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CIO 概概 PMO 概概

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CIO概論PMO概論

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CIOとは何か

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3

CIOとは

Chief Information Officer      ≠ Chief Information Technology Officer

情報化統括役員ではない

組織における「情報」を管理し、安全且つ最大限の活用を図ることが役割である。

基本的に CXO( CEO、 COO、 CFO・・・)を呼ばれるトップ役員の役割

Chief Innovation Officerと呼ばれたり, Chief Knowledge Officer( CKO)と呼ばれることもある

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CIOの定義

IT活用の先進民間企業の経営者による IT経営協議会では、「 CIOは、情報の側面から、企業改革、業務改革をリードし、経営者のためにその実施プランと実行を担う、 IT経営実践には不可欠な人材である」と定義している。

CIO先進国の米国では一般にプロフェッショナル人材の流動化が進んでいるが、 CIO人材においても人材流動化がすすんでおり民間企業間での CIOの役割の流動だけではなく、行政 CIOもCIOのキャリアアップのステップとして考えられている。

そこで、行政 CIOの定義を行うというより、民間の CIOの定義をうまく活用していくこととする。

「 CIO自身が経営者の一員である」「組織横断的な情報を統括する」「イノベーション、改革を実現する」という共通的な CIOへの期待を踏まえ、「 CIOは、情報という組識横断的な戦略的リソースを使いこなし、経営的視点でイノベーションを起こすとともに改革を推進する。また、そのための強力なツールとしての情報技術( IT)を統括する。」と定義する。

4

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目指すべき CIO像

CIOは、これまでの情報システムの最適化の役割に加えて、組織や部門を超えて企業グループ全体を俯瞰した、経営の変革を推進する主導的役割が求められる

全社横断のビジネス変革

全社横断のビジネス変革

目指すべきCIO像

ITガバナンス確立ITガバナンス確立

情報活用による経営戦略の創造

情報活用による経営戦略の創造

部門や組織を越えてグローバル全体を横断して、 ITを活かした「ビジネスモデルの変革」「ビジネスプロセスの変革」を推進

し、企業の競争力向上に貢献する

企業グループ全体のIT活用を俯瞰し、業務、

ISの構造と共に、企業グループ全体のIT部門の機能と役割を変革し、企業の“全体

最適化”実現に貢献する

企業内外の事実に基づく情報を組織的かつ系統的に蓄積、分析、活用するために、経営戦略上の各種の意思決定に有用な知識や洞察を生みだす仕組みを作り、新しいビジ

ネスを創造する

ChiefIntelligen

ce  Officer

ChiefIntelligen

ce  OfficerChief 

Innovation  Officer

Chief 

Innovation  Officer

CIO

IT部門長

Chief  Information  

System   Officer

Chief  Information  

System   Officer

情報システムの最適化情報システムの最適化情報システムの適切な運用や管理を行い、企業内の情報システムの最適化を実現す

ミッション(役割) 役割定義

ChiefInformati

on  Officer

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CIOの条件

CIOの定義は抽象的であるが、具体的な条件として、以下の項目をすべて満たす必要がある– 役員クラスであり、経営視点で評価、判断、指示ができる– 予算権を持ち、必要な判断を的確に実施できる。– 人事権を持ち、必要な判断を的確に実施できる。– 情報という視点で、組織全体を見られるセンスを持つ。– CIOとしての時間を40%以上使っている

• 社長 兼務の場合は20%以上– リスクの評価が的確にできる– 自分が CIOと胸を張って言える

CIOスタッフなどNo.2人材の条件– CIOの指示を的確に評価し、必要に応じて判断材料をフィードバックできる。– イノベーションに関わる提案をとりまとめ提案していくことができる。– 予算や人事に関する情報を適切な判断情報としてとりまとめることができる。また実施に当たっての、指示と管理ができる。

– 情報システムに関わるトラブルなどのリスクに関する情報を適切な判断情報としてとりまとめることができる。また実施に当たっての、指示と管理ができる。

– ほぼ全ての領域で知識と経験を持ち、後進に指導することができる。

6

先進 CIOは、左記の条件をすべて満たしているが、一般にCIOと名乗る人の多くは、満たすことができない。

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民間 CIOの CIO業務従事時間

7

国内 CIO実態調査, JUAS

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CIO、 CIO補佐官に重要なこと

8

プロフェッショナルとしての自覚を持つこと

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CIOの役割

9

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10

CIOの役割

戦略のパートナー– 経営陣の一員として、経営戦略を展開させるための、 ITの観点を持った積極的な参加者

戦術の実行者– 戦術を実行する上でのコントロールタワーとして

ニーズに応える支援者– 関係者の問題を把握し、ビジネス志向の支援を実施

CIO

CIO補佐

CIOスタッフ(専門スタッフ)

各種情報や意思決定のための資料を提供

集めた情報を集約し助言

意思決定と指示

実施に向けた助言

実施

幅広い領域をチームとしてカバーすることが重要

意思決定に必要な知識レベル

プロジェクト実行に必要な知識レベル

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CIOの役割

ガートナーの定義する新しい CIOの役割は、自ら動くCIOを求めている。1. 管理するのではなくリードする2. 自組織の置かれた現状を理解する3. ITが自組織の成功を構築するというビジョンを構築する4. ITが作り上げる組織の期待像を作り上げ知らしめる5. クリアな ITガバナンスの仕組みを構築する6. 事業戦略と IT戦略を融合する7. 新しい IS組織を構築する8. IS部門の中にハイパフォーマンスチームを設置し育成する9. 新しい事業と ITのリスクを管理する10.ISの成果を事業側の人が理解できる言葉で説明する

– The New CIO Leader, Gartner,Harvard business Press

11

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CIOの役割と権限 CIOの役割は戦略立案、成果管理、ビジネスプロセス改革、 ITコスト適正化を含む ITガバナンス、人材管理である。上記を推進するのに各部門に指摘をする権限は持っているが直接的に指示する権限はない場合がほとんどである。しかし、経営意思決定機関と直結している場合が多く、その機関を通じて指示を実行している場合がほとんどである。

0 10 20 30 40 50 60 70 80

戦略立案

価値管理、成果管理

ビジネスプロセスの改革/再構築

ITコストの適正化

アプリケーション資産の合理化/集約化

ITガバナンス及びIT資産管理

セキュリティ

人材育成

コンプライアンス対応

ITシステムのグローバル展開

その他

日本

海外

参考:米国での民間の CIO

 平均在位期間 5年 4ヶ月 平均年収: $218,100

「 CIO調査 2011」( CIO MAGAZIN134)

を元に作成

CIOが今後一年間で重視する役割

赤線を引いた部分が CIOで先行する海外で、特に注力して取り込まれて

いる役割である

12

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参考:実際にトップ CIOのしていること

73%の組織は、集権型組織である。– 分散型ではない。

77%はポートフォリオを使って管理している。– プロジェクト個別管理ではない。

88%の組織は、企画や予算に関する定型的プロセスや手法を持っている

74%の CIOは、成果達成の責任を現業の部門長 等とともに持つ。

66%の CIOは、稼働後のプロジェクトの監査の指揮をよく執る。

95%の CIOは、 ITを管理し使いこなす構想に、周囲から信頼を得ている。

87%の CIOは ROIを使い、59%が TCOを使っている 91%の CIOは、内部職員の満足度は業務の価値を決めるときにもっともな重要な要素としている。– Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

13

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CIOと 成果との関係

CIOがいる企業 は、企業の成果指標である利益率が高い傾向があり、CIOが経営に貢献 していると考えられる。

行政においても、国民や企業が期待する成果を出していくためには、 CIOの活性化が重要と考えられる。

14.9%

15.2%

13.8%

9.8%

10.0%

15.3%

15.8%

14.5%

14.6%

10.8%

41.0%

40.4%

42.8%

43.9%

44.6%

28.8%

28.6%

28.9%

31.7%

34.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

大企業

中小企業

社外のITコーディネーター等(n=82)

社内外ともにいない(n=260)

10%以上 5-10%未満 1-5%未満 1%未満

社内にCIOがいる(n=490)

営業利益率との関係

経済産業省調査

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業務改革と CIO

10.6%

6.6%

4.7%

51.5%

56.3%

47.4%

30.3%

30.8%

38.3%

7.6%

6.2%

9.6%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

役職として定義されたCIOがいる(n=67)

IT部門・業務を担当する役員がそれにあたる(n=507)

CIO “はいない、あるいは CIO”に対する実質的な認識はない(n=370)

ビジネスモデル(ビジネス自体)の変革との関係

進んでいる 同業他社並み 遅れている わからない

13.8%

5.9%

4.7%

44.6%

51.5%

39.9%

33.8%

36.4%

47.1%

7.7%

6.3%

8.3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

役職として定義されたCIOがいる(n=67)

IT部門・業務を担当する役員がそれにあたる(n=507)

CIO “はいない、あるいは CIO”に対する実質的な認識はない(n=370)

ビジネスプロセスの変革との関係

進んでいる 同業他社並み 遅れている わからない 経済産業省日本情報システム・ユーザー協会

情報化においては業務改革が重要であり、民間企業では以下のようにCIOが重要な役割を果たしている。

行政機関もCIOを中心に業務改革を実現していく必要がある。

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CEOから CIOへの期待

IT経営憲章で CIOの任命を推進するなど、経営トップが CIOの活躍に期待するようになってきている。しかし、国内では CIO像がはっきりしていないため漠然とした期待でしかなかった。米国では以下のことが CIOに期待されている。– CIOに共通的な期待

• 事業や業務を学び、 IT戦略を整列させ、 ITの枠をこえて考えること• 事業に悪い影響を与えるすべてに対して変革の代理人になること• 利益増大のために技術を使う• コストを削減し、効率を改善し、財務的な目標を達成すること• すべてをセキュアにすること

– これまで CIOがいなかった組織に新任 CIOと配属され期待されること• IT部門長としての役割が求められる

– CIO経験者として中途採用されるときにさらに期待されること• 素早く成果を出す能力• ノイズをフィルターすること• ITを優先順位で整列させること• 適正な人員配置(採用と解雇)• 適正な技術の導入

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

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1 年以内に、できる部分からこの期待に応え始めていくことが求められています

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今日の CIOに必要なこと

CEOからの期待に応えるためには、以下の取り組みが求められている。– コストを管理した上でのイノベーションと成長の推進– ITの戦略的価値の証明– ITの効果的、効率的な運営– 次世代リーダーの開発– 他の役員の期待の管理

また、21世紀の CIOに必要なこととして以下の取り組みが求められている。– CEOが CIOに期待している役割を知ること– 事業戦略に ITを重ねて整理することを通じて事業や業務を知ること– CIOがどのように評価されるか知ること– ITだけ見るのではなく、その箱の外に飛び出すこと

