1-1 iotとデータ利活用の全体像 · 2018-07-16 ·...
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1-1:IoTとデータ利活用の全体像
総務省 ICTスキル総合習得教材
[コース1]データ収集
【概要版】 eラーニング用
1 2 3 4 5 [コース1]データ収集 [コース2]データ蓄積 [コース3]データ分析 [コース4]データ利活用
本講座の学習内容(1-1:IoTとデータ利活用の全体像)
IoT(Internet of things)の基本概念に加えて、IoT機器の活用事例を紹介します。 本教材の4コースを通じて示すデータ利活用の4段階の概要、活用事例を紹介します。 Society5.0などIoTに注目が集まっている状況、日本の政策方針を簡潔に示します。
座学
IoTの基本概念と機器事例を把握する。
IoT機器等で収集したデータ利活用の4段階を理解し、利活用事例を紹介できるようになる。
Society5.0などのIoTが注目されている背景、日本の政策方針を説明できる。
[1] IoTとその事例
【講座構成】
[2] データ利活用の全体像
[3] IoT利活用の拡大と政策方針
【学習のゴール】
【講座概要】
IoT(アイオーティー)は、 Internet of Things (インターネット オブ シングス)の略で、様々なモノがインターネットに接続することを指しています。
IoT(Internet of Things)
IoTは、日本語では「モノのインターネット」と訳され、様々なモノがインターネットにつながることを意味します。
従来のインターネットに つながっているモノのイメージ
[1] IoTとその事例
この教材のタイトルのICT(アイシーティー)は、Information and Communication Technology(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)の略で、情報通信技術を指しています。
• インターネット(internet)はinter(相互の)、net(ネットワーク)からできた言葉で、ネットワーク同士をつなぐ世界全体の情報通信網です。
これから一層インターネットにつながるモノのイメージ
PC
スマートフォン
腕時計
衣服
靴
身につけるIoT (ウェアラブルデバイス)
従来のイメージでは、PC(パソコン)やスマートフォンなどウェブを閲覧したり、メールの送受信ができるICT機器が、インターネットにつながっている「モノ」でした。 IoT化が進展した世の中では、ICT機器のみならず、白物家電や衣服、家屋、自動車といったあらゆる「モノ」がインターネットにつながります。
車(コネクティッドカー)
IoT電気ポット、IoT掃除機など既に販売されている家庭用IoT機器もあります。 家庭でのIoT利用例
IoT電気ポット「iポット」は電源を入れたり、給湯したりするたびに、内蔵されている無線通信機から信号が発信され、離れて暮らしているご家族の携帯に動作状況が伝達されます。
ロボット掃除機の「ルーロ[MC-RS800]」は、センサーや人工知能を搭載するとともに、外出先からでもスマートフォンで動作させることができます。
iポット(情報発信型IoT) ルーロ[MC-RS800] (情報受信型IoT)
IoT機器の動作状況の通知によって、お年寄りや子供の状態を把握できるサービス「安否確認サービス」や「見守りサービス」と言うことがあります。
[1] IoTとその事例
【出典】象印マホービン株式会社 【出典】パナソニック株式会社
建物のIoT化の例として、家屋の電力制御のHEMS、オフィスの電力制御のBEMSが挙げられます。
IoTによる電力制御:HEMSとBEMS
家屋の電力制御システムであるHEMS(へムス)やオフィスの電力制御システムのBEMS(ベムス)は、電力市場に関する情報に応じて、電力使用量や売電量を制御します。 • HEMS(へムス)は、Home Energy Management Systemの略、BEMS(ベムス)は、Building Energy Management
Systemの略です。
HEMS(ホーム エネルギーマネジメント システム)
【出典】デンソーテクノ株式会社
• IoTとして効率的な電力利用ができる家をスマートハウス、効率的な電力利用ができる街をスマートシティと呼びます。
[1] IoTとその事例
HEMSやBEMSは、電力価格が安い時に電気自動車に充電したり、家庭用蓄電池へ電気を貯める一方で、電力価格が高い時には家庭用蓄電池から売電します。
