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H28年度「自動制御工学」 現代制御 海洋システム工学部門 教授 梶原宏之 (H28.10.12) 制御を意識したモノつくりを目指して [2] H28年度「自動制御工学」授業計画 date Title Slide (Page) 1 10/05 2 10/12 制御とは? [1]-[16](pp.1-4) 3 10/19 運動方程式から状態空間表現を導く [17]-[24](pp.5-6) 4 10/26 5 11/02 1次系の時間応答 [25]-[32](pp.7-8) 6 11/09 2次系(n次系)の安定性 [33]-[40](pp.9-10) 7 11/16 2次系(n次系)の時間応答 [41]-[48](pp.11-12) 8 11/30 状態フィードバック [49]-[56](pp.13-14) 9 12/07 可制御性と可安定性 [57]-[64](pp.15-16) 10 12/14 状態オブザーバ [65]-[72](pp.17-18) 11 12/21 可観測性と可検出性 [73]-[80](pp.19-20) 12 01/11 1次系のLQ制御 [81]-[88](pp.21-22) 13 01/18 n次系のLQ制御 [89]-[104](pp.23-26) 14 01/25 定値外乱を抑制するための積分動作 [105]-[120](pp.27-30) 15 02/01 試験 本授業は,動く物の制御に関心をもつ工学系の学生の皆さ んに,状態方程式に基づく制御(状態空間法、現代制御)につ いて説明することを目的としている。言うまでもないことだが, 何らかの動く物を制御しようとすれば,それは物理法則に逆ら ってはできない。したがって,制御の出発点は,対象の動きを 支配する運動方程式や回路方程式であり,これは一般には 非線形の微分方程式で表される。 どのような制御を行うかについてはさまざまなものが考えら れるが,最も基本的なものは,ある物理的な釣り合いの状態( 平衡状態)を保持することであり,この目的は安定化と呼ばれ ている。そのためには,すべての状態変数の変化をセンサに よって即座にとらえて対象を操作する仕組み(状態フィードバ ック)と,またセンサの不足に備えて状態変数を推定する工夫 (状態オブザーバ)が基本となる。 授業概要 [3] 【目標1】 制御対象の状態空間表現(A,B,C行列)を導くことができる。 【目標2】 漸近安定性の概念を平衡状態を用いて説明し,その判定をA 行列を用いて行うことができる。 【目標3】 可制御性の概念を状態フィードバックを用いて説明し,その判 定をA行列とB行列を用いて行うことができる。 【目標4】 可観測性の概念を状態オブザーバを用いて説明し,その判定 をA行列とC行列を用いて行うことができる。また、オブザーバベース・コ ントローラの性質を説明できる。 【目標5】 状態フィードバックの最適設計のための問題設定を説明し、そ の解法を示すことができる。 【目標6】 定値外乱の影響を排除し、設定値変更に対応するために、積 分動作を導入する必要性を説明し、その設計法を示すことができる。 【目標7】 LQG制御系の設計法を示すことができる。 【目標8】 積分動作を付加したオブザーバベース・コントローラを設計す LQI設計法を示すことができる。 到達目標 [4] H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11 1

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H28年度「自動制御工学」

現代制御

海洋システム工学部門

教授 梶原宏之

(H28.10.12)

制御を意識したモノつくりを目指して

[2]

H28年度「自動制御工学」授業計画# date Title Slide (Page)1 10/052 10/12 制御とは? [1]-[16](pp.1-4)3 10/19 運動方程式から状態空間表現を導く [17]-[24](pp.5-6)4 10/265 11/02 1次系の時間応答 [25]-[32](pp.7-8)6 11/09 2次系(n次系)の安定性 [33]-[40](pp.9-10)7 11/16 2次系(n次系)の時間応答 [41]-[48](pp.11-12)8 11/30 状態フィードバック [49]-[56](pp.13-14)9 12/07 可制御性と可安定性 [57]-[64](pp.15-16)10 12/14 状態オブザーバ [65]-[72](pp.17-18)11 12/21 可観測性と可検出性 [73]-[80](pp.19-20)12 01/11 1次系のLQ制御 [81]-[88](pp.21-22)13 01/18 n次系のLQ制御 [89]-[104](pp.23-26)14 01/25 定値外乱を抑制するための積分動作 [105]-[120](pp.27-30)15 02/01 試験

本授業は,動く物の制御に関心をもつ工学系の学生の皆さんに,状態方程式に基づく制御(状態空間法、現代制御)について説明することを目的としている。言うまでもないことだが,何らかの動く物を制御しようとすれば,それは物理法則に逆らってはできない。したがって,制御の出発点は,対象の動きを支配する運動方程式や回路方程式であり,これは一般には非線形の微分方程式で表される。

どのような制御を行うかについてはさまざまなものが考えられるが,最も基本的なものは,ある物理的な釣り合いの状態(平衡状態)を保持することであり,この目的は安定化と呼ばれている。そのためには,すべての状態変数の変化をセンサによって即座にとらえて対象を操作する仕組み(状態フィードバック)と,またセンサの不足に備えて状態変数を推定する工夫(状態オブザーバ)が基本となる。

授業概要[3]

【目標1】 制御対象の状態空間表現(A,B,C行列)を導くことができる。

【目標2】 漸近安定性の概念を平衡状態を用いて説明し,その判定をA行列を用いて行うことができる。

【目標3】 可制御性の概念を状態フィードバックを用いて説明し,その判定をA行列とB行列を用いて行うことができる。

【目標4】 可観測性の概念を状態オブザーバを用いて説明し,その判定をA行列とC行列を用いて行うことができる。また、オブザーバベース・コントローラの性質を説明できる。

