16.3 ictを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術...

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16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究 - 1 - 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究 研 究 予 算:運営費交付金(一般勘定) 研 究 期 間:平 23~平 27 担当チーム:技術開発調整監(寒地機械技術) 研究担当者:大槻敏行、高本敏志、小宮山一重、 佐藤信吾 【要旨】 積雪寒冷地において、降雪や積雪が道路交通に与える影響は大きく、円滑な道路交通の確保のためには道路除 雪の実施は必要不可欠である。除雪作業を効率的に実施するためには過去の除雪作業の分析に基づく除雪作業計 画、降雪状況に応じた最適な除雪出動タイミングと除雪作業中における臨機な除雪機械の運用が必用である。 本研究では、除雪機械稼働情報を作業時刻、道路距離標を軸に可視化した除雪作業グラフが、除雪作業の分 析・評価に有効であることを示した。また、除雪工区上の降雪量と除雪作業所要時間の相関を分析し、除雪出動 判断支援に適用すべき降雪量の集計方法を示した。さらに、除雪機械稼働情報の可視化機能、降雪量に応じた出 動タイミングの判断を支援する除雪出動判断支援機能、大雪時等に隣接工区を支援した場合の除雪作業所要時間 を予測する除雪機械運用支援機能を開発した。これらの成果を基に、除雪機械作業効率化マネジメント技術資料 を作成した。 キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、GPS、運用支援、除雪計画、ICT 1.はじめに 積雪寒冷地において、降雪や積雪が道路交通に与える 影響は大きく、円滑な道路交通の確保は地域住民にとっ て必要不可欠である。また、鉄道の廃止により生活が 100%自動車輸送に依存している地域もあることから、 道路交通は重要な生命線となっており道路除雪に対する 住民ニーズは高い。一方、近年の公共投資の抑制などを 背景に、道路除雪についてもコスト縮減をせざるを得な い状況であり、道路管理者は除雪に関する管理基準の見 直しや各種コスト縮減に取り組んでいる。しかし、現状 の除雪作業において、除雪機械の出動タイミングの判断、 作業中の運用(除雪ルート、連携等)の判断は、主に道 路管理者や除雪工事現場代理人等の経験を頼りに行われ ているのが実態である。 一方、国土交通省が策定した「国土交通省防災業務計 画(平成 27 年7月)」では、雪害による被害の発生防止 または軽減を図る観点から、除雪機械について即時的、 広域的かつ一元的な管理等、効果的な運用技術を開発し 防災対策に反映するよう記されている 1) これらのことから、経験のみに拠らない定量的な判断 に基づく効率的な除雪作業の実施が求められている。そ のためには、過去の除雪作業実態の分析に基づく除雪作 業計画、降雪状況に応じた最適な除雪出動タイミング、 及び作業中における臨機な除雪機械の運用が必要である。 本研究は、除雪作業を効率的・効果的に実施するため、 後述する除雪機械等情報管理システムに蓄積された詳細 な除雪機械稼働情報(位置・作業)や、気象情報等の分 析を行い、ICT(Information Communication Technology) を活用して除雪出動判断・除雪機械運用を 支援する除雪マネジメント技術を提案するものである。 2.研究実施内容 本研究では、除雪マネジメント技術を提案するため、 平成 23 年度から平成 27 年度において次の三つの項目に 取り組んだ。 気象情報と除雪機械の稼働(位置・作業)情報の可 視化による、除雪作業効率の分析・評価技術の提案 気象情報・除雪機械稼働情報の分析と ICT を活用 した情報共有による、除雪出動判断・除雪機械運用 支援技術の提案 除雪機械の位置・作業情報を活用した、除雪機械作 業効率化マネジメント技術の運用方法の提案 これにより、気象状況に応じた除雪出動判断の支援や、 豪雪時等における除雪機械の効率的な運用が可能となり、 路線としての除雪作業所要時間の短縮、及び除雪作業の 遅延に起因する渋滞損失の低減が図られる。

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16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究

- 1 -

16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究

研 究 予 算:運営費交付金(一般勘定)

研 究 期 間:平 23~平 27

担当チーム:技術開発調整監(寒地機械技術)

