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インドシアニングリーン蛍光測定 高知大学医学部外科2 石川 忠則、前田 博教、岡崎 泰長、

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インドシアニングリーン蛍光測定

高知大学医学部外科2

石川 忠則、前田 博教、岡崎 泰長、

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による消化管血流評価

川田 通広、笹栗 志朗

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目的

ICG(Indocyanine green)は血漿蛋白質と結合し、 特定のLED(発光ダイオード)で励起するとピーク波長830~840 nmの蛍光を発するため、可視化できる。冠動脈bypass後のgraft血流評価や乳癌手術におけるセンチネルリンパ節(SLN)の同定あるいは消化器癌におけるSLNの同定にもその有用性が言われている。今回我々は、消化管の血流評価に応用可能か否かにつて検討した。

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方法

ICGを0.2mg/Kgで末梢静脈内注射した。注入直後よりLEDによるICGの蛍光励起と観察装置が一体となった近赤外線カラーCCDカメラを用い、手術室を暗くし、腹壁より20~30cm離して、液晶テレビモニターにて観察した。

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一体型近赤外線カラーCCDカメラ

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症例

1.腹部大動脈瘤   57/F    Y graft 2.腹部大動脈瘤   74/M    Y graft 3.腹部大動脈瘤   85/F Y graft 4.食道癌(Mt ) 66/M 頸部食道胃管吻合

5.食道癌(Mt ) 53/M 頸部食道胃管吻合 6.食道癌(Lt,胃内転移) 66/M  胸部食道空腸吻合

疾患 年齢/性 手術法

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血流評価部位

1.S状結腸 2.S状結腸 3.腸管(回腸末端側の血流不良   でSMA血栓症が疑われた) 4.頸部食道胃管吻合部

5.頸部食道胃管吻合部 6.吻合予定空腸脚

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1. 腹部大動脈瘤手術時 S状結腸の血流評価

S状結腸

人工血管

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2. 腹部大動脈瘤手術時 S状結腸の血流評価

S状結腸

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3. 腹部大動脈瘤手術時 SMA血栓症が疑われた

腸管の血流評価

回腸末端側の虚血腸管 SMA切開、血栓なく タンデトロン注入にて血流改善

蛍光を認める腸管

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4. 食道癌手術時 頸部食道胃管吻合部血流の評価

胃管断端部大網

胃管後壁

頚部食道

甲状腺

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5. 食道癌手術時 頸部食道胃管吻合部血流の評価

胃管後壁

胃管断端部大網

頚部食道

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6. 食道癌手術時 再建空腸の血流評価

吻合予定空腸脚

第二空腸動脈 クランプ

吻合予定空腸脚

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蛍光の確認

1.良好 2.良好 3.概ね良好 4.胃管断端大網部に良好

5.胃管断端大網部に良好

6.良好

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術後経過

1.良好 2.良好 3.S状結腸壊死,左半結腸虚血あり,左半結腸   切除,人工肛門増設 4.良好

5.良好 6.再建空腸壊死あり,切除し,食道,空腸瘻増設

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評価

1.有用 2.有用 3.血流の改善は評価できたが、術後  の虚血は予測できなかった。 4.有用

5.有用 6.有用、しかし術後の虚血は予測で  きなかった。

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結語

インドシアニングリーン蛍光測定は消化管血流評価に有用である可能性が示唆されたが、判断が難しい症例があること、再建胃管食道吻合部では、観察部位やICG注入量の検討が必要と考えられた。