1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:c-d 製 造 者:会社名・工場名 2級...

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構造用合板とは、建築物の構造上重要な部 位に使用する合板をいう。板面の品質は9つに 分類され、アルファベット2文字(A~D)の記号 によって、表板・裏板の板面の品質を表してい る。また、規定される強度試験の種類によって1 級と2級の等級がある。1級には等級を表板・裏 板の品質(大文字)で表すもの(表1)と板面の 品質によらず担保する曲げヤング係数と曲げ強 さを記号EとFで表示するもの(表2)がある。 さらに、接着剤の耐久性によって特類と1類の 類別がある。JASの基準に合格した構造用合 板には図2に示すマークがスタンプされている。 合板は丸太をカツラ剥きにした薄い板(単板、 ベニヤなどという)を、図1に示すように、接着剤 で貼り合わせて作った板である。通常は、奇数 枚の単板を繊維方向が1枚づつ直交するように 貼り合わせてある。単板の枚数はプライ数と呼 ばれ、3プライ、5プライ、7プライなどが標準で ある。なお、単板の繊維方向をそろえて貼り合 わせたものは単板積層材(LVL)という。 合板はベニヤ板と呼ばれたり、「ごうばん」と 発音されることがあるが、『ごうはん』が正しい 呼称である。 合板には次の長所がある。 製材の板と違って割れにくい 強度の異方性が小さい 他のボード類と比べて強い 他のボード類と比べて含水率変化による収 縮膨張が少ない 他のボード類と比べて耐水性が高い JAS規格(日本農林規格)に規定される合板に は次のものがある。 構造用合板 コンクリート型枠用合板 普通合板 天然木化粧合板 特殊加工化粧合板 2. 1 構造用合板の種類 1 1. 1 合板とは 1. 2 合板の特徴 1. 3 合板の種類 合板の基礎知識 2 構造用合板とは 表1. 強度等級を記号A、B、C、Dで 表わす構造用合板の等級と板面の品質 表2. 強度等級を 記号EとFで表わす 構造用合板1級の 強度等級 A-B A-C A-D B-B B-C B-D C-C C-D D-D a a a b b b c c d b c d b c d c d d 等級 板面の品質 表板 裏板 E50-F160 E55-F175 E60-F190 E65-F205 E70-F220 E75-F245 E80-F270 強度等級 図1. 合板の構成(5プライ合板の場合) 表  板(フェース) 添え心板(クロスバンド) 心  板(コアー) 添え心板(クロスバンド) 裏  板(バック) 5プライ(5枚合わせて) 合板の標準構成

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Page 1: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

 構造用合板とは、建築物の構造上重要な部位に使用する合板をいう。板面の品質は9つに分類され、アルファベット2文字(A~D)の記号によって、表板・裏板の板面の品質を表している。また、規定される強度試験の種類によって1級と2級の等級がある。1級には等級を表板・裏板の品質(大文字)で表すもの(表1)と板面の品質によらず担保する曲げヤング係数と曲げ強さを記号EとFで表示するもの(表2)がある。さらに、接着剤の耐久性によって特類と1類の

類別がある。JASの基準に合格した構造用合板には図2に示すマークがスタンプされている。

 合板は丸太をカツラ剥きにした薄い板(単板、ベニヤなどという)を、図1に示すように、接着剤で貼り合わせて作った板である。通常は、奇数枚の単板を繊維方向が1枚づつ直交するように貼り合わせてある。単板の枚数はプライ数と呼ばれ、3プライ、5プライ、7プライなどが標準である。なお、単板の繊維方向をそろえて貼り合わせたものは単板積層材(LVL)という。 合板はベニヤ板と呼ばれたり、「ごうばん」と発音されることがあるが、『ごうはん』が正しい呼称である。

 合板には次の長所がある。・製材の板と違って割れにくい・強度の異方性が小さい・他のボード類と比べて強い・他のボード類と比べて含水率変化による収縮膨張が少ない・他のボード類と比べて耐水性が高い

 JAS規格(日本農林規格)に規定される合板には次のものがある。・構造用合板・コンクリート型枠用合板・普通合板・天然木化粧合板・特殊加工化粧合板

2. 1 構造用合板の種類

1 1. 1 合板とは 1. 2 合板の特徴

1. 3 合板の種類

合板の基礎知識

2 構造用合板とは

表3. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板1級の適合基準

表4. 強度等級を記号EとFで表わす構造用合板1級の適合基準

表6. 単板厚さと構成比率

表5. 構造用合板2級の適合基準

6.0未満6.0以上7.5未満7.5以上9.0未満9.0以上12.0未満12.0以上15.0未満15.0以上18.0未満18.0以上21.0未満

21.0以上

E50-F160E55-F175E60-F190E65-F205E70-F220E75-F245E80-F270

15.0未満15.0以上18.0未満18.0以上24.0未満24.0以上

6.56.05.55.04.03.53.3

表面単板と同じ繊維方向の単板の厚さの合計の合板の厚さに対する比率が40%以上70%以下であること。

3以上4以上5以上7以上

1.0以上

5.5以下

16.017.519.020.522.024.527.0

5.05.56.06.57.07.58.0

単板数が3の場合:5.0,単板数が4の場合:6.5,単板数が5の場合:9.0,単板数が6以上の場合:10.0

単板数が3の場合:0.4,単板数が4の場合:1.1,単板数が5の場合:1.8,単板数が6以上の場合:2.2

42.038.034.032.026.024.024.026.0

38.036.032.028.024.022.022.024.0

34.032.028.026.022.020.020.022.0

8.58.07.06.55.55.05.05.5

8.014.012.016.020.020.020.018.0

8.014.012.016.020.020.020.018.0

8.014.012.016.020.020.020.018.0

0.51.02.02.53.54.04.03.5

3.2

厚さ(㎜)

厚さ(㎜)

強度等級

厚さ(㎜) 単板数 単板厚さ(㎜) 構成比率

A-BB-B

A-CB-CC-C

A-DB-DC-DD-D

曲げヤング係数(103N/㎜2)

A-BB-B

A-CB-CC-C

A-DB-DC-DD-D

曲げヤング係数(103N/㎜2)

曲げヤング係数

(103N/㎜2)

曲げヤング係数(単位:103N/㎜2)

面内せん断強さ(N/㎜2)