研究担当者:大槻敏行、高本敏志、小宮山一重、

佐藤信吾

【要旨】

積雪寒冷地において、降雪や積雪が道路交通に与える影響は大きく、円滑な道路交通の確保のためには道路除

雪の実施は必要不可欠である。除雪作業を効率的に実施するためには過去の除雪作業の分析に基づく除雪作業計

画、降雪状況に応じた最適な除雪出動タイミングと除雪作業中における臨機な除雪機械の運用が必用である。

本研究では、除雪機械稼働情報を作業時刻、道路距離標を軸に可視化した除雪作業グラフが、除雪作業の分

析・評価に有効であることを示した。また、除雪工区上の降雪量と除雪作業所要時間の相関を分析し、除雪出動

判断支援に適用すべき降雪量の集計方法を示した。さらに、除雪機械稼働情報の可視化機能、降雪量に応じた出

動タイミングの判断を支援する除雪出動判断支援機能、大雪時等に隣接工区を支援した場合の除雪作業所要時間

を予測する除雪機械運用支援機能を開発した。これらの成果を基に、除雪機械作業効率化マネジメント技術資料

を作成した。

キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、GPS、運用支援、除雪計画、ICT

1.はじめに

積雪寒冷地において、降雪や積雪が道路交通に与える

影響は大きく、円滑な道路交通の確保は地域住民にとっ

て必要不可欠である。また、鉄道の廃止により生活が

100%自動車輸送に依存している地域もあることから、

道路交通は重要な生命線となっており道路除雪に対する

住民ニーズは高い。一方、近年の公共投資の抑制などを

背景に、道路除雪についてもコスト縮減をせざるを得な

い状況であり、道路管理者は除雪に関する管理基準の見

直しや各種コスト縮減に取り組んでいる。しかし、現状

の除雪作業において、除雪機械の出動タイミングの判断、

作業中の運用(除雪ルート、連携等)の判断は、主に道

路管理者や除雪工事現場代理人等の経験を頼りに行われ

ているのが実態である。

一方、国土交通省が策定した「国土交通省防災業務計

画(平成 27 年7月)」では、雪害による被害の発生防止

または軽減を図る観点から、除雪機械について即時的、

広域的かつ一元的な管理等、効果的な運用技術を開発し

防災対策に反映するよう記されている 1)。

これらのことから、経験のみに拠らない定量的な判断

に基づく効率的な除雪作業の実施が求められている。そ

のためには、過去の除雪作業実態の分析に基づく除雪作

業計画、降雪状況に応じた最適な除雪出動タイミング、

及び作業中における臨機な除雪機械の運用が必要である。

本研究は、除雪作業を効率的・効果的に実施するため、

後述する除雪機械等情報管理システムに蓄積された詳細

な除雪機械稼働情報(位置・作業)や、気象情報等の分

析を行い、ICT(Information Communication

Technology)を活用して除雪出動判断・除雪機械運用を

支援する除雪マネジメント技術を提案するものである。

2.研究実施内容

本研究では、除雪マネジメント技術を提案するため、

平成23年度から平成27年度において次の三つの項目に

取り組んだ。

① 気象情報と除雪機械の稼働(位置・作業)情報の可

視化による、除雪作業効率の分析・評価技術の提案

② 気象情報・除雪機械稼働情報の分析と ICT を活用

した情報共有による、除雪出動判断・除雪機械運用

支援技術の提案

③ 除雪機械の位置・作業情報を活用した、除雪機械作

業効率化マネジメント技術の運用方法の提案

これにより、気象状況に応じた除雪出動判断の支援や、

豪雪時等における除雪機械の効率的な運用が可能となり、

路線としての除雪作業所要時間の短縮、及び除雪作業の

遅延に起因する渋滞損失の低減が図られる。

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3.除雪機械等情報管理システムの概要

北海道の国道を管理する国土交通省北海道開発局(以

下、開発局)は、1,040 台の除雪機械を用いて、一般国

道約 6,700km の除雪を行っている 2)。また、開発局で

は、地図上でのリアルタイムな除雪位置・作業情報や作

業履歴の確認が可能な除雪機械等情報管理システムを用

いて除雪作業を把握している。

除雪機械等情報管理システムは、開発局が導入した基

幹システムと、国立研究開発法人土木研究所寒地土木研

究所(以下、寒地土研)が開発した除雪機械マネジメン

トシステム 3)から構成されており、開発局職員及び除雪

工事受注者(以下、除雪業者)に提供されている。

3.1 基幹システムの概要

基幹システムは、除雪機械に搭載された GPS や作業

センサからの位置・作業情報を、車載端末を介してリア

ルタイムにサーバに収集・管理する。これにより、リア

ルタイムな除雪位置の確認や詳細な除雪作業履歴(作業

日時、作業内容、作業箇所(KP)等)を確認すること

ができる。基幹システムの基本機能である「除雪機械位

置の確認」、「作業履歴の確認」画面の一例を図-1 に示

す。

図-1 基幹システムの基本機能画面の一例

3.2 除雪機械マネジメントシステムの概要

除雪機械マネジメントシステムは、基幹システムで取

得した除雪機械の位置・作業情報を活用し、効率的、効

果的な除雪の実施を支援するために開発しているシステ

ムである。

平成 27 年度末現在、このシステムで運用している主

な機能は、地図上における除雪作業進捗状況の確認や、

凍結防止剤散布設定情報の収集管理機能等である。

本研究で取り組んだ除雪出動判断・除雪機械運用支援

技術の検討成果も、今後この除雪機械マネジメントシス

テムに機能追加する予定である。

4.気象情報と除雪機械の稼働(位置・作業)情報の可

視化による、除雪作業効率の分析・評価技術の提案

除雪作業はこれまで、主に経験を頼りに行われており、

作業内容の分析・評価はあまり行われていない。

本項では、基幹システムに蓄積された除雪機械稼働情

報を可視化し、分析・評価する技術について述べる。

4.1 除雪機械稼働情報の可視化

除雪機械稼働情報の可視化には、除雪機械位置を地図

上に表示して閲覧する方法と、位置情報データを CSV

形式で取得し、ソフトウェアを用いてグラフ化して閲覧

する方法がある。

地図上に表示する方法に比べ、グラフ化する方法は、

1台毎の作業速度、開始時刻・終了時刻、作業経路等が

グラフに表示されるため、工区全体の作業状況を包括的

に把握できるので除雪作業の分析・評価に有効である。

具体には表計算ソフトを用いて除雪作業時刻、道路距

離標(KP)を軸としたグラフ(以下、除雪作業グラフ)

にプロットする。これにより、除雪機械1 台の動きを 1

本の線で表すことができる。除雪機械の出動地点や転回

点等を把握するため、除雪ステーション(以下、ST)、

転回点等の位置を表す水平線を表示した。さらに、作業

速度の目安とするため、時速 20km の斜線を表示した。

除雪作業グラフ作成例を図-2に示す。

※[CP(Control Point)]は、転回点名称を表す。

※各名称末尾の数字は、道路距離標(KP)を表す。

図-2 除雪作業グラフ作成例

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8:00

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9:00

12/23

10:00

(KP

)

4車線区間 8車線区間

[CP]定山渓TN 37.37-38.5 [CP]定山渓590交差点 28.55

[CP]錦TN 24.80 [CP]一の沢橋 23.1

[CP]旧230号交差点 [CP]簾舞415交差点 17.69

[CP]アンダーパス 7.5-8.2 [CP]中央分離帯 12.14-12.49

[CP]中央分離帯 15.48-17.90 [速度凡例]20km/h

工区境(北1条西11丁目) 0.906 工区境(喜茂別町界) 45.580

薄別ST 30.413 豊滝ST([1/2]_[2/2]工区界) 19.635

17-2141 豊滝ST 除雪G 4.0m 23-2141 豊滝ST 除雪G 4.0m

15-2148 豊滝ST 除雪G 高速整正形 15-2147 豊滝ST 除雪G 高速整正形

11-2108 薄別ST 除雪T 10tIGS 13-2118 薄別ST 除雪T 10tIGS

12-2124 薄別ST 除雪T 10tIGM

a

b

c

d

e

g

fh

i

区間1

区間2

定山渓TN

豊滝ST

薄別ST

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16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究

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4.2 除雪機械稼働情報の可視化による分析

図-2 に示した除雪作業グラフの作成例から確認でき

る除雪作業状況は以下のとおりである。

(1)12/22 20 時頃、区間 2 を除雪するため、薄別 ST

から 2 台の除雪機械が梯団で出動(図-2 の a)して

いる。梯団は、途中で分かれて(図-2 の b)1 台が

定山渓 TN(トンネル)で折り返し、KP=45.580 ま

で1台で除雪を行った後合流し、12/22 23時頃に薄

別STに帰着(図-2のc)している。

(2)12/23 0 時頃、区間 1 を除雪するため、豊滝 ST

から 3 台の除雪機械が梯団で出動(図-2 の d)して

いる。その後は区間 1 内を除雪し、12/23 5 時頃に

豊滝 ST に帰着(図-2 の e)している。なお、除雪

作業速度は、12/22 20 時頃に出動した隣接区間の梯

団(図-2 の a)に比べ、グラフの傾きが緩いことか

ら作業速度が遅いことが確認(図-2の f)できる。

(3)12/23 2 時頃、区間 2 を除雪するため、再び薄別

ST から除雪機械が出動(図-2 の g)している。こ

の時は、4 台の除雪機械が 2 台づつの梯団に分かれ

て別方向に出動している。また、12/23 6時頃、1台

が他方に応援に向かったことが確認(図-2 の h)で

き、区間 2 の梯団と合流して除雪を行い、12/23 7

時頃に薄別STに帰着(図-2の i)している。

このように、除雪機械稼働情報を可視化することで、

時間経過に伴う除雪機械の除雪ルートや梯団編成の変化

を容易に確認できる。また、過去の除雪作業を分析・評

価することで、以後の除雪施工方法の検討や、隣接工区

(区間)との連携方法の検討に活用できる。

4.3 除雪作業効率分析・評価手順資料(案)の概要

前項で述べた除雪作業を可視化分析する方法を「除雪

作業効率分析・評価手順資料(案)」として、とりまと

めた。

4.3.1 除雪機械稼働情報の可視化手順

除雪機械の位置情報データを用いて除雪機械稼働情報

を可視化する手順をまとめた。主な手順は以下のとおり

である。

(1) 位置情報データの準備

可視化対象の除雪機械の作業時刻と路線上の位置情

報(KP 等)が把握できるデータを準備し、データテ

ーブルを作成する。

(2) 除雪作業を可視化(グラフ作成)

