平成17年度 事業計画及び予算(案) - canpan...

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平成17年度 事業計画及び予算(案)

部署目標項目別実績・評価

特別養護老人ホーム(生活相談員)

1.福祉専門職の原点に立ち、「思いやり」の心でサービスが自然とおこなえる人材を育成する。

(施設のサービスマナー向上を図るため、サービスマナー指針にそった行動を日常的・継続的に実践できるよう、組織風土づくりに取り組む事を目標とした。

平成27年度、施設長が選任した特養・ショート介護リーダー5名が、「サービスマナー実践チェックシート」に基づき、指針に沿った行動・サービスに取り組み、評価を実施した。試行期間を経て、平成28年度施設目標として意識を高め、現場のサービスマナー向上への取り組みを継続した。

≪平成28年度の取り組み≫

♯1鳳仙寮のサービスマナー指針の見直し

 「サービスマナー実践チェックシート」の評価項目の検討と改訂を行った。

♯2鳳仙寮のサービスマナー指針、取り組みへの理解。組織的に情報の周知を図るため職員へ説明。

※5/27(金)と6/7(火)に説明会を企画し、介護職員への理解を深めた。

♯3「サービスマナー実践チェックシート」に基づき、指針に沿った行動・サービスに取り組み、職員個々の課題への取り組み

6月:「サービスマナー実践チェックシート」に基づき、自己評価を実施した。

9月:5名1組のグループにおいて、他者評価を実施した。

現場主任との連携のもと、業務を通しての教育・指導がおこなえるよう改善が必要。

♯4平成28年10月6日 外部講師による「介護職の利用者に対するマナー」研修を開催した。

(全介護職員対象)福祉専門職としてサービスマナーの実践は、専門的課題であることを学んだ。

2.生活の満足感・安心感のある、心身が自立した生活を支援する。

・カンファレンス家族参加7名・本人参加3名。

カンファレンス年間計画に基づき、第2(2階)・第4(3階)土曜日、合計52回開催。

その他、退院カンファレンス3件・新規入所後ミニカンファレンス4件

参加ご家族からは、「本人が意思表示できない。いつもにこやかな表情なので、本人の状況に合わせた支援をしてくれているのがよくわかり、安心しています。」等のお言葉を頂く。

・その他、面会時ご家族・ご本人より馴染みの呼び方をしてほしいと希望があり、サービス計画書・ケアプラン申し合わせに反映した。

・退院時・状態変化時にカンファレンスで使用しているアセスメント表とは別に、フェイスシート・アセスメントシートを新たに作成。相談員で立ち上げ保険者・肖像権・看取り等の内容を追加して作成した。今まで入所後、フェースシートは更新される事はなかった。ご本人の他、主介護者である家族の状況も変化するので今後、変更に活用していく。

3.地域との交流を積極的におこない、閉塞的なコミュニティーにならないよう取組む。

・西府文化センター祭り、夏祭り、移動動物園、福祉まつり、餅つき等では、地域の方、ボランティアさんと利用者の交流が図れた。

・11月の作品展では初めてボランティアさんの作品も募集して掲示した。利用者・面会者・ボランティアさんに好評であった。

4.「介護口腔ケア」の取り組みから、利用者の健康や経口摂取の維持・向上を図る。

訪問歯科来寮時、嚥下機能の低下・義歯の作製、食事形態等課題のある利用者について積極的に情報交換を行う。また歯科衛生士等専門職の評価実施について相談を行う。

・歯の脱離・義歯の破損・口腔内のトラブル時は、速やかに医務室より訪問歯科に情報提供を行い、治療を行った。

・咀嚼・嚥下力の低下した利用者へ、適した形態で食事が提供できるよう、管理栄養士、訪問歯科と連携し必要な口腔ケアを実施できるよう取り組んだ。

・嚥下評価実施(平成28年4月22日・7月7日・3月23日)嚥下機能の低下した利用者に対して、歯科衛生士による嚥下評価を3名実施した。改善策として口腔体操のアドバイスあり、申し合わせ事項とし日々実践に努めている。

・平成28年10月24日(月)、訪問歯科を担当している事業所の歯科衛生士を講師に【口腔ケア】勉強会を開催。口腔ケアの重要性、誤嚥性肺炎の予防、ブラッシングの仕方、義歯の手入れ方法について学んだ。

5.床ずれを悪化させない、作らない

栄養状態の改善を図る為、食事摂取量が低下している場合は、多職種で検討して高カロリーの食品の導入を行う。ご家族にも利用者の嗜好品について持参のご協力を依頼する。

・床ずれ委員会・多職種で連携して、皮膚状態のアセスメントを実施、食事量が低下した利用者には回診時、高カロリー飲料の処方、家族に好きな食べ物、飲み物の持参を依頼。ベッド環境(エアーマット・補助枕の使用)・体位交換・離床時間について検討・対応を図った。

・皮膚の細やかな観察、処置、経過観察を行い今年度末は、床ずれ発症者はいなかった。

6.鳳仙寮で安らかな最期を迎えられるように支援する。

・夏季には、看取り対象者等体力の低下しているご利用者の居室に、体温調節の負担を緩和するため、日よけ目的の“すだれ”を設置した。

・看取り委員会と連携をして、看取り時にご家族向けの面会・宿泊のパンフレットの作成、看取り同意書の変更、看取り指針の文書の一部改訂を行った。またご家族仮眠用ベッドソファーを2台購入した。

・看取り対象の利用者が深夜に亡くなった際は、家族の負担を考慮して翌朝見送る流れも試みた。また、見送り前に簡易祭壇を設置、その人らしい見送りとなるよう、ご本人の嗜好品を供え、音楽を流す等工夫した。同フロア利用者と関係職員にて玄関先に参列し、最後のお別れを惜しんだ。

・管理医含め、多職種でムンテラに参加。(看取りムンテラ14件実施)利用者や家族と日頃のコミュニケーションの充実に取り組んだ。利用者8名(過去最高)の看取りケアを実施した。(H27年度実績7名)

・転倒後、骨折・痛みが改善しないまま看取りケアに至ったケースあり。次年度は、重大事故について、経過を早期に見極め、ケアの方向性について慎重に情報共有を行い、速やかな対応を図っていく。

7.介護知識・技術を的確に実践できるよう取り組む

個々の身体状況に応じて、福祉用具の活用ができるように、福祉用具専門員・多職種で福祉用具導入の検討や勉強会を行う。

⇒10月26日(水)福祉用具業者来寮。入浴ストレッチャーで使用する全介助者対応スライディングシートを体験した。11月21日デモにて初めて介護リフトの体験とスライディングシートを活用。その後、11月30日介護体験会でも福祉用具担当職員より、商品の説明があり、参加者に体験して頂く。地域介護体験後、参加したご家族より、担当ケアマネに福祉用具導入について相談があり、情報キャッチの一助となった。

特養に関しては、次年度特浴ストレッチャーで使用する全介助者対応スライディングシート購入の計画を立案した。

家族懇談会

日時平成28年9月4日(日)5階地域交流スペースにて実施した。

(特養家族10組:計16名出席)

①28年度事業計画の説明

②9月1日東京都と保険者(府中市)における実地指導検査受審報告、特養における機能訓練指導員の役割、水道直結式沸騰型加湿器設置について説明を行った。

③利用者の安全確保と向上。インフルエンザキットの使用・事故防止の取り組み(虐待防止)の説明。

④ご利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握する方法について。

⑤ボランテイアや実習生受け入れに対するご理解・ご協力のお願い(プライバシーの尊重と個人情報保護を踏まえた上での説明を行う)

⑥今後のスケジュールについて

⑦個別書類(救急医療情報・事前意向書)の説明について

利用者懇談会

日時:平成28年8月31日(水) 13:30~14:30 会場:5階 地域交流スペースにて実施

対象利用者:特養24名、ショート5名

懇談会を通して利用者と職員が信頼関係を築き、吸い上げた情報をもとに利用者の日常生活におけるサービスやメンタルサポートに活かした。また生活する上での希望、楽しみなど聞くことで利用者の生きがいにつながるように努めている。

「もっと話したいけど、忙しそう…等職員と日々の関わりを望んでいるご利用者ニーズが確認できた。意思表示ができない、伝えられない利用者も同様に思っていると考える。ご利用者への日々の声掛け、挨拶、また関わりを大切にしていく。

入所判定会議

開催5回において13名の入所支援を実施した。

入所判定の可否:3月31日現在2名(女性2名)の入所可能な待機者を確保している。入所判定会議は、施設長・事務長・サービス課長・統括主任・介護職員・生活相談員・看護師・管理栄養士に加え、外部の代表者として第3者委員が参加する。事前面接を行った複数名の待機候補者の中から、特養入所に適しているか、判定会議にて情報交換を実施。入所可の承認を受けた後、入所支援に向けた調整を行った。

待機者の面接時、事前に特養の機能、生活、料金について説明をおこない、入所の意向を確認して実施している。今後も入所者の健康状態、看取りの状況を踏まえながら慎重に判定会議を行う。