0°方向

表1. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板の等級と板面の品質

表2. 強度等級を記号EとFで表わす構造用合板1級の強度等級

A-BA-CA-DB-BB-CB-DC-CC-DD-D

aaabbbccd

bcdbcdcdd

等級板面の品質表板 裏板

0°方向 90°方向 0°方向 90°方向

曲げ強さ(N/㎜2)

曲げ強さ(N/㎜2)

曲げ

曲げ強さ(N/㎜2)

90°方向

A-B~D-D:合板の等級(板面の品質による)。0°, 90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。

0°, 90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。

E50-F160E55-F175E60-F190E65-F205

E70-F220E75-F245E80-F270

強度等級

図1. 合板の構成(5プライ合板の場合)

表  板(フェース)

添え心板(クロスバンド)

心  板(コアー)

添え心板(クロスバンド)

裏  板(バック)

5プライ(5枚合わせて)合板の標準構成

図2. JAS表示例

品  名:構造用合板寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:1級板面の品質:C-D製 造 者:会社名・工場名

6.0未満6.0以上7.5未満7.5以上9.0未満9.0以上12.0未満12.0以上24.0未満24.0以上28.0未満

28.0以上

1級

品  名:構造用合板寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:2級板面の品質:C-D製 造 者:会社名・工場名

2級

品  名:構造用合板寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:1級板面の品質:C-D曲げ性能:E60-F160製 造 者:会社名・工場名

1級

12㎜特類

12㎜特類

12㎜特類

Page 2: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

 構造用合板とは、建築物の構造上重要な部位に使用する合板をいう。板面の品質は9つに分類され、アルファベット2文字(A~D)の記号によって、表板・裏板の板面の品質を表している。また、規定される強度試験の種類によって1級と2級の等級がある。1級には等級を表板・裏板の品質(大文字)で表すもの(表1)と板面の品質によらず担保する曲げヤング係数と曲げ強さを記号EとFで表示するもの(表2)がある。さらに、接着剤の耐久性によって特類と1類の

類別がある。JASの基準に合格した構造用合板には図2に示すマークがスタンプされている。

 合板は丸太をカツラ剥きにした薄い板(単板、ベニヤなどという)を、図1に示すように、接着剤で貼り合わせて作った板である。通常は、奇数枚の単板を繊維方向が1枚づつ直交するように貼り合わせてある。単板の枚数はプライ数と呼ばれ、3プライ、5プライ、7プライなどが標準である。なお、単板の繊維方向をそろえて貼り合わせたものは単板積層材(LVL)という。 合板はベニヤ板と呼ばれたり、「ごうばん」と発音されることがあるが、『ごうはん』が正しい呼称である。

 合板には次の長所がある。・製材の板と違って割れにくい・強度の異方性が小さい・他のボード類と比べて強い・他のボード類と比べて含水率変化による収縮膨張が少ない・他のボード類と比べて耐水性が高い

 JAS規格(日本農林規格)に規定される合板には次のものがある。・構造用合板・コンクリート型枠用合板・普通合板・天然木化粧合板・特殊加工化粧合板

2. 1 構造用合板の種類

1 1. 1 合板とは 1. 2 合板の特徴

1. 3 合板の種類

合板の基礎知識

2 構造用合板とは

表3. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板1級の適合基準

表4. 強度等級を記号EとFで表わす構造用合板1級の適合基準

表6. 単板厚さと構成比率

表5. 構造用合板2級の適合基準

6.0未満6.0以上7.5未満7.5以上9.0未満9.0以上12.0未満12.0以上15.0未満15.0以上18.0未満18.0以上21.0未満

21.0以上

E50-F160E55-F175E60-F190E65-F205E70-F220E75-F245E80-F270

15.0未満15.0以上18.0未満18.0以上24.0未満24.0以上

6.56.05.55.04.03.53.3

表面単板と同じ繊維方向の単板の厚さの合計の合板の厚さに対する比率が40%以上70%以下であること。

3以上4以上5以上7以上

1.0以上

5.5以下

16.017.519.020.522.024.527.0

5.05.56.06.57.07.58.0

単板数が3の場合:5.0,単板数が4の場合:6.5,単板数が5の場合:9.0,単板数が6以上の場合:10.0

単板数が3の場合:0.4,単板数が4の場合:1.1,単板数が5の場合:1.8,単板数が6以上の場合:2.2

42.038.034.032.026.024.024.026.0

38.036.032.028.024.022.022.024.0

34.032.028.026.022.020.020.022.0

8.58.07.06.55.55.05.05.5

8.014.012.016.020.020.020.018.0

8.014.012.016.020.020.020.018.0

8.014.012.016.020.020.020.018.0

0.51.02.02.53.54.04.03.5

3.2

厚さ(㎜)

厚さ(㎜)

強度等級

厚さ(㎜) 単板数 単板厚さ(㎜) 構成比率

A-BB-B

A-CB-CC-C

A-DB-DC-DD-D

曲げヤング係数(103N/㎜2)

A-BB-B

A-CB-CC-C

A-DB-DC-DD-D

曲げヤング係数(103N/㎜2)

曲げヤング係数

(103N/㎜2)

曲げヤング係数(単位:103N/㎜2)

面内せん断強さ(N/㎜2)

0°方向

表1. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板の等級と板面の品質

表2. 強度等級を記号EとFで表わす構造用合板1級の強度等級

A-BA-CA-DB-BB-CB-DC-CC-DD-D

aaabbbccd

bcdbcdcdd

等級板面の品質表板 裏板

0°方向 90°方向 0°方向 90°方向

曲げ強さ(N/㎜2)

曲げ強さ(N/㎜2)

曲げ

曲げ強さ(N/㎜2)

90°方向

A-B~D-D:合板の等級(板面の品質による)。0°, 90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。

0°, 90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。

E50-F160E55-F175E60-F190E65-F205

E70-F220E75-F245E80-F270

強度等級

図1. 合板の構成(5プライ合板の場合)

表  板(フェース)

添え心板(クロスバンド)

心  板(コアー)

添え心板(クロスバンド)

裏  板(バック)

5プライ(5枚合わせて)合板の標準構成

図2. JAS表示例

品  名:構造用合板寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:1級板面の品質:C-D製 造 者:会社名・工場名

6.0未満6.0以上7.5未満7.5以上9.0未満9.0以上12.0未満12.0以上24.0未満24.0以上28.0未満

28.0以上

1級

品  名:構造用合板寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:2級板面の品質:C-D製 造 者:会社名・工場名

