機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌...

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Page 1: 機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌 2018機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌 メカボケーション Vol.25 2018 未来へ翔く企業からのメッセージ

機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌

メカボケーションVol.25

2018

未来へ翔く企業からのメッセージ大学・短大・高専研究室紹介

JSME Kansaiは今

ネット版企業

紹介ホームページ公開中

リンク機能も充実 !

JSME Kansai一般社団法人 日本機械学会 関西支部

http://www.kansai.jsme.or.jp/http://www.kansai.jsme.or.jp/

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機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌

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「MECHAVOCATION」(2018 年度版)の刊行にあたって

一般社団法人日本機械学会 関西支部第 93 期支部長 徳永 節男

日本機械学会関西支部は、関西地区における機械分野の学術および技術の進歩をはかり、工業や工学の発展に尽くすことを目的に、地域に密着した多彩な活動を行っています。学術・技術交流、教育・啓発、世代間交流の3事業と並んで支部活動の重要な位置を占めているのが、

「MECHAVOCATION」(メカボケーション)の事業です。“メカボケーション”とは、機械を天職とする人々の集いを意味する日本機械学会関西支部の造語です。1993 年以来、関西に拠点を置く企業と学校との交流の場を提供しており、このたび、その核となる技術情報誌「MECHAVOCATION」

(2018 年度版)を刊行することとなりました。本事業の趣旨にご賛同・ご協賛いただいた企業の皆様に厚く御礼申し上げます。

本事業は、当初、関西地区の大学、短期大学、高等専門学校に在籍する機械系学生に対する卒業後の進路選択のための情報提供を目的として開始されました。その後、産学の技術交流の場を提供することを中心的課題として今日に至っています。本誌は、ご協賛いただいた企業の特色ある技術と求める人材などを発信するだけでなく、機械工学関連の大学・短期大学・高等専門学校、そしてそれぞれに属する研究室のスタッフと研究テーマも幅広く紹介しており、学生・学校と企業が様々な目的で相互に交流するための有効なツールになるものと考えています。

本誌を2019 年春に卒業・修了する予定の関西の機械系学生約 6,500 名、全国 160 の大学・短期大学・高等専門学校の就職担当教職員および協賛企業に配布するとともに、例年通りインターネット版(Mechavocation on the Net)を支部の WEB サイトに公開し、学校と企業を結ぶ情報媒体として広く活用していただきます。学生の皆さんには、進路を考えるための情報源としてだけでなく、機械系企業を取り巻く状況と最新の機械技術・製品を知る手段として有効に活用していただきたいと思います。

メカボケーション事業としては、この技術情報誌の刊行とともに、企業と学校関係者の直接的な技術交流のための「学生のための企業技術発表会」、関西支部定時総会講演会での「メカボケーション学生研究発表セッション」、 就職に関する情報交換・懇談を目的とした「就職に関する企業と学校の交流会」を開催します。さらに、メカボケーション事業からの収益は支部の学術講演会活動や一般市民の方にも開放した特別フォーラムなど、企業と学校だけでなく社会も含めた多彩な日本機械学会関西支部活動の原資として活用します。

科学技術立国および産業立国を標榜する我が国は、高齢化社会や情報化社会といった社会構造の変革期を迎えており、産業の中核を担う機械工業とこれを支える機械工学を基盤としてグローバル競争に打ち勝つ技術力の強化と、それを可能とする学術の発展や人材の育成が強く期待されています。このためにも、産学双方の有益な技術・研究情報が集約された本誌が、より一層実効的な連携の促進に供することを期待します

最後に、ご協賛いただいた企業の皆様に再度御礼申し上げますとともに、本誌 2018 年度版の企画・編集にご尽力いただきました実行委員、編集委員、事務局そして出版社の皆様に心より御礼を申し上げます。

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目次

活用ガイド• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 4

2016 年度 学生のための企業技術発表会 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 6発表会の報告/企業ミニプレゼン/企業個別ディスカッション

2016 年度 メカボケーション学生研究発表会 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 10(関西支部第 92 期定時総会講演会メカボケーション学生研究発表セッション)

2016 年度 関西支部賞受賞技術の紹介 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 15

企業紹介 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 21

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ア ㈱アーレスティ ……………… 22明石機械工業㈱ ……………… 22淺田鉄工㈱ …………………… 23㈱浅野歯車工作所 …………… 23旭化成㈱ ……………………… 24芦森工業㈱ …………………… 24㈱アルトナー ………………… 25㈱伊藤金属製作所 …………… 25㈱イトーキ …………………… 26宇部興産㈱ …………………… 26宇部興産機械㈱ ……………… 27AVC テクノロジー㈱ ………… 27NTN㈱ ……………………… 28㈱ NTT ファシリティーズ …… 28MHIソリューションテクノロジーズ㈱ … 29オークマ㈱ …………………… 29㈱大阪真空機器製作所 ……… 30大阪冶金興業㈱ ……………… 30㈱岡村製作所 ………………… 31岡本㈱ ………………………… 31

カ 金井重要工業㈱ ……………… 32㈱カネカ ……………………… 32川崎重工業㈱ ………………… 33川重冷熱工業㈱ ……………… 33関西保温工業㈱ ……………… 34㈱木内計測 …………………… 34㈱きしろ ……………………… 35キヤノンマシナリー㈱ ……… 35京セラ㈱ ……………………… 36京セラドキュメントソリューションズ㈱ … 36極東開発工業㈱ ……………… 37近畿工業㈱ …………………… 37㈱栗本鐵工所 ………………… 38グローリー㈱ ………………… 38

グンゼ㈱ ……………………… 39㈱神戸製鋼所 ………………… 39㈱ゴーシュー ………………… 40㈱コベルコ科研 ……………… 40コベルコ建機㈱ ……………… 41湖北精工㈱ …………………… 41

サ ㈱ササクラ …………………… 42山九㈱ ………………………… 42山陽特殊製鋼㈱ ……………… 43三和ハイドロテック㈱ ……… 43㈱ジェイテクト ……………… 44㈱島精機製作所 ……………… 44㈱シマノ ……………………… 45昭和電機㈱ …………………… 45昭和電工㈱ …………………… 46㈱神鋼環境ソリューション … 46神鋼検査サービス㈱ ………… 47神鋼鋼線工業㈱ ……………… 47神鋼テクノ㈱ ………………… 48新日鐵住金㈱ ………………… 48新明和工業㈱ ………………… 49㈱ SCREENホールディングス … 49スターライト工業㈱ ………… 50住友重機械ギヤボックス㈱ … 50住友電気工業㈱ ……………… 51住友電装㈱ …………………… 51セイコー化工機㈱ …………… 52

タ ダイキン工業㈱ ……………… 52大昭和精機㈱ ………………… 53㈱ダイセル …………………… 53大日本印刷㈱ ………………… 54太平電業㈱ …………………… 54㈱ダイヘン …………………… 55

大和歯車製作㈱ ……………… 55㈱タカトリ …………………… 56タカラスタンダード㈱ ……… 56㈱タクマ ……………………… 57㈱タダノ ……………………… 57中外炉工業㈱ ………………… 58㈱椿本チエイン ……………… 58㈱椿本バルクシステム ……… 59㈱鶴見製作所 ………………… 59DMG 森精機㈱ ……………… 60㈱デービー精工 ……………… 60東洋ゴム工業㈱ ……………… 61東洋ハイテック㈱ …………… 61東レ・カーボンマジック㈱ … 62TOWA ㈱ …………………… 62トクデン㈱ …………………… 63凸版印刷㈱ …………………… 63㈱酉島製作所 ………………… 64

ナ 中西金属工業㈱ ……………… 64㈱長浜製作所 ………………… 65夏原工業㈱ …………………… 65ナブテスコ㈱ ………………… 66西日本旅客鉄道㈱ …………… 66日亜化学工業㈱ ……………… 67日工㈱ ………………………… 67日新電機㈱ …………………… 68日世㈱ ………………………… 68日鉄住金テクノロジー㈱ …… 69日本アイ・ティ・エフ㈱ …… 69日本精工㈱ …………………… 70日本ゼオン㈱ ………………… 70日本ノッズル精機㈱ ………… 7₁日本ピラー工業㈱ …………… 71日本金銭機械㈱ ……………… 72

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目次

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掲載校一覧

◆大学大阪大学大学院基礎工学研究科

大阪大学大学院工学研究科

大阪工業大学

大阪産業大学

大阪市立大学大学院工学研究科

大阪電気通信大学

大阪府立大学大学院工学研究科

関西大学

京都大学

京都工芸繊維大学

近畿大学生物理工学部

近畿大学理工学部

神戸大学大学院海事科学研究科

神戸大学大学院工学研究科

滋賀県立大学

摂南大学

同志社大学生命医科学部

同志社大学理工学部

兵庫県立大学大学院工学研究科

立命館大学

龍谷大学

和歌山大学

◆短期大学 ◆高等専門学校

産業技術短期大学 明石工業高等専門学校

大阪府立大学工業高等専門学校

近畿大学工業高等専門学校

神戸市立工業高等専門学校

奈良工業高等専門学校

舞鶴工業高等専門学校

和歌山工業高等専門学校

ハ パーソル R&D ㈱ ……………… 72㈱ハイレックスコーポレーション … 73パスカル㈱ …………………… 73パナソニック㈱ ……………… 74パナソニック エコシステムズ㈱ … 74バンドー化学㈱ ……………… 75Hitz 日立造船㈱ ……………… 75㈱ヒラカワ …………………… 76㈱ VSN ………………………… 76㈱福井製作所 ………………… 77㈱不二鉄工所 ………………… 77富士電機㈱ …………………… 78富士フイルム㈱ ……………… 78不動技研工業㈱ ……………… 79古河電気工業㈱ ……………… 79ホソカワミクロン㈱ ………… 80㈱堀場製作所 ………………… 80ボルカノ㈱ …………………… 81

マ ㈱前川製作所 ………………… 81㈱松井製作所 ………………… 82マツダ㈱ ……………………… 82マテックス㈱ ………………… 83眞鍋造機㈱ …………………… 83丸一鋼管㈱ …………………… 84三浦工業㈱ …………………… 84㈱ミツトヨ …………………… 85三菱化工機㈱ ………………… 85三菱ガス化学㈱ ……………… 86三菱ケミカル㈱ ……………… 86三菱重工業㈱ ………………… 87三菱電機㈱ …………………… 87三菱日立パワーシステムズ㈱ … 88三ツ星ベルト㈱ ……………… 88三輪運輸工業㈱ ……………… 89㈱村田製作所 ………………… 89㈱メタルアート ……………… 90モリ工業㈱ …………………… 90

ヤ ㈱安永 ………………………… 91㈱ヤスナ設計工房 …………… 91八十島プロシード㈱ ………… 92ヤマウチ㈱ …………………… 92大和製衡㈱ …………………… 93㈱ヤマナカゴーキン ………… 93㈱ユーシン精機 ……………… 94由利ロール㈱ ………………… 94

ロ ローム㈱ ……………………… 95

日本機械学会関西支部の活動報告 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 139

JSME-Kansai は今[1]日本機械学会関西支部の沿革と現況[2]2016 年度- 2017 年度の関西支部事業報告[3]関西学生会活動報告

大学・短期大学・高等専門学校の紹介 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 97

沿革と学科紹介 …………………………………………………………………… 98研究室構成スタッフと研究テーマの紹介• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 113

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進学

就職

産学交流

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大学・短期大学・高等専門学校紹介研究室構成スタッフと研究テーマ

大阪大学大学院基礎工学研究科

機能創成専攻(機械系研究室)

熱工学グループ教 授/河原 源太助 教/石田 秀士助 教/清水 雅樹

熱および流体に関連する諸現象の解明とその応用に関する基礎研究を行っている.主な研究テーマは,十分発達した乱流の構造,動力学,統計性質の解明と制御,亜臨界乱流遷移現象の予測と制御,乱流における熱・運動量輸送の機構解明と伝熱促進・流動抵抗低減への応用,不安定周期運動に基づく乱流の解析と制御,自然対流場内に発生するカオス現象の解明等である.

流体力学グループ教 授/後藤 晋准教授/吉永 隆夫助 教/渡邉 陽介

流体力学に現れる種々の非線形現象の解明を理論解析,大規模数値シミュレーション,室内実験を駆使して解明している.具体的には,(1) 流れによる物質の輸送・混合現象,(2) 非ニュートン流体や粉体などの複雑流体の流動現象,(3) 異なる流体どうしの界面に関する現象,(4) さまざまな波動および振動現象などを研究している.強い非線形性を有する流体系に対する斬新な解析手法の確立とともに,広範な工学応用のための基盤構築を目指している.

材料・構造強度学グループ教 授/小林 秀敏准教授/堀川 敬太郎助 教/谷垣 健一

「衝撃」をキーワードに,機械材料や構造体の強度に関する研究を行っている.主な研究テーマは,衝撃荷重下の材料や軽量構造体の力学的挙動の解明,植物の葉や花の構造・材料に関するバイオミメティックス的研究,水素集積の可視化手法による金属材料の水素脆化現象の解明,水素機能性材料の力学特性の評価,超高速衝撃を用いた高強度金属材料の創成,航空宇宙構造・材料の超高速衝突破壊現象に関する研究,などである.

固体力学グループ准教授/荻 博次助 教/中村 暢伴特任助教/野井 健太郎

超音波を利用して,(1) ナノ材料の力学計測と機能との強相関の研究,(2) 超高感度バイオセンサの開発,(3) コロイドガラスの物性研究,(4) 認知症診断装置の開発などを行っている.特に,独自に開発した唯一無二の共振計測技術を用いて,磁性薄膜や,半導体材料,超電導体,金属ガラスなど先進材料の弾性定数計測を可能としている.この超音波計測と理論に基づく力学モデルを結び付け,機械的性質という側面から固体物性に新しい知見をもたらす研究を進めている.

分子流体力学グループ教 授/川野 聡恭准教授/土井 謙太郎助 教/辻 徹郎

分子流やプラズマ流における新しい数理物理モデルの構築と生命・環境・宇宙科学への応用に関する研究を行っている.従来のナヴィエ・ストークス方程式に基づく流体力学理論のみでは取り扱いが困難であったマイクロ・ナノ混相流,イオン電流,非平衡気体流,生体流等の機能性を理論と実験の両面から探求する.バイオ・ナノ流動のマルチスケール・マルチフィジックス理論展開,次世代電池の数値設計法,超微小医療デバイス創成および惑星大気分析法の考案等を通じ,学術の深化と直接的な社会貢献を目指している.

