1.4 周波数帯共用に関する実験 - nict...電波研究所季報 dult --5db...
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Vol. '2:l No. 143 電波 研究所季報 May 1981 pp.179-192
1.4 周波数帯共用に関する実験
1. 4 EXPE悶MENTSON FREQUENCY SHARING
In order to evaluate the characteristics of the interference between broadcasting.satellite-service
(BSS) feeder links, and between BSS feeder link and fixed-satellite-service (FSS) up-link, ex戸ri・
ments using the BSE link and laboratory simulated link were carried out. Subjective and objective
evaluation of co-channel and adjacent-channel interferences between links mentioned above was
performed.
a. 上りリンク干渉に関する測定調査 I
一-FMテレビ隣接チャネノレ聞の干渉実験一一
大内智H青* 石塚仁好*
1. 概要
放送衛星回線の上りリンクにおける隣接チャネJv,次
隣接チャネル閣の干渉を想定し, FM-TV2波による
干渉実験を行った。実験は,主局と可搬A局を用いて行
い,干渉レベルの測定,妨害検知限の測定を行った。
2. 実験の経緯
WARC-BS において,放送衛星下り回線のチャネル
プランは確定した。第1図に示すように,チャネルバン
ド幅27MHz,チャネJレ間隔19.18MHzとなり,我が
国へのチャネル配分は, 1,3, 5……15の8波と決った。
また,同一チャネル混信保護比31dB, 隣接チャネル混
信保護比15dBとなった。
一方上りリンクに関しては,何も決定されてはいない
が,同一チャネルはもとより,隣接,次隣接チャネルと
の干渉特性を求める乙とは,衛星放送の実用化を前にし
て, トランスポンダ及び地上受信設備の設計に必要なこ
とである。また,次隣接チャネルについては,我が国lζ
割り当てられたチャネル間では,衛星の軌道位置での希
望信号対非希望波比(D/U)はOdBと考えなければな
らず, トランスポンターには,その面での考慮も必要であ
る。
乙こでは,放送衛星の上りリンク周波数配列を,下り
本鹿島支所第二宇宙通信研究室
179
11. 7GHz ザマー\,lj一、
/~\ l\l ¥ 27MHz 、\
fN=11727.48+19.18(N 1)〔MHz〕
第 l図放送衛星下り回線のチャネル配列
リンクと同じと仮定し,チャネノレ聞の干渉特性をテレビ
ジョン信号の S/I(信号対干渉波比)及び画像の主観評
価により求め,上りリンクの混信保護比を求める。
3. 実 験 の 内 容
可搬A局(大阪)を希望信号局(D局),主局を非希
望波局(U局)に見立て,同時に BSIC送信する。 D局
の信号は無変調とし, U局はカラーパーで変調する。両
局の局波数差及び D/Uをパラメータとし, D局の信号
(D信号)の復調後のベースパンドビデオ帯のノイズ,
及び干渉波レベルを,通常 S/Nを測定するのと同じ方
法で測定した。また, D信号を静止画で変調し,写真撮
影,主観評価,妨害検知限の測定を行った。
干渉レベルの測定における D/Uは, 5,10, 15, 20
dBの4種類について行い, 2波の周波数は最大50MHz
まで離して測定した。 D/Uの設定は,衛星内の小信号
抑圧効果のために,下り回線のレベル差からは,そのま
電波研究所季報
DUlt
-- 5dB -ー+日+ー lOdB
~ー 15dB
ーローロ-- 20dB
II-1.4 周波数帯共用に関する実験
(dB〕。
5 ど線的叩吋川一納骨制裁け「
180
50 40 20 30
希望波と干渉波の周波数差〔MHz〕
干渉妨害による S/(I+N+D)の劣化(その 1)第2図
10 156
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20
+so +30 -10 0 +10 希望信号を基準とした干渉波の中心周波数〔MHz〕
-30 -50
千渉妨害による S(I+N+D)の劣化(その 2)
第2図IC,可搬A局で測定した, 2波の中心周波数の
差と信号対干渉雑音電力比 (S!(J+N+D)) の関係の
測定結果を示す。縦軸の S/(J+N+D)は干渉がない
場合の値,すなわち, SINで正規化している。 乙の測
定では, D信号はB1チャネルに置いている。乙れより,
D/Uが5dBの場合には,隣接チャネルでも大きな妨
害を受け, 50MHz離れても, 1.5~2dBの劣化がみら
までは読み取れないが, D/UがOdBならば, 2波の
レベルは同じになることを利用して,測定のたびどとに
一度 D!UOdB にし, それからU局の送信電力を,設
定する D!Uの分だけ下げるととで行った。
果
中心周波数の差による干渉レベルの測定
第3図
結定現t4.
4. I
Vol. 27 No. 143 May 1981
(dB〕
181
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- 10 50 20 30
希望放と干渉j止の周波数差〔MHz〕
;;fH 図主局と可燃A局における S/(N+I+D)の劣化
アは, D信号である。妨害波は,図の右側の変調波であ
り,左側のそれは,j混変調により生じたものである。 IF
での受信帯域幅は, 140±13.5 MHzである。
4.2 妨害検知限の測定
主局の受信系及び,簡易受信設備(SRE)を使用し
て, D信号iζ与える妨害の検知限を,主観評価により測
定した。測定方法は,通常行われる方法(CCIRRec.