2級

品  名:構造用合板寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:1級板面の品質:C-D曲げ性能:E60-F160製 造 者:会社名・工場名

1級

12㎜特類

12㎜特類

12㎜特類

Page 3: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

2 表7. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板1級の基準許容応力度

3 3 5 5 5 7 7 7 9

10.5 9.5 8.5 8.0 6.5 6.0 6.0 6.5 6.5

9.5 9.0 8.0 7.0 6.0 5.5 5.5 6.0 6.0

8.5 8.0 7.0 6.5 5.5 5.0 5.0 5.5 5.5

6.5 5.5 6.0 5.0 5.0 4.0 5.0 5.0 5.0

6.0 5.0 5.5 4.5 4.5 3.5 4.5 4.5 4.5

5.5 4.5 5.0 4.0 4.0 3.0 4.0 4.0 4.0

4.5 4.0 4.0 3.5 3.5 3.0 3.5 3.5 3.5

4.0 3.5 4.0 3.5 3.5 2.5 3.5 3.5 3.5

4.0 3.5 3.5 3.0 3.0 2.5 3.0 3.0 3.0

2.0 3.5 3.0 4.0 5.0 5.0 5.0 4.5 4.5

2.0 3.5 3.0 4.0 5.0 5.0 5.0 4.5 4.5

2.0 3.5 3.0 4.0 5.0 5.0 5.0 4.5 4.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

2.5 3.5 2.5 3.5 3.5 4.0 3.5 3.5 3.5

2.5 3.5 2.5 3.5 3.5 4.0 3.5 3.5 3.5

2.5 3.5 2.5 3.5 3.5 4.0 3.5 3.5 3.5

AーB,B-B :1.4

A-C,B-C, C-C:1.3

A-D,B-D, C-D,D-D :1.2

0.4

厚さ(㎜) 積層 数

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

層内 せん断

面内 せん断

層内 せん断

めり 込み 引張 圧縮

面内 せん断

AーB,B-B :2.8

A-C,B-C, C-C:2.6

A-D,B-D, C-D,D-D :2.4

AーB,B-B :1.8

A-C,B-C, C-C:1.6

A-D,B-D, C-D,D-D :1.5

AーB,B-B :2.4

A-C,B-C, C-C:2.3

A-D,B-D, C-D,D-D :2.2

0.5

2.0

0°方向

曲げ 引張 圧縮 曲げ 引張 圧縮 せん断 せん断

90°方向 45°方向 0°,90°方向

A-B~D-D:板面の品質 単位:N/㎜2 0°,90°,45°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行、直交および45°の角度をなす場合。 めりこみは面に直角方向の場合 出 典:木質構造設計規準・同解説

表8. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板1級の基準弾性係数(強度等級によらない)

3 3 5 5 5 7 7 7 9

8.5 8.0 7.0 6.5 5.5 5.0 5.0 5.5 5.5

5.5 4.5 5.5 4.5 4.5 3.5 4.5 4.5 4.5

0.4 0.4

0.5 1.0 2.0 2.5 3.5 4.0 4.0 3.5 3.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

厚さ (㎜)

積層 数

0°方向 90°方向 45°方向

曲げ 引張および 圧縮

引張および 圧縮 曲げ

面内 せん断 弾性係数

2.5

面内 せん断 弾性係数

面内 せん断 弾性係数

単位:103N/㎜2 0°,90°,45°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行、直交および45°の角度をなす場合。 出典:木質構造設計規準・同解説

表9. 強度等級を記号EとFで表わす構造用合板1級の基準許容応力度と基準弾性係数

E50-F160 E55-F175 E60-F190 E65-F205 E70-F220 E75-F245 E80-F270

4.0 4.3 4.7 5.0 5.5 6.1 6.7

0.8

5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0

単板数が3の場合:1.2, 単板数が4の場合:1.6, 単板数が5の場合:2.2, 単板数が6以上の場合:2.5

単板数が3の場合:0.4, 単板数が4の場合:1.1, 単板数が5の場合:1.8, 単板数が6以上の場合:2.2

強度等級 面内 せん断

0.4

0.4

層内 せん断

曲げヤング係数 (単位:103N/㎜2)

せん断弾性係数 (単位:103N/㎜2)

0° 方向 90°方向

0° 方向 90°方向 (0°,90°方向)

許容応力度(単位:N/㎜2)

曲げ

0°,90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。 出典:木質構造設計規準・同解説

ヤング係数 ヤング係数

2.1-2 特類と1類

2.2 構造用合板の   許容応力度と   弾性係数  建築基準法では、構造用合板の許容応力度や弾性係数に関する規定はない。  強度等級を記号A、B、C、Dで表す1級の構造用合板の許容応力度は、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」において、表7のように提案されている。表中の基準許容応力度は、JAS規格の強度試験の適合基準に対して曲げで1/4、圧縮で1/3.5の値となっている。また、1級の構造用合板の基準弾性係数を表8に示す。1級のうち曲げヤング係数と曲げ強さを記号EとFで表示するものの基準許容応力度等については表9のように提案されている。  2級の構造用合板の主要な用途は、壁・床・屋根の下地であり、合板を張った壁・床・屋根の強度は実験的に評価され、特に合板の許容応力度が必要とされなかったため、その許容応力度は提案されていなかった。しかし、建築基準法の改正により構造計算で壁・床・屋根の設計を行うことが可能になったことから、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」において2級の構造用合板の基準許容応力度の値が表10のように提案された。この基準許容応力度の値は、JAS規格に基づき、最も強度の低い樹種であるエンゲルマンスプルースで製造された合板を対象に、0°方向および90°方向のそれぞれについて強度が最も低くなる単板構成を仮定して誘導されている。しかし、実際に使用され

る樹種は一般にエンゲルマンスプルースより強度が高いこと、0°と90°の両方向が最弱単板構成となることはありえない(例えば0°方向の最強単板構成は90°方向の最弱単板構成となる)ことから、提案されている値は相当の余裕を持った値である。なお、樹種や単板構成が特定できる場合は、基準許容応力度は表の値によらず、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」に示す誘導方法により計算することができる。  なお、実際の設計にあたっては基準許容応力度に荷重継続期間・寸法効果・含水率等の影響を勘案する係数を乗じて許容応力度を決定することとされている。また、各合板の基準