流体工学グループ教 授/杉山 和靖准教授/堀口 祐憲助 教/渡村 友昭

様々な流動現象を対象として,予測・計測技術の整備を進めるとともに,悪影響の防止,受動的・能動的機能の活用,制御の観点に立ち,応用を見据えた研究を行っている.例えば,混相流,キャビテーション,液体金属の流動現象解明,利活用,大規模・多重スケール解析法,ハイブリッド解析法の開発,種々の流体構造連成問題の解析をテーマとして,実験,理論,シミュレーションを駆使して課題に取り組んでいる.

ロボティクス・メカトロニクスグループ教 授/宮崎 文夫講 師/平井 宏明助 教/植村 充典

ロボティクス(知能機械の計算理論と設計理論)の研究を通して人間の理解や人間を支援するシステムの実現を目指している.具体的には,「人とロボットの協調・競合」(卓球ロボット,内視鏡ロボット,スキルアシストデバイス),「人とロボットの一体化」(手術ロボット,インテリジェント装具,機能的電気刺激:FES),「人の理解によるロボットの能力拡大」(Motor coordination,学習,スキル伝達),「ロボットを介した人と人とのインタラクション」(コミュニケーション支援システム)の研究を行っている.

数理固体力学グループ教 授/尾方 成信准教授/君塚 肇助 教/石井 明男 

固体材料で発現する様々な非線形マルチスケール・マルチフィジクス現象を原理原則より理解し,それに基づく新たな数理モデルの構築を通じて,新たな力学機能を持った固体材料をデザインすることを目指している.具体的には,各種ナノ材料の力学特性・機能の予測とデザイン,高強度高延性非晶質材料や軽量合金の力学特性の予測と制御,腐食に強い材料のデザイン,高温高圧など極限環境下での材料特性の予測などに関する研究を行っている.

バイオメカニクスグループ教 授/和田 成生特任准教授/伊井 仁志講 師/越山 顕一朗助 教/武石 直樹

細胞力学実験による分析的アプローチと,計算力学シミュレーションによる統合的アプローチにより,細胞レベルの力学特性から組織・臓器レベルの機能発現に至る生体システムの解明に取り組んでいる.具体的には,細胞・組織のマイクロバイオメカニクス,ティッシュエンジニアリングによる生体軟組織の再生,血流のマルチスケール解析,ルールベーストシミュレーションによる血管病の進行予測,計算力学解析に基づく呼吸・循環器病診断支援システムの開発を行っている.

生体機械システムグループ教 授/田中 正夫准教授/小林 洋助 教/大谷 智仁

生体システムの構造モデリングと機能アナリシスを通じて,生体の巧みさにアプローチし,力学システムの設計や計画を考える研究と教育を行っている.骨 / 関節系の機能解析,脊柱のシステムモデリングと病態シミュレーション,微小循環及び心臓疾患の病態解析,歩行機能の解析と装具の設計,骨の適応力学と適応構造設計,機械構造・メカニズムの最適設計法,設計アシスタントシステムなどに取り組んでいる.

分子生体計測グループ教 授/出口 真次講 師/松井 翼助 教/福島 修一郎

生命の環境適応現象について,細胞・タンパク質レベルでメカニズムを調べている.特に,細胞やタンパク質が自ら発生する機械的な力を計測し,人為的分子操作および分子イメージング技術と組み合わせて,細胞の機能発現との関係を調べている.また研究手法も,機械工学に基づく装置製作・計測と理論解析,および分子生物学・生化学の技術を併用した新しい方法論の開発に従事しており,創薬を視野に入れた応用的課題にも取り組んでいる.

大阪大学大学院工学研究科

機械工学専攻・複合メカニクス部門

固体力学領域教 授/渋谷 陽二准教授/垂水 竜一准教授/奥村 大講 師/田中 展

塑性物理現象のマルチスケール・ディフェクトモデリング,非線形弾性理論による固体力学問題の数理解析,コンピュテーショナルテクノロジーによる材料・構造最適化デザイン,非晶性金属ガラスのマルチスケールモデリング,非局所化非線形構造体ネットワークのスケルトン構造解析,熱・電気・動弾性マルチフィジクス現象を応用した電子線誘起超音波顕微鏡(SEAM)の非破壊欠陥・内部構造評価.

複合流動工学領域教 授/田中 敏嗣准教授/辻 拓也助 教/鷲野 公彰

分散相を含む複雑流動,固気二相流中における粒子メゾスケール構造形成とその流動制御に関する研究,流動層内流動の離散粒子モデリングおよび数値解析,微粒子の凝集体形成に関する研究,MRI の流体・固体混相流および粒子流動計測への応用,高濃度流体・固体混相流の熱流動現象のモデリングおよび数値解析,粒子群中での液挙動とそのモデリングに関する研究.固気液三相流の数値解析.

非線形非平衡流体力学領域教 授/矢野 猛助 教/稲葉 匡司

波と流れと熱の非線形現象の理論解析と数値シミュレーション.連続体の仮定に拠らない非平衡流体力学の分子論的基礎付けと工学的応用.混相流における相間輸送モデルの分子レベルからの構築と平均場方程式への組み込み.

ナノ構造工学領域准教授/平原 佳織

電子顕微鏡および走査プローブ顕微鏡を用いたナノマニピュレーション・ナノ加工,直視観察によるナノメートル領域に特異な力学現象の現象の解明・制御,ナノ構造物質1個体もしくは集合体の構造に由来する機械的特性を活かした新奇材料・機械要素の創成・開発,ナノカーボン材料の合成プロセスに関する基礎研究.

エネルギー反応輸送学領域教 授/津島 将司助 教/鈴木 崇弘

固体高分子形燃料電池における多孔質電極構造の形成機構解明と制御,レドックスフロー電池の電極相界面極限利用による高性能化,車載用クリーンフィルターにおけるレアメタル高度有効利用,吸脱着プロセスを利用した酸素富化,MEMS 技術を基盤とした電気化学エネルギー変換デバイスのその場計測と反応輸送促進,エクセルギー回収電気化学反応系の探索と実証.

大学

研究室構成スタッフと研究テーマのページで、関連のありそうな研究テーマを発見したら、沿革と学科紹介のページに戻って「産学交流窓口」に問い合わせてみてはいかがでしょう。産学交流窓口専用のURLのあるところはアクセスすると、現在進行形の研究シーズや研究予定のテーマなどにより詳しい情報に出会えます。さらに産学交流の具体的な方法や連携の事例などを公開しているところもありますので参考になります。お目当ての教員や研究グループに連絡をとることができれば産学交流の始まりです。

求める研究シーズは、研究室構成スタッフと研究テーマから探す

まず冊子の「事業内容」や「重点技術キーワード」で関連のありそうな企業を絞り込みます。次にMechavocation on the Netを活用して、詳細な企業の情報を見てさらに絞り込みます。各企業のHPにも直結していますから、さらに詳細な企業情報を入手できます。

冊子で企業を絞り込み、 Mechavocation on the Netで詳細を調べる

専門的で高度な研究テーマが詳しく掲載されています。教員の名前も掲載されているので、研究テーマの内容はもちろん、構成スタッフによって、進路を選択することができます。

研究室構成スタッフと研究テーマを掲載

企業紹介記事の右に各企業の「重点技術キーワード」と「事業内容」が簡潔に表現されています。あなたの履修内容に関連があるか、あなたの知識や技術を活かせるか、またその企業がどんな分野で活躍しているかがわかります。

自分の履修内容と関連ある企業や興味のある業種で探す

自己PRはもちろん、企業に対する質問なども受け付けています。企業との双方向コミュニケーションが可能になります。

企業紹介記事の左上の「キャッチフレーズ」と本文の「現況と特色」を見てください。ここには、企業の思いいれや価値観、理念などが反映されています。あなたが将来その企業に就職した時にどんな環境でどんな仕事をするのかで企業をえらぶことができます。

企業の特色や職場環境で探す

興味を持ったらすぐ資料請求

Webには企業の詳しい情報を掲載しています。掲載企業内で製品分野での検索もでき、各企業のオリジナルホームページにもリンクしています。企業のホームページをわざわざ検索する必要はありません。

http://www.kansai.jsme.or.jp/

エントリーフォーム(企業の詳細ページ)

学生が就職先の企業を探す

“アイキャッチ”で学校機関、学生アピール度UP!

学校機関の皆様、是非読んでください。

学生の皆様、是非読んでください。

企業が研究シーズを求めて、産学交流窓口を探す

学生が進学先として大学院などの研究室を探す

企業の詳細ページ

「MECHAVOCATION on the NET」

学校が研究のパートナー企業を探す

※エントリー機能のみ2018年3月1日 よりスタート

学生 企業

学校 企業

学生 学校

企業 学校

学 生

学 校

企 業

目的別に当冊子の活用方法を

紹介いたします。

窓口情報

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学生学生学校学校

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メカボケーション2017 巻頭_活用ガイドメカボケーション2017 巻頭_活用ガイド

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進学

就職

産学交流

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大学・短期大学・高等専門学校紹介研究室構成スタッフと研究テーマ

大阪大学大学院基礎工学研究科

機能創成専攻(機械系研究室)

熱工学グループ教 授/河原 源太助 教/石田 秀士助 教/清水 雅樹

熱および流体に関連する諸現象の解明とその応用に関する基礎研究を行っている.主な研究テーマは,十分発達した乱流の構造,動力学,統計性質の解明と制御,亜臨界乱流遷移現象の予測と制御,乱流における熱・運動量輸送の機構解明と伝熱促進・流動抵抗低減への応用,不安定周期運動に基づく乱流の解析と制御,自然対流場内に発生するカオス現象の解明等である.

流体力学グループ教 授/後藤 晋准教授/吉永 隆夫助 教/渡邉 陽介

流体力学に現れる種々の非線形現象の解明を理論解析,大規模数値シミュレーション,室内実験を駆使して解明している.具体的には,(1) 流れによる物質の輸送・混合現象,(2) 非ニュートン流体や粉体などの複雑流体の流動現象,(3) 異なる流体どうしの界面に関する現象,(4) さまざまな波動および振動現象などを研究している.強い非線形性を有する流体系に対する斬新な解析手法の確立とともに,広範な工学応用のための基盤構築を目指している.

材料・構造強度学グループ教 授/小林 秀敏准教授/堀川 敬太郎助 教/谷垣 健一

「衝撃」をキーワードに,機械材料や構造体の強度に関する研究を行っている.主な研究テーマは,衝撃荷重下の材料や軽量構造体の力学的挙動の解明,植物の葉や花の構造・材料に関するバイオミメティックス的研究,水素集積の可視化手法による金属材料の水素脆化現象の解明,水素機能性材料の力学特性の評価,超高速衝撃を用いた高強度金属材料の創成,航空宇宙構造・材料の超高速衝突破壊現象に関する研究,などである.

固体力学グループ准教授/荻 博次助 教/中村 暢伴特任助教/野井 健太郎

超音波を利用して,(1) ナノ材料の力学計測と機能との強相関の研究,(2) 超高感度バイオセンサの開発,(3) コロイドガラスの物性研究,(4) 認知症診断装置の開発などを行っている.特に,独自に開発した唯一無二の共振計測技術を用いて,磁性薄膜や,半導体材料,超電導体,金属ガラスなど先進材料の弾性定数計測を可能としている.この超音波計測と理論に基づく力学モデルを結び付け,機械的性質という側面から固体物性に新しい知見をもたらす研究を進めている.

分子流体力学グループ教 授/川野 聡恭准教授/土井 謙太郎助 教/辻 徹郎

分子流やプラズマ流における新しい数理物理モデルの構築と生命・環境・宇宙科学への応用に関する研究を行っている.従来のナヴィエ・ストークス方程式に基づく流体力学理論のみでは取り扱いが困難であったマイクロ・ナノ混相流,イオン電流,非平衡気体流,生体流等の機能性を理論と実験の両面から探求する.バイオ・ナノ流動のマルチスケール・マルチフィジックス理論展開,次世代電池の数値設計法,超微小医療デバイス創成および惑星大気分析法の考案等を通じ,学術の深化と直接的な社会貢献を目指している.

流体工学グループ教 授/杉山 和靖准教授/堀口 祐憲助 教/渡村 友昭

様々な流動現象を対象として,予測・計測技術の整備を進めるとともに,悪影響の防止,受動的・能動的機能の活用,制御の観点に立ち,応用を見据えた研究を行っている.例えば,混相流,キャビテーション,液体金属の流動現象解明,利活用,大規模・多重スケール解析法,ハイブリッド解析法の開発,種々の流体構造連成問題の解析をテーマとして,実験,理論,シミュレーションを駆使して課題に取り組んでいる.

ロボティクス・メカトロニクスグループ教 授/宮崎 文夫講 師/平井 宏明助 教/植村 充典

ロボティクス(知能機械の計算理論と設計理論)の研究を通して人間の理解や人間を支援するシステムの実現を目指している.具体的には,「人とロボットの協調・競合」(卓球ロボット,内視鏡ロボット,スキルアシストデバイス),「人とロボットの一体化」(手術ロボット,インテリジェント装具,機能的電気刺激:FES),「人の理解によるロボットの能力拡大」(Motor coordination,学習,スキル伝達),「ロボットを介した人と人とのインタラクション」(コミュニケーション支援システム)の研究を行っている.

数理固体力学グループ教 授/尾方 成信准教授/君塚 肇助 教/石井 明男 

固体材料で発現する様々な非線形マルチスケール・マルチフィジクス現象を原理原則より理解し,それに基づく新たな数理モデルの構築を通じて,新たな力学機能を持った固体材料をデザインすることを目指している.具体的には,各種ナノ材料の力学特性・機能の予測とデザイン,高強度高延性非晶質材料や軽量合金の力学特性の予測と制御,腐食に強い材料のデザイン,高温高圧など極限環境下での材料特性の予測などに関する研究を行っている.