このパートでは全4コースで学ぶデータの利活用に関する4段階の概要を説明します。
データの利活用の4段階
IoT機器は「データの収集と送信」や「受信データに応じた作動」を行いますが、これらの工程間には「データ蓄積」「データ分析」が入るケースがあります。 この第1コースでは「データの収集」を中心にIoT機器を学びますが、第2コースでは「データ蓄積」、第3コースでは「データ分析」を学びます。
[2] データ利活用の全体像
• 第4コースでは、「受信データに応じた作動」ではなく利活用事例を説明します。
データの収集
データ蓄積
データ分析
利活用事例
第1コース
第2コース
第3コース
第4コース
本教材のコースの全体像
(1)データの収集と送信
(2) データ蓄積
(3) データ分析
(4)データの受信と作動
データの利活用の4段階
デジタル (digital)
現実 (real)
IoTがセンサー等で収集したデータをクラウド等のデータサーバに蓄積します。 1、2段階目:IoT機器のデータ収集とデータ蓄積
IoT機器には様々なセンサーを取り付けることができ、人間の五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)のようなデータ収集ができます。
センサーが内蔵された スマートフォン・スマートウォッチ
人間が入力したテキストや機器が稼働状態を記録しているログもIoTが収集するデータの一つです。
[2] データ利活用の全体像
• サーバは、要求に応じてサービスを提供するコンピュータを指します。クラウドに関しては、第2コースで説明します。
様々なIoT機器が得たデータを一カ所にまとめることで、一時点であっても膨大なデータ量になります。 IoT機器から送信されたデータをクラウド等のサーバコンピュータに保存することで長期データとなり、さらに膨大なデータ量となります。
データサーバ(クラウド)とデータの 送受信をするIoT機器のイメージ
2段階目:データ蓄積 1段階目:データの収集と送信
蓄積されたデータを分析し、分析結果から人間が有益な情報を得たり、IoT機器が自動で作動します。
3、4段階目:データ分析とIoT機器の作動
回帰分析のイメージ
[2] データ利活用の全体像
分析作業は従来、人間が行うことが一般的でしたが、AI(人工知能)などによって、コンピュータが行うケースも増えてきています。
人や人工知能によって蓄積されたデータを分析することで、分析結果を今後の行動、作動に反映することができます。
受信した情報から自動でプログラムが動作するケースがあります。
3段階目:データ分析 4段階目:データの受信と作動
コミュニケーションロボット
【出典】ソフトバンクロボティクス株式会社
受信した情報から機械やロボットが、現実世界で作動するケースがあります。
• スーパーやコンビニエンスストアでは、販売に関する分析結果に基づいて、コンピュータが自動で発注するケースも考えられます。
日本政府はIoTやデータを活用し、Society 5.0の実現を目指しています。 Society(ソサエティー)5.0
Society(ソサエティー)5.0は、日本政府が目指す「質の高い生活ができる人間中心の社会」です。 • Society 5.0は、2016年1月に閣議決定された第5期科学技術基本計画にて示されました。 • 狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、5番目の経済社会という意味を持たせています。
[3] IoT利活用の拡大と政策方針
【出典】内閣府 科学技術イノベーション総合戦略2017 http://www8.cao.go.jp/cstp/sogosenryaku/2017/gaiyo2017.pdf
Society 5.0を実現するプラットフォームのイメージ 「社会の変化」と「技術の変化」
【出典】経済産業省 「新産業構造ビジョン」より作成 http://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170530007/20170530007-2.pdf
日本政府はAI(人工知能)、IoT、データの利活用によって、Society5.0の実現を目指しています。 Society 5.0は、製造業に限らず、農業、エネルギー、交通、サービス業等の広範囲の課題解決によって実現します。
狩猟社会 農耕社会 工業社会 情報社会 Society5.0 (超スマート社会)
社会の変化
第1次 産業革命
(蒸気機関)
技術の変化
第2次 産業革命 (電力・ モーター)
第3次 産業革命
(コンピュータ)
第4次 産業革命 (自律的な 最適化)