機械力学1第7回2006年12月4日 機械力学1 咀嚼発話 センサ gps 超音波...
TRANSCRIPT
第7回 2006年12月4日
機械力学1
咀嚼発話センサ
GPS
超音波
ブルートゥース
腕運動ウォッチ
足圧シューズ
ウェアラブルセンサで行動予測,情感推定,ネット情報提供.
鈴木規之(新日鐵)
保坂寛(新領域創成科学研究科)
機械力学との関係?
専門:情報機器,センシング
2.1自由度不減衰系の自由振動3.1自由度減衰系の自由振動4.1自由度系の強制振動5.2自由度系の自由振動および強制振動6.ラプラス変換による強制振動の解析7.ラグランジュの方程式1.序論
12/11 講義12/18 中間試験1/ 9 (火) 講義
1/15 講義
1/22 講義1/29 予備3/ 5(月)最終試験
授業予定
演習問題 「3.力学の基礎」~「7.強制振動」および問8.1,8.2,8.8,8.9,教科書6.3.3
のうち,◎○△の問題
=授業で解いたもの,教科書に載っているもの
12/18 中間試験
試験範囲
強制振動について,第2章,4章で正弦波状外力が作用する場合を
扱った.これは,回転機などで実用上重要であることと,計算が簡単だ
からである.実際の振動系では,衝撃力やステップ状の外力など,周
期的でない外力も多数存在する.非周期的外力に対する応答計算も,
外力,慣性力,ばね力,減衰力の釣合により運動方程式を立て,その
特解と基本解を求め,初期条件を満足するように基本解の未定係数を
決めればよい.基本解は正弦波入力と同じであるが,特解は外力ごと
にうまく解の形を仮定する必要がある.多くの場合,解の仮定が難しく,
ステップ入力などごく限られた場合にしか特解を得ることが出来ない.
これに対し,任意の入力に対して機械的に解を求められる便利な方
法があり,その1つがラプラス変換法である.導出には複素積分を必
要とするが,使うだけなら,高級な数学知識は一切不要である.本章で
は,ラプラス変換による振動の計算法を説明する.
6.ラプラス変換による強制振動の解析教科書 101ページ
ラプラス変換
s:複素数F(s):複素関数無限積分が収束 →Re[s]>0
∫∞ −=
0)()( dtetfsF st
[ ])()( tfLsF =
∫∞+
∞−=
i
i
stdsesFi
tfσ
σπ)(
21)(
[ ])()( 1 sFLtf −=σ>0 o )0(>σ
t
s( )i虚
実
tとsの変数域
L:ラプラス演算子
ラプラス逆変換
6.1 ラプラス変換とラプラス逆変換
∫ ∫∞+
∞−
∞ −
=
i
i
stst dsedtetfj
tfσ
σπ 0)(
21)(
時間tの関数fから,複素数sの関数Fへの
積分変換
ラプラス逆変換の証明
フーリエ級数展開(周期関数により近似,三角関数による表示)
フーリエ変換(変数変換,周期無限大.級数→積分)
∑∞
=
+
+=
1
0 2sin2cos2
)(n
nn Ttnb
Ttnaatf ππ
∑∞
−∞=
=n
Ttni
nectfπ2
)(
∫∞
∞−= ωω
πω deFtf ti)(
21)(
∫∞+
∞−=
i
i
stdsesFi
tfσ
σπ)(
21)( ∫
∞ −=0
)()( dtetfsF st
∫∞
∞−
−= dtetfF tiωω )()(
∫−−
= 2
2
2
)(1 T
TTtni
n dtetfT
cπ
積分変数の変換 ωσ is +=
教科書p.102.コラム12
(複素積分とフーリエ級数の知識が必要.理解しなくてよい)
nTπω 2
= ncnF
ωπ2
=
tの関数fとnの関数cの
変換式
∞→T
0)( =tf )0( <t
tの関数fとωの関数Fの
変換式
6.2 ラプラス変換の計算例と公式
右辺を部分積分
第2項を部分積分
のラプラス変換attf sin)( =∫∞ −=0
sin)( atdtesF st
∫∞ −
∞− −
−=
00
coscos1 atdteasate
astst
∫∞ −−=0
cos1 atdteas
ast