バイオメカニクスグループ教 授/和田 成生特任准教授/伊井 仁志講 師/越山 顕一朗助 教/武石 直樹

細胞力学実験による分析的アプローチと,計算力学シミュレーションによる統合的アプローチにより,細胞レベルの力学特性から組織・臓器レベルの機能発現に至る生体システムの解明に取り組んでいる.具体的には,細胞・組織のマイクロバイオメカニクス,ティッシュエンジニアリングによる生体軟組織の再生,血流のマルチスケール解析,ルールベーストシミュレーションによる血管病の進行予測,計算力学解析に基づく呼吸・循環器病診断支援システムの開発を行っている.

生体機械システムグループ教 授/田中 正夫准教授/小林 洋助 教/大谷 智仁

生体システムの構造モデリングと機能アナリシスを通じて,生体の巧みさにアプローチし,力学システムの設計や計画を考える研究と教育を行っている.骨 / 関節系の機能解析,脊柱のシステムモデリングと病態シミュレーション,微小循環及び心臓疾患の病態解析,歩行機能の解析と装具の設計,骨の適応力学と適応構造設計,機械構造・メカニズムの最適設計法,設計アシスタントシステムなどに取り組んでいる.

分子生体計測グループ教 授/出口 真次講 師/松井 翼助 教/福島 修一郎

生命の環境適応現象について,細胞・タンパク質レベルでメカニズムを調べている.特に,細胞やタンパク質が自ら発生する機械的な力を計測し,人為的分子操作および分子イメージング技術と組み合わせて,細胞の機能発現との関係を調べている.また研究手法も,機械工学に基づく装置製作・計測と理論解析,および分子生物学・生化学の技術を併用した新しい方法論の開発に従事しており,創薬を視野に入れた応用的課題にも取り組んでいる.

大阪大学大学院工学研究科

機械工学専攻・複合メカニクス部門

固体力学領域教 授/渋谷 陽二准教授/垂水 竜一准教授/奥村 大講 師/田中 展

塑性物理現象のマルチスケール・ディフェクトモデリング,非線形弾性理論による固体力学問題の数理解析,コンピュテーショナルテクノロジーによる材料・構造最適化デザイン,非晶性金属ガラスのマルチスケールモデリング,非局所化非線形構造体ネットワークのスケルトン構造解析,熱・電気・動弾性マルチフィジクス現象を応用した電子線誘起超音波顕微鏡(SEAM)の非破壊欠陥・内部構造評価.

複合流動工学領域教 授/田中 敏嗣准教授/辻 拓也助 教/鷲野 公彰

分散相を含む複雑流動,固気二相流中における粒子メゾスケール構造形成とその流動制御に関する研究,流動層内流動の離散粒子モデリングおよび数値解析,微粒子の凝集体形成に関する研究,MRI の流体・固体混相流および粒子流動計測への応用,高濃度流体・固体混相流の熱流動現象のモデリングおよび数値解析,粒子群中での液挙動とそのモデリングに関する研究.固気液三相流の数値解析.

非線形非平衡流体力学領域教 授/矢野 猛助 教/稲葉 匡司

波と流れと熱の非線形現象の理論解析と数値シミュレーション.連続体の仮定に拠らない非平衡流体力学の分子論的基礎付けと工学的応用.混相流における相間輸送モデルの分子レベルからの構築と平均場方程式への組み込み.

ナノ構造工学領域准教授/平原 佳織

電子顕微鏡および走査プローブ顕微鏡を用いたナノマニピュレーション・ナノ加工,直視観察によるナノメートル領域に特異な力学現象の現象の解明・制御,ナノ構造物質1個体もしくは集合体の構造に由来する機械的特性を活かした新奇材料・機械要素の創成・開発,ナノカーボン材料の合成プロセスに関する基礎研究.

エネルギー反応輸送学領域教 授/津島 将司助 教/鈴木 崇弘

固体高分子形燃料電池における多孔質電極構造の形成機構解明と制御,レドックスフロー電池の電極相界面極限利用による高性能化,車載用クリーンフィルターにおけるレアメタル高度有効利用,吸脱着プロセスを利用した酸素富化,MEMS 技術を基盤とした電気化学エネルギー変換デバイスのその場計測と反応輸送促進,エクセルギー回収電気化学反応系の探索と実証.

大学

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メカボケーション2017 巻頭_活用ガイドメカボケーション2017 巻頭_活用ガイド

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2018

発表会の報告技術情報誌「MECHAVOCATION」の刊行事業に伴うイベントとして、機械工学関連の学生たちと機械関連企業との交流を図る「学生のための企業技術発表会」を 2016 年 11月 26日(土)、近畿大学東大阪キャンパスで開催しました。10 回目となる今年は、近畿大学のご協力もあり、MECHAVOCATION2017 の協賛企業から、昨年よりも 18社多い 87社(185名)に出展頂き、関西エリアの高専、短大、大学・大学院生ら 309人の参加を得ました。前半は、各社のプレゼンテーションが行われ、プレゼンターが事業内容や独自の技術を分かりやすく紹介しました。自社の存在を学生たちにもっと身近に感じてもらおうと、スマー

トフォンやパソコン、車など、身の回りの様々な製品に自社製品が使われていること、さらに、グローバル化を推進し多くの国でニーズに応えていることなどを

強調していました。後半は、個別ブー

スでセッションを行い、学生たちはプレゼンを聞いて興味を持った企業のブースを訪れ、エンジニアなどの企業側担当者が持ち込んだ資料、製品などを使った説明に耳を傾け、通常では知ることのできないリアルな現場の情報を収集していました。このように各業界でトップシェアを誇る国内外の企業が一堂に会し、会社の技術説明を行う機会は学生たちにとって非常に貴重だったようで、自身が取り組んできた学業や研究が社会でどのように活用されているのかを知り、卒業後の進路を見極めようとする姿が見られました。閉会後、会場を本館食堂KUREに移し、懇親会を開催しま

した。

一般社団法人日本機械学会 関西支部第 92期副支部長

徳永 節男(三菱重工業㈱ 総合研究所 副所長)

本日は、「学生のための企業技術発表会」にご参加頂きまして、ありがとうございます。この催しは、機械学会関西支部が発行する『メカボケーション』という技術情報誌の付随行事として、毎年、開催しております。今日、出席されている学生の皆さんは、「メカボケーション」という言葉をご存じないと思います。グーグルで検索をしても、この言葉は見つからないでしょう。情報誌の 1ページ目、関西支部長の北村先生が書かれた挨拶文にその説明があります。「メカボケーションは、機械を天職とする人々の集いを意味する日本機械学会関西支部の造語です」と。決してメタボケーションではないですよ。さて、メカボケーションの取り組みは、1993年以来、関西の大学、あるいは高専の学生に向けて企業の製品や技術の情報を発信する、産学の交流の場として続けてきました。ここに参加されている

学生の皆さんは、来年か再来年の春、学校を卒業して、企業への就職を考えていることと思います。本日は、数多くの企業の方々が来られていますが、それぞれどのような会社で、どのような技術をもって商品開発をしているのかという説明があります。しっかり聞いて、就職活動の参考にもして頂きたいと願っております。

開 会 挨 拶

強調していました。後半は、個別ブー

スでセッションを行い、学生たちはプレゼンを聞いて興味を持ったて興味を持った

訪れ、エンジニアなどの企業側担当者が持ち込んだ資料、製品などを使った説明に耳を傾け、

2016年11月26日(土) in 近畿大学 東大阪キャンパス学生のための

11月26日(土) in 近畿大学学生のための学生のための

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2018

企業 ミニプレゼンミニプレゼンは、出展企業87社が事業内容を2分で伝えるプログラムで、人事担当者や現役のエンジニア、新入社員などがプレゼンターとして登壇。少しでも学生たちに会社名や事業内容を知ってもらおうと、プレゼンの滑り出しから、クイズを出したり、サンタクロースの衣装で登場したりと、学生たちの興味をぐっと引きつけ、会社の沿革や主力製品の解説、さらにエンジニアとしてのやりがいなどを紹介しました。各社

趣向を凝らしたプレゼンに学生たちは関心を寄せるとともに、社風を感じ取ることもできたようで、各企業に対するイメージを膨らませ、訪問する企業ブースを選択していました。

学 生 へ の イ りよーュビタン

INTERVIEW WITH STUDENTSSTUDENTSSTUDENTSSTUDENTSSTUDENTSSTUDENTS 2018

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京都大学大学院工学研究科 1年 M・Aさん

「各企業のプレゼン後、興味を持った企業ブースに伺い、事業分野の割合や現在どのような開発に力を入れているのかなどを質問しました。また、女性エンジニアとして最も気になる、何人の女性エンジニアが会社に在籍し、さらに結婚して出産した際、仕事と育児の両立をサポートしてもらえる体制があるのかを伺いました。一生、その企業で働けるかどうかを見定めるポイントですから。それぞれの企業さんから希望の持てる回答がもらえたので、受験に向けて励みます」

近畿大学理工学部機械工学科 3年 Y・Hさん

「就活が近づいてきたので参加しました。通常の合同説明会とは違い、機械系の企業が一堂に集まっていて、多くの企業の存在を知る良い機会になりました。2分間のプレゼンは、企業が訴えたい事業内容や培ってきた技術力の強みが集約されていて、分かりやすかったです。おかげで、企業ブースの訪問先が難なく絞り込めました。今後は本番に向けて、面接の練習にも力を入れていきます」

産業技術短期大学ものづくり創造工学科 1年 Y・Hさん

「2分とは思えないほど、各企業の事業内容が集約されたプレゼンに感銘を受けて、メモを取り続けました。企業さんとのセッションでは、開発に対するやりがいや楽しさを聞いて、自分もモノづくりの技術を身に付けたいと強く思いました。同時に、就職先で円滑なコミュニケーションを図るためにも、人との関わり合いをさらに大事にしていきたいと思いました」

龍谷大学理工学部機械システム工学科 3年 K・Yさん

「ゼミの先生の勧めで発表会に足を運びました。参加企業さんは、B to C が多いのかと思ったら、B to B がほとんどで驚きました。各業界のシェアを占める実力のある企業名を知るだけでも収穫になりました。私は将来、女性エンジニアとして働き続けたいと希望していますので、事業内容や開発課題への質問以外にも、既婚の女性エンジニアの存在は現場でマイナスではないのかなど、より深い質問もしてみようと思っています」

大阪市立大学工学部機械工学科 4年 K・Rさん

「大学卒業後は大学院に進む予定で、発表会には 1年先取りして参加しました。プレゼンを聞きながら、企業リストの横にキーワードを書き込み、訪問ブースを選びました。チェーンを開発されている企業さんのブースでは、『製品が今後、どこまで展開できるのか』を伺い、エンジニアの方の答えに納得して、この分野の可能性を感じました。社名は知られていないけれど国内外でシェアを独占する企業も多くあり、進路先は大手企業だけではないと希望が持てました。来年も参加するつもりです」

関西大学大学院理工学研究科 1年 T・Sさん

「研究室の上回生から『以前、メカボケーションの発表会に参加したことをきっかけに、自分の方向性が見えてきたから、ぜひ行った方がいい』と勧められて伺いました。全社のミニプレゼンを聞き、個別ブースで企業の方と直接話すことができ、上回生の意見に納得しました。気になる企業が増え、インターンシップにも参加しようと思っています。今後は、企業の事業内容や開発製品を勉強し、就活に備えたいと思います」

産業技術短期大学機械工学科 1年 K・Rさん

「『就職に役に立つイベントだから』と大学が今回の発表会の開催を教えてくれ、伺いました。機械系の企業が現在、取り組んでいる分野や開発テーマを知ることができ、大変有益でした。自分の研究分野とマッチした会社が数社あり、ブースを訪問しました。エンジニアの方も来られていて、精密な部品の加工や完成までの工程を聞くことができ、勉強になりました。今後は各社のHPをチェックして、イベントにも参加するつもりです」

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企業 個別ディスカッションミニプレゼン後、個別の企業ブースが設営され、討論開始の合図を皮切りに、学生たちは 7 社分(1 回12 分)の説明を受けました。各企業は、資料を配布したり、パネルを使って説明したりし、エンジニアとして働く魅力を伝えました。さらに

協 賛 方 の イ りよーュビタン企 業 の へ㈱アルトナー

新卒採用チームリーダー 山本 実さま「弊社は、自動車メーカーや航空、精密、医療機器など様々な分野の企業に、弊社社員であるエンジニアを送り出しています。学生の皆さんには、一人前のエンジニアを目指すための手厚い研修やフォロー体制が弊社にあること、更に常に各分野の最先端で業務に携われる魅力を話しました。アウトソーシングの働き方は、エンジニアとしての幅も広げてくれることも強調しました。これまで、メカボケーションの発表会に参加して弊社に興味を持ち、入社してくれた学生も少なくありません。今後も弊社で働く楽しさを伝えていきます」

京セラドキュメントソリューションズ㈱人事企画部 人材開発課 課責任者 寺嶋 一欽さま

「京セラグループがプリンター・複合機のメーカーでもあることを学生さんに知ってほしくて参加しました。ブースには、弊社が開発する複合機を持ち込み、エンジニアの解説で中身を公開し、最先端技術が結集した複合機に興味を持ってもらえるようにしました。また、学生さんたちに気軽に会社のことを尋ねてほしくて、入社 1、2 年目の社員も連れてきました。セッションでは入社後の研修の様子や配属された部署での仕事などを紹介していたようです。就職に関する疑問や不安を積極的に払拭したいと思います」

三ツ星ベルト㈱人事部 部長補 夏田 尚一さま

「我が社は B to B の企業なので、正直、学生さんたちの間で知名度があるとは言えません。ですが、我々の技術がないと車もOA機器も動かない、“縁の下の力持ち”企業としての位置づけをお話しし、共感してもらいました。エンジニアを同伴したのは、苦労して設計した製品が無事に世に出た時の達成感や、やりがいを知ってもらうため。さらに、具体的な設計内容を知りたいというニーズに応えたいとの思いもあります。弊社にはこのイベントがきっかけで入社した社員もいます。今回も多くの学生さんが弊社に興味を持ってくれることを期待します」

旭化成㈱人事部採用・人財開発室 課長代理 伊藤 淳郎さま

「旭化成はケミカル、メディカル、エレクトロニクス、住宅など様々な事業分野の生産設備を自社でまかなっています。機械系の学生さんはどうしても自動車分野などに目を向けがちですが、モノづくりの力は弊社でも十分発揮できることをお伝えしました。数年前から人事部にエンジニアが配属される傾向が強くなりました。実は私も半導体の回路設計に携わる技術者でした。技術者同士だからこそ、モノづくりの喜びや楽しさを理解できると思っています。詳しくは弊社の機械系エンジニアとの面談や自社セミナーに来てもらって旭化成を深掘りしてもらいたいと思います」