500-1 IC定められた 5段階評価法)ではなく, モニタテ
レビ上で,蘭像iζ妨害が表れる,あるいは妨害が見えな
くなる D/U を求めた。
実験は,ややI暗い室内で,当所の職員が l名ずつモニ
タテレビの前に立ち,U局の送信レベルを自分で自由lζ
変えて検知限を探した。 D信号の変調は静止画,U局は
カラーパーで変調した。検知限が見付かると, 直ちにD
局, U局とも無変調波に変えて, D/U の測定を行い,
記録した。
第 1 表IC淑~定結果を示す。主局の受信帯域幅は 25
MHz, SREは27MHzである。平均値の 9596信頼区
間(C.I.)は, 次式より求める。
第 5図 IF結城での希望信号と干渉波 (D/Ul5dB,1!1心周波数先 20MHz,受信帯域的 27MHz〕
れる。
第3図は,D/U がSdBと 15dBの場合について,
妨害波が希望信号の上又は下にある場合の S!(l+N+
D)を求めたものである。干渉波が下側にあるときの方
が,妨害がやや大きいように見える。
第4図は,可搬A局における測定結果と,主局での測
定結果を比べたものである。乙れより,干渉特性は,地
上局の受信系の特性,特Iζ帯域フィ Jレタの特性に左右さ
れる乙とがわかる。
第5図は,周波数差が20MHz, D/U 15 dBのとき
の,受信 IF信号のスペクトラムである。中心のキャリ
40
C. I. =t(O. 05,ν)「三= ・・・・・・(1) 、f n
乙乙で,t(0.05,ν〕は,自由度 ν=n-l,危険率596
のスチューデントのt分布確率値である。(1)式による推
定では,測定値が正規分布するか,あるいはその良い近
似を与えるものでなければならないが,乙 ζではその検
182 JI-1. 4 周波数帯共用に関する実験 電波研究所季報
第1表隣接,次隣接チャネル閲干渉妨害の検知限 D/U
干渉波の位置
受信システム
隣接チャネル 次隣接チャネル
単位dBx=7.47 x=G.52
s=2.7 s=2.0 n=l4
C.I.=王土1.56 C.I.=王±1.15
x=l3.83 x=lO. 51
s=6.2 s=5.2 n=l3
C.I.=x土3.75 C.I. =x±3.14
主:平均値 s:;標準偏差 C.I.:信頼区間 n::被験者数
定は行っていない。
第1表で, SREによる結果にばらつきが多いのは,
妨害波が無くても存在するノイズに,惑わされたためと
考えられる。今回の測定では, SREはl.6mゆアンテナ
を使用したが,干渉のない場合の画質は4~5で,モニ
タに近づくとわずかにノイズが見える状態であった。
との測定結果から,干渉検知限は受信機の特性により
異なるζ とがわかる。受信帯域幅は,主局の方がやや狭
いが,それ以上iζ帯域フィルタの特性が異なる。主局は
7次, SREは3次のバターワースフィルタで, 乙の差
が出ているものと恩われ0。また,同等の SREであっ
ても,回路方式等の関係か,妨害の出方iζ違いがあり,
雑音やビート状の妨害になるものと,色に妨害が出るも
のとがあった。今回の測定に使用した SREは,雑音,
ビート状の妨害が主として発生するものである。
5. まとめ
干渉検知限の測定から,隣接チャネル混信保護比は,
下り回線における混信保護比15dBを,そのまま上り回
線に当てはめても,おおむね妥当であると考えられる。
また,次隣接チャネルについては, 12dB程度であろ
う。とれらは,受信機の特性と深く関係しており,今後
十分な検討を必要とする。
トランスポンダの FM-TV信号2チャネル共通増幅
については,衛星内の増幅器を,飽和領域で動作させた
ままでは,全く可能性はない。
実用放送衛星に, BSと同様のトランスポンダを使用
する場合には,我が国のチャネル聞では上りリンクの
D/UはOdBであるととを考慮し,次隣接チャネル混
信保護比に相当する減衰特性を持つフィルタを,チャネ
ルどとに入力部iζ用意する必要がある。
受信機の,標準的性能を確立するために,複数波が入
力された場合の特性を,早急に測定するととが,今後の
課題である。
b. 上りリンク干渉に関する測定調査 II
一一FMテレビと PCM-PSKテレビ回線閣の干渉実験一一
杉本格二* 大内智晴*吉本繁需* 山本 輪、*
1. まえ がき
BS回線における PCM-PSK-TV信号と, FM-TV
信号との聞の上りリンク干渉の基礎資料を得るために,
同一チャネルで2波を同時に送出し,相互間の品質劣化
を測定した。との結果, D/U(希望波対非希望波電力
比〉に対する S/N,BER (Bit Error Rate :ピット誤
り率)及び雑音検知限の D/Uすなわち混信保護比が得
られた。
*鹿島支所第二宇宙通信研究室
2. 実験概要
BS主局からは TV信号を PCM符号化, PSK変
調を行うω。一方NHKの可搬B型送受信装置(可搬B
局)からは, FM変調した TV信号を BS中継器に向