弾性係数は、表3-5に示したJAS規格の適合基準の値である。  各荷重継続期間に対する許容応力度は下記で求める。  長期許容応力度(50年相当)=1.1×(基準許容 応力度)  長期積雪時許容応力度(3ヶ月相当)=1.43×  (基準許容応力度)  短期積雪時許容応力度(3日相当)=1.6×(基 準許容応力度)  短期許容応力度(5分相当)=2.0×(基準許容 応力度)

5.0以上6.0未満 6.0以上7.5未満 7.5以上9.0未満 9.0以上12.0未満 12.0以上15.0未満 15.0以上18.0未満 18.0以上21.0未満 21.0以上24.0未満

24.0以上

5.0以上6.0未満 6.0以上7.5未満 7.5以上9.0未満 9.0以上12.0未満 12.0以上15.0未満 15.0以上18.0未満 18.0以上21.0未満 21.0以上24.0未満

24.0以上

 JAS規格の上では、1級と2級の違いは、規定されている強度試験などの種類であるが、実際上は、強度等級を記号A、B、C、Dで表わす1級の構造用合板は主としてラワン合板、強度等級を記号EとFで表わす1級および2級の構造用合板は針葉樹合板である。  1級の構造用合板は、高度な構造的利用を考えて基準が作られている。各種の強度を保証するため、表3に示すように、0°方向(長手方向)および90°方向(短手方向)のそれぞれに関する曲げ剛性試験・曲げ強度試験に加え、面内せん断試験が義務付けられている。また、曲げヤング係数と曲げ強さを記号EとFで表示するものについては表4のような適合基準が設けられている。  2級の構造用合板は、壁・床・屋根の下地板などの用途を考えて基準が作られている。一般的な使い方では強度は十分な余裕があるため、義務付けられている強度試験は、表5に示すように、0°方向の曲げ剛性試験のみとなっているが、曲げ強度を適切に推定できるように単板構成に関する断面性能として有効断面係数比を表示することもできる。  単板の厚さや構成にはある程度の自由度が持たされており、表6に示すようになっている。

2.1-1 1級と2級

 合板の接着部分の耐久性には、特類、1類、2類の類別があるが、構造用合板の場合は、特類または1類のいずれかとなっている。  特類の構造用合板は、常時湿潤状態における接着耐久性が確保されており、外壁や屋根の下地板に用いる。1類の構造用合板は通常の状態における接着耐久性が確保されており、防水紙等で防水処理を施した外壁・屋根、間仕切壁、床の下地板に用いる。  接着耐久性の評価は、促進劣化処理を施した後、接着強度や木部破断率を確かめることで行われる。特類の劣化処理は、試験片を72時間煮沸すること、または、室温水中に1時間

浸漬することをはさみ、130℃で2時間スチーミングすることを2度繰り返すもので、全ての単板が針葉樹の合板では、0.085MPa以上の減圧を30分間行った後、0.45-0.48MPaの加圧を30分間行う方法も取られる。いずれの処理も過酷な条件である。また、1類の接着耐久性試験も、試験片を60℃で20時間乾燥することをはさんで、4時間の煮沸を2度にわたって繰り返すか、120℃で3時間スチーミングするという厳しい方法である。

Page 4: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

2 表7. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板1級の基準許容応力度

3 3 5 5 5 7 7 7 9

10.5 9.5 8.5 8.0 6.5 6.0 6.0 6.5 6.5

9.5 9.0 8.0 7.0 6.0 5.5 5.5 6.0 6.0

8.5 8.0 7.0 6.5 5.5 5.0 5.0 5.5 5.5

6.5 5.5 6.0 5.0 5.0 4.0 5.0 5.0 5.0

6.0 5.0 5.5 4.5 4.5 3.5 4.5 4.5 4.5

5.5 4.5 5.0 4.0 4.0 3.0 4.0 4.0 4.0

4.5 4.0 4.0 3.5 3.5 3.0 3.5 3.5 3.5

4.0 3.5 4.0 3.5 3.5 2.5 3.5 3.5 3.5

4.0 3.5 3.5 3.0 3.0 2.5 3.0 3.0 3.0

2.0 3.5 3.0 4.0 5.0 5.0 5.0 4.5 4.5

2.0 3.5 3.0 4.0 5.0 5.0 5.0 4.5 4.5

2.0 3.5 3.0 4.0 5.0 5.0 5.0 4.5 4.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

2.5 3.5 2.5 3.5 3.5 4.0 3.5 3.5 3.5

2.5 3.5 2.5 3.5 3.5 4.0 3.5 3.5 3.5

2.5 3.5 2.5 3.5 3.5 4.0 3.5 3.5 3.5

AーB,B-B :1.4

A-C,B-C, C-C:1.3

A-D,B-D, C-D,D-D :1.2

0.4

厚さ(㎜) 積層 数

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

A-B B-B

A-C B-C C-C

A-D B-D C-D D-D

層内 せん断

面内 せん断

層内 せん断

めり 込み 引張 圧縮

面内 せん断

AーB,B-B :2.8

A-C,B-C, C-C:2.6

A-D,B-D, C-D,D-D :2.4

AーB,B-B :1.8

A-C,B-C, C-C:1.6

A-D,B-D, C-D,D-D :1.5

AーB,B-B :2.4

A-C,B-C, C-C:2.3

A-D,B-D, C-D,D-D :2.2

0.5

2.0

0°方向

曲げ 引張 圧縮 曲げ 引張 圧縮 せん断 せん断

90°方向 45°方向 0°,90°方向

A-B~D-D:板面の品質 単位:N/㎜2 0°,90°,45°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行、直交および45°の角度をなす場合。 めりこみは面に直角方向の場合 出 典:木質構造設計規準・同解説

表8. 強度等級を記号A、B、C、Dで表わす構造用合板1級の基準弾性係数(強度等級によらない)

3 3 5 5 5 7 7 7 9

8.5 8.0 7.0 6.5 5.5 5.0 5.0 5.5 5.5

5.5 4.5 5.5 4.5 4.5 3.5 4.5 4.5 4.5

0.4 0.4

0.5 1.0 2.0 2.5 3.5 4.0 4.0 3.5 3.5

3.5 4.5 3.5 4.5 4.5 5.5 4.5 4.5 4.5

厚さ (㎜)

積層 数

0°方向 90°方向 45°方向

曲げ 引張および 圧縮

引張および 圧縮 曲げ

面内 せん断 弾性係数

2.5

面内 せん断 弾性係数

面内 せん断 弾性係数

単位:103N/㎜2 0°,90°,45°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行、直交および45°の角度をなす場合。 出典:木質構造設計規準・同解説

