が学生の主体的参加を促すような工夫を凝らしている。具体的には、

それぞれの学科の現状に応じて特筆すべき次のような教育を行っている。

[英米学科] 2009~2011 年度において、GP「多文化社会における英語による発信力育成」

プログラムの一環として、「卒業論文の制作の手引き」(講演)と英語による「卒業論

文中間発表会」を行った(資料 4-Ⅲ-29 p.5)。

[スペイン・ラテンアメリカ学科] 初年次教育の一環として、Un, dos, tres, al español

と題した冊子を毎年新入生に配付し、オリエンテーションを実施している。学科の教

育理念、語学プログラム、文法・会話・作文・講読に関する学期・学年別語学到達目

標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で

の基本用語(約 400 項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

会情報、卒業論文執筆の手引きなど、4年間にわたって参照できる内容となっている(資

料 4-Ⅲ-21)。

[フランス学科] 1 年次生に対して小冊子「学生の手引」を配付し、フランス語の授業の

予習・復習の仕方、自宅学習の方法、フランス文化に接する方法などについて説明し

ている(資料 4-Ⅲ-22)。また、3年次生に対して「卒業論文執筆の手引き」を配付し、

資料収集の方法、卒業論文執筆の手順や守るべき様式などについて説明している(資

料 4-Ⅲ-23)。

[ドイツ学科] 「ドイツ研究入門 I」等の授業では、グループワークや学生によるプレゼ

ンテーションを積極的に導入している。「基礎ドイツ語 I・II コミュニケーション」等

の授業では、インターネット上で履修者向けの学習ポータルサイトを提供している。4

年次生に対しては「卒業論文作成に際して留意すべき事項」を配付している。ドイツ

の大学とインターネットで結び、テレビ会議システムを使って相互にプレゼンテーシ

ョンやディスカッションを行う演習も実施されている(資料 4-Ⅲ-24)。

[アジア学科] インドネシア語の授業においては学科教員が編纂した『教科書 イン

ドネシア語』(めこん)『森山式インドネシア語単語頻度順 3535』(めこん)を用いてい

Page 4: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

172

る。4年次生に対して、学科が作成した「卒業論文作成の手引き」を配布し、資料収集

の方法、卒業論文執筆の手順や守るべき様式などについて説明している。中国語の授

業においては、2年次の「中級中国語Ⅰ・Ⅱ」で会話、語法、読解の 3科目それぞれに

ついて習熟度別クラス編成を行っている。また 3年次の「中級中国語Ⅲ・Ⅳ」会話ク

ラスについても同様の編成を行い、中国で刊行されたテキストを使用するとともに、

上位のクラスでは原則としてすべて中国語によって授業を展開している(資料 4-Ⅲ

-25)。

【経済学部】

本学部の教育方法は、講義と、少人数制で参加型の学習を目指す経済演習の二本柱であ

る。講義では、ある程度のレベルを保った上で、分かりやすい講義の提供を心がけ、授業

評価などを通じて各担当者が改善を図っている。また、少人数制によるきめ細かい指導を

行うために、本学部ではすべての学年で経済演習を必修にしている。

演習の方法は、基本的に各教員に委ねられている。例えば、文献の輪読やレジュメの発

表、コンピュータ実習、他大学との交換討論会への参加など、教育目標の達成に向けて、

各演習で工夫がなされている。経済演習ⅠとⅡでは書評と修了論文を課し、経済演習Ⅳで

は卒業論文を書かねばならない。

2012 年度は、経済演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの定員はそれぞれ、29(25)、30(26)、20(21)、21(18)

名である(カッコ内は 2011 年度の数字)。ここ数年、1・2 年次の経済演習では定員が 25~

30 名、3・4年次の経済演習は 18~21 名である。

1学期に登録できる科目の上限は 24 単位である。また学習指導を充実させるため、すべ

ての専任教員がオフィスアワーを設けており、時間帯や予約方法等の詳細は、掲示や大学

Web ページで公表している。

経済演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳは、受講者による発表や報告と、それらへの質疑応答が中心で

あり、学生の主体性や自主性を尊重し、かつそれらを促す教育形態がとられている。経済

演習Ⅰ・Ⅱでは、受講生が夏期休暇後に書評、また学年末に修了論文の提出を、すべての

演習の共通課題として義務づけるとともに、以下の形でその実施を徹底している。

夏期休暇後の書評課題については、学部で演習Ⅰ・Ⅱ履修者全員の提出状況をチェック

し、その未提出者については、学科長が提出期限直後の教授会でその学生番号・氏名と所

属演習を明らかにするとともに 11 月半ば再提出期限を設け、当該学生に再度提出させるこ

とになっており、この 終締め切りを過ぎても書評提出のなかった学生については、担当

教員が責任をもって成績「F(不可)」をつけることになっている(資料 4-Ⅲ-26)。

演習科目以外でも、データ処理、計量経済学などのコンピュータ実習を伴う講義、ある

いは、経済外国語科目のクラスには定員を設け、演習方式をとっている。上記のコンピュ

ータ実習を伴う講義では、課題設定をすることを通じて、受講生の主体的参加を促してい

る。

【経営学部】

経営学の基本的な4つのコア専門領域である①組織・労務論、②財務論・ファイナンス、

③マーケティング・流通論、④会計学に関する科目群を【コア科目】に設定して体系的に

Page 5: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

173

学修させている。また、一般・関連領域の講義科目、ビジネス英語の実践科目、情報機器

利用科目、実務家によるビジネス実務科目、演習科目など多彩な授業形態が提供されてお

り、適切な学習指導が行われている。

経営学部の 1学期間の履修登録上限は 22 単位である。これは、各科目の学習時間を十分

に確保させ、各年次にバランスよく科目を履修させることを意図したものである。1年次は、

自動登録によって履修の自由度は低いが、新入生ガイダンスにおいて 2 年次以降の自主的

な履修登録を視野に入れ、カリキュラムや卒業のための履修要件の説明を行っている。ま

た、演習科目はすべての学生の履修を前提にしており、演習科目担当教員が登録学生の指

導教員となる。指導教員は、科目履修・学習指導や、大学生活全般の相談を担当する。本

学部では、全教員がオフィスアワーを設定し、学生の質問・相談に対応している。

「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」では、大学生活への適応力を高め、経営学の入門的なトピックスを

素材に読み・書き・ディスカッション・プレゼンテーションの技能向上を図っている。更

に、1年生全員が大学図書館利用講習会に参加し、図書館の利用方法、文献検索方法を修得

する。プレゼミナールと位置づけられる「基礎演習Ⅲ・Ⅳ」では、3・4年次のゼミ登録で

各自の専門領域を決める前に、担当教員の専門分野を 1学期間学習することができる。必

修の「経営演習Ⅰ・Ⅱ」では、各自が興味を持った領域について調査・研究方法を学び、

卒業論文の作成を通じて文章作成能力を養う。これら演習科目は少人数クラスで運営され、

学生教員間の連携を密に、発表、討論、レポート作成などを通して、学生の主体的な参加

を促している。毎年 5月下旬に卒業論文題目届を学部事務室に提出させ、題目変更がある

場合には 11 月下旬に変更届を提出させている。また、本学部全学生の卒業論文要旨をまと

めた「卒業論文要旨集」と、優れた卒業論文を掲載する「学生論集」を毎年刊行(資料 4-

Ⅲ-27)しており、学生の卒業論文に対する取り組み意欲を高めている。

【法学部】

本学部の教育方法・学習指導については、講義と演習による少人数指導の二本柱として

いる。講義では、より分かりやすく、かつ一定レベルの講義を提供することを心がけ、授

業評価などで各担当者が改善を図っている。また、本学部は少人数教育によるきめ細かい

指導を特徴とし、1年次では全員の学生が、また 2年次、3年次では、97%以上の学生が演

習に登録している。現在のカリキュラム体制では、1 年次で導入教育、2~3 年次の演習を

中核としている。1年次の導入教育では、複数回の共通講義、統一したテキストの使用の他

に、裁判傍聴などを励行している。2~3年次の演習では、前年度の 10 月より、演習シラバ

スを配布して、説明会を開催し、事前に演習を登録する(演習によっては選考がある)こ

ととして、各受講者の希望を尊重した履修を促している。各演習のやり方は教員に基本的

に委ねられているが、文献輪読や判例分析、事例検討、他大学との討論会・交流会への参

加など、教育目標の達成に向けて、各演習で工夫がなされている。一方、4 年次では 2~3

年次演習のような登録制度を採用せず、新年度に登録する制度を採用し、柔軟な履修を可

能としている。そのため、就職活動、試験勉強等から履修しない学生もいるが、 近では 4

年次の演習の履修登録率も高く、2011 年度では、のべ 281 人が 4年次法学演習に、16 人が

卒業論文演習に履修登録している。

春学期、秋学期とも、1~3年次には 22 単位、4年次には 30 単位の制限を設けている。

Page 6: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

174

指導教員制のもとで、基本的には演習において教員と学生との人間関係を形成させている。

オフィスアワー制度は導入していないが、学生個人について各教員が相談に応じているほ

か、成績が良好でない単位取得が十分ではない学生には、全学と同一の基準にて、指導を

具体的に行っている。また、休学のときには、個別に面談し、その事情を把握するととも

に、適切な指導をする機会を設けている。また、2010 年度から、保証人と連携した就学指

導を強化するため、成績表を保証人に送付することとし、『父母の集い』での個別面接で連

携を図っている。

個々の学生に個別指導を徹底することについては、このように、主に演習単位による指

導教員制の下に行っている。これに合わせて、法学部ゼミナール委員会と協力関係を構築

して各種イベントを開催し、教員と学生との距離を短くする努力をしている。このような

多面的な学習指導体制を整え、すべての学生が教員と接する場を多く設けており、おおむ

ねきめ細かな指導を適切に行っていると考える。

1~4 年次の演習では、各受講生が報告する形態を基本的に採用し、自ら関心のあるテー

マを調べ、報告するという方法が、主体的参加を促す第一の柱となっている。これらと平

行して、各講義において、体系的な法律学の知識の習得を促している。講義に関する学生

による授業評価では、①積極的な授業参加を促す工夫がなされたか、②自主的・発展的に

学習を進めることができるよう適切な指導・情報提供があったか、という項目があり、法

学部の評価結果は、5 点満点でそれぞれ、①について 4.03、②について 4.13(2011 年度春

学期)であり、全学平均(4. 19 および 4.23)より、やや下の値である(資料 4-Ⅲ-31 2011

年度秋学期)。

更に、春・秋に各種講演会を開催して、現代的問題への意識醸成に努めた。また、法学

会主催による刑務所、少年院見学を例年行っており、教員が希望者を引率し、見分を広め

る機会を提供している。その他、法学検定受験を、ゼミを通じて推薦したりしている。な

お、資格試験に向けた講座開設に力を入れ、法職講座の改善に努め、1年次の導入としての

ベーシックコース(憲法、民法、刑法)の他に、法科大学院受験コース、民法資格取得コ

ース、法学検定試験(3級)受験コースを開催してきた(資料 4-Ⅲ-28)。

また、学生と協働した形での教育を推進し、ゼミナール委員会の活性化を図ることに努

めている。ゼミナール委員会と各教員とのつながりについては、毎年度各演習からゼミナ

ール委員を 2名選出してゼミナール委員会を組織させ、法学会を教授会の前後に開催して、

法学会担当教員からゼミナール委員会に関する報告を受けて、教員との連携を図るように

している。このような仕組みのもと、具体的には、法学部ゼミナール委員会主催によるサ

マーセミナーを例年開催し、主体的な学習を可能とするように工夫している。その他、同

委員会が『法友南山』を毎年作成して、演習や教員の情報の他に、様々な情報を法学部生

に提供している。 近では、同委員会が 1 年入学時に新たに歓迎会を開催して、学生の学

習意欲を喚起するとともに、同委員会による演習紹介の充実化がなされており、学生によ

る主体的参加が促進されつつある(資料 4-Ⅲ-13)。

【総合政策学部】

現代社会の諸問題を多様な視点から理解・分析するためには、文明論的視野の下、幅広

い学問分野の基礎知識を身につけることが求められる。そのためには、まずは講義形式の

Page 7: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

175

授業形態で必要な知識を身につけることが重要であることはいうまでもない。その一方で、

机上の知識に留まることなく、様々な現実社会の現場を自らの目で見て学ぶことも大切で

ある。本学部では、そのためにフィールドワークを柱とした科目を設置している。「南山短

期アジア留学プログラム(NAP)」(科目名として「外国語Ⅰ、Ⅱ」)は、それを具現化する

ために設置された本学部を代表する科目である。NAP では、中国、韓国、台湾、フィリピン、

マレーシア、タイおよびベトナムのうちから各自が選択した国(地域)に 4週間滞在し、

提携先大学において現地の言語を学ぶとともに、様々な文化体験やフィールドワークを通

じてそれぞれの国や地域の実情や諸問題について学ぶことを目的としている(資料 4-Ⅲ

-18)。また、「総合政策学外体験プログラム」も国内または海外での体験学習やフィールド

ワークを主体とする科目である。演習科目としては、1年次の導入教育である「基礎演習」、

3~4年次のゼミに相当する「総合政策プロジェクト研究Ⅰ~Ⅳ」が必修科目として指定さ

れている他、その橋渡し的科目として「政策演習」が 2年次の選択必修科目として配置さ

れている。また、環境系の政策課題を取り扱う講義・ゼミが存在することから、「環境調査

法 1・2」のような実習科目や、「環境生物学」、「環境衛生学」といった実験系の科目も配置

している(資料 4-Ⅲ-8)。

履修方法の全体的方針は履修要項に明記され、履修ガイダンスを通じて(再)周知・(再)