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006 17

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CIOのレポーティングライン

2008 2007 2004

CEO 41% 41% 40%

COO 16% 14% 13%

CFO 23% 24% 30%

Corp. CIO 7% 5% 4%

Other 13% 15% 13%http://www.cio.com/article/147950/_State_of_the_CIO_Data_Shows_CIO_Salaries_Influence_Rising

CIOが報告する相手は CEO,CFOが多い。 CFOに対する報告は年々減っており、 CEO、 COOへの報告が増えるなど業務に近づいてきている。

18

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行政 CIOの現状

19

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府省の CIO

府省における CIO、 CIO補佐官の設置率は100%である。 従業員10000人以上の企業で定義された CIOがいる企業は27%、

IT部門・業務部門を担当する役員がそれにあたる67%であり、形式的には民間企業よりも府省の方が進んでいる

20平成 18 年度 電子政府基本調査結果報告書(平成 20 年 7 月)

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府省 CIO、 CIO補佐官の役割

業務・システム最適化計画などシステムの導入または再構築の計画の策定やセキュリティポリシーの策定など、システム関連をしているらしい。

21平成 18 年度 電子政府基本調査結果報告書(平成 20 年 7 月)

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府省 CIO、 CIO補佐官の役割

従業員1000人以上の企業の場合の評価軸は、業務改革、 IT予算の策定、管理やリスクへの対応が重要である。

さらに海外民間 CIO調査では、イノベーションの追求などが主要なテーマになっている

22府省 CIOの役割定義はピントが外れているのではないか

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海外の行政 CIOの役割

CIOの持つべきコアコンピタンスの中では業務改革や組織経営に関する能力も重要な能力として入っている。

ITエリアに限った質問をすると、予算や人材などを中心に幅広い役割を担っていることがわかる

23

2006 Clinger-Cohen Core Competencies 1.0 Policy and Organization 2.0 Leadership/Management 3.0 Process/Change Management 4.0 Information Resources Strategy and

Planning 5.0 IT Performance Assessment: Models

and Methods 6.0 IT Project/Program Management 7.0 Capital Planning and Investment

Control (CPIC) 8.0 Acquisition 9.0 E-Government 10.0 Information Security/Information

Assurance (IA) 12.0 Technology Management and

Assessment

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CIO補佐官への期待と現実

CIO補佐官への権限と責任を明確にするべきとの意見は多いが、本人たちは望んでいないという実態がある。 CIO補佐官の採用改革と意識改革が必要である。

24

CIO補佐官、 PMO等の役割は非常に重要であるが、現状では十分な権限が付与されていないため、有効に機能しているとは言えない。また、電子政府評価委員会による評価結果にも、拘束力が伴っていない。電子行政を推進する上で重要な役割を果たすこれらの機関には、電子行政推進法 ( 仮称 ) において一定の権限を付与するべきである。

「重点計画-2008」に関する意見、2008年7月10日、(社)日本経済団体連合会

「ある程度権限等あった方が良い」と回答した理由については、すでに一部決裁ルートにのっているという現状から、回答選択したものであるとのこと

です。

CIO補佐官ワーキンググループ2報告書

2008

米国では、 CIOが次世代 CIO育成に積極的に参加しているが、まだ、国内ではそのような仕組みはできていない。

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CIO、 CIO補佐官に対する意見

CIOに対する意見– 形式化して機能していない– CIOとしての自覚がない

CIO補佐官に対する意見– ベンダからの引退の花道でしかない– アドバイスだけで役に立たない– 不勉強な言いっぱなしのアドバイスにより、混乱することがある– 何をやっているのかわからない– 給与相当の仕事をしていない– 紙がかけない– 肩書きに応じたモラルがない– 改革の推進者でなければならないのに、法規制などにあきらめている– リーダーシップがない– ガイドの整備などノウハウの移転を行う気がない

CIO補佐官達の名言– 「僕はこんなものが役に立つとは思っていないし、今、金になるからやっているんだよ」– ( SLAの議論をうけて)「 SLAってなんですか?」– ( KPIの議論を受けて)「民間では KPIとか使っているんですか?」– 「僕らは所詮コンサルタントなんだから、責任を持てという方がおかしい」– (プロジェクタを使いペーパレス会議を使用としたら)「紙がいい・・・」

25

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都道府県 CIO

CIOがいる都道府県は 33 都道府県( 33/47)– 4人が外部人材( 3人が部局長 級、 1人がその他)

• 広島、佐賀の 2名は専任で予算、行政改革にも関与– 行政改革に関与する CIOは 8名だが、そのうちの3名は予算に関わっていない。実質的に民間レベルの CIOは5名と考えられる(副知事2名、部局長クラス 3名)

– しかし、そのうち ITガバナンスランキングのトップ40にはいる都道府県は佐賀県のみであり、 CIOが機能しているかの疑問は残る。

– CIOの外部人材の登用が 4名、 CIO補佐官が 5名である。

26

業務担当部門の情報システムの予算査定に

調

他山形県 15

68.5( )1212163 28 1 1 1 1 1 1 1 1

茨城県 5360.8( )

2988533 27 1 1 1 1 1 1 1 1

東京都 3862.5( )

12273376 69 1 1 1 1 1 1 1

岐阜県 8 70.7( ) 2105011 21 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

静岡県 1767.1( )

3775903 31 1 1 1 1 1 1

滋賀県 8556.5( )

1365393 23 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

香川県 7057.9( )

1026088 15 1 1 1 1 1 1 1 1 1

福岡県 9 70.6( ) 5028026 25 1 1 1 1 1 1 1 1 1

佐賀県 4 75.6( ) 872302 30 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

大分県 3263.6( )

1221714 24 1 1 1 1 1 1

IT関連職員数

人口

ITガバナンスランキング(得点)

ネットワーク管理者CIO(又は 補佐官)の役職

CIOの役 職外

電子自治体の推進体制 CIO(情報統括 責任者)の任命状況 CIOネットワーク管理者(又は 補佐官)の任命状況

PMOの設置状況

担当課(係)の役割

予算権限や行政改革に取り組む CIO

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市 CIO

CIOがいる市は1340市( 33/47)– 外部人材は0– 行政改革に関与する CIOは168名だが、そのうちの10名は予算に関わっていない。さらにクラスを考えると実質的に民間レベルの CIOは152名と考えられる(首長 9名、助役131名、部局長クラス 12名)

CIOの外部人材の登用が0名、 CIO補佐官が13名である。

27

業務担当部門の情報システムの予算査

調

他市 川 市 454,923 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

浦 安 市 154,585 1 1 1 1 1 1 1 1 1

北 区 315,926 1 1 1 1 1 1 1

荒 川 区 180,018 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

三 鷹 市 172,940 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

横 須 賀 市 428,889 1 1 1 1 1 1 1 1 1

藤 沢 市 396,123 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

小 田 原 市 197,393 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

掛 川 市 115,197 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

大 阪 市 2,510,459 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

堺 市 831,715 1 1 1 1 1 1 1

枚 方 市 404,944 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

神 戸 市 1,502,772 1 1 1 1 1 1 1

西 宮 市 462,044 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

岡 山 市 683,258 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

広 島 市 1,144,572 1 1 1 1 1 1 1 1 1

下 関 市 287,810 1 1 1 1 1 1 1 1

福 岡 市 1,363,841 1 1 1 1 1

(

)

ネットワーク管理者( CIO )又は 補佐官

の役職

CIOの役 職外

電子自治体の推進体制 CIO(情報統括 責任者)の任命状況 CIOネットワーク管理者(又は 補佐官)の任命状況 PMOの設置状況

)が

担当課(係)の役割

市区町村名

平成19年4月1日住基人口

予算権限や行政改革に取り組む CIO

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政府 CIOへの期待

政府 CIOを導入するのであれば、行政 CIO体制の抜本的な見直しは避けて通れない

28

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政府CIO 制度の役割等

(1)電子行政に関する戦略等– ① 電子行政に関する戦略の策定等

• 利用者視点に立った電子行政を実現するための電子行政に関する戦略の企画・立案・推進(進捗管理を含む)・評価。

– ② 各府省の取組の評価等• 電子行政に関する戦略等に基づく各府省の取組の状況把握・進捗管理・評価。

– ③ 府省横断的に取り組むべき施策の推進• 国民ID制度、オープンガバメント(行政情報の管理・公開・提供、国民の政策形成過程への参加)、業務やデータ・フォーマットの標準化、情報の

• 戦略的活用等府省横断的に取り組むべき施策の推進

29

電子行政推進に関する基本方針

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政府CIO 制度の役割等

(2)政府の情報化推進施策等の管理– ① 政府全体のIT 投資の管理

• 政府全体におけるIT 投資の全体最適を実現するため、府省内のIT 投資を統括する各府省のCIO、 PMO等と連携し、政府全体のIT 投資を管理、総合調整。

• ‐ 政府全体のIT 投資の状況把握、事前・事後の投資対効果等の評価• ‐ 各府省のIT 投資に関する予算要求に当たっての方針の策定• ‐ 各府省のIT 投資に関する予算要求・調達に当たっての審査・承認等(IT 投資に関する府省間の調整(集約化等)を含む。)

• ‐ 各府省のIT 投資情報(計画・進捗状況・成果等)の公開– ② 制度・業務プロセス改革の推進

• 行政刷新会議等と連携し、IT 投資に伴う制度・業務プロセス改革、業務の集約化、アウトソーシング等の推進。

– ③ 情報システムに関するルール等の整備等• 各府省の情報システムについて、グランドデザインの策定、相互運用性・• セキュリティ・技術標準等に関するポリシーやルールの整備、各府省に対する勧告・措置要求等。

– ④ 府省横断的なプロジェクトの推進• 府省共通の基盤システム(政府共通プラットフォーム等)の整備・活用のほか、必要に応じて自ら府省共通システムの整備・運用を行うなど府省横断的なプロジェクトを推進。

– ⑤ 技術情報等の収集、共有• 国内外の技術動向やITガバナンス 等に関する情報の収集・蓄積、政府全体における共有。

30

電子行政推進に関する基本方針

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政府CIO 制度の役割等

(3)国・地方公共団体の連携– ① 協議会における協議

• 利用者視点に立った電子行政サービスの効率的な実現を図るため、地方公共団体と経常的な協議会において協議。

– ② 国の関与があるIT 投資に係る連絡・調整• 国の関与がある地方公共団体のIT 投資について、各府省に対する勧告・措置要求等、各府省と

地方公共団体との間の連絡・調整。

(4)国・民間の連携– 民間サービスの活用の可能性、技術動向、研究開発、情報セキュリティ等に関する各研

究機関、民間企業等との情報交換等。 (5)情報通信技術人材の確保・育成

– 政府における活用を見据えた情報通信技術人材の確保・育成(各府省CIO 補佐官等の一元管理等、府省の枠を超えた人材の流動性確保等)。

(6)広報等– 電子行政に関する戦略や取組、IT 投資等について、国民や関係機関等に対し、その意義や必要性等を説明。また、国民等の電子行政に関するニーズ等について、マーケティング手法等を参考としつつ、調査・分析を行い、それに基づく具体的取組を実施。