㈱ダイヘン技術開発本部 企画部課長 大前 修二さま

「学生時代に学んだ知識や技術を持って活躍できる場が、ダイヘンにあることを知ってほしくて、ブースを訪問した学生たちに伝えました。加えて、取り組んでいる開発がどれだけ世の中に貢献しているかということもお話ししました。また、入社後に働く場がどんなものなのかを知ってもらうため、実際にエンジニアが使っているデスクや研究室、同僚とのコミュニケーションを図っている様子などを写真で紹介し、入社後の風景をイメージしてもらいました。学生たちからは『研究に直結していないと就職は難しいか』『開発についていけるだろうか』との質問がありましたが、先輩たちの温かいサポートがあるので、自ら考動し、目標を持って全力投球すればよいことを話しました」

㈱堀場製作所グローバル人事部採用チーム ジョブリーダー 濱田 泰史さま「弊社は自動車、医用、科学、半導体、環境と 5 つの分野でビジネスを展開しています。戦後、学生ベンチャーからスタートした弊社の社是は、『おもしろおかしく』。ブースでは学生さんから、その意味についてよく聞かれました。答えは社員それぞれ違うでしょうが、私は得意分野を生かし、会社を舞台に自分の可能性を広げられ、おもしろおかしく楽しめるのだと伝えました。弊社は世界 27ヵ国に拠点があり、希望すれば海外で働く制度もあります。もちろん世界のメンバーとも社是を共有しています。HORIBA には様々なチャンスがあるということを信じて、応募してほしいです」

学生たちが知りたがっている内容を推測して、エンジニアが開発現場の様子を臨場感たっぷりに話したり、新入社員が入社後の『ある日の一日』を話したりと、学生たちの疑問に寄り添った丁寧なディスカッションが各ブースで展開されました。

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学生のための学生のための学生のための学生のための学生のための学生のための学生のための企業技術発表会企業技術発表会

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2018

パナソニック㈱人事部人事二課主幹 角山 智哉さま

「機械系の学生たちとコンタクトがとれる場所がほしくて、4年前からメカボケーションに参加しています。企業名は知られていても、学生たちからは『どんな仕事をするのですか』『エンジニアはどこに配属されるのですか』といった内容の質問が多く寄せられます。そこで、パナソニックの戦略商品や重要商品の生産ラインの設備を開発することが仕事になると説明します。画期的な商品をいかに量産できるかが、我々モノづくり企業の核ですから。高品質の商品開発に携われることが、技術者としてのやりがいにも通じると話しました。学生さんたちの入社後の不安を解消するためにも、手厚い研修やサポートがあることも伝えています」

バンドー化学㈱人事部主任 渡邉 恭祥さま

「バンドー化学は、産業用の伝動ベルトで国内トップクラスのシェアを持っていますが、社名ではピンとこない学生さんが多いのが実情です。それで、メカボケーションのプレゼンや個人セッションをきっかけに、学生たちにこの業界のことや弊社が取り組む仕事に興味を持ってほしいと思い参加しました。エンジニアにとって、活躍する場がわが社にはたくさんあり、世に送り出している開発製品の数々は社会を支えていると伝えました。また生産設備のラインの設計も自社でしていますので、モノづくりが好きな人たちにはぴったりの職場です。今回、参加した学生たちが応募してくれたらうれしいですね」

第一精工㈱管理本部 総務統括部 総務部 部長代理 末次 博文さま

「弊社は精密な金型を製造する会社として創業しました。その後は、精密金型を活かした精密成形品の量産分野へ参入し、生産ラインの重要設備の自社設計・製作で、『一貫生産体制』を確立しました。我々が開発した様々な商品が、スマートフォンやパソコン、車などあらゆる分野の産業に貢献していることを学生さんに伝えました。ものづくり集団として、会社の先輩たちが作り上げた技術を継承するのはもちろんですが、柔軟な発想の若いエンジニアたちの意見も取り込んで、さらに技術を進化させたいですね。技術者同士が気軽に意見を言い合える職場環境です」

㈱鶴見製作所人事部HR課 課長 山口 篤さま

「私たちは水中ポンプの専門メーカーです。治水事業や土木、農業、上下水道など、社会基盤整備に大きく貢献してきました。海外にも事業を展開しています。ポンプ業界は普段の生活で馴染みがない業界ということもあり、決して注目度は高くありませんが、プレゼンで我が社の事業に興味を持ってくれた学生さんたちが個別セッションに足を運んでくれました。会社というよりも、機械設計エンジニアとして働くフィールドがいかに楽しいかということを強調しました。製品が有名なビルやテーマパーク、水害対策などで使われていることを説明すると驚いていたのも印象的でした。今後、行われるメカボケーションの発表会でも積極的に PRしていきたいです」

懇親会懇親会では、学生が興味をもった企業の担当者を再度訪れて、交流をより深めていました。また、近畿大学の名を広く知らしめた「近大マグロ」を使った丼や寿司が振る舞われ、会場は大いに盛り上がりました。緊張感が漂う発表会とは打って変わって、打ち解けた雰囲気の中、学生たちは企業担当者により積極的に話しかけることができていたようです。この度の技術発表会にご参加頂いた企業の方々、大学の先生方、学生たち、並びに運営面でご協力をたまわった近畿大学の皆様に厚く御礼申し上げます。

【あ行】 ㈱ IDAJ、旭化成㈱、芦森工業㈱、㈱アルトナー、㈱伊藤金属製作所、㈱イトーキ、㈱NTTファシリティーズ、オークマ㈱、㈱大阪真空機器製作所、岡本㈱

【か行】 ㈱カシフジ、金井重要工業㈱、㈱カネカ、京セラドキュメントソリューションズ㈱、極東開発工業㈱、㈱栗本鐵工所、グンゼ㈱、㈱神戸製鋼所、㈱コベルコ科研、コベルコ建機㈱

【さ行】 ㈱ササクラ、山九㈱、昭和電機㈱、㈱神鋼環境ソリューション、新日鐵住金㈱、新明和工業㈱、㈱SCREENホールディングス、セイコー化工機㈱

【た行】 第一精工㈱、ダイキン工業㈱、大日本印刷㈱、太平電業㈱、㈱ダイヘン、大和歯車製作㈱、㈱タカトリ、タカラスタンダード㈱、㈱タダノ、中外炉工業㈱、㈱椿本チエイン、㈱鶴見製作所、DMG森精機㈱、㈱デザインネットワーク、東洋ゴム工業㈱、東洋製罐㈱、東レ・カーボンマジック㈱、TOWA㈱、トクデン㈱、凸版印刷㈱、㈱酉島製作所

【な行】 中西金属工業㈱、夏原工業㈱、西日本旅客鉄道㈱、日亜化学工業㈱、日工㈱、日新電機㈱、日世㈱、日鉄住金テクノロジー㈱、日本精工㈱、日本ピラー工業㈱、日本金銭機械㈱、㈱日本テクシード

【は行】 ㈱ハイレックスコーポレーション、パスカル㈱、パナソニック㈱、パナソニック エコシステムズ㈱、バンドー化学㈱、Hitz 日立造船㈱、㈱ヒラカワ、㈱VSN、㈱福井製作所、福西鋳物㈱、ホソカワミクロン㈱、㈱堀場製作所、ボルカノ㈱

【ま行】 ㈱マキタ、㈱松井製作所、マテックス㈱、三浦工業㈱、㈱ミツトヨ、三菱ガス化学㈱、三菱重工業㈱、三ツ星ベルト㈱、㈱村田製作所

【や行】 ㈱ヤスナ設計工房、八十島プロシード㈱、由利ロール㈱

【ら行】 ローム㈱

出 展 業 五 十 )順音参 加 企 (

INTERVIEW WITH COMPANIESCOMPANIESCOMPANIESCOMPANIESCOMPANIESCOMPANIES 2018

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関西支部第92期副支部長徳永 節男(三菱重工業㈱)

「本日は、メカボケーションの学生研究発表会に多数ご参加いただき、誠にありがとうございます。また、ご協賛いただいている企業の皆さまには、関西支部を代表してお礼を申し上げます。学生の皆さんにとっては、せっかくの機会ですので、企業や大学関係者の方々、他の学生さんたちとも技術的な討論を重ね、より中身を深めてください」

2018

学生研究発表セッション大阪大学吹田キャンパスU2棟 2階で14時から開催された「学生研究発表セッション」には、学生84名の参加があり、発表は2部制で行われました。今年のベストポスター賞の選考は、エンターテインメント性が盛り込まれ

たスタイルで行われました。昨年度までは、聞き手が評価した発表者の番号を用紙に記入し、投票箱に入れて集計していましたが、今年度はセッション中、随時評価シールを貼ることができる投票ボードをポスター上部に設けました。企業所属の審査員・編集委員だけでなく、発表者にも投票シールが渡され、

それぞれが発表時間の異なるセッションを審査しました。学生たちは「シールが貼られる度に説明に力が入りました」と言い、企業

や大学関係者は「研究への評価はもちろん、励ましも含めてシールを貼った」と話していました。この選考法の提案者である、同支部企画幹事長の伊藤宏幸さま(ダイキン工業㈱)は、「評価をオープンにしたことで、学生たちは発奮したと思います。シールの枚数が少なく気落ちした学生もいるかもしれませんが、次への意欲につながると信じています。また、評価シールは今回、プレゼンターと聞き手のコミュニケーションツールとしても一役買いました。今後も様々な試みで会を盛り上げていきたいですね」と、さらなる会の活性化を期していました。

開 会 の 挨 拶

協 賛 企 業 の ビ ュ ー よ りタンイのへ方

はビュッフェ形式の懇親会が開かれ、学生たちは、参加企業の方や大学関係者と研究に関する議論を引き続き楽しんでいました。その際、ベストポス

ター賞の表彰式が行われ、日本機械学会関西支部の北村隆行第92期支部長(京都大学)から受賞者に表彰状が授与されました。同時に会場前方に設置された大スクリーンに受賞者のポスターが映し出され、改めて参加者から大きな拍手が送られていました。会は盛況のうちに閉会しました。ご参加いただきました企

業の方々、大学教員、学生、並びに運営面でご協力いただきました大阪大学の皆さまに厚く御礼申し上げます。

2017年 3月13日(月)に大阪大学吹田キャンパスにて、メカボケーション学生研究発表セッションを開催いたしました。本年も昨年度と同様、研究に専念する学生たちが日頃の研究成果をこの機会に発表しました。当日は大学院・高専の修士1年相当以下の学生84名がポ

スターセッションに参加しました。学生は、現在取り組んでいる研究内容やその成果を大判のポスター1枚にまとめ、より多くの来場者に知ってもらおうと、熱心に説明を行っていました。各所で活発な質疑応答が繰り広げられ、会場は活気に溢れていました。セッション終了後

いる研究内容やその成果を大判のポスター1枚にまとめ、より多くの来場者に知ってもらおうと、熱心に説明を行っていました。各所で活発な質疑応答が繰り広げられ、会場は活気に溢れていました。

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2017年3月13日(月) in 大阪大学 吹田キャンパスメカボケーションメカボケーションメカボケーション2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会

メカボケーションメカボケーションメカボケーションメカボケーション2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会2016年度 日本機械学会 関西支部 第92期定時総会講演会

学生研究発表会学生研究発表会

三和ハイドロテック㈱総務部 総務課 主査 三戸田 欣也さま

「2時間かけて会場を回り、6人の学生さんから研究発表を聞きました。『私は技術者ではないので、分かりやすく説明してほしい』と頼むと、噛み砕いて説明してくれる学生さんたちの姿が好印象でした。また、研究内容だけでなく、その研究をしようと思った動機についても質問させてもらい、それぞれの返答に目的意識の高さが見て取れました。会場では、大学を超えて、学生さん同士が情報交換をしている場面を多く見かけ、有用な発表会だと思いました」

TOWA㈱総務部 人事課 参事 徳山 秀樹さま

「機械系出身の採用担当者として、ポスターセッションに伺いました。自分の学生時代がよみがえり、懐かしかったですね。また、会場にずらりと貼られた 80枚以上のポスターを見て、今、学生さんの間で注目されている研究を把握することが出来ました。ポスターは、発表内容を分かりやすくしたものから学術的に掘り下げたものまであって、とても興味深かったです。プレゼン力はもちろん、研究への理解度も試されるセッション。様々な点から審査し、評価をさせてもらいました」

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2018

学 生 へ の イ りよーュビタン

スベ ト ポ ス タ た 学 生 の 声れば選に賞ー

INTERVIEW AND VOICEAND VOICEAND VOICEAND VOICEAND VOICEAND VOICE 2018

■滋賀県立大学大学院 川俣 遼悟さん「びびり振動に及ぼす工作物材料の影響について発表し、実際に航空機に用いる材料で実測した実験を紹介しました。ポスターには文章をあまり書かず、グラフを多く載せて、口頭での説明を重視しました。実は昨年、卒業発表講演会に参加したのですが、受賞できなくて悔しい思いをしたので、この度のポスターセッションはぜひ結果を残したい ! と思っていました。今回はポスター制作にも自信があった上でプレゼンをしたので、力を発揮することが出来、満足しています」

■大阪市立大学 鈴木 啓太さん「ハイドロゲル材料の研究は化学の知識が必要とされるので、機械分野では研究がされていないのが実情です。そこで化学の研究者とチームを組み、機械と化学の視点から研究のアプローチをしました。新しい独特の方法で測っているので、その面白味も含めて伝えられ、評価につながったと思っています。大学の先生からは測り方について直接、アドバイスを頂くことができ、ありがたかったです。実は、今回のセッションに参加するなら、賞を獲りたい ! と思っていたので、うれしい気持ちでいっぱいです」

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I・Hさん「ポスターだけでは伝え切れないこともあるので、パソコンを持ち込んで、聞き手の方々に詳細な説明をさせてもらいました。一方で、大学の先生や企業さんからはアドバイスを頂き、大変勉強になりました。今回、あえて説明文を英語表記にしたのは、外国人エンジニアの方も来場されるかもしれないと思ったからです。推測は外れて、全員日本人の方々でしたが、引き続き、研究に打ち込む一方で、語学習得にも力を入れていく予定です」