【目標5】 状態フィードバックの最適設計のための問題設定を説明し、その解法を示すことができる。

【目標6】 定値外乱の影響を排除し、設定値変更に対応するために、積分動作を導入する必要性を説明し、その設計法を示すことができる。

【目標7】 LQG制御系の設計法を示すことができる。

【目標8】 積分動作を付加したオブザーバベース・コントローラを設計するLQI設計法を示すことができる。

到達目標[4]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

1

倒立振子の安定化制御[5]

航空機のランディング:瞬間瞬間が平衡状態

船舶の係留:潮位変動毎に平衡状態

航空機と船舶の平衡状態[3]

レアアース泥の採取[7]

障害物の直前で停止したい[8]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

2

車を速やかに停止させたい[9]

どこに停止するかわからない!

フィードバック制御

車速を維持したい、または変更したい[10]

偏差

目標位置でピタリと止めるには?[11]

なぜ?

制御系設計の流れ(1)

モデリング

制御対象の運動方程式を導出する

アクチュエータを特定する

状態変数を特定して,非線形状態方程式を導出する

平衡状態を特定して,その周りで線形化を行う

いくつかの状態変数に対してセンサを配置する

線形状態空間表現=線形状態方程式(A行列,B行列)+出力方程式(C行列)を得る

特性解析

漸近安定性:平衡状態に戻れるか?

可制御性:状態フィードバックで安定化できるか?

可観測性:センサが足りないが大丈夫か?

[12]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

3

制御系設計の流れ(2)

制御目的を決める

漸近安定化

定値外乱の抑制・定値目標への追従

コントローラの設計

必要に応じて偏差系を求める

状態フードバック・ゲインを求める

オブザーバ・ゲインを求める

オブザーバベース・コントローラを求める

閉ループ系の応答シミュレーションを行う

コントローラの実装

オブザーバベース・コントローラを,適当な計算機上の実時間制御プログラムとして実装する

[13]

HILS(1): 制御系設計[14]

制御対象

コントローラ

外乱入力 評価出力

操作入力 観測出力

設計用PC (MATLAB/SIMULINK)

①非線形シミュレータの開発

②コントローラの設計

HILS(2):仮想制御実験[15]

制御対象

コントローラ

外乱入力 評価出力

操作入力 観測出力

シミュレータ用PC (Windows Target)

③非線形シミュレータの実時間計算

④コントローラの実装

制御用PC (xPC Traget)

DA

AD DA

AD

画像処理

エンコーダ

HILS(3):制御実験[16]

制御対象

コントローラ

外乱入力 評価出力

操作入力 観測出力

実対象

DA AD

制御用PC (xPC Traget)⑤制御実験

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

4

ダイナミカル・システムの状態空間表現[17]

x=0,u=0は平衡状態を表す

バネ・マス系[18]

平衡状態まわりの線形化[19]

x=0,u=0は平衡状態を表す

モータ[20]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

5

単振り子[21]

剛体振り子[22]

PEN

ドローン[23]

NOMOTOモデル[24]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

6

[25]

1次系の時間応答 微分方程式(非斉次)[26]

MATH

1次自由系の漸近安定性[27]

平衡状態に戻る速さ[28]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

7

[29]

ステップ応答とインパルス応答[30]

ステップ応答#1,2,3の時定数を求めよ

[31]

1次系の周波数応答[32]

ゲインdB値

位相deg

周波数応答#1,2,3の時定数を求めよ

x 20log10(x)[dB]

100 40

10 20

1 0

0.707 -3

0.5 -6

0.1 -20

0.01 -40

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

8

[33]

固有値と固有ベクトル MATH[34]

2次正方行列の対角化 MATH

[35]

行列指数関数[36]

行列指数関数の例

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

9

[37]

2次自由系の漸近安定性[38]

線形系の漸近安定性

不安定という。

[39]

2次系の安定判別の方法

x x

Im

Re

Im

x

xRe x

Im

Rex

x

Im

Rex

Im

x

xRe x

Im

Rexxx

Im

Re

xx

Im

Re

Im

x

xRexx

Im

Re x

Im

Rex

1 2 3 4 5 6

8 9 10 11

7

1 2 3 4 5 6

7

8 9 10 11

安定の意味に注意

[40]

振り子(Pendulum)

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

10

[41]

2次振動系のインパルス/ステップ応答(1)[42]

2次振動系のインパルス/ステップ応答(2)

[43]

2次振動系のインパルス/ステップ応答(3)[44]

2次系のステップ応答の例

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

11

[45]

State Space Model

Transfer Function Model

Impulse Response Step Response

Frequency ResponseLaplace Transform

Integration

Differentiation

時間応答の相互関係[46]

2次振動系の周波数応答(1)

[47]

2次振動系の周波数応答(2)[48]

2次系のボード線図の例

gain[dB]

phase[Deg]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

12

倒立振子[49]

状態空間表現[50]

[51]

状態フィードバック 閉ループ系[52]

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

13

[53]

固有値設定問題[54]

正準形へ座標変換(1)

正則性?

ケーリーハミルトンの定理

[55]

正準形へ座標変換(2)[56]

状態フィードバックの計算

正則性?

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

14

[57]

正定行列 MATH[58]

(準)正定行列の例

可制御ならば可安定[59] [60]

可安定性の判定条件

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

15

[61]

可制御性の判定条件[62]

可制御性⇒条件1

[63]

条件1⇒可制御性[64]

条件1⇔条件2

H28年度「自動制御工学」配布資料 2016-10-11

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