(7)諸外国との連携– 諸外国の電子行政に関する責任者・機関との相互協力、情報交換等。

31

電子行政推進に関する基本方針

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政府CIO体 制の整備

(1)政府CIOの体 制– 十分な権限と責任の下、電子行政推進の統率力・調整力を確保する観点から、閣僚級やそれに準ずる者等を政府CIOとする。その 際、政府CIO 制度として、IT 投資やそれに伴う業務プロセス改革等に関する実務的な総合調整機能、施策の継続性の確保を図る。併せて、実効性を担保するため、政府CIOの活動を 支える直属のスタッフから構成される政府CIO 室を整備する方向で検討する。業務プロセス改革、情報システム、行政実務、行政学、経営学等の専門的知識を有する者などを中心に、官民から幅広く登用することを検討する。

– 政府CIOが有することが期待 される能力・技能は、経営的観点、業務プロセス改革に関する知見、情報通信技術・情報システムに関する知見、行政の仕組み・運営に関する理解等が考えられるが、政府CIO 制度全体としてバランス良く確保する。その他、電子行政の評価等の体制の在り方についても、併せて検討を行う。政府CIO 制度が属する組織は、府省横断的な統率力・調整力を確保する観点から、内閣官房、内閣府等とする方向で検討する。

(2)各府省との関係– 基本的に各府省のCIO、 PMO等において、府省内のIT 投資を統括する体制を維持するが、各府省CIO、 PMO等の在り方を見直すとともに、政府CIO 制度において、技術的知見やノウハウの提供、各府省のCIO 補佐官等の一元管理等を行うことにより、各府省におけるガバナンスの強化の支援を行う。また、各府省との連絡会議等を設けて、各府省との連携を確保する。その際、政府CIO 等がイニシアチブを発揮できる体制を検討する。

(3)地方公共団体との関係– 利用者視点に立った電子行政サービスの効率的な実現を図るため、地方公共団体の自主性を尊重しつつ、国と地方公共団体で十分な連携・協力を確保する観点から、政府CIO 等や各府省CIO 等が、地方公共団体(都道府県及び市区町村)と、電子行政施策、情報システム投資や運用継続等について、経常的に連絡を行う場を設け、国と地方が協議し、一体的に推進できる体制を整備する方向で検討する。特に国の関与がある地方公共団体のシステムについては、各府省に対し必要な勧告・措置要求等を行うとともに、各府省と地方公共団体との間の連絡・調整機能を担う。

32

電子行政推進に関する基本方針

Page 33: 120620 ciopmo

米国の政府 CIO

組織– 大統領府行政予算局(OMB)内に政府CIOを設置。– 各府省のCIOが参加するCIOカウンシルの座 長を務める。– 政府CIOが設置される前から政府CIOが能力を発揮するための基盤を整備してきた。(次ページの参考参照)

活動概要– 政府の IT政策、 IT戦略の策定、支出に関して指揮している。情報の交換や共有を促進するとともにセキュリティを確保するための組織内のシステムアーキテクチャに責任を持つ。オープン化、透明化、コスト適正化、参加型民主主義、イノベーションも担当する。代表的な成果に、データ公開サイトのData.govやプロジェクトレビューのTechstat等がある。

政府CIOに任命された人物– 2009年3月にワシントンDCのCIOとして実績を上げていたKundra氏を大統領が任命。現在はマイクロソフト出身で元国際開発庁エグゼクティブディレクターのVanRoekel氏が常勤で活動している。

Whitehouse

各省

CIOカウンシル

OMB政府 CIO

33

米国の政府 CIOは、その人物がすごいのではなく、 ITによる行政改革を実現するための仕組みが充実していることが重要なポイントである。

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参考:米国における政府 CIO設置までの道のり

国家業績見直し( National Performance Review )

クリンガー・コーエン法(府省に CIOを設置体制を整備)

CIO評価

政府 CIO設置

1993

1996

2004

2011

2009

CIO評価

米国政府では、政府 CIOができるまでの間に基盤の整備を実施している。その間は CIOカウンシルによる合議制であった。基盤が整備されていたため、その後設置された政府 CIOは、着任時から能力を発揮することができた。– 米国の CIOカウンシルは、日本の CIO連絡会議と違い、常設の事務局があり方針の整備などが積極的に行われている

1997に行政改革の基本方針「 Business Like Government」を作成

・納税者はお客様である・政府職員の創造性を活かす

・無駄を排し、組織の壁を超える・技術は、納税者の時間や金を節約する・規制当局は民間とのパートナーシップ

をもっと効率化する・行政の再構築を見せていく

これらの推進力として ITをフルに活用

ゴア副大統領が実施責任者

1993-2001

2001-2009

CIOカウンシルが主導

政府 CIOが主導

34

ここがすべての出発点

2009 -現在

(web2.0等、情報技術が新たなステージへ)

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米国政府の CIOの機能と権限 米国政府の CIOの機能と権限は、民間の役割とほぼ同じである。以下の領域を全て 1 人で担当するのではなく、チーム内で分担して実施しているケースも多い。

27

23

27

27

27

24

25

22

15

9

6

18

17

0 5 10 15 20 25 30

IT戦略管理

IT人材計画

資産計画、投資管理

情報セキュリティ

エンタープライズ・アーキテクチャ

システム調達、開発、統合

電子政府イニシアチブ

情報収集 / 紙作業の削減

情報の広報

情報の公開

統計の政策と調整

レコード管理

プライバシー管理

ITマネジ

メント分

野情報マネジ

メント分

CIOの役割(27人に調査)人

米国政府 CIOの概要 平均在任期間: 25ヶ月

 年収:一般の公募では、シニアレベル若しくはシニアエグゼクティブレベルの$ 119,554-179,700が適用される場合が多い。(大規模府省の

CIOは個別交渉なので不明。

連邦 CIO( IT管理での役割改善機会)

GAO2011年 9月

35

米国政府の CIOはその名前の通り、 ITはもちろんのこと、情報( Information)そのものに対する責任者としての役割が求めら

れている

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英国の政府 CIO

組織– 内閣の公共支出委員会の下にCIOデリバリボードを設置。政府CIOと主要省庁のCIOにより構成し、毎月1回会議をしながら推進している。

– 全体を推進する政府CIOと言う役割と、個別府省の実行者の役割を重ねることで、実務的な推進を行っている。 活動概要

– CIO戦略に書かれている、戦略立案からガバナンスまで全ての領域• 無駄と失敗プロジェクトの削減、経済成長の 試算• 共通 ICT基盤の創造• 変化を実現し届けるためのICTの活用• ガバナンスの強化

政府CIOに任用された人物– 元アクセンチュアであり法務省のCIOを経験した後、その実績を評価され政府CIOに任用。– 週2日勤務(法務省CIOを兼務しているので残りの日は法務省CIO)

CIOデリバリボード

公共支出委員会(効率化、リフォー

ム)

労働年金局 ITディレクタ

ホームオフィスCIO

国防省CIO

財務省CIO

司法省CIO

保健省CIO

ICT 将来構想担当ディレクタ

デジタル担当エグゼクティブディレクタ

政府調達担当ディレクタ

政府CIO

副政府CIO

ICT 将来構想担当

政府デジタルサービス担当

政府調達担当

CIOカウンシル

巨大支出部局

政府 ICTチーム(内閣官

房)

主要プロジェクト部局

プログラム管理

保証とICT支出管理

戦略的サプライヤ関係

代表部

要求と資源

コミュニケーションチャネル

36

政府 CIOだけでなく少人数の CIOデリバリボードで、 CIOとしての機能を果たしているのは参考になる。また、自治体も含んだ CIOカウンシルの議長をしてい

る点も重要である

Page 37: 120620 ciopmo

英国政府の CIOの機能と権限 政府ICT戦略を実施することがCIOの役割である。

– 無駄と失敗プロジェクトの削減、経済成長の 試算• 共有と再利用ソリューション• 支出コントロール• 政府が ICTに資源投入する方法の改善• 巨大プロジェクトに対する仮説• 業務変革を精巧さsるための ICT人材の増加• アジャイルプロジェクトの推進

– 共通ICT基盤の創造• オープン標準による相互運用性の実現

– 変化を実現し届けるためのICTの活用• アジャイルでパーソナライズされ責任あるサービス• デジタルチャネルを使うことへの民主主義のパワーシフト• 公共機関からの民間開放の開始• 協働とモバイルのワークスタイル• 将来に向けた環境調査

– ガバナンスの強化

37 A snapshot of the Government’s ICT profession in 2011、 NAO

政府 CIOとビジョンの一体化が必要であり、政府 CIO 着任後に直ぐに新電子政府戦略を整備する必要がある

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官民共通で、典型的失敗からの示唆

名ばかり CIO– CIOの重要性に気が付き、兼任で任用するが、本人に認識なし、もしくは、時間なし– CIOの重要性に気が付き、情報システム部長を 任命するが社内での影響力なし

トップの後押しなし– 業務改革等で業務部門の抵抗に遭遇した時に後押しがなく改革が実行できない。– CIOを設置した時のトップに意思があるが、トップ交代により閑職へ転落。

38

CIOを設置するには、中長期的に機能する仕組みを 整備する必要がある。

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CIOが持つべき能力、スキル

39

Page 40: 120620 ciopmo

要素 実現した内容

経験 組織知をガイドとして整備し経験不足を補完。演習を中心とした研修を実施。

知識 コアコンピタンス,カリキュラム,ガイドにより体系的に整備

人的資質 CIOコースへの参加による意識付け

ツール ガイド付録のテンプレート群

組織 CIOと PMOの連携を視野に入れたガイド提供

経験

知識

人的資質ツール

組織

経験

知識

人的資質ツール

組織

40

良い CIOになるためには

CIOのポテンシャル =

   経験+知識+人的資質+ツール+組織

   総合得点だけではなくバランスも重要

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経営者 (CIO)に必要なスキルセット

CIOは、Cクラス人材としてのスキルを身につける必要がある。経営者には「科学」と「アート」のスキルが必要であり、CIOも単なる知識ではないアート系(人間系)スキルも身につける必要がある。