徹底が図られている。また、卒業に必要な単位数として算入される科目については、学期

あたり 24 単位が履修登録の上限とされ、安易な履修登録が行えないようになっている(資

料 4-Ⅲ-2 p.178)。

また、1年次の必修外国語科目(「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ」、「英語リテラシーⅠA、

ⅠB」、「英語リテラシーⅡA、ⅡB」。合計 8単位)は、1クラス 20 名程度で習熟度別にクラ

ス分けが行われ、少人数教育で各学生の習熟度に応じた授業となるよう配慮されている(資

料 4-Ⅲ-8)。また、NAP についても、上限を 20 名程度に設定し、提携先大学の教員および

本学部からの引率教員がきめ細かく指導にあたることとなっている(資料 4-Ⅲ-18)。なお、

その参加者数は毎年度全体で約 100~120 名であり、同学年における参加率は約 30~40%と

なっている。

これらの科目はもとより、他の外国語科目も上限人数が設定されており、外国語の基礎

を習得するために、学生が主体的に授業参加できるようにしている。また 2~3年次の「方

法論科目」においては、あらかじめ「前提として修得しておくべき科目」を指定した上で、

更に上限人数を設定している。これは、「統計解析」や「総合政策数量的アプローチ」(計

量的な社会調査法を学ばせるもの)、「総合政策外国文献講読」(いわゆる原書講読)といっ

た実習科目の色彩の強いものだからであり、このことを通じて、学生の理解度や授業への

取組度を担当教員が適切に把握することを可能にしている(資料 4-Ⅲ-2 p.175)。

留学生に対する日本語科目では、各科目の授業内容に応じて、細かく小テストや課題提

出を課し、各学生の理解度や習得度を把握し、各学生にフィードバックすることを徹底し

ている。特に、中級レベル以上の学生には、作文やレポート課題の細かい指導が必要とな

るためフィードバックを入念に実施している。授業外でも日本語担当の専任教員が、各留

学生に対する面談を各学期中に 1~2回程度実施し、学習状況に加え生活状況の確認も行っ

ている。また、 上級レベルである日本語Ⅲ(読解)の授業には学長を招いた懇談会を実

施しており、これが留学生たちの学習動機をより高めているように見受けられる。また、

Page 8: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

176

限られた授業時間では扱えない内容については、学部生のティーチンング・アシスタント

(TA)のサポートも加えた形で、臨時職員による補習授業で取り扱っている。TA を担当す

るのは、日本語学習を終えた留学生で、未修留学生のニーズを早めに汲み取り、日常的な

事柄や文化や習慣などに関する知識への対応を行えるようにしている。

3~4 年次の必修科目である「総合政策プロジェクト研究Ⅰ~Ⅳ」(いわゆるゼミ)は、本

学部の教育課程の中心であるとともに、各学生にとっては自らの専門分野を高めて卒業論

文の完成を目指す、いわば「到達点」に位置づけられている。このゼミでの学修方法を模

擬的に体験させ、ゼミでの教育の特色ともいえる、文献の輪読、小論文・レポートの作成、

口頭での報告を予備的に実践させる場としての「政策演習」が 2年次の選択必修科目とし

て開講され、1年次の「基礎演習」と 3年次以降のゼミの橋渡しとなっている(資料 4-Ⅲ

-8)。

【情報理工学部】

本学部の科目は、大きく 3つの種類に分けられる。その第1は 2年次春学期までに配置

した学部共通必修科目、第 2は、2年次秋学期以降に配置する演習・実習以外の専門科目(す

なわち、学部共通選択必修科目・学部共通選択科目、(演習実習以外の)学科科目)、第 3は、

3年次以降に配置される演習・実習科目である。これらの科目は、基礎から応用に、すなわ

ち、年次が上がるにつれて専門性が高くなるように配置している。

ディプロマ・ポリシーとの対応について述べておく。

第 1の科目群は、3学科に共通して必要な基礎を培う科目群で、数理的な基礎理論や倫理

観を幅広く身につけることを目的としている。このうち、重要科目は、講義科目と演習・

実習科目を組にした形態をとっており、訓練をとおした知識の定着ができるようにしてい

る。この演習・実習科目のクラスサイズは、35-50 名規模でありが、ティーチングアシスタ

ントを採用することで、個別指導を可能にしている。

第 2の科目群は、各学科の専門技術と関連する理論の習得を目的としている。学科科目

で専門技術を習得し、学部共通選択科目で関連する知識の習得する。

第 3の科目群は、多面的に考える力、技術を活用する力、論理的なコミュニケーション

能力、自主的かつ継続的に仕事を進める力、グループの一員として仕事を進める力を培う

ことを目的としている。クラスサイズは、

3 年次の実習 35-50 名規模

3・4 年次の演習・卒業研究 8-15 名規模

である。とくに、演習・卒業研究では、少人数であるとともに、2年間同一の教員のもと履

修することで、目的をより効果的に達成できるようにしている(資料 4-Ⅲ-8)。

学習指導の充実の面から 4つを述べる。

第 1は、年間の登録単位数の上限を 48 単位と定めていることである。これにより、登録

した科目へ集中して取り組むことを促している(資料 4-Ⅲ-2)。

第 2は、指導教員制による学習指導の充実である。具体的には、指導教員の指導により、

個々の学生の能力に応じた学習指導を可能にしている。とくに、3・4年次の選択科目の系

統的履修を可能にしている。

第 3は、学生研究室、LAN 環境、貸与ノート PC を用いた学習指導である。学生研究室は、

Page 9: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

177

研究指導・卒業研究を行う教員毎に設けられた研究室である。そこでは、所属する各学生

に個別の机を用意している。同じ分野の 3・4 年次生、大学院生間の議論ができるようにな

り、学習効果をあげている。一方、充実した LAN 環境は、Web 上に公開した講義資料等や

教員学生間の連絡に、有効利用されている。また、全学生に貸与したノート PC により、統

一した環境で個別の学習と授業での学習を可能にしている。

第 4は 1・2年次の演習・実習の指導体制である。具体的には、これらの演習・実習にお

ける、クラスサイズ、再履修者への対応、到達度別等のクラス編成を、年度毎に検討して

いる。到達度別クラス編成は、1年次の数学演習、2年次春のプログラミング応用実習で行

っており、到達度に応じた指導を行うことができている。

各授業のシラバスで、授業時間外の学習について述べ、授業によっては、レポート課題

等を適宜課している。また、前述した演習・実習形式の授業は、授業時間が、学生の主体

的に活動する時間となる。とくに、4年次の卒業研究は、学生自らが卒業研究のテーマを

選び1年間を通して主体的に研究を進める科目である。

【人間文化研究科】

基本的には、講義主体の専門科目と演習形式の研究指導科目を組み合わせて、指導を行

っているが、必要に応じて専門科目に実習を取り入れている。教育ファシリテーション専

攻では、実践的訓練に重きを置くため、多くの専門科目が実習を含む。また、言語科学専

攻でも、「日本語教育概論」で本学外国人留学生別科での実習を課している(資料 4-Ⅲ-3

p.344)。履修科目登録の上限は設けていないが、科目登録についても指導教員が助言を行

うため、問題は生じていない。

専攻毎に、学生の独創的な研究を支援する様々な試みがなされている。キリスト教思想

専攻 (博士前期課程)・宗教思想専攻 (博士後期課程) では、年に 5回「合同ゼミ」を開催

して、個々の学生が専攻の全構成員に対して研究成果を発表する機会を設けている。また、

学生は、年度末に研究進捗報告と次年度の研究計画を指導教員に提出し、成果と課題を指

導教員とともに確認している。言語科学専攻では、個々の学生に対して、指導教員を中心

としたアドバイザリーコミティーを編成し、複数教員による指導体制を徹底しており、博

士後期課程の学生は、毎学期、専攻の全構成員が参加する「研究進捗報告会」で発表を行

うこととしている。この 2 専攻は、加えて学位論文研究の中間報告会を行い、学生が学位

論文研究についても、専攻の全構成員からフィードバックを受けることができるようにし

ている。人類学専攻 (博士前期・後期課程) では、各学期に 2 回ずつ、全教員と全学生が

参加する「合同研究会」を実施している。この合同研究会は、文化人類学と考古学の連携

を深める機能を担っており、また、学位論文の中間審査を行う場としても活用されている。

教育ファシリテーション専攻 (修士課程) においても、中間試問と論文プレゼンテーショ

ンを論文提出の条件としている。人類学専攻博士後期課程と教育ファシリテーション専攻

は、社会人を対象としているが、充分な指導が行えるように、夜間、週末、夏期休暇を積

極的に活用して、科目の開講と研究指導を行っている。

指導教員が担当する研究指導科目は、研究のための基礎的知識の修得から学位論文の完

成に至るまで内容が順次的に構成されており、きめ細かい指導の場となっている。上述し

たように、カリキュラム内の指導に加え、本研究科の教員が様々な研究プロジェクトを遂

Page 10: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

178

行しており、学生は、主体的に参加することによって、高度専門職業人、研究者としての

経験を積むことができる。

【国際地域文化研究科】

博士前期課程では「基礎科目」「専門科目」「演習科目」の 3カテゴリーを、博士後期課

程では「専門科目」「研究指導科目」の 2カテゴリーを、それぞれ組み合わせて指導を行っ

ている(資料 4-Ⅲ-3 pp.437−449)。とりわけ、博士前期課程の「演習科目」における「国

際地域文化課題演習」は、講義科目と研究指導の中間に位置づけられるような科目として、

指導教員以外の教員からの、少人数かつ双方向の講義の場として、学生の多元的視点の育

成に効果を発揮している(資料 4-Ⅲ-3 pp.482−487)。

履修科目登録の上限は設けていないが、それぞれ、適宜、研究指導教員のもとに履修登

録等を行うことで、学生の要求と学生にとって必要となる知識・能力とをバランス良く、

学ぶことができるよう配慮している。博士前期課程においては、「研究指導」の開始が 1年

次秋学期からとなるため、それまでは、各研究領域に配置された領域コーディネーターの

教員が、指導教員を兼ね、種々の指導・相談を行うこととなっている。指導教員が担当す

る研究指導科目は、学位論文の完成に至るまで内容が段階的に構成されており、きめ細か

い指導の場となっている。

新入生に対しても、在学生に対しても、年度ごとにガイダンスを実施している。その際

に、モデル時間割や研究指導の進め方等について示した資料を配付し、各課程の修学プロ

セスをわかりやすく提示している。また、学位論文に関しては、年 2回の中間報告会を実

施し、更に、 終の論文提出のおよそ 1ヶ月前に仮の完成原稿提出を義務づけている。

他方、こうした学位論文作成にかかる教育および学習指導体制とは別に、(先導的)高度

専門職業人や研究者としての経験を積むことができる機会も準備している。「国際地域文化

プロジェクト研究」においては、先述のとおり、社会活動団体での一定の研修が組み込ま

れており、高度専門職業人を目指す学生にとっては、有益な経験の場となっている(資料

4-Ⅲ-3 p.455)。また、2009 年度に採択された大学教育・学生支援推進事業【テーマ A】

大学教育推進プログラム(文部科学省)「多文化社会における英語による発進力育成 グロ

ーバル時代に活躍するための多元的学士力向上プログラム」は、外国語学部英米学科が中