+
−= ∫
∞ −∞
−0
0sinsin11 atdte
asate
aas
astst
)(12
2sF
as
a−=
22
2
2
1
1
)(asa
asasF
+=
+=
0sin1
0=
∞− ate
ast
Re[s]>0[ ] 0)( =∞=t
[ ]a
t 1)0( −==
)(sF=∫
コラム12 ラプラス逆変換の例 sin(at)
dseasa
iasaL sti
i∫∞+
∞−
− ⋅+
=
+
σ
σπ 22221
21
[ ] [ ]aisais −+= ReRe
[ ] )()(limRe sFzszszs
−=→
dsas
aei
st
∫ += 222
1π
無限積分=周回積分
コーシーの留数定理
関数Fのzにおける留数
ati
eie aitait
sin22
=−
+=−
複素平面上の積分留数の定理を利用
σ
-ai
R ai
o Re
Im半円の積分0(ジョルダンの補助定理)
ー∞
+∞
(理解できなくてよい)
tst aeae σ<
2222 aRas +≈+
Rds π≈∫01
22 →≈⋅+ R
RaR
ae tπ
σ
分子
分母
積分路長
半円積分
attf cos)( =
∫∞ −=0
cos)( atdtesF st
のラプラス変換
ヒント①Re[s]>0.②部分積分を2回
問8.8 (全員)
を求めよ
attf cos)( =
∫∞ −=0
cos)( atdtesF st
dtatesa
sst∫
∞ −−=0
sin1
+
−−= ∫
∞ −∞
− dtatesaate
ssa
sstst
00
cossin11
)(12
2sF
sa
s−= 22
2
2
1
1
)(ass
sassF
+=
+
=
dtatesaate
sstst ∫
∞ −∞
− −
−=
00
sincos1
右辺を部分積分
第2項を部分積分
のラプラス変換
0sin1
0=
∞− ate
ast
[ ] 0)( =∞=t[ ]
st 1)0( −==
Re[s]>0
ヒント①Re[s]>0.②部分積分を2回
単位ステップ関数u(t)のラプラス変換
u(0)は,0,1 ,1/2などいろいろある.どれでも結果は同じ.
[ ] ∫∞ −=0
)()( dttuetuL st
∫∞ −=0
dte st
∞−
−=
0
1 stes
s1
= Re[s]>0ステップ関数
u
0
1
t
u(0)は有限なら何でもよい.1でも0でも1/2でも結果は同じ
[ ] ∫∞ −=
0)()( dttuetuL st ∫∫
∞ −− +=ε
εdttuedttue stst )()(
0
011)()(0
→⋅⋅<⋅⋅< −−∫ εεε
tuedttue stst
sdtedtedttue ststst 11)(
0=→⋅⋅= ∫∫∫
∞ −∞ −∞ −
εε
無限小区間の積分なのでゼロ
u
0
1
t
21
ε
u
0
1
tε
u
0
1
tε
ラプラス変換の微分公式
のラプラス変換
のラプラス変換
dtdf
∫∞ −=
0dt
dtdfe
dtdfL st
[ ]fsLf +−= )0(
2
2
dtfd
dtdf
dtdfsL
dtfdL )0(2
2−
=
[ ]dtdffssFs )0()0()( −−=
[ ] ∫∞ −∞− +=00 fdtesfe stst
dtdfsfsFs )0()0()(2 −−=
部分積分
第1項:Re[s]>0→
第2項:sF
[ ] 0)( =∞=t[ ] )0()0( ft ==
)0()( fssF −=元の関数fのラプラス変換が分かれば,微分f’のラプラス変換はすぐに求まる
初期値
)0()0()0()( )1(21 −−− −−−−=
nnnnn
nffsfssFs
dtfdL L&
)(sFsdtfdL nn
n=
)0()( fssFdtdfL −=
dtdfsfsFs
dtfdL )0()0()(22
2−−=
1階微分
2階微分
n階微分
0)0()0()0( === fff &&& のとき
ste の微分と同じ形
指数関数の積の公式
