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分枝過程 1 (Galton-Watson 過程) 授業振替 (休講⽇)7⽉19⽇(⽕) 2限 (11:10-12:40) (振替⽇)7⽉12⽇(⽕)5限 (16:40-18:10) http://www.slideshare.net/ShinjiNakaoka 授業レクチャーノート 授業1つ前に事前公開予定、授業後、追加スライド挿⼊、誤植など 訂正分を再アップロード

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Page 1: 0607

分枝過程

1

(Galton-Watson 過程)授業振替(休講⽇)7⽉19⽇(⽕) 2限 (11:10-12:40)(振替⽇)7⽉12⽇(⽕)5限 (16:40-18:10)

http://www.slideshare.net/ShinjiNakaoka

授業レクチャーノート

授業1つ前に事前公開予定、授業後、追加スライド挿⼊、誤植など訂正分を再アップロード

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絶滅確率

2参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 54-59

絶滅確率

n 世代では絶滅していない確率

ここで であるから

したがって、n 世代までに絶滅している確率 qn は

であるから、連続性より

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絶滅確率

3参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 54-59

X0=1 の場合、⺟関数の性質より

が成⽴する。したがって、s=0 とおくことで

f(s) は 0≤s≤1 で連続であるから、n→∞ のとき

p0+p1<1 のとき f(s) は 0≤s≤1 で下にに凸であるから、絶滅確率 q は、⽅程式 s=f(s) (0≤s≤1) での最⼩解である。s=1 も解の⼀つであるが、最⼩解になるとは限らない。1個体から⽣まれて成⻑する平均交代数 m は m=fʼ(1) であるから、平均は関数 f(s) のグラフの s=1 における接線の傾きを表す。

定理 (絶滅確率)絶滅確率 q は、⽅程式 s=f(s) (0≤s≤1) での最⼩解であり、q<1 であるための必要⼗分条件は、m>1 である。m=1 のとき第 n 世代の平均交代数 Mn は定数であるが、q=1 であることに注意。

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絶滅確率:具体例

4参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 54-59

⼦供数分布が幾何分布である場合、以下で⽰すように⺟関数の具体型が求まる。

{pk: k=0,1,2,…}: 離散確率分布とする。幾何分布 (shift) は

ここで、0<a=1-b<1 でなければならない。確率⺟関数は

確率⺟関数は、s の⼀次分数式となる。⼀次分数式の合成関数はまた⼀次分数式になるので、a≠b のとき、n=1,2,… に対して

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絶滅確率:具体例

5参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 54-59

(続き) したがって絶滅確率 q は

の n→∞ の極限として得られ、

特に a=b=1/2 のときは m=1 であり、確率⺟関数は

n が⼤きいとき

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絶滅確率:定理

6参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 54-59

定理 (幾何分布の絶滅確率)

m<1 のとき

(続き) したがって、n が⼤きいとき

と仮定する。このとき

m<1 のとき、数世代後にはほとんど絶滅していることになる。また

であるから、m<1 ならば E(T)<∞ であるが、m=1 のとき E(T)=∞ である。

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無記憶性 (復習)

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Poisson 過程 {N(t), t ≥0} (定常独⽴増分性をもつ)

時刻 t に依存せずに決まる (無記憶性)。

各事象の間隔:独⽴で同⼀の指数分布に従う。パラメーターを 𝝀 とすると、

確率分布関数は

時刻 t で事象が起きない条件下で t+x でも事象の起こらない条件付き確率は

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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再⽣過程の導出

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再⽣ (renewal) 過程の例:電球の取り替え (renewal) など

定義 (再⽣過程)計数過程 {N(t), t ≥0} において、各事象の到着間隔 {X1,X2,…} は独⽴で同⼀の分布 F(t) (t≥0) をもつ確率変数列ならば、この過程を再⽣過程とよぶ。

以下、再⽣過程 X(t) の分布、⺟関数がしたがう⽅程式、ならびに平均が満たす積分⽅程式 (再⽣⽅程式) の導出を⾏う。なお、⼀般性を失うことなく、初期条件 X(0)=1 と仮定してよい。

: 再⽣するまでの時間が t を超える確率 (復習 Stieltjes 積分)準備

: 死亡するまでの時間が t を超える確率 (出⽣死亡が⽣じていない確率)なお、初期条件 X(0)=1 なので、k=1 しかありえない。

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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再⽣過程の導出

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時刻 𝜏 で i ⼈だった⼈⼝が時刻 t で k ⼈である確率を考えると、出⽣・死亡のあらゆる確率を考慮すれば、無限級数と条件付き確率でかける。時刻 𝜏=L の寿命を持つ個体は、死ぬと同時に pi の確率で i 個体を⽣む: X(t)=k は、結局は 𝜏 前に⽣まれた個体数を含めて k ⼈になったと解釈する。

時刻 t までに死亡が起こっている確率

第2項は

確率 pk, pk(t) の確率⺟関数をそれぞれ h(s), F(s,t) とおく (-1≤s≤1)

white確率 pk (k=0,1,2,…) は

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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再⽣過程の導出

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確率 pk(t) に sk をかけて k=0 から ∞ までの和を取ると

ここで を⽤いた。

したがって X(t) は次の⾮線形積分⽅程式

の解である。

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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純出⽣過程との対応

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のとき、純出⽣過程に⼀致する。

Kolmogorov の後ろ向き⽅程式

において、

の係数 ak は

である。したがって u の具体型は

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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純出⽣過程との対応

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このとき、F(s,t) の⽅程式は

より、

となる。両辺を t で偏微分すると

より

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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純出⽣過程との対応

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ここで より

前式の両辺を F(s,t)2 で割ると

変数 1/F(s,t) に関する微分⽅程式を解くと、解は

ここで t=0 のとき pk(0)=𝛿k1 であるから、F(s,0)=s となり C(s)=1/s-1 となる。したがって

これより 純出⽣過程に⼀致

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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再⽣⽅程式

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⼀般の G(t) に対して上記の積分⽅程式は解けないが、X(t) の平均 M(t):

については、以下で⽰すような線型積分⽅程式となる。

ここで、s=1 とすると

なお hʼ(1)=m であるから、再⽣⽅程式

を得る。

参考:確率過程と数理⽣態学 藤曲哲郎著 P. 153-162

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Memo

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