心となるものであったが、本研究科でも、アメリカ研究領域の学生を中心に様々な事業に

参加する場となった。同様に本学が主催幹事校として 2007 年より 5カ年の計画で実施して

きた「名古屋アメリカ研究夏期セミナー(NASSS)」にも、多くの学生が参加の機会を与え

られ、世界各地から集ったアメリカ研究者との交流等、有益な経験を得ることができた(資

料 4-Ⅲ-30)。

研究指導計画に基づく研究指導・学位論文作成指導については、新入生、在学生それぞ

れを対象として毎年開催するガイダンスにおける、研究科ガイダンス資料で、年間のスケ

ジュールを明示し、学生に意識させるとともに、段階的に準備されている研究指導(博士

前期課程はⅠ〜Ⅲ、博士後期課程はⅠ〜Ⅵ)において、適切な指導を行っている。

また、複数回の中間発表会を設け、研究指導の進捗を、複数の教員で確認できるような

体制を確保している。

Page 11: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

179

【経済学研究科】

博士前期課程においては、研究指導科目は、報告・質疑形式のディスカッションが中心

で、ほとんどの授業科目がディスカッションを含む講義形態である。講義科目のなかに分

析手法を学ぶ科目が、「専攻科目」に 5 科目、「基礎科目」に 1 科目あり、これらについて

は実際にコンピュータを利用した授業がなされている。また「基礎科目」は、経済学の基

本的考え方を習得したり、知識を整理したりすることを目的として、基礎能力の育成を行

っているが、それでも十分でない学生には、課程修了に必要な単位に含まれない自由科目

として、学部のミクロ経済学、マクロ経済学や専攻に関連する科目の履修を指導している。

また、ほとんどの授業科目が、少人数のクラスであるため、充実したディスカッション

がなされており、学生の修得効果が上がっている。

博士後期課程では、学生が少ないため、授業はマンツーマンの形式となっている。

博士前期課程の登録単位数は、研究指導を含めて1年 24 単位が上限となっている。「長

期在学」の社会人学生については、各科目をじっくりと学ぶことができるように、14 単位

を上限としている。

更に、オフィスアワーが設けられていることから、学生は関連領域の教員による指導機

会も持つことができ、研究の充実が図られている。

研究指導および多くの授業科目では、学生に報告を課し、それについて、受講者全員で

ディスカッションを行うという形式であり、学生の主体的参加が要請されることによって、

授業の活性化が高まっている。「学生による授業評価アンケート」の結果においても、学生

が、授業に満足している様子が伺える(資料 4-Ⅲ-34)。

研究指導のうち、特に、論文指導については、6月に提出された「論文計画書」に沿って

行われた指導の成果として、11 月に公開で開催される中間報告会での修士論文中間報告と

なる。この時点では、論文が 8 割以上の完成度に達していることが目安とされ、論文およ

び報告に対してなされた審査委員からのコメントにしたがって、論文を完成させ、1月の提

出となる。審査委員会は論文審査を行い、2月下旬に実施される口頭試問による 終試験(公

開)により、その成果を評価する。

博士後期課程では、課程在籍者に対しては、11 月に中間審査が、1 月に 終試験が実施

され、中間審査が非常に重要な位置づけとなっている。また、論文博士としての審査希望

者は、事前査読を受け、受理された後、随時、同様の審査過程をたどることになる。

【ビジネス研究科経営学専攻】

博士前期課程、後期課程ともに、講義主体の専門科目と演習形式の研究指導科目から成

るが、ほとんどの授業科目が少人数クラスであるため、充実したディスカッションがなさ

れており、学生への教育効果が上がっている。

博士前期課程の登録単位数は上限を 1年 24 単位としている。科目登録に際しては指導教

員の助言・承認が必要であり、学生と指導教員が相談の上、学生の研究テーマに沿った適

切な科目選択がなされるように配慮している。

演習をはじめ多くの授業科目は、学生に報告を課し、受講者全員で論議する形式をとっ

ており、学生が主体的に授業に参加するようにしている。とくに演習は個別対応の授業で

あり、研究テーマを選び主体的に研究を進めるための指導体制をとっている。

Page 12: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

180

論文指導では、博士前期課程は1年次、後期課程は 2年次の 10 月末までに論文プロポー

ザル公聴会を実施し、その内容を受けて指導教員を中心とした複数教員による適切な指導

体制が整えられる。修了年次の 6 月には「論文計画書」が提出され、それに沿った指導の

成果が 10 月開催の中間審査となる。中間審査での審査委員からのコメントに従って論文を

完成させて1月に提出し、 終審査によりその成果を評価する。このように、論文指導に

おいて計画的な学位論文の完成を支援している(資料 4-Ⅲ-3)。

【総合政策研究科】

本研究科で開講されている講義科目の大半は社会科学系の科目であり、学生が専門書を

輪読して報告を行い、教員が補足的な説明を加えるという授業形態が中心である。教員に

よる講義が中心となる場合でも、学生による充分な準備を求めている(資料 4-Ⅲ-4

pp.20-163)。なお、環境政策系の科目においては地理情報システム(GIS)を利用するもの

や、学外でのフィールド調査を実施するものもある。科目の特性に従った授業形態を採用

することを通じて本研究科の教育目標の達成が全体として確保されている。

履修要項上、履修科目登録について上限は設定していない。博士前期課程の場合、学生

は毎学期、「研究指導(2単位)」以外に 3~4科目(6~8単位)程度を履修することになる

が、過重な負担だとは考えていない。

上述のとおり、講義科目であっても学生による報告・討論に重点が置かれた授業運営が

中心である。

博士前期課程においては、入学直後の段階で指導教員が決定され、学生はその指導の下

で 2年間をかけて修士論文の執筆に取り組むことになっている(資料 4-Ⅲ-4 p.8)。また、

博士後期課程においては、前述のとおり、入学直後の段階で 3名の教員からなる指導体制

が組まれている(資料 4-Ⅲ-4 p.14)。具体的な研究指導計画は、学生の研究テーマや基礎

的能力に応じて柔軟に設定されるが、博士前期・後期課程とも週に一回の「研究指導」を

受けることになっており、これを通じて研究の進行状況が随時チェックされる体制となっ

ている。

【数理情報研究科】

開講科目は、3種類、すなわち、基礎科目群、専門科目群(ソフトウェア工学科目群、要

素技術科目群)、研究指導科目(OJL 科目群、研究科目群)に分けられる。ディプロマ・ポリ

シーとの主な対応は以下である。すなわち、基礎科目群では、グローバルな視点から考え

ること、情報技術と社会・自然の関係、数理情報に関する基礎、を修得する。専門科目群

では、専門技術の理解とその応用を学ぶ。研究指導科目群で、諸技術を利用して主体的継

続的に仕事を進める能力、論理的に情報を伝える能力、グループで作業する能力などを身

につける。基礎科目群は、専門科目群との継続性などから、その多くを1年次春に配置し

ている。研究指導科目群は、修士論文の作成を通して上の能力を育成するもので、 も重

視する科目群である。そのため 2年間の各学期に必修として配置している。

学習指導充実の面から、指導教員制、学生研究室の設置について述べる。指導教員制で

は、指導教員の指導により、個々の学生の能力に応じた学習指導が可能である。学生研究

室は、研究指導を行う教員毎に設けられた研究室である。そこでは、所属する各学生に個

Page 13: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

181

別の机を用意している。同じ分野の 3・4 年次生、大学院生間の議論ができるようになり、

学習効果をあげている。

学生の主体的参加の面から述べる。この主体的参加を重視する授業として、研究指導科

目がある(資料 4-Ⅲ-4)。この科目では、個別対応の授業を行うことで、学生自らが研究テ

ーマを選び主体的に研究を進めるための指導体制をとっている。

研究指導計画に基づく研究指導・学位論文作成指導について述べる。学位論文を提出す

る年度の 6月に計画書、9~10 月に中間発表を行い、年度末に 終審査を行っている。中間

発表、 終審査では、指導教員でない教授が主査となり、2名以上の副査と合わせて複数の

審査員で評価を行っている。

(2)シラバスに基づいて授業が展開されているか。

〈1〉大学全体

「大学設置基準」第 25 条の 2に規定される「大学は、学生に対して、授業の方法及び内

容並びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示するものとする。」を担保するために、本学

で開講する全ての授業科目についてシラバスを作成し、学生に対し授業の方法及び内容並

びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示している。シラバスには「授業概要」「学修目標」

「授業計画」「授業時間外の学習」「評価方法(評価方法で総合評価となる場合は配点(ウ

エイト)表示を行う)」が必須項目として記載される。学生に対し授業内容を明確化するシ

ラバスについて、大学で統一した記載項目を担保するため、項目は教務委員会において審

議・承認する体制を取っている。また、内容についても、学部教務委員,学科時間割編成

委員、さらには科目区分ごとのコーディネーターにより精査され、記載に問題があれば修

正を要請する体制を取り、内容の充実を図っている。

シラバスの内容の精査に加え、シラバスに基づいて授業が展開されているかどうかの検

証は、「学生による授業評価」において「授業内容を知る上で、シラバス(授業科目履修案

内)の記載は役に立ちましたか。(シラバスを読んでいない場合はマークしないでくださ

い)」の設問および自由記述欄において行われている。この授業評価の結果は教員にフィー

ドバックされる。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

授業科目シラバスの作成は毎年度、教員の重要な仕事の一つとなっている。シラバスの内

容は、各学科の教育方針に基づきながら、各教員の研究の独自性も重視しつつ、内容の充

実性を確保している。学生に配布される『授業科目履修案内・講義概要』(大学教務課の Web

ページからも閲覧可能になっている)に、人文学部で開講されている各科目の詳細が明示

されており、また他の科目との関連性や他学科生の履修の可否も示されている(資料 4-Ⅲ

-5)。

授業の内容・学期毎 15 回の授業計画・運営方法・到達目標は、いうまでもなくシラバス

の内容と整合的に実施される。それが確実になされているかどうかは、毎学期実施されて

いる学生による授業評価の中で確認されている。「人文学部共通科目」についても、学部教

務委員のもと、その運営方法等、定期的に検討が行われている。シラバスと実際の授業内

Page 14: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

182

容の整合性については、毎学期実施されている「学生による授業評価」の結果に基づいて

点検している他、各科目の担当教員が、授業内容とシラバスがより整合性のあるものとな

り、より充実した内容となるよう努めている。

【外国語学部】

シラバスにおいては全学で統一した書式を用い、学生に対して学習方針を明確に示して

いる。編集の段階においては、各学科の時間割委員等が各教員から提出されたシラバスに

対してチェックを行い、既定の書式に従って作られているか、必要事項が網羅されている