データテーブルを基にグラフを作成する。

(3) グラフ様式設定

グラフに表示する範囲(日時、区間)を設定する。

(4) 目印(転回点、速度凡例の斜線等)の追加

工区境・除雪 ST 等の定点、車線数変化地点や中央

分離帯区間の目印データを追加する。目印データは、

除雪作業の稼働状況(移動・転回)をより詳細に把握

するため必要である。

4.3.2 除雪作業可視化分析・評価手法

除雪作業を可視化後、分析・評価するポイントをとり

まとめた。なお、対象とする除雪作業の開始から終了ま

での累計降雪量が10cm程度を通常降雪時における除雪

作業とし、20cm 程度以上を大雪時における除雪作業と

した。

(1) 通常降雪時における除雪作業の分析・評価

通常降雪時の除雪作業は、ほぼ同様の作業形態(除

雪ルート、梯団編成)で行われることから、分析・評

価ポイントは、通常降雪時における標準的な作業形態

との相違点である。以下に分析・評価手順を示す。

1)通常降雪時における標準的な除雪作業形態の把握

・通常降雪時の除雪作業を、位置情報データを用い

て数例可視化する。

2)通常降雪時における除雪標準作業グラフの作成

・ 1)で作成した除雪作業グラフから、出動方向

や除雪機械の転回地点を整理し、頻度の高い除雪

作業パターンを標準ルートとして設定する。

・ 位置情報データより、工区内の 0.5km 毎の速度

を集計し、その平均速度を 0.5km 毎の標準作業

速度として設定する。

・ 設定した標準作業ルート、転回点、標準作業速

度より、標準作業グラフを作成する。

上記手順で作成した例を図-3に示す。

図-3 除雪標準作業グラフ作成例

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0:0

0

1:0

0

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0

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0

5:0

0

(KP

)

国道○○号

4車線区間 31.6-50.3 [CP]中央分離帯 31.6-41.3

[CP]中央分離帯 43.1-43.4 [CP]中央分離帯 46.0-46.2

[CP]中央分離帯 47.0-50.3 [速度凡例]20km/h

工区境 31.6 工区境 50.3

除雪ST 35.9 標準グラフ

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4

3)評価対象の除雪作業を可視化

・可視化手順に基づき、評価対象の除雪作業を可

視化する。

4)除雪作業分析・評価

・2)で作成した標準作業グラフと 3)で作成した評

価対象の除雪作業グラフを比較し、相違するポイ

ント(除雪ルート、作業速度、梯団編成、作業所

要時間等)の有無を確認する。

・相違するポイントに非効率な要素があれば、その

要因について除雪業者へのヒアリング等で確認す

る。

・非効率な要素は、効率化のための対策の検討を

行う。

・これらの分析・評価結果を、以後の除雪施工計

画へ反映する。

(2) 大雪時おける除雪作業の分析・評価

大雪時の除雪作業は、降雪量の増加に応じて変化する

傾向があるが、この変化は一様ではない。このため、工

区毎の地域特性を把握するとともに、累計降雪量で区分

化して、降雪量毎に除雪作業を分析・評価する必要があ

る。分析・評価ポイントは、通常降雪時との相違点のほ

か、除雪ルートの検証、隣接工区(区間)との除雪作業

終了時刻の差異等である。以下に分析・評価手順を示す。

1)通常降雪時における除雪標準作業グラフの作成

・(1)に示した手順で通常降雪時の除雪標準作業グ

ラフを作成する。

図-4 降雪量20cm-30cmの時の除雪作業グラフ作成例

2)除雪作業の累計降雪量を集計

・降雪量に応じて除雪作業を区分するため、除雪作

業の開始から終了までの工区内の累計降雪量を、

除雪工区近隣のアメダス観測所データや、降雪メ

ッシュデータ等を用いて集計する。

・集計した累計降雪量に基づき、除雪作

業を20cm-30cm、30cm-40cm等に区分する。

3)大雪時の除雪作業を可視化

・可視化手順に基づき、累計降雪量区分毎の除雪作

業を数例可視化(図-4)する。

4)累計降雪量区分毎の除雪標準作業グラフの作成

・3)で区分した除雪作業を(1) の 2)に示した手

順に準じて、累計降雪量区分毎の除雪標準作業

グラフを作成する。

5)評価対象の除雪作業を可視化

・可視化手順に基づき、評価対象の除雪作業を可

視化する。

6)除雪作業分析・評価

a)除雪作業状況の把握

・(2) の 1)で作成した通常降雪時の除雪標準作

業グラフと(2) の 4)で作成した累計降雪量区

分毎の除雪標準作業グラフとを比較し、対象工

区の累計降雪量の違いによる標準作業ルートの

変化の傾向を確認する

・(2) の 4)で作成した累計降雪量区分毎の除雪

標準作業グラフと(2) の 5)で作成した評価対

象の除雪作業グラフを比較し、梯団編成や除雪

ルートの相違するポイント、隣接工区または対

象工区内の区間毎の除雪作業終了時刻の差等の

非効率な要素の有無を確認する。

b)隣接工区(区間)の除雪作業終了時刻に差が生

じていた場合

・工区(区間)境シフト(以下、工区シフト)実

施の必要性及び有効性について確認する。

※工区シフトとは、除雪作業の進捗が早い工区

(区間)を担当する除雪機械が、担当工区(区

間)境を越境して進捗の遅い方の除雪作業を支

援することである。工区シフトの実施により、

遅い方の除雪作業終了時刻を早めることで、路

線全体としての道路交通への影響(旅行速度低

下、渋滞損失増加)を抑制することができる。

c)除雪作業が通勤通学時間帯等、道路交通に影響

を及ぼしていた場合

・隣接工区(区間)との工区シフトの必要性及び

有効性について確認する。

・工区シフトを実施した場合の除雪ルートを想定

30

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12/21 1

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(KP

)

国道○○号

4車線区間 31.6-50.3 [CP]中央分離帯 31.6-41.3

[CP]中央分離帯 43.1-43.4 [CP]中央分離帯 46.0-46.2

[CP]中央分離帯 47.0-50.3 [速度凡例]20km/h

工区境 31.6 工区境 50.3

除雪ST 35.9 グレーダ No.1

グレーダ No.2 グレーダ No.3

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し、

・予測

る除

間)

有効

d)これ

へ反

5.気象情報

た情報共有に

技術の提案

5.1 気象情報

降雪量に応

には、担当す

降雪量を考慮

る。そこで、

るため、過去

いて調査を行

いて分析を行

札幌開発建設

異なる 5 箇

概要を表-1に

※延長と沿道条

※交通量は、道

れる交通量調

1

2

1

2

1

2

全体D

1

2

延(

区間工区名

除雪終了時刻

測した除雪作業

除雪工区(区間

の渋滞損失額

効性を評価する

れらの分析・評

反映する。

報・除雪機械稼

による、除雪

報・除雪機械稼

応じた最適な出

する除雪工区の

慮し、除雪作業

降雪量と除雪

去の降雪量とそ

行い、降雪量と

行った。なお、

設部が発注した

箇所の除雪工区

に、除雪工区の

表-1 除

条件の内訳は、

道路交通センサ

調査地点の最大及

市街地(DID)

市街(その他

13.7

100.0

5.1

37.4 6

11.5

61.2

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0 1

7.6

40.7 1

2.9

17.2

0.1

0.5

13.7

13.6

18.7

25.9

16.1

24.1

18.7

17.1

20.2

延長km)

沿(上段

刻を予測する。

業終了時刻につ

間)と、支援す

額を算出し、工

る。

評価結果を以後

稼働情報の分析

出動判断・除

稼働情報の分析

出動タイミング

の現在の降雪量

業所要時間を推

雪作業所要時間

その時の除雪機

と除雪作業所要

調査した除雪

た除雪工事のう

区である。調査

の位置を図-5に

除雪工区概要

端数処理上、合

スデータを用い

大及び平均台数を

街地他)

平地 山地

0.0 0.0 0.

0.0 0.0 0.

8.5 0.0 0.

2.6 0.0 0.

0.0 7.3 0.

0.0 38.8 0.