41

科学系スキル・マネジメント知識・ロジカル・シンキング

アート系スキル・リーダーシップ

性質 形式知 暗黙知

習得方法 「仕組み化」が容易・教科書・講義・演習

「仕組み化」が容易ではない・ケース・アクティブラーニング

経営者にとって必須のスキルか

すべてをマスターしている必要はない・かなりの部分は部下/外部に委託できる

必須の技術・各スキル要素は掛け算の関係にある・他人に委託できない

左脳系右脳系

ハート

資料: BCG戦略リーダーシップ「経営者になる、経営者を育てる」ダイヤモンド社

数々の著名な経営者や経営学者の指摘する経営者のスキルは以下に包含されている

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アート系スキルの詳細

経営者に必要なアート系スキルセットは「強烈な意志」「勇気」「インサイト」「しつこさ」「ソフトな統率力」の積により実現される。

42

ベ ー ス と し て

の 必 要 条 件

組 織 と し て

結 果 を 出 す

個 人 と し て 結 果 を 出

強烈な意志高志と責任感

勇気

ソフトな統率力

夢、共有、チャーム

インサイト洞察力、発送、ひら

めき

しつこさ考えるしつこさ実行するしつこさ

×

×

経営者に必要な勇気1.トレードオフを正しく理解し、どちらかを捨てる勇気2.負果実な情報化でも必要なタイミングで決断する勇気3.やめる勇気、変える勇気4.必要ならば情を捨てて人を切る勇気正しく勇気を使うための要件・メンタルタフネス・リスク管理・無視・倫理観

インサイトの重要性知識やロジカルシンキングにとらわれている時に正すインサイトを身につけるためのクセ・本質をみる・二極性で発想する・自分がはまっている思想の反対側に振ってみる・定石は必ず壊して進化させる・他人の頭を使う

×

ソフトな統率力HRMの組織設計論的なアプローチでない、思いや人間性を軸にした統率力

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CEOと CIOの差異 CEOと CIOの差は市場重視と顧客志向の部分が大きな差となっている。前出のガートナーの調査では CIOの注力ポイントが顧客志向にシフトしてきており、より CEOの領域に近づいてきている。– 2万 5,000人の C レベル・エグゼクティブを対象に各能力値を調査し、それぞれのパフォーマンス・レベルを

1〜7の点数で評価した(エゴンゼンダー・インターナショナル)。 平均的な CIOと優秀な CIOの間には戦略指向、変革主導力などに大きな差がみられる。

43CIO Executive council https://www.ciolinks.jp/journal/detail.php?id=843

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米国で CIOに求められるバックグラウンド

C レベル人材に必要なバックグラウンドとしては修士レベルの基礎的教育が望ましいと考えられている。– 米国では最近「MS in Business」「 Technical MBA」等の修士コースの発展形を提供する大学が多い。

– ボストン大学では「MS-MBA」というダブルディグリーのコースを提供している。

– CIOは、コンピュータサイエンスのバックグラウンドは、基礎知識として重要である。また、ビジネスや財務のきちんとした教育を受けることも重要である。

– MBAは、エグゼクティブの基礎やバックグランドとして機能する。

– 一部のリクルーターは、フルタイムでもパートタイムでもMBAを持っているほうが良いと勧めている

• Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

44

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CIO コアコンピタンス

CIOの学習指針を示すために米国を参考に CIOコアコンピタンスが利用されてきた。

45

CIO経験・知識表  氏名:** **

経験期間

最終経験年

経験ポ イント

知識総合ポイント

経験・学習履歴等

8.9行政学と行政改革 4 2004 5 4 9行政機関の役割 4 2004 5 4 9行政機関の組織構造 4 2004 5 4 9公務員制度 4 2004 5 3 8行政機関のミッションを反映した意思決定 4 2004 5 4 9行政機関のミッションとITのミッションの 関係 4 2004 5 4 9行政管理と行政評価 4 2004 5 4 9行政のアカウンタビリティ 4 2004 5 4 9審議会等の役割 4 2004 5 4 9

6.3行政機関の組織構造(再) 4 2004 5 4 9行政機関幹部の役割と機能 4 2004 5 3 8組織と意思決定構造 4 2004 5 4 9組織内の情報の流れ 4 2004 5 4 9組織文化と意思決定の関係 4 2004 5 4 9CIOの基本的役割 0 4 4経営幹部と部門長のCIOの役割の 2つの側面 0 4 4CIO組織のあり 方 0 4 4CIOと 官房業務との関係 0 3 3CIOの有 効性評価 0 4 4

知識:5(教えられる)、4(臨機応変に使用できる)、3(使用できる)、2(説明できる)、1(言葉は知っている)、0(聞いたことがない)

1998-2000中央省庁本省

2002-2003J ASDAQ上場情報サービス企業都道府県アドバイザ

1998-2000中央省庁本省

2002-2003J ASDAQ上場情報サービス企業都道府県アドバイザ

(1)政府、自治体の仕組み

  1.1  行政のミッション、組織、機能、政策

  1.2  大臣、事務次官、首 長、CIOの機能およ び相互関係

経験年数

最終経験年

経験ポ イント

知識総合ポイント9.0

情報技術による経営革新 4 2004 5 4 9情報技術による業界構造の変革 4 2004 5 4 9情報技術の組織へのインパクト 4 2004 5 4 9情報技術の特徴 4 2004 5 4 9情報技術が行政経営に与える影響 4 2004 5 4 9今後10年の技術変革予測とそのインパクト 4 2004 5 4 9情報サービスのユーティリティ化 4 2004 5 4 9

6.9アーキテクチャ 5 2004 5 4 9OS 3 1993 1 3 4ハードウェア 4 1997 2 3 5ソフトウェア 14 2003 5 3 8ネットワーク 14 2003 5 3 8モバイル 5 2003 5 4 9オブジェクト指向技術 1 2003 2 3 5ソフトウェア構築技術 14 2003 5 3 8システム構成方式 4 1997 2 3 5サービス提供形態 3 1996 1 3 4最新技術動向 7 2004 5 4 9ベストプラクティスの評価と活用(再) 5 2003 5 4 9

1994-1996コンサルティング会社各種経営革新プロジェクト

2003J ASDAQ上場情報サービス企業IT都道府県 ビジョン作成支援

  4.2  情報技術の基礎

  4.1  情報技術の持つ可能性

(4)情報資源戦略および計画

1990-1993,1997一部上場SI企業Web汎用機システム開発、 システム開発

1994-1996コンサルティング会社IT コンサルティング

2003J ASDAQ上場情報サービス企業製品戦略

経験期間

最終経験年

経験ポ イント

知識総合ポイント6.0

人口の現状と展望 2 2004 5 4 9環境問題の現状と展望 0 3 3国際化の影響 0 3 3情報技術により解決が期待される社会問題 2 2004 5 5 10社会問題解決に向けたCIOの役割 1 2004 3 5 8社会問題に関係する法律と規制 0 3 3

10.0社会予測関連情報の入手 2 2004 5 5 10社会予測の手法 2 2004 5 5 10社会予測の評価 2 2004 5 5 10

9.0技術予測関連情報の入手 2 2004 5 5 10技術予測の手法 2 2004 5 5 10技術予測の評価 2 2004 5 5 10最近開発された技術と開発中の技術 2 2004 5 5 10新技術が業務へ与える影響 2 2004 5 5 10ITのライフ サイクル管理 0 4 4

2002-2003J ASDAQ上場情報サービス企業IT都道府県 アドバイザー

1998-2000中央省庁本省技術政策

2002-2003J ASDAQ上場情報サービス企業都道府県ITアドバイザー

2002-2003J ASDAQ上場情報サービス企業IT都道府県 アドバイザー

  13.3  技術トレンドの予測

  13.2  社会予測の方向

  13.1  社会環境の把握

(13)社会環境と技術

2

第1回METICIO /CTO 研修 2005

得点基準と評価 経験点 知識点

5:教えられる4:臨機応変に使用できる3:使用できる2:説明できる1:言葉の意味は知っている0:聞いたことがない

5

2.5

1

経験点

経過年数

8年

経験2年以上

経験2年未満8年以降は1点

経験点と知識点を加算した総合評価6点以上:安心して任せられるレベル3点以上:業務に支障がないレベル3点未満:経験・勉強不足

つまりは、「かなり前だが経験があり、十分な知識を持っている人」「最近まで(現在も)経験しているし、基礎的知識を持っている人」を安心できるレベルと評価し、知識だけや経験だけが十分にある人は、ポテンシャルのある人と評価した。

 

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

(1)政府、自治体の仕組み

(2)組織の管理と人材育成

(3)業務の管理と変更管理

(4)情報資源戦略および計画

(5)パフォーマンス管理

(6)プロジェクト/プログラム管理

(7)投資評価(8)調達

(9)電子政府/eビジネス/電子商取引に関する…

(10)エンタプライズ・アーキテクチャ

(11)情報セキュリティと情報保全

(12)アクセシビリティとユーザビリティ

(13)社会環境と技術

総合(18)

総合点 経験点 知識点

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共通キャリア・スキルフレームワーク

新しい統合された体系として、ユーザ・ベンダ双方の人材フレームワークの共通キャリア・スキルフレームワークが整備された– 3系統 -7分類の知識に整理されている

CIOに近いストラテジスト試験における体系は以下の通りである。

ITストラテジスト知識(大分類)

必須 説明

テクノロジー系

コンピュータシステム △ コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェアなどコンピュータシステムの基本的な知識

技術要素 △ ヒューマンインターフェイス、マルチメディア、 DB、ネットワーク、セキュリティ、ソフトウェア開発などの技術要素の知識

マネジメント系

プロジェクトマネジメント

○ プロジェクトマネジメント、調達マネジメントに関する知識

サービスマネジメント ○ サービスマネジメント(インシデント管理、構成管理、情報資産管理等)、システム監査に関する知識

ストラテジー知識

システム戦略 ○ IT戦略、投資対効果、 EAやシステム設計に関する知識

経営戦略 ◎ 経営戦略マネジメントやビジネスインダストリに関する知識

企業と法務 ◎ 企業会計、企業財務などの企業活動や、知的財産権、契約などの法務に関する知識

出典:「情報処理技術者試験 新試験制度の手引き」(平成 19年 12月 25日 独立行政法人情報処理推進機構)

46

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CIOに関する国内での様々な体系

CIOとして実施すべきこと、CIOの コンピタンス、情報システムスタッフからCIOに 成 長していくための UTSSと様々な体系が整備され活用されている。

47

行政CIO 関係者5日間

民間CIO 候補9日間

民間CIO4日間

情報システム統一研修

情報システム統一研修

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CIOとして着任したらすべきこと

48

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CIOに着任したらすべきこと

CIO 着任時に何をすべきかは、これまでの経験から蓄積されている。– 例1 最初の 100日にすべきこと

• 着任時に採用で示された CIOの役割の再定義と、 CIOとしての成果指標の定義と合意• 最初の1ヶ月は何もしない。ひたすら聞く。(内部の状況、顧客の要望などあらゆる関係者の声)

• 2ヶ月目は誰が信頼できるかを見極め、その人に計画素案を見せながら計画を作り上げていく• 3ヶ月目計画を部門内のみんなに公開し、手順を試行してもらう• 着任までの100日の最後の10日で関係役員、ベンダ等の関係者に計画を公開し共有する