待機者現況調査の実施

平成28年8月・平成29年1月東京都社会福祉協議会。また平成28年4・7・10月府中市より待機者の介護度、待機場所、申込者の状況調査の依頼あり、情報提供を行った。

鳳仙寮待機者(平成28年3月31日現在)

府中市内 男性: 60名 女性: 84名 計144名

府中市外 男性5名 女性:4名 計9名

待機合計153名 (昨年の待機者115名)

平成27年4月より介護保険改正にて特養への入所の申込、入所は要介護度3以上に限定され、鳳仙寮だけでなく、他の施設も同様で待機者数が減少しているとの情報あり。(生活相談員ブロック会より)

その中で、施設で受け入れられる(病状の安定・医療ニーズがない)待機者の調査を定期的に行なった。

稼働率

目標稼働率97%に対して平成28年度実績96.9%となり、目標稼働率をわずかに下回った。

【前期】4~7月 退所者:8名。入院者:4月4名・5月3名・6月6名・7月5名。

長期間の入院の要因は、誤嚥性肺炎が2ヶ月以上。また、統合失調症で4ヶ月以上のケースが発生した。

本ケースでは、主介護者が認知症で成年後見人を立てていた。入院による治療の必要性が高い利用者であったが、成年後見人との見解が一致せず、話し合いを長期間に渡り、複数回重ねた。退所後は病院での医学的管理のもと落ち着いて過ごされており、その人にとって快適に過ごせる環境とはどこかを考えさせられた。

【後期】2月退所者:5名。10月優先待機者が他施設に入所となり、急遽判定会議開催。空床期間が28日となった。

地区介護相談員との連携

平成21年度より、府中市の事業として、毎月地区介護相談員の派遣がある。4月より新任の地区介護相談員1名の交代があった。

地区介護相談員として利用者の意見を聞き取り、活動時に吸い上げた情報は、終了後に特養相談員と面談方式で情報交換する流れとしている。各回で課題としてあがった内容については、介護現場にも活動記録のコピーと伴にフィードバックし情報共有が定着している。

継続的に「地区介護相談員」とタイムリーな情報交換を行うことで、利用者へのケアの改善につながることも多くなった。各フロアの職員の名前も分かる関係となり、レクリエーションや声掛けを観察され、利用者の表情の変化や職員の取り組みに関しても細かく報告があった。

今後も「地区介護相談員」の活動が円滑に取り組めるよう、施設サービスの状況等必要な情報を丁寧に提供していく。

11月10日(木)府中市役所内で開催された、地区介護相談員との情報交換会である「第三者連絡会」へ、特養相談員が窓口担当者として出席。情報共有と活動報告を受け、オンブズマン的機能を有する本事業の目的と連携上の理解を深めた。毎月ポスターを掲示し活動をPRしているが利用者等の認識は薄い。地区介護相談員への理解を深めるため、活動目的やどんな方が来るか等活動日の朝に説明を行った。また、施設便り・ボランテイアニュース・鳳仙寮便り等に地区介護相談員のPR情報を掲載して、家族や地域の方に介護相談員の配置目的や役割を発信した。

平成28年度 第三者評価利用者調査結果への取り組み

①特養入所希望者が知りたい情報の充実・・・入所までの平均待機期間、1年間の退所者数が確認できるとよい⇒施設のホームページに、掲載に関して相談としていく。施設のお便り等には、退所者数を掲載した。

平成29年から府中市のホームページに、各施設の定員や待機者数が掲載されている。

救急医療情報に関して、利用者本人の意思確認について記載がない。

⇒救急医療情報・看取り同意書の最初に利用者名を記載するように書類を変更した。

②家族に対して直接入居者の様子を伝える機会を望んでいる。

⇒可能な限り家族のカンファレンスの参加、ムンテラ開催時職員参加の声掛けをしている。

(ムンテラ14件中7件介護職の参加あり)

衣類の補充・購入・行事参加等の日常生活上の用件においても、電話連絡の主体は生活相談員となっている。家族とスタッフのコミュニケーション充実を目的に、これまで以上に居室担当者と連携して協力を依頼していく。

平成28年度「虐待の目職員アンケート」報告

総評:全職員(事務所も含む)75名を対象とし、55名が回答。回答率は73%で、昨年より11%増加の回答率となった。

データがとりやすいよう、昨年と同様の項目で実施。高齢者権利擁護支援センターでは、在宅版施設版と区分してアンケートを作成しているが、鳳仙寮においては、施設サービス中心でおこなった。

総評として、利用者本位への意識が薄れ、自分本位のケアになっていることがアンケートの結果でわかった。

虐待が起こらぬよう「働く職場環境の健全化」「ストレスをためない~解消する」「チームで利用者を支える」「倫理などの虐待に関連する教育研修」等の理解を深め、次年度も取り組みを継続していく。

年間行事

行事名

内容

予算実績

4月

お花見

季節の情緒に触れて頂き、外出を楽しんでいただいた。

1日実施:フラワーガーデンアンジュ

4・5・7日:雨天の為ドライブ

利用者入場料個人負担

*職員入場料+駐車代3,700円

5月

バイキング

5月28日(土)5階地域交流スペースにて

【春のまんぷくブッフェ】

おかわりをして楽しんで頂いた。

メニュー全般好評だった。

食 費

散策

散策先で昼食を提供。外の空気にふれ気分転換をして頂いた。

5月25日:昭和記念公園

5月26日・6月4・5日:深大寺植物園

個人負担

7月

七夕

7月6日(水)1階駐車場にて開催。

軽食と花火を楽しみ季節感を味わって頂いた。

27,557円

食費+装飾

偲ぶ会

平成27年度鳳仙寮特養の在籍で亡くなった利用者(12名)を、入所者・職員にて偲んだ。

7月31日~8月2日(西府のお盆の時期に開催した。)

3,009円

西府文化センター祭り

見学

7月16日(土)地域との交流、季節を感じて頂く。特養利用者4名参加。

個人負担

8月

夏まつり

8月20日(土) 鳳仙寮南側駐車場において盛大におこなわれた。特養・ショート・デイ

サービスの合同行事。天候にも恵まれ、地域の方々、家族との交流が図れた。

毎年、多くのボランティアの協力があり地域交流が図られた。

282,494円

9 月

敬老会

9月4日(日)5階地域交流スペースにて

利用者の敬老を祝う。

特養利用者45名・ショート利用者20名参加。

東府中高校和太鼓の演奏による演目を楽しみご家族の来寮も多く賑やかに年祝いを行い、花束を贈呈した。

40,317円

10月

移動動物園

10月8日(土)鳳仙寮駐車場

動物たちにふれあって気分転換して頂いた。

102,600円

10月

府中福祉まつり

見学

10月15・16日(土)府中公園にて

雨天の為、外食で気分転換・食事を楽しまれる。

実 費

府中福祉まつり

出店

豚トロ出店

材料費

+5,000円

10月

お買い物会

10月29日(土)地域交流スペース

施設内でお買い物を楽しんで頂いた。

参加:特養31名・ショート2名・デイ16名

自己負担

11月

作品展

11月8日~11月15日

1階ロビーにて各フロアやクラブ活動で1年を通して作成した作品を展示する。来寮者・ご家族・ご利用者に観賞して頂いた。

ボランティア手作りの「水車」を2台展示。

3,600円

紅葉見学

職員の人員配置がとれず中止。秋らしい装飾をフロアにて行った。

バイキング

11月9日(水) 5階地域交流スペースにて「秋の味覚バイキング」を実施。

秋らしいメニューで皆さんおかわりをして、楽しんで食事をされていた。

食 費

12月

忘年会

12月17日(土)5階地域交流スペースにて(特養49名・ショート18名参加)

職員による演目・食事をして利用者・ご家族で楽しまれた。

85,666円

12月

もちつき

12月30日(金)1階にてお餅を試食。

付きたてのおもちなので、美味しいと好評で複数回おかわりをしているご利用者もいた。

5,000円

1月

新年会

1月15日(日)5階地域交流スペースにて新年を仲間で祝う・年女・年男・100歳以上の方のお祝い。

(特養50名・ショート19名参加)

職人さんに依頼し、目の前で寿司を握ってもらい食する。お寿司は毎年好評。多くのご家族にも参加頂けた。    

165,216円

2月

節分(豆まき)

2月5日(日)2・3階各フロアにて実施

職員扮する鬼をめがけ、1年の厄払いをおこなう。豆(卵ボーロ)をまく。

3,259円

毎月

フロア

レクリエーション

誕生月外出・バレンタイン・ひな祭り・デザートバイキング等実施した。

変わり湯の実施

5月:しょうぶ 6月:ばら 7月:森林 

8月:ヒノキ 9月:ラベンダー 

10月:みかん湯 11月:箱根湯 

12月:ゆず湯 1月:生姜湯 2月:みかん 3月レモン

特別養護老人ホーム・ショートステイ(介護職)

