2 質問紙調査の結果から 主体的・対話的で深い学びの視点か …75.4 16.2 19.8...

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15.6 17.4 68.7 69.1 0 50 100 平成30年度 平成31年度 12.6 11.9 71.7 73.0 0 50 100 平成30年度 平成31年度 34.3 37.4 46.2 44.0 0 50 100 平成30年度 平成31年度 31.0 36.4 47.1 43.5 0 50 100 平成30年度 平成31年度 2 質問紙調査の結果から (1) 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する取組状況 「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、 自分から取り組むことができていますか(取り組ん でいたと思いますか)」に対して「そう思う」と回 答した割合について、学校質問紙調査と児童生徒質 問紙調査で比較すると、小学校では20ポイント、中 学校では24.5ポイント程度の差が見られます。 ここからは、児童生徒質問紙と学校質問紙の結果から、県全体でどのような傾向 が見られるか確認します。 まず、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する項目に焦点を当 てて見ていきましょう。 児童生徒質問紙調査におけるクロス集計 【選択肢毎の平均正答率】の結果から、どの 教科も「当てはまる」と回答した児童生徒の 方が、「当てはまらない」と回答した児童生 徒より、平均正答率が15ポイント以上高い ことが分かります。 小学校 中学校 【学校質問紙】 調査対象学年の児童生徒は、授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から 取り組むことができていますか。 【児童生徒質問紙】 5年生まで〔1、2年生のとき〕に受けた授業では、課題の解決に向けて、自分で考 え、自分から取り組んでいたと思いますか。 小学校 中学校 70.2 70.9 45.5 49.4 20 40 60 80 国語 算数 78.4 67.7 60.7 56.6 39.7 42.2 20 40 60 80 国語 数学 英語 (%) (%) そう思う どちらかといえば、そう思わない どちらかといえば、そう思う 思わない 当てはまる どちらかといえば、当てはまらない どちらかといえば、当てはまる 当てはまらない (%) (%) 【選択肢毎の平均正答率】

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Page 1: 2 質問紙調査の結果から 主体的・対話的で深い学びの視点か …75.4 16.2 19.8 0 50 100 算数 国語 国語 51.6 45.8 国語 33.3 42.5 0 50 100 算数 数学

15.6

17.4

68.7

69.1

0 50 100

平成30年度

平成31年度

12.6

11.9

71.7

73.0

0 50 100

平成30年度

平成31年度

34.3

37.4

46.2

44.0

0 50 100

平成30年度

平成31年度

31.0

36.4

47.1

43.5

0 50 100

平成30年度

平成31年度

2 質問紙調査の結果から

(1) 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する取組状況

「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、

自分から取り組むことができていますか(取り組ん

でいたと思いますか)」に対して「そう思う」と回

答した割合について、学校質問紙調査と児童生徒質

問紙調査で比較すると、小学校では20ポイント、中

学校では24.5ポイント程度の差が見られます。

ここからは、児童生徒質問紙と学校質問紙の結果から、県全体でどのような傾向

が見られるか確認します。

まず、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する項目に焦点を当

てて見ていきましょう。

児童生徒質問紙調査におけるクロス集計

【選択肢毎の平均正答率】の結果から、どの

教科も「当てはまる」と回答した児童生徒の

方が、「当てはまらない」と回答した児童生

徒より、平均正答率が15ポイント以上高い

ことが分かります。

小学校 中学校

【学校質問紙】 調査対象学年の児童生徒は、授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から 取り組むことができていますか。

【児童生徒質問紙】 5年生まで〔1、2年生のとき〕に受けた授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいたと思いますか。

小学校 中学校

70.2 70.9

45.5 49.4

20

40

60

80

国語 算数

78.4

67.7

60.7 56.6

39.7 42.2

20

40

60

80

国語 数学 英語

(%) (%)

そう思う どちらかといえば、そう思わない どちらかといえば、そう思う 思わない

当てはまる どちらかといえば、当てはまらない どちらかといえば、当てはまる 当てはまらない

(%) (%)

【選択肢毎の平均正答率】

Page 2: 2 質問紙調査の結果から 主体的・対話的で深い学びの視点か …75.4 16.2 19.8 0 50 100 算数 国語 国語 51.6 45.8 国語 33.3 42.5 0 50 100 算数 数学