[ ] ∫∫∞ −−∞ − ==
0
)(
0)()()( dtetfdtetfetfeL tbsstbtbt
[ ] )()( bsFtfeL bt −=
∫∞ −=
0)()( dtetfsF st
)(tfebt
でsをs-bとしたものtと積分区間は同じ
この形の関数は減衰振動でよく現れる
主な関数のラプラス変換
atcosh
ata
sinh1
atcos
ata
sin1
t
)(tu
)(tδ
22 ass−
221as −
22 ass+
221as +
21s
s1
1
)(tf )(sF
atea
bt sinh1( ) 22
1abs −−
( ) 22 absbs−−
−atebt cosh
atea
bt sin1( ) 22
1abs +−
att cos
atat sin
2
atebt cos
( )222
22
as
as
+
−
( )222 as
s
+
( ) 22 absbs+−
−
)(tf )(sF
( ) 1=∫+
−xdx
ε
εδ
デルタ関数
o
( )xδ
x幅0
高さ∞
面積
δ=dtdu
ラプラス変換の公式
)( tfe at )( asF −
dtdf )0()( fssF −
2
2
dtfd )0()0()(2 fsfsFs ′−−
)0()0(
)0()()1(2
1
−−
−
−−′−
−nn
nn
ffs
fssFs
Ln
n
dtfd
指数関数の積
微分
2階微分
高階微分
)( tf )( sF
のラプラス変換 を用いて,
と のラプラス変換形を求めよ.
◎問8.9(全員)
atcos 22 ass+
)cosh(at )sin(at
)cos()cosh( iatat −= を導け.
)(cos1)sin( atdtd
aat −= に微分公式用いよ.
ヒント オイラーの公式
⋅−
+⋅−=
−= )0cos(1)(cos1)][sin( 22 a
asss
aat
dtd
aLatL
)cos(22
)cosh()()(
iateeeeatiatiiatiatat
−=+
=+
=−−−−
2222 )()][cos()][cosh(
ass
iassiatLatL
−=
−+=−=
2222
2
22
22
22
2 11asa
asa
aasas
ass
a +=
+−
−=
++
−+
−=
sin(at) 微分公式
cosh(at) 定数の置き換え
[ ] 22cosassatL+
= からの公式の導出
1
6.3 ラプラス変換による運動方程式の解法
6.3.1 不減衰系の自由振動
両辺ラプラス変換
微分公式
Xは不明
0=+ kxxm &&
,
0)0( xx = 0)0( vx =&
)0()0(][ 2 xsxXsxL &&& −−=
( )002 vsxmkXXms +=+
mksvsx
kmsvsxmX
/)(
200
200
++
=++
=
mk
n =ω
( ) 0002 =+−− kXvsxXsm
220
220
nn sv
ssx
ωω ++
+=
運動方程式
初期条件m
k
x
重力無視
220
220)(
nn sv
ssxsX
ωω ++
+=
ラプラス変換公式
[ ] 22cosassatL+
=
na ω→
txs
xsL nn
ωω
cos 022
01 =
+−
22
1sin1as
ata
L+
=
tvs
vL nnn
ωωω
sin 1 022
01 =
+−
tv
txx nn
n ωω
ω sincos 00 +=
両辺ラプラス逆変換
6.3.2 不減衰系の正弦波強制振動
両辺ラプラス変換.X不明
tFkxxm ωcos=+&& 0)0( =x 0)0( =x&
[ ] 222 )0()0(
ω+=+−−
ssFkXxsxXsm &
[ ] 22cosassatL+
=
ω→a
( ) 222
ω+=+
ssFXkms
( )( )2222 ωω ++⋅=
sss
mF
n
( )( ) ( )( )222222 / ωω ++⋅=
++⋅=
smkss
mF
skmssFX
ラプラス変換表に無い!
