1 本書の使い方 · 2015-10-07 · 4.7 プログラミング ... it...

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目 次 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 本書の使い方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 第1章 IT パスポート試験とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 第2章 試験の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 第3章 出題のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 第4章 本書を使った学習方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 理解度診断テスト 問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 試験の出題ポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 第1章 ストラテジ系(企業と法務・経営戦略・システム戦略) ・・ 48 1.1 企業活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54 1.2 法務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88 1.3 経営戦略マネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107 1.4 技術戦略マネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 125 1.5 ビジネスインダストリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 133 1.6 システム戦略 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149 1.7 システム企画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 162 第2章 システム開発技術(開発技術)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 170 2.1 システム開発技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 172 2.2 開発プロセス・手法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 191 1 2 3

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Page 1: 1 本書の使い方 · 2015-10-07 · 4.7 プログラミング ... it パスポート試験では,情報機器やシステムを把握するために必要な基礎知 ... 11章

目 次

はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

本書の使い方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

第 1 章 IT パスポート試験とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 第 2 章 試験の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 第 3 章 出題のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 第4章 本書を使った学習方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

理解度診断テスト 問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

試験の出題ポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

第 1 章 ストラテジ系(企業と法務・経営戦略・システム戦略) ・・ 48

1.1 企業活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54

1.2 法務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88

1.3 経営戦略マネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107

1.4 技術戦略マネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 125

1.5 ビジネスインダストリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 133

1.6 システム戦略 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149

1.7 システム企画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 162

第 2 章 システム開発技術(開発技術) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 170

2.1 システム開発技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 172

2.2 開発プロセス・手法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 191

第1部

第2部

第3部

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CONTENTS

第 3 章 マネジメント(プロジェクトマネジメント・

サービスマネジメント) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 207

3.1 プロジェクトマネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 209

3.2 サービスマネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 223

3.3 システム監査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 236

第4章 基礎理論(基礎理論) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 247

4.1 数と表現 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 249

4.2 論理演算と集合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 258

4.3 確率と統計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 268

4.4 情報量の表し方とディジタル化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 278

4.5 データ構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 286

4.6 アルゴリズム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 295

4.7 プログラミングとプログラム言語 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 306

第5章 コンピュータ構成要素(コンピュータシステム) ・・・・・・・・・・ 313

5.1 プロセッサ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 315

5.2 メモリと補助記憶装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 322

5.3 入出力デバイス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 334

第6章 システム構成要素(コンピュータシステム) ・・・・・・・・・・・・・・・ 340

6.1 システムの構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 341

6.2 システムの評価指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 356

第7章 ソフトウェアとハードウェア(コンピュータシステム) ・・・・・ 367

7.1 オペレーティングシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 369

7.2 ファイルシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 377

7.3 開発ツール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 389

7.4 オープンソースソフトウェア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 396

7.5 コンピュータと入出力装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 402

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目 次

第8章 ヒューマンインタフェースとマルチメディア (技術要素) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 409

8.1 ヒューマンインタフェース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 411

8.2 マルチメディア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 421

第9章 データベース(技術要素) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 428

9.1 データベース方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 430

9.2 データベース設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 435

9.3 データ操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 446

9.4 トランザクション処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 458

第 10 章 ネットワーク(技術要素) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 464

10.1 ネットワーク方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 465

10.2 通信プロトコル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 475

10.3 ネットワーク応用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 484

第 11 章 セキュリティ(技術要素) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 495

11.1 情報セキュリティ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 497

11.2 情報セキュリティ管理(セキュリィティマネジメント) ・・・・・・・・ 506

11.3 情報セキュリティ対策・実装技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 514

第 12 章 中間の解法テクニック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 532

12.1 中間の出題内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 533

12.2 例題による中間の解答方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 535

12.3 中間の演習 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 543

付録 理解度診断テスト 解答一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 563

出題範囲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 564

表計算ソフトの機能・用語(IP パスポート試験) ・・・・・・・・・ 568

索 引 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 572

理解度診断テスト 解答用紙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 583

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CONTENTS

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各社の登録商標及び商標,製品名に対しては,特に注記のない場合でも,