け,同時に送出する。希望波を一定にし,非希望波の送
信電力(EIRP)を変化するととにより, 中継器入力で
の D/U(希望波対非希望波比)を変化させる。乙のと
き,希望波を受信し FMc争PSK(FMから PCM-PSK
へ与える干渉を示す。以下「吟」は同じ意味)の場合は
BERと画質・音質を, PSKc争FMの場合は SINと画
Vol. 27 No. 143 May 1981
第1表標準パラメータ
PCM-PSK-TV
Ba h-
し
M
H
F
削
4
な
町
ト
数
形
ル
イ
整
サ
レ
フ
一オ
パ
EhE
ル
ス
ッ
一
イ
ピ
相
ロ
デ
FM-TV
映像周波数偏移 12MHZp-p
ON
600kHz
4.5MHz
エ ンファシス
ディスパーサル
音声副搬送波周波数
向 上周波数偏移 | 土1阻 Iz
質・音質とを測定する。
また,主観評価として画面及びスピーカでの干渉の検
知限(評価川 5と4との境界)での D/Uを,十数人の
被験者により測定した。
なお,可搬B局は主局のごく近傍IC::設置し,ピーム中
心は衛星方向iζ設定するため,両者のパスは同ーと見な
せ, EIRPの比を衛星中継器の入力点における D/Uと
する。また,表示するデータは,第1表のように, PCM
-PSK-Tvm, FM-TVとも標準パラメータ t引を用いた
ものである。
3. FMc::>PSK実験
183
第1図に示したように希望波である主局から送出する
PCM-PSK信号は,中継器到達レベルが標準となるよ
うに EIRPを設定する。一方可搬B局の FM信号の送
信電力を変化し, D/U対 BER特性を求めたのが第2
図である。②は衛星中継器には PSK信号だけを送信
し,受信 IFで FM干渉信号を印加した, 予備実験の
データである。①の中継器による干渉を起とさせると,
同一BERを得るのに D/Uが約ldB多く必要となり,
中継器による劣化が認められる。 FM波のベースパン
ド信号としては, CB(Color Bar)と lkHzトーンを
用いているが,これを変化させるあるいは FMのパラ
メータ(エンファシス,ディスパーサル)を変化させて
も,特iζ差は見られなかった。
PCM実験(I)では,干渉波ではなくランダム雑音を加
えているが,この結果の Eb/No(ピット当たりの電力
対雑音密度: Eb/No=C/No-78.1dB)を D/Uとみな
して比較すると, BERが10-s付近では一致している
が,干渉が多くなってくると,干渉実験の方が BERの
劣化は大きくなる。これは, FM波のスペクトルが
PSKのそれに比べて狭い範囲にあり,乙の部分の D/U
が全帯域の D/Ui乙比べ小さくなっているため, BER
が悪くなっていると考えられる(雑音による場合はスベ
クトルが全帯域で等しい。)。
次に,雑音検知限(雑音が見えはじめ又は聞とえはじ
める点)の D/Uのデータを処理したものを第2表に示
す。測定は画像2種と音楽とを視聴し,可搬B局の送信
電力を検知限に設定し,乙のときの D/Uを測定する方
BS主局十可搬B局
第l図 FMc:>PSK干渉実験プロック図
電波研究所季報n-1.4 周波数帯共用に関する実験184
楽「-コ包日
FMc::>PSK検知限D/U
人物画\込ことR第2表
サンプノレ数: 14
D : PSK 64Mbps, 4 1> TBT
U : FM 12MHzpp, Emoh. ON Disp. ON
o. 79
14. 7
15.3
13. 0 14.0 日岐下 13. 5
0.41
映像と音声との差はなかった。可搬B局内はかなり騒音
があるため,音声の測定時にヘッドセットを用いた。こ
の結果商像とほぼ同ーの検知限が得られたため,問題は
なかったと思われる。
検知限iζ対する BERは,第2図により 10-5ぐらい
で,ガウス雑音を用いた場合の PCM復調器での誤り
訂正が不完全になりはじめる点とほぼ一致している。し
たがって, BERが同一ならばガウス雑音による場合
と, FM波による干渉の場合とでは,雑音検知限は同ー
であるととがわかった。
0.38
14.3
14.8
0.31
14.6
14.1 均
差
限
偏準標
上
平
出同国70H
0.20 0.16 95%信頼区間
中継器入力で干渉
RxIFで干渉〈コ
F吋
Cコv司
PSKc:争FM実験
前項とは逆IL,第3図のように希望波は可搬B局から
一定レベルで送出し,主局の送信電力を変化させ, D/U
対可搬B局における映像 SIN(無評価)特性を測定す
る。乙乙で,雑音電力(N)は,干渉によって生じる雑
音電力 (I)をも含めたものと定義し, S/(N+I)をSI
Nと表現する。
測定結果を第4図に示す。なお, 3.と同様の予備実験
4, 20
法lとより行った。 PCM-PSK伝送におけるピット誤り
による映像及び音声への雑音は,ガウス雑音によるもの
とは明白に区別でき(I),かっ D/Uによる BERの変化