m
k
x
tF ωcos
0 0
mk
n =ω
部分分数展開
ω≠ωn
+−
+−⋅= 222222
1
nn ss
ss
mFX
ωωωω
( )( )ttm
Fx nn
ωωωω
coscos22 −
−=
( )( )2222nss
smFX
ωω ++⋅=
[ ] 22cosassatL+
= ω→a na ω→
簡単な分数に直す
( ) 222 ω+
=s
smFX
( )222sin
2 assat
atL
+=
ω→a
ttmFx ω
ωsin
2=
ω=ωn のとき
( )( )2222nss
smFX
ωω ++⋅=
共振
解の仮定にノウハウ不要
部分分数に分解できない
2乗の2乗になる.ラプラス変換表にある.
6.3.3 減衰振動系のステップ応答
)(tFukxxcxm =++ &&&
0)0()0( == xx &
時間領域解法
c
m x
k
)( tFu
Fkxxcxm =++ &&& 0≥t
kFx =
特解
基本解(3章)
0=++ kxxcxm &&& 02 2 =++ xxx nn ωζω &&&
tex λ= 02 22 =++ nn ωλζωλ
u
0
1
t(定数)
mkn =ωnm
cω
ζ2
=
( )21 1 ζζωλ −+−= in ( )2
2 1 ζζωλ −−−= in
titi nn eCeCxωζζωζζ
−−−
−+−
+=22 1
2
1
1
基本解
02 22 =++ nn ωλζωλtex λ=
21 ζωω −= nd( )titit ddn eCeCe ωωζω −− += 21
CCC =+ 21
( ) DiCC =− 12
( ) ( )
−
−++
+=−−
−
ieeiCCeeCCe
titititit
ddddn
22 1221
ωωωωζω
( )tDtCe ddtn ωωζω sincos += −
複素共役
基本解の線形結合
( )tDtCex ddtn ωωζω sincos += −
2 kF
mFxn
==ω
基本解
特解
一般解
初期条件
( )tDtCekFx dd
tn ωωζω sincos ++= −
0)0( =+= CkFx 0)0( =+−= DCx dn ωζω&
kFC −=
kF
kFD
d
n21 ζ
ζωζω
−−=−=
−+−= − tte
kFx dd
tn ωζ
ζωζω sin1
cos12
解
減衰振動系のステップ応答(ラプラス変換)
部分分数に分解
)(tFukxxcxm =++ &&& 0)0()0( == xx &
[ ]s
uL 1=
22 211
nnsssmF
ωζω ++⋅⋅=
++
+−=
++
+−⋅= 22222 2
212
211
nn
n
nn
n
n sss
skF
sss
smFX
ωζωζω
ωζωζω
ω
c
m x
k
)( tFu
u
0
1
t
21
2 kmωn =
mk
n =ω
mkc
2=ζ
両辺ラプラス変換
sFkXcsXXms 12 ⋅=++
sF
kcsmsX
++= 2
1
u(0)は何でもよい
分母:sの2次式,分子:1次式
( ) 221sin1
absate
aL bt
+−=
[ ]
( ) 22cosabs
bsateL bt
+−−
=
( ) ( )
( )
( ) ( )
( ) ( )
⋅
++−
++
+−=
++−
++
+−=
++
+−=
+−+
+−=
ndndn
n
dn
n
dn
n
dn
n
nnn
n
sss
skF
sss
skF
ss
skF
ss
skFX
ζωωζωωζω
ζω
ωζω
ζω
ωζω
ζω
ωζω
ζω
ωζωζω
ζω
2222
2222
22
222
11
1
21
21
+
+++
−=sss
skFX
nn
n 12
222 ωζω
ζω
21 ζωω −= nd
da ω→