表9. 強度等級を記号EとFで表わす構造用合板1級の基準許容応力度と基準弾性係数

E50-F160 E55-F175 E60-F190 E65-F205 E70-F220 E75-F245 E80-F270

4.0 4.3 4.7 5.0 5.5 6.1 6.7

0.8

5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0

単板数が3の場合:1.2, 単板数が4の場合:1.6, 単板数が5の場合:2.2, 単板数が6以上の場合:2.5

単板数が3の場合:0.4, 単板数が4の場合:1.1, 単板数が5の場合:1.8, 単板数が6以上の場合:2.2

強度等級 面内 せん断

0.4

0.4

層内 せん断

曲げヤング係数 (単位:103N/㎜2)

せん断弾性係数 (単位:103N/㎜2)

0° 方向 90°方向

0° 方向 90°方向 (0°,90°方向)

許容応力度(単位:N/㎜2)

曲げ

0°,90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。 出典:木質構造設計規準・同解説

ヤング係数 ヤング係数

2.1-2 特類と1類

2.2 構造用合板の   許容応力度と   弾性係数  建築基準法では、構造用合板の許容応力度や弾性係数に関する規定はない。  強度等級を記号A、B、C、Dで表す1級の構造用合板の許容応力度は、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」において、表7のように提案されている。表中の基準許容応力度は、JAS規格の強度試験の適合基準に対して曲げで1/4、圧縮で1/3.5の値となっている。また、1級の構造用合板の基準弾性係数を表8に示す。1級のうち曲げヤング係数と曲げ強さを記号EとFで表示するものの基準許容応力度等については表9のように提案されている。  2級の構造用合板の主要な用途は、壁・床・屋根の下地であり、合板を張った壁・床・屋根の強度は実験的に評価され、特に合板の許容応力度が必要とされなかったため、その許容応力度は提案されていなかった。しかし、建築基準法の改正により構造計算で壁・床・屋根の設計を行うことが可能になったことから、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」において2級の構造用合板の基準許容応力度の値が表10のように提案された。この基準許容応力度の値は、JAS規格に基づき、最も強度の低い樹種であるエンゲルマンスプルースで製造された合板を対象に、0°方向および90°方向のそれぞれについて強度が最も低くなる単板構成を仮定して誘導されている。しかし、実際に使用され

る樹種は一般にエンゲルマンスプルースより強度が高いこと、0°と90°の両方向が最弱単板構成となることはありえない(例えば0°方向の最強単板構成は90°方向の最弱単板構成となる)ことから、提案されている値は相当の余裕を持った値である。なお、樹種や単板構成が特定できる場合は、基準許容応力度は表の値によらず、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」に示す誘導方法により計算することができる。  なお、実際の設計にあたっては基準許容応力度に荷重継続期間・寸法効果・含水率等の影響を勘案する係数を乗じて許容応力度を決定することとされている。また、各合板の基準

弾性係数は、表3-5に示したJAS規格の適合基準の値である。  各荷重継続期間に対する許容応力度は下記で求める。  長期許容応力度(50年相当)=1.1×(基準許容 応力度)  長期積雪時許容応力度(3ヶ月相当)=1.43×  (基準許容応力度)  短期積雪時許容応力度(3日相当)=1.6×(基 準許容応力度)  短期許容応力度(5分相当)=2.0×(基準許容 応力度)

5.0以上6.0未満 6.0以上7.5未満 7.5以上9.0未満 9.0以上12.0未満 12.0以上15.0未満 15.0以上18.0未満 18.0以上21.0未満 21.0以上24.0未満

24.0以上

5.0以上6.0未満 6.0以上7.5未満 7.5以上9.0未満 9.0以上12.0未満 12.0以上15.0未満 15.0以上18.0未満 18.0以上21.0未満 21.0以上24.0未満

24.0以上

 JAS規格の上では、1級と2級の違いは、規定されている強度試験などの種類であるが、実際上は、強度等級を記号A、B、C、Dで表わす1級の構造用合板は主としてラワン合板、強度等級を記号EとFで表わす1級および2級の構造用合板は針葉樹合板である。  1級の構造用合板は、高度な構造的利用を考えて基準が作られている。各種の強度を保証するため、表3に示すように、0°方向(長手方向)および90°方向(短手方向)のそれぞれに関する曲げ剛性試験・曲げ強度試験に加え、面内せん断試験が義務付けられている。また、曲げヤング係数と曲げ強さを記号EとFで表示するものについては表4のような適合基準が設けられている。  2級の構造用合板は、壁・床・屋根の下地板などの用途を考えて基準が作られている。一般的な使い方では強度は十分な余裕があるため、義務付けられている強度試験は、表5に示すように、0°方向の曲げ剛性試験のみとなっているが、曲げ強度を適切に推定できるように単板構成に関する断面性能として有効断面係数比を表示することもできる。  単板の厚さや構成にはある程度の自由度が持たされており、表6に示すようになっている。

2.1-1 1級と2級

 合板の接着部分の耐久性には、特類、1類、2類の類別があるが、構造用合板の場合は、特類または1類のいずれかとなっている。  特類の構造用合板は、常時湿潤状態における接着耐久性が確保されており、外壁や屋根の下地板に用いる。1類の構造用合板は通常の状態における接着耐久性が確保されており、防水紙等で防水処理を施した外壁・屋根、間仕切壁、床の下地板に用いる。  接着耐久性の評価は、促進劣化処理を施した後、接着強度や木部破断率を確かめることで行われる。特類の劣化処理は、試験片を72時間煮沸すること、または、室温水中に1時間

浸漬することをはさみ、130℃で2時間スチーミングすることを2度繰り返すもので、全ての単板が針葉樹の合板では、0.085MPa以上の減圧を30分間行った後、0.45-0.48MPaの加圧を30分間行う方法も取られる。いずれの処理も過酷な条件である。また、1類の接着耐久性試験も、試験片を60℃で20時間乾燥することをはさんで、4時間の煮沸を2度にわたって繰り返すか、120℃で3時間スチーミングするという厳しい方法である。

Page 5: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

 合板─軸材釘接合部の許容せん断耐力は、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」第4版及び(社)日本ツーバイフォー建築協会編「2007年枠組壁工法建築物構造計算指針」などにより表11のように計算することができる。