が大きいため,予想どおり個人差やソースによるバラツ
キが少なかった。検知限の D/Uは14~15dBであり,
D1U〔dB〕
FMc::>PSK干渉の D/U-BER特性
15 10
第2図
0 F寸
邸主 局十可搬B局
c:;::J-ji PSKc::>FM干渉実験ブロック図第3図
Vot 27 No. 143 May 1981
:51
04y
[勾〕令虫色・
25)
~ 回
。問
自彊〉
/ ~Ii
185
.---一一一→→
10 20 初 40 :fJ--ao D/U(dB〕
第3表 PSKc:>FM検知限D/U
サンプル数: 13 単位〔dB〕
\寸こと|カラーパー|人物画|音 楽
平 均 23.0 23.3 10.1
標準偏差 5.8 7.0 2.4
上 限 35. 7 36.0 14. 7
下 限 13.6 13.6 6.9
95%信頼区間 3.15 3.80 1. 30
第4図 PSKc:>FM干渉の D/U-S/N特性
アの D/Uを補正して,真の D/Uとした。帯域制限は
中継器ではなく受信側で行われているため, ζのように
して求めた D/Uは,中継器入力でのものとは厳密には
一致しないが,差が小さいためほとんど誤差はないと考
えられoo次iζ第3表に示す雑音検知限について述べる。検知限
付近では, D/Uに対する S/Nの変化が小さいため及
び主観上熱雑音によるものと区別がつきにくいため,検
知限の D/Uのバラツキが大きくなる。平均値では映像
が23dB,音楽がlOdBと大きく差が出た。映像検知限
の映像 S/Nは41~・42dB程度となった。は時間及びケーブル接続の問題があり,実施できなかっ
た。無干渉時の S/Nは約45dBである。 D/Uが4~20dBの範囲での D/Uと SINの関係は, D/UをCl
N とみなしたときの熱雑音による FM改善係数(21.5
dB<Z>)と同一であり, PSK波は FM帯織内ではラン
ダム雑音と同じ特性を示す。 D/Uが20dB以上になる
と,熱雑音により S/Nが抑圧される。なお,熱雑音の
場合tとみられる, C/NがlOdB付近でのスレッショル
ド特性はみられなかった。
FM波は受信 IFで25MHzで帯域制限されてい
る。 PSK波はζの帯域よりも広がっているため,キャ
リアにおける D/Uと,復調器に入力され.0IF‘信号の
D/Uとは差が生じる。乙のため, PSK装置の入力信号
を PN符号とし, PSK波を帯域制限フィルタを適して
電力比を測定した。との結果, PSK装置を4相で動作
させると 0.2dB, 8相では0.5dBの差となり,キャリ
5. まとめ
BS回線で同一キャリア周波数で FM-TV波と PC
M-PSK-TV波が上りリンクで干渉した場合,希望波が
FMでは26dB,PSKでは15dBのD/Uが確保される
と,映像・音声とも,主観評価では干渉は検知されない
ζとがわかった。
筆書考文献
(1)杉本裕二,大内智晴,吉本繁欝,山本稔;「特殊方
式伝送特性の測定調査工一-NTSCカラーテレビジ
ョン信号の DPCM-PSK伝送」,電波研季報,本号,
II, 1.2, d.
(2)梶川賞ほか;「テレピジョン信号伝送特性の測定調
査J,電波研季報,本号, II,1.2, b.
186 Il-1.4 周波数帯共用に関する実験 電波研究所季報
c. 上りリンク干渉に関する測定調査 III
一一FMテレビ相互間及びFMテレビ対 FDM電話回線聞の干渉実験一一
大内智晴*笹岡秀一*山本 着、*泉 武博**
1. 概 要
衛星回線上りリンクの局波数共用基準策定のための基
礎データを得るために,放送衛星回線及び固定通信衛星
回線について,それぞれに与える干渉妨害を測定した。
実験は,①放送衛星上りリンク相互間の干渉@放送衛
星と固定衛星による FMテレピジョン伝送回線との干
渉③放送衛星と固定衛星 FDM電話回線との干渉に
ついて行った。
前記@,③の実験では,放送衛星回線が希望信号とな
る場合と非希望波となる場合についてそれぞれ測定し
た。 BSが希望信号の回線となる場合には,仮想の固定
通信衛星回線に対する上りリンクから, BS回線への漏
れ込みを非希望波として想定する。一方,放送衛星回線
が非希望波となる場合には, BSを通信衛星に見立て,
広帯域 FMテレビジョン信号又は FDM電話信号と等
価江雑音による変調信号を送信し,それに対す2る放送衛
星回線からの干渉を測定した。
干渉の評価は希望信号がテレビジョン信号の場合に
は,映像での主観評価による妨害検知限の測定,電話の
場合には雑音負荷特性の測定である。
実験は主局と,主局の傍に置いた可搬B局を用いて行
った。
i. 希望信号対非希望波比(D/U)の設定
上りリンク干渉実験では,衛星の入力における希望信
号と非希望波の比(D/U)をパラメータとして測定が行
われる。したがって D/Uをいかにして設定するかが問
題である。最も簡単な方法は2局の送信電力を変えて,