(2)教科に関する状況

小6と中3の 国語と算数・数学に関する児

童生徒の「興味・関心」を比較して見てみる

と、中3においては、いずれの項目も肯定的

な割合がやや少ないこと分かります。

クロス集計の結果から、「教科の勉強

が好きですか」に対して「当てはまる」

「どちらかといえば、当てはまる」と肯

定的な回答した児童生徒は、どの教科も

平均正答率が高い傾向が見られます。

学習に対する児童生徒の「興味・関心」(児童生徒質問紙)

小学校 中学校

42.3

29.0

28.3

40.0

0 50 100

算数

国語

78.9

75.4

16.2

19.8

0 50 100

算数

国語

51.6

45.8

33.3

42.5

0 50 100

算数

国語

77.4

72.6

17.3

21.9

0 50 100

算数

国語

教科の勉強が好き

教科の勉強は大切

教科の勉強はよく分かる

教科の勉強は役に立つ

32.6

27.5

26.3

37.6

0 50 100

数学

国語

53.5

65.6

32.9

28.3

0 50 100

数学

国語

39.9

34.2

37.7

47.9

0 50 100

数学

国語

45.3

61.4

35.1

30.3

0 50 100

数学

国語

当てはまる どちらかといえば、当てはまらない どちらかといえば、当てはまる 当てはまらない

「教科の勉強は好きですか」に対する選択肢毎の平均正答率の関係

70.3 72.4

53.0 52.0

20

40

60

80

国語 算数

76.9 69.1

64.8 66.7

46.9 45.1

20

40

60

80

国語 数学 英語

当てはまる どちらかといえば、当てはまらない どちらかといえば、当てはまる 当てはまらない

小学校 中学校

(%) (%)

(%) (%)

(%) (%)

(%) (%)

Page 3: 2 質問紙調査の結果から 主体的・対話的で深い学びの視点か …75.4 16.2 19.8 0 50 100 算数 国語 国語 51.6 45.8 国語 33.3 42.5 0 50 100 算数 数学

42.6 42.3

32.1 37.2 42.0 35.4

46.0 37.7

46.5 36.0

40.1 42.8

英語の勉強が好き 英語の勉強は大切

英語の勉強が分かる 英語の勉強は役に立つ

中学校英語に対する生徒の興味・関心(生徒質問紙より)

よく行った

あまり行っていない

どちらかといえば、行った

全く行っていない

聞く 読む 書く

話す (やり取り)

話す (発表)

技能統合 ①

60.1

53.7

47.6

41.8

60.6

53.2

45.2 41.0

59.7

53.6 52.5 49.6

59.5

53.0 50.9

46.8

59.8

52.9

48.1

40.7

58.4

52.8 51.6 47.4

英語を聞いて、概要や要点をとらえる活動が行われていたと思い ますか

英語を読んで、概要や要点をとらえる活動が行われていたと思い ますか

自分の考えや気持ちなどを英語で書く活動が行われていたと思い ますか

原稿などの準備をすることなく,(即興で)自分の考えや気持ちなどを英語で伝え合う活動が行われ ていたと思いますか

スピーチやプレゼンテーションなど,まとまった内容を英語で発表する活動が行わ れていたと思いますか

聞いたり読んだりしたことについて,生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりする活動が行 われていたと思いますか

40.0 40.0

技能統合 ②

58.6 53.5 52.1

46.5

聞いたり読んだりしたことについて,その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりする 活動が行われていたと思いますか

30.2 57.9

56.6 54.4

47.8

調査対象学年の生徒に対する英語の授業において,前年度までに,生徒が英語に接する機会を増やし,教室を実際のコミュニケーションの場とする 観点から,どの程度,授業を英語で行いましたか

コミュニケーション (学校質問紙より)

「聞くこと」、「読むこと」、「書くこと」、「話すこ

と[やり取り]」、「話すこと[発表]」の領域別に見る

と、全ての領域において、それぞれに関する「言語活動を

行っている」と受け止めている生徒の方が、当該領域の平

均正答率が高い傾向が見られます。

27.1 25.9 59.8 25.7

29.9 36.7 61.9 24.1

当てはまる どちらかといえば、当てはまらない どちらかといえば、当てはまる 当てはまらない

言語活動(生徒質問紙より)

ここでは、中学校3年生を

対象に初めて行われた英語調

査について、生徒質問紙の結

果をみていきましょう。

※ 単位:%

Page 4: 2 質問紙調査の結果から 主体的・対話的で深い学びの視点か …75.4 16.2 19.8 0 50 100 算数 国語 国語 51.6 45.8 国語 33.3 42.5 0 50 100 算数 数学