H・I さん「ヒートシンクモデルを持ち込みました。『軽量化が進んだ』と口頭で説明しても、聞き手には伝わりません。実際に手に取ってもらうことで、研究内容をご理解いただけると信じて、万全の準備で臨みました。以前、別の発表会に参加した際、情報を詰め込み過ぎてしまい、その反省点もあって、情報を絞り、見やすさに注力しました。その甲斐あって、ピンポイントで質問されることも多かったです。他大学の方との交流も良い刺激になりました」

■大阪工業大学大学院 大仲 正晃さん「二重反転送風機の性能に関する研究について発表しました。このテーマに魅力を感じて大学院まで進んだので、常々、良い成果を出したいと願っていましたが、まさか、メカボケーション学生発表会で、表彰されるとは思いもしませんでした。セッション中に努めたことは、自分の研究テーマが聞き手の方々に伝わらなかったら意味がありませんので、出来る限り噛み砕いて説明しました。私の研究に興味を持っていただいた大学の先生からは、今後の研究の進め方について聞かれ、深いお話が出来たことは、とても有意義でした」

■京都大学 近藤 諒さん「『工作機械主軸の熱変形が主軸動剛性変化に与える影響』という研究を発表しました。研究結論までに幾つかの仮定を踏まえた 2種類の実験を試したことが、今回、評価していただいた点だと思っています。企業さんや大学の先生方から『頑張っているね。このまま研究を続けなさい』と励ましの言葉を多数頂き、うれしかったです。また、ポスターセッションは、聞き手の方との距離が近く、コミュニケーションも図りやすいので、私の説明に不明な点がないかどうか、時々、伺いながら解説を進めました。増えていく評価シールもやる気につながりました。ゼミの先生に良い報告ができます」

ローム㈱オプト・モジュール生産本部 生産システム開発課 課長 西村 利雄さま「弊社が取り組む半導体事業に関連のあるテーマで研究している学生さんを中心に、12人から発表を聞きました。中には、私どもの会社でそのまま取り入れられるような研究に取り組んでいる学生さんもいて驚きました。技術論がダイレクトに交わせるだけでなく、各大学の特色も垣間見えて、非常に面白かったです。弊社は現在、幾つかの大学の研究室を支援していますが、今回、学生さんたちの熱心な取り組みを見て、他大学にも支援の輪を広げていきたいと思いました。次回のポスターセッションも楽しみにしています」

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2018

No. タイトル 発表者 所属 (学校名 )01 ナノ液滴の混合成分が蒸発速度に及ぼす影響に関する分子動力学的研究 伊森 大記 大阪大学

02 脈動流下における平板上乱流熱伝達に関するDNS 山崎 龍朗 関西大学

03 水平加熱平板からの自然対流に及ぼす電場の影響 川崎 将嗣 滋賀県立大学

04 Al-25%Si を用いた薄肉ヒートシンクモデルの放熱特性 濵田 藍貴 大阪工業大学

05 フィン付き湯沸し鍋の沸騰特性 田中 裕貴 同志社大学

06 ヘルムホルツ共鳴器を用いた燃焼振動の制振に関する実験的検討 岩川 拓未 大阪府立大学

07 LIF 法を用いた微小加熱流路の熱伝達測定 田上 貴祥 同志社大学

08 窒素希釈による渦流燃焼器のNOx排出特性 加藤 大樹 関西大学

09 化学反応計算を用いた層流燃焼特性データベースの作成 松浦 聖満 大阪府立大学

10 トンボの羽ばたきを模した飛翔ロボットに関する研究 大野 竜之介 大阪工業大学

11 PbLi 流れのUDV計測条件に関する基礎的研究 野口 雄矢 大阪大学

12 流力弾性振動を利用した発電における発電装置の配置の影響 奥田 勝也 大阪府立大学

13 3Dプリンタ製作による抵抗体を有するソレノイド型磁気粘性流体ダンパの減衰特性改善 堀 広樹 大阪市立大学

14 流路形状が磁気粘性流体の耐圧特性に及ぼす影響に関する研究 仲井 和成 大阪市立大学

15 高粘性流体を用いた地震励振を受ける大型円筒構造物のすべりとロッキングの抑制 藤野 将寛 大阪府立大学

16 数値流体力学による琵琶湖の解析 井手 貴大 立命館大学

17 3次元パネル法によるサメの数値解析 高橋 龍司 立命館大学

18 サボニウス型風車のバケット形状が回転運動に与える影響の数値解析 安田 智貴 京都工芸繊維大学

19 マイクロバブルがサラダナの生育に与える影響 松村 怜 滋賀県立大学

20 保存型Allen-Cahn 方程式を用いた多相流multi-phase-fi eld モデルの構築 相原 慎太郎 京都工芸繊維大学

21 水平管内を流れる気泡に関する研究 出口 祐介 滋賀県立大学

22 低レイノルズ数領域における前縁波形状翼を用いた翼性能の向上に関する研究 松尾 啓志 滋賀県立大学

23 側壁を有するバックステップ流れの再付着特性 上田 真也 同志社大学

24 2重反転送風機の性能に関する研究 大仲 正晃 大阪工業大学

25 格子ボルツマン法を用いた機械式心臓弁まわりの血流動態の数値解析 和田 倫太郎 京都工芸繊維大学

26 振動運動する小型遊泳物体の遊泳に関する数値解析 森 健太郎 京都工芸繊維大学

27 昆虫の羽ばたき運動により励起される流れ場の数値解析 久保 光明 京都工芸繊維大学

28 振動フラップを用いた翼まわり流れのフィードバック制御 清原 隆佑 同志社大学

29 円柱によりかく乱を受ける乱流境界層(熱伝達率変動の時空間挙動) 白澤 貴之 同志社大学

30 ターボ形遠心送風機の小風量域における流れの数値解析 前川 大樹 滋賀県立大学

31 ターボ形遠心送風機の小風量域における乱流騒音源の探索(熱線流速計を用いた乱れ測定) 中西 恒貴 滋賀県立大学

32 CFDを用いたタービン翼 2次流れ損失の低減に関する研究 草野 翔 大阪工業大学

33 風レンズ付き風車のレイノルズ数効果に関する研究 三宮 敬樹 大阪工業大学

34 翼負荷分布を考慮した遠心圧縮機の性能向上に関する研究 大中 知足 大阪工業大学

35 プロペラファンの翼端渦可視化手法に関する研究 大西 雄也 大阪工業大学

36 格子ボルツマン法を用いた吻合部を含む血管内における血流の数値解析 山本 拓人 京都工芸繊維大学

37 自動車類似物体の壁面境界層と空力特性について 田渕 隆一 大阪工業大学

38 撥水性水平平板に沿う気泡の合体および分裂 山田 洋輔 京都工芸繊維大学

39 鉄道走行時の空力騒音に関する数値解析 藤田 元志 京都工芸繊維大学

40 可変空間スケールマイクロフォンアレイの近接場音響ホログラフィへの適用 福井 太一 京都工芸繊維大学

41 低比速度遠心ポンプの羽根車と羽根高さの違いがポンプ性能に及ぼす影響 白木 昌義 摂南大学

42 サーキット競技用ソーラーカーの開発 石原 健太 大阪工業大学

43 位相回復法を用いたディジタルホログラフィ法によるフィルム欠陥検出のための光位相分布計測 山岡 博隆 京都工芸繊維大学

44 静電場中の液体平面ジェットの安定性解析 縁田 怜史 大阪大学

45 CFDを用いたスプリッター羽根車ポンプの吸込性能向上に関する研究 紺野 真一 大阪工業大学

46 微細気泡オゾンを用いた水処理技術 堀江 礼 立命館大学

■は優秀ポスター賞の表彰を受けた発表テーマ

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2018

No. タイトル 発表者 所属 (学校名 )

47 電界による微細気泡の挙動制御 宮崎 敬史 立命館大学

48 リンク機構によるブレード迎角可変機構をもつ垂直軸風車の性能検討 渡邊 涼太 立命館大学

49 管内脈動流れの PIV 計測 池田 智大 立命館大学

50 工作機械主軸の熱変形が主軸動剛性変化に与える影響 近藤 諒 京都大学

51 薄肉円筒工作物の切削加工時に生じる工作物変形型びびり振動(びびり振動に及ぼす工作物材料の影響) 川俣 遼悟 滋賀県立大学

52 薄型砥石を用いた歯車研削に関する研究 小林 翔一 大阪府立大学工業高等専門学校

53 CFRP/Ti スタック材の穴加工における固体潤滑シートの影響 奥野 哲平 大阪府立大学工業高等専門学校

54 加圧波形制御を用いたテンパー通電による抵抗スポット溶接継手の溶接部特性変化の考察 西田 貴之 大阪工業大学

55 予測ガバナによる自動走行制御の性能改善 岩井 雄大 奈良先端科学技術大学

56 パーラメンタリーディベートにおけるアイコンタクト率を用いた評価指標の導入検討 楠 隼登 大阪府立大学

57 着座式四輪小型車両と人間の制動時の転倒に関するモデリングと運動解析 長岡 宏樹 大阪府立大学

58 光の加減算による光環境制御システムの構築 高本 雄太 奈良先端科学技術大学

59 ソフトアクチュエータ用 PTCヒータ加熱型剛性制御機構の開発 田中 聡志 和歌山大学

60 磁気駆動トルクアクチュエータの駆動解析に対する検討 今城 弘貴 兵庫県立大学

61 超音波センサを用いた倒立振子型車両の自動制動に関する基礎実験 谷口 文彦 大阪府立大学

62 振り子の復元力を用いた並進式 1自由度振動系による免震と制振 山下 航慈 関西大学

63 人体の脚部と腰部の構造を模擬した受動機構による 2足歩行 市田 尚也 滋賀県立大学

64 培養筋を用いたバイオアクチュエータに関する研究 坪内 洸樹 大阪工業大学

65 バイオアクチュエータの実現に向けて 平郡 武児 大阪工業大学

66 ディスクブレーキの面内鳴き現象 金本 将季 滋賀県立大学

67 直列結合型振動推進機構の高効率駆動(自由度と振動モードが推進に及ぼす影響) 人見 振太朗 滋賀県立大学

68 複数の補助空気室を有する管路式空気ばねの動特性 馬場 雄一 兵庫県立大学

69 乗用車用タイヤのロードノイズに関係する固有振動特性の研究 川上 瑛大 山口大学

70 ソーラー電気自動車の中山間地域での活用 夏木 智弘 大阪工業大学

71 泥濘地踏破を目的とする脚ロボットのつま先機構に関する研究 島 浩平 和歌山大学

72 硫化物分散青銅焼結材の耐摩耗性の改善 神宮 章拓 関西大学

73 A6061-T6 合金をベースとした新Al 合金の高サイクル疲労特性(環境の影響) 栗木 亮輔 関西大学

74 SiN/Cu マイクロ要素界面端からの剥離き裂発生強度評価ー試験片形状の影響ー 芦田 至 関西大学

75 Peridynamics 破壊力学によるSiC押込み試験での動的変形機構の考察 太田 直道 関西大学

76 多結晶体内のき裂進展予測のためのmulti-phase-fi eld crack モデルの検討 奥西 周平 京都工芸繊維大学

77 鉛フリー銅合金を用いたバイメタル材の損傷評価ー合金添加量が異なる焼結材に対するAE法の適用ー 森川 裕也 関西大学

78 デジタル画像相関法を用いたハイドロゲル材料の単軸引張における真応力真ひずみの評価 鈴木 啓太 大阪市立大学

79 単ロールキャスターを用いた線材作製の研究 三宅 泰誠 大阪工業大学

80 赤外線サーモグラフィを用いた高倍率温度計測の取り組み 奥野 颯太 神戸大学

81 超音波を用いたレール軸力の評価に関する研究ー温度の影響についてー 徳野 哲也 関西大学

82 ECAP加工と熱処理を施した SUS304L 鋼の引張特性 山田 文平 大阪市立大学

83 鉛フリー銅合金を用いたバイメタル材の摩擦・摩耗特性の評価に関する研究ー押込み試験と摺動試験に対するAE法の適用ー 佐藤 雅也 関西大学

84 ZK60Aマグネシウム合金の微視的組織と力学的特性における ECAP加工温度依存性 南 友弥 大阪市立大学

INTERVIEW WITH COMPANIESCOMPANIESCOMPANIESCOMPANIESCOMPANIESCOMPANIES 2018

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2018

2016関 西 支 部 賞

受 賞 技 術 の 紹 介年度

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20162016関 西 支 部 賞

受 賞 技 術 の 紹 介年度

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関西支部賞2016

関西支部賞2016

関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞 関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞

2018 2018

Fig.1 Ternary diagram of intake air temperature with a knocking intensity of 40 kPa for CH4/H2/CO2.

Fig.2 Relationship between reforming temperature and component concentration.

Fig.3 Increasing eff ect of steam reforming on methane number.

2 0 1 6 研 究 賞大阪ガス 株式会社大阪工業大学京都大学■代表連絡先

田中 大樹(大阪ガス 株式会社)E-mail:[email protected]

小林 和伸(大阪ガス 株式会社)佐古 孝弘(大阪ガス 株式会社)桑原 一成(大阪工業大学)川那辺 洋(京都大学)石山 拓二(京都大学)

く,H2 の体積割合が高いほど低い.CH4に対し,同じ体積割合でH2,CO2を添加した場合(破線),設定吸気温度は354-358Kとほぼ同等の値となる.以上の結果から,H2の添加はCH4 の耐ノック性を低下させ,CO2 の添加はCH4 の耐ノック性を改善する.CH4に対し,同じ体積割合でH2,CO2を添加した場合,CH4 の耐ノック性は変化しない.すなわち,CH4に含まれるH2およびCO2は耐ノック性への影響を相互に打消しあう.CH4/H2/CO2 三成分燃料に関する詳細化学反応計算の結果によると,組成に対する耐ノック性の変化はH2の着火遅れ時間を短縮する効果とCO2 添加が比熱比を低下させ未燃ガス温度の上昇を抑制する効果が,ノッキングの原因である自着火に対して正逆に作用することに依るものと考えられる.