0.0 7.2 18.

0.0 27.7 72.

0.0 16.1 0.

0.0 100.0 0.

3.1 21.0 0.

2.9 87.1 0.

1.9 9.1 0.

0.3 48.9 0.

1.2 12.9 0.

7.1 75.7 0.

0.2 20.0 0.

0.9 98.6 0.

沿道条件段:km,下段:%)

16.3 IC

ついて、支援さ

する除雪工区

工区シフト実施

後の除雪施工計

析と ICTを活用

除雪機械運用支

グを判断するた

量及び以後の予

推定する必要が

間の関係を解明

機械稼働情報に

要時間の関係に

雪工区は、開発

うち、沿道条件

査した除雪工区

に示す。

合わない場合があ

いて、各区間に含

を算出した。

交通量(台/24

上段:最下段:平

0 34

0 27

0 35

0 32

0 45

0 32

8 14

3 13

0 13

0 8

0 6

0 6

0 27

0 22

0 23

0 16

0 10

0 8

終日

終日

終日

夜間

夜間

夜間

終日

終日

終日

除雪可能時間帯

Tを活用した

5

され

(区

施の

計画

用し

支援

ため

予想

があ

明す

につ

につ

発局

件が

区の

ある。

含ま

※A

※各

5.1.

デー

も除

(図

能性

して

いる

降雪

ある

上の

除雪

量を

せた

に示

量4h)

最大平均

4,370

7,098

5,462

2,463

5,357

2,398

4,958

3,416

3,828

8,158

6,348

6,247

7,188

2,826

3,318

6,139

0,871

8,552

B-1

B-2

効率的、効果

A~E は工区名

各観測所はアメ

.1 降雪量の集

分析に用いる降

ータを用いる方

除雪工区の最寄

図-5 参照)、除

性がある。そこ

ている冬期道路

る降雪量データ

雪量が 1km メ

るため、地図デ

の降雪量を集計

雪工区上に 0.5

を平均し集計し

た例を図-6に、

示す。

図-6 降雪

A-2

1

2

JR札幌駅

小金湯観測

札幌観測所

除雪工

的な除雪マネ

を、枝番の 1

メダス観測所を

図-5 除雪工区

集計方法の検討

降雪量データと

方法があるが、

寄りに位置し

除雪工区の道路

こで、当研究所

路マネジメント

タを用いた。こ

メッシュ毎に数

データと重ね合

計することが可

5km 毎に設け

した。降雪量デ

降雪量の集計

雪量データと除

A-1

C-2

C-1

測所

工区

ネジメント技術

1 及び 2 は区間

を表す。

区の位置図

として、気象庁

アメダス観測

しているとは限

路上の降雪量と

所の寒地交通チ

トシステム 4)に

この降雪量デー

数値化されてい

合わせることで

可能である。具

けた集計ポイン

データを除雪工

計ポイントの設

除雪工区の表示

新篠

JR岩見沢駅

術に関する研究

間名を表す。

庁のアメダス

測所は必ずし

限らないため

と相違する可

チームが提供

に蓄積されて

ータは、時間

いるデータで

で、除雪工区

具体的には、

ント毎の降雪

工区と重ね併

設定例を図-7

示例

E-2

E-1

篠津観測所

岩見沢観測所

Page 6: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

5.1.2 降雪量

降雪量と除

開始前、及び

を明らかにす

とおり区分し

集計区分

1 直

2 当

3 直

※直近の除雪

以上経過して

らとした。

除雪作業所

除雪を開始し

除雪基地から

い。また、一

するケースに

バルも所要時

するまでのイ

については別

法では 8 時間

必要なことと

前点検として

計区分、及び

た、以上の条

道路距離標

図-7 降雪量集

量と除雪作業所

除雪作業所要時

び除雪作業中に

するため、降雪

した。

表-2 降雪

降雪

直近の除雪作

始まで 当該除雪作業開

で 直近の除雪作

了まで(集計区

雪作業終了から当

ている場合は、当

所要時間は、除

してから、終了

ら担当工区(区

一定時間のイン

については、一

時間とし)分析

インターバルは

別の作業として

間を超える労働

と、除雪機械の

て 30 分を考慮

び一連の除雪作

条件から降雪量

標(KP)

集計ポイント設

所要時間の分析

時間の分析にお

における降雪量

雪量の集計対象

雪量集計区分表

雪量集計対象時

作業終了※から当

開始から当該

作業終了※から当

区分1+集計区

当該除雪作業開始

当該除雪作業開始

除雪機械が担当

了するまでに要

区間)までの回

ンターバルを経

一連の作業と見

析した。なお、

は 1.5 時間未満

て分析した。こ

働の場合、1 時

の道路運送車両

慮したものであ

作業の関係を

量と除雪作業所

設定例

おいて、除雪作

量との関連度合

象時間を表-2

時間 当該除雪作業

除雪作業終了

当該除雪作業

区分2) 始までが 24 時

始の 24 時間前

当工区(区間)