衛星受信電力をそれぞれ求めるととであるが,実験で
は,非希望波局(U局)の送信電力を50dB以上も変化
させねばならず,送信機の出力コントロールだけで所要
の Dfi;lJを得るととは難しい。そ乙で今回は, U局の送
信アンテナをオフセットするζとにより, D/Uを変化
させる方法を用いた。しかし,この方法ではアンテナオ
*鹿島支所第二宇宙通信研究室料 NHK技術本部計画部
フセット角と D/Uの関係,すなわち送信アンテナパタ
ーンをあらかじめ求めておく必要がある。また,上り回
線の D/Uは衛星における受信信号レベルの比であるか
ら衛星の受信信号レベルに関するテレメトリデータを
読めばよいはずであるが,テレメトリで測定できる信号
強度の範囲は狭く, D/Uの測定は不可能である。そ乙
で,下り回線の信号レベル比から上り回線の D/Uを求
めなければならない。しかしながら,衛星の送信機
(TWT増幅器)の入出力特性は非直線性を有し,レベ
ル差のある信号を共通増幅した場合,小信号は抑圧を受
ける。また, BSのトランスポンダは AGC回路を持っ
ており,衛星の出力すなわち下り回線のレベルは上り回
線のレベルが変化しても,ほぽ一定i乙保たれているとい
う制約がある。
乙れらの点を考慮し,送信アンテナパターンは, 2局
の周波数をわずかにずらして同時に送信し,一方の局の
アンテナをオフセットしたときの下り回線の受信レベル
差を,アンテナオフセット角と同時に読み取り,とれに
小信号抑圧効果の補正を行った結果を送信アンテナパタ
ーンとした。
小信号抑圧効果は,主局より Bzチャネルとオーダワ
イヤ(4波のうちの1波)の2波を同時に送信し,主局
のアンテナ給電部でのレベル差と,受信波でのレベル差
を,それぞれスペクトラムアナライザの管面上で測定し
た。その結果を第1図iζ示す。実験の結果は,最大7dB
。
/ ,
10
EU
〔唱〕組出品格恥畑4Fで
10 20 初 40 50
衛星到達レベル差〔dB〕
第1図小信号抑圧効果
60
Vol. 'Zl No. 143 May 1981
-10
相
まサ
手lj
f尋 +-15
〔dB〕
-20
-25
-0.15-0.10-0.05 0 0.05 0.10 0.15
オフセット角〔deg)
第2図主局送信アンテナパターン(El方向)
の抑圧が測定された。とれは,理論上の値6dBよりも
大きし局内あるいは衛星の周波数特性等が原因として
考えられるが,今回の測定では一応との測定結果を使用
した。
第2図及び第3図は,とのようにして測定した14
GHz送信アンテナパターンである。
3. 放送衛星上りリンク相互閣の干渉
放送衛星回線(以下 BS/FM~TV と略す)上りリン
ク相E聞の干渉は,同一チャネJレを使用する他国の放送
衛星上りリンクからの干渉と考えるととができる。 BS/
FM-TVの変調諸元は BS実験での標準パラメータと
同様である。すなわち
映像周波数偏移:12MHzp-p
音声サプキャリア周波数偏移: 2MHz11-P
エネルギー拡散信号:フレーム周期三角波
エネルギー拡散度: 22dB (600 kHz相当)
映像エンファシス: CCIRRec. 405-1
3. 1 干渉レベルの測定
希望信号(以下D信号〉を無変調,非希望波(以下U
波)をカラーパーで変調し, D/UとD信号のベースパ
ンド復調出力におけるビデオ帯域の干渉レベル(S/I)
187
-5
-10
-15
-20
-25
-30
-35
、J
3
加
,町田A
z
,t
ン
1、制叩
0
・
ωγ
訓告
F
・7
一
一
角
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【
ト
ンツ
ア
セ
信
1フ
送
一
オ
局B
Z
搬
a
一a
可図
角。命先M
一
第
を求めた。測定結果はU波が熱雑音の場合,すなわち
C/Nと S/Nの関係とよく一致している。
3.2 妨害の検知限
D信号及びU波をカラーパー又は静止画で変調し,妨
害の検知限を求めた。実験は RRL及び NHKの職員
により行われ, 1人づつモニタテレピを注視しつつ送信
アンテナを動かし〈衛星実験〉又はアッテネータを回し
(屋内実験), D/Uを変えて妨害が現れ,あるいは消え
る点を探させた。検知限が見つかったら直ちに両信号を
キャリアにし,スペクトラムアナライザで両信号のレベ
ル差を読み,小信号抑圧効果の補正をして上り回線での
D/Uを求めた。
第1表iζ,乙のようにして測定した BS/FM-TV閣
の干渉妨害検知限を示す。表中 C.I.は信頼区間で,
x±C.I. I乙入る確率が95.liぢである。すなわち,
C.I. =t(ρ,ν〉「三=・…・・(1)令J n
ζ とで, t(ρ,ν)は,危険率ρ〈とこでは0.05),自由
度川ζ従うスチューデントの t分布である。(1)式の関係
を使うためには,標本が正規分布するか,あるいはその
188 Il-1. 4 周波数帯共用に関する実験 電波研究所季報