– 例2 最初の 3ヶ月にすべきこと• 事業戦略の理解とどうすれば戦略が部門に浸透するのかの調査• チームの人と自分のゴールとリーダーシップスタイルを話し合う• 各部門からの要望に応える主要成功要因の定義• 中 長期 計画をしている間に実現できる短期的成果(価値)と様々なことを学ぶための基本計画を作る

• ITチームのダイナミズムや個々のメンバーを知るためにコミュニケーションを図る時間をとる• キーマンとの人間関係を作る• IT部門と業務部門の歴史的関係、現在の関係を把握する• 上司が気にしていることへの結果を素早くだす• 組織内でのインフォーマルなネットワークの構築• 上司と成功までの機関を交渉・同意する

49

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

www.cio.com  CIO   starter   kit

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CIOに着任したらすべきこと

– 例3 最初の 1 年にすべきこと• 最初の半年は、顧客の声を聞き、信頼を得るためにすぐに出せる成果を出す• 半年以内に任期中また中 長期のアジェン ダを作成する。• 1年以内に IT組織の変革をおこなう

許可なくふるまえる環境の整備(バスの乗客ではなく、運転手であることを自覚する) 稼ぐための IT支出の追跡と改善 ITにより稼げる仕組みを作る 顧客へ最も近いところで業務を行うヘルプデスクの強化 周囲からの事業上のアドバイスを集める

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

50

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参考: CIOへのアドバイス

最高の CIOになりたければ、自分の組織について一生懸命勉強をしなさい。そして CEO化やあなたへの期待を感じ取りなさい。– もし期待と違った場合には、その妥協点を見つけ出していきなさい。それが CIOとしての経験になりキャリアにもつながっていく

転職に必要なインタビュープロセスに向けて準備をしなさい 経営部門、 ITスタッフなど様々な人の声を聞きなさい ITスタッフのフィードバックを聞きなさい 最新の監査プロセスに関して関心を持ちなさい 業務部門の内容を知ると共に関係構築をしなさい 短期、中期、長期の 計画を作りなさい ベストプラクティスから学びなさい 様々なプロフェッショナルに会ってアドバイスを得なさい コミュニケーション力を磨きなさい。 IT業界にしかわからない言葉では話さない 予算に注目しなさい。できれば CFOと友達になりなさい ITスタッフには事業内容や ITの戦略、計画を十分に説明し、集中して取り組みをさせなさい ベンダーマネジメント戦略を作りなさい ITチームをチャレンジングにし、そのための訓練をしなさい 楽しく働きなさい きちんと意思決定をしなさい あきらめない

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006 51

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最初の一年を超えたらすべきこと

自分のミッション、期待度、人間関係などの足場を固めたら、後任候補の発掘と育成が最大の課題。

その様子を見ながら、自分の在職中のミッションを再定義。

52

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経済産業省のCIO 補佐官としての取組

資料: The New CIO Leader(Gartner)を元に作成

新しいCIOリーダ像

①推進する

② 環境を把握する

③自分自身のビジョンを作る

④自分への期待を形作る

⑥ITガバナンスの実現

⑩成果の公開と議論

⑨情報システムスタッフの育成

⑧新しい役割の情報システム部門の整備

⑦組織、また、ITから 見たリスクの管理

⑤政策とIT戦略の一体化

基礎資料を整備中

業務計画書を作成

研究会の実施

適宜相談

PMO業務の定型化

高リスク案件の管理

月次での成果管理

PMO用ガイドCIO/CTO 研修

年間成果指標・達成状況前月成果指標報告次月成果目標

前月日次業務報告

PMO業務全体の実践ガイドCIO 研修  300人以上が受講

CIO体制CIO関係者のミッション

月次レビュー定量管理の導入

集中レビュー

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CIOの採用

54

Page 55: 120620 ciopmo

府省、自治体の CIO補佐官採用の現状

CIO補佐官の募集は、各府省のホームページで実施し、公募期間が 2 週間程度のため、応募希望者は週に一回「 CIO補佐官 募集」「 CIO補佐官 公募」という検索をしなければならない。– 個人で探すのは困難

CIO補佐官へ個人や個人企業の参加も可能だが「セキュリティポリシーを持っていますか」「 P マークを持っていますか」という質問などで、実質的に企業規模がないと参入できない参入障壁を暗に示すところもある。

CIO補佐官の給与などの採用条件が明示されない場合も多く、応募がしにくい。 受託で CIO業務をするか任用にするかで契約金額が大きく異なる。

– さらに任用の場合、受注制限もかかることから企業にとって出向を出すメリットが感じられない– また個人契約の場合には税や社会保障など事務処理が煩雑になるというデメリットもある

大都市圏以外の自治体では、地元に適任者がいない場合も多く、募集者の確保が課題である。

自治体などでは民間 CIOクラスの給与を出すことができない

2008年 7月経済産業研修所「 CIO/ CTO研修参加者アンケート」 55

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CIO補佐官配置の規模感

内閣官房

内閣法制局

人事院

内閣府

宮内庁

公正取引委員会

金融庁

環境省

衆議院

参議院

国立国会図書館

会計検査院

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

5000

0 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000 7,000,000 8,000,000 9,000,000 10,000,000

職員

IT予算(FY20)

CIO   1 名補佐官1名

CIO   1 名補佐官 3名

CIO   1 名補佐官 3名

CIO   1 名補佐官1名

1 名以上

実働 1名未満実働 1名

実働 1名

実働 1名未満

仮説検証職員数 5000人以上で IT予算が大きい府省は常勤 CIO1名+ CIO補佐官2名以上配置小規模組織での CIO補佐官独自採用の廃止、内閣府の一括採用を通じた派遣

現在 45名いる補佐官が28名に減量可能

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CIO補佐官配置の規模感

内閣官房内閣法制局697内閣府

1077706

警察庁

1294

総務省

法務省

外務省

財務省

文部科学省

厚生労働省

農林水産省

経済産業省

国土交通省

1134

防衛省

17131268916会計検査院0

10000

20000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

0 50,000,000 100,000,000 150,000,000 200,000,000 250,000,000 300,000,000

職員

IT予算(FY20)

CIO   1名

補佐官1名

CIO   1名

補佐官1名

CIO   1名

補佐官 4名

CIO   1名

補佐官 3名

CIO   1名

補佐官 4名

CIO   1名

補佐官 3名

CIO   1名

補佐官 2名

CIO   1名

補佐官 3名

CIO   1名

補佐官1名

CIO   1名

補佐官1名

CIO   1名

補佐官 2名

2名以上

実働 1名未満

実働 1名

実働 2名実働 2名

実働 1名未満

実働 1名

実働 1名

実働 1名

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一体、何人必要か?

58

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いつ100円 CIO補佐官が出るのか??

価格のみの入札で選ぶものなのか?

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公正取引委員会の CIO補佐官募集において、安値入札で醜い争い。

                             19年 ㈱NTTデータ8,452,500   随意契約

                             20年 ㈱NTTデータ8,452,500   一般競争

   21年 ㈱インターフュージョン・コンサルティング 6,205,550  一般競争

                             22年 ㈱NTTデータ4,891,950   一般競争

 23年  ????  ???

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CIO補佐官のキャリアパス

CIO補佐官等の任期終了後にキャリアアップしたという話を聞かない。– CIO補佐官終了後に出身母体の企業に戻り淡々とベンダの部長をしている人– 府省CIO補佐官のブランド力を元に自治体CIO補佐官になる人

前職やCIO補佐官という肩書きなしで、個人名で生きていける人は何人いるのか?

ベンダ CIO補佐官

社内キャリアパス、将来の営業ツールとしか考えていない

出向

任期終了で復帰

ベンダ 府省 CIO補佐官

退職 自治体 CIO補佐官

退職

個人的に CIOとしてのキャリアパスを作ろうとした場合のシナリオ1.毎週検索サイトで求人を探す。また、非常勤が多いので副業を探す。2.求人が出ても条件が不明なのと、次にいつどこで募集が出るのかわからないので深く悩む3.有休を使って説明会に行く4.有休を使って面接に行く5.採用が決まったら、退職手続きを行うと共に勤務日以外の副業の営業を本格化する6.採用後、非常勤雇用としての不安定な生活が続く    ↓プロフェッショナルとして、よっぽど自信がなければチャレンジできない

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民間 CIO退職

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CIO補佐官の雇用形態

CIO補佐官業務というものは成り立つのか?– チームで雇いたいという気持ちはわかる。– しかし多くの場合、偽装請負(職員からの直接指示)の疑いがある

CIO補佐官業務受託者は府省の名刺を持っているがおかしくないか?– 今時の企業において、請負業者に自社の名刺を持たせるなんてあり得ない。

• コンプライアンスの問題• 社員のモチベーション維持

CIO補佐官のうち、直接雇用でない人は役割実態に合わせて ITアドバイザーに改称するべき。

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行政職員も流通する可能性があるのか

意外なことに、 CIO 研修に参加している職員は CIOとしての転職希望を持っている。

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2008年 7月経済産業研修所「 CIO/ CTO研修参加者アンケート」

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CIO補佐官リプレイスのタイミング

CIO補佐官が主(ぬし)になって周囲からお願いしにくくなっている 任期中の成果物を明確に言うことができない 今後こうしていきたいというビジョンがない 1日 1 枚程度の紙を作っていない

– 週 1 日勤務であればノウハウで 52 枚(52週)位残る 年に一回も外部の講師等に呼ばれない ほほぅと思う情報提供やアドバイスが月に一回もない

3 年以上いる人は要確認。6年以上同じ人なのは??– よっぽど優秀な人なのか– ノウハウの移転や人材の育成ができていないのか– 形式上必要なので無害な人をおいているのか– 外部から引き合いもなく、しがみついているのか

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CIO補佐官のレガシー化、既得権益化を防止することが重要

米国の行政 CIOは平均 5.8年

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非勤務日の活動をみていると実力がわかる

補佐官の肩書きで講演している– 公務なのか?– 謝金はもらっているのか?– 略歴に CIO補佐官と書くのは事実であるので問題ないが、 CIO補佐官の肩書きで講

演するのはいかがなものか?