 近年、住宅の気密性が高まるなか、住宅の室内空気を汚染するさまざまな化学物質、いわゆるVOC(揮発性有機化合物)による健康問題が各方面で広く論議されている。  合板等から放散されるホルムアルデヒドも室内空気汚染の原因物質の一つとして大きく取り上げられ「シックハウス症候群」との関連が指摘されている。  これを受けて厚生労働省では、快適で健康的な住宅に関する検討会議を設置し、住宅衛生全般における検討が行われた。平成9年度に、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値として世界保健機構(WHO)と同じ「30分平均値で0.1㎎/m3以下(23℃:0.08ppm)」を定めている。また、国土交通省が主体となり「健康住宅研究会」及び「木質建材環境問題委員会」が設置され、数々の実験成果を基にして、室内空気中濃度と住宅部材段階での木質建材使用量との関係等

が明らかにされた。そして「住宅品質確保促進法(品確法)」の施行により、さらに建材の安全性が求められるようになった。  国土交通省は平成12年6月に「室内空気対策研究会」を設置し、新築住宅等の大規模な実態調査を実施した。その結果、最近新築される住宅等については一定の改善傾向が見られるものの、新築住宅等の中には化学物質の室内濃度が厚生労働省の設定する指針値を超えるものが多数存在することが明らかになっており、化学物質による室内空気汚染により人の健康への影響が懸念される状況になっている。  このため、国土交通省では建築基準法の改正により建築材料及び換気設備に関する新たな規制措置を講じることとなった。  シックハウス対策のための建築基準法改正の主な内容は、①ホルムアルデヒド発散建材の内装仕上げ材への使用面積制限と同時に換気設備

・構造用合板の標準寸法は表12のとおりである。 ・構造用合板の生産品目は表13のとおりである。 2

2.3 構造用合板の釘接合許容せん断耐力

2.4 構造用合板の標準寸法と生産品目

2.5 構造用合板のホルムアルデヒド放散量

表10. 構造用合板2級の基準許容応力度と基準弾性係数

5.0  

6.0  

7.5  

9.0  

12.0  

15.0  

18.0  

21.0  

 24.0  

28.0以上

5.2 4.8 4.3 3.9 3.3 2.7 2.4 2.2 2.2 2.0

0.8 0.4 0.8 0.4

6.5 6.5 5.5 5.0 4.0 4.0 4.0 4.0 3.5 3.3

0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.6 1.1 1.1 1.4 1.7

厚さ (㎜)

弾性係数(単位:103N/㎜2) 許容応力度(単位:N/㎜2) 曲げヤング係数 曲げ

90°方向 90°方向 0°方向 0°方向 面内せん断弾性係数 (0°,90°方向)

層内 せん断

面内 せん断

0°, 90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。 出典および誘導方法:木質構造設計規準・同解説

(注)N65釘とCN65釘の許容せん断耐力は、厚さ34mm以下の合板に限る

表11. 合板̶軸材釘接合許容せん断耐力

900 900 910 910 910 910 910 955

1,000 1,220 1,220

幅 長さ

5.0、6.0、7.5、9.0、12.0、 15.0、18.0、21.0、24.0、 28.0、30.0、35.0

*さね付合板  920mm×1,820mm       1,010mm×2,000mm

寸法 (㎜)

厚さ (㎜)

1,800 1,818 1,820 2,130 2,440 2,730 3,030 1,820 2,000 2,440 2,730

*縦継ぎ構造用合板の寸法 9㎜:910㎜×2,430㎜、2,730㎜、3,030㎜、

       3,330㎜、3,630㎜ 12㎜:910㎜×2,730㎜、3,030㎜

根太仕様

根太省略仕様

屋 根 下 地

壁 下 地

床下地

そ の 他

等 級

ホルムアルデヒド放散量

主 な 樹 種

9㎜、12㎜、15㎜、18㎜、24㎜、28㎜以上

7.5㎜、9㎜、12㎜、24㎜

12㎜、15㎜、18㎜、21㎜

24㎜、28㎜以上

5㎜、6㎜

1級、2級

F☆☆☆☆、F☆☆☆

表12. 標準寸法 表13. 生産品目

スギ、カラマツ、アカマツ、ヒノキ トドマツ、ラーチ、ラジアータパイン ラワン etc

7.5

9

12

15

18

21

24以上 35以下 (注)

N50

CN50

N50

CN50

N50

CN50

N65

CN65

N65

CN65

N75

CN75

N65

CN65

N75

CN75

N65

CN65

N75

CN75

N65

CN65

N75

CN75

350

380

360

390

410

440

480

530

530

590

600

700

580

640

660

770

580

640

660

810

580

640

660

810

360

390

380

400

420

450

490

540

550

600

620

720

600

660

690

790

600

660

690

840

600

660

690

840

釘接合短期許容せん断耐力 (N/本)

軸材の樹種

ベイツガ、 ヒバ、

ヒノキなど

ベイマツ、 アカマツ、 カラマツなど

スギ、 エゾマツ、

スプルースなど

370

400

380

410

430

460

500

550

560

610

630

740

620

680

700

810

620

680

710

870

620

680

710

870

釘 合板厚さ (mm)

Page 6: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

 合板─軸材釘接合部の許容せん断耐力は、日本建築学会編「木質構造設計規準・同解説」第4版及び(社)日本ツーバイフォー建築協会編「2007年枠組壁工法建築物構造計算指針」などにより表11のように計算することができる。

 近年、住宅の気密性が高まるなか、住宅の室内空気を汚染するさまざまな化学物質、いわゆるVOC(揮発性有機化合物)による健康問題が各方面で広く論議されている。  合板等から放散されるホルムアルデヒドも室内空気汚染の原因物質の一つとして大きく取り上げられ「シックハウス症候群」との関連が指摘されている。  これを受けて厚生労働省では、快適で健康的な住宅に関する検討会議を設置し、住宅衛生全般における検討が行われた。平成9年度に、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値として世界保健機構(WHO)と同じ「30分平均値で0.1㎎/m3以下(23℃:0.08ppm)」を定めている。また、国土交通省が主体となり「健康住宅研究会」及び「木質建材環境問題委員会」が設置され、数々の実験成果を基にして、室内空気中濃度と住宅部材段階での木質建材使用量との関係等