かを確認する。また、外国語の授業等で同一のクラスを分割する場合には、担当責任者が

共通のシラバスを作成する。シラバスは大学の Web ページで閲覧できるようになっている。

授業内容・方法とシラバスの整合性については、学期ごとに行われる「学生による授業

評価アンケート」の質問項目にも含まれており、授業評価の重要なポイントとなっている。

質問項目 7「授業内容を知る上で、シラバス(授業科目履修案内)の記載は役に立ちました

か(シラバスを読んでいない場合はマークしないでください)」について、2011 年度春学期

の外国語学部の評価結果は、「学部共通科目」は 4.48、「学科科目」は英米 4.39、スペイン・

ラテンアメリカ 4.15、フランス 4.55、ドイツ 4.44、アジア 4.68 である(大学全体の平均

値は 4.27)。2011 年度秋学期は「学部共通科目」は 4.35、「学科科目」は英米 4.48、スペ

イン・ラテンアメリカ 4.28、フランス 4.59、ドイツ 4.44、アジア 4.62 である(大学全体

の平均値は 4.37)(資料 4-Ⅲ-31 2011 年度春学期 p.vii、2011 年度秋学期、p.vii)。以

上から、外国語学部の各学科のシラバスはおおむね高評価であると言えるが、シラバスを

読まない学生への対応として、第 1回目の講義(登録変更可能期間)でシラバス内容を確

認する等の対策を行っている。

【経済学部】

シラバスは、全学で統一した書式を用い、具体的な項目を作成することになっている。

授業内容・方法とシラバスの整合性については、学期末に行われる学生による授業評価

によってもチェックされている。質問項目の中に「授業内容を知る上で、シラバス(授業

科目履修案内)の記載は役に立ちましたか(シラバスを読んでいない場合はマークしない

でください)」があり、経済学部の評価結果、5点満点で 4.24 点は、全学平均(4. 30)と同

程度の値である。シラバスを読まない学生もいることへの対応として、第 1回目の講義(登

録変更可能期間)にシラバスを配布するなどの措置を大半の授業において行っている。

【経営学部】

各科目のシラバスは、全学統一の様式で『授業科目履修案内:講義概要』に具体的に記

載されている(資料 4-Ⅲ-7)。

シラバス内容と実際の授業の整合性については、毎学期実施される「学生による授業評

価」に基づき点検されている。「授業内容を知る上で、シラバスの記載は役に立ちましたか。」

との質問項目に対して、2011 年度春学期経営学部の平均は 4.16(5 点満点)であった。ほ

とんどの科目において、 初の授業で授業内容の説明が行われる(資料 4-Ⅲ-31 2011 年

度春学期)。

Page 15: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

183

【法学部】

シラバスは、全学統一の方法により、具体的な項目を作成することとしている。

春・秋のそれぞれ半期全 15 回の具体的な内容と、評価方法を明記するとともに、学生に

よる授業評価において、シラバスに沿った授業展開を評価する項目を設けていることも、

全学と足並みをそろえている。質問項目中の、授業内容を知る上で、シラバスの記載は役

に立ったかという項目で、法学部の評価結果は、5点満点で 4.36 点(2011 年度秋学期)であ

り、全学平均(4. 37)とほぼ同じ値である(資料 4-Ⅲ-31 2011 年度秋学期)。シラバスを

読まない学生もいることへの対応は、学部としては、特に行っていない。

【総合政策学部】

共通教育科目および学科科目の全科目についてシラバスが作成され、Web ページ上で公開

されている。従来、シラバス執筆にあたっては、各教員の裁量に委ねられ、内容・量にば

らつきが見られたが、2010 年以降、記載すべき具体的な項目・内容について全学的な統一

が図られた。これを受けて、シラバスの編集段階において学部教務委員や教務担当係から、

主として形式的側面からのチェックが行われ、必要に応じてその都度修正を求めている。

学生による授業評価の質問項目に、授業内容とシラバスの整合性を問う項目が設定され

ており、その評価からある程度把握することができる(資料 4-Ⅲ-31)。しかし、学生は必

ずしもシラバスを熟読した上で履修登録を行っているわけではないとの傾向も垣間見られ

ることから、履修ガイダンスにおいてシラバスを熟読した上で登録するよう指導している。

なお、英語、日本語等の語学科目や、環境調査法等、複数教員による学科科目において

は、性質上、教員間で学生の学習状況や授業の進捗状況に関する情報を共有する必要があ

るためチームティーチングが行われている。授業担当者は授業の実施後、メール等で学生

の様子や授業内容を連絡し合って情報の共有化を図り、期末のミーティングは、日常的な

チームティーチングを総括し、次学期の実施体制を考える場として機能している。

【情報理工学部】

シラバスは、全学統一の方法により、具体的な項目を作成することとしている。本学部

では、「その他」の項目で、JABEE 対応コースの学習目標との関係も明記している(資料 4-

Ⅲ-8)。

学部の授業に関しては初回の授業でシラバスの「学修目標」と JABEE の学習教育目標と

の関連を提示することを義務付けているため授業内容と整合している。また、学部構成員

全員が出席する FD 委員会において、シラバスの「学修目標」と実際の定期試験問題を資料

とした議論を行い、改善に役立てている。

【人間文化研究科】

学生に配布される『大学院便覧』に、各科目の詳細が全学統一の様式で紹介されてい

る(資料 4-Ⅲ-3)。シラバスと実際の授業の整合性については、毎学期行われる「学生によ

る授業評価」を参考にしつつ、専攻単位で点検している。

Page 16: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

184

【国際地域文化研究科】

学生に配布される『大学院学生便覧』に、各科目の詳細が全学統一の様式で紹介されて

おり、これは、大学教務課の Web ページでも閲覧できるようになっている。

シラバスと実際の講義の整合性については、毎年実施される「授業評価」に基づき、点

検している。これまで、大きな問題が指摘されたことは無いが、学生の利益および教育課

程編成の目的を踏まえて、特に「基礎科目」に属する科目について、適宜、担当教員の変

更なども実施している。

【経済学研究科】

シラバスは、全学で統一された記述項目、書式、内容に従って、各担当教員が作成し、

終的に専攻主任がチェックを行い,不適切な場合には修正を求めている。すべての科目

について「大学院学生便覧(経済学研究科講義概要)」に記載されている(資料 4-Ⅲ-3 pp.

575-630)。

「学生による授業評価アンケート」に基づき点検するかぎり、問題点としての指摘はな

く、シラバスと実際に行われている授業とは,整合的である。

【ビジネス研究科経営学専攻】

シラバスは、全学で統一された方法、内容項目に従って作成している(資料 4-Ⅲ-3)。

シラバスと実際の授業との整合性は、「大学院生による授業評価」に基づき点検している

(資料 4-Ⅲ-35)。

【総合政策研究科】

講義科目および研究指導の全科目についてシラバスが作成され、冊子および Web ページ

上で公開されている(資料 4-Ⅲ-3 pp.20-163)。従来、シラバス執筆にあたっては、各教

員の裁量に委ねられ、内容・量にばらつきが見られたが、2010 年以降、記載すべき具体的

な項目・内容について全学的な統一が図られた。これを受けて、研究科のシラバスの編集

段階においても、専攻主任や事務局から、主として形式的側面からのチェックが行われ、

不適切なシラバスについてはその都度修正を求めている。

シラバスは学生便覧に記載されており、それに基づいた授業が展開されていると考えて

いる。「学生による授業評価アンケート」での特段の指摘はなく、現状において問題はない

と考えている(資料 4-Ⅲ-36)。

【数理情報研究科】

シラバスは、全学統一の方法により、具体的な項目を作成することとしている(資料 4-

Ⅲ-4)。

大学院生懇談会において授業評価の機会を設け、授業についての問題などの意見を、院

生から聞いている。シラバスとの整合性についてもその際、院生から意見を聞く機会があ

り、問題点があれば研究科委員会で議論している。

(3)成績評価と単位認定は適切に行われているか。

Page 17: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

185

〈1〉大学全体

学部においては「南山大学学則」第 17 条および「南山大学授業科目履修規程」第 17 条

にて、履修した科目については成績を付与することが定められ、その評価の表し方につい

ては「南山大学学則」第 18 条および「南山大学授業科目履修規程」第 19 条にて明記され

ている。各科目における評価の方法は【評価方法】としてシラバスに必ず掲載し、学生に

明示することになっている。大学院においては「南山大学大学院学則」第 58 条から第 60

条で同様のことが明記され、各科目における評価の方法はシラバスに必ず掲載される。成

績については学部・大学院とも合格は 4段階(A+、A、B、C)、それに不合格(F)、試験欠

席(X)、欠席過多(S)、履修中止(W)の合計 8種類の評価がある。

厳格な成績評価を行うため、本学では従来よりその評価を数値化し、各種の表彰や奨学

金支給の決定等に用いてきたが、近時の流れを受け履修中止制度を含んだ GPA(Grade Point

Average)制度を整え実施している。

学生は成績評価に疑問を持つ場合、「南山大学授業科目履修規程」に定められた「疑問調

査」を願い出ることができる。科目担当者はこの願い出により、また成績の見直しにより

成績の訂正が発生した場合、その訂正を教務部長に願い出なければならない。そして学生

所属の学部長と科目開講の学部長の承認を経て成績が訂正される。学生と科目担当者間の

願い出・回答の受理や送付については必ず教務課を介すことになっており、透明性が担保

されている。

「南山大学学則」第 4条ならびに「南山大学大学院学則」第 18 条で授業を行う期間を 35

週と定めている。また「南山大学学則」第 12 条、ならびに「南山大学大学院学則」第 21

条において、授業形態(講義・外国語科目、体育科目および演習)ごとの 1単位あたりの

授業時間と教室外における学習時間を定めている。これに基づき各学期 15 週の授業を実施

して、制度上要請される学習時間について担保している。また、教室外における学習時間

については、各科目のシラバスにおいて【授業時間外の学習(準備学習など)】等が指示さ

れ、実質的な学習時間の確保につながっている。

既修得単位は、「南山大学授業科目履修規程」において、「他の大学または短期大学にお

ける修得単位」(23 条)、「大学以外の教育施設等における学修」(23 条の 2)、「編入学者お

よび転入学者の既修得単位」(24 条)、「入学前の既修得単位等の認定」(25 条)および「再

入学者および転部・転科者の既修得単位」(26 条)としてそれぞれ認められる。また、他大

学との単位互換協定により修得した単位は、「南山大学派遣聴講生規程」および「南山大学

院派遣聴講生規程」において認められる。その認定に際しては、いずれの大学で修得した

単位についても、「認定を受けようとする科目の成績証明書」および「認定を受けようとす

る科目の講義概要(シラバス)」の提出を求め、単位認定の相当性を判断している。認定は、

①学生による単位認定の申請、②原案の作成、③教務委員会の審議、④教授会の審議によ

り行われる。このような段階を経ることにより、認定の適切性を担保している。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