本来は、非勤務日(講演日)の肩書きで講演するべきであるが、それでは客寄せパンダになりきれない。つまりは、個人の実力では、それほど評価されていない。

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CIO補佐官の変更について

CIO補佐官の引き継ぎ準備– CIO補佐官の引き継ぎ事項が整理されていること(心得~課題)– 戦略、体制、システム関連、ガイド類などの基礎資料のファイルが整理されていること

新 CIO補佐官の立ち上げ– CIOの立ち上げは通常100日といわれている。– 引き継ぎ準備ができていない場合には最大12ヶ月かかる– 12ヶ月でフルパフォーマンスを出せない CIO関係者はリプレイスするべきである

着任1ヶ月以内に最低限行うべきこと– ミッションの再定義– 任期全体の計画と KPIの設定– 任期マイルストンでの KPIの設定

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CIOの確保

企業では、内部からの育成が多いが、 3 割の企業が中途採用などで確保している。

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凡例:(企業の従業員数)

全体( N=554) 100人未満( N=130)

100~ 999人( N=176)

1000人以上( N=233)

理想的な ITマネジメント人材の確保方法

出典:日経 BPコンサルティング 2005年 8月~9月「 IT化の取り組みに関するアンケート」

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国内ヘッドハンターの視点

国内では CIOに関するマーケットは全く形成されていない。– 役員評価などの依頼はあるが、そのときにも CIOの役割やミッションがきちんと定義されていないことが問題になることは多い

– 凄腕 CIOにより業績が飛躍的に伸びたという事例が少ないので、 CEOがヘッドハンティングまでして CIOを確保しようという意志が働かない

– 海外での CIO流動化はここ5年で大幅に伸びている、国内のエグゼクティブ人材動向は米国の 5年遅れと言われるので、これから伸びることを期待している

明確な CIO定義と成功モデルの確立がマーケット拡大には必要

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米国 CIOのリクルーティング

CIOのリクルーターが評価するもの– 当該産業の知識、当該産業の顧客の知識– 上級レベルの技術管理経験– 大規模システムを管理した履歴– ベンダーやソーシングの管理– 戦略計画– 業務プロセスやどう改善するのかという完全な知識– ハイパフォーマンスのチームを、採用し、作り、モチベーションを維持する能力

CIOとして採用してもらうために必要なこと– 何が実現できるか具体的に話せる– これまでどれだけバリューを出したか説明できること– 自分の論理的思考力など内面的スキルを説明できること– 業界知識を話せる

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Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

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米国 CIO候補者に求められる業務経験

初めて CIOになる人のコンサルティング業務経験– 17%のリクルーターが高いと回答– 50%が中間、33%が低いと回答

• ただし低いと言いながらも方法論やコミュニケーションスキルがあるので Valuableという意見もある

CIOになるのに財務管理の知識は必要か– 50%のリクルーターが高いと回答– 33%が中、17%が低いと回答– 理由は大規模投資を伴うため、財務的なインパクトなども理解できなければならない

就労経験– 10年から15年– Fortune500レベルだと25年くらい

69

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

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参考: CIOを目指すミドルクラスがすべきこと

米国では CIOとしてのキャリアパスができているため、ミドルクラスから CIOを目指す人は多い。– 業務部門で働くこと。調達部門が望ましい。– コミュニケーションスキルと関係構築スキルを仕事で学べ– CIO関連業務をしていてキャリアパスを支援してくれるメンターを探せ– 自分の専門領域のネットワークを構築しろ– 今まであった人のデータベースを構築しろ– 自分のサポートしている組織のバリューとその評判を上げろ– ハイリスクや問題のあるプロジェクトに挑みリーダーシップの役割を実感しろ

– 自分のスタイルとマッチしてシナジーのある職場を選べ– ITに関する幅広い経験を積め– 大きな絵を描く

– + パーティーアニマルになって人脈を広げる

70

Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

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米国民間 CIOの給与

平均年収$180000  ( ボーナス、オプションを除く )–     Straight to the Top - Becoming world class CIO, G.S.Smith,2006

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Organization size

Less than $100 Million

$100 to $999.9 Million

$1 Billion or more

2008 $148,300 $213,500 $344,400

2007 $134,200 $184,000 $281,900

2006 $130,023 $193,561 $283,553

http://www.cio.com/article/147950/_State_of_the_CIO_Data_Shows_CIO_Salaries_Influence_Rising

2008 SALARY SURVEY RESULTS • SEARCHCIO.COM

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米国の CIO流通の仕組み

米国政府 CIOは、採用情報が一元的かつオープンに提供されている。– 勤務条件、給与など詳細条件が提供される– 日本では、サーチエンジンで探すしかなく、事実上、オープンな調達とはいえない状

況である。

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米国の CIO流通の仕組み

政府向けだけではなく自治体向けの CIO求人サイトも提供されている。

もちろん民間向けの求人サイトもある

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民間 CIO職検索サイト自治体 CIO職検索サイト

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国内 CIO 募集情報

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CIO補佐官の管理

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ミッション、 KPIによる管理

着任した時点で、ミッションを定義するとともに、年次でミッションの再定義を行う。

また、ミッションに併せて KPIの登録と必要に応じて月次での報告を行う。

KPIの例– ガイドライン作成数– テンプレート作成数– システム部門、業務部門へのアドバイス数– 失敗プロジェクト数– 業務部門からの満足度– CIOからの満足度– 情報システム部門からの満足度

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各システム部門に KPIを求めているのであるから、自らも KPIで律する必要がある

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月報による管理

引き継ぎ資料もかねて月報は付けさせることが望ましい– 理由

• 各プロジェクトにはWBSで作業を出させている• 民間企業では、日報、週報、月報などを使っている

KPIを定期的に報告させることで、ミーティングをしなくても状況が管理できる。

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CIOと補佐官のミーティング

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評価シート例

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CIO補佐官評価シート ※業務において関係しているCIO 補佐官全員を評価してください(評価結果は一部本人にフィードバックすることがあります)

あなたの所属 を教えてください   1.情報政策ユニット 2.情報システム厚生課 3.システム担当課

CIO評価対象 補佐官名

CIO補佐官の役割   ←→      2(役に立っている) -2(迷惑である)省内の情報システム、情報管理の高度化情報政策普及への貢献情報技術専門家としてのアイデアの提供電子政府のリーダーとしての貢献個人に期待されたミッションに対する貢献

CIO機能の評価   ←→      2(役に立っている) -2(迷惑である)基本機能 ビジョンや方向性の提示 判断できないときには空欄

関係者との調整 評価対象外の時も空欄( )見積もり予算 精度の向上

最適化計画作成の支援スケジュール遅延の防止手戻り防止品質向上ガバナンスの向上的確な助言・示唆ガイド、資料提供など技術移転メンバや関係者に対する教育

副次機能 効率的な会議の運営ベンダに対する牽制専門家がついている安心感

ビジネス基本能力 5点満点 (5-0)意志決定力 判断できないときには空欄意志決定の速度 評価対象外の時も空欄発言に対する責任感資料作成力資料納期予定の明確さ

専門性評価   ←→  2(十分な知識や経験がある) -2(不足している)行政の仕組みに対する理解 判断できないときには空欄組織管理や人材育成 評価対象外の時も空欄業務改革情報利活用と情報資産管理業績管理プログラム/プロジェクト管理投資管理/評価調達電子政府やeビジネス情報技術・システム社会環境の把握

CIO 補佐官に対する継続評価 判断できないときには空欄1.次年度も継続すべき 評価対象外の時も空欄2.次年度継続には再評価が必要3.次年度更新し、違う人にしてほしい4.次年度は更新したくないし、補佐官は不要

CIO 補佐官満足度 100 100- 0点満点( ) 判断できないときには空欄評価対象外の時も空欄

CIO補佐官に望むことは何ですか(個人向けに限らず自由記述)

CIO補佐官にして欲しくないことは何ですか(個人向けに限らず自由記述)

その他(個人向けに限らず自由記述)

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月次報告例

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CIO補佐官業務報告書 2008年9月 平本健二 

今月の目標 

目標  KPI  状況  取組  備考 省内情報システムの状況把握(内容、管理方法、体制)  全体の管理体系案の完成  △   ↑   システム詳細情報の部分がまだ把握でき

ず。そこを一覧化すればほぼ完了。 情報資産台帳に苦戦 

システム定量評価方法の提案  最低限測定すべき項目の定義  △   ↑   特定システムを抽出して評価するのではなく、PMOヒアリングにあわせて検証していく方向に変更 

CIO研究会の企画  研究会、朝会の各一回開催  △   ↑   研究会の内容はほぼ確定し、委員勧誘を開始 

グリーン IT の企画支援  (企画案の作成支援)  -  -  ほとんど関与せず 状況:緑(KPI達成)、黄(KPI未達目処あり)、赤(KPI未達目処なし)、無印(目標変更等) 取組:緑(KPI達成済みもしくは実施中)、黄(徐々に取り組み)、赤(未着手) 

毎月のルーチン業務(今月未実施は灰色) 

PMO月次報告会  CIO補佐官会議  WG2(ガバナンス)  WG4(セキュリティ)          

今月の総括 

情報システムの管理は情報システム資産台帳を整理することで一気に進むものと考えられ、そのあたりの情報収集をした。セキュリティ藤一基準との関係もあり、間違いなく整備が必要な方向に向かっている。総務省としては現行のサンプル以外を当面作る気がないので、経産省で雛型化してしまい、省庁のテンプレート化してしまう方向で作っていきたい。情振課と NISCとの連携も必要となる。 電子政府研究会は、委員選定に時間がかかったが、着手した骨子を早急に仕上げる必要がある。また、コンサルにすぐに落とし込めるように各会議のストーリーと落としどころを整理する。 

来月の目標 

目標  KPI  備考 省内情報システムの状況把握(内容、管理方法、体制)  情報資産台帳の完成  PMO体系とシステム開発ガイドの組合せなど システム定量評価方法の提案  システムテストガイドの作成 

システムメトリックスのサンプル作成  

CIO研究会の企画  研究会の開催、朝会を各二回開催   グリーン IT の企画支援  (企画案の作成支援)  上記 CIO研究会で実施 

 

 年間の目標 

目標  KPI  状況  取組  備考 CIO業務計画の作成(引き継ぎ資料)  CIO業務計画の完成、責任者満足度  50%  ↑    情報システム監査(メトリックス中心)  現状システム管理状況レポートの完成、責任者満足度  1%  ↑   行程に従い実施していくこと

に方針変更 CIO研究会の開催、成果のとりまとめ  研究会の開催と報告書の完成、責任者満足度  5%  ↑    

今月の主要報告事項 

CIO補佐官WG5は、TRM 部分に加えて成果測定をしたいとのこと、年度末に向けグリーンの評価の話含め打ち込んでいくと有効かもしれない。要検討。 CIO 補佐官 WG4は、コモンクライテリアもしくは何らかのシステム評価が必要という議論になっているが、METI としての方針を整理する必要あり。とりあえず情シスで試して見る方向で検討する。 情振課がベンチマークを主要テーマとして推進していく方向。情シスで検証できるところから使ってフィードバックする方向で検討してはどうかとなっている。ユーザ、ベンダ、PMOによる研究会を設置する方向。 CIO業務計画が修正未了。 

