1.5cm 金融機関の企業支援モデル1.5cm 天地 3.7cm 天地0.7cm...

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地域金融機関の企業支援の実際に関して取材活動を行い、支援の特徴を整理し、モデルにな ると考えられる企業支援の類型(以降、企業支援モデル)を導きました。本資料では、その一 部を紹介します。 地域金融機関による公的支援制度の活用(特に専門家派遣)は、地域力連携拠点事業の時か ら一貫して増加の傾向にあり、ネットワーク強化事業ではアドバイザーの総巡回数の約20% を占めています。地域金融機関にとって中小企業支援とは、金融業務を補完し、強固な経営基 盤を構築するための1手法として位置付けられ、金融業務とリンクした切れ目のない一貫支援 を目指しています。 下図に、金融機関による中小企業支援の基本形態を示します。外部専門家の支援ノウハウを 活用しながら、本部と支店が連携し、多様な支援を展開しています。 1.金融機関による企業支援の基本形態 発行:中小機構 支援機関サポート課 ※無断転載・複製を禁ず 金融機関の企業支援モデル 地域金融機関とって中小企業支援とは【強固な経営基盤構築】の1手法 目標は:金融業務とリンクした切れ目のない一貫支援】 狙いは:*企業支援ノウハウの確立を通した顧客接点の強化 *顧客のランク維持・ランクアップのための経営改善の実行 *企業の成長支援等よるプレゼンスアップの実現 外部専門家の支援ノウハウの活用 企業診断・ 支援提案 専門的課題の 解決実行支援 経営革新・農商 工等の制度活用 経営改善計画 の作成支援 市場調査・ 事業研究 セミナ開催 商談会・ マッチング開催 支店 支店 支店 ・支援先となる顧客のリスト化 ・企業支援のサービス案内 企業訪問・ 個別相談 顧客企業 顧客企業 専門家派遣 制度活用支援 金融機関 本部 顧客企業

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Page 1: 1.5cm 金融機関の企業支援モデル1.5cm 天地 3.7cm 天地0.7cm 地域金融機関による公的支援制度の活用(特に専門家派遣)は、地域力連携拠点事業の時か

地域金融機関の企業支援の実際に関して取材活動を行い、支援の特徴を整理し、モデルにな

ると考えられる企業支援の類型(以降、企業支援モデル)を導きました。本資料では、その一

部を紹介します。

幅1.5cm

天地3.7cm

天地0.7cm

地域金融機関による公的支援制度の活用(特に専門家派遣)は、地域力連携拠点事業の時から一貫して増加の傾向にあり、ネットワーク強化事業ではアドバイザーの総巡回数の約20%を占めています。地域金融機関にとって中小企業支援とは、金融業務を補完し、強固な経営基盤を構築するための1手法として位置付けられ、金融業務とリンクした切れ目のない一貫支援を目指しています。 下図に、金融機関による中小企業支援の基本形態を示します。外部専門家の支援ノウハウを活用しながら、本部と支店が連携し、多様な支援を展開しています。

幅1.5cm

1 . 金 融 機 関 に よ る 企 業 支 援 の 基 本 形 態

天地1.2cm発行:中小機構 支援機関サポート課 ※無断転載・複製を禁ず

金融機関の企業支援モデル

地域金融機関とって中小企業支援とは【強固な経営基盤構築】の1手法

目標は:【金融業務とリンクした切れ目のない一貫支援】 狙いは:*企業支援ノウハウの確立を通した顧客接点の強化

*顧客のランク維持・ランクアップのための経営改善の実行 *企業の成長支援等よるプレゼンスアップの実現

外部専門家の支援ノウハウの活用

企業診断・ 支援提案

専門的課題の

解決実行支援

経営革新・農商

工等の制度活用 経営改善計画

の作成支援

市場調査・ 事業研究

セミナ開催

商談会・ マッチング開催

支店 支店 支店

・支援先となる顧客のリスト化

・企業支援のサービス案内

企業訪問・ 個別相談

顧客企業

顧客企業

専門家派遣 制度活用支援

金融機関 本部

顧客企業

Page 2: 1.5cm 金融機関の企業支援モデル1.5cm 天地 3.7cm 天地0.7cm 地域金融機関による公的支援制度の活用(特に専門家派遣)は、地域力連携拠点事業の時か