1.福祉専門職従事者としてのサービスマナーを再認識し、利用者個々が望むサービスを提供・実践する。

「サービスマナーシート」を使用し、自己評価・他者評価を職員間にて行なった。スタッフ間でお互いに評価し合うことで緊張感を持ち意識してマナー実践に活かすこととなった。不特定の他者から評価され、結果を確認することで自分自身のサービスマナーを省みる機会となった。

利用者への声かけの中で使われがちな「ちょっと待って」をフロアーミーティングで取り上げた。

発する側と言われる側の気持ちを職員間で考え、何故待ってもらうのかを伝えた方が利用者にとって理解や安心感に繋がる事を共通認識とした。

2.介護現場における「ヒヤリ・はっと」の意識を高め未然に防げる事故0を目指す。

毎「内出血斑形成」や「外傷」の事故は今年度も複数件発生した。しかし、「外傷事故」においては平成27年度と比較すると2階49件⇒40件、 3階66件⇒52件と減少している。ヒヤリ・ハットの吸い上げも活発に行われ2階261件⇒353件、3階268件⇒242件と多くの情報共有が行われた。細かな観察と気づきが上記の件数に反映された結果と言える。またフロアーミーティングでも外傷受傷の高リスク者をピックアップし、ケア方法の統一を確認し実践したことが事故減少につながったと思われる。

3.介護職員としての理念を念頭に置き、知識習得と技術向上の自己研鑚をした上で、「当たり前の支援」をチームケアとして実践する。

今年度もアクティブ福祉にて、スキルアップ委員会2チームの研究発表を行った。また、福祉用具に関してはスライディングボードや移乗リフト等デモ機を導入し試行、併せて職員に対しての説明会も行なった。

移乗介助研修に職員1名参加し、その後のフィードバック勉強会を開催し、チームで移乗介助の知識・技術を共有した。

4.利用者・家族・地域・施設が一体となり、利用者の希望を尊重した地域への参加・交流を支援する。

例年の施設行事「夏まつり」「移動動物園」「お買い物会」を開催し、多くの地域の方に参加頂けた。また、地域住民との交流をテーマに西府文化センター祭りにも外出・出店し4名の利用者が参加できた。

定例となっている近隣保育園児の訪問にも利用者自身が自ら話しかけ一緒に遊ぶなど、施設生活の一部であり、楽しみの一つとなっているため今後も継続して行なっていく。

5.利用者の生きてきた物語を大切にその人と向き合う。

毎月のフロアーミーティングにて個人々の生活環境の確認を行なった。ケア方法を本人の趣味嗜好を重視したものにすることで「利用者のために…」を強く意識して業務にあたっている。

6.多職種で連携を取り一人一人に合った、口腔ケアと嚥下機能を把握し、疾病等の予防、利用者の健康維持や生活の質の向上を目指す。

口腔ケア勉強会を10月24日に開催(講師:訪問診療歯科衛生士) 

特養・デイ介護職、看護師、相談室職員等18名参加。不参加者には後日資料配布と説明を行なった。

(合計47名)口腔ケアの目的と効果、定期的な健診や医療連携の必要性を学んだ。

 

月間口腔マネジメントに係る計画

4月

口腔ケアの目的と効果を学ぶ

5月

利用者様に合った歯ブラシの提供し、より良い口腔ケアに努める。

口腔ケア道具の正しい手入れ方法を学び、衛生管理に努める。

6月

認知症や障害の為うがいの出来ない方の安全な口腔ケアの方法を知る。

7月

毎日の入れ歯の手入れ方法を知る。

入れ歯を外した後の口腔ケアの方法を知る。

8月

口腔内の乾燥を防ぎ、感染予防につなげる。

9月

口腔ケアの必要性を知る。(口腔内の清潔を保つことで防衛機能を高め、健康を維持する。)口腔ケアをすることで誤嚥性肺炎を予防できることを知る。

10月

口腔ケア用品の適切な選択と使用法を熟知する。(歯磨き剤を選ぶポイントを知る)

利用者の口腔内の状況に合わせた口腔ケアを実施する。

11月

義歯の不備により起こるリスクを学ぶ。義歯の手入れ方法を学ぶ。

義歯と嚥下、誤嚥の関係性について学ぶ。

12月

人の「発声、発音」する仕組みについて学ぶ

「発声、発音」のリハビリ方法を学ぶ

1月

残存歯のプラークコントロールについて学ぶ

1)口腔内清掃方法を学び歯周病予防に努める。

2)ブラッシング方法を学び口腔内衛生の保持を行う。

2月

高齢者・要介護者の口腔の特徴を学ぶ

3月

経管栄養の方への口腔ケアの頻度と適切な方法を学び感染を予防する。

経口摂取継続と嚥下機能の向上と維持を目指す。

7.介護・看護ともに個々の利用者の皮膚状態を共有化し相互理解のもと床ずれ防止に取り組む。

床ずれ委員を中心にミーティングにて皮膚状態の共有と排泄時のポイントを検討し実践とした。また、床ずれ防止目的に分圧クッション等の福祉用具を購入した。排泄用具メーカーによるリーダー向けオムツ勉強会を開催した。

介護職は排泄介助時等に皮膚状態を観察し、発赤やいつもと違う皮膚状態であれば看護師への報告が徹底された。看護師確認のもと軟膏塗布や必要な処置を行なう等、早期の気づきで状態悪化を回避できる流れとなっている。

8.家族と過ごす残された時間をより充実したものとする為、環境面だけでなく生活背景や個人の思いを反映した空間と時間を提供していく。

家族が利用者と最期の時間を穏やかに過ごせるよう、フロアーからの意見等を看取り委員会で検討し、看取り時における宿泊関係のしおりを作成した。これにより家族の精神的負担緩和と夜間面会(宿泊)時の理解が深まり、家族と旅立ちの時を迎えられる利用者の充実した時間が増えることが予想される。

介護職員においても、多職種協働の一員としてムンテラに参加した。医師の説明や家族の希望を直接聞ける場に立ち会うことで、生活環境の整備やその人のケアのあり方を更に充実させる良き機会となっている。

平成27年度物故者のしのぶ会を7/31~8/2に実施。

祭壇を設置し、12名の在りし日のスライド投影を行った。参加した利用者や職員が記帳した。

9.自立支援のために、「出来る事」・「工夫すればできる事」を把握し、有する能力の維持・向上を目指す。キャリア段位制度:レベル認定の取得を目指す。

コミュニケーションロボット事業を通し、リーダー層から中堅職員を中心にICF評価法を学んだ。

ミーティングにてカンファレンス・モニタリング実施者の話し合いを行ないケアプラン反映に繋げた。

キャリア段位制度では、今年度初めてレベル認定者1名を輩出した(レベル3)

10.ショートを利用することでの「楽しみ」を持っていただく。

アセスメントシート変更を計画。「編み物」「散歩」を希望される利用者に対して、ショート利用中のケアプランに盛り込み提供した。在宅生活に準じ、本人の趣味や得意なことを中心に少しでも楽しく利用できるようプランに反映し実践した。

また、月1回の誕生日会では特養利用者同様に「お誕生日カード」を作成し、合同で誕生日のお祝いを行なった。

11.利用者・家族が安心・安全に利用し、快適に過ごせる雰囲気を作る。

 ショート利用者満足度調査結果をまとめ、「楽しみ」や「要望」を可能な限り反映とした。「デイサービスでの顔なじみの方との会話が楽しみ」⇒利用期間中、食堂座席を同テーブルとする。多床室利用の場合は相談員に伝え、なるべく同室での調整を図った。

全体的に「他者との交流や会話」に楽しみを抱いている利用者・家族が多くあった。ショート中の特養利用者との交流は双方にとって新鮮であり、「また会えたね」「外は寒いよ」等の活発な会話も聞かれている。

平成28年度 特養第三者評価・利用者満足度調査アンケート結果

 ○洋服に汚物が付いていることがある。

  いつも口の周りが汚れている。

 ⇒利用者の容姿や身だしなみに対して少数ではあるが意見が寄せられた。上記のような意見は大変貴重であるとともに恥ずべき内容とも言える。漠然と介助をしているだけの職員が存在していることと、それを発見し是正できないチーム力の弱さがあり、改善していく。

  設問の「職員は利用者ご本人の要望や悩みなどを親切に聞いてくれたり、ご家族の要望や不安などに適切に対応していますか」「利用者ご本人やご家族の要望・相談・苦情などを言いやすい雰囲気が施設にあると思いますか」に対して『どちらとも言えない』と回答している家族が10%以上あった。はっきりと声に出してはいないが、少なくとも気にはなっていると捉えるのが妥当である。コミュニケーション力を向上させていく必要がある。今後も「自分の家族が入所していたら」という視点でケアにあたることを意識する。