鶏寵の| カラー |カラベ静止画舗装の変|カラベ日| カラ十測定方法| 衛星実験 | 室平 均値Z 37.9 dB 40.8 dB 37.4dB 31.3 dB
標準備差s 2.06 dB 3.1 dB 5.12dB 5.16dB
データ数n 12人 12 人 17 人 18 人
信類区C間. I. 1.31 dB 1.97 dB 2.63 dB 2.56 dB
近似が成り立つ乙とを仮定しなければならないが,今回
の結果については特に分布の検定は行っていない。
第1表の結果より,平均値の差の検定を行うと,衛星
実験及び室内実験のそれぞれ二つの結果の聞には,有意
な差が認められる。すなわち, U波の変調内容が異なる
と,希望信号の変調内容が同じでも検知限は異なる。ま
た,逆にU波の変調内容が同一でも, D信号の変調内容
により検知限は異なる乙とがわかる。乙の検定には二つ
の標本が独立で,等しい標準偏差をもっ正規分布に従う
ものと仮定する必要がある。 2組の標本の標準偏差が等
しいかどうかの検定は,
F=Si2/S22又は S22/S12の大きい方……(2)
とF分布を用いて行う。分散が等しいと判明したら,
t= i'1-i'2 、/(鈍1ーl)S12+(n2-l)S22
d’'•.鈍2(n1+n2-2:】.一...(3) n1+n2
は自由度 ν=n1+均一2のスチューデントの t分布に従
うととから, 2組の標本の平均値に有意な差が認められ
るかどうかの判定をする。
衛星実験と室内実験の差については,両者の平均値は
どく近いが,(2)式から同じ分散とは推定できないから検
定できない。
4. 放送衛星回線が,固定衛星FMテレビジ
ョン回線に与える干渉
BS/F -TVが,固定業務の FMテレビジョン回線
(以下 CS/FM-TVと略す〉に与える影響について,
BS/FM-TV相互間の干渉と同じ方法で測定した。 CS/
FM-TVの変調諸元は,インテルサットのフルトラン
スポンダの伝送諸元を想定し,
映像周波数偏移 21.SMHzp-p
エネルギー拡散信号 フレーム周期,三角波
エネルギー拡散 lMHz
映像エンフアジス CCIR Rec. 405-1
S/FM-TVがBS/FM-TVから受ける干渉妨害
鶏露の| カラー |カラベ静止爾轄の変|ヵー|叩| カラー測定方法| 衛星実験 | 室内実験
平均値 E 29.3 dB 32.9 dB 30.9 dB 29.8 dB
標準偏差s 3.67 dB 5.44 dB 3.42dB 5.30 dB
データ数n 19 人 19 人 16人 16人
信頼区C間. I. 1.77 dB 2.62dB 1.82dB 2.82 dB
である。音声信号は付加していない。
4.1 干渉レベルの測定
D信号(CS/FM-TV)を無変調, U波(BS/FM-TV)
をカラーパーで変調し, 3.1項と同様の測定を行った。
測定の結果は BS/FM-TV相互聞の場合と同じく, DJ
U と S/Iの関係は, CJNと SINの関係とよく一致し
ていた。
4.2 妨害の検知限
BS/FM-TV相E聞の干渉と同じ方法で測定したCS/
FM-TVが BS/FM-TVから受ける干渉の検知限の測
定結果を第2表に示す。
乙とでも平均値について検定を行うと,衛星実験にお
ける妨害波の違いによる検知限の差は,ととでも認めら
れる。室内実験においては, U波の変調内容が同じでD信号の変調内容が異なる場合には有意な差は認められな
い。また, D信号, U波ともカラーパーの組合せによ
る,衛星実験と室内実験の聞には有意な差はないととが
わかった。
s. 放送衛星回線が,固定衛星FD M電話回
線から受けあ干渉
BS/FM四 TVが,固定衛星業務の FDM電話回線上
りリンク(以下 CS/FDM-TPと略す〉から受ける影響
を測定した。非希望波となる CS/FDM-TPは雑音負荷
により,その回線諸元は次の2種類とした。
1. 電話回線60チャネル試験音周波数偏移
加'2kHzrms
2. 電話回線900チャネル試験音周波数偏移
270kHzrms
5.1 干渉レベルの測定
D信号を無変調, U波を規定の周波数偏移としたとき
の D/Uと S/Iの関係は, U波が900チャネルの場合
には, CJNと SINの関係とよく一致した。一方60チ
189 1981 May No. 143 Vol. Z'l
FDM-FM 900チャネル伝送レベルー22dBr測定通話路 38鴎ikHz
60.
切
MW
〔国噌〕
Z\凶白同\凶恩紘
第3表部./FM-TVがCS/FDM-TPから受ける干渉妨害の検知限
平均値Z 31.4 dB 30.7 dB 34.6 dB 31.5 dB
標準偏差s 4.14 dB 4.49 dB 3.66 dB 5.10 dB
データ数n 17 人 15 人 20 人 20 人
信頼区間 2.13 dB 2.49 dB 1. 71 dB 2.38 dB c. I.