nb ζω−→
[ ]s
uL 1=
−−= −− tetetu
kFtx d
tn
dnd
tn ωω
ζωω ζωζω sin1cos)()(
−−−= −− tete
kF
dtn
dtn ω
ζ
ζω ζωζω sin1
cos12
da ω→
nb ζω−→
( ) ( )
⋅
++−
+++
−= ndndn
n
sss
skFX ζω
ωζωωζωζω
222211
( ) 221sin1
absate
aL bt
+−=
[ ]( ) 22cos
absbsateL bt
+−−
=
[ ]s
uL 1=
不連続関数があっても問題なし
(t>0)
−
−
+−= − )cos(
1
11
2
2
φωζ
ζ ζω tekF
dtn
21tan
ζ
ζφ−
=
x
kF
o tステップ応答
−
+± − tne
kF ζω
ζ
ζ2
2
1
11
−
−
+−= − )cos(
1
11
2
2
φωζ
ζ ζω tekFx d
tn
上記の計算ではステップ関数の不連続性が問題とならなかった.またt<0におけるu=0が計算の中で現れず,仮にt<0でu=1であっても同じ解が導かれる.しかしt<0のuや不連続性が解に影響する場合もあり,それは次の例で説明する.また,時間領域解法で現れた特解と基本解は,実はラプラス変換法の中でも現れている.2つの解法の関係については,6. 4節で説明する.
x
k c
m ( )tf
6.4 ラプラス変換による任意外力の応答計算
( ) ( ) 00 0 ,0 vxxx == &① ②
⑥
⑦
ラプラス変換
( )sXx→③
④
⑤
⑧
)(tfkxxcxm =++ &&&
( )sFf →( ) ( )002 xsxXsx &&& −−→
( )0xsXx −→&
{ } { } FkXxsXcvsxXsm ooo =+−+−−2
(未知)
(表の値を代入)
初期値を代入
kcsmsmv
kcsmscmsx
kcsmsFX
+++
+++
+++
= 20202
ooo mvcxmsxFkXcsXXms +++=++2
ラプラス逆変換
⑧
+++
+++
+
++= −−−
kcsmsmLv
kcsmscmsLx
kcsmsFLx 2
102
102
1
⑩
kcsmsmv
kcsmscmsx
kcsmsFX
+++
+++
+++
= 20202
⑨
mkn /=ω 21 ζωω −= nd
簡単な分数に分解
=x
000 == vx の解(特解) 00 == vf の解(基本解)
00 == xf の解(基本解)
tev dt
dn ω
ωζω sin1
0−
+− ttex d
d
nd
tn ωωζωωζω sincos0
++−
kcsmsFL 2
1+
+
⑩ =x
000 == vx の解(特解) 00 == vf の解(基本解)
00 == xf の解(基本解)
tev dt
dn ω
ωζω sin1
0−
+− ttex d
d
nd
tn ωωζωωζω sincos0
++−
kcsmsFL 2
1+
+
「特解+2つの基本解」の形になっている.これは,時間領域解法で運動方程式を解くときと,同じ形である.特解と基本解の選び方には無数のパターンがあり,時間領域解法では,どれを選
ぶかは解く人の勝手である.一方ラプラス変換では,特解と基本解は表により一意に与えられる.ラプラス変換で決まる特解と基本解はどのようなものであろうか.⑩の第2項,第3項を見ると,基本解の係数は,xoおよびvoであり,初期条件をそのまま用い
たものになっている.時間領域解法の場合,基本解の係数を決めるのに,連立方程式を解く必要があった.ラプラス変換では,初期条件がそのまま係数になるという,最も便利な基本解が選ばれるのである.またこれに対応して,特解は,初期条件がすべてゼロの時の解が選ばれるのである.