要した時間とし

回送時間は含ま

経て、複数回出

見なし(インタ

次の除雪に出

満とし、これ以

これは、労働基

時間の休憩時間

両法に基づく運

ある。降雪量の

図-8 に示す。

所要時間の相関

6

作業

合い

業開

了ま

業終

時間

前か

し、

まな

出動

ター

出動

以上

基準

間が

運行

の集

関関

係を

を除

「正

の黒

内に

帯が

ても

なっ

ない

は、

い正

べ、

ら、

たり

業所

業所

要因

り返

のと

要時

った

1

2

3

除雪可時間

降雪集計区

-1.0

-0.7

-0.4

-0

を求め、比較し

図-8 降雪量

表-3 降雪量と

降雪量と除雪作

除き集計区分

正の相関」及び

黒枠)。なお、

における市街地

が夜間のみに制

もその時間帯の

っても除雪時間

い事情の影響と

A 工区と同様

正の相関」が得

通常降雪時は

降雪量が多く

り、作業終了時

所要時間が増加

相関分析の結果

所要時間の相関

因は、除雪作業

返し除雪するこ

と推測するが詳

時間の増加要因

た。

直近の除雪

1.5~

降集計

区間1 区間2

-0.22 0.00

0.26 0.07

-0.04 0.04

可能間帯

A工区雪量区分

夜 間

0以上~-0.7未満

7以上~-0.4未満

4以上~-0.2未満

0.2以上~0未満

した結果を表-3

量集計区分及び

と除雪作業所要

作業所要時間の

2 及び 3 にお

び「強い正の

A 工区の相関

地の割合が高い

制限されている

のほぼ全てを要

間を延長できな

と考えられる。

様に作業が夜間

得られている。

は作業開始が遅

くなった場合に

時刻を遅くする

加するためと考

果、一部の工区

関が得られた。

業速度の低下、

ことに伴う除雪

詳細は不明であ

因を解明するた

~24h

1回目除雪

雪量区分1

降雪量集

時間 経過

区間1 区間2 区

0.37 -0.18

0.60 0.61

0.63 0.43

B工区

弱い負の相関あり

強い負の相関あり

ほとんど相関なし

負の相関あり

相関係

3に示す。

び一連作業のイ

要時間の相関関

の相関分析の結

おいて、「弱い

の相関」が得ら

関係数が低い要

いことから、除

るうえ、通常降

要しており、降

ないなど、降雪

。また、B 工

間に限られて

この理由は、

遅く作業終了が

には、作業開始

ることが可能あ

考えられる。

区を除き、降雪

除雪作業所要

または、除雪

雪作業延長の増

ある。そこで、

ため、さらに相

2回目

1.5h未満

集計区分3

一連の除雪作業

降雪量集計区分2

D工

区間1 区間2 全体

0.23 -0.16 0.3

0.27 0.84 0.7

0.32 0.55 0.7

C工区

終 日

0以上~0.2未満

0.2以上~0.4未満

0.4以上~0.7未満

0.7以上~1.0未満

イメージ

関係比較

結果、A工区

い正の相関」、

られた(表-3

要因は、工区

除雪可能時間

降雪時におい

降雪量が多く

雪量に依存し

工区の区間 1

いるが、「弱

A工区に比

が早いことか

始時刻を早め

あり、除雪作

雪量と除雪作

要時間の増加

雪工区内を繰

増加によるも

除雪作業所

相関分析を行

目除雪

体 区間1 区間2

6 0.35 0.32

4 0.51 0.67

1 0.50 0.54

E工区

正の相関あり

弱い正の相関あり

ほとんど相関なし

強い正の相関

Page 7: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究

7

分析対象とする除雪工区は、地域性や沿道条件を考慮

し、沿道条件で市街地割合が高い工区(A 工区区間 1

及び 2、B 工区区間 1)、及び沿道条件で平地割合が高

く、交通量が多い工区(E 工区区間1 及び2)を選定し

た。また、分析対象とする降雪量は表-2 のとおり区分

した。

5.1.3 降雪量と除雪作業速度の相関分析

道路は縦断方向に沿道条件や交通状況が異なるため、

分析に用いる除雪作業速度は、除雪工区全体における平

均作業速度ではなく、0.5km 区間毎の平均作業速度と

した。

降雪量と 0.5km 区間毎の除雪作業速度の相関分析を

行い、得られた相関係数を 0.5km 区間毎にプロットし

た分布図を図-9に示す。

相関分析の結果、相関係数は分散する結果となり、除

雪作業所要時間の増加は、除雪作業速度の低下が主たる

要因ではないことがわかった。

図-9 降雪量と 0.5km 区間毎の除雪作業速度の相関係数

分布図

5.1.4 降雪量と除雪作業延長の相関分析

除雪作業延長は、基幹システムに蓄積された除雪機械

稼働情報の位置情報データを基に、移動した差分距離

(絶対値)を累積して算出した。また、降雪量の増加に

伴い除雪作業に複数回出動していた場合は、前述 5.1.2

の分析と同様に一連の作業と見なした。

降雪量と除雪作業延長の相関関係を求め、比較した結

果を表-4に示す。

表-4 降雪量と除雪作業延長の相関関係比較

相関分析の結果、降雪量集計区分 2 において、A 工

区を除き「正の相関」が得られた(表-4 の黒枠)。また、

降雪量集計区分 3 においては、A 工区の区間 1 を除き、

「弱い正の相関」及び「正の相関」が得られた(表-4

の黒点線枠)。このことから、除雪作業所要時間の増加

は、除雪作業延長の増加(除雪工区内の複数回除雪)が

主たる要因であることがわかった。なお、A工区で相関

係数が低い要因は、前述 5.1.2 の分析と同様、除雪可能

時間帯の制限などの影響と思われる。

5.1.5 まとめ

降雪量と除雪作業所要時間の分析の結果、A工区を除

き降雪量集計区分 2 及び 3 において、「弱い正の相関」、

「正の相関」及び「強い正の相関」が得られた(表-3)。

除雪作業所要時間増加の要因を分析した結果、除雪作

業速度の低下は主たる要因ではなく(図-9)、除雪作業

延長の増加(除雪工区内の複数回除雪)が主たる要因で

-0.70-0.60-0.50-0.40-0.30-0.20-0.100.000.100.200.300.400.500.600.70

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

10.5

11.0

11.5

12.0

12.5

13.0

13.5

14.0

相関係数

道路距離標(KP)

A工区 区間1

集計区分1

集計区分2

集計区分3

弱い負の相関

負の相関

-0.70-0.60-0.50-0.40-0.30-0.20-0.100.000.100.200.300.400.500.600.70

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

10.5

11.0

11.5

12.0

12.5

13.0

13.5

相関係数

道路距離標(KP)

A工区 区間2

集計区分1

集計区分2

集計区分3

弱い負の相関

負の相関

-0.70-0.60-0.50-0.40-0.30-0.20-0.100.000.100.200.300.400.500.600.70

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

10.5

11.0

11.5

12.0

12.5

13.0

13.5

14.0

14.5

15.0

15.5

16.0

16.5

17.0

17.5

18.0

18.5

19.0

19.5

相関係数

道路距離標(KP)

B工区 区間1

集計区分1

集計区分2

集計区分3

弱い負の相関

負の相関

-0.70-0.60-0.50-0.40-0.30-0.20-0.100.000.100.200.300.400.500.600.70

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

10.5

11.0

11.5

12.0

12.5

13.0

13.5

14.0

14.5

15.0

15.5

16.0

16.5

17.0

相関係数

道路距離標(KP)

E工区 区間1

集計区分1

集計区分2

集計区分3

弱い負の相関

負の相関

-0.70-0.60-0.50-0.40-0.30-0.20-0.100.000.100.200.300.400.500.600.70

17.0

17.5

18.0

18.5

19.0

19.5

20.0

20.5

21.0

21.5

22.0

22.5

23.0

23.5

24.0

24.5

25.0

25.5

26.0

26.5

27.0

27.5

28.0

28.5

29.0

29.5

30.0

30.5

31.0

31.5

32.0

32.5

33.0

33.5

34.0

34.5

35.0

35.5

36.0

36.5

37.0

相関係数

道路距離標(KP)

E工区 区間2

集計区分1

集計区分2

集計区分3

弱い負の相関

負の相関

B工区

区間1 区間2 区間1 区間1 区間2

0.05 0.30 0.02 0.17 0.48

0.13 0.09 0.50 0.48 0.57

0.12 0.28 0.31 0.35 0.60

※ 降雪量集計区分については、表-2を参照

相関係数は表-3を参照

夜 間 終 日

A工区 E工区降雪量集計区分

1

2

3

除雪可能時間帯

Page 8: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

あることがわ

なお、次項

新機能の開発

の多くの工区

られ、より長

区分3を適用

5.2 除雪機械

5.2.1 除雪機

前項「4.2

行った除雪作

下、可視化機

可視化機能

主にプルダウ

フ表示設定に

転回点等を表

様とした。こ

イトを作成し

者)を対象と

web によるア

管理者 16 人

きた。主なア

①表示や操

・「グラフが

・「全選択、

・「グラフ表

②可視化機

・「リアル

立つ」(道

・「他工区

指示に十

これらの得

ログラムを作

機能の背景に

で解説した降

表示する機能

可視化機能

に示す。これ

わかった(表-4

項で説明する除

発における降

区で「弱い正の

長い時間幅で降

用することとし

械マネジメン

機械稼働状況可

除雪機械稼働

作業可視化分析

機能)の検討を

能の操作・設定

ウンにより選択

に関しては、除

表す直線の線色

これらの仕様を

し、システムユ

として「操作性

アンケート調

人、除雪業者 1

アンケート意見

操作に関する改

が小さい」(道

、解除ボタンが

表示が見づらい

機能の有効性に

ルタイムに表示

道路管理者)

区との兼ね合い

十分活用できる

得られた意見を

作成した。また

に除雪工区上の

降雪量データ)

能を追加した。

能を用いて作成

れは図-5のD工

4)。

除雪機械マネジ

雪量データに

の相関」及び

降雪量を評価で

した。

トシステム機能

可視化機能の開

働情報の可視化

析を容易に行え

を行った。

定は、誰でも容

択可能となる仕

除雪機械の動態

色、線種を任意

を基に可視化基

ユーザー(道路

性」や「見やす

調査を行った。

16 人から回答

見は次のとおり

改善意見

道路管理者)

がほしい」(道

い」(除雪業者

に関する意見

示できれば、豪

いや作業遅延に

る」(除雪業者)

を反映し、可視

た、平成 27 年

の 1km メッシ

の 1 時間当

成した除雪作業

工区の一例であ

ジメントシステ

については、表

「正の相関」が

できる降雪量集

能の開発

開発

化による分析」

えるシステム

容易に行えるよ

仕様とした。グ

態を表す折れ線

意に設定できる

基本機能のデモ

路管理者、除雪

すさ」等につい

その結果、道

答を得ることが

りである。

道路管理者)

者)

豪雪時の対応に

による応援体制

視化機能の基本

年度には、可視

シュ(前項 5.