(3) 家庭学習に関する取組状況

小学校

中学校

小学校 中学校

【学校質問紙】 調査対象学年の児童生徒に対して、前年度までに、家庭学習の取組として、学校では、児童生徒に家庭での学習方法等を具体例を挙げながら教えるようにしましたか。(教科共通)

【児童生徒質問紙】 学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、勉強をしますか。(学習塾で勉強している時間や家庭教師に教わっている時間も含む)

7.6

6.4

29.6

17.4

37.7

47.2

15.7

22.6

6.3

5.2

3.0

1.2

0% 50% 100%

平成31年度

平成31年度

3時間以上 2時間以上、3時間より少ない 1時間以上、2時間より少ない

30分以上、1時間より少ない 30分より少ない 全くしない

51.2

57.5

67.1

0% 50% 100%

平成29年度

平成30年度

平成31年度

32.9

47.8

49.1

0% 50% 100%

平成29年度

平成30年度

平成31年度

小学校 中学校

【学校質問紙】 調査対象学年の児童生徒に対する国語(英語)の指導として、前年度までに、児童生徒が行った家庭学習の課題(長期休業期間中の課題を除く)について、評価・指導を行いましたか。

60.9

63.5

58.3

0% 50% 100%

平成28年度

平成29年度

平成31年度

49.7

56.5

55.3

平成28年度

平成29年度

平成31年度

※H31年度は、算数の項目は実施していない ※H31年度は、数学の項目は実施していない

54.1

0% 50% 100%

平成31年度

国語

英語

よく行った あまり行っていない どちらかといえば、行った 全く行っていない

国語

平成31年度とちぎっ子学習状況調査 保護者用資料(中学校)

県教育委員会で発行している「保護者用資料」では、とちぎっ子学習状況調査の正答率と授業の復習とのクロス集計を掲載しています。そこでは、「学校の授業の復習をしている」に対して「はい」と回答した児童生徒と、「いいえ」と回答した児童生徒の正答率に差があることを示しています。家庭学習の充実に向けて、授業とのつながりのある家庭学習となるよう、学校全体で取り組んでいきましょう。

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3 「確かな学力」の向上に向けて

全国学力・学習状況調査 関連資料 文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター

主体的に考え表現できる子どもを育てるために 栃木県教育委員会(平成26年度)

とちぎの子どもの「確かな学力」向上のために 授業改善に向けた3つの視点

栃木県教育委員会(平成27年度)

栃木県教育委員会事務局 義務教育課 学力向上推進担当 〒320-8501 宇都宮市塙田1丁目1番20号 TEL:028-623-3367 FAX:028-623-3399

※ これらの資料は、それぞれのホームページからダウンロードすることができます。

小学校報告書 中学校報告書 授業アイディア例

とちぎの子どもの「確かな学力」向上のために 授業改善に向けた3つの視点 Vol.2 栃木県教育委員会(平成30年度)

県教育委員会で、これまで作成、配布してきました以下の指導資料や、文部科学省

で作成している「全国学力・学習状況調査報告書」、「授業アイディア例」などの資

料を、学習指導の改善・充実に向けて御活用ください。

「とちぎっ子学力アッププロジェクト」は、今年度で6年目を迎え、とちぎっ子学習状況調査や全国学

力・学習状況調査の経年変化分析等の結果から、成果を上げている学校の共通する取組が見えてきまし

た。ここでは、主な取組と工夫している点についてお示しします。 ○ 学校全体(全学年・全教科等)で課題解決を図っていること 調査では、一部の学年、特定の教科を対象にしていますが、調査結果を基に、学校課題と関連する教科汎用性のある課題を設定し、学校全体で課題解決に向けて取り組んでいます。その際、各教科の特質を踏まえ、課題解決に向けて、どの単元でどのような工夫ができるかなどを考え、授業実践しています。 ○ 検証改善サイクルの確実な運用を図っていること 検証改善サイクルの確実な運用を図る上で、「課題の焦点化」と「検証の実施」は重要なポイントと言えます。「検証の実施」に当たっては、市町の独自の調査等を活用したり、単元テストや定期考査で「学校全体の課題」に関連する問題を位置付けたりするなどの工夫が見られます。 学校課題を踏まえ、調査結果を分析する。分析結果を基に学校全体で取り組み、「検証」を確実に行 う。そうした取組を継続することが、新しい時代に必要となる資質・能力の着実な育成につながると考え ます。 各学校においては、上記のような取組を参考にするなど、教育活動のさらなる充実に向けて取り組み、 児童生徒一人一人に「確かな学力」を育んでいきましょう。