θ&&IN =
( )dtdLI
dtdN == θ&
図2.5 広がり
のある物体
dmN
V
r回転中心
∫= VdmrI 2
2mrI =
慣性能率慣性モーメント
集中質量
角運動量ωθ IIL == &
角運動量の法則
Iが時間の関数でも成り立つ3次元運動でも成り立つ.L,ω,Nはベクトル,Iはテンソル(行列)
証明はコラム3
2
21 mrI =
回転運動の方程式
円板
コラム3,4,5,6 回転運動の話
rm
v
(a) 糸が柱に巻きつく場合 (b) 糸を下から引く場合
r
v
m
コラム4 エネルギ保存則と角運動量保存則の応用
エネルギー保存
constmv =2/2
角運動量保存(トルクが加わらない)
慣性能率
ωIL =0== NdtdL
2mrI =constmrIL === ωω 2
constrv == ω
T+U 一定
L一定
r2r1
A
B
C
D
E
F
G
H
コラム5 ブランコの運動
ωω 2mrIL ==2
22
21
21
BC
BC mv
rrmv
=
CCBB vmrvmr =
mg
mgconstmrv ==
a2
ωアクチュエータ
図5.4
m m
演習問題 問5.4
BC
BC v
rrv =
剛体の3次元回転
y
x
ω
v
v新
v
v新
ω新
N
外力
外力
3次元回転における角運動量の法則
NdtωdI
rr
=
近似的に
コラム6 コマの運動と剛体の3次元回転
ω大,向きの変化小,Iは軸対象
①赤い輪が角速度ωで回転.角速度ベクトルは右ねじの進む向き.
②輪に青い外力を加える.輪の速度vはv新の
ように斜め上向きになる.
③反対側ではvは下向きに変わる.
④輪全体では左に傾く
⑥2つの外力の合力は丸い矢の回転力となる.ベクトルで表すと,右ねじの進む向きの左向き.これはωの変化に比例.同じ向き
⑦比例定数をIとおく
⑤角速度ωの変化は左向き.青い矢.
( ) NωIdtd rr
=
ω
回転
モーメント
重力
N
床からの反力N
dtωdI
rr
=
コラム6 コマの運動
①コマが傾いて回っている.角速度ベクトルは右ねじの向きで,左上を向いている.
②重力により,コマを倒すモーメントが働く.向きは左回りの回転.ベクトル的には,右ねじの向きで手前向き.
③角運動量の法則により,ωはNの向きに変化
する.ωは手前倒れる.
④コマが手前を向くと,手前に倒す重力が働き,ωはそれと直角の右に向きを変える.
⑤次々とωの向きが変わり,歳差運動となる.
コマは左に倒れず,手前に倒れ,歳差運動が起こる
NdtdI
rr=ω
コインは倒れる側に向きを変える.
重力によるモーメント
遠心力
重力
ω N
自転
遠心力
進行方向方向変化
ω
N
コラム7 転がるコインはなぜ倒れない
正面から見た図
N/Iω新
①コインが倒れないのは,角運動量の法則だけでは説明できない.コマがよりずっと遅い速度でもコインは倒れない.遠心力が効いている.
②コインが傾いて転がっている.ωは右ねじの向きで,左下を向いている.
③重力は左に倒す方法に働く.ベクトル的には,右ねじの向きで手前を向く.
④角運動量の法則により,ωはNの方向
に変化する.手前側に向きを変える.
⑤コインは左に向きを変え,左回りの円弧を描く.
⑥円弧運動により外向きの遠心力が働く.これはコインを立てる方向.よってコインは倒れない.
⑦もし角運動量の式が-Nであると,コインは右に向きを変え,点線のような
右向きの円弧を描く.遠心力は左向きに働き,コインはあっという間に倒れる.現実世界の法則と反するが,工夫すると実験できる.
⑤
ω
N
摩擦力
キャスタ角
復元モーメントの腕
フォーク接点
地球ゴマ自転車
自転車は倒れる側にハンドルが曲がる.
自転車のフォークはなぜ斜めか
右に傾いた場合
①自転車が倒れないのはなぜか.腰のバランスも効いているが,人が乗らなくても,勢いよく押し出せば,しばらくは倒れずに走る.角運動量の法則で説明できる.