| カラーパー |
1~~ *'v1~い I ~~;t.Jv I札 Jレ| 衛星実験 |
カラーバー
室内実験
希望信号の変調内容
妨害波の変調内容
測定方法
30
。
20
D/U。rC/N 〔dB〕
第4図(&) D/U対 S/I特性(FDM900チャネJレ〉
70
血
w
m
〔国司〕
Z\回
h。同\悶恩紘
干渉波FM-TV信号カラ-/{-
ディスパーザル・オン
10
ャネJレの場合には, C/Nと S/Nの関係に比べ3~6
dB良い結果となった。とれは, 60チャネルの場合には
変調波はガウス分布とはならず,中心周波数に強いキャ
リアが立ち,更に,帯域が狭いためと考えられる。
5.2 妨害の検知限
他の上りリンク干渉と同じ方法で,映像に与える妨害
の検知限を求めた。第3表iζ測定結果を示す。 D信号の
変調はカラーパーである。
第3表の測定結果から妨害が CS/FM-TP60チャ
ネルの場合は衛星実験と室内実験には有意な差があり,
900チャネルのときには差がないという結果になった。
また, 60チャネルと 900チャネルの聞には,衛星実験で
は有意差がなく,室内実験では有意な差が認められた。
今回の BS/FM-TV相E間, BS/FM-TVから CS/
FM-TV, CS/FDM-TPから BS/FM-TVの干渉妨害
の検知限測定結果にはばらつきがあり,残念ながら衛星
実験と室内実験に差があるかどうか,希望信号の変調内
容により検知限が異なるかどうかについては推定できな
い。希望信号の内容が同じで,妨害波の変調内容が異な
る場合には,明らかに検知限lζ差がある。
6. FDM-FM固定衛星通信回線が,放送衛
星上り回線から受ける干渉FDM~FM 60チャネル伝送レベルー-2ldBr測定通話路 3886kHz
現}20
D/U or C/N 〔dB〕
第4図(b) D/U対 S/I特性(FDM60チャネJレ〉
10
40
FM伝送では,復調後の干渉雑音のスペクトルはD
信号とU波の電力周波数スペクトルに依存する。 D信号
のスペクトルは,多重電話のチャネル数及び周波数備移
量に関係する。一方,干渉波のスペクトルは,周波数偏
移を一定値としても,画像信号により,あるいはエネル
CS/FDM-TP に対する BS回線の影響を調べるため
に, BSを用いて CS/FDM-TPtζ対する BS/FM-TV
の干渉特性を測定した。実験は, BSを固定通信衛星に
見立て,主局と BSの聞に FDM-FM電話回線を設定
した(とれは擬似的な回線であり, BSへは多重電話回
線に相当する雑音を FM変調し送信している)。また,
可搬B局からは BS/FM-TV波を送信し, これを非希
望波として実験を行った。
干渉の程度は, D/U,U波のスペクトル, D信号の変
調方式などに依存する。そこで,これらのパラメータを
変えながら, FM復調後の S/Iを測定した。
電波研究所季報
FDM-FM 900チャネルエンファシス・オン伝送レベル -20d8r FM-TV 美人画,ディスパーサル・オンD/U=20dB
J[-1.4 周波数帯共用に関する実験
60
802kHz rms 30
第5図{叫雑音負荷特性(FDM900チャネJレ)
干渉波の変調内容が美人画,エネルギー拡散ONの場合
ハ
-10 0
負荷レベル〔dB〕
FDM-FM 900チャネルエン77シス・オン伝送レベルー2似BrFM-TV カラーノfー,ディスパーサル・オフ
D/U=20dB
50』一一一--一一・・・ーー・ー---
40
802kHz rms
60
〔同司〕
H
+ロ+Z\ω思肱
-IO
負荷レベル(dB〕
第5図(防雑音負荷特性(FDM900チャネJレ)
干渉波の変調内容がカラーパー,エネルギー拡散OFFの場合
ギー拡散の有無により変化する。また干渉雑音のスペク
トJ叶とより, FDM多重電話の各遥話路の S/Iが異な
る。 ζれらの影響を調べるために, CS/FDM-TP及び
BS/FM-TVのパラメータを変化させて測定を行った。
6.1 D/U対 S/I特性
D/U Iζ対する S/Iの測定結果を第4図に示す。とと
で,実際に測定したのは D/(U+N)と S/(N+D+I)
{Nはノイズ, I は相互変調, Dlまひずみを表す}であ
り,熱雑音や伝送路ひずみが大きい場合には正確でなく
なる。しかし,図の範囲では, C/N》D/U,SパN+D)
》S/Iであるので, D/U及び S/Iと一致する。図から
わかるように, D/Uが4dB以下と小さくなっても S/I
の急激な劣化が起とらない。との現象は,熱雑音の場合
に C/N=lOdB付近tζスレッショルドがあり,それ以
下では急激な劣化がある乙とと相違している。それゆ
え, D/Uがかなり惑くなっても,周波数偏移を増す乙
とにより所要の S/Iが確保できる。また,第4図には,
D/U対 S/I特性との相違を明らかにするために, C/N
対 S/I特性の理論値ものせである。乙ζでは, FM復
調部の前l乙挿入されている帯域炉波器の実効帯域帽を
25MHzとして計算している。図から干渉波の方が熱雑
音の場合の理論値に比べ,復調後の S/(N+D+I)が惑
い乙とがわかる。乙の原因は,干渉波の方が電力スペク
トルが中心部分に集中しているためである。そ乙で,干
渉波の熱雑音換算の実効帯域幅といったものを求めてみ