詳細 

日  電子政府  省内システム  対外  備考 3  電子政府公募準備      補佐官ミーティング 4  研究会実施スケジュールの検討  情報資産台帳の検討     5  電子政府新サービスの検討       10  電子政府 POI サービス検討 

電子政府ディスカッション(葛西、Sun、CTC) 

PMO定例ヒアリング     

11  CIO戦略フォーラム第一回  設計開発ヒアリングフォームの改善 テスト計画書レビューポイントの整理 先物システム助言 

WG4(セキュリティ) ・情報資産台帳 ・セキュリティバイデザイン 

 

12  CIO調査公募説明 報告骨子作り(CIOパート) 

METI セキュリティガバナンスチェック 

   

17  骨子作り続き スケジュール案など 

PJ MO総括報告レポート書式作成  佃氏打ち合わせ   

18    METI の情報システムポジショニングの整理 システムテスト要チェックシートの検討と、信頼性確保のための情報整理 

   

19  研究会スケジュール整理 委員構成検討(葛西、金子ブレスト) 趣旨説明紙の作成 

  アクセンチュア後藤氏打ち合わせ   

24  各種提言と電子政府委員会の整理 佃さんレポートの事例検証 電子政府事例探索 研究会スケジュール・テーマ再整理 

(ベンチマーク)  WG4(セキュリティ) ・オンライン申請強化とセキュリティに関する一般的情報提供 

ベンチマークの基礎データ整備のため情振課、IPA、J UAS調整 

25  パブリックサポートサービス整理 テーマ再整理 

     

26  自治体委員依頼 事例追加調査 

     

                  

 

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CIO人材の育成

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民間企業の実態・意識

民間企業においても、 CIO育成プログラムに取り組んでいる割合は少ない。 理想的な人材確保の方法は社員教育・研修であり、 CIO育成プログラムへの興味も高い。

IT関連の人材教育への取り組み状況

出典:日経 BPコンサルティング 2005年 8月~ 9月「 IT化の取り組みに関するアンケート」

凡例:(企業の従業員数)

全体( N=554) 100人未満( N=130)

100~ 999人( N=176)

1000人以上( N=233)

理想的な ITマネジメント人材の確保方法

大学院の CIO育成コースや企業が実施するCIO育成プログラムへの興味

非常に興味がある+興味がある⇒ 52%

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既存コース活用の可能性

国内でも様々なコースが提供されており、 CIOコースを既存コースの拡張として考える方法もある。– MBA

• 経営情報の一般的な内容を教えるところは多いが、 CIOとしての最低限の基礎知識程度しか身につかない

– MOT• 技術を経営に生かすためのコースであるが R&Dや知財戦略など本業としての技術を中心にコースが組まれており、 CIOのコースとは少し違う

– MS• 情報技術は教えるが、経営部分が教えられていない。

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マネジメント

技術

MOTMBA

MS

CIO どのコースを基準にするとしてもエクステンションが必要

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現実的な CIOへのパスに対するコースの対象

マーケット視点でコースを設計しようとすると、CIOコースではなくPMO的なコースにならざるを得ない。– 業務関連役員がCIOになった場合、経営について研修で学ぼうとする人は少ない。また、忙しくて座学に頼りがち。

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CIO 現業部門役員など

共通スキルフレーム

ユーザスキル標準( UISS)

ITスキル標準( ITSS)

ユーザ視点の ITマネジメント企業マネジメントエグゼクティブとしてのリーダーシップ、コミュニケーション

情報視点の事業改革、業務改革CIOとしてのセンスPMOからの報告の読み方、判断基準

CIO視点(管理→ガバナンス、 IT 投資→経営)体系的な CIO / PMO知識企業マネジメントエグゼクティブとしてのリーダーシップ、コミュニケーション

担当部長クラスが多い

情報システム部門長、 幹部クラスが多い

コンサルタント

実務経験

CIOコアコンピタンス タ

ーゲット

ここはあまりニーズがなかった民間では MBAにアドオンするなどの形態でケース中心の講義がくめると考えられるが現時点ではない

ユーザ

ベンダ

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CIOの組織化

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民間の CIOの組織化

民間先進企業のCIOが集まりCIO戦略フォーラムを設立、さらに、その上位の組織として IT経営協議会を設置し活動している。– CIOとしての知見を共有するワーキンググループや後進の人材を育成するためのワーキンググループを設置し活発に活動している。

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IT経営協議会

CIO戦略フォーラム

IT経営改善事例WG

バリューチェーン効率化WG

パートナーシップWG

IT人材育成WG

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民間の CIOの組織化

CIOからユーザの担当者までが集まる日本情報システム・ユーザー協会が活発に活動している。– 行政機関も入会できる

また経営情報学会や国際 CIO学会等、研究者と交流する場もある。

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民間 CIOのコミュニティ

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雑誌のオンラインサービスとしていくつかの CIO 交流コミュニティが提供されている

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CIO 百人委員会

民間の取組 行政の取組

CIO戦略フ ォーラム 行政CIOフ ォーラム民間の知見

行政の知見

企業の競争力強化や高度な行政サービスの実現にITを 利活用することは欠かせないものになってきている。そうしたなか司令塔であるCIOの役割は 年々高まってきている。

一方、 「CIO としての専門性を高める場が少ない」、「CIOに適切な人材がいない」など、CIOの基 盤強化に関する課題が多くの場で指摘されてきた。

CIOの 専門性を高め、人材の層を厚くしていくためには、知識と経験を共有するコミュニティ強化をすることが重要と考えられており、これまでも、民間や行政でそれぞれCIO コミュニティ作りが行われてきた。

CIOの 専門性は業種横断的に共有できる部分が多いことから、民間、行政でそれぞれで活動するだけではなく、プロフェッショナルとしてのCIOの コミュニティを整備し、交流の中から、新しいサービス、官民のバリューチェーンを生み出していくことが重要。

参考:CIOの 設置は、企業 58%、府省 100%、都道府県 75%、市区町村 75%(出所:「 IT経営力指標を用いた企業の IT利活用に関する現状調査」( H20.3) ,「電子政府基本調査結果」( H20.7) ,「地方公共団体における行政情報化の推進状況調査結果 」 H21.3)

「業務改革・情報技術に関する知識・経験」「CIOの 責務や権限に関する共通認識」

「新サービス、官民のバリューチェーンの実現」

CIO 百人委員会第一回平成 21年 3月 26日第二回平成 22年 3月 29日

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CIOチーム/ PMOの構成

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CIOはチームで総合力を出す

CIOスタッフの役割は多岐にわたる。そこで、 2つのチームを設置しCIOとしての役割を果たしていく。

必要であれば、外部から人材を登用する– 府省のCIOの場合、「戦略・企画チームの担当がCIO」であり、「 PMOチームの担当がPMOチーム」である

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情報を軸に組織横断的に改革を進める

情報システムのガバナンスを担当する

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CIOが形骸化しているチームの場合

「 CIOがいないから**できません」             =「自分は指示待ちオヤジですから」

– こんな CIO補佐官は不適格→街の居酒屋で愚痴っていてください

CIOがいないなら– 代行してその機能を補完する– CIOがいつ着任しても100%の力が出せるように環境を整備しておく

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CIOと PMOの関係

CIOは、意思決定をする人であり、実質的にガバナンスの活動を行っていくのが PMOである。

密接に協力をしながら、業務を行っていく

人的配置 戦略目的 戦略オプション戦略ポートフォリオ

戦略ビジョン

立ち上げ プログラム準備 環境整備 成果の実現

プログラム

プログラム終了

プロジェクトプロジェクト

資料: Program management,PMI

CIO

CIO補佐

CIOスタッフ(専門スタッフ)

各種情報や意思決定のための資料を提供

集めた情報を集約し助言

意思決定と指示

実施に向けた助言

実施

CIOの領域

PMOの領域

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PMO概論

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PMOってなんでしょう??

PMOは、類似の概念の2つの略語を兼ねており、頻繁に混乱を巻き起こしている。 PMIですら両方の意味に使っている。– プログラム・マネジメント・オフィス(米国政府で主流の概念)

• 複数のプロジェクトをまとめて管理する概念– プロジェクト・マネジメント・オフィス(日本で主流の概念)

• プロジェクト・マネージャを支援するオフィス

日本語のページのみ表示にすると圧倒的にプロジェクト

米国政府のページのみ表示にすると圧倒的にプログラム

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PMOと PJMOの役割定義

PMOの役割 府省内の業務・システムを統括し、最適化を推進する PMOに

は、CIOの強いリーダーシップの下、CIO補佐官が有する専門的・技術的知識、能力、経験を積極的に活用しながら、特に以下の「ア」~「オ」について、積極的にマネジメントを行うことが求められる。 – ア. ITを活用した業務改革の推進のための調整

• 関係者の調整などにおいて率先してリーダーシップを発揮することによる、業務・システム最適化などの ITを活用した業務改革の推進のための調整

– イ.府省内の業務・システム最適化の統括・推進 • 府省内の個々の業務・システム最適化の統括及び府省内の全体最適化を推進するための体系的かつ整合的でセキュアな情報システムの整備の統括

– ウ.予算及び調達の統括 • 電子政府に関する予算の概算要求、執行及び情報システム調達の統括

– エ.府省における方針等の整備 • 府省の各政策と整合的に ITをどのように業務に活用していくかなどの府省内の ITに係る方針の整備

– オ.各府省における IT人材の育成や確保の統括の補佐 • CIOが行う業務・システム最適化に必要な内部の IT人材の育成及び IT人材の確保の統括を補佐することによる、最適化推進体制の確立・強化

PJMOの役割 各業務・システム最適化を推進するPJMOには、PJMOの統括責任者の強いリー

ダーシップの下、特に以下の「ア」~「ウ」について、積極的にマネジメントを行うことが求められる。 – ア.当該業務・システム最適化の推進のための調整

• 関係者の調整などにおいて率先してリーダーシップを発揮することによる、当該業務・システム最適化の推進のための調整

– イ.当該業務・システム最適化の統括・推進 • (a)企画段階

最適化計画の作成における、業務・システムの現状分析、業務の十分な見直しや情報システムを安全・安心に活用するためのセキュリティ面の十分な検討

また、次期システムの設計・開発に必要なシステム方式などの各要件の的確な定義、事業者から提案された工数や見積費用などの適切な評価や適切な事業者の選定

• (b)設計・開発段階 EVMを用いた定期的なプロジェクトの進ちょく状況の把握、関係部局や事業者などの関係者との十分な調整、品質管理・コスト管理・変更管理・セキュリティ管理等の適切なマネジメント

また、次期システムのテストや移行の結果についての事業者との十分な調整や検収における十分な確認

• (c)運用・保守段階 SLAの管理指標などを活用したシステム運用状況の定期的な把握、制度改正などの環境変化に伴う機能追加などの保守業務の管理及び障害発生時の事業者に対する適切な指示やセキュリティの運用