当たりの降雪量

業グラフを図

ある。

8

テム

表-4

が得

集計

(以

よう、

グラ

線や

る仕

モサ

雪業

いて

道路

がで

に役

制の

本プ

視化

.1.1

量を

図-10

可視

(1)

ンユ

報を

・グ

・グ

・除

・橋

(2)

位置

た折

イム

表示

図-10 除雪作

視化機能の概要

設定登録機能

設定登録機能は

ユーザー毎に登

を示す。

グラフに表示す

グラフに表示す

除雪機械が転回

橋梁やトンネル

グラフ表示機

グラフ表示機能

置情報データを

折れ線グラフで

ム表示、過去の

示機能を示す。

作業グラフ(上

要について説明

は、グラフに表

登録する機能で

する路線、範囲

する除雪機械の

回する地点(K

ル等の地点(K

機能

能は、設定登録

を、道路距離票

で表示する機能

の任意の期間の

上図)と凡例

明する。

表示する設定情

である。設定可

囲(KP)

の選択、線色及

KP)

KP)

録した複数台の

票と除雪作業時

能である。また

の表示が可能で

(下図)

情報をログイ

可能な主要情

及び線種

の除雪機械の

時刻を軸とし

た、リアルタ

である。主な

Page 9: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究

9

・リアルタイム表示では閲覧時点を基点とした過去 24

時間の状況が表示され、グラフはリアルタイム(10 分

毎)に更新される。

・過去の任意の期間の表示が可能である。

・ユーザーが設定した道路距離票の範囲に応じて、その

範囲に含まれる除雪工区境、除雪 ST の位置を自動で

直線表示する。

・カーソルを折れ線グラフに合わせると、作業時刻、作

業地点(KP)、速度をポップアップで表示する。

・凡例はグラフの横に表示する。表示内容は、ユーザー

が設定した表示範囲に含まれる除雪工区情報(図-10

の a)、除雪車情報(図-10 の b)、及び降雪情報(図-

10のc)である。

(3) 降雪情報提供機能

降雪情報提供機能は、除雪機械の作業状況と除雪工区

上の降雪状況を同時に把握するために作成したものであ

る。

降雪量階級の表示方法は、1km・1 時間毎の降雪量を

6 階級に区分し、除雪作業グラフの背景に表示する。な

お、閲覧時点までの実績、閲覧時点から 6 時間先の予

測降雪量が表示可能である。

降雪量階級を表-5に、配色パターンを図-11に示す。

表-5 降雪量階級区分

階級 1 km・1時間当たりの降雪量(mm/h)

0 0

1 0.1以上 ~ 10未満

2 10以上 ~ 20未満

3 20以上 ~ 30未満

4 30以上 ~ 40未満

5 40以上

図-11 降雪メッシュ表示配色パターン

5.2.2 除雪機械稼働状況可視化機能の試行

平成27 年度、可視化機能の利用の手引き詳細版(図-

12)及び簡易版を作成し、可視化機能を開発局へ提供

した。

図-12 除雪機械稼働状況可視化機能利用の手引き

5.2.3 除雪出動判断支援機能の開発

これまでの除雪作業の可視化分析から、通常降雪時

(道路管理者が定める出動基準:降雪量10cm程度の降

雪時)における除雪ルート及び除雪作業所要時間は、ほ

ぼ近似していることが判明している。そこで、降雪量に

応じた最適な出動タイミングの判断を支援するため、そ

れぞれの除雪工区の通常降雪時における代表的な除雪ル

ート及び除雪作業所要時間を算出し、その情報を除雪作

業グラフで表示する機能(以下、除雪出動判断支援機能)

を開発した。以下に代表的な除雪ルートの選定方法、除

雪作業所要時間の算出基礎となる除雪作業速度の算定方

法、除雪出動判断支援機能の概要について説明する。

(1) 代表的な除雪ルートの選定方法

降雪量に応じた出動タイミングの判断を支援するため

には、通常降雪時において指標となる除雪ルートをユー

ザーに示す必要がある。そこで、過去の通常降雪時にお

いて実施された、全ての除雪ルートに最も近似している

代表的な除雪ルートを選定することとした。

代表的な除雪ルートを選定するためには、始めに、そ

の除雪作業がどのような降雪で行われた作業だったのか

を判別する必要がある。そこで、前述 5.1 の分析結果を

反映し、「直近の除雪作業終了時から当該除雪作業終了

時まで(表-2 の降雪量集計区分 3)」の累計降雪量を用

いて、過去 5 カ年分の除雪作業を、降雪量階級毎(8cm

以上~12cm 未満(通常降雪時)、13cm 以上~20cm 未満、

20cm 以上~30cm 未満、30cm 以上~40cm 未満、40cm 以

上)に区分し、8cm以上~12cm未満を通常降雪時の除雪

作業として抽出した。

上記の手順により抽出した通常降雪時の除雪ルートの

中から、代表的な除雪ルートを選定する方法として、除

雪機械の時間経過に伴う移動を動的タイムワーピング

(以下、DTW : Dynamic Time Warping)距離を用いた

評価を行った。DTW 距離とは、時間軸上のずれを許容

し、長さの異なるデータ間に与える距離のことである 5)。

Page 10: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

10

降雪量階級判別、除雪ルートの単純化処理、DTW 距

離を用いた評価について説明する。

① 降雪量階級判別

除雪ルートを前述の降雪量階級毎に区分し、通常降雪

時の除雪ルートを抽出する。

②除雪ルートの単純化処理

DTW 距離を用いた評価では、計算コストの削減が重

要である5)。

除雪機械は出動してから帰着するまでの作業中、停車

や折り返しなどの作業速度の変化があり、時間経過に伴

う移動間隔が一定ではない。代表的な除雪ルートを選定

するうえで、除雪ルート上の折り返し地点を考慮する必

要はあるが、出動毎に異なる停車時間や作業速度要素は

除雪ルートには反映されないため不要である。停車時間

や作業速度要素を排除するため、データの間引き、また

は補間処理を行うこととした。これにより、一定間隔で

変化する系列を作成することが可能となる。

データの間引き及び補間処理は、除雪機械の位置情報

データ(道路距離標(KP))を任意の距離間隔で丸め、

データ(道路距離標(KP))が連続して出現する場合は

データの間引きを行い、欠落する場合はデータの補間を

行うことで、除雪ルートを単純化処理する。単純化処理

のイメージを図-13に示す。

図-13 除雪ルートの単純化処理イメージ

③DTW距離を用いた評価

除雪出動毎の除雪ルートを前述の手順で単純化処理し

た後、対象とする除雪ルートの折り返し地点相互間の

DTW距離を計算し評価する。

ここでは、除雪ルートA、B、C のDTW 距離を用い

た評価例について説明する。

単純化処理後の除雪ルート A、B、C の相互の折り返

し地点間のDTW 距離を総当たりで求め、DTW 距離の

合計が最小値となった除雪ルートが、比較した除雪ルー

トの中の代表的な除雪ルートである。各除雪ルートの

DTW 距離算出式を表-6 に、代表例として単純化ルート

AのDTW距離の算出イメージを図-14に、評価結果を

表-7に示す。

表-6各除雪ルートのDTW距離算出式

除雪ルート 算 出 式

A (単純化ルート A と B のDTW 距離)

