結核性リンパ節炎の1例 - · pdf file・castleman病 ・原発性 ... ・肺外結核...
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結核性リンパ節炎の1例
2011年4月 選択実習医学科6年 W.S.
症例 10代の男性
【主訴】 呼吸苦、喘鳴 【起始・経過】 5月頃:鼻詰まり、咳嗽 6月下旬:咳嗽増悪 8月:安静時喘鳴と呼吸苦 →喘息を疑い、ステロイドと抗ロイコトリエンを使用するも無効
その後の胸部CTにて肺門部、縦隔リンパ節の腫脹を認め、当院小児科に入院となった
症例 10代の男性
【既往歴】 特記すべきことなし 【アレルギー】 特記すべきことなし 【生活環境】 明らかな結核患者の接触なし 【予防接種歴】 DPT、ポリオ、日本脳炎、麻疹、風疹、ムンプス、BCGは済 【入院時現症】
身長 160cm、BW 58.6Kg、BT 37.2℃、PR 100回/分、RR 24回/分、BP 116/68mmHg、 SpO2 98~100%(room air) 仰臥位にて呼吸苦の増悪を認める、 頭頚部:異常を認めず
入院時検査所見 【血液生化学検査】
<血算> WBC 8800/µl Hb 11.3g/dl
<凝固> ESR 1Hr 120mm
<生化学検査> CRP 8.37 mg/dl
IgG 2942 mg/dl IgA 317 mg/dl IgM 209 mg/dl IgE 320 IU/ml
抗核抗体 19.1 抗DNA抗体 3.4 IU/ml ACE 11.1 U/L S-IL-2R 380 U/ml AFP 1> ng/ml NSE 16.0 ng/ml β-D-グルカン 4.0> pg/ml hCGβ 227 ng/ml
入院時検査所見 【血液生化学検査】
<血算> WBC 8800/µl Hb 11.3g/dl
<凝固> ESR 1Hr 120mm
<生化学検査> CRP 8.37 mg/dl
IgG 2942 mg/dl IgA 317 mg/dl IgM 209 mg/dl IgE 320 IU/ml
抗核抗体 19.1 抗DNA抗体 3.4 IU/ml ACE 11.1 U/L S-IL-2R 380 U/ml AFP 1> ng/ml NSE 16.0 ng/ml β-D-グルカン 4.0> pg/ml hCGβ 227 ng/ml
入院時検査所見 【血液生化学検査】
<血算> WBC 8800/µl Hb 11.3g/dl
<凝固> ESR 1Hr 120mm
<生化学検査> CRP 8.37 mg/dl
IgG 2942 mg/dl IgA 317 mg/dl IgM 209 mg/dl IgE 320 IU/ml
抗核抗体 19.1 抗DNA抗体 3.4 IU/ml ACE 11.1 U/L S-IL-2R 380 U/ml AFP 1> ng/ml NSE 16.0 ng/ml β-D-グルカン 4.0> pg/ml hCGβ 227 ng/ml
入院時検査所見 【血液生化学検査】
<血算> WBC 8800/µl Hb 11.3g/dl
<凝固> ESR 1Hr 120mm
<生化学検査> CRP 8.37 mg/dl
IgG 2942 mg/dl IgA 317 mg/dl IgM 209 mg/dl IgE 320 IU/ml
抗核抗体 19.1 抗DNA抗体 3.4 IU/ml ACE 11.1 U/L S-IL-2R 380 U/ml AFP 1> ng/ml NSE 16.0 ng/ml β-D-グルカン 4.0> pg/ml hCGβ 227 ng/ml
胸部造影CT:縦隔条件
胸部造影CT:縦隔条件
胸部CT:肺野条件
腹部造影CT
CT所見のまとめ
・石灰化および癒合傾向を伴うリンパ節腫大
(縦隔、右肺門、回盲部・腸管膜、傍大動脈リンパ節)
・右上葉の含気低下と胸膜下に広がる癒合傾向をもつすりガラス濃度
石灰化を伴うリンパ節腫大の鑑別診断 1)悪性腫瘍
・治療後の悪性リンパ腫 ・リンパ節転移
2)非腫瘍性疾患 ・結核 ・サルコイドーシス ・真菌感染症 ヒストプラズマ、プラストミセス症、コクシジオイデス症
・珪肺 ・ニューモシスチス肺炎 ・Castleman病 ・原発性アミロイドーシス ・膠原病(慢性関節リウマチ、強皮症)
入院後経過
QFT 陽性
ツベルクリン反応:48時間で3.0×2.5cmの発赤 水痘、硬結、二重発赤認めず
ガフキー検査 1回目:陰性 2回目:陰性
便抗酸菌染色 陰性
診断
結核性リンパ節炎
⇒多剤併用抗結核療法の内服を開始
結核とは・・・ ・結核菌・・・空気感染
・一次結核は小児に発症しやすい
・一次結核と二次結核の区別は困難
結核
一次結核
二次結核
肺結核
肺結核
肺外結核
肺外結核 Ex.結核性リンパ節炎
結核性リンパ節炎
・肺外結核の14.3%(胸膜炎に次ぐ) ・女性にやや多い
・小児の発症も多い
・約70%が頸部に出現
頸部の結核性リンパ節炎
・肺結核症を1/2~3に合併 ・しばしば両側性
・感染経路:不明
・好発部位:後頸三角(副神経リンパ節)、内深頸リンパ節 ・臨床症状:頸部腫瘤(無痛性) ・CT所見:急性期・・・均一な濃度及び増強効果 亜急性期・・・中心部低吸収と辺縁の増強効果
慢性期・・・線維化や石灰化
頸部の結核性リンパ節炎(参考例)
頸部の結核性リンパ節炎(参考例)
結語
・小児結核性リンパ節炎の1例につき、画像所見を中心として文献的考察を加えて報告した。 ・小児の石灰化を伴うリンパ節腫脹の鑑別には結核性リンパ節炎が含まれる。
・結核菌は肺だけではなく、腸、胸膜、髄膜、腎臓、骨・関節などの様々な臓器に感染巣を作るため、全身の評価が必要である。
参考文献
・頸部リンパ節の画像診断 ‐転移性腫瘍、悪性リンパ腫および非腫瘍性病変‐ 酒井修 画像診断 Vol.23 No.11 2003 Page1346~
・結核症、非結核性抗酸菌症 国弘佳枝ら 画像診断Vol.31 No.1 2011 Page54~61
・結核性リンパ節炎 耳喉頭頸 77巻8号 P551~P553 ・臨床放射線 Vol.50 No.12 2005 Page1619~1621 ・肺外結核概論 伊藤邦彦 日本医事新報 No.4473 P59~
65 ・肺外結核の発生機序とその種類 永山直弘 薬局 Vol.59
No.13 2008 Page97~100 ・肺外結核 青木正和 臨床と研究 84巻4号 P76~80 Imaging of Extrapulmonary Tuberculosis(CME available in
print version and on RSNA Link)
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