3. 水蒸気改質による天然ガスの メタン価向上効果天然ガスの水蒸気改質による成分と組

成およびメタン価の変化について化学平衡計算を行い,水蒸気改質の有効性について検討した.原料としてCH4,C2H6,C3H8,n-C4H10 および i-C4H10 から構成されるA~Eの 5種類の天然ガス系都市ガスを想定した.図2に改質温度と原料Aの改質後の成分濃度の関係を示す.水蒸気改質によりC2H6,C3H8,n-C4H10 および i-C4H10 の重質分は改質され,改質後のガスの主成分はCH4,H2,CO2およびCOとなる.改質温度が低いとCOはほぼ生成されない.改質温度が高いほどCH4の改質反応が進み,CH4 の濃度が低下し,H2およびCO濃度が上昇する.図3には改質温度を723.15K

1. まえがき

近年,シェールガスなどの非在来型資源の開発により,天然ガスの調達安定化が進む反面,その成分や組成が多様化している.天然ガス資源の更なる活用を図るためには,産出地や産出形態によって異なる天然ガスの品質に消費機器が対応することが重要となる.特にガスエンジンは,更なる高出力への要求から高過給化が進み,燃料品質に起因して発生するノッキングの回避が課題となっている.本研究では燃料性状が変化したときの

ノッキングの発生を抑制する方法として天然ガス中の非メタン炭化水素に対する選択的水蒸気改質の効果について検討する.改質により天然ガス中の重質分がCH4に変換されることでガス燃料の耐ノック性指標であるメタン価が向上する.この時,CH4とともにH2とCO2が生成されるが,両者のメタン価増減効果が打ち消しあい,改質前の燃料と比べて,メタン価が向上すると考えられる.まず,CH4を主成分,H2およびCO2を副成分とする三成分燃料を用いて実機運転を行い,組成の変化に対するノッキング強度の変化とその要因を調査する.加えて,天然ガス中の非メタン炭化水素に対する選択的水蒸気改質を想定した数値計算を行い,原料となる天然ガスの性状が変化した時のノッキング発生を抑制する効果について考察する.

2.CH4/H2/CO2三成分燃料の耐ノック性

図1にCH4/H2/CO2 三成分燃料の各成分の体積割合に対し,ノッキングが発生する吸気温度の変化を示す.ノッキング発生吸気温度はCO2の体積割合が高いほど高

(実線),923.15K(点線),1123.15K(破線)とした場合の,A~Eの改質前後のメタン価を示す.改質温度を723.15Kとした場合,燃料A~Eのメタン価は93~ 95と改質前と比べて上昇する.また,改質温度によらず燃料間のメタン価の差異は大幅に縮小する.すなわち,低温で天然ガスを水蒸気改質することでメタン価の改善だけでなく,燃料間のメタン価の変動を抑制することができる.以上より,天然ガスの性状が変化したときのノッキングの発生を抑制する方法として,天然ガスの重質分に対する低温での選択的水蒸気改質が有効であることがわかった.

4. あとがき

天然ガス中の非メタン炭化水素に対する選択的水蒸気改質が燃料性状の変化に起因するノッキングの抑制に有効であることを明らかにした.これらの結果をコージェネレーション等の定置式のガスエンジンや,自動車や船舶等の移動体向けのガスエンジンに活用することで多様化する天然ガスへの対応が可能となれば,更なる天然ガスの高度利用と排出CO2 削減への貢献が期待できる.

ガスエンジンのノッキングに対する燃料性状の影響と性状変化に起因するノッキングの抑制に関する研究

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関西支部賞2016

関西支部賞2016

関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞 関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞

2018 2018

Fig.1 Defi nition of misorientation at the same point before and after fatigue testing ( Δθ ).

Fig.3 Misorientation maps and fatigue crack initiation sites in ferritic-pearlitic steel.

Fig.2 Procedure to fi nd the same point before and after fatigue testing.

の方位差が大きく,フェライト相の方位差の増加は不明確である.一方,Δθマップではフェライト内部に方位差が生じている.このΔθ 高値域でき裂発生が観察され,Δθと疲労き裂発生部の位置対応は良好であることが分かった.このため,Δθは,従来の方位差パラメータでは評価できなかったフェライト-パーライト組織のフェライト内に蓄積する疲労損傷度を評価可能であり,疲労き裂発生過程における損傷評価指標として有効であると考えられる.

3. あとがき

EBSD法による方位測定と画像相関法による同一個所の決定を組み合わせることにより,Δθの評価手法を実現した.Δθの高値域は,疲労き裂発生部との位置対応が良好であり,疲労き裂発生までの疲労損傷評価指標として有用であると考えられる. この評価手法を通じて,き裂発生機構の解明,疲労強度に優れた鋼材製品の開発に展開が期待できる.

1. まえがき

近年,疲労き裂発生過程における損傷度の定量評価について,電子線後方散乱回折(Electron BackScatter Diff raction,EBSD)法による方位差パラメータの適用可否に関する研究が複数なされている.その結果,クリープ疲労,低サイクル疲労およびき裂進展経路の損傷評価指標として,方位差パラメータの有効性が報告されている.一方で,高サイクル域の疲労損傷において,方位差パラメータの高値域と疲労き裂発生部は必ずしも一致せず,さらなる検証の余地がある.そこで本研究では,これらの課題解決に取り組み,初期(疲労試験前)を基準とした同一箇所の方位変化量(以下Δθ)による評価手法を新たに開発した.本手法をフェライト-パーライト複相鋼に適用し,疲労き裂発生過程における損傷評価指標としての有効性を検証した.

2. 同一箇所の方位変化量による 評価手法の開発

従来,結晶粒毎に設定された基準方位と同一粒内の各測定点との方位差 (Grain Reference Orientation Deviation,GROD)や,隣 接 点との方 位 差 平 均(Kernel Average Misorientation,KAM)の疲労損傷評価指標としての適用可否が検討されてきた.しかし,フェライト-パーライト鋼

2 0 1 6 研 究 賞新日鐵住金 株式会社■代表連絡先

早川 守E-mail:hayakawa.e8c. [email protected]

脇田 昌幸中山 英介

EBSD法による結晶方位差パラメータを用いた疲労き裂発生過程における損傷評価

や鍛造材など,初期から微視的なひずみを有する場合は,GROD や KAMでは疲労き裂発生部を検知できなかった.そこで,新たにΔθ による評価手法を開発した.Δθ の定義を図1に示す.Δθ は,同一箇所における疲労試験前後の結晶方位の変化量であり,粒内部の塑性ひずみの発達に相当する.同一箇所の抽出には,試料垂直方向(ND方向)の逆極点図(Inverse Pole Figure,IPF)マップを対象に,画像相関法(正規化相互相関法によるテンプレートマッチング)を用いた.評価手順を図2に示す.疲労試験前の IPFマップより,ある測定点を左上頂点とする正方形領域(テンプレート)を抽出し,このテンプレートを疲労負荷後の IPFマップ全体と比較して,同一と判断される領域を決定した.この領域の左上頂点が疲労試験前の対象とした測定点と同一箇所である.以上の処理を全測定点に対して行った.フェライト-パーライト組織における,

方位差マップと疲労き裂発生部の対応を図3に示す.繰返し数104回前後で結晶粒径程度のすべり線やき裂が視認される応力振幅を負荷し,疲労負荷後の方位差マップを比較した.GRODマップはパーライト相(青線)内部に高い方位差が生じ,フェライト相(赤線)にはほとんど方位差が発生していない.また,KAMマップもパーライト相

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関西支部賞2016

関西支部賞2016

関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞 関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞

2018 2018

Fig.2 Deformation contour for axial direction at the case of 5000 r/min

Fig.3 Comparison of base model and fi nal model

Fig.1 Air conditioner “Kirigamine”.

2 0 1 6 技 術 賞三菱電機 株式会社■代表連絡先

小林 孝E-mail:Kobayashi.Takashi@ ds.MitsubishiElectric.co.jp

幸本 宏治濱田 慎悟池田 孟

中心部にターボ型リブを有する高効率・軽量プロペラファンの開発1.まえがき

ルームエアコンの室外機開発では,熱交換器にムラ無く通風して高効率に熱交換させるための,プロペラファンの設計が重要である。特に,プロペラファンの送風効率の向上と,使用樹脂量の削減が重要な設計テーマである.

2. 技術的な課題

図1(a)に当社製の室外機を,図1(b)に従来型の搭載プロペラファンを示す.ファンが高速回転すると,遠心力やファンモーター加振力等の外力が作用する.そこで,強度と剛性が高い円柱状中央ボスに翼を結合することで,高速回転時の遠心力による破壊を防ぎ,外力による翼の振動を抑制している.今回,ファン中央部の円柱ボスをなくし

て軽量化をはかると共に,空力改善も狙った形状を検討した.設計当初,円柱ボスをなくした軽量形状案について構造解析で確認したところ,翼端の軸方向の最大変形量が 17.9mmから28.2mmに増大することがわかった(図2).つまり,円柱ボスをなくすと剛性が大幅に低下してしまい,翼が振動しやすくなることが予想された.

3. 開発した技術

本開発では,1Dモデルによるオーダー検討,3D詳細解析と試作実験を使い分け,剛性維持と軽量化の両立構造を見出した.具体的には,プロペラファン中心部の円筒ボス形状をなくし,翼前縁への応力集中を緩和させるリブを設置することで,翼を厚肉化することなく剛性低下を防ぎ,翼振動を抑制できる軽量構造を見出した(図3).また,送風改善過程では,3D流体解析と試作ファンによる風洞実験を通じてターボ翼形リブを6枚配置する形状を見出し,軸中心付近の送風効率も高めた.最終的に,羽根強度や騒音品質を従来製品から低下させることなく,従来比18%の重量削減と4%のファン効率改善を実現した.なお,今回開発したターボ型リブ付きプロペラファンは,熱交換器に霜が付着して通風圧損が増大する暖房運転時の霜取り運転モードでも性能低下が少ない,高ロバスト性を有することも検証試験から確認している.

4. あとがき

今回開発した“中心部にターボ型リブを有する高効率・軽量プロペラファン”では,空力性能の向上による省エネ性と,ガラス繊維を配合したポリプロピレン樹脂の使用量の低減を両立した.既に,当社ルームエアコン“霧ヶ峰”の室外機に搭載されて量産出荷中であり,継続して機器の省エネ性向上と省資源化によるサステイナブルな地球環境の保全に貢献していく.

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1918

関西支部賞2016

関西支部賞2016

関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞 関 西 支 部 賞関 西 支 部 賞

2018 2018

Fig.4 Azimuth calculation by sensor fusion

Fig.3 Confi guration of developed system

Fig.2 Interface of developed system

Fig.1 How to use developed system

株式会社 クボタ■代表連絡先

久保田 祐樹E-mail:[email protected]

2 0 1 6 技 術 賞

田植機直進キープ機能の開発1.まえがき

今日の日本農業においては,農業従事者の減少や高齢化が進んでおり,熟練した技術・技能を持った人員の確保が困難になっている.また,本開発の対象となる田植え作業は,稲作基幹作業の中でも特に高い作業精度が求められる.作業精度の低下は管理作業,収穫作業といった後工程に影響が及び,結果的に収穫量の低下につながる.近年では海外を中心に,全地球航法衛星

システム(GNSS)を活用した農業機械の自動制御技術の導入が進められているが,コストの高さや操作の煩雑さなどの問題もあり,日本での普及は限定的である.これらの背景から,農家の方々に広く受

け入れられ,パートタイム雇用者などの未熟練オペレータでも高精度に田植え作業が可能になる,「安価で誰でも簡単に直進キープ」をコンセプトにした直進キープ機能の開発を行った.

2. 直進キープ機能付田植機

一般的な田植え作業では,水田の長辺方向に田植機を直進走行させて苗を植え付ける.水田の端まで行き着いたら180度旋回し,植え付けが済んだ部分に重ならないようにしながら,先ほどとは逆方向に田植機を直進走行させて苗を植え付ける.この作業を繰り返し,一筆書きの要領で水田に隙間ができないように植え付けていく.この一連の流れで大部分を占める作業は,田植機の直進走行である.通常,この直進走行に求められる精度は±10cm程度である.しかし,水田には車道のように目印となる白線は無く,さらには泥面の凸凹やぬかるみによるスリップが頻繁に生じるため,未熟練オペレータにとって ,この精度を満た

すことは困難である.そこで,要求精度を満たす直進走行が可能な自動操舵機能を考案した.機能の概要を図1に示す.まず,オペレー

タは最初の直進走行時に自動操舵の目標直線を登録する.180度旋回後,スイッチ操作によって自動操舵機能を開始する.以降は,端まで行き着いたら自動操舵機能を終了し,180度旋回して再度自動操舵機能を開始するという手順を繰り返す.システム構成について説明する.操作イ

ンターフェースは,図2に示すように,従来の田植機に3つのスイッチを追加するのみとした.2つの基準登録スイッチは目標直線を登録するために使用し,GSスイッチは直進キープ機能を開始,終了するために使用する.必要な操作を絞り込むことにより,操作の煩雑化を防ぎ,誰にでも簡単に使用できる操作インターフェースとした.操舵機構としては,ステアリングを駆動する操舵装置(電動モータと減速機構を組み合わせたもの)を,パワーステアリングの直上にビルトイン構造で実装した.また,本開発では,農業分野で一般的に用いられる高精度RTK-GPSではなく,比較的安価なDGPSを採用した.ただし,DGPSによる測位では,要求精度が実現できない.したがって,姿勢計測ユニット(IMU)を組み合わせて測位精度を向上させるシステム構成とした(図3).

3. 開発技術(1) 高精度測位技術DGPSと IMUの信号を合成することで,

機体状態を高速・高精度に算出する信号処理技術を開発した.特に,方位角成分はIMU算出方位角とGPS算出方位角の誤差

を状態推定器(カルマンフィルタ)を用いて推定し,IMU方位角をベースに補正した(図4).(2) 直進走行制御技術熟練オペレータの優れたステアリング操

作を参考にして,機体位置と方位角を用いた直進走行制御技術を開発した.制御ブロックを図5に示す.目標ラインからの位置ずれを補正する制御と目標方位に向かって直進させる制御を組み合わせた直進走行制御と,操舵制御で構成した.(3) 安心サポート機能田植機本体の制御システムと密接に連携

し,ユーザーを支援する機能を搭載した.具体的には,GPSの測位が不安定な場合にオペレータに報知し,測位ができない場合は自動的にエンジンが停止する機能,あぜに接近した際に自動的にエンジンが停止する機能,水田外での誤使用を防止する機能等を搭載している.これらの機能により,田植え作業に不慣れなオペレータであっても,安心して使用できる.