 昨年度意見のあったフロアーの臭気の問題は改善してはいるが、常に気を配り継続して取り組んで行く。

平成28年度 特養ショート 利用者懇談会より

平成28年8月31日(水)13:30~14:30 5階にて実施。

特養利用者24名 ショート5名

1、施設における人間関係

○話が合う人がいない、つまらない

  ⇒上記のような応答を出来る利用者は認知能力も比較的保たれており、自立度も高い利用者。近年の利用者重度化にともない、利用者同士のコミュニティーも少なくなってきている。よって自立度の高い利用者は居室にて一人で過ごす傾向が高くなっている。職員の介入によって改善できる要素もあるため、次年度の課題とする。

2、日々の生活で職員に対して求めること

 ○もっと話したいけど忙しそう。

  ⇒「日々の業務に追われ、忙しそうに動いている職員」と利用者目線に映っていることをミーティングや会議体で再確認した。一歩立ち止まって、少しでも会話や話しかけやすい雰囲気や笑顔を出すことが利用者にとって穏やかな施設生活に繋がることを共通認識し実践している。

3、施設生活における「楽しみ」について

 ○リハビリの継続  

 ○今のままでいい。ゆっくりしていたい。

 ⇒有する機能の維持向上を目的に機能訓練指導員と介護職により、「立ち上がり」「歩行」「体操」といった生活の中での動作をケアプランに組み込み実施している。

 他、居室で1人過ごすことや臥床している方が安楽な利用者が増えていることは事実だが、それは「楽しみがないから…」との意見として想定できる。頻回に訪室して会話を持つなど、要望・希望を利用者自身から直接引き出す技術や姿勢が必要になっている。

4、希望・要望

 ○外に出たい。寿司が食べたい。

  ⇒毎年、外出や外食の希望は高く、職員も希望に沿うように心に留めている。今年度は業務上の都合にて、秋の外出支援を実施できなかった。「外出」に対しての利用者満足は、十分に満たしていない。次年度も継続課題として取り組んでいく。

重大事故

 ○28年度重大事故件数29件

個人情報関係8件・病院受診を含む転倒や転落事故15件・薬関係4件・その他2件個人情報8件は全てショート退所時における書類取り違えであり、人的要因。

転倒・転落事故に関しては本人要因を除くと職員介助時の確認不足や未熟な技術が大半を占める。

薬関係においても27年度の重大事故後に取り組みを継続し、服薬手順のもと介助にあたっていたが「確認不足」の要因において発生している。事故再発防止に向けて、事故対策委員会と連携のもと、対策を講じ、取り組みを深めている

総括評価

今年度、施設の大きな目標である「サービスマナー」の向上と実践に取り組んだ。職員間で評価し合うことで緊張感や使命感は芽生え、また他者の目に「自分がどのように映っているか」を考える良き機会となった。しかしながら、チーム内においてお互いに注意や声を掛けあう等の連携が完全とは言えず、継続課題である。

「利用者のために」の目標では、強く意識するあまりルーティン業務以外の時間にも、個人作業を時間外で行なうスタッフもあった。業務内容をもう一度見直し、スムーズかつ効率的な業務を行えるよう整備する必要性がある。並行して、4月以降入職者を迎えることでの職員体制の充実を活かし、働きやすい職場環境のため、有給休暇取得を積極的に奨励していく。

看取りケアに関して、指針の理解と最期を迎える準備が形になってきているが、ほぼ毎回の振り返りカンファレンスにおいて「何かやらなければいけない」という使命感に苛まれ不安に感じている職員が多い状況がある。看取りケアの在り方は人それぞれであり、「あと何がしてあげられるか」を多職種で考え、様々な手順が明確となるよう、継続して課題への取り組みを行う。 

ショートステイ(相談員)

1.利用者が精神的に満足して頂けるような、体制作りを行う。

職員が陥り易い「親しみやすさ」と「馴れ合い」が混同しないよう、丁寧な声掛けや気持ちの入り方等、利用者を大切に思う精神的な部分を重視して、サービス提供を心掛けていく。

特養ショート事業としての目標テーマである「サービスマナー」については介護職員のフロアーミーティングにて理解を深めた。一般介護職向け他者評価表について、リーダー層で骨子を作成。「ちょっと待って」ではなく、なぜ待ってもらうのか理由を伝えるなど利用者様への安心するような言葉掛けについての約束事をミーティングで話し合った。

在宅サービスに慣れているショート利用者に対しての声掛けには、選ばれる事業所となるため、サービスマナーに十分配慮するようチーム全体で意識強化した。通年の結果として意識できている職員が増えてきている一方、馴れ合いの声掛けを混同している職員も多く見られている。不適切な対応があれば、リーダー層はその場での直接指導を行うと共に、介護主任・統括・課長と情報共有を行い、個人面談を行う事や集中してOJTを行う等取り組んでいる。

年度後半、入退所自主送迎の利用者ご家族へ、介護職員よりショート利用時の状況について説明を行う機会を作った。後日ご家族より「非常に丁寧に説明をして下さり、状況が手に取るようにわかりました。」と感謝の言葉があり。徐々に成果が表れており、次年度への継続目標として、サービスマナー向上に取り組んでいく方針。

2.安心・安全に利用する為の環境整備及び連絡調整を行う。

アセスメントやご自宅での状況、他サービスでの状況等の細かい情報を介護・看護職員に情報提供し、事故を予防していく。場合によりケアプランの更新や環境表を更新していく。

在宅サービスでは、自宅にてキーパーソンのご家族が中心に介護を担っているため、担当ケアマネから細かな依頼が多くあり、ショート利用者時にできるだけ対応するように努めた。

また、退院後カンファレンスやサービス担当者会議等では、各サービス提供者から多くの情報が入り、ショート事業へ積極的に活用することができた。実践例としては以下の通り。

*訪問時に、ご自宅の環境を再確認し、ADL変化に合わせた。

*「入院先からの情報」「デイや訪問介護からの介護情報」「通所リハからのリハビリ情報」「訪問看護からの医療情報」等様々な情報をフロアーへフィードバックした。ショート利用時にその情報を活かした生活支援を行った。

*担当者会議出席時、ADLの低下に伴い移乗時に介護者に負担がかかっている事を伝え、車椅子をノーマルから跳ね上げ式及びフットレストセパレートタイプへの変更を提案した。その後、新たな車椅子が導入され利用者の内出血等予防につながった。

 *利用再開時、大幅なADL低下のあった利用者に対し、再アセスメントを実施。食事・排泄・入浴等の情報収集を行い、ケアプラン内容の変更を行った。

 *転倒のリスクが高くヒヤリハットや事故報告が増加している利用者に対し、ベッドから畳+布団へ環境改善を図ることで、滑落の危険性を軽減し事故予防に努めた。

3.在宅生活を継続できるようサービス計画書に基づいた支援を行う。

ご家族の疲労軽減・施設生活に慣れる等の目標が多い中、在宅利用者へショートステイサービスについて理解が深まる説明に取り組む。定期的な利用をして頂く事でのメリットとして、予約が取りやすい、急な追加や延長にも対応しやすい、定期利用する事で利用者・職員とも顔馴染みの関係ができ、混乱が少なくなる等を本人・ご家族・担当ケアマネへ伝えていく。

在宅サービスを長く続けて頂く為に、ショートステイ事業の目的や、ショートステイを使う事のメリットを年間通じて様々な場所で広めてきた。

新規の契約時、継続利用する事で緊急時に早急な受け入れが出来る事や細かな配慮がしやすい事を説明した。ご家族(場合により居宅ケアマネも)は、ショートステイを用事が無いと利用してはいけないと思っている場合が多い。

在宅生活の助長を目的に、複数名のご家族へショートステイサービスの役割を説明し、定期的に活用する事で、ご家族の負担が軽減されるメリットについて理解が深まった。

実践例として、不定期に半年毎あるいは、ご家族有事の際のみ泊まっていた利用者が、ショートに馴れない話をされており、デイのように毎月利用してはどうかとご家族に提案した。はじめは、気が進まない状況だったが、繰り返しショートを利用することで、顔見知りが出来たと喜ばれていた。

新規の契約時に、自宅でのタイムテーブルを情報収集した。またショートステイでの時間を快適に過ごせるよう、読書や編み物等趣味の物の持参や提案を行った。

4.ショート利用者の事故予防に取り組む。

利用者の生活課題に着目し、関係職種と分析的理解に努める。問題点を抽出し、ケアプラン等の申し合わせ事項に反映し事故防止に努める

介護、看護、相談員が必要な情報を整備する事で、情報が浸透するように働きかけを行った。ショートステイフェイスシート、ケアプラン表の改訂を計画、介護正副主任及び課長・統括と情報交換を行い、数か月をかけ新たなフェイスシート、ケアプラン表が完成、12月の新規利用者より新たな書式の使用を開始した。新ケアプランには現行の入浴形態、食事形態、排泄形態等が記載されており、確認がしやすく事故防止に繋がった。ご家族へも現行のサービス内容が判りやすくなったと好評を頂く。新フェイスシートには、より在宅状況が把握できるよう、ご家族構成、ご家族介護状況を新設、担当ケアマネ及びサービス利用状況を分かりやすく整備した。アセスメント部門では新たに24時間の生活リズムを記載する事で、個々の利用者に対する理解を深め、事故予防に繋げた。