成績評価については、シラバスにおいて授業科目毎に評価方法が明示されている。評価の

根拠となる試験やレポートの実施方法を毎学期大学教務課に事前報告し、その上で学期末

Page 18: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

186

試験等を実施している。

単位認定については、教員がシラバスに明示した方法で厳格に評価を行い、合格の成績

については単位が与えられる。

編入生・転入生などの既得単位の認定については、「南山大学授業科目履修規定」に従っ

て単位認定を行っている。単位認定が認められる上限は、卒業に必要な修得単位 128 単位

の約半分に当たる 60 単位である。

【外国語学部】

すべての科目についてシラバスに「評価方法」という項目を設け、学生にあらかじめ評

価方法を周知している。成績評価は各科目の担当者が責任を持って行うが、外国語の授業

等でクラスを分割する場合、共通の試験を行うなどしてクラス分けによる成績の不公平が

起きないよう配慮している。

定期試験とは別に週 1 回の授業を 15 回行うという原則に基づいて単位を設定している。

外国語学部では異文化理解の有効な手段として派遣留学を奨励している。派遣留学には

①協定校との交換協定に基づく「交換留学」、②指定大学に大学の推薦を受けて留学する「推

薦留学」、③単位認定が認められる「認定留学」がある。派遣留学生は留学先大学で修得し

た単位について、南山大学開講科目の単位としての認定を申請することができる。学科科

目の認定については各学科が原案を作成し、教務委員会の承認を受ける。更に学科長会議

で認定が適切かどうか確認した上で、学部教授会で承認する。また、この他にも、編入生・

転入生などの既得単位の認定や、外国語検定試験による単位認定制度、愛知学長懇話会・

単位互換事業による聴講制度、豊田工業大学との連携聴講生制度などによる単位認定も行

われている。

【経済学部】

経済学部は、これまでの学部研修会で成績評価や単位認定のあり方などを討議し、成績

評価や単位認定の基準や方法について、学部内の教員が相互にチェックする体制を整備し

てきた。

2008 年の学部研修会においては、経済演習Ⅰ・Ⅱの取り扱い、必修科目(「ミクロ経済学」、

「マクロ経済学」、「経済学のための数学」、「データ処理入門」)の学習内容および成績評価

の基準について討議され、その基本方針が同年度の教授会で決定された。この方針にした

がい、2009 年 4 月 20 日付けで、「経済学部基礎科目担当者の心得」という内規が定められ、

成績評価(試験方法、成績の付与に関する基準、担当者間での成績分布の協議)に関して

担当者間の合意事項、および必須とされる講義内容が示された。「ミクロ経済学」、「マクロ

経済学」、「経済学のための数学」、「データ処理入門」の 4 つの科目については、学科長が

年度末に学部教授会で成績分布について報告をすることになっている(資料 4-Ⅲ-12)。

また教育方法の記述で既にふれたが、経済演習ⅠおよびⅡにおいて、夏期課題である書

評課題の未提出者リストが学科長によって 10 月の教授会内で公表され、一定期間内の未提

出者の再提出を求め、再提出しなかった者は各指導教員が責任をもって不合格とすること

になっている。

2009 年の学部研修会では、経済学部開講の講義科目について、各科目の成績分布表、定

Page 19: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

187

期試験問題等を、経済学部の専任教員が自由に閲覧できるシステムの導入が検討され、2010

年 5 月 18 日付けで「成績分布および試験に関する情報共有のための運用内規」が教授会で

承認された。いずれも成績評価の透明性をもたらし、各教員の責任意識を高めるとともに、

学部の教育向上に資することを目的としている(資料 4-Ⅲ-38)。

成績評価については、シラバスにおいて授業科目毎に評価方法が明示されている。評価

の根拠となる試験やレポートの実施方法を毎学期大学教務課に事前報告し、その上で学期

末試験等を実施している。

既修単位認定のあり方については、2001 年 3 月 5 日付けの内規「編入学・転入学者の既

得単位の包括認定に関する原則」に示されていた(資料 4-Ⅲ-39)。しかし、これを見直す

意見が 2011 年度の学部研修会において取りあげられ、包括認定及び個別認定のあり方をよ

り詳細に明確に定めた内規「編入学等による入学者の既修得単位に関する経済学部内規」

が 2012 年 8 月 1日の教授会において承認された(資料 4-Ⅲ-40)。

【経営学部】

シラバスに成績評価方法が明示されており、担当教員はこの評価基準に基づき成績を付

けている。成績は全学共通の基準に従っている。また、15 回の 3分の 1を超えて欠席した

場合、原則として「欠席過多(S)」となる。成績に疑問がある場合は「成績疑問調査」を求

めることができ、担当教員が回答する。

南山大学では原則として、週 1回 90 分の授業を 15 回受講し、定期試験に合格すること

で 2単位を認定している。愛知学長懇話会の単位互換事業、共通教育科目外国語の TOEIC

等の外国語検定試験、学部会計関連科目の簿記検定試験などによる単位認定、帰国留学生

の留学先大学履修科目からの本学科目への単位認定などは、学部教授会において妥当性の

審議・承認を行っている。

「南山大学授業科目履修規程」に基づき、他大学または短期大学で既に履修した単位を、

一定数を上限として本学で履修した単位と認定することができる。この既修得単位の認定

においても、学部教授会の審議・承認を行っている。

【法学部】

講義科目では、筆記試験によって成績評価がされるが、科目によっては、小テストやレ

ポートなどを加味した多元的な評価が行われている。演習科目では、授業への参加態度、

レポートの内容などを加味した総合評価が行われている。

教員がシラバスの「評価方法」に明示した方法で行っている。

科目毎の成績評価結果(各評価の割合)は、教授会において開示され、教員が相互にそ

の適切性を確認するしくみが作られている。また、「南山大学授業科目履修規定」に従って

編入生・転入生などの既得単位を認定し、愛知学長懇話会の単位互換事業による単位認定

も行っている。

【総合政策学部】

成績の評価方法・評価基準については各科目の特性や教員の裁量に委ねられている部分

もあるものの、あらかじめシラバスに明記することが求められている。南山大学授業科目

Page 20: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

188

履修規程第 27 条は、入学後の年数に応じて習得すべき 低単位数を定め、これに満たない

学生については、まずは指導教員が面談を行い適切な指導を行うこととなっており、それ

でも改善が認められない場合は退学を命じることとなっている(資料 4-Ⅲ-11 第 27 条)。

また、3年次の必修科目「総合政策プロジェクト研究Ⅰ」の履修に際しては、卒業に必要な

単位を 50 単位以上修得していなければならない(日本語を履修する留学生については、更

に一定の日本語科目の修得が必要)と定められている(資料 4-Ⅲ-2 p.179 および p.189)。

この要件は、実質的に 2年次から 3年次への進級の要件として機能している。留学生にも

履修規程第 27 条が適用されるが、進路の変更に関する指導については、協定機関とも連携

を図り、細かく対応できるように協議が行われているところである。

本学部においては、学期ごとの全科目について単位授与状況(成績分布)が教授会報告

資料として配布され、偏った成績評価・単位認定が行われていないかについての点検が行

われている。なお、語学科目については、毎学期終了時のミーティング時に、各科目担当

者が成績評価のポイントと基準を説明し、成績判定の妥当性を相互に検討している。

編転入や留学に伴う単位認定に当たっては、既習科目のシラバス等の資料を提出させ、

教務委員が内容的に適切であることを確認した上で認定している。同一大学からの編転入

や留学に対しては、読み替え可能科目をあらかじめ一覧形式にしておくことで公平性・客

観性を確保することとしている。南山大学授業科目履修規程第 23 条他は、本学以外の教育

施設等において修得した単位のうち、本大学の単位を修得したものと認定する単位数の上

限を各学部の卒業要件単位の 2分の 1までと規定しているため、本学部も当然のことなが

ら卒業要件単位である 130 単位の2分の 1、すなわち 65 単位を上限としている。外国語科

目や社会科学の基礎的科目については単位認定されることが多いものの、「文明論科目」や

「総合政策科目」、「選択科目」については本学部での履修が求められることが多く、編転

入学生や留学帰国生であっても本学部独自の教育理念に基づく教育課程の下での実質的な

学習が求められる体制にある(資料 4-Ⅲ-11 第 23 条〜第 26 条)。また、派遣留学からの

帰国生については、30 単位を上限として留学先大学で修得した単位を認定している(資料

4-Ⅲ-11 第 23 条第 2項、同条第 3項)。

【情報理工学部】

評価方法・評価基準はシラバスに明示している。その記載された基準は、その基準に整

合する成績集計票と JABEE 上の根拠となる答案・レポートなどを保存することで保証して

いる。さらに、保存された答案等は、必要に応じて第三者がチェックできる。

同一科目を、クラス分けし複数の担当者で担当する場合には、担当者間で基準について

の合意がある。1・2 年次に配置している実習・演習科目は、担当教員間で連絡をとり、全

学的な基準に基づき適切に評価されている。とくに、数学演習の定期試験は全クラスで同

一の問題を用いている。プログラミング実習関係でも、担当者間で採点基準等の会合を行

っている。また、プログラミング基礎・応用とプログラミング基礎実習・応用実習につい

ては、成績評価を連動させ、片方だけが合格することがないよう担当者間での合意がある。

この適切性を保証する根拠として、

・定期試験とは別に、週 1回の授業を 15 週行っている

・年間の登録単位数の上限を 48 単位と定めている

Page 21: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

189

がある(資料 4-Ⅲ-2)。

既修得単位認定の認定は、

・教務委員等が既修得科目のシラバス等を確認した上で原案を作成し、教務委員会、教授

会で審議されている。

・認定できる既修得単位の上限を 60 と定めていることにより適切に運営されている(資料

4-Ⅲ-2 第 23 条)。

【人間文化研究科】

専攻間、科目間の成績評価基準の統一について、研究科委員会で適宜検証しており、成

績評価のアンバランスが生じないようにしている。各科目のシラバスに記載されているよ

うに、各科目とも内容が充実しており、15 時間の授業と 30 時間以上の自宅学習をもって 1

単位としている。

他専攻、他研究科、他大学院 (外国を含む) において履修した単位は 10 単位を上限とし

て認定することができる。これは、学際的研究の奨励と個性化への対応を目的とするもの

であるが、単位の認定は、①学生による申請、②原案の作成、③大学院教務委員会および

研究科委員会での審議・承認を必要とし、厳密に行っている。

【国際地域文化研究科】

各科目のシラバスに「評価方法」が明示されており、これに基づいて成績評価がなされ

ている(資料 4-Ⅲ-3 pp.451−557)。

各科目のシラバスに、評価基準が明記され、この基準に沿って、適切に成績評価がなさ

れ、単位認定が行われている(資料 4-Ⅲ-3 pp.451-557)。

他研究科、他大学院において履修した単位を、博士前期課程については 8単位を上限と

して、博士後期課程については 10 単位を上限として認定することができるが、これらの単

位の認定は研究科委員会での妥当性の審議・承認が必要となる(資料 4-Ⅲ-3 p.438、p.441)。

【経済学研究科】

毎年、専攻主任が成績分布をチェックしており、問題があった場合には、該当教員に指

導をしている。

授業に参加することを前提として、事前準備、課題等の提出、報告・発言などにより、

シラバスの評価基準の項に沿って、適切に成績評価され、単位認定が行われている。

他研究科での既修得単位の認定は、シラバスを参考に個別認定となっており、研究科委

員会での承認が必要とされている。認定できる単位数は、10 単位が上限である。

【ビジネス研究科経営学専攻】

各教科のシラバスに「評価方法」を明示し、これに基づいて成績評価がなされている。

各学期、週 1 回の授業を 15 回行うという原則に基づき、適切な単位認定を行っている。

博士前期課程、後期課程とも、本学の他研究科・他専攻の修得単位 8 単位まで、他大学

院(外国の大学院を含む)の修得単位 10 単位までを修了に必要な単位と認めている(資料

4-Ⅲ-3)。

Page 22: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

190

【総合政策研究科】

授業科目の成績評価・単位認定は、担当教員の裁量に委ねられている。他方、修士論文

の指導・成績評価は、例年 10 月の中間報告段階で、3名の教員によって構成される審査委

員会が設置され、これが論文提出(翌年 1月)の後に行われる 終試験(口述試験)まで

実施し、合議により 終的な成績評価が行われる(資料 4-Ⅲ-3 p.9)。博士後期課程にお

