自動計測制御学会発表091124
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研究室運営ワーキンググループの紹介:研究室のさらなる活性化を目指して
岡本絵莉(東京大学 学際情報学府)
宮野公樹 (京都大学 工学研究科)
可知直芳 (京都大学 工学研究科)
山本祐輔 (京都大学 情報学研究科)
辻高明 (京都大学 情報学研究科)
@2009.11.24 SSI2009
発表の流れ
本ワーキンググループの概要
問題意識
交流会開催にいたる流れ
交流会の内容
交流会の成果
現在の課題
メンバー 京大・東大等の教員・院生の有志数名
活動時期 2006~
活動内容 研究室運営手法の調査
研究室の研究・教育に役立つツール開発
教員同士の交流会開催
ほか
本ワーキンググループの概要
目標:
研究成果が出る学生が育つ
場にする
問題意識
1. 大学院への期待、
大学院の役割が増大
2. 大学院での研究・教育の
実質的単位は研究室
3. 研究室の運営手法に
関する議論の不在
研究室 研究室
研究室
研究室運営手法
経験にもとづく試行錯誤の研究室運営
アプローチ方法
研究室のボトルネック調査2006.07
2007.02
2007.05
2008.11
「現場(フィールド)=研究室に役立つ知見とは?」
研究室の相対的状況の診断指標開発
研究室運営ノウハウ収集
教員が研究室運営について議論する交流会
交流会の概要
実施日時 平日夕方18:00~20:00頃
実施期間 2008年11月~2009年9月
実施頻度 1,2ヵ月に1回
参加者 大学教員ら10名前後/回
内容 研究室運営に関する具体的なテーマを大学教員らが議論.↓
他組織や学術的知見を参考に,教員が自らの経験をもとに研究室運営について議論.
・就職活動に関する研究室の教員-学生間の認識ギャップ
・卒論&修論の位置づけ問題
・研究室における世代間ナレッジ共有の問題と対策
・研究室文化への参入と新入生を巻き込む研究室文化づくり
・大学院生の進学・就職に関する現状と教員-学生の認識
・研究室における鬱,引きこもりの原因・予防・対策
・企業組織のチームビルディング論にもとづく研究室運営論
・研究室への参加と越境から考える研究室コミュニティ論
交流会のテーマ
教員が日常で直面する具体的な問題をテーマに設定
異なる意見の人が参加するよう配慮
テーマに関連する専門家
意見を出しやすくするツール使用・議論進行
遠隔地からもオンラインで参加可能
交流会の工夫
交流会では活発な議論
「研究の知見やノウハウを先輩から後輩にうまく引き継いでもらう3つのコツは・・・」
「卒論の位置づけを、私はこう考えている」
「就職活動をしたことが無かったので、学生の就活のことを考えずに研究させていたことに気づいた」
「こうすれば、学生は研究室文化の良い作り手になってくれる。」
「鬱の学生にはこう接すると良い。」
「学生はこうやって進学か就職かを決めている。」
成果1:現場の教員にとっての意義
本音も交えたリアルな考えを交換できるので,少しは時代に取り残さ
れずに済みそうです.理工学部助教
議論の中で挙がった意見などを私の態度に実装し,教室に還元することが出来ればと思います.その中で,他の教員,学生に個人的に必要だ
と思うことは伝えていくという姿勢でいます.医学部助教
教員として今後活動する上での引き出しが増え
ていると感じます.工学部助教
研究室に比較的共通する,以下の問題が明らかになった.
■大学(研究室)と社会,教員と学生の本質的なすれ違いを意識的に埋めようとする研究室が少ない.
■研究室の大きな特徴である「構成員の多くが比較的短期間で入れ替わること」を建設的に活用した,あるいは前提にした運営を行っている研究室は少ない.
■研究室が研究・教育という役割を担うため,構成員の間に多様な力関係・責任関係が存在し、研究室内部に特殊な人間関係が形成され,研究室間の障壁が高くなっている.
成果2:研究室についての私たちの理解の深化
個別の事例
しかし・・・交流会に関する内省
研究室運営ワーキンググループ
LabLab Lab多様で複雑な文脈の中の研究室
☑研究室を良くしたいという想い☑収集した事例、私たちの経験☑私たちなりの事例・経験の解釈☑解釈にもとづき開発したメソッド□研究室に関する堅い知識
研究室に関する堅い知識の不在。当初問題としていた「経験にもとづく試行錯誤」の共有を超えられていない?
・研究室の興味・関心と連関した知識・研究室が妥当と感じる手続きで生成された知識
個別の事例 研究室運営
ワーキンググループ
LabLab Lab多様で複雑な文脈の中の研究室
☑研究室を良くしたいという想い☑収集した事例、私たちの経験☑私たちなりの事例・経験の解釈☑解釈にもとづき開発したメソッド□研究室に関する堅い知識
それを評価する人 現場すなわち研究室
妥当な手続きが必要な理由
現場すなわち研究室自らが、どこまで自分に当てはまるか判断できるようにするため
既存の学術知見の位置づけ
複雑な現実の理解と分析、妥当な手続きを踏むために有用。新たな知見の追加は、結果であり目的ではない。
本ワーキンググループが今後創造すべき知識
事例や経験と、それらに基づく経験知を超える、以上のような知識の創造が課題