5.ショート事業内外の連携を強化する。

ご家族や在宅サービスの他事業者や居宅担当ケアマネと日頃の情報交換を行い、介護・看護との情報共有を行う。またショート利用での状況をご家族、事業所、担当ケアマネへ電話やFAXにて日頃より連絡を取っていく。サービス担当者会議へ出席し、ショート中の出来事や相談、問題点等を確認する事でご家族や担当ケアマネとの関係性を深める。

鳳仙寮の居宅や包括との連携を行い、他事業所を使うのが難しいケースでも相談のうえ受け入れを検討していく。

担当者会議や日頃の電話連絡等で連携を高めた例として、ショートご利用中の様子から姿勢の崩れ等がある利用者に対し、車椅子のレンタル品の再選定や除圧用のクッション導入を提案した。

利用者から担当ケアマネに、食事が美味しい事やレクリエーションが他ショート事業所に比べ充実している事が伝わったケースあり。また相談員からも利用者が楽しまれている事を報告する事で、サービス内容の充実や連携力の高さが評価され、新規利用へも複数繋がった。

法人内居宅との連携では、他事業所を使うのが難しいケースの相談があり、課題を確認しながら受け入れを行った。自宅で骨折し日常生活に支障が出た独居利用者に対し、鳳仙寮居宅との連携のもと、新規緊急受け入れの調整を図り、利用者の安心安全に繋がった。

鳳仙寮特養との連携として、特養入所を将来的に希望されている方に対し、申し込み方法や待機状況、入所基準介護度が3以上である事を伝え、申し込みのタイミング等を助言した。利用者やご家族の不安を傾聴し、その都度丁寧に相談にのることで、特養待機期間をうまく乗り越え、ご家族の意向も固まり、円滑な特養への入所に繋がったケースもあった。

また、デイサービスとの良好な連携を図った。デイ利用に抵抗感のある利用者に対して、ショートステイで得られた信頼や好感にてデイへの興味へつながり、通所サービスを開始したケースあり。認知症を有する利用者のケースでは、現行の通所リハに不具合が発生した相談受けを行った。担当ケアマネと申し合わせの上、通所リハと通所介護とのサービスの違いを説明し、状態に適した在宅サービスへの移行を支援することができた。

部署オリジナル

1. ショート稼働率93%以上

空床の状況により、空床案内のFAXの送信を行う。また担当者会議や居宅連絡会へ参加し、新規利用後の利用者や家族よりリピート利用の希望があった際には、空床の案内を行う。

特養の空床ベッドの積極的な活用ができるように相談員同士の連携を密に図る。

市内のショートステイの稼働率は低く、居宅に送信される空き状況等を見ても空床が目立ち稼働率獲得にどこも厳しい状況にある。サービス事業所としての評判が利用に影響がある事から、ショート利用中に過ごす時間が充実するように取り組んだ。積極的なレクリエーションや行事等の計画は、利用者や家族に好評で、リピーターの獲得や予約状況に反映された。

ショートは特養・有料・老健等施設入所や入院、逝去等サービス終了する事が頻繁にあり、都度新規の獲得をしておかなければ空床が出てしまう事業。新規利用者に対し介護・看護のきめ細かい現場対応と相談員からの利用に対する状況報告を担当ケアマネ・ご家族に行う事で、信頼関係の構築や次の紹介へ繋がった。良好なコミュニケーションにてさらに円滑なサービスの提供、事業運営となり、稼働率の予算目標は達成できた。

下記特養空床利用状況表とショート稼働率を見ると特養に入院者等空きが生じた際には、ほぼ100%近く空床利用を行った。年度前半は空床が多く出た為100%を超える稼働率が出ているが、年度後半は特養に入院者なく、ショート20床のみで稼働した結果は95%前後となる。毎年の冬場のキャンセルの多さから考えると12~1月は90%前後に落ちこむ事が多いが、今年度は冬に感染症が無くキャンセルが無かった事も稼働率安定に繋がった。10月や3月は入院や入所等が急遽発生し大幅なキャンセルが発生し結果、稼働率は落ち込んだ。不安定な事業の性質を関係職種にて相互理解を図りながら、新規利用者の積極的な受け入れ、ロング利用等様々な工夫に取り組み、今後も最大限ショートベッドが活用されるよう努めて行く。

平成28年度 空床利用状況

 

特養空床

ショート利用回数

稼働率

 

2F

3F

総合

2F

3F

総合

4月

1

3

4

5

6

11

97.67%

5月

1

1

2

4

1

5

96.29%

6月

1

0

1

2

0

2

98.17%

7月

1

1

2

4

1

5

107.26%

8月

1

1

2

2

1

3

101.45%

9月

0

0

0

0

0

0

96.83%

10月

0

0

0

0

0

0

90.32%

11月

0

1

1

0

1

1

96.83%

12月

0

0

0

0

0

0

94.35%

1月

1

0

1

1

0

1

98.06%

2月

0

1

1

0

1

1

98.93%

3月

0

0

0

0

0

0

92.74%

2.環境を生かしたサービス提供を行う

認知症専門棟と一般棟に分かれているという、施設環境を最大限に生かしたサービス提供を行う。

鳳仙寮のショートステイは20床ありベッド数が多い事は知られているが、一般棟と認知症を有する方でも安心して利用できるフロア環境が整備されているとの認識は、各居宅でバラつきが見られた。月に1回各居宅に発信する空き情報の紙面で、ショート事業のアピールを掲載した。

認知症の進行が顕著で帰宅願望、徘徊、離設注意等を有する方についての問い合わせがあり。近隣の特養併設ショートステイでは受け入れが厳しい利用者の相談を受け、お試し利用した後、安定したショートステイサービスの活用に繋がったケースが数名出た。

 鳳仙寮のショートステイの強みとして一般棟・認知症棟双方に各々状態にあったレクリエーション・余暇活動を提供している。近隣の事業所と比べ、クラブ活動やレクリエーションが充実している事を特色として、アピールを続けていく。実践例としては活動情報を聞き、新規での依頼や他施設ショートで定着しなかったケースが、ショート先変更として相談を行う事も増えた。

平成28 年度 利用者満足度調査

H28年度中に実施した満足度調査アンケートでは、質問に対し22名の回答があった。いいえの答えが3名以上出た項目はなく、サービスのバランスは保持できたと考える。

生きがいについての項目で、ショート中の楽しみは何かという質問に対し、行事、麻雀、他利用者との会話があがった。全介助で意思疎通が難しい方のキーパーソンからの回答では、本人から聞き出せず無回答としている項目も多数見られた。全体的に回答率は低いが、ショート利用ごとに「ご意見用紙」にて意見の吸い上げを行っているため、日常より一定のご意見はキャッチできていると考える。

デイサービス

1.サービス内容に見合った人材育成を行う。

「利用者満足度調査」では、ご利用者・ご家族からの満足度は高く、サービスの追加・継続を望む声が多く聞かれた。一方で予算目標稼働率には届いておらず、新たなサービスの拡充も検討となっており、現場での対応力が大きな課題となっている。将来を見越し、各職員の長所や苦手とすることをしっかりと理解し、堅実な人材を育成する必要性がある。

言葉遣い・身だしなみ等については月間の目標などに掲げ、対利用者だけでなく職員間でも言葉の乱れに気をつけ、一人一人がレベルアップに向けて意識し行動した。現場では職員個人への指導を行っているが、さらに、相談員を含めたチーム全体としてのレベルアップに取り組んでいく。

2.利用者に重大な被害を及ぼすような事故発生をゼロにする。

平成28年度総事故件数・・・89件

 平成27年度の総事故件数92件から3件のマイナスとなった。

総事故件数89件の内3件の重大事故が発生。1件は薬関係、2件は転倒・転落の事故であった。転倒・転落の事故は直接介助中ではなかったが、職員配置やリスクマネジメントの意識を強く持つことで、回避ができた可能性がある事故内容であったため、職員間でよく理解し今後に繋げていく必要がある。

送迎車両の事故については対物だけでなく対人の事故も1件発生してしまった。そのことにより、バック時には添乗員が降車して誘導を行うことを取り決め、以後の送迎業務にあたっている。

3.日々の関わりの中で個々の利用者のニーズを引き出し、個別援助計画に繋げる。

クラブ活動だけでなく、隙間時間を使って各ご利用者のニーズに沿ったレクリエーションや運動機会の提供ができた。個別機能訓練時以外の歩行機会として行った施設内外の散歩に関しては、施設の廊下に「デイフロアーから何m」と運動した距離を確認できるように掲示したことで参加者も増え、目的意識を持ってもらう事に成功した。