+(単純化ルート A と C の DTW 距

離」

B (単純化ルート B と A のDTW 距離)

+(単純化ルート B と C の DTW 距

離)

C (単純化ルート C と A のDTW 距離)

+(単純化ルート C と B の DTW 距

離)

図-14 各除雪ルートのDTW距離の算出イメージ

点c1

点c2

点c3

点c7

点c4

点b1

点b2点b4

点b5

点a2

点a3

点a4

点a5

点a1

点b3 点c5

点c6

点c1

点c2

点c3

点c7

点c4

点b1

点b2点b4

点b5

点a2

点a3

点a4

点a5

点a1

点b3 点c5

点c6

点c1

点c2

点c3

点c7

点c4

点b1

点b2点b4

点b5

点a2

点a3

点a4

点a5

点a1

点b3 点c5

点c6

・点a3から距離が最短の点は、点c3である。

(このように、各点相互の距離を

総当たりで計算する)

※実線は除雪車の移動ポイントを表す

・単純化ルートAの各点と単純化ルート

Bの各点の最短距離を青線で示す。

・単純化ルートAの各点と単純化ルート

Cの各点の最短距離を赤線で示す。

・単純化ルートAの点a3から単純化ルートCの点c1~c7までの距離を

それぞれ計算する。

単純化ルートC(緑)

単純化ルートB(橙)

時 間 経 過

出動地点帰着地点

・単純化したルートA、B、Cをグラフにプロットする

点c1

点c2

点c3

点c7

点c4

点b1

点b2点b4

点b5

点a2

点a3

点a4

点a5

点a1

点b3 点c5

点c6

単純化ルートA(青)

時 間 時 間

道路距離標(K

P)

除雪機械の動き

単純化

停車中

Page 11: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

表-7 より、

トA が代表的

(2) 除雪作業

算定方法

前述で選定

程において、

素を付加する

ら、除雪工区

帯別(昼間、

算定した速

トに与えるこ

トとなる。

(3) 除雪出動

除雪出動判

1) 設定登録機

設定登録機

グインユーザ

要情報を示す

・グラフに

・グラフに

・除雪機械

2) グラフ表示

グラフ表示

通常降雪時の

と経過時間を

点b1 点b2 点

点a1 2.0 8.1

点a2 7.6 1.0

点a3 9.2 5.1

点a4 14.8 11.0

点a5 19.0 18.4 1

点a1 点a2 点

点b1 2.0 7.6

点b2 8.1 1.0

点b3 8.9 4.2

点b4 17.1 11.1

点b5 23.0 19.3 1

点a1 点a2 点

点c1 1.0 8.1 1

点c2 7.2 1.4

点c3 9.8 5.0

点c4 14.9 9.2

点c5 16.5 11.4

点c6 18.7 13.2

点c7 20.0 16.6 1

※ 図-14の1マス

※ 赤枠内の距離

※ 青枠内の評価

単純化ルートC

単純

単純化ルートB

単純

単純化ルートA

単純

表-7 DTW距離

DTW 距離の

的な除雪ルー

業所要時間の算

定した代表的な

速度要素を排

るため、過去

区別、除雪機械

夜間、深夜)

速度要素を前述

ことで、速度要

動判断支援機能

判断支援機能の

機能

機能は、グラフ

ザー毎に登録す

す。

に表示する路線

に表示する除雪

械が転回する地

示機能

示機能は、設定

の代表的な除雪

を軸としたグラ

点b3 点b4 点b5赤枠の計

8.9 17.1 23.0

4.2 11.1 19.3

2.2 7.0 15.2 1

7.6 1.4 10.6 1

13.6 7.8 2.0 2

点a3 点a4 点a5赤枠の計

9.2 14.8 19.0

5.1 11.0 18.4

2.2 7.6 13.6

7.0 1.4 7.8 1

15.2 10.6 2.0 2

点a3 点a4 点a5赤枠の計

10.0 15.7 20.0

5.0 11.1 18.0

2.0 6.7 12.7

5.1 2.2 8.6 1

7.3 3.2 6.4 1

9.1 3.6 5.8 1

12.5 8.6 1.0 1

スを1.0として、各点

離が、各点相互間の

価値が、各点相互間

14.4

純化ルートA

8.6

純化ルートA

8.6

純化ルートB

離を用いた評価

の合計が最も小

トである。

算出基礎となる

な除雪ルートは

排除している。

5 カ年分の除

械別、道路距離

に速度を算定

述で選定した代

要素を含んだ代

能の概要

の概要について

フに表示する際

する機能である

線、範囲(KP)

雪機械の選択、

地点(KP)

定登録した複数

雪ルートを、

ラフに、折れ線

点c1 点c2 点c3 点c4 点

1.0 7.2 9.8 14.9 16

8.1 1.4 5.0 9.2 11

0.0 5.0 2.0 5.1 7

5.7 11.1 6.7 2.2 3

0.0 18.0 12.7 8.6 6

点c1 点c2 点c3 点c4 点

1.0 6.3 8.1 13.0 14

7.6 1.0 5.8 10.2 12

8.1 4.5 1.0 6.1 8

6.2 12.0 7.3 2.2 2

2.0 19.9 14.6 10.3 8

点b1 点b2 点b3 点b4 点

1.0 7.6 8.1 16.2 22

6.3 1.0 4.5 12.0 19

8.1 5.8 1.0 7.3 14

3.0 10.2 6.1 2.2 10

4.6 12.4 8.0 2.0 8

6.8 14.1 10.1 2.2 7

8.0 17.5 12.7 7.2 3

点相互の距離を計算

の最短距離

間の最短距離(赤枠

単純化ルー

単純化ルー

単純化ルー

16.3 IC

価結果

小さい単純化ル

る除雪作業速度

は、単純化処理

そこで、速度

除雪作業データ

離標別、作業時

定した。

代表的な除雪ル

代表的な除雪ル

て説明する。

際の設定情報を

る。設定可能な

線色及び線種

数台の除雪機械

道路距離標(K

線で表示する機

c5 点c6 点c7赤枠の計

6.5 18.7 20.0

1.4 13.2 16.6

7.3 9.1 12.5

3.2 3.6 8.6

6.4 5.8 1.0

c5 点c6 点c7赤枠の計

4.6 16.8 18.0

2.4 14.1 17.5

8.0 10.1 12.7

2.0 2.2 7.2

8.1 7.1 3.0

b5 - -赤枠の計

2.0 - -

9.9 - -

4.6 - -

0.3 - -

8.1 - -

7.1 - -

3.0 - -

枠)の合計値

ートB評

12.4 2

ートC評

8.0 1

ートC評

7.6 1

Tを活用した

11

ルー

度の

理過

度要

タか

時間

ルー

ルー

をロ

な主

械の

KP)

機能

であ

除雪

図-

間で

出動

報に

降雪

され

える

じた

が可

5.2.