が明らかにされた。そして「住宅品質確保促進法(品確法)」の施行により、さらに建材の安全性が求められるようになった。  国土交通省は平成12年6月に「室内空気対策研究会」を設置し、新築住宅等の大規模な実態調査を実施した。その結果、最近新築される住宅等については一定の改善傾向が見られるものの、新築住宅等の中には化学物質の室内濃度が厚生労働省の設定する指針値を超えるものが多数存在することが明らかになっており、化学物質による室内空気汚染により人の健康への影響が懸念される状況になっている。  このため、国土交通省では建築基準法の改正により建築材料及び換気設備に関する新たな規制措置を講じることとなった。  シックハウス対策のための建築基準法改正の主な内容は、①ホルムアルデヒド発散建材の内装仕上げ材への使用面積制限と同時に換気設備

・構造用合板の標準寸法は表12のとおりである。 ・構造用合板の生産品目は表13のとおりである。 2

2.3 構造用合板の釘接合許容せん断耐力

2.4 構造用合板の標準寸法と生産品目

2.5 構造用合板のホルムアルデヒド放散量

表10. 構造用合板2級の基準許容応力度と基準弾性係数

5.0  

6.0  

7.5  

9.0  

12.0  

15.0  

18.0  

21.0  

 24.0  

28.0以上

5.2 4.8 4.3 3.9 3.3 2.7 2.4 2.2 2.2 2.0

0.8 0.4 0.8 0.4

6.5 6.5 5.5 5.0 4.0 4.0 4.0 4.0 3.5 3.3

0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.6 1.1 1.1 1.4 1.7

厚さ (㎜)

弾性係数(単位:103N/㎜2) 許容応力度(単位:N/㎜2) 曲げヤング係数 曲げ

90°方向 90°方向 0°方向 0°方向 面内せん断弾性係数 (0°,90°方向)

層内 せん断

面内 せん断

0°, 90°:表板の繊維方向がスパン方向または荷重方向にそれぞれ平行および直交する場合。 出典および誘導方法:木質構造設計規準・同解説

(注)N65釘とCN65釘の許容せん断耐力は、厚さ34mm以下の合板に限る

表11. 合板̶軸材釘接合許容せん断耐力

900 900 910 910 910 910 910 955

1,000 1,220 1,220

幅 長さ

5.0、6.0、7.5、9.0、12.0、 15.0、18.0、21.0、24.0、 28.0、30.0、35.0

*さね付合板  920mm×1,820mm       1,010mm×2,000mm

寸法 (㎜)

厚さ (㎜)

1,800 1,818 1,820 2,130 2,440 2,730 3,030 1,820 2,000 2,440 2,730

*縦継ぎ構造用合板の寸法 9㎜:910㎜×2,430㎜、2,730㎜、3,030㎜、

       3,330㎜、3,630㎜ 12㎜:910㎜×2,730㎜、3,030㎜

根太仕様

根太省略仕様

屋 根 下 地

壁 下 地

床下地

そ の 他

等 級

ホルムアルデヒド放散量

主 な 樹 種

9㎜、12㎜、15㎜、18㎜、24㎜、28㎜以上

7.5㎜、9㎜、12㎜、24㎜

12㎜、15㎜、18㎜、21㎜

24㎜、28㎜以上

5㎜、6㎜

1級、2級

F☆☆☆☆、F☆☆☆

表12. 標準寸法 表13. 生産品目

スギ、カラマツ、アカマツ、ヒノキ トドマツ、ラーチ、ラジアータパイン ラワン etc

7.5

9

12

15

18

21

24以上 35以下 (注)

N50

CN50

N50

CN50

N50

CN50

N65

CN65

N65

CN65

N75

CN75

N65

CN65

N75

CN75

N65

CN65

N75

CN75

N65

CN65

N75

CN75

350

380

360

390

410

440

480

530

530

590

600

700

580

640

660

770

580

640

660

810

580

640

660

810

360

390

380

400

420

450

490

540

550

600

620

720

600

660

690

790

600

660

690

840

600

660

690

840

釘接合短期許容せん断耐力 (N/本)

軸材の樹種

ベイツガ、 ヒバ、

ヒノキなど

ベイマツ、 アカマツ、 カラマツなど

スギ、 エゾマツ、

スプルースなど

370

400

380

410

430

460

500

550

560

610

630

740

620

680

700

810

620

680

710

870

620

680

710

870

釘 合板厚さ (mm)

Page 7: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

品  名:構造用合板(低ホル)寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:1級板面の品質:C-Dホルムアルデヒド 放散量:F☆☆☆☆製 造 者:会社名・工場名

の設置の義務化、②防腐剤としてのクロルピリホスの全面使用禁止等であり、平成14年7月12日「建築基準法等の一部を改正する法律」として公布され、平成15年7月1日から施行されることとなった。 主な改正点は、改正建築基準法ではホルムアルデヒドの室内濃度については、厚生労働省が定めた指針値を上回らないようホルムアルデヒドを放散するおそれのある建築材料については、換気回数と当該建築材料のホルムアルデヒド発散速度に応じて、内装仕上げの使用面積を制限することとなった。 平成14年12月26日にはシックハウス対策技術的基準に係る政令および告示が公布され、その後も7月1日施行に向けて順次関係政令・告示が公布された。 農林水産省でも改正建築基準法に伴うシックハウス対策を推進するため、従来のJAS規格によるホルムアルデヒド放散量基準(Fc0、Fcl、Fc2)

が見直され、構造用合板についても表14のとおり改正された。このJAS規格は平成15年3月29日から施行された。 改正規格では、従来のFc0の上位基準を設け、放散量等級を4つとした(表14)。また、表示記号については、JIS規格と表示の整合性を図ることから放散量の等級を☆の数で分けることとし、この基準に適合したものだけに図3のようなJASマークの表示が行われている。基準値はデシケータ法による放散量の程度(ホルムアルデヒド放散量単位:㎎/L)に従って区分されている。 放散量等級は改正建築基準法の発散速度基準と対応している(表15)。最上位等級のF☆☆☆☆では内装仕上げとして無制限に使用することが認められており、F☆☆☆(従来のFc0)、F☆☆(同Fc1)では換気回数に応じて使用可能面積が制限されF☆(従来のFc2、放散量等級のないもの)は使用できない。

2

図3. ホルムアルデヒド放散量の表示例

1級

構造用合板(低ホル)12×910×1820㎜C-D会社名・工場名

2級

表15. 内装仕上げの制限(ホルムアルデヒド発散建築材料の基準等)

表14. JAS規格基準値と表示記号

F☆☆☆☆

小屋裏等では面積の制限なし

ホルムアルデヒドの発散速度基準(*1)