また、麻雀や縫い物など、少人数(個人の場合もあり)活動の充実にも取り組んでおり、ご利用者間で先生と生徒のような関係が生まれるなど、趣味や経験・得意な事を活かした人間関係が深まりつつある。楽しみながら行える範囲で、やりがいや自分の役割を持って過ごす時間を提供することが出来た。日々のクラブ活動では全員に参加してもらう事にこだわらず、個別性に合わせた活動提供を行った。

4.デイサービスと地域のつながりをより強くし、利用者に『社会参加をしている』という意識を持ってもらう。

日々の利用者同士の交流、多くのボランティアさんとの関わり等が利用者と地域社会をつなぐとの考え方のもと、さりげない懸け橋役として対応してきた。利用者のさらなる社会参加の充実を図るため、相談員・現場職員共に外部に出向き、他施設の実践例などを研究していく必要がある。

5.祝日サービス体制の安定を図り、多くの方に利用いただく。

平成28年度より祝日営業開始を開始した。鳳仙寮だよりをはじめ、デイサービスの月間案内や居宅事業所向けの空き情報案内にも祝日営業開始の宣伝をしたことで、通常営業日と変わりなく稼働する事が出来た。   

運営日

利用延人数

稼働率

平成27年度

295日

8013名

77.6%

平成28年度

306日

8133名

75.9%

前年度に比べ、営業日が増えた分、利用者延べ人数は増加したが、祝日営業が新規利用者獲得に繋がった状況はなかった。既に、ほとんどの通所系事業所が祝日営業しており、利用者・居宅事業所側からすると「当然、祝日も営業している」と考えていることが多いためである。

6.送迎範囲の拡大・祝日の営業を開始し、目標稼働率80%の達成を図る。(1日28名利用)

今年度の年間稼働率は75.9%となり、前年比約-1.7%(一日あたり約-0.6人)となった。

H28年度) 新規利用者数:43名、利用中止者数:43名

前年度比にて、新規契約者数は+9名、利用中止者数は+12名である。

新規利用者数・利用中止者数が同数となり、登録人数自体は維持する事が出来た。広報委員会にも協力してもらい、送迎範囲の拡大、祝日営業開始などデイサービス事業アピールの取り組みを行った。送迎範囲を拡大したことで市内中央部・北部から少数ではあるが新規利用者を獲得する事が出来た。また大きな成果として、新規で居宅支援事業所から紹介をいただく事ができ、今後の広がりにも期待できる状況となった。祝日営業に関しては、新規利用者獲得に大きな成果はなかったと評価している。

下半期には居宅支援事業所からの紹介率アップを目指す取り組みとして参考情報を得るため、法人内居宅事業所主任にデイ向上委員会の出席を依頼した。利用者・利用者家族、そしてケアマネージャーがデイサービスを選ぶときの注目点を聞き、現時点での鳳仙寮デイサービスの強み・弱み、新規利用者の問い合わせが少ない理由などを再確認した。その中で、現場と相談し入浴枠を拡大する等の工夫を図り、新規利用者の獲得及び稼働率の上昇に繋げる事が出来た。

平成27年度より開催してきたデイ向上会議については平成28年3月でいったん終了。平成27年度同様、課題を抽出し解決に向けて管理者・相談員・介護職で活発な意見交換ができた。今後は予算達成への取り組み・新規事業や加算関係の整備・課題等の議題が出た時に臨時開催する予定となっている。

部署オリジナル目標・評価

1.介護者として必要なリハビリの知識を学ぶ。

デイサービスは、レクリエーションを楽しむ場所というだけでなく、在宅生活を続けるための機能訓練の場と再認識し、業務に取り組んだ。浮腫軽減の為の下肢挙上実施、拘縮を作らないためのクッションの当て方や体の支え方、ホットパックの使用、散歩を兼ねての歩行練習等に力を入れ取り組んだ。また適切な介助用品(滑り止めや、ストロー付きコップ等)を提供し、自助具を活用して食事を摂れるように支援した。看護師や理学療法士といった専門職と協働することで、より広い視野から自立支援に繋げていく。

2.利用者に喜ばれるレクリエーションの充実を図る。

 利用者が好きだったもの、興味を持っているものを日々の関わりの中で見出し、昔のように完璧にはできなくても工夫して楽しめるような内容を提案し、気に入ったものを提供している。持ち帰り作品を増やし、生活の楽しみや生きがいに繋がるよう心掛け、チームで連携し、レクリエーションの充実に取り組んだ。一方、準備で業務量がかさむ傾向があり、改善を図っていく必要がある。

年間行事結果

行事名

内容

3月

お花見

28年度行事として3/25・29・30・31に実施。金塚桜広場にてお花見・散歩とおやつを楽しむ。計54名参加。

3/28は雨天によりドライブに変更。13名参加。

5月

運動会

5/23・24・26の3日間実施。紅組・白組に分かれお手玉入れ・お手玉送り・風船バレー・かつら送り競争・応援合戦などの競技に取り組む。

菖蒲湯

5/6・7・9~12に入浴サービス利用者を対象に実施。季節感を味わった。

6月

おやつを作ろう会

6/27・29・7/1の3日間実施。計78名が参加。6/27クリーム餡蜜、6/29フルーツ寒天とアイス、7/1白玉餡蜜とアイスを作成。3日間の開催で8名のボランティアに参加いただき、ご利用者との交流を深めた。

7月

かき氷パーティー

7/25~30の6日間実施。希望により利用者自身にも氷を削っていただいた。季節感を感じられたとの意見が多数あり、好評であった。

8月

夏まつり

鳳仙寮全体の施設行事。利用時間を延長し参加して頂いた。毎年楽しみにしている利用者が多く、振替や追加利用を含め35名の参加となった。

9月

敬老会

9/13・9/16・9/17の3日間実施。長寿のお祝い節目のお祝いなどで利用者を表彰。お琴演奏、安木節、民謡民舞の様々なボランティアが来寮され、日頃の練習の成果を披露していただいた。

10月

学芸会

10/17・20・22の3日間実施。行事ではボランティアの方の演目を見てもらうことが多かったが、学芸会では職員による演劇を披露し利用者様に楽しんでいただいた。28年度初開催。

11月

運動会

10/8・10~12の計4日間実施。紅組・白組に分かれ、お手玉入れ・お手玉送り・バトンリレー・文字書きリレー・ぐるぐるバットの競技に取り組んでいただいた。活躍された方に表彰状を送るなどの演出が好評で、皆様に楽しんでいただけた。

12月

年忘れ会

12/20・22~24の計4日間実施。コーラスグループ・鳳仙寮ベルクラブ等、様々なボランティアが来寮し、一緒に盛り上げて頂いた。おやつには日替わりでケーキを用意し好評であった。

ゆず湯

12/14~17・19・20の計5日間実施。入浴サービス利用者を対象に実施。地域より毎年生のゆずのご寄付があり、浴槽に浮かべて季節感を味わっていただいた。

1月

新年会

1/11~13の計3日間実施。ハワイアンバンド・お琴演奏・安木節のボランティアが来寮。新年らしい演目を見ていただき、おやつには甘酒を振る舞うなどして皆様に楽しんでいただいた。

2月

節分

2/1~3の計3日間実施。紅白玉入れの玉を利用した豆まきでは、鬼に仮装した職員へぶつけ盛り上がった。今年度はポンタの会の皆様にボランティアでご参加いただき、太鼓や獅子舞などを披露していただいた。

3月

ひな祭り

3/1~3の計3日間実施。ハワイアンバンド・民謡民舞などのボランティアの方々が来寮。手作りのお内裏様とお雛様のかぶりもので記念撮影を行い、壁飾りも行事衣装へ変更。春を迎える期待感が高まり、利用者の好評を得た。

平成28年度 利用者満足度調査結果への取り組み

回答者数・・・39名

各質問において、「いいえ」の回答はほとんどなし。ご家族が回答していると思われるものについては「わからない」の回答が多数となっている。利用者本人だけでなくご家族からも「大変感謝しています」「とても満足しています」「本人にとってとても良い場所となっています」等の記述を多数いただいていることから、回答があった39名に関しては満足度が高いと考えられる。今年度は回答率が40%程度だったが、来年度以降はより多くのご意見をいただくために出来る限りご協力いただけるよう声掛けを行っていく。

その他自由記述

・作業する時の道具(はさみや色鉛筆等)の数が人数に対して少ないのでもう少し用意してほしい。

⇒クラブ担当者を中心に活動後の物品確認を行い、次回活動時に不備がないよう取り組んだ。

・家では完食(介助するので)。デイサービスでは50%が多い・・・。やむを得ない。

⇒利用者ごとに自立支援を行うのか直接的な介助を行うのかをその都度話し合い、ご家族からのお話も伺いながらデイサービスと自宅で差が生じないよう取り組んだ。

・新しいことを色々やりたい。

⇒新たなクラブ活動の発案には至らなかったが、手芸クラブ・押し花クラブなどでは少々難易度を上げた物を作成し、幅広く楽しんでいただけるよう取り組んだ。

・パッドが正しく当ててないため、下着・ズボンまで尿で濡れていることが時にある。また、パッドを使用してないこともあった。

⇒基本的な介護技術や職員間の連携不足によるミスが目立ったため、ご利用者に不利益がなくより効率的に現場対応できるよう月間目標に上げて意識改革を行った。

平成28年度の総括評価

 今年度の東京都実地指導検査にて、「個別機能訓練加算Ⅰ」について改善の指摘を受けた。理学療法士の常勤配置要件についての内容であり、利用料返還の手続きに至る。デイサービス利用者、関係居宅、施設事業や経営に大きく影響した。28年度が始まる時点で改めて算定要件をしっかりと確認する必要があった。平成29年度からは新総合事業への参入も予定している為、過誤のないよう準備を進めていく。