これを十分に尊重します。

なお,本書第 2 部「理解度診断テスト 問題」の解答解説はアイテックの

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第 3 部 試験の出題ポイント

48

学習のポイント ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

IT パスポート試験では,情報機器やシステムを把握するために必要な基礎知

識や,自分が担当する業務を行い,さらにシステム化を推進するための基礎的

な知識を問う問題が出題されます。 ストラテジ系の分野で出題される範囲は,次のとおりです。

大分類 中分類 1 企業と法務 1 企業活動

2 法務 2 経営戦略 3 経営戦略マネジメント

4 技術戦略マネジメント 5 ビジネスインダストリ

3 システム戦略 6 システム戦略 7 システム企画

内容としては,企業活動や経営管理,法律,経営戦略などのほか,システム

戦略,システム企画など業務の情報化やシステム化を支援するのに必要な知識

が含まれます。このように,職業人として備えておくべきビジネス分野全体の

非常に広い知識範囲が出題対象です。また,身近な業務を把握・分析して課題

を解決する手法や,データ分析や問題解決のためのソフトウェア(オフィスツ

ール)の活用に関する基礎的な知識も出題されます。 売上や原価計算などの財務会計,損益分岐点分析などの管理会計,線形計画

や在庫管理・日程管理などのオペレーションズリサーチ(OR),著作権や労働

者派遣法などの法律関連について理解しておきましょう。 この分野には,純粋に IT 知識とはいえない内容も幾つか含まれています。

出題範囲は広いものの,専門的な知識がなくても問題文から解ける簡単なもの

第1章ストラテジ系 (企業と法務・経営戦略・システム戦略)

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第 3 部 試験の出題ポイント

54

ポイントの解説 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

企業に関する も基本的なことが出題されます。企業がどのようなものでど

のような活動を行うか,企業にとっての財産である経営資源がどのようなもの

でどのように管理するかを理解しましょう。そして,経営管理の基本としての

PDCA と基本的な経営組織の形態についても理解しましょう。 これらの内容は,IT の内容そのものではありませんが,「IT を有効に活用して

経営を行うこと」,「経営に有効な IT を活用したシステムを作ること」など,IT活用という意味で, も基本となる大切なことです。 (1) 経営・組織論

① 企業活動と経営資源 企業は,資本を集めて経営資源を手に入れ,これを有効に活用して利益を

上げることが求められます。この経営資源は企業を運営していくために必要

となるもので,ヒト,モノ,カネ,情報の四つを四大経営資源といいます。重

要な経営資源であるヒトは,OJT,Off-JT などの方法を使って教育します。 資本を集めるからには,企業には定期的にその成果をまとめて株主総会な

どで出資者に報告する義務があります。 また,企業には,単純な利益追求だけではなく,経営理念に従い,社会へ

の貢献,資本提供者や役員・従業員など関係者の要求を満たすことも求めら

れます。企業には法律を守りながら,これらの活動を行う責任があります。

そのような経営を,コンプライアンス(法令遵守)経営といいます。 コンプライアンス経営を行うために,コーポレートガバナンス(企業統治)

という企業内部の組織・権限,取締役会の運営,企業の意思決定の仕組み作

りが実施されます。 このような責任を企業の社会的責任(CSR;Corporate Social Responsibility)