いては、上述のスーパバイジングコミティ(SC)が各年次における研究の進捗状況をチェ

ックする報告会を主宰し、論文提出に際しては修士論文同様の中間報告と 終試験を実施

している(資料 4-Ⅲ-3 pp.15-16)。

社会科学系の科目を中心とした講義科目が開講されている本研究科においては、週 1回

の授業を 15 回必ず実施することを前提とし、学期末のレポートまたは筆記試験を通じた成

績評価・単位認定が行われている(資料 4-Ⅲ-1 第 21 条)。

履修要項では、本学の他の研究科、他大学大学院(外国の大学院を含む)で修得した単

位を、10 単位を超えない範囲で修了に必要な単位として認めることになっている(資料 4-

Ⅲ-1 第 61 条、第 62 条、第 94 条)。

【数理情報研究科】

評価方法・評価基準はシラバスに明示している(資料 4-Ⅲ-1)。

定期試験とは別に、週 1回の授業を 15 週行っており、必要な時間数の授業を行っている。

既修得単位の認定は、専攻主任等が既修得科目のシラバス等を確認した上で原案を作成

し、研究科委員会で審議されている。また、認定できる既修得単位の上限を 10 と定めてい

る(資料 4-Ⅲ-1 第 61 条、第 62 条)。

(4)教育成果について定期的な検証を行い、その結果を教育課程や教育内容・方法の改善

に結びつけているか。

〈1〉大学全体

春学期、秋学期の年 2回、全ての専任教員と非常勤講師は、南山大学自己点検・評価委

員会にて承認された科目選出ルールにより選出された科目について、原則1人 1科目を対

象に「学生による授業評価」の実施と、授業評価結果に対する「『南山大学学生による授業

評価』自己点検・評価報告書」の作成について義務付けられている。全ての専任教員と非

常勤講師は自らの授業を点検・評価することで教育成果について検証を行い、教育課程や

教育内容・方法の改善に繋げている。

「学生による授業評価」の評価結果については、南山大学自己点検・評価委員会におい

て、3つのカテゴリーに分け、それぞれに基準を設け、その基準に満たない場合は専任教員・

非常勤講師を問わず、改善を促す方法の仕組みを整備している。

例えば、3つのカテゴリーのうちの1つについては、授業全体に対する設問(4項目)、

授業運営に対する設問(7項目)、全体的な評価に対する設問(4項目)の計 15 設問項目の

評定平均が 3.0 未満(満点 5.0)の科目担当者について以下の対応をとっている。初めて上

記基準に満たないことになる当該科目担当者に対しては、科目開講責任者、FD 委員会委員

長、FD 委員等により構成される「授業改善検討会」の開催を希望するかどうかを確認する。

Page 23: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

191

この「授業改善検討会」の開催を当該科目担当者が希望しない場合は、当該科目担当者所

属の学部に対し対応を一任することとなっている。

ただし、「授業改善検討会」の開催に関わらず、当該科目担当者に「授業改善方策報告書」

を作成させ、それを自己点検・評価委員会に対し提出させ、自己点検・評価委員会におい

て審議・承認を行っている。複数回にわたり上記基準に満たない場合は、当該科目担当者

所属の学部に対し対応を一任し「授業改善方策報告書」の作成と自己点検・評価委員会に

よる審議・承認を行っている。また、「授業改善方策報告書」による改善方策の効果につい

ては、翌年度の学生による授業評価実施の際に同一科目を対象とし、改善結果の検証を行

っている。

また、授業評価結果およびその自己点検・評価報告書をまとめた『「学生による授業評価」

のまとめ』を刊行し、自己点検・評価委員をはじめ学内関係者へ配布している。全ての大

学構成員に対しては学内の要所にて閲覧に供すると共に、学内 Web ページでも公開してい

る。

その他年間を通し、FD 委員会としては教員相互の日常的授業参観の制度を設け、他の授

業担当者の優れた点を授業運営に活かすというスタンスの下、積極的な活用を呼び掛けて

いる。また、日頃の授業や学習環境について学生と教員が直接意見交換する「南山の授業

について話そう」を学生交流センターと共催している。さらに、教員間でよりよい授業運

営について考え話し合う場として FD 相談会等を実施しており、2011 年度には新任教員を対

象とした相談会を実施した。

各学部学科・研究科においても独自に FD 講演会・研修会を企画・開催し FD 活動への取

組を行っている(資料 4-Ⅲ-82)。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

各学科の学科会議においては、恒常的に学生の学修状況に注意を払っており、既修得単

位数の少ない学生などの特記学生について警鐘を鳴らし、指導教員による指導の強化を行

っている。

個々の教員においては、学期ごとに「学生による授業評価」を実施し、その結果を受け

て各科目担当者が報告書を提出するとともに内容改善に努めている。また、年度末に各学

科において自己点検・評価を行い、報告書を提出することによって、定期的に教育成果に

ついての検証を行っている。

各学科では学科会議や FD 研究会等において、カリキュラムや授業内容についてしばしば

話し合いの機会を持ち、その結果を現行の教育課程、教育内容・方法の改善に結び付ける

努力をしている。FD 研究会においては、各教員の担当授業における各種の試みが他の教員

に披露され、学科として授業の取り組みについて検証する場となっている。ここで明らか

になった諸問題は、学科全教員が共通して取り組むべき課題として認識され、次年度以降

の改善への一助とされる。学部レベルにおいても、毎年度 FD 講演会を企画して授業の改善・

向上に努めている。

【外国語学部】

Page 24: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

192

学部長・各学科長・評議員からなる「外国語学部自己点検・評価委員会」を設置してい

る。当委員会は各学科長が毎年提出する「自己点検・評価報告書」や毎学期行われる「学

生による授業評価アンケート」などを参考にして、学部や各学科における問題点を議論し、

問題の改善をはかっている。

「学生による授業評価アンケート」の結果は、2011 年度春学期は項目 4~18 の評定平均

値が「学部共通科目」は 4.48、「学科科目」は英米学科 4.55、スペイン・ラテンアメリカ

学科 4.33、フランス学科 4.74、ドイツ学科 4.35、アジア学科 4.70 であった(大学全体の

平均値は 4.31)(資料 4-Ⅲ-31 2011 年度春学期 p.vii)。2011 年度秋学期は、「学部共通科

目」は 4.33、「学科科目」は英米学科 4.52、スペイン・ラテンアメリカ学科 4.34、フラン

ス学科 4.74、ドイツ学科 4.50、アジア学科 4.70 であった(大学全体の平均値は 4.39)(資

料 4-Ⅲ-31 2011 年度秋学期 p.vii)。以上から、「学科科目」は全体に高い評価を受けてい

るが、「学部共通科目」は評価がやや低くなる傾向があると言える。

外国語学部 FD 委員会を設置し、毎年外国語学部 FD 会議を開催している。学生から授業

の問題点や改善要望点が指摘された場合には、臨時に FD 委員会を開催して検討した後、授

業担当者と話し合いの機会をもち、改善に向けた具体的な方策を考える。場合によっては、

授業担当者に問題点に応じた研修を求めることもある。また、授業環境(照明、空調、机・

椅子、視聴覚機器、外の雑音など)に関する要望についても、関係部署と協力の上で環境

の整備に努めている。

各学科の学科会議において、授業の進行状況や学生の学習状況について毎回確認すると

ともに、教員間で授業に関する情報を共有し、FD 活動に役立てている。

【経済学部】

毎年 1回定期的に開かれる学部研修会では、教育成果の検証および、教育課程や教育内

容・方法の改善を図る機会となっている。2009 年度、学部内のすべての専任教員にアンケ

ートを実施し、各教員の演習の運営方法、課題の出し方、問題への対処の仕方、評価の方

法等を一覧表にしたものを作成し、それをもとに学部研修会で討議した。教員が相互の教

育内容や方法について情報交換を行い、その改善をはかっている。

学生が経済理論の修得に必要な数学能力の向上を図るため、「経済学のための数学」を習

熟度別のクラス編成にして効果を上げるべく改善をはかった。また、学生の英語力強化の

ため、経済外国語科目について、習熟度別クラス編成が導入されることとなった。これら

はいずれも、これまでの研修会における検証の結果である。

【経営学部】

毎学期の「学生による授業評価」の結果は科目担当者に伝えられ、教育内容・方法の改

善に反映される。年度末には学部の自己点検・評価委員会が開催され、一年間の成果や問

題点が話し合われ、自己点検・評価報告書が提出される(資料 4-Ⅲ-15)。また、毎年、「経

営演習Ⅰ・Ⅱ」のゼミ長を集めてゼミ長会議が開催される(資料 4-Ⅲ-41)。この会議では、

カリキュラムや学生生活全般について学生から自由な質問・意見を聴取している。同様に、

各学年からの成績上位者 4~5名を対象とする「学部長表彰式」においても、学部に対する

要望・意見を聴いている(資料 4-Ⅲ-42)。学部の自己点検・評価報告書やこれら学生から

Page 25: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

193

の意見は、継続的に教育課程やカリキュラムの改善に反映されている。

【法学部】

講義の教育成果については、「学生による授業評価」を、大学が実施する授業評価の仕組

みの中で行っている。具体的な数値から、教員ごとにその結果および自由記述の内容を真

摯に受け止めた上で、自己評価を行い、翌年の授業に反映させる努力を行っている。この

数値が良好でない教員には、具体的なアドバイスを行う場面を確保している。

また、成績優秀者を各学年から選考し、表彰する場として「学部長表彰の懇談会」を毎

年開催し、この場で、学生の意見・要望を聞いて、定期的に検証し、教育課程、教育内容・

方法の改善のための参考としている。例えば 2011 年度には、従前では登録段階で自動的に

受講登録がなされていた外書購読(英語)について、真剣に希望している学生による受講

が難しい状況にあることが指摘されたため、2012 年度から、外書購読の受講希望が多い場

合には、講義担当者によって選抜することができるような仕組みに改めた。

少人数教育の演習については、まず、1年次導入教育において、統一のテキスト『テキス

ト&マテリアルズ利用手引き』を作成し、その利用方法について検証するとともに、具体

的なティーチングマニュアルを作成して、教育の質の向上に努めている(資料 4-Ⅲ-20)。

同様に、資格取得、導入教育の充実化のために、法職講座について委員会等で検証し、改

善に努めている。また、キャリア教育の充実という観点から定期的に検証し、1年次~4年

次の演習の位置づけ、全体講義の導入や講演会開催などを行い、改善に結びつけてきた。

【総合政策学部】

学生による授業評価とそれへの教員の評価報告や、問題が指摘された教員に対する個別

指導によって、点検と改善への取り組みがなされている。また、大学全体として実施され

る教員相互の授業参観制度を通じ、例えばフィールドワークを活用した授業方法の研修な

どが行われている。

また、チームティーチング科目(語学科目や環境調査法)や同一の内容を複数クラスで

講義している科目、複数クラスで開講しながらも同一基準での公平・平等な評価が求めら

れる科目(基礎演習や必修英語科目など)では、日常的な情報の共有化と授業改善に向け

た日常的かつ定期的な点検作業が行われている。更に、南山アジア短期留学プログラム

(NAP)の担当教員に対しては、問題点の共有化と授業改善のため、年度初めに前年度担当

者および教務事務担当者も交えた引き継ぎのためのミーティングを実施している。

【情報理工学部】

学部構成員全員による FD 委員会、同一科目の担当者間での会合、「学生による授業評価」

制度、外部評価委員会により、教育成果についての定期的な検証を行い、その結果を教育

の改善に結び付けている。FD 委員会については、Ⅲ.教育方法の(2)の 後で述べたとおり

である。同一科目担当者間の会合についても、Ⅲ.教育方法の(3)で述べたが、教育の改善

の視点から述べておく。1・2年次の数学系科目担当者では、メーリングリストを作り、随

時、授業内容・方法の議論を行っている。1・2年次のプログラミング系科目担当者の会合

では、授業内容・方法の議論を行い、当該年度および次年度に反映させている。「学生によ

Page 26: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

194

る授業評価」制度では、学期単位の授業方法の見直しが絶えず行われている。外部評価委

員会は、外部からの定期的なチェックを受ける委員会であり、第三者のチェックを受けら

れる(資料 4-Ⅲ-45)。

【人間文化研究科】

学期毎に「学生による授業評価」を行い、その結果を科目担当者にフィードバックして

いる。また、年度末に研究科全体会合を開催して、授業を含む様々な教育・研究条件につ

いて学生と教員が話し合う機会を設け、教育課程や授業内容の改善に役立てている。

年度末の研究科、各専攻の自己点検・評価に加え、随時、専攻会議や研究科委員会でカ

リキュラムや授業内容に関する話し合いを行っているが、改善への契機は、学生の研究発

