1 力学的エネルギー e 117 1...117 1 力学的エネルギー 質量2.0 kg の物体が地...

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1 力学的エネルギー E 物体がもっている 運動エネルギー K と位置エネルギー U の和を力 学的エネルギー E という。E=K+U の中身は, E= 1 2 mv 2 +mgh + 1 2 kx 2 位置エネルギー 運動エネルギー 2 力学的エネルギー保存の法則 重力やばねの弾性力のみがはたらく場合,物 体のもつ力学的エネルギー E は増減せずに一定 に保たれる(保存される)。 E=(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定 保存力 重力や弾性力のように,力のする仕事 が途中の経路によらず,始点と終点の位置だけで 決まる力。力学的エネルギーが保存される。 摩擦や抵抗(非保存力)があると保存されない。 重力がはたらくときの力学的エネルギー E= 1 2 mv 1 2 +mgh 1 = 1 2 mv 2 2 +mgh 2 117 1 力学的エネルギー 質量 2.0 kg の物体が地 面(重力による位置エネルギーの基準面)から 2.5 m の高さのところを 4.0 m/s の速さで運動している。 この物体の力学的エネルギーはいくらか。 118 2 斜面に沿ってすべる物体 質量 1.0 kg 物体を高さ 2.5 m のところから,なめらかな斜面に 沿ってすべらせた。斜面の下に着くときの速さ v いくらか。 119 2 ブランコ 最下点より 10 m 高い位置に静止 している状態からブランコでおりた。最下点での速 v はいくらか。 120 力学的エネルギーの保存 図のように線分 XX' から 4.9 m の高さの点Aで静かに小球をはなしたとこ ろ,小球はなめらかな斜面をすべって点 B から飛び出し, 高さ 2.4 m の最高点 C を通過した。 B から飛び出すときの小球の速さはいくらか。 最高点 C の小球の速さはいくらか。 重力による位置エネルギーの基準面める。 ABC,それぞれの位置での力学的エネルギーについてえる。 求める速さを v ,小球の質量を m とすると,力 学的エネルギー保存の法則より,XX' を重力による位 置エネルギーの基準面として, 1 2 mv =m×9.8×4.9 よって,v =9.8[m/s求める速さを v とすると,⑴と同様に力学的エネル ギー保存の法則より, 1 2 mv +m×9.8×2.4=m×9.8×4.9 よって,v =7.0[m/s] 16 16 力学的エネルギーの保存⑴ 117 65 J 118 7.0 m/s 119 14 m/s 44

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Page 1: 1 力学的エネルギー E 117 1...117 1 力学的エネルギー 質量2.0 kg の物体が地 面(重力による位置エネルギーの基準面)から2.5 m の高さのところを4.0

ステップアップノート 物理基礎 P044-047 Page 2 16/04/08 14:28

1 力学的エネルギー E 物体がもっている

運動エネルギー Kと位置エネルギー Uの和を力学的エネルギー Eという。E=K+U の中身は,

E=12

mv2+mgh+ 12

kx2位置エネルギー運動エネルギー

2 力学的エネルギー保存の法則重力やばねの弾性力のみがはたらく場合,物

体のもつ力学的エネルギー Eは増減せずに一定に保たれる(保存される)。

E=(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定阿 保存力 重力や弾性力のように,力のする仕事が途中の経路によらず,始点と終点の位置だけで決まる力。力学的エネルギーが保存される。

阿 摩擦や抵抗(非保存力)があると保存されない。① 重力がはたらくときの力学的エネルギー

E=12

mv12+mgh1=

12

mv22+mgh2

117 1 力学的エネルギー 質量 2.0 kgの物体が地面(重力による位置エネルギーの基準面)から 2.5 m

の高さのところを 4.0 m/sの速さで運動している。この物体の力学的エネルギーはいくらか。

118 2 斜面に沿ってすべる物体 質量 1.0 kg の物体を高さ 2.5 mのところから,なめらかな斜面に沿ってすべらせた。斜面の下に着くときの速さ vはいくらか。

119 2 ブランコ 最下点より 10 m高い位置に静止している状態からブランコでおりた。最下点での速さ vはいくらか。

120 力学的エネルギーの保存 図のように線分XX'から 4.9 mの高さの点Aで静かに小球をはなしたところ,小球はなめらかな斜面をすべって点Bから飛び出し,高さ 2.4 mの最高点Cを通過した。⑴ 点Bから飛び出すときの小球の速さはいくらか。⑵ 最高点Cの小球の速さはいくらか。

重力による位置エネルギーの基準面を決める。点A,B,C,それぞれの位置での力学的エネルギーについて考える。

解 ⑴ 求める速さを v,小球の質量をmとすると,力学的エネルギー保存の法則より,XX'を重力による位置エネルギーの基準面として,

12

mv=m×9.8×4.9 よって,v=9.8[m/s〕

⑵ 求める速さを vとすると,⑴と同様に力学的エネルギー保存の法則より,

12

mv+m×9.8×2.4=m×9.8×4.9

よって,v=7.0[m/s]

1616力学的エネルギーの保存⑴

117 65 J 118 7.0 m/s 119 14 m/s44

Page 2: 1 力学的エネルギー E 117 1...117 1 力学的エネルギー 質量2.0 kg の物体が地 面(重力による位置エネルギーの基準面)から2.5 m の高さのところを4.0

ステップアップノート 物理基礎 P044-047 Page 3 16/04/08 14:28

121 ジェットコースター 遊園地で図のような高さ 40 mのところからなめらかにすべりおりるループコースターに乗った。コースターが点Aから静かにすべりおりた。⑴ 点Bでの速さはいくらか。

⑵ 高さ 30mの点Cでの速さはいくらか。

122 ブランコと落下 図のように,長さ 20 mの軽いひもにおもりをつけ,鉛直方向と 60°の角をなす位置

から静かにはなした。 2 =1.41 とする。⑴ 最下点でのおもりの速さはいくらか。

⑵ ひもの長さの半分の位置にくいがあり,これにひもがひっかかった場合,おもりはどこまで上がるか。ただし,ひもとくいとの間の摩擦は無視できるものとする。

⑶ 最下点でひもが切れて 10 m下の地面へ落下した場合,地面に到達する直前のおもりの速さはいくらか。

123 どちらが速い? 図のように,質量・形状ともに等しい物体AとBを,10 mの高さから 30°と 60°の斜面に沿って初速度 0ですべり落とす。摩擦や抵抗はないものとする。⑴ 下端に達したときの物体AとBの速さはいくらか。

⑵ 物体Aの質量が,物体Bの質量の 2倍のとき,下端に達したときの速さはどうなるか。

⑶ 物体AとBでは,どちらが先に下端に到達するか。

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学習日 月 日