といいます。

② 経営管理 経営活動も経営管理活動も,どちらも目標を定める経営計画とその実行を

制御する狭義の管理活動から構成されています。経営計画や経営管理の基本

は,Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)からなるマ

1.1 企業活動

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第 1 章 ストラテジ系

55

テクノロジ系

マネジメント系

第1章

第2章

第3章

第5章

第6章

第7章

第8章

第9章

第10章

第11章

第12章

ストラテジ系

第4章

ネジメントサイクルを踏むことといわれています。 計画→実行→評価→改善→(計画へ)を繰り返し,目標に向かって改善を

続けるこのサイクルは,PDCA と呼ばれています。

図表 1-1 マネジメントサイクル

また,災害や事故などが発生した場合にも,可能な範囲で事業の継続がで

きるように,事前に策定された計画のことを BCP(事業継続計画)といいま

す。BCP は,普段からの対策を含め,事業の継続やそのための復旧に重点を

置いた計画となっています。事業継続にあたっては,BCP の立案だけではな

く,実際の運用や訓練,そして,その見直しと改善という一連のプロセスが

必要となりますが,こうした一連のプロセスを管理することを BCM(事業

継続管理)と呼びます。

③ 経営組織

組織は,複数の人が役割分担をして,ある目的を達成するための共同体で

す。組織の目的(戦略)を有効に遂行させるため,様々な形態があります。 ・職能別組織

生産,販売などの職能別に専門的な職務を担う組織形態です。自己の

職務に特に関心をもち,権限の集中が起こりやすくなる特徴があります。

組織の統制は階層構造になり,権限はトップに集中する傾向があります。 ・事業部制組織

製品,顧客,地域別に利益責任とその業務遂行に必要な職能をもった

組織形態です。ほかの事業部へ依存することがなく,自己完結的に経営

活動を展開します。そのため,事業部ごとに購買部門や人事部門が存在

するなど,同じ組織機能が重複して存在する場合もあります。

Plan (計画)

Act (改善)

Do (実行)

Check(評価)

(繰返し)

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第 3 部 試験の出題ポイント

70

理解度チェック ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

(1) 企業活動に関して,CSR とは何のことですか。

(2) PDCA と呼ばれるマネジメントサイクルは,

ア → イ → ウ → エ の四つのサイクルを繰り返し,目

標に向かって改善を続けるものです。

(3) 経営組織に関して,生産,販売など専門的に担う組織単位で構成される

組織を何といいますか。

(4) アローダイアグラムで,作業の前後関係を表すためだけに記述する点線

矢印を何といいますか。また,余裕がなく,重点的に管理する作業経路を

何といいますか。

(5) 在庫管理に関して,発注間隔を決めて一定にし,需要予測から発注量を

決定する方式を何といいますか。

(6) ABC 分析でよく使われるグラフは何ですか。

(7) 次の文中の に適切な用語を入れてください。

QC 七つ道具に関して,原因と結果の関連を体系的にまとめ,魚の骨の

ような形の図になるものを オ といいます。

散布図は,変数の カ を表すのに適した図で,傾向を表す回帰直

線が右上がりのときは キ が,右下がりのときは ク があると

いいます。

時系列データのばらつきを折れ線グラフで表し,管理限界線を利用し

て客観的に管理する図は ケ です。

新 QC 七つ道具に関して, コ は情報を記入した多数のカードを素

材として関係の深いものをまとめていき,錯そうした問題点や,まとま

っていない意見,アイディアなどを整理します。

サ は分析する問題に数多くの要因が関係し相互に絡み合ってい

るとき,原因と結果,目的と手段といった関係を矢印で関連付け追求し

て因果関係を明らかにし,解決の糸口をつかみます。

(8) 会計期間の期末時点での企業の財政状況を表す財務諸表で,資産,負債,

純資産の残高を項目別に記載したものを何といいますか。

(9) 次の文中の に適切な用語を入れてください。

売上高に関係なく発生する費用を シ ,売上高に応じて発生する費

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第 1 章 ストラテジ系

71

テクノロジ系

マネジメント系

第1章

第2章

第3章

第5章

第6章

第7章

第8章

第9章

第10章

第11章

第12章

ストラテジ系

第4章

用を ス といいます。

変動比率とは, セ ÷ ソ のことです。

売上高,費用,利益の関係を式で表すと,

タ = チ + ツ となります。

売上総利益(粗利)と営業利益を求める式は次のようになります。

① 売上総利益(粗利)=売上高- テ

② 営業利益=売上総利益- ト

= ナ -(売上原価+販売費及び一般管理費)