表や進捗報告・学位論文研究中間報告会に起因することが多い。指導教員以外の多くの教

員が参加する場であることから、学生が必要とする知識を修得しているか、研究指導が適

切に行われているかが検証され、開講科目の変更や授業内容の改善に結びつけられている。

【国際地域文化研究科】

本研究科においては、毎年度、学生による「授業評価」を実施しており、その結果につ

いて、研究委員会等を通して、構成員に周知しており、検討する点があれば、その都度、

担当者を中心に、運営の見直しの可能性や必要性などを確認するようにしている。また、

毎年次、次年度の開講科目と、その開講の形態等々について、教務委員を中心に、研究科

長・専攻主任、および各領域コーディネーターによって協議の上、 決定している。必要が

あれば、研究科委員会において審議する体制をとり、より良い教育が実践できるように定

期的な検証を行っている。

学生の指導体制については、指導教員以外の教員による複数教員の指導の機会を増やす

など、指導の透明性を高めることを進めており、指導上、何らかの問題、あるいは問題の

兆候が見られるなどの事態が生じた場合、速やかに複数の教員において協議できるような

体制と雰囲気をつくることを重視している。

【経済学研究科】

毎年実施されている「学生による授業評価アンケート」により、授業内容やカリキュラ

ム、研究環境などについて、学生からのコメントを専攻主任がまとめ、研究科委員会で改

善提案がなされ、議論されている。また、研究科独自ではないが、学部企画の「FD 研修会」

に参加し、各自で教授方法などの見直しを行っている。

【ビジネス研究科経営学専攻】

「大学院生による授業評価」の結果を研究科委員会で報告し、授業内容の改善に役立て

ている。また、論文プロポーザル公聴会、中間審査、 終審査を公開で実施することによ

り、指導の適切性をチェックしている(資料 4-Ⅲ-3)、(資料 4-Ⅲ-35)。

【総合政策研究科】

毎年一回、研究科長による自己点検・評価報告書が作成されるとともに、全学生を対象

Page 27: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

195

に授業評価アンケートを実施している。これは、特定の科目を対象としたものではなく、

各学生が一年間履修した全科目(研究指導を含む)を対象に自由記述方式で実施している

ものである。その結果は研究科委員会で報告され、必要な教育課程、教育内容・方法の改

善を検討する際の基礎資料として活用されている(資料 4-Ⅲ-15)。

近年では、2010 年 4 月の博士前期課程開講科目の見直しに伴い、学生の科目選択の幅が

狭まったことについて不満の声が寄せられ、その改善策を現在検討中である。この点を除

けば、研究指導も含めて各教員は熱心に教育を行っていると肯定的に評価されている。

【数理情報研究科】

大学院生による授業評価を実施し、その結果を研究科委員会で報告・検討している(資

料 4-Ⅲ-37)。また、一部の分野では、院生の学会・研究会での発表、雑誌掲載の論文を年

度毎にとりまとめている。

2.点検・評価

(1)効果が上がっている事項

〈1〉大学全体

<シラバスの改善>

前回の認証評価において、「多くの学部のシラバスに精粗が見られるので、改善されたい」

との助言を受けた。そのため、授業計画や学修目標などの記載項目ごとに留意事項を定め、

特に授業計画については、予習などの学習を計画的に進めることができるよう、毎回の授

業計画を明示することを徹底し、記載例を示すなど、その解消に教務委員会を中心に取り

組んできた。その結果、「学生による授業評価」における「シラバスの有用性:授業内容を

知る上で、シラバス(授業科目履修案内)の記載は役に立ちましたか」の評価が、前回の

認証評価時点(2006 年度)の 3.93 ポイント(春学期)および 4.05 ポイント(秋学期)か

ら、4.27 ポイント(2011 年度春学期)および 4.37 ポイント(2011 年度秋学期)と向上し

た。また、「学習目標の明示」の評価も、4.14 ポイント(春学期)および 4.23 ポイント(秋

学期)から 4.37 ポイント(2011 年度春学期)および 4.45 ポイント(2011 年度秋学期)と

向上した。この結果より、シラバスの改善は、学生の学習成果の向上につながっていると

考えている。

<英語教育>

本学の英語教育は、これまで社会的に高い評価を受けてきているが、学生がさらに高い

学習成果をあげられるよう、教育内容や方法の改革・改善に取り組んでいる。全学に共通

するもので代表的なものとしては、名古屋キャンパスへの英語教育センターの設置、専門

的な内容を英語で教える「国際科目群」の開講がある。2007 年度に英語教育センターを設

置し、教育を重視した専任教員を採用・配置することで、全学部において習熟度別のクラ

ス編成を実現し、きめ細かな学習支援を行っている。その結果、日本語の使用が禁じられ

ている交流・学習の場である World Plaza 利用者の増加や、TOEIC-IP 受験希望者の増加な

ど、学習支援の効果が現れている。2012 年度から開始した「国際科目群」は、両キャンパ

スで合計 47 科目が開講され、延べ 973 名が受講している。

<厳格な成績評価>

Page 28: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

196

これまでも本学では、成績を数値化し、成績指標の 1つとして、派遣留学選考、奨学金

選考などの際にこれを利用してきた。2011 年度からは、いわゆる GPA 制度の形に整え、厳

格に運用するため履修中止制度を導入した。これにより、より厳格な成績評価をすること

ができるようになった。

<学生による授業評価>

「学生による授業評価」結果が一定基準に満たない場合は、該当するカテゴリー毎に決

められた対応を行い、翌年度に同一科目を「学生による授業評価」の対象にすることで対

応結果を検証している。その結果、評価結果は概ね改善している。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

教育課程の編成においては、初年次教育と専門課程への橋渡しを行う 1・2年次の基礎演

習と、専門的な知識の修得から研究プロジェクトの完成へと導く 3・4年次の演習が体系的

に配置されていること、および 4学科それぞれにおいて充実した専門科目群が開講されて

いることによって、人文学部の教育効果を十分高めている。また特に人類文化学科と心理

人間学科では、フィールドワークをとおして理論と実践の両面から学生を指導することが

可能となっている。

【外国語学部】

「1.現状の説明」(3)で述べたように、外国語学部では派遣留学を奨励しており、派

遣留学生数は、2004 年度が 44 名、2005 年度が 67 名、2006 年度が 85 名、2007 年度が 65

名、2008 年度が 77 名、2009 年度が 79 名、2010 年度が 66 名、2011 年度が 57 名と高い数

字を維持している。2011 年度の内訳は、交換留学が 41 名(ISEP 留学含む)、推薦留学が 1

名、認定留学が 15 名の合計 57 名であった。学科別にみると英米学科 36 名、スペイン・ラ

テンアメリカ学科 2 名、フランス学科 11 名、ドイツ学科 3 名、アジア学科 6 名であった。

派遣留学生 57 名という数字は入学定員の約 14 パーセントに相当しているが、以上の派遣

留学生のほかにも、休学による留学者が相当数存在するので、学生の実際の留学率は更に

高い数字にのぼる(資料 4-Ⅲ-43)。

「1.現状の説明」(4)で述べたように、「学生による授業評価アンケート」では、外国

語学部の各学科の「学科科目」は全体に高い評価を受けている。

【経済学部】

経済学部では、1982 年から、入学時に学外での一泊二日の新入生のためのオリエンテー

ション合宿を行っている。合宿中に、学部長が新入生に学部の基本方針を伝えるとともに、

新入生が学部の教員と直接話をする機会を設けている。過去に 2回ほど、その継続を議論

する目的で学生に対してアンケート調査を実施したが、いずれの調査でも、継続を望む声

が強かったため、現在も継続実施している。

学外オリエンテーションでは、1年次に所属するゼミナールを決める作業が行われる。新

入生は、ゼミナールを決めるために、各教員の説明ブースを訪れ、教員から直接ゼミで学

ぶ内容を聞くことができる。各ゼミナールの説明ブースには、2年次以上の学生スタッフが

Page 29: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

197

常駐しており、彼らが新入生からの質問に答えることを通じて、新入生に経済学部や各ゼ

ミナールの様子を伝えている。

入学時に教員と近い距離で話をする機会は、学部教員の顔や性格を把握することにつな

がり、新入生がスムーズに大学の授業に馴染むことに一役買っている。更に、先輩たちと

交流することで大学生活をイメージしやすくなる。学外オリエンテーションは、新入生の

導入教育としての役割を十分に果たしている。

【経営学部】

経営学部ではビジネス英語科目の充実に取り組んできたが、学部長表彰やゼミ長会議で

も一定の評価を得られている(資料 4-Ⅲ-41、4-Ⅲ-42)。

【法学部】

講義と演習による少人数教育の実践は徹底しており、指導教員制など全学に合わせた学

習指導体制も確立されている。また、シラバス、成績評価、単位認定については、全学の

基準・方針と歩調を合わせて、適切に行われてきており、さらに、成績評価結果(各評価

の割合)も教授会で開示される仕組みを保持している。これら諸体制を含め、各教員の学

生評価も概して良いことが、効果が上がっている事項である。

【総合政策学部】

本学部が 2000 年の開設当時から、他学部に先駆けて、全学生にノート PC を貸与してき

たことは先駆的なことであった。学生は、日常的に PC を利用して、演習科目等での資料作

成や、インターネットを用いた資料検索などを行っている。その結果、おおむねほとんど

の学生が、PC を用いた卒業論文執筆に不便・困難を感じていない。

南山アジア短期留学プログラム(NAP)には毎年 100~120 名程度の学生が参加しており、

このプログラムの存在が本学部の志望理由と語る学生も少なくない。また、帰国後のフィ

ールドワーク報告会やレポートから、異文化への強い関心の芽生えや多様な価値観への理

解、更には現地で学ぶことの大切さを改めて認識したこと旨を読み取ることができる。多

くの学生が、滞在中に活動を共にした現地学生との交流を帰国後も続けていたり、毎年数

人の学生が NAP 滞在国へ本格的な長期留学に出かけたりしており、本プログラムは本学部

の教育目標を達成するために確実に効果を発揮している(資料 4-Ⅲ-18)。

【情報理工学部】

すべての科目について試験答案やレポートなどの成績評価の根拠を学部が保存することで、

成績評価が透明化した。卒業論文の評価は複数教員の審査と発表会を行うことで、成績評

価が透明化した。また、数学やプログラミングなどの基礎科目における達成度と課題につ

いては、教員の間で共有された。

【人間文化研究科】

研究科発足時より、領域横断的な学際的研究を重視し、学生に対しては、学位論文研究

においても複数教員から研究の指導を受けることを奨励してきたが、制度的な整備がなさ

Page 30: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

198

れていなかった。現在は、専攻毎に、合同研究会、学位論文中間報告会を開催する等して、

改善に努めている。

【国際地域文化研究科】

カリキュラム上の事項としては、「国際地域文化プロジェクト研究」等、実践的な取り組

みを含んだ講義があり、これについては、本研究科の特徴的な科目の一つとして、Web ペー

ジ等を通しての紹介も行われている。また、留学生については、日本語の語学力について

も、人間文化研究科との連携も含めて、教育体制を整えることがある程度できており、円

滑な学位取得に繋がっている。

【経済学研究科】

年度初めのガイダンスを基本に、指導教授の指導・確認のもとで、学生の系統立てた履

修ができている。

【ビジネス研究科経営学専攻】

ガイダンスや指導教授の指導により体系的、順次的な履修がおこなわれている。また、

複数教員による研究指導も効果的な指導となっている。

【数理情報研究科】

修士論文の評価は複数教員の審査と発表会を行うことで、成績評価が透明化した。

(2)改善すべき事項

〈1〉大学全体

教員相互の日常的授業参観の制度はあるが、制度として充分に活用されていない。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

2011 年度の学部カリキュラム改革委員会の提言によって、今後数年間の教育編成の方向

性が示された。

【外国語学部】

「1.現状の説明」(4)で述べたように、「学生による授業評価アンケート」では、外国

語学部の「学部共通科目」は評価がやや低くなる傾向がある。この背景には、全学科生が

履修できるような位置に科目を置くのが難しいという状況があり、現在、学部長・各学科

長に学部教務委員を加えた「学部共通科目運営委員会」において科目配置を工夫するなど

対策に取り組んでいる。

【経営学部】

1、2年次の基礎演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳと3、4年次の経営演習Ⅰ・Ⅱとの関連性が必ず