告示で定める建築材料 内装仕上使用可能面積名  称 対応する規格 換気回数0.7回以上換気回数0.5回以上

規制対象外(上位規格)

JIS、JASのF☆☆☆☆

床面積の2倍以内

床面積の5倍以内

床面積の約0.3倍以内

床面積の約0.8倍以内

面積の制限なし

使用できない

JIS、JASのF☆☆☆

(旧E0、Fc0)

JIS、JASのF☆☆

(旧E1、Fc1)

JIS、JASのF☆

(旧E2、Fc2)

第3種ホルムアルデヒド発散建築材料

第2種ホルムアルデヒド発散建築材料

第1種ホルムアルデヒド発散建築材料

0.005㎎/㎡h以下

0.005㎎/㎡h超0.02㎎/㎡h以下

0.02㎎/㎡h超0.12㎎/㎡h以下

0.12㎎/㎡h以下

改正前の基準(15年3月28日まで)

表示記号

Fc0

Fc1

Fc2

0.5㎎/L以下

1.5㎎/L以下

5.0㎎/L以下

0.7㎎/L以下

2.1㎎/L以下

7.0㎎/L以下

F☆☆☆

F☆☆☆☆

F☆☆

F☆

0.5㎎/L以下

1.5㎎/L以下

5.0㎎/L以下

0.7㎎/L以下

0.3㎎/L以下 0.4㎎/L以下

2.1㎎/L以下

7.0㎎/L以下

基準値

平均値 最大値表示記号

基準値

平均値 最大値

改正後の基準(15年3月29日から)

*1:測定条件:温度28℃、相対湿度50%、ホルムアルデヒド濃度0.1㎎/m3(=指針値)*2:建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし*3:告示で定める建築材料に対応する規格の他に、大臣認定を受けた建築材料として、第20条の5第4項の認定(上位規格)、第20条の5第3項の認定(第3種)、   第20条の5第2項の認定(第2種)がある。

12㎜特類 12㎜1類

Page 8: 1 合板の基礎知識等 級:2級 板面の品質:C-D 製 造 者:会社名・工場名 2級 品 名:構造用合板 寸 法:12.0×910×1820 接着性能:特類 等 級:1級

品  名:構造用合板(低ホル)寸  法:12.0×910×1820㎜接着性能:特類等  級:1級板面の品質:C-Dホルムアルデヒド 放散量:F☆☆☆☆製 造 者:会社名・工場名

の設置の義務化、②防腐剤としてのクロルピリホスの全面使用禁止等であり、平成14年7月12日「建築基準法等の一部を改正する法律」として公布され、平成15年7月1日から施行されることとなった。 主な改正点は、改正建築基準法ではホルムアルデヒドの室内濃度については、厚生労働省が定めた指針値を上回らないようホルムアルデヒドを放散するおそれのある建築材料については、換気回数と当該建築材料のホルムアルデヒド発散速度に応じて、内装仕上げの使用面積を制限することとなった。 平成14年12月26日にはシックハウス対策技術的基準に係る政令および告示が公布され、その後も7月1日施行に向けて順次関係政令・告示が公布された。 農林水産省でも改正建築基準法に伴うシックハウス対策を推進するため、従来のJAS規格によるホルムアルデヒド放散量基準(Fc0、Fcl、Fc2)

が見直され、構造用合板についても表14のとおり改正された。このJAS規格は平成15年3月29日から施行された。 改正規格では、従来のFc0の上位基準を設け、放散量等級を4つとした(表14)。また、表示記号については、JIS規格と表示の整合性を図ることから放散量の等級を☆の数で分けることとし、この基準に適合したものだけに図3のようなJASマークの表示が行われている。基準値はデシケータ法による放散量の程度(ホルムアルデヒド放散量単位:㎎/L)に従って区分されている。 放散量等級は改正建築基準法の発散速度基準と対応している(表15)。最上位等級のF☆☆☆☆では内装仕上げとして無制限に使用することが認められており、F☆☆☆(従来のFc0)、F☆☆(同Fc1)では換気回数に応じて使用可能面積が制限されF☆(従来のFc2、放散量等級のないもの)は使用できない。

2

図3. ホルムアルデヒド放散量の表示例

1級

構造用合板(低ホル)12×910×1820㎜C-D会社名・工場名

2級

表15. 内装仕上げの制限(ホルムアルデヒド発散建築材料の基準等)

表14. JAS規格基準値と表示記号

F☆☆☆☆

小屋裏等では面積の制限なし

ホルムアルデヒドの発散速度基準(*1)

告示で定める建築材料 内装仕上使用可能面積名  称 対応する規格 換気回数0.7回以上換気回数0.5回以上

規制対象外(上位規格)

JIS、JASのF☆☆☆☆

床面積の2倍以内

床面積の5倍以内

床面積の約0.3倍以内

床面積の約0.8倍以内

面積の制限なし

使用できない

JIS、JASのF☆☆☆

(旧E0、Fc0)

JIS、JASのF☆☆

(旧E1、Fc1)

JIS、JASのF☆

(旧E2、Fc2)

第3種ホルムアルデヒド発散建築材料

第2種ホルムアルデヒド発散建築材料

第1種ホルムアルデヒド発散建築材料

0.005㎎/㎡h以下

0.005㎎/㎡h超0.02㎎/㎡h以下

0.02㎎/㎡h超0.12㎎/㎡h以下

0.12㎎/㎡h以下

改正前の基準(15年3月28日まで)

表示記号

Fc0

Fc1

Fc2

0.5㎎/L以下

1.5㎎/L以下

5.0㎎/L以下

0.7㎎/L以下

2.1㎎/L以下

7.0㎎/L以下

F☆☆☆

F☆☆☆☆

F☆☆

F☆

0.5㎎/L以下

1.5㎎/L以下

5.0㎎/L以下

0.7㎎/L以下

0.3㎎/L以下 0.4㎎/L以下

2.1㎎/L以下

7.0㎎/L以下

基準値

平均値 最大値表示記号

基準値

平均値 最大値

改正後の基準(15年3月29日から)

*1:測定条件:温度28℃、相対湿度50%、ホルムアルデヒド濃度0.1㎎/m3(=指針値)*2:建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし*3:告示で定める建築材料に対応する規格の他に、大臣認定を受けた建築材料として、第20条の5第4項の認定(上位規格)、第20条の5第3項の認定(第3種)、   第20条の5第2項の認定(第2種)がある。

12㎜特類 12㎜1類