サービスの質については、利用者調査結果や関係居宅、他施設の実習生による所感等において高評価が得られており、十分他通所介護事業所と競争できる状況にあると考えられる。

一方で、稼働率向上については、有効な改善策が見つからず、予算目標の80%から大きく下回る結果となった。次年度に向け、地域性や利用者ニーズの傾向を適正に分析し、サービス提供時間や送迎範囲・時間、入浴枠などの一層の充実に向け検討を重ねていく必要がある。

理学療法士

1.ご利用者と接していく中でひとりひとりの思いや気持ちを聞き取り、生活の場に反映できるよう行動する。

個別リハビリの中だけでなく、何気ない会話の中から状態やご自宅での現在の状況などの情報を聞きとるよう心がけた。また、不調や状態の変化が生じたご利用者には、特にその変化が与える影響について考察した上での話しかけにより、ニーズが吸い上げやすくなるよう工夫をした。

ご利用者の中には、現在の問題点とその改善の期待度、提案する目標について、理解ができたことにより意欲の向上がみられる方もいた。課題や目標が明確で、自主トレーニングの紹介にも興味を持たれていた方でも自宅でのトレーニング継続には、なかなか繋がらないケースも多かった。自主トレーニングの実施、継続方法については今後も工夫が必要である。

2.日常生活において、そのご利用者の現状に合った動作手順や動作レベルの変更の提案を行う。

個々の利用者の運動機能向上計画について、吸い上げた情報やニーズ、またご家族や職員からの情報から実用的な動作について検討することに取り組んだ。自主トレや動作の代償案などに興味を持たれ、個別リハの中で積極的に取り組まれていた。

【実践例】

*起き上がり動作などめまいが出現しやすいことを気にされていた方では、動作の中でワンポイント指導を行い、改善がみられ喜ばれたケースもあった。

*骨折によるリハビリ入院を経て退院後に、デイサービスを利用開始された方では、入院期間中に改善しきれていないこともあり、デイサービスにて引き続き積極的なリハビリを行っている。怪我の経過から動作に課題が残り、ご自宅での生活からデイサービス利用の中で、痛みや行いにくさより動作手順があやふやになっていた。機能向上を始め、動作の確認と修正、練習に取り組んでいる。

*腰痛のため、状態とADLの低下が生じ歩行が難しくなったケースでは、車椅子の使用とできる範囲での歩行・移乗など、デイ職員とも協力しながら、できる動作の継続を意識して取り組んだ。その時の状態に合わせ、車椅子の使用を減らすよう調整を行っていた。下肢筋力の低下等課題は残っているが、現在では状態の改善があり、車椅子の使用機会の減少と歩行距離、頻度の増加が可能となってきている

3.個別リハだけでなく、ご利用中やご自宅での過ごし方の中にも機能維持・向上につながる様な働きかけを行う。

積極的に体操に参加されない方には、対話を通して体操の必要性の理解や参加の促しを行った。それでもなかなか体操に集中できない方や参加されない方に対しては、デイ職員協働のもと個別に声かけを行い、散歩など運動する機会の確保に努めている。今年度、散歩の参加者は増加されており、ご利用者の運動効果に加え、気分転換や職員とのコミュニケーションも楽しみとなり、充実した貴重な時間となっている。

ご自宅での運動のすすめでは、自主トレや散歩など、なかなか取り組めず、継続ができていないケースが目立つ。引き続き実践しやすい工夫や促しを検討していく

部署オリジナル目標

・個別機能訓練計画に関する手順書を作成する。

年度中に取り組めなかった。次年度の早期に、作成をはじめ完成を目指す。

栄養課

1. 口腔内の状態や摂取状況を踏まえた上で、提供する食事形態に問題がないか工夫は出来ないかを見出していく

訪問歯科による嚥下評価に管理栄養士も立ち会えた。評価対象者の発声状況、舌の動きや残存歯から総合的に評価するものであった。歯科衛生士の直接のアドバイスを聞き、介護看護職と情報共有ができた。食事姿勢を保持する為にバスタオルを挟む事、水分と固形物を交互に摂取する交互嚥下などのアドバイスがあった。水分のとろみ具合、食事形態を相談し、食事形態をUPする取り組みも実行できた。

残存歯が抜けてしまったという申し送りが年に数件発生していた。その後の食事形態を栄養課から確認するなどの働きかけを積極的に行った。歯の治療中のみ、粥や刻み食に変更するケースがデイサービスを含め多数あった。

2. 厨房で起きた事象を良く検討し、次に活かす仕組み作りをする

厨房環境のリスク管理を強化する

ひやりはっと報告は、ケアレスミスの内容が主流であった。同様のミスをなくす様な取り組みに繋げられた。10月3日にデイの配膳車を事務所前でぶつけてしまい多数のご利用者の汁ものがトレーにこぼれてしまった。厨房職員は厨房へ戻ると時間遅れになると思いそのままデイサービスに配膳し、デイの職員で対応して頂くという内容の事故があった。本来なら厨房職員で対応すべきであった。厨房職員の名前が他部署に浸透しておらず、早急に各職員にネームプレートを着用する様指示。食事サービスが均一化する様1月に《厨房サービスマニュアル》を作成し徹底を促した。

3. 認知症ケア、床ずれ予防と改善への取り組み、看取りケアなど重要な取り組みに、栄養課もチームの一員として密接に関わっていく。

栄養士の昼食訪問時、認知症フロアー(3F)に滞在する時間を多めに確保し、食事介助やセッティング、話しかけ等、目線を合わせるように、積極的に利用者とのコミュニケーションを図った。食べる動作を忘れている方、食事の粒を吐き出してしまう方、隣の方にご自身のお食事を渡してしまう方、面会等のご家族とも情報交換が出来た。

床ずれに関しては長時間の座位で悪化してしまうケースが有り、おやつの摂取時間を検討する事例があった。

看取りケアに関しては、痛みの強い方、誤嚥のハイリスクケースは、食事が苦痛になり兼ねない為、介護職

員から摂取が良かった内容を吸い上げ、スイートゼリー(青りんご味)を準備した。看取り期に食事量が明

らかに低下している場合は、食事回数や全体量を調整するなど今後も密接に関わっていく。

4. ショートステイ相談員が集約した情報をもとに、ショートご利用者様の意思や嗜好を反映した食事提供を目指す。低栄養、偏食、嚥下困難など課題を見出し、食を通してショートご利用者様の健康(栄養)維持をサポートする

体調不良による入院などを経て利用再開される場合、ADLが大幅に下がり食事形態も調整が必要なケースが数件あった。事前のショート相談員の集約した情報のもと、鳳仙寮での食事状況を照らし合わせ、問題把握に努めた。食事量が低下している場合は詳細をショート相談員へ報告した。ショートご利用者様の嗜好品の持ちこみも前年より増加傾向。管理栄養士から、ニーズを伺い、万全にショートステイを過ごして頂く為であり今後も必要性を感じている。デイとショートを併用されているご利用者も多数おり、デイ時とショート時とおやつの提供の仕方を分けるイレギュラーなケースも発生したが、ご利用者様のニーズに合った柔軟な対応ができた。

5. 祝日のデイサービス営業開始に伴い、暦に合わせた行事食を充実させる

デイの祝日営業に伴い平日の行事食の他に、祝日の行事食(9回/年)を提供出来た。手作りお萩はデイサービスへの提供は初めてであり、お粥対応のお萩等をお披露目する事ができた。茶碗蒸しやお刺身類は人気が高く喜ばれた。

部署オリジナル目標

●明るい厨房

相手よりも先に、明るい元気な挨拶ができる職員が大半であった。施設内に留まらず、納品業者、廃棄物回収業者にも上記の挨拶が出来ていた。

●衛生管理の徹底

厨房内の環境整備に9月以降取り組めていた。デッキブラシ等の清掃用具の陳列、厨房内側溝を高圧洗浄機で清掃実施した。時間を見つけては清掃する厨房責任者の姿勢を見習い、厨房職員全体が感化されていた。

害虫駆除の月次点検時に「厨房内が綺麗になりましたね」と言われる程であった。給食委託会社で衛生管理点検も例年通り行えていた。

平成28年度 特養第三者評価結果への取り組み

「あなたの施設における食事の献立や食事介助に満足されていますか」という質問に対して、「はい」が84%、「どちらともいえない」が11%、「いいえ」は0%、非該当が5%という結果であった。