(10) 利益が 0 になる売上高,つまり売上高と費用が等しくなる点を何とい

いますか。

(1) 企業の社会的責任

(2) ア:Plan(計画) イ:Do(実行) ウ:Check(評価)

エ:Act(改善)

(3) 職能別組織

(4) ダミー作業,クリティカルパス

(5) 定期発注方式

(6) パレート図

(7) オ:特性要因図 カ:相互関係(相関関係) キ:正の相関関係

ク:負の相関関係 ケ:管理図 コ:親和図 サ:連関図

(8) 貸借対照表(B/S)

(9) シ:固定費 ス:変動費 セ:変動費 ソ:売上高 タ:売上高

チ:費用 ツ:利益 テ:売上原価 ト:販売費及び一般管理費

ナ:売上高

(10) 損益分岐点

解 答

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第 3 部 試験の出題ポイント

72

問題にチャレンジ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

問1 情報システム部員の技術スキル習得に関する施策のうち,OJT に該当す

るものはどれか。 (H23 秋-IP 問 1)

ア 参画しているプロジェクトにおいて,モデル化のスキルを習得するた

め,一部の業務プロセスのモデル化を担当した。 イ 数年後のキャリアや将来像を描き,そのために必要となるスキルの洗

い出しや習得のための計画を自主的に策定した。 ウ セキュリティに関するスキルを習得するため,専門性の高い社外のセ

ミナーに参加した。 エ 本年度の業務目標の一つとして,今後必要なスキルの習得を通信教育

によって行うことを,上司と合意した。

解き方のコツ

OJT(On the Job Training)とは,その名のとおり,職場の中でのトレー

ニングであり,実際の業務の中で教育を行うことを指します。OJT は,対象

者が実務を完全に行うレベルではないため,担当部分やフェーズを限定して業

務を行わせることで,職業訓練とする手法です。したがって,(ア)が正解で

す。 イ:キャリアを積み重ねた将来像を描き,そのために必要となるスキルの洗い

出しや習得計画を練ることをキャリアパスプランニングといいます。 ウ:社外のセミナーなど,業務を離れた場で行われる教育は,Off-JT(Off the

Job Training)と呼ばれます。 エ:社員の業務目標の設定や管理,評価を行うことを目標管理制度(MBO;

Management By Objectives)といいます。部下の自主性を認め,目標

を達成するための方法,プロセスを話し合い,設定した目標を自身で管理し,

達成度が成果として給与などに反映される手法が採られます。 解答 ア

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第 3 部 試験の出題ポイント

532

学習のポイント ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IT パスポート試験では,問 1~問 84 までの小問に続いて,中問 A から中問