ると, lOMHz以下となっており, 60チャネルの場合
には4MHz相当になっている。
干渉波の熱雑音換算の帯域隔は,信号及び干渉波のス
ペクトルに依存するので,各種の組合せについて値を求
めておくと便利である。乙れに対し実験及び理論的検討
を進めるととは,今後の課題である。
干渉波及び信号波のスペクトルと S/I
900チャネルiζ対する雑音負荷特性を第5図に示す。
負荷レベルを変えると信号電力はそれに比例して変化す
るが, S/(N+D+I)は負荷レベルに対して複雑な変化
をしている。との原因は,負荷レベルを変えるととによ
り信号のスペクトルが変化すると,干渉雑音が変化する
ためである。また,図の(晶)と(b)を比較すると, TVの画
像信号が美人画の場合とカラーパーの場合とでは特性が
かなり異なる。カラーパーの場合には,高域のチャネル
の S/(N+D+I)が低域のチャネルのものに比べて6
dBほど悪い。一方,美人画では,雑音負荷レベルiζ対
する高域と低域の S/(N+D+I)の変化の様子が異な
り,負荷レベルが小さい場合には高域のチャネルの SI
(N+D+I)の方がよくなっている。
とのように, TVの画像信号により S/Iが変わると
190
6.2
191
値想予の一Aロ場
いUM
AHn
FDM-FM 60チャオJレl伝送レベル-21c1BrI! 240kHz slot Ii EIRP-112dBm I•
FM-TV I! カラー/{- 1: ディスパーサル竺オンI’
(D/U)min-3.“B I¥
50ト一一一一一一---\\---J--ーー一一一一一一一v
70 、、、、ls
1981 May No. 143 Vol. 'Zl
60
ω
〔母〕H
+ロ+Z\国
軍
紘
FDM-FM鉛Oチャネル伝送レベルー2剖Br381路kHzsl。t回RP-112dBm
同+白+Z\凶固ま晴
40
40 -2 1 0 l 2 7ンテナ・オフセット角度(deg)
アンテナ・オフセット角度対S/(N+D+I)特性
3 -3
30
3 2 -2 -1 0 1
アンテナ・オフセット角度(deg〕
-3 第6図(a)
アンテナ・オフセット角度対S/(N+D+I)特性
FM-TVのスペクトルの形状による S/Iの差が小さく
なっている。 FDM-FMの変調指数は通常かなり大き
しスペクトJレ分布はガウス形とみなせる。それゆえ,
通常の周波数偏移を使用する場合には, FM-TVのスペ
クトルの形状により S/Iが大きく変わる乙とはないと
恩われる。
6.3 アンテナ・オフセ・7ト角度に対すg特性
FDM-FMの900チャネル及び60チャネルに対し
て, U局のアンテナを BS方向に向けた場合の最悪の
D/UをlOdB等に設定し, それよりアンテナを振って
アンテナ・オフセット角度対 S/(N+D+I)特性を測定
した。結果を第6図に示す。図には,可搬B局の Az方
向のアンテナ送信パターンを基にした S/Iの計算値
(破線)ものせている。また最悪の D/Uに対する最悪
の S/Iの予想値と, D/Uが十分に良い場合の S/(N+
D+I)の値ものせている。これらは測定結果とよく合
っている。図(c)では最悪の D/Uを3.6dBに設定して
いるが,乙の場合に最悪の S/Iの計算値と実測値とに
約3dBの差がある。 ζの原因は,計算値の方は熱雑音
の影響を考慮せず,スレッジョルド現象を考えなかった
ためと思われるが,更に検討を要する。
以上のように, U局のアンテナ方向に対する特性は,
送信アンテナパターン,最悪の D/U,干渉なしの場合
第6図(c)
、ハ II .計値 川り"r可搬B局のAz方向 In i i' iアンテナ送信パターンIi¥
, Iiを基に求めたS/I I
¥J ¥ ! ¥ 1: :
》 ¥ I k料2・値’一一i一一・--! --ーしー・
~vA ~\t
70
60
50「.,.ーーーーー,ーーー・ーーー・・・ーー______,_ __ ..ーー・・・・・・・・・・・・・・ーFM-TV 台ラーバーデ{7.パーサL・オン
(D八J)min=lOdB
u ~/ \可制のh方向 /¥ j i 7ンテナ送信パターン 1l ! ¥ を碁にしたS/Iの計算 iu I !Ill ’ νi j 1一一一-昔寸. 』 A ll !
E切L-------幽-一切一聞.’..川.. 実測値〆 ¥¥ E ”
・1・1 トM-TV¥¥ f カラーパー,¥¥ , ディスパーザル・オ7i¥ I (D/U)抽ー1幽
一半一最悪のS/Iの予想鑑
も一一最悪のS/Iの予想値
‘ ’ ‘ ‘ ‘ ‘ 、、、
〔同唱〕
同+口+Z\回国立時
-2 -1 0 1 2
7ンテナ・オフセット角度〔deg)
アンテナ・オフセット角度対S/(N+D+I)特性
40
3 -3
第6図。b)
とがわかった。乙の現象は干渉の評価を複雑にさせる。
しかし,雑音負荷レベルが十分に大きくなると,すなわ
ち FDM-FMのスペクトル分布がガウス形に近づくと,
192 Il-1.4 周波数帯共用に関する実験 電波研究所季報
の S(N+D)などを基にして計算で求められるととが
明らかとなった。それゆえ上りリンクの干渉のおおまか
な評価は,計算で求める乙とができる。
唱11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111II I
ぺ:・・i:、こY