しも明確にされていなきらいがある。

Page 31: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

199

【法学部】

講義と演習による少人数教育の実践をより徹底していくという観点から、初年次教育に

ついては、統一のテキストを導入したが、今後は、それを検証しつつ、さらに充実させて

いくことが、課題である。

【総合政策学部】

「基礎演習」や「コンピュータ基礎演習Ⅰ・Ⅱ」は、大学生として必要なアカデミック・

スキルを身につけさせるための科目であるが、学生の中にはこれらで学んだスキルを充分

活用できていない者もいる。「総合政策プロジェクト研究」などの演習科目を中心に、学ん

だスキルを積極的に活用させるよう促す体系的な指導を徹底していく必要がある。

近年、特定の機関から派遣されてくる留学生の中に、学習態度や生活の乱れが目につく

ようになっている。2年次終了までに所定単位を修得できない場合は、自動的に留年が決定

する。これは日本人学生も同様であるが、留学生の場合、単に留年するのみならず、学内

奨学金の支給が停止されるため、直ちに経済的問題に直面することになる。これは、優秀

な学生を確保するという意味で、留学生の受け入れ時点に存在する問題とも関わる点でも

あるが、入学後の教育面および生活面での指導体制の再検討とも絡む課題である。

【情報理工学部】

選択科目の修得状況に関し、全科目と対比させながら、強化すべき分野を学生に定期的に

認識させ、その後の科目履修選択に反映させてゆく。

【人間文化研究科】

複数教員による研究指導体制は、合同研究会や学位論文中間報告会等の開催によって一

定の成果をあげているが、主体的に複数の教員に助言を求め、研究を遂行するという姿勢

が、十分に学生に浸透しているとは言いがたい。より多くの学生に研究者としての主体性

をもたせる方策を考えていく必要がある。

【国際地域文化研究科】

学生による授業評価の実施,および FD 活動の実施によって、教育内容の改善を心がけて

いるが、研究科を挙げての取り組みには至っておらず、さらなる推進が必要である。

【ビジネス研究科経営学専攻】

複数指導教員による研究指導がおこなわれているが、必ずしも多くの時間を割り当てる

ことができていないという問題がある。

【数理情報研究科】

修士論文について複数の教員による審査と発表会を実施しており、さらに国内外の学会発

表ならびに論文投稿する学生も多い。このような外部発表をより一層奨励してゆく。

Page 32: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

200

3.将来に向けた発展方策

(1)効果が上がっている事項

〈1〉大学全体

「国際科目群」については、開始したばかりであり、学習成果の検証は今後の課題である

が、予想を上回る受講者があり、今後さらに開講数を増やしていく計画である。また、GPA

制度導入の効果について検証の場を設ける。

「学生による授業評価」結果に対する当該科目担当者の授業改善状況に対し、自己点検・

評価委員会が学部と協力しながら状態を確認し、授業の質をあげていくよう責任をもって

今後も検証していく。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

教育課程の改善のために必要な情報を収集する中で、学生の新しいニーズを把握するよ

う努力している。

【外国語学部】

派遣留学については今後も引き続き奨励してゆく。一方、大学として休学中の留学によ

る取得単位の認定を認める方向で制度改革が進んでいるが、こちらについても各学科がき

ちんと対応できるように体制を整えてゆく。

各学科の「学科科目」については、今後も現在のような高評価を維持できるように点検

を続けてゆく。

【経済学部】

学外オリエンテーションについては、過去のアンケート調査からも継続が支持されてお

り、今後も続ける予定である。そして、定期的に、その効果を確かめる調査をする予定で

ある。

【経営学部】

ビジネス英語科目については、科目コーディネーターの教員を中心に担当者間の連携を

はかり、受講生の英語レベルに応じた講義計画の策定ができるよう検討している。

【法学部】

法学部は一学科(法律学科)であるが、一学年の学生数は比較的多く、50 名前後の学科

とは異なり小規模ではない。演習はあるものの、大人数の講義が多く、学生の主体性参加

を促す授業方法の改善が、法学部の抱える重要な課題であった。この点で、各種講演会、

ゼミナール委員会活動の推進、あるいは多くの演習の実施などにより、学生の主体的参加

を促してきたことが、大きな成果である。

【総合政策学部】

PC の配布であれ、南山アジア短期留学プログラム(NAP)であれ、本学部としての特色を

Page 33: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

201

発揮するものであり、今後もこれらを継続するとともに、さらなる質的充実を図っていき

たい。

【情報理工学部】

学部構成員全員による FD 委員会、同一科目の担当者間での会合、「学生による授業評価」

制度、外部評価委員会により、将来に向けた課題を議論し解決策に結び付けている。とく

に、外部評価委員は卒業研究発表会にも参加していただき、問題点について示唆を受けて

いる。

【人間文化研究科】

各専攻が、合同ゼミ、研究進捗報告会、合同研究会等を開催するようになったことで、

複数教員による研究指導が制度的にも定着し、学生の学際的研究を支える体制が強化され

てきている。

【国際地域文化研究科】

学生による授業評価の内容などを踏まえ、2013 年度より「課題演習」科目など一部の科

目の運営を順次見直していくこととしている。

【経済学研究科】

系統立てた履修はできているが、今後は、より目的に沿った履修促進および指導教授の

指導負担軽減のために、事前に履修のガイドラインを示すことも考えられる。

【ビジネス研究科経営学専攻】

教員と学生との間のコミュニケーション、さらには教員相互間のコミュニケーションを

密にとることによって、十分な指導をおこなえるように検討する。

【数理情報研究科】

授業評価の機会として大学院生懇談会が定着し、授業についての問題、シラバスとの整

合性などの意見を吸い上げ、研究科委員会を通じて授業運営に反映させてきた。

(2)改善すべき事項

〈1〉大学全体

<成績評価>

学生が、自らの学習成果の達成状況について整理・点検するとともに、これを大学が活

用し、多面的に評価する仕組みがない。教職課程においては 2006(平成 18)年度 7 月 11

日「今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)」(中央教育審議会)における教

職課程の質的向上を受け、教員として必要な資質と 終的な形成と確認のため教職実践演

習を開講する。その科目への活用のため、「南山大学教職課程履修カルテ」を 2010 年度よ

り導入している。この仕組みは、今後学生自らの学生成果の振返りの仕組みを制定するの

に役立つであろう。

Page 34: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

202

<教員相互の日常的授業参観>

教員相互の日常的授業参観の制度については、FD 委員会、自己点検・評価委員会からの

呼びかけを継続的に行っていく。

〈2〉学部・研究科

【人文学部】

教育課程の改善のため、今後は更に情報源の多角化を工夫し、広く社会からのニーズを

も把握するよう努力すべきである。

【外国語学部】

「学部共通科目」については学部長・各学科長に学部教務委員を加えた「学部共通科目

運営委員会」において改善策の検討が進んでおり、数年内に学部共通科目カリキュラムそ

のものの改革を行う予定である。

【経営学部】

基礎演習担当者と経営演習担当者の連携について、定期的に教員間で検討する機会を設

ける必要があると考えている。

【法学部】

法学部では、さらに学生の主体性参加を促す方策を検証していくことが、将来に向けた

発展方策として、重要である。各種講演会の継続と内容の充実化、ゼミナール委員会活動

の推進を、より一層努めていくことが課題としてあげられる。また、ゼミのあり方をFD

などを通じて検証するとともに、大講義でも学習意欲を引き立てる授業があることも実際

であることから、講義についても今後のFD活動を充実させていくことが、課題である。

【総合政策学部】

FD 活動については、担当者間の日常的・定期的ミーティングを通して常に授業改善のた

めの方策が図られている科目がある一方で、カリキュラム検討委員会でその必要性が指摘

されたにもかかわらず、十分な対応が取られていない科目があることも事実である。今後

はこれらの科目についても日常的な点検作業をシステマティックに実施する体制を整える

ことが求められる。

留学生をⅠ年次から正規の学部生として受け入れているのは本学において本学部のみで

あり、大きな特色となっている。それを 大限活用するためにも、留学生への学業面生活

面への一層の手厚い指導体制を整えることが必要である。

【情報理工学部】

基礎科目の達成度の向上に向けた取り組みを検討し実行する。

【人間文化研究科】

Page 35: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

203

教員の研究プロジェクトに参加している学生も多いが、個々の学生の研究上の役割をよ

り明確にするなどして、研究者としての主体性、自立性をより積極的に育むように努める。

【国際地域文化研究科】

FD 活動の充実等により、教育方法・指導内容を教員相互の間で周知し、方法論等の全体

的向上をさらに高める必要がある。

【ビジネス研究科経営学専攻】

複数教員による研究指導体制がとられているが、有効に機能させるためには、教員相互

の連携をさらにはかる方策が必要であると考えている。

【数理情報研究科】

産業界の要望を踏まえ、授業体系の再検討を行う。

Page 36: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

204

4.根拠資料

4-Ⅲ-1 南山大学大学院学則(既出 資料 1-85)

4-Ⅲ-2 授業科目履修案内 履修要項 (2012 年度入学者用)(既出 資料 4-Ⅰ-7)

4-Ⅲ-3 2012 大学院学生便覧(人間文化研究科、国際地域文化研究科、経済学研究科、ビ

ジネス研究科経営学専攻)(既出 資料 4-Ⅰ-8)

4-Ⅲ-4 2012 大学院学生便覧(総合政策研究科、数理情報研究科)(既出 資料 4-Ⅰ-9)

4-Ⅲ-5 2012 授業科目履修案内 講義概要(人文学部)(既出 資料 4-Ⅰ-12)

4-Ⅲ-6 2012 授業科目履修案内 講義概要(外国語学部)(既出 資料 4-Ⅰ-13)

4-Ⅲ-7 2012 授業科目履修案内 講義概要(経済学部、経営学部、法学部)(既出 資料

4-Ⅰ-14)

4-Ⅲ-8 2012 授業科目履修案内 講義概要(総合政策学部、情報理工学部、数理情報学部)

(既出 資料 4-Ⅰ-15)

4-Ⅲ-9 2012 授業科目履修案内 講義概要(共通教育科目)(既出 資料 4-Ⅰ-16)

4-Ⅲ-10 2012 授業科目履修案内 講義概要(資格取得関連)(既出 資料 4-Ⅰ-17)

4-Ⅲ-11 南山大学授業科目履修規程(既出 資料 4-Ⅰ-21)

4-Ⅲ-12 経済学部基礎科目担当者の心得(既出 資料 4-Ⅰ-23)

4-Ⅲ-13 法友南山(第 31 号)(既出 資料 4-Ⅰ-24)

4-Ⅲ-14 南山大学 Web ページ(総合政策学部)(既出 資料 1-19)

URL:http://www.nanzan-u.ac.jp/Dept/pp/top.html

4-Ⅲ-15 南山大学自己点検・評価報告書 2011 年度(既出 資料 1-69)

4-Ⅲ-16 心理人間学科 2011 年度卒業生対象カリキュラム調査(既出 資料 4-Ⅰ-31)

4-Ⅲ-17 南山大学 Web ページ(FD 活動)(既出 資料 4-Ⅰ-32)

URL:http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/kenkyu/kyoken/fd/gaiyo/index.html

4-Ⅲ-18 南山大学 Web ページ(南山アジアプログラム)

URL:http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/ps-old/webpages/nap.htm

4-Ⅲ-19 人間文化研究科学位審査委員会主査に関する内規(既出 資料 4-Ⅰ-33)

4-Ⅲ-20 ベーシック演習テキスト&マテリアルズ・同利用の手引き2012(既出 資料1-49)

4-Ⅲ-21 Un, dos, tres, al espanol 2012(外国語学部スペイン・ラテンアメリカ学科)

4-Ⅲ-22 2012 学生の手引(外国語学部フランス学科)

4-Ⅲ-23 卒業論文執筆の手引き(外国語学部フランス学科)

4-Ⅲ-24 卒業論文作成に際して留意すべき事項(外国語学部ドイツ学科)

4-Ⅲ-25 卒業論文作成の手引き(外国語学部アジア学科)

4-Ⅲ-26 書評(レポート)と修了論文、および、必修科目(ミクロ経済学、マクロ経済学、

経済学のための数学、データ処理入門)に関する取扱い

4-Ⅲ-27 経営学生論集

4-Ⅲ-28 2012 年度法職特別課外講座案内(募集要項)

4-Ⅲ-29 多文化社会における英語による発信力育成 終報告書

4-Ⅲ-30 南山大学 Web ページ(NASSS との連携)(既出 資料 1-26)

URL:http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/IAS/GP/report/nasss/index.html

Page 37: 04 点検・評価報告書 4- 3 - nanzan-u.ac.jp · 標、スペイン語基本語彙集、スペイン・ラテンアメリカについて学習・研究する上で の基本用語(約400項目)、スペイン史・ラテンアメリカ史略年表、留学情報、弁論大

205

4-Ⅲ-31 南山大学『学生による授業評価』のまとめ(2011 年度春学期、2011 年度秋学期)

(既出 資料 3-21)

4-Ⅲ-32 2011 年度「大学院生による授業評価」実施結果報告書(人間文化研究科)

4-Ⅲ-33 2011 年度「大学院生による授業評価」実施結果報告書(国際地域文化研究科)

4-Ⅲ-34 2011 年度「大学院生による授業評価」実施結果報告書(経済学研究科)

4-Ⅲ-35 2011 年度「大学院生による授業評価」実施結果報告書(ビジネス研究科)

4-Ⅲ-36 2011 年度「大学院生による授業評価」実施結果報告書(総合政策研究科)

4-Ⅲ-37 2011 年度「大学院生による授業評価」実施結果報告書(数理情報研究科)

4-Ⅲ-38 成績分布および試験に関する情報共有のための運用内規(経済学部)

4-Ⅲ-39 編入学・転入学者等の既修得単位の包括認定に関する原則(経済学部)

4-Ⅲ-40 編入学等による入学者の既修得単位に関する内規

4-Ⅲ-41 ゼミ長会議記録(経営学部)

4-Ⅲ-42 学部長表彰懇談記録(経営学部)

4-Ⅲ-43 2012 南山大学概要(既出 資料 1-1)

4-Ⅲ-44 南山大学 Web ページ(研修会・研究会開催情報(学内))

URL:http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/kenkyu/kyoken/fd/joho/gakunai.html

4-Ⅲ-45 2011 年度第 1回外部評価委員会記録(既出 資料 1-70)