No. 主な支援テーマ 担当部署 金融機関の主業務 アドバイザーへの期待

モデル① 経営改善計画の作成・実行支援

融資部等と支店が連携業務として対応

顧客の意識付け・調整、改善実施促進

実現性の高いPL・BS改善の計画・実行指導

モデル② 経営革新等による新事業開発支援

法人営業部等が活動主体となり、支店を支援

相談・問合せの発掘、支援の前裁き

専門的助言、事業承継の意識付け

モデル③ 地域事業開発と販路開拓支援

専門部署を設置し、本部主導で顧客支援を展開

新事業発掘の目利き、プロジェクト管理

事業立上、販売立上げまでの併走支援

金融機関の企業支援には、柱となる3つの支援モデルがあります。各モデル毎に、主となる支援テーマ、担当部署、支援手法等が異なり、金融機関内部の組織体制とリンクしています。組織体制は企業支援モデルと並行して3段階で拡充されます。運営面では、外部ネットワークの構築や内部人材の育成等の人材・支援ノウハウの確保・強化に関わる課題を抱えています。

第1ステージ (モデル①) 経営改善計画の作成及び実行支援に関する外部専門人材の活用

第2ステージ (モデル②) 経営相談の受付~経営革新等の制度活用・認定支援~付随課題(事業承継等)の支援~開発実行支援へ

第3ステージ (モデル③) 地域事業の提案・公開~事業開発支援~マッチング・業務提携支援~販路開拓へ

ステージ毎の中心的な支援内容 運営面の課題

有能な外部専門家の確保

専門家と職員(本部・支店)の連動

本部内に支援専門組織の整備

コーディネータ型支援人材の拡充

自治体や支援機関との連携活動

販路開拓手法の整備と人材配置

経営革新関連テーマを中心に、事業再生・事業承継が多数

支援機関と比較し、「フォローアップ支援」「支援スキーム構築」「OJTの実行」に強み

期待される人物像は、企業の課題解決を具体化する「コーディネーター型支援人材」

外部専門家は「人柄」「顧客対応」を重視し、ヒアリング技術に長けた人材を活用

本部/営業店/専門家/専門機関等を交えたチーム支援

支援の前裁きと外部人材活用に重点を置く支援スキーム

企業からのプラス評価 懐の深い組織対応 信頼できる企業マッチング。専門家紹介 長期的対応を前提とした支援活動 突き放されることのない安心感

企業からのマイナス評価 敷居の高い相談相手 書類中心の審査で知的資産への理解不足 専門的支援テーマへの見識不足

幅1.5CM

幅1.5CM

天地0.7cm天地1.2cm

2 . 金 融 機 関 に よ る 企 業 支 援 の 特 徴

3 . 金 融 機 関 の 企 業 支 援 モ デ ル と 運 営 課 題

金融機関は【金融業務とリンクした切れ目のない一貫支援】の確立を目指し、他の支援機関とは特徴が異なる支援を展開しています。背景には、「金融機関という大きな組織の中の極少数の支援人材」が、「営利企業としての支援姿勢」や「債権者としての支援責任」等に基づくなどの金融機関固有の事情が上げられます。以下は、金融機関の企業支援の顕著な特徴です。

発行:中小機構 支援機関サポート課 ※無断転載・複製を禁ず 2013年4月

制作著作  独立行政法人中小企業基盤整備機構 経営支援部 支援機関サポート課

作成担当  青木 弘一 (平成23~27年度 全国支援ネット統括マネージャー)地域支援機関等サポート事業 ホームページ

http://www.smrj.go.jp/keiei/chiikiryoku/index.html