4. あとがき

日本農業が抱える人材確保課題解決の一助として,DGPSを活用した位置,方位の高精度測位技術と,軟弱路面に対応した直進走行制御技術を開発し,熟練度に左右されない高精度田植え作業を実現できた.また,シンプルな運転操作や安心機能を織り込むことで,農家の方々に広く受け入れられ,今後の日本農業に必要不可欠である自動走行やロボット化等の先進技術の社会実装に寄与できたと考える.

Fig.5 Control block diagram

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日本機械学会関西支部の活動報告日本機械学会関西支部の沿革と現況

JSME-Kansai は今[1]日本機械学会関西支部の沿革と現況

沿革

日本機械学会関西支部(JSME-Kansai)は、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県に在住、もしくはこれらの府県において事業を行っている関西地域の日本機械学会会員 6,514 名(2017 年 9 月末現在で正員 5,578 名、学生員 816 名、特別員 120 社)により構成されている。

日本機械学会関西支部は機械工学分野の仕事に携わる研究者/技術者の交流、情報交換の場として、また「関西地方における、機械に関する学術の進展および技術の進歩をはかり、かつ工業の発展のために尽くす」ことを目的として 1925 年(大正 14 年)6 月28日に設立された。以後、地域活動に基盤を置いて機械工学を含む工業分野の将来に向けての積極的な提言を行い、常に全国に先駆けたユニークな活動を行ってきている。

主な活動内容

主な活動は、以下のように分けられる。1)研究発表・技術交流活動 ・関西支部定時総会講演会 ・秋季技術交流フォーラム2)情報提供活動 ・先端機械工学関連講習会(年 6 回開催) ・ステップアップセミナー(年 1 回開催) ・部門との合同企画講習会(随時) ・先端企業施設の見学会(年間 2 回程度開催) ・特別フォーラム(不定期に開催)3)懇話会活動(現在 9グループが活動中)4)専門部会活動(現在 5 部会が活動中)5)学生会活動(見学会、「メカライフの世界」 展、 卒業研究発表講演会など)6)シニア会活動(2006 年 4 月設立)研究発表活動では毎年 3 月に定時総会講演会を開催し、一般講演と

共にオ―ガナイズド方式の学術講演、フォーラム、ワークショップ等の場が設けられ、活発な学術情報交換を行っている。一方、秋には懇話会企画のもとに産学交流の場としての秋季技術交流フォーラムを開催している。2017 年 3 月の定時総会講演会における総講演数は特別講演 2 件、基調講演 2 件、OS・一般講演・フォーラム・ワークショップ計 269 件、関西支部賞受賞記念講演 4 件の合計 277 件に達し、2017 年 10 月開催の第 18 回秋季技術交流フォーラムにおける講演数は特別講演・基調講演を含めて 34 件を数えた。また、企画から運営まで学生会が自ら実施する卒業研究発表講演会では講演数が 403 件に達し、コメンテータとしての商議員による的確な質疑応答により次世代を担う人材育成を図っている。

情報提供活動では各種の講習会を開催し、問題解決に必要な工学技術情報を提供している。ステップアップセミナーでは、主として戦略的技術経営に関わるテーマを取り上げ、高い評価を受けている。また、

2016 年度の「ビッグデータ・AI 技術の最前線と機械工学への展開を探る」に引き続き、今年度は「IoT の発展が製造業にもたらす影響 - ひと、生産機械から、工場、企業そして Connected Industries-」と題した特別フォーラムを開催し、情報化社会の中での機械工学のあり方に関する議論の場を提供している。

懇話会活動では、現在 9 つの懇話会がそれぞれ独自に研究会やシンポジウムを開催しており、活発な関西支部活動の中で、会員に密着した活動の一翼を担うと同時に、産学交流の促進と支部から全国に向けた情報発信に大きな役割を果たしている。

専門部会は 5 部会で構成され、主に年 3 回の関西支部商議員会後に話題提供(講演)を主とした活動が行われている。(懇話会活動および専門部会活動の詳細については関西支部の HPを参照。)

2006 年 4 月に発足したシニア会は、会員数が 213 名(2017 年 2 月末現在)に達し、原則 60 歳以上の会員相互の交流と、豊富な経験に基づいた企業への技術支援や小学生対象の理科工作教室の開催など活発な活動を行い、機械学会本部、他支部からも注目を集めている。

「MECHAVOCATION」活動

技術情報誌「MECHAVOCATION」は、1993 年度に事業を開始して以来 25 年目を迎え、進路情報誌としてはもちろん、大学等の研究と企業の技術を結びつける双方向の情報交換・技術交流の媒体としての役割を確立している。「MECHAVOCATION」 では 1998年度よりインターネット版を併設し、企業技術を詳しく紹介するとともに、

「MECHAVOCATION」HPと企業 HPとをリンクし、学生がさらに多くの企業情報を入手できるようにしている。また希望する企業には学生との双方向情報交換システム(エントリー機能)を導入している。さらに、技術情報誌としての性格をより明確にし、各大学・短大・高専の産学協同に関する取り組みについての情報を盛り込むなど、冊子、インタ―ネット版、併せて有益な情報を発信している。

今年度発行する「MECHAVOCATION2018」(冊子)は、関西地域の大学・短大・高専の最終学年へ進む機械系学生約 6,500 名、学校関係者および協賛企業に配布するだけでなく、機械系学科のある全国約 160 校の主要大学にも配布する。

また、産学連携の重要性の認識が高まる中で、関西支部では「MECHAVOCATION」が企業と学校関係者の技術情報交流のプラットフォームであることを活用し、2007 年度から様々な交流事業を推進している。2016 年 11 月の「学生のための企業技術発表会」には、企業から185 名、学校から教員 28 名、 学生 309 名の合計 522 名の参加があった。今年度も11 月に「学生のための企業技術発表会」、2 月に「就職に関する企業と学校の交流会」、3 月に定時総会講演会の中で「メカボケーション学生研究発表セッション」を開催する予定で準備を進めている。

(関西支部常務幹事 松原 厚)

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日本機械学会関西支部の活動報告2016年度-2017年度の関西支部事業報告

[2]2016 年度—2017 年度の関西支部事業報告

2016 年度〜 2017 年度に日本機械学会関西支部が行った各事業の内容を項目別に分類して下表にまとめた。

行 事 名 内 容 開 催 日 会 場 出席数

第 17 回秋季技術交流フォーラム 特別講演 1 件、基調講演 9 件、フォーラム27 件 ’16.11.5 龍谷大学 170

第 92 期定時総会講演会研究発表(一般・オーガナイズド方式併設)講演 269 件、特別講演 2 件、基調講演 2 件、関西支部賞受賞記念講演 4 件 計 277 件

’17.3.13 〜 14 大阪大学 473

第 18 回秋季技術交流フォーラム 特別講演 1 件、基調講演 11 件、フォーラム22 件 ’17.10.21 神戸大学 230

第 93 期定時総会講演会 ’18.3.12 〜 13 摂南大学

第 343 回講習会 破壊力学の基礎と最新応用(実験実習、計算演習付き) ’16.5.17 〜 18 島津製作所 102

第 344 回講習会 実務者のための騒音防止技術(展示、簡易実習付き) ’16.7.27 〜 28 大阪科学技術センター 71

第 345 回講習会 熱応力による変形・破壊の評価方法と対策事例 ’16.10.5 〜 6 大阪科学技術センター 66

第 346 回講習会 実務者のための流体解析技術の基礎と応用(各種シミュレーション技術の適用事例紹介及びデモ展示付き) ’16.11.16 〜 17 大阪科学技術センター 86

第 347 回講習会 実務者のための機械加工・計測とマルチマテリアル接合技術〜基礎理論から最新技術の動向まで〜 ’16.12.1 〜 2 大阪科学技術センター 43

第 348 回講習会 実務者のための振動基礎と制振・制御技術 ’17.1.23 〜 24 大阪科学技術センター 82

第 349 回講習会 構造・強度設計における数値シミュレーションの基礎と応用 ’17.5.29 〜 30 大阪科学技術センター 97

第 350 回講習会 事例に学ぶ流体関連振動(トラブル事例相談会付き) ’17.7.27 〜 28 大阪科学技術センター 43

第 351 回講習会 応力計測の基礎とその応用(デモンストレーション付き) ’17.10.16 〜 17 大阪科学技術センター 66

第 352 回講習会 実務者のための流体解析技術の基礎と応用(各種シミュレーション技術の適用事例紹介及びデモ展示付き) ’17.11.1 〜 2 大阪科学技術センター

第 353 回講習会 実務者のための機械加工、接合、造形技術〜基礎理論から最新技術の動向まで〜 ’17.12.7 〜 8 大阪科学技術センター

第 354 回講習会 実務者のための騒音防止技術(展示、簡易実習付き) ’18.1.29 〜 30 大阪科学技術センター

ステップアップ・セミナー 2016 計算機の大規模化と数値計算法 ’16.11.8 大阪科学技術センター 46

ステップアップ・セミナー 2017 高付加価値商品開発とものづくり ’17.11.30 大阪科学技術センター

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行 事 名 内 容 開 催 日 会 場 出席数

第 644 回見学会 川崎重工業㈱明石工場 ’16.9.29 明石市 24

第 92 期定時総会見学会 ヤンマー㈱尼崎工場 ’17.3.10 尼崎市 27

第 645 回見学会 関西エアポート㈱関西国際空港 水素インフラ見学 ’17.9.29 泉佐野市 17

第 93 期定時総会見学会 ㈱クボタ 堺製造所 ’18.3.9 堺市

特別フォーラム

ビッグデータ・AI 技術の最前線と機械工学への展開を探る ’16.10.24 大阪科学技術センター 185

IoT の発展が製造業にもたらす影響-ひと、生産機械から、工場、企業そしてConnected Industries- ’17.9.28 大阪科学技術センター 104

「機械の日・機械週間」の記念行事

青少年のための講演会「のりもの最前線」 ’16.8.6 大阪大学中之島センター 104

親子のための講演会「スポーツ工学最前線」〜 2020 年東京オリンピック・パラリンピックに向けて〜 ’17.8.5 大阪大学中之島センター 50

サロン de 関西支部水素エネルギー導入の本質的意義と水素社会に向けた動向 ’16.9.2 大阪科学技術センター 56

日本の有人宇宙開発について ’17.9.19 大阪科学技術センター 57

メカボケーション活動

技術情報誌「MECHAVOCATION 2017」発刊 ’16.11.21(冊子およびインターネット版)

学生のための企業技術発表会 ’16.11.26 近畿大学 522

就職に関する企業と学校の交流会 ’17.2.21 大阪科学技術センター 230

メカボケーション学生研究発表会 ’17.3.13 大阪大学

関西学生会との意見交換会 ’17.6.17 近畿大学 87

技術情報誌「MECHAVOCATION 2018」発刊 ’17.11.20(冊子およびインターネット版)

学生のための企業技術発表会 ’17.11.25 近畿大学

就職に関する企業と学校の交流会 ’18.2.20 大阪科学技術センター

メカボケーション学生研究発表会 ’18.3.12 〜 13 摂南大学

その他 2017 年度関西支部賞募集 ’17.8 上旬

日本機械学会関西支部の活動報告2016年度-2017年度の関西支部事業報告

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日本機械学会関西支部の活動報告関西学生会活動報告

[3]関西学生会活動報告

関西学生会は、日本機械学会関西支部の学生員(18 大学、 6 高等専門学校、 会員数 816 人)の有志が集まって自主的に運営されており、全国に 8 つある支部の中でも精力的に活動している学生会の一つである。主な活動を以下に述べる。

1.学生会総会

関西学生会の活動は、4 月から始まる上半期と10 月から始まる下半期に分かれており、4 月と10 月に総会を開催して、学生会の年間活動報告、予算報告等を行っている。4 月の上半期総会においては、任期を翌年 3 月までとして、委員長校、副委員長校(2 校)、書記校、会計校を選出している。役員校の交代時期を4 月とすることで、学生会にとって最大の行事である3 月の学生員卒業研究発表講演会(卒研講演会)までの準備期間を十分に確保し、その運営を円滑なものとしている。

2.幹事校会(運営委員会)

関西学生会では、年に7〜8回程度、30余名の運営委員の出席のもと、幹事校会(運営委員会)を開催し、『メカライフの世界』展、卒業研究発表講演会、見学会等の企画立案・準備も含め、学生会活動全般について、熱心に議論し決定している。

3.講演会

関西学生会では、幹事校会(運営委員会)と同じ日に、支部の幹事、開催校の教員、シニア会の幹事等にお願いして、機械工学に限定することなく、幅広い分野のテーマについて講演していただいている。参加者の知識を拡げるのみならず、参加者が学生会の活動に触れることで、学生会の各種企画への参加の契機となることを期待して、この講演会は一般の学生員にも公開している。

4.見学会

学生が産業界の実態に触れる機会を持ち、学生会活動の一層の活性化をはかるために、関西学生会の主催で京阪神地区の工場の見学会を開催している。この見学会も、一般の学生員に公開している。関係企業のご理解とご協力を仰ぎながら企画・実施することで、毎年意義深い見学会となっている。2017 年度はやや活動範囲を拡げ、9 月30日に日亜化学工業㈱において見学会を実施した。多数の学生諸君の参加を得て、非常に有意義な見学会であった。

5.学生交流会

学生交流会は、日本機械学会年次大会の際に開催されている。第1部は企業の若手技術者による導入プレゼンテーション、第 2 部は若手技術者を囲んだ立食形式の意見交換会で構成されており、学生員と若手技術者との積極的な交流がなされている。この交流会は一般学生にも公開している。2017 年度の学生交流会は 9 月5日に、年次大会開催校である埼玉大学において開催された。関西学生会も委員長を派遣し、運営に協力した。