雪工

る。

との

を支

シフ

い。

価値

26.8

価値

6.6

価値

6.2

効率的、効果

ある。主な表示

・設定した道路

工区境を表示

・カーソルを折

作業地点(K

図-5 に示した

雪ルートを図-1

-15 D工区の通

図-15 に示した

であり、目標と

動すれば対処可

により、通常降

雪や局地的な降

れる場合は、6

る。

この機能の活用

た出動判断や、

可能となる。

.4 除雪機械運

大雪時等におい

工区間で除雪作

この様な状況が

の担当工区(区

支援する「工区

フトを実施した

このことから、

的な除雪マネ

示機能を示す。

路距離票(KP)

示する。

折れ線グラフに

KP)、速度をポ

D 工区の通常

15に示す。

通常降雪時にお

たグラフから、

とする除雪作業

可能であること

降雪時(8cm 以

降雪など通常降

時間以上前に

用により、熟練

降雪状況に応

運用支援機能の

いては、降雪状

作業の進捗に差

が想定される場

区間)境を変更

区シフト」が有

た場合の効果は

隣接工区の除

ネジメント技術

)の範囲内に含

に合わせると、

ポップアップで

常降雪時におけ

おける代表的な

除雪作業所要

業終了時刻の

とがわかる。ま

以上~12cm 未

降雪時と異なる

に出動する必要

練者でなくても

応じた除雪体制

の開発

状況等の違いで

差が生じてしま

場合は、隣接工

更し、遅延工区

有効である。し

は定量的に把握

除雪作業の支援

術に関する研究

含まれる除雪

作業時刻、

で表示する。

ける代表的な

な除雪ルート

要時間が 6 時

6 時間前に

また、気象情

未満)以上の

る状況が予想

要があるとい

も降雪量に応

制の検討など

で隣接する除

まう場合があ

工区(区間)

区の除雪作業

しかし、工区

握されていな

援を行った場

Page 12: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

合の除雪作業

ーション機能

る。

(1) 設定登録

設定登録機

ンユーザー毎

報は5.2.3の

(2)グラフ表示

グラフ表示

区の除雪機械

である。グラ

区境を指定す

トを算出し表

主な表示機

である。また

れた累計降雪

いる。

図-17 工区

業所要時間を予

能)を開発した

録機能

機能は、グラフ

毎に登録する機

の除雪出動判断

示機能

示機能は、設定

械の稼働情報を

ラフ上又は入力

することによっ

表示する。

機能は 5.2.3 の

た、ルートの予

雪量区分毎の代

図-16 工区シ

シフトを実施

予測する機能

た。機能の概要

フに表示する設

機能である。設

断支援機能と同

定登録した除雪

を折れ線グラフ

力ボックスで工

って、工区シフ

の除雪出動判断

予測には同機能

代表的な除雪ル

フト実施イメー

した場合のシ

(以下、シミュ

要について説明

設定情報をログ

設定可能な主要

同様である。

雪機械及び隣接

フで表示する機

工区シフト後の

フト後の予測ル

断支援機能と同

能によって算出

ルートを活用し

ージ

ミュレーショ

12

ュレ

明す

グイ

要情

接工

機能

の工

ルー

同様

出さ

して

6.

業効

理者

して

下、

作業

援」

7.

化し

であ

要時

降雪

情報

する

工区

機械

ント

参考

1) 国

7

h

2) 国

d

除雪機械の位

効率化マネジメ

平成 23 年度か

者等が除雪作業

て、「除雪機械

技術資料)を

技術資料では、

業の出動判断支

についてまと

図-18 除雪機

まとめ

除雪機械稼働情

した除雪作業グ

あることを示し

時間の相関を分

雪量の集計方法

除雪機械マネジ

報の可視化機能

さらに、降雪量

る除雪出動判断

区を支援した場

械運用支援機能

これらの成果を

ト技術資料」を

考文献

国土交通省:国

7 月、http://ww

html

国土交通省北海道

成27年11月9

doro/jyosetsu/pd

位置・作業情報

メント技術の運

から取り組んで

業を効率的に実

作業効率化マネ

を作成した(図

「除雪作業の

支援」、「大雪時

とめた。

械作業効率化

情報を作業時刻

グラフが、除雪

した。除雪工区

分析し、除雪出

法を示した。

ジメント機能の

能を開発した。

量に応じた出動

断支援機能、大

場合の除雪作業

能を開発した。

を基に、「除雪

を作成した。

土交通省防災業

ww.mlit.go.jp/sa

道開発局:今冬

日)、http://ww

df/jyosetsutaise

報を活用した、

運用方法の提案

できた成果を基

実施するための

マネジメント技

図-18)。

の分析・評価方

時における除雪

化マネジメント

刻と道路距離標

雪作業の分析

区上の降雪量と

出動判断支援に

の開発では、除

動タイミングの

大雪時等に除雪

業所要時間を予

雪機械作業効率

業務計画、P283

aigai/bousaigyo

冬の除雪体制等に

ww.hkd.mlit.go.

ei.pdf

除雪機械作

基に、道路管

の技術資料と

技術資料」(以

方法」、「除雪

雪機械運用支

技術資料

標を軸に可視

・評価に有効

と除雪作業所

に適用すべき

除雪機械稼働

の判断を支援

雪機械が隣接

予測する除雪

率化マネジメ

3、平成 27 年

oumukeikaku.

について(平

.jp/zigyoka/z_

Page 13: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術に関する研究

13

3) 岸寛人、牧野正敏、佐々木憲弘:GPS を活用した除雪機械

運用支援システムの開発、平成22年度建設施工と建設機械

シンポジウム、平成22年11月

4) 切石亮、徳永ロベルト、高橋尚人:冬期道路マネジメント

システムの試行運用について、平成25年度北海道開発技術

研究発表会、平成26年2月

5) 吉川昴伯、石川昌弘、陳漢雄、古瀬一隆、大保信夫:長大

な時系列データの類似検索の研究、電子情報通信学会 第

18回データ工学ワークショップ、平成19年2月

6) 一般社団法人日本建設機械施工協会北海道支部ホームペー

ジ(http://www.jcmahs.jp/html/17_questionnaire.html):除

雪機械施工に関するアンケート調査結果

Page 14: 16.3 ICTを活用した効率的、効果的な除雪マネジメント技術 …キーワード:除雪機械、マネジメントシステム、gps 、運用支援、除雪計画、ict

- 14 -

STUDY ON TECHNOLOGY FOR EFFICIENT AND EFFECTIVE SNOW REMOVAL MANAGEMENT UTILIZING ICT

Budged:

Research Period:

Research Team:

Author:

Grants for operating expenses

General account FY2011-2015

Director for Cold-Region Technology Development

Coordination(Machinery Technology Research Team)

OTSUKI Toshiyuki

TAKAMOTO Satoshi

KOMIYAMA Kazushige

SATO Shingo

Abstract :In cold, snowy regions, snowfall and snow cover greatly affect road traffic. Removing snow from roads is

essential for securing smooth road traffic. To effectively conduct snow removal, it is necessary to formulate snow

removal plans based on the analysis of past operations, to select the optimum timing for starting operations under

each snowfall condition, and to use snow removal machines effectively.

In this study, the use of a snow removal operation graph that visualizes information on snow removal by using the

time of the day for operation and road distance marks as its axes, was shown to be useful in the analysis and

assessment of snow removal. We analyzed the correlation between the snowfall intensity on the road section

targeted for snow removal and the time required for such removal, and we proposed a method for aggregating

snowfall intensity that should be applied in decision-making on the start of snow removal deployment.

Furthermore, we developed the following techniques: one for visualizing information on the operation of snow

removal machines; one for supporting decision-making on snow removal deployment that suits the intensity of

snowfall; and one for supporting snow removal machine operation, which predicts the hours of snow removal

required for a unit when it assists snow removal on the neighboring road section. Based on the above development

results, we created material on management technologies for effective use of snow removal machinery.

Key words : snow removal machinery, management system, GPS, operational support, snow removal planning,

ICT