また、実際のシステム利用者の評価を踏まえ、運用段階で顕在化した業務やシステムにおける課題・問題を把握・整理し次期調達に反映するなど、最適化の観点から適切な改善処置を行うことによるPDCAサイクルの確立

– ウ.予算及び調達の統括 • 当該業務・システムに係る予算の概算要求、執行及び情報システム調達の統括

行政機関における IT人材の育成・確保指針

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@ IT 情報マネジメント用語事典

PMO( project management office)– 大規模な組織において、組織全体のプロジェクトマネジメント( PM)の能力と品質を向上し、個々のプロジェクトが円滑に実施されるよう支援することを目的に設置される専門部署。「プロジェクトオフィス」「プロジェクト支援部門」などともいう。  一般に、個別プロジェクトに責任を持ち、プロジェクト終了に伴って解散となる「プロジェクトチーム」とは異なり、 PMOは全社的なプロジェクトマネジメント手法の標準化、品質管理、人材育成などに責任を持つ常設的な部署として設置される。

– PMOの機能としてはこのほか、複数プロジェクト間の調整/ポートフォリオ分析、個別プロジェクトのモニタリング/監査、プロジェクトマネージャの支援/コンサルティングなどが挙げられる。また、個々のプロジェクトが終了しプロジェクトチームが解散すると、そこで生み出された PMノウハウは失われてしまう恐れがあるが、こうしたノウハウを吸い上げ、体系化し、ほかのプロジェクトチームに移植するといった知的財産管理的、ナレッジマネジメント的な機能を期待する向きもある。

– PMOの機能や役割、設置形態は、導入企業によって大きく異なる。 ITや製薬/バイオ、建築業界では、業務のほとんどがプロジェクトであり、その品質こそが企業の業績と将来を左右する。そのため、継続的な PM能力の維持・向上を目的に、経営レベル直結の形で設置する例もある。

プロジェクトとプログラムが混在している

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国内での取り組み

PMOはなかったわけではないが、手法が定着していなかった。

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プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

PMO

プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

PMO

PMO

PMO

PMO

PMO

A省

B省

C省

A社

B社

C社

品質管理部の今風の看板というところもある

情報システム部や CIO補佐官が実質的に担っている

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要するに

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プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

プロジェクト

PMO

1プログラムととらえれば、プログラム・マネジメント・オフィス

     目的指向が強い

プロジェクト群の管理ととらえれば、プロジェクト・マネジメント・オフィス

     管理指向が強い

実際には両方とも担当する

利益の最大化とリスクの最小化

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プロジェクトとプログラムの違い

プロジェクトとプログラムは PMIでは以下のように区別して考えている。

99

プロジェクト プログラム

スコープ 特定の成果を生み出す狭いスコープ 組織の目標成果により変更もあり得る幅広いスコープ

変更 マネージャは、変更を最小にするように心がける

マネージャは、大幅な変更も許容する

結果の判断 予算、納期、仕様の実現レベルによって行われる

投資対効果、新性能/機能、付加価値により行われる

リーダーシップ・スタイル

タスクの実行と成果指標の達成に集中する

各プロジェクト関係者の関係や問題解決に集中する

管理対象 技術者、専門職 プロジェクトマネージャ

計画レベル プロジェクト成果の完成タイミングを詳細スケジュールで把握する

プロジェクトマネージャに対して詳細スケジュール作成のガイダンスを提供する等、高レベルな計画を作成する

モニタ、管理対象

作業状況についてモニタ、管理する プロジェクトおよびガバナンス構造の中での実施項目を、モニタ、管理する

資料: Program management( Exposure Draft) ,PMI

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プログラムマネジメントの体制

大規模組織であれば、以下のような重層構造をとる。

資料: Program management( Exposure Draft) ,PMI

プログラムボード

プログラムマネージャ

プロジェクトマネージャ

プログラムオフィス

プログラムマネジメントオフィス

プロジェクトマネージャ

プログラムマネージャ

プロジェクトマネージャ

プログラムオフィス

プロジェクトマネージャ

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PMOに対する評価(ベンダ企業の PJMO)

結局はブーイングの嵐となっている。– PMOのせいでかえって仕事が増えている– PMOに提出する書類を作るだけでプロマネはかなりの時間をとられている

– PMOの指摘は的をはずしていることが多い– 枝葉末節な指摘しか来ない– 過去の成功体験を押しつける PMOのメンバも少なくない– 一方的に報告を求めてくるだけ。余計な仕事が増えた– PMOが意味なく細かい報告を求めて、現場のじゃまをするケースが多発している

– 本来プロマネに必要なのは同じ目線で評価したり相談に乗ってくれるメンタ的な組織。しかし、 PMOのメンバはプロジェクトの査定に終始し、ハッパをかけるだけ• 資料:日経コンピュータ2005.7.11

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省庁での PMO設置状況

CIO補佐官による自己評価であるが、 PMOは認知されてきている。

CIO補佐官ワーキングWG2  H20.4報告102

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PMO人材の過不足

多くの PMOでは人材、能力とも不十分としているが、そもそも役割が定義されていないことも多い

CIO補佐官ワーキングWG2  H19.2報告103

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PMOの対象範囲CIO補佐官ワーキングWG2  H19.2報告

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PMOの役割と活動

プロジェクトへの関与活動

PMOの役割

CIO補佐官ワーキングWG2  H19.2報告

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PMOに求められる能力行政機関における IT人材の育成・確保指針

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現状の PMOをまとめてみると

政府では PMOを Programと捉えて推進しているが、 Programの意味を把握していない人が多い。

CIO補佐官ですら Projectと Programの判断ができていないので、プロジェクトの管理に終始して、プログラム総体としてのベネフィット管理やリスク管理ができていない。

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PMOの実運用

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府省全体管理組織( PMO)による求められる内容

電子政府基本方針から求められる事項は以下のとおりです。– 業務・システム最適化指針(ガイドライン)

• 府省全体管理は、府省のプログラム・マネジメント・オフィス( PMO)の機能を担う府省全体管理組織によってなされる管理であり、必要に応じ、人事、会計、広報等の関係部局と連携の上、府省内の業務・システムを統括し、最適化を推進する。

府省における業務・システム最適化の統括» 「調整」「最適化の企画、実施、評価」「予算及び調達」

府省における方針等の整備 府省における情報の一元管理・共有

– 情報システムに係る政府調達の基本指針• 調達プロセスの全体を組織的に管理する観点から、「府省全体管理組織」、情報システムの調達を実施する担当課室及び会計担当課室は、本指針に沿って調達管理を行う。

• 府省全体管理組織は、最適化対象業務・システム以外の情報システムについても積極的に把握し、調達担当課室の整備等の管理体制の明確化を図る。また、必要に応じ、本指針を踏まえた調達マニュアルの整備、職員の人材育成等の必要な措置を講ずる。さらに、審査など主要なポイントでの関与が求められている。

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府省全体管理組織( PMO)による求められる内容

– 電子政府推進計画• 府省内の情報システムに関する調整、企画、実施、予算及び調達、申請・届出等手

続きにおけるオンライン利用促進等電子政府に係る施策について統括する。• 特に、今後、多くの業務・システムにおいて、最適化計画に基づき業務の見直しを含む情報システムの見直しを実施する局面に入ることから、システム開発などのプロジェクト・マネジメントや、情報システムに係る調達に関する能力及び安全性・信頼性の改善に関する能力が求められる。

• また、各府省の PMO は、各業務・システム最適化実施状況及び各 PJMO の業務・システム最適化実施の評価結果について、可能な限り客観的に調査・分析を行った上で、各業務・システム最適化の全体について総合評価を行う。

• そうした中、費用対効果等を踏まえた成果重視施策として「利用者視点に立ったオンライン利用促進」「全体最適化を目指した業務・システムの最適化」「情報システムに係る政府調達の改善」「全体最適化に向けた諸課題への取組」が求められる。

– 行政機関における IT人材の育成・確保指針• PMOの役割

ITを活用した業務改革の推進のための調整 府省内の業務・システム最適化の統括・推進 予算及び調達の統括 府省における方針等の整備 各府省における IT人材の育成や確保の統括の補佐

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国内の現実的な解は?

ITガバナンスという点ではプログラム管理が有効 日々の業務では、プロジェクト管理が必要

国内企業や行政機関の現状を考えると、プログラムマネジメントオフィスにプロジェクトマネジメントオフィスを付加した存在を考えていく必要がある。

また、組織に1つ設置すれば現状では十分であり、現実にそのくらいしかリソースが割けない

CIO

情報システム部門(総括)

プロジェクト プロジェクト プロジェクト

PMO

情報システム部門(現業)

原課

プログラムプロジェクト

プログラムマネジメントの能力が必要

プロジェクトマネジメントの能力が必要

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監査組織

コントロールタワー(単一組織、複数組織)

組織横断の連絡会

各府省の責任部門

政府戦略の立案全府省の最適化ポータル管理フレームワークの整備ガイドの整備ツールの提供ベストプラックティス整備コンポーネント整備人材育成体系策定

省庁横断プロジェクトの管理各府省取り組みの管理

全体取り組みの検証個別事業評価

府省戦略の立案府省の最適化ガイドの整備ベストプラックティス整備職員育成体系策定

知見の交換現実的なアドバイス

基本的な構成

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0

1

2

3

4

5

6(1)政府、自治体の仕組み

(2)組織の管理と人材育成

(3)業務の管理と変更管理

(4)情報資源戦略および計画

(5)パフォーマンス管理

/(6)プロジェクトプログラム管理

(7)投資評価(8)調達

/ e /(9)電子政府 ビジネス 電子商取引に関する動向

(10)エンタプライズ・アーキテクチャ

(11)情報セキュリティと情報保全

(12)アクセシビリティとユーザビリティ

(13)社会環境と技術

行政官総合 官民経験者総合 民間総合

PMOに対する評価

国内で CIOに対する評価は実質的に困難と思われる– 個人評価であり、採用評価になってしまう

PMO全体でコアコンピタンスを評価して CIO機能を補完していくことが重要ではないか

外部専門家や育成による補完

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プロジェクトマネジメント機能の外部委託

職員にプロジェクト管理能力が不足している場合には、外部リソースを活用する方法がある。– CIO補佐官

• 内部の人材として専門家を採用する• 責任を持った業務の遂行が可能である・・・

– 専門ベンダに委託• マネジメントフィーをどのくらい払うべきか

責任をどこまで負うかにより金額は異なる 5%のフィーで全責任を負えと言うのはリスクが大きすぎる

• プロジェクトマネジャに対する評価軸が必要 資格の保有状況 PMBOKの各要素に対する配点など

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5SPI

CPI

1:専任専門家2 (50%):兼任 専門家3 (20%):兼任 専門家4:資格のない専門家