自由意見では「美味しい」という意見が大半ではあったが、「弁当が良い」という目先の変わった意見。「おいしいとはいえないが十分。大勢ではこんなもの」「ちょっとお粗末すぎる」という厳しい意見も2~3上がっていた。弁当での配膳は、敬老会やお節料理の際に実施している。食事に対しての感想は様々で、美味しいと感じている方がいる一方で、同じ料理でも「まずい、口に合わない」という方がおられる場合も多々ある。ご自身で意見が伝えられる方に関しては食事スタッフや栄養士が直接意見を伺うのが一番望ましいと考え、残食の理由等を伺いながら食事訪問を実施した。

平成28年度 満足度調査結果への取り組み

食事委員会と協力して、厨房職員が各フロアーで昼食を一緒に食べる取組みを今年度初めて企画し10月に実施した。利用者の目線や気持ちに寄り添う取り組みとして、来年度も引き続き実施して欲しいと介護職員より伝えられた。傾聴といったところでは、栄養士のラウンドに厨房職員も頻回に伺えると良いが、同行は厨房職員の新入職者に留まっている。栄養士が集約した情報やご利用者様の意見を厨房へ伝えている。

「家族アンケート」では「もう少し食事の改善(おいしく)お願いできればと思います。」という意見が届いた。特養入所時面談では、ご本人様の食事の傾向(嗜好)から、食事面でのエピソードを伺った。良好な健康管理と食の楽しみ作りを目的に、今後も定期的に体重変化や嗜好等の情報をまとめた「栄養ケアプラン」を作成し提示していく。また、献立表を提供し、ご利用者様からも、ご家族様からも風通しの良い関係作りを心掛けていく。

平成28年度の総括評価

H27年度から導入した療養食加算に関しては、年度はじめ7名の対象者がいた。順調に治療の効果が得られ9月健康診断採血にてうち3名の貧血が改善。3月末現在も減塩食の方が1名、糖尿病食の方が1名、減塩食/糖尿食混合型1名、計3名の方が療養食を実施している。

今年度、複数の目標を掲げて取り組んだ。6月特養ショート用浴室に冷茶に変わり、ポカリスエットを導入し、ご利用者様、職員ともども脱水予防に役立てる事が出来た。今年度より祝日も営業となったデイサービスでは、手薄になりやすい昼の時間帯を狙い、栄養士でも配膳下膳のサポートやご利用者様とのおしゃべりなどを中心に関わる事ができた。

厨房委託業者との連携では、夏期に5年以上厨房の責任者を担っていた店長の退職があり変化の年となった。メイン調理師がイタリアン出身の調理師から、和食出身の調理師に変更。施設管理者からの味付けが良いと評価を頂いた。

落ち着くまでは多少かかったが、厨房の新しいカラーは新店長を囲んで、一体感があった。新店長が職員の管理、清掃や環境整備が飛躍して上手かった為、良い方向に転じることが出来た。

残念な事項としては厨房職員の転倒事故や、急性腰痛による長期休暇、公休数が消化できない等の勤務状況の悪化が見受けられた。今後も、事故防止や健康管理、労働環境改善に共に取り組んでいく。

利用者様の重度化に伴い、嚥下調整食、食事量の調整、看取り期の食事ケアなどをより充実することが求められている。他施設を学びながら、今後も当施設にあったスタイルを確立していく。

≪平成28年度 年間行事食報告≫

行事名

献立

4月

春献立

ゆかりごはん、さわらの西京焼き

木の芽和え、菜の花のお浸し、若竹汁

5月

子どもの日

ちらし寿司、たこやき、ごま豆腐、深川汁

母の日

サンドイッチ(卵/ポテト/ジャム)/カレー風味スープ

レモンハーブチキン/水菜とトマトのサラダ

春のバイキング食

テーマ:

春のまんぷくブッフェ

前菜(唐揚げ/卵焼き/ウインナー)

春爛漫カレー、ドライカレー、お粥、金平ごぼう

サーモンマリネ、ポテトサラダ、菜の花のお浸し

やきそば、ロールケーキ2種、杏仁豆腐

6月

父の日

天丼、茶碗蒸し、赤だし汁

豆腐と水菜のじゃこサラダ

7月

七夕食

米飯食:太巻き いなり寿司

粥食:やわらかいなり やわらかたまご

きすの天ぷら(抹茶塩)、冬瓜と海老のうすくず煮

冷やしそうめん、七夕デザート

流しそうめん

そうめん(薬味を2階フロアーご利用者様と職員でカット、生姜もすって頂いた)

ポテトサラダ、ミニチキン

土用の丑の日

うな丼、筑前煮、冬瓜のお味噌汁

なめことおくらのお浸し

8月

終戦記念日

鮭ちらし寿司、海老茶巾の含め煮、オレンジ

かぶのお味噌汁

夏祭り

焼きそば、焼き鳥、つくね、大学芋

飲み物、かき氷

9月

特養敬老会

お赤飯、ヒレカツ、茶碗蒸し、もみじ麩のお吸い物

海老茶巾の含め煮(又はソフト食3種の含め煮)

鱈のおろし煮(又は鱈のソフト食)

重陽の節句

栗ご飯、アジフライ、胡瓜とツナのわさび和え

胡麻豆腐、たまねぎのお味噌汁

敬老の日

天丼、大根と帆立のサラダ

茄子の浅漬け、オクラとしめじのお味噌汁

秋分の日

三色おはぎ、

秋の味覚の天ぷら、野菜たっぷり汁

豆腐入り茶碗むしのたらこあん

10月

体育の日

五目ちらし寿司、胡麻豆腐

小松菜の梅おかか和え、卵のお味噌汁

ハロウィン

南瓜コロッケ、南瓜の焼き菓子

11月

文化の日

赤飯、レンコン入り鶏つくね、ごま豆腐

もずくと山芋の酢の物、小松菜の味噌汁

秋のバイキング食

テーマ:

秋の味覚バイキング

ご飯、お粥、秋鮭の南蛮漬け、旬野菜の旨味味噌炒め(エリンギ・栗)、舞茸の天ぷら/天つゆ

紅あずま甘露煮、秋茄子の田舎煮、香の物

ミニほうとううどん、お汁粉、葡萄と林檎のジュレ

七五三

海老と春菊のかき揚げ丼、茶碗蒸し

ぬた、生麩の清まし汁

勤労感謝の日

ごはん、ヒレカツ、冬瓜のうすくず煮

果物(柿)、鮭の粕汁

12月

忘年会

デリバリーのオードブル

お寿司、スイーツ他

冬至

銀杏ごはん、たらちり鍋風、南瓜の含め煮

ほうれん草と柚子の香り和え、赤だし汁

天皇誕生日

ごはん、天ぷら、わさび和え、浅漬け

そうめんの清まし汁

クリスマス

ライス、ローストチキン、キッシュ

マカロニサラダ 南瓜のポタージュ

大晦日

年越しそば(かき揚げそば) 他

1月

おせち料理

1/1柔らか豚角煮/数の子/お刺身盛合せ

ふんわり豆腐しんじょの煮物

黒豆・栗きんとん/関西風雑煮

1/2 赤飯/天ぷら盛合せ/卵豆腐 /紅白なます/牛タンのパイ包み/伊達巻/お吸い物

1/3 海鮮丼/茶碗蒸し/お吸い物

七草

すずな・すずしろ・せり・なずなで炊いた七草粥 他

新年会

寿司バイキング 茶碗蒸し お吸い物

和風杏仁豆腐

2月

節分

太巻き、バラと大根の煮物、ごまあえ 味噌汁

バレンタインデー

ハートのコロッケとハンバーグ 他

建国記念日

赤飯、赤魚の粕漬け焼き、含め煮

茶碗蒸し、かぶのお味噌汁

3月

ひなまつり

ひな祭り散らし寿司、茶碗蒸し

菜の花の辛子和え、若竹汁

春分の日

漬けまぐろ丼

あこう鯛のきのこあん

卵豆腐、なます、深川汁

おやつ時「ぼたもち」

≪平成28年度 ご当地メニュー実施報告≫

4月宮崎編:「チキン南蛮」・5月長崎編:「長崎ちゃんぽん」・6月福岡編「ごぼ天うどん」

7月大分編:「大分とり天」・9月THE漁師飯「しらす明太子丼」

10月ご当地メニューウィーク

山形名物「納豆汁」・大分中津名物「唐揚げ」・大阪名物「たこやき」・名古屋名物「味噌カツ」・東京下町の「ナポリタンスパゲティー」・秩父名物「みそポテト」

11月宮崎編:「チキン南蛮」・12月長崎編:「長崎ちゃんぽん」・

1月四国高知編:「まけまけ丼」・2月名古屋編:「名古屋おでん」・3月宮城県「はらこめし」

≪平成28年度 選択食実施報告≫

6月  鯖のたまり醤油漬けORコロッケ

鯖を選んだ方の方が多かった。コロッケが大