6.『メカライフの世界』展

小中学生をはじめ一般の人々に機械、機械工学に対する興味と理解を深めてもらうことを目的として、展示および体験型の教育普及活動を『メカライフの世界』展として、関西学生会全体で協力して毎年実施している。関西学生会が最も力を入れている活動の一つであり、上半期総会(4月)の時期から企画会議を重ねて、『メカライフの世界』展の実施に向けた準備を行っている。会場は、バンドー神戸青少年科学館(神戸市立青少年科学館)にご提供いただいており、さらに共催として多大なご協力を賜っている。『メカライフの世界』展としては、関西学生会のみが共同して同一会場で開催している。

2016 年度の『メカライフの世界』展は 11 月12、13日に開催され、431 人の入場者があった。フォーミュラーカーやエコランカーなどの展示、二足歩行ロボット、クレーンゲーム、パイプオルガンの操作体験、ホバークラフトの試乗体験などで、子供たちが科学技術や機械工学に触れる機会を提供した。また、輪ゴムぜんまいカー、ペットボトル空気砲、紙コップロケットなどの無料工作や、ミニホバークラフトの有料工作で、子供たちにものづくり体験の機会を提供した。2017 年度の『メカライフの世界』展も引き続きバンドー神戸青少年科学館のご協力のもと、11 月18、19日に開催予定である。

7.学生員卒業研究発表講演会

卒業研究発表講演会は、関西学生会の最も重要な行事の一つである。毎年 3 月の卒業時期に開催され、卒業研究をやり遂げた学生員がその研究成果を公表する貴重な機会となっており、同時に特別講演や学生懇親会も行われている。卒業研究発表講演会では、優秀な発表に対して Best Presentation Awards (BPA)を授与している。この BPAは 1998 年に制定され、学生員のプレゼンテーション能力の上達目標の一つとなっている。商議員、学生会会員校の教員、シニア会の会員には、各講演セッションでのコメンテータを担当いただいており、さらに、セッション司会の大学院生とともに BPA の評価も担当いただいている。その他、講演会の運営、BPA の採点集計・発表などは、すべて学生会が担当している。

2016 年度の卒業研究発表講演会は 2017 年 3 月11日に大阪大学吹田キャンパスで開催され、403 件の発表があった。BPA は 40 名に授与された。2017 年度の卒業研究発表講演会は 2018 年 3 月10日に、摂南大学寝屋川キャンパスで開催予定である。

8.機関誌『春秋』

関西学生会では、学生会の活動報告、『メカライフの世界』展などの行事内容や、関西学生会の会員校の紹介などを記事とした冊子を、機関誌『春秋』として毎年1回刊行している。学生が自主的に編集しており、ユニークで個性あふれる記事が、写真を交えて掲載されている。『春秋』は、関西学生会の会員校には無料配布され、卒業研究発表講演会でも参加者に配布されている。2017 年度は通算 49 号となる。

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日本機械学会関西支部の活動報告関西学生会活動報告

9.シニア会との交流会

関西学生会では、シニア会に企画・運営いただいている交流会に参画している。交流会ではテーマが設定され、シニア会会員による基調講演、シニア会と学生会双方からの提言、グループ討論などが行われており、学生がシニアの豊かな経験、知識を学ぶ貴重な機会となっている。2016年度の交流会は、「目指すべき技術者とは」をテーマとして、10 月23日に大阪産業大学梅田サテライトキャンパスで開催された。学生会からは21 名が参加し、非常に有意義な交流会であった。2017 年度の交流会は、

「技術立国の担い手として」をテーマとして、10 月29日に大阪産業大学梅田サテライトキャンパスで開催予定である。

また、シニア会主催の「理科工作教室」にも、学生会から運営委員を派遣し、運営に協力している。

その他、関西学生会は「学生のための企業技術発表会」など、支部主催の「MECHAVOCATION」事業にも積極的に参加している。

以上のように、関西学生会は将来の日本を支える機械技術者を目指す学生に、機械工学に関連する技術、知識とともに、多様な交流の場を提供し、その自主的かつ積極的な活動を通して日本機械学会への理解を拡げることで、会員数の一層の増加に貢献している。ただし、関西学生会の以上の活動は、支部独自の財政支援を含む、全面的なバックアップと、会員企業の絶大なご協力とご支援、商議員、学生会会員校教員、シニア会会員の皆様の多大なご理解とご協力、そして学生会顧問の先生方の熱心なご指導とご協力があって、初めて成立するものである。関係各位には、この場を借りて深謝の意を表す。

そして、大学・高専に在学中で、日本機械学会に未加入の機械系学生諸君には、以上のような恩恵を受けることができる日本機械学会に入会し、学生会活動に積極的に参加することを、強く勧める。まずは、所属校の学生会顧問から案内される講演会、見学会に、気軽な気持ちで参加してみてはいかがだろうか。

(関西支部学生会幹事長 瀬川 大資)

関西学生会会員校(太字は幹事校)

大阪大学、大阪工業大学、大阪産業大学、大阪市立大学、大阪

府立大学、関西大学、京都大学、近畿大学、神戸大学、同志社大学、

兵庫県立大学、龍谷大学、大阪電気通信大学、京都工芸繊維大学、滋賀県立大学、摂南大学、立命館大学、和歌山大学、明石工業高等専門学校、大阪府立大学工業高等専門学校、神戸市立工業高等専門学校、奈良工業高等専門学校、舞鶴工業高等専門学校、和歌山工業高等専門学校

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日本機械学会関西支部の活動報告関西学生会活動報告

2017 年度関西学生会年間行事報告・予定

行 事 名 内 容 開催日 会 場

第 7 回運営委員会 卒業研究発表講演会前日準備 ’17.3.10

大阪大学(工)2016 年度卒業研究発表講演会

卒業研究発表講演、特別講演、懇親会特別講演「熱効率の向上に向けた取組み」

養祖 隆 氏(マツダ㈱) ’17.3.11

学生会顧問と支部幹事の意見交換会 学生会顧問と支部幹事の意見交換

第 1 回運営委員会 活動方針、行事企画検討、上半期総会議案確認等

’17.4.15 大阪府立大学2017 年度上半期総会

2016 年度活動実績・会計報告

2017 年度行事予定・予算案報告、幹事校承認、懇親会

第 2 回運営委員会 「メカライフの世界」展企画、担当検討等’17.6.17 近畿大学メカボケーション協賛企業と

関西学生会との意見交換会関西学生会の活動紹介、メカボケーション活動についての意見交換

(支部開催行事に協力)

第 3 回運営委員会 「メカライフの世界」展企画、担当決定、スケジュール作成等

’17.7.15 同志社大学第 167 回講演会

マグネシウム合金における双晶と転位の相互作用の原子論的解析 - 分子動力学法を用いた合金設計へのアプローチ -

同志社大学 湯浅 元仁 助教

親と子の理科工作教室 シニア会行事に運営協力 ’17.8.5 神戸市総合教育センター

親と子の理科工作教室 シニア会行事に運営協力 ’17.8.6 大阪科学技術センター

親と子の理科工作教室 シニア会行事に運営協力 ’17.8.19 堺市教育文化センター

親と子の理科工作教室 シニア会行事に運営協力 ’17.8.26 堺市教育文化センター

JSME 年次大会 学生会委員長会、「学生交流会」 ’17.9.5 埼玉大学

第 4 回運営委員会 「メカライフの世界」展企画、役員改選準備等’17.9.16 大阪大学(基礎工)

第 168 回講演会 最先端の流体機械 - ロケットエンジン用ターボポンプと人工心臓 -大阪大学 堀口 祐憲 准教授

第 239 回見学会 日亜化学工業㈱ 辰巳工場・本社工場 ’17.9.30

第 5 回運営委員会 役員改選、「メカライフの世界」展準備、卒業研究発表講演会企画、下半期総会議案確認等

’17.10.14 大阪府立大学2017 年度下半期総会

2017 年度上半期事業報告

2017 年度下半期事業計画、役員改選、懇親会

シニア会と学生会との交流会 シニア会と学生会の討論会 ’17.10.29 大阪産業大学梅田サテライトキャンパス

「メカライフの世界」展準備 「メカライフの世界」展前日準備 ’17.11.17

バンドー神戸青少年科学館

第 6 回運営委員会 「メカライフの世界」展当日準備、初日の実績確認と反省 ’17.11.18

「メカライフの世界」展 小中学生に対して、物理現象の実演やロボットをはじめとする先端技術の紹介、工作教室等の提供 ’17.11.18 〜 19

学生のための企業技術発表会 メカボケーション協賛企業による技術発表会(支部開催行事に協力) ’17.11.25 近畿大学

第 7 回運営委員会 卒業研究発表講演会準備、機関誌「春秋」の編集準備 ’17.12.16 摂南大学

第 8 回運営委員会 卒業研究発表講演会準備、機関誌「春秋」の編集等 ’18.2. 未定 摂南大学

第 9 回運営委員会 卒業研究発表講演会前日準備 ’18.3.9

摂南大学2017 年度卒業研究発表講演会

卒業研究発表講演、特別講演、懇親会特別講演「パナソニックのロボット開発(仮)」

安藤 健 氏(パナソニック㈱) ’18.3.10

学生会顧問と支部幹事の意見交換会 学生会顧問と支部幹事の意見交換

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編集委員会委員一覧

委 員 長 徳永 節男 三菱重工業㈱ 執行役員フェロー副 委 員 長 田中 正夫 大阪大学 教授庶 務 委 員 松原 厚 京都大学 教授会 計 委 員 赤松 史光 大阪大学 教授実 行 委 員 青山 栄一 同志社大学 教授

〃 安食 和英 三菱重工業㈱ 部長〃 大村 勝 大村技術コンサルタント 代表〃 黒田 雅治 兵庫県立大学 教授〃 清水 資生 八十島プロシード㈱ 常務取締役〃 鈴木 直弥 近畿大学 准教授〃 武石 賢一郎 大阪大学 招へい教授〃 田畑 真毅 三菱電機㈱ 主席技師長〃 田原 弘一 大阪工業大学 教授〃 段  智久 神戸大学 教授〃 出口 智如 ㈱神戸製鋼所 課長〃 富岡 計次 ダイキン工業㈱ 主任技師〃 畑田 研二 ㈱アルトナー リーダー〃 牧野 泰三 新日鐵住金㈱ 上席主幹研究員〃 宮本 宜昌 昭和電機㈱ 副部長〃 吉田 英生 京都大学 教授

  〃 ※ 小澤 守 関西大学 教授  〃 ※ 北村 隆行 京都大学 教授

編 集 委 員 赤間 誠 大阪産業大学 教授〃 荒賀 浩一 近畿大学工業高等専門学校 准教授〃 井岡 誠司 大阪電気通信大学 教授〃 一色 美博 摂南大学 教授〃 上野 哲 立命館大学 教授〃 尾崎 純一 神戸市立工業高等専門学校 教授〃 樫原 恵蔵 和歌山工業高等専門学校 教授〃 上村 匡敬 大阪府立大学工業高等専門学校 准教授〃 齋藤 賢一 関西大学 教授〃 杉山 和靖 大阪大学 教授〃 瀬川 大資 大阪府立大学 教授〃 田中 和人 同志社大学 教授〃 田邉 裕貴 滋賀県立大学 教授〃 辻上 哲也 龍谷大学 教授〃 豊田 香 舞鶴工業高等専門学校 准教授〃 西田 秀利 京都工芸繊維大学 教授〃 廣  和樹 奈良工業高等専門学校 教授〃 廣川 敬康 近畿大学 教授〃 松井 徹 和歌山大学 准教授〃 松塚 直樹 明石工業高等専門学校 准教授〃 森  英喜 産業技術短期大学 講師〃 山崎 友裕 大阪市立大学 教授〃 横小路 泰義 神戸大学 教授

※印は、前支部長

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近大マグロ提供予

機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌「MECHAVOCATION」付随事業の一つとして、企業の独自技術やユニークな技術、求める技術など学生に対してアピールできる「学生のための企業技術発表会」を開催します。学生の皆さんにとって企業との交流が図れ、有意義な情報を得る機会です。奮って参加してください。

会場:近畿大学東大阪キャンパス

25日

12:30 19:00▲

112017年

月 土

発表会・懇親会とも参加費無料(事前参加登録不要)

※本行事は、経団連「採用選考に関する指針」に則り、企業からの情報発信を目的として開催いたします。採用選考活動には影響しません。また、学生の個人情報の取得は行いません。

12:00~ ・・・・・・・・・・・・

学生参加者受付開始12:30~17:50 ・・・・・・・・・・・・

参加企業によるミニプレゼンテーション企業別ブースにて自由討論

企業技術発表会

懇親会

会場:11月ホール

会場:BLOSSOM CAFE

18:00~19:00 ・・・

ブ ロ ッ サ ム           カ フ ェ

詳しくは

6060参加企業: 社以上(日本機械学会関西支部のホームページに掲載)

学生のための学生のためのための学生のための

2018メカボケーション

企業技術発表会企業技術発表会

TEL:06-6443-2073 E-mail:[email protected]主催:一般社団法人 日本機械学会 関西支部共催:近畿大学理工学部・近畿大学キャリアセンター

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本セッションは、機械系の学生が、自ら行った研究に対して企業の技術者・研究者からフィードバックを受け、社会との交流を図ることを目的としています。

会場:摂南大学 寝屋川キャンパス (大阪府寝屋川市)

12日

▲32018年

月 月 13日火

詳しくは

2018メカボケーション

TEL:06-6443-2073 E-mail:[email protected]主催:一般社団法人 日本機械学会 関西支部

学生がポスターセッションの形式で、卒論以降に行った研究の進展を企業の技術者・研究者にアピールします。

発表者は修士1年生相当以下の学生です。企業の皆様には、学生の最新の研究成果に触れていただくと共に、ベストポスター賞選出の投票をお願いいたします。

(詳細スケジュール未定)

http://conf.kansai.jsme.or.jp/ksconf18/

メカボケーション学生研究発表セッション

日本機械学会関西支部 第93期定時総会講演会日本機械学会関西支部 第93期定時総会講演会日本機械学会関西支部 第93期定時総会講演会 参加費無料

協賛企業さま

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表 2-3

機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌

編集者

発行人発行所

印刷所

2017 年 11月20日発行一般社団法人日本機械学会 関西支部技術情報誌編集委員会徳永 節男一般社団法人日本機械学会 関西支部大阪市西区靭本町 1-8-4大阪科学技術センタービル内TEL 06-6443-2073 FAX 06-6443-6049E-mail:[email protected] R L:http://www.kansai.jsme.or.jp/Planning日報株式会社

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