D までの 4 問の中問が出題されます。この 4 問の中問それぞれに四つの小問が

あり,4×4=16 問の小問が加わって合計 100 問の出題になります。 試験問題の中で,小問は知識を理解しているかを個々に問う内容になってい

ますが,中問は出題テーマについて実務でよく出てくる場面や状況を設定し,

その内容を読んで状況や条件を理解して解答する形式になっています。 一つの中問には,四つの小問が出題されますが,それぞれ独立した内容で出

題されることもあれば,同じ内容を別の条件で解くというように類似した内容

の場合もあります。 〔中問の例〕

中問 A 売上増加と費用削減を目的とした施策の検討に関する次の記述を

読んで,四つの問いに答えよ。 M 社は,テレビ番組で商品を紹介し,電話で注文受付を行う通信販売

会社である。……………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………

〔テクノロジ〕

問 85 ……,データの取扱いに関する記述として,適切なものはどれか。 〔テクノロジ〕

問 86 ……。図 1 の a に表示される値はどれか。 〔マネジメント〕

問 87 ……,費用を最小化するために考慮すべき条件はどれか。 〔ストラテジ〕

問 88 ……,利益を最大化する商品の組合せはどれか。

第12章 中問の解法テクニック

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第 12 章 中問の解法テクニック

533

テクノロジ系

マネジメント系

第1章

第2章

第3章

第5章

第6章

第7章

第8章

第9章

第10章

第11章

第12章

ストラテジ系

第4章

ポイントの解説 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

中問の出題内容は様々ですが,実際に出題された内容について概要を理解し,

解答力を高めましょう。

(1) 中問で出題された 4 問の内容

実際に出題された中問について,4 問の内容を見てみましょう。平成 26 年度

秋期に試験センターから公開された中問は次の 4 問でした(IT パスポート試験

問題は半年に 1 回,問題が公開されます)。

図表 12-1 平成 26 年度秋期の中問の内容

問 NO タイトル 分野 中分類(内容) 中問 A ソフトウェアの開発作業

85 ソフト開発が終了する日 ストラテジ 企業活動

86 費用の累計を表すグラフ マネジメント プロジェクトマネジメント

87 費用と効果に関する記述 マネジメント プロジェクトマネジメント

88 作業開始が遅れた原因 マネジメント プロジェクトマネジメント

中問 B PC のデータ保護 89 PC の ESSID と自 IP アドレス テクノロジ ネットワーク 90 ファイル転送時間の計算 テクノロジ ネットワーク 91 USB メモリにバックアップできる量 テクノロジ ソフトウェア 92 バックアップできない作業 テクノロジ ソフトウェア

中問 C テストの採点結果の分析 93 組別の得点分布表を作成する計算式 テクノロジ アルゴリズムとプログラミング

94 平均点を求めることができない計算 テクノロジ アルゴリズムとプログラミング

95 得点分布から分かる平均点と標準偏差 テクノロジ 基礎理論

96 平均点に近い得点を取った組 テクノロジ 基礎理論

中問 D 交通費清算業務の改善 97 交通費清算業務の流れ図 ストラテジ 企業活動

98 精査を廃止できないもの ストラテジ 企業活動

99 実績表を作成する手順 テクノロジ データベース 100 全体の作業短縮時間の計算 ストラテジ システム戦略

12.1 中問の出題内容

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第 3 部 試験の出題ポイント

534

(2) 中問で出題される小問の内容

試験で出題される中問の内容は様々ですが,平成 24 年春~26 年秋の 3 年間

に出題された中問 24 問(小問 96 問)の内容を分析した結果,小問で問われる

中分類(内容)で多かったものは,次のとおりでした。 ・企業活動(15 問) ・アルゴリズムとプログラミング(13 問) ・システム戦略(9 問) ・プロジェクトマネジメント(9 問) ・システム開発技術(5 問) ・基礎理論(5 問)

中問の解答では,テーマとして出される問題文の内容が理解できれば,個々

の出題内容に関する知識を使って解答することになりますので,中問だけの特

別な対策が必要というわけではありません。しかし,出題されている内容の傾

向を調べると次のことがポイントになりますので,学習をする際に重点を置く

とよいでしょう。 ・企業活動……利益の計算,販売数の計算 ・アルゴリズムとプログラミング……表計算ソフトの計算式(利益,平均の

計算),問題の手順に従った計算 ・システム戦略……業務改善,業務効率の計算,システムの企画 ・プロジェクトマネジメント……アローダイアグラム(日程計画),費用の

計算,グラフによる実績データ分析 ・システム開発技術……テストケース,テストデータ ・基礎理論……問題の手順に従った計算,統計(平均)

中問の解答に関して,注意事項を挙げるとすれば,解答時間への注意でしょ

う。問題内容を理解するのにある程度時間が必要ですが,含まれる小問の内容

もやや長めの文章の場合があり,読むための時間がかかる場合があるので注意

が必要です。 中問で解答する内容は,計算や考察が必要なものが多いので,できれば中問

1 問につき 15 分ほど解答時間を充てられるようにするとよいでしょう。試験時

間は 165 分ですから,問 84 までの小問の解答を一通り終わる頃に,1 時間(15分×4=60 分)ぐらいは残